JP2004069764A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像欠陥の弊害を生ずることなく干渉縞の発生を防止したベルト状電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【解決手段】樹脂フィルム上に導電層及び感光層を設けてなるベルト状電子写真感光体において、樹脂フィルムと導電層との間にコート層を有し、該コート層が少なくとも平均粒子径0.3〜5μmの微粒子を含有することを特徴とするベルト状電子写真感光体、このベルト状電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、干渉縞の発生を防止し高品質な画像を得ることのできるベルト状電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機やレーザービームプリンター等に使用される感光体は、ドラム状又はベルト状電子写真感光体に区別される。ベルト状電子写真感光体は、フレキシビリティに優れているため、剛体であるドラム状感光体に比べて省スペース設計が可能であり、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の周辺ユニットの配置についても自由に行うことができる。また、感光体の周長を長くすることにより、感光体の長寿命化を容易に行うことができる。これらの利点から、近年、ベルト状電子写真感光体に注目が集まり、広く利用されている。
【0003】
電子写真装置の光源にレーザー光を用いると、支持体からの反射光によって干渉といわれる現象を生じ、画像上に干渉縞が発生する。干渉縞の発生は、支持体からの反射光を吸収、又は散乱させることによって抑えることができる。有効な方法として、支持体又は下引き層の表面を粗面化する方法が広く知られている。特公平4−78991号公報に導電性支持体の表面に微粒子を含有した下塗り層を設けることにより下塗り層の表面を粗面化する方法が記載されている。しかし、この方法では粗面化用微粒子のほかに導電性微粒子を加える必要があり、樹脂バインダーに対する微粒子の割合が多くなる。この結果、耐屈曲性が低くベルト状電子写真感光体には不向きである。
【0004】
支持体に樹脂フィルムを用いたベルト状電子写真感光体においては、樹脂フィルムの表面を粗面化する方法がある。その方法の一つとして、特開平9−274329号公報に記載されているように樹脂フィルムに微粒子を含有させる方法がある。しかし、この方法では微粒子の分散性が悪く粗面化の度合いの調整が難しい、フィルム内部に微粒子が混在するためフィルムの機械強度が減少してしまう等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した課題を解決することであり、画像欠陥の弊害を生ずることなく干渉縞の発生を防止したベルト状電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、樹脂フィルム上に導電層及び感光層を設けてなるベルト状電子写真感光体において、樹脂フィルムと導電層との間にコート層を有し、該コート層が少なくとも平均粒子径0.3〜5μmの微粒子を含有することを特徴とするベルト状電子写真感光体が提供される。
【0007】
更に、本発明に従って、上記ベルト状電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。本発明における電子写真感光体は、樹脂フィルムにコート層、導電層が積層された導電性支持体表面に少なくとも感光層を形成してなるものである。
【0009】
樹脂フィルムの表面に形成されるコート層は、有機樹脂をコーティングすることによって得られる。有機樹脂に用いられる樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール及びブチラール樹脂等が挙げられる。
【0010】
コート層に用いられる微粒子の平均粒子径は0.3〜5μmであり、好ましくは0.6〜4μmである。平均粒径が0.3μmに満たないと、有機樹脂バインダーと溶剤中に分散させた場合に、微粒子と樹脂バインダーの親和性が良い場合には塗工面の粗面化効果が得られない。粗面化効果が得られるのは、微粒子の凝集性が大きい場合、微粒子と樹脂バインダー溶液との親和性が悪い場合に、塗膜中で微粒子の凝集を生じ、その効果で面が粗れる場合である。
【0011】
しかし、この様な場合には微粒子間の凝集によって、塗工液の安定性、生産性を著しく低下させるばかりか、塗工面にも不規則な凹凸が多くなり、画質を著しく低下させる原因となる。逆に平均粒径が5μmを超えた場合には、塗工面の粗さが大きくなり、その上層に積層させる電荷発生層塗膜に微細なハジキやブツ等を生じ、画像上に白ポチや黒ポチ等の欠陥を発生させる原因となる。
【0012】
微粒子コート層に用いられる微粒子の平均粒子径の測定方法は、コート層に存在する微粒子を走査型電子顕微鏡により倍率5000倍にて観察し、直径を測定し、40点の平均値をもって平均粒子径とすることができる。
【0013】
微粒子コート層に用いられる微粒子の形状は、真球状、楕円球状、板状及び針状等が挙げられるが、特に真球状及び楕円球状が好ましい。過度な鋭角を有する粒子形状の場合、感光層にピンホールを生じる可能性があり、部分的な画像欠陥の原因となるため好ましくない。更に、コート層に存在する該微粒子を走査型電子顕微鏡により5000倍にて観察した際の断面投影図において、微粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a及びaと直角方向の平行線の最長距離bとの間に、b/a≧0.3が成立つ形状であることが好ましい。ここで、b/aの値は40点測定の平均値である。
【0014】
微粒子コート層に用いられる微粒子の材料は、無機粒子と樹脂粒子とに分けることができ、いずれを用いることも可能であるが、樹脂粒子がより好ましい。樹脂粒子は樹脂バインダーとの親和性が良好であり、また、比重が軽いことから分散液の均一性や安定性が良く、安定した生産が可能であり、塗工膜の均一性が得られ易い等の長所を持つ。
【0015】
本発明で用いられる樹脂粒子は、溶剤に対して膨潤や溶解等を起こさない耐溶剤性を備えた樹脂が好ましい。例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。
【0016】
シリコーン樹脂としては、熱加硫型シリコーンゴム、室温硬化型シリコーンゴム、シリコーンレジン及び変性シリコーンレジンが挙げられる。
【0017】
メラミン樹脂としては、メラミンとシアヌル酸の縮合物、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合物等が挙げられる。
【0018】
尿素樹脂としては、メチロール尿素の重縮合物が挙げられる。
【0019】
アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸フエニル、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチル等の一官能性モノマーと、ジビニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等の多官能性モノマーとの共重合体が用いられる。
【0020】
スチレン樹脂として、スチレン、メチルスチレン及びクロロスチレン等の一官能性モノマーと、ジビニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等の多官能性モノマーとの共重合体等が用いられる。
【0021】
また、無機粒子としては、例えば二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリン及びタルク等が挙げられる。
【0022】
以上、微粒子コート層に用いられる微粒子を例示したが、本発明の微粒子はこれらに限定されるものではない。
【0023】
また、本発明において、微粒子の添加量は微粒子コート層の全質量に対して5〜70質量%が好ましく、特には10〜60質量%が好ましい。添加量が5質量%に満たないと表面を粗面化する効果が得られず干渉縞が発生し易くなり。また、70質量%を越えると微粒子コート層の機械的強度、耐久性が不十分でありクラックが発生することがある。
【0024】
微粒子コート層の膜厚は0.5〜10μmが好ましく、特には1〜8μmが好ましい。更に、前記範囲内にて、微粒子コート層の膜厚は微粒子コート層に用いられる微粒子の平均粒子径以上であることが好ましい。膜厚が0.5μmに満たないと微粒子を充分に固定でき難く、膜厚が10μmを超えると微粒子コート層の耐屈曲性が不十分でありクラックが発生し易くなる。
【0025】
コート層の表面における十点平均粗さRzは0.35μm〜2.5μmが好ましく、より好ましくは0.45〜2.0μmである。Rzが0.35μm未満の場合、光散乱効果が不充分であり干渉縞が発生する。また、Rzが2.5μmより大きい場合、塗工面の粗さが大きくなり、その上層に積層させる電荷発生層塗膜に微細なハジキやブツ等を生じ、画像上に白ポチや黒ポチ等の欠陥を発生させる原因となる。ここで、表面粗さRzはJIS B0601−1994に準拠し、測定条件は以下の通りとした。
【0026】
<測定装置> 表面粗さ測定器SE−3400(株式会社小坂研究所製)
<測定条件> 送り速さ:0.5mm/分
カットオフ:0.8mm
測定長さ:8mm
【0027】
支持体に用いる樹脂フィルムとしては、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート等が挙げられるが、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。樹脂フィルムは通常50〜150μmの厚みで使用される。
【0028】
導電層は、微粒子コート層の表面に金属層を形成する方法が挙げられる。金属層を形成する方法としては、真空蒸着、スパッタリング及びラミネート等が挙げられ、使用する金属としてはアルミニウム、ニッケル及び銅等が挙げられる。
【0029】
本発明の電子写真感光体の感光層は、少なくとも電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有する。電荷発生層と電荷輸送層は、それぞれ電荷発生材料、電荷輸送材料と有機バインダーによって形成される。
【0030】
電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクドリン顔料、アズレニウム塩染料、スクワリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素及びスチリル色素等が挙げられる。
【0031】
また、電荷輸送材料としては、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、トリアリルメタン化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。更に、これらの化合物をポリマー上に固定したペンダントポリマー等が挙げられる。
【0032】
また、有機樹脂バインダーに用いられる樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、あるいはこれらの樹脂の繰り返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー等を挙げることができる。
【0033】
本発明の感光層は、電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型が好ましい。
【0034】
積層構成の場合には、電荷発生層の膜厚としては、0.001〜6μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2μmである。電荷発生層に含有される電荷発生材料の含有率は、10〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜100質量%である。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材料の含有量は、20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。
【0035】
また、導電性支持体と感光層との間に下引層を設けてもよい。下引層は、界面での電荷注入制御や接着層として機能する。下引層は、主に樹脂バインダーから成るが、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム等の金属や合金、又はそれらの酸化物、塩類及び界面活性剤等を含んでいてもよい。
【0036】
下引層を形成する樹脂バインダーの具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂等が挙げられる。下引層の膜厚は、0.05〜7μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0037】
図3に本発明のベルト状電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えたフルカラー電子写真装置の例を示す。
【0038】
図3において、1は本発明のベルト状電子写真感光体であり、2本以上の軸2によって張架され、矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的のフルカラー画像の第1の色成分像(例えば、イエロー色成分像)の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0039】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器5Y)により第1色であるイエロートナーYにより現像される。この時、第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器5M、シアン色現像器5C及びブラック色現像器5BK)の各現像器は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0040】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次ベルト状感光体1上に重ね合わせて顕画化され、目的のフルカラー画像に対応した合成フルカラートナー画像が顕画化される。
【0041】
形成されたフルカラートナー画像の転写材7への転写は転写手段6がベルト状感光体に当接されるとともに、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との当接ニップに所定のタイミングで転写材7が給送され、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が転写手段6により順次転写されていく。この時、転写手段にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
【0042】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0043】
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器等で回収することもできる。更に、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0044】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3及びクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0045】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0046】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅広く適用し得るものである。
【0047】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【0048】
(実施例1)
<コート層>
アルコール可溶性メラミン樹脂55質量部、平均粒子径1.0μmの球状シリコーン樹脂粒子45質量部をイソプロピルアルコール100質量部に混合して微粒子コート層用の分散液を調合した。ここでシリコーン樹脂粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a及びこれと直角方向平行線の最長距離b共に1.0μmであった。
【0049】
この分散液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に塗工し、130℃で20分間乾燥、硬化することによって、膜厚が4μmの微粒子コート層を形成した。コート層の表面粗さRzは0.82μmであった。
【0050】
<導電層>
微粒子コート層の表面に50nmの厚さでアルミニウムを蒸着し導電層を作製した。
【0051】
<下引き層>
アルコール可溶性ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM−8000、東レ(株)社製)10部、メトキジメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国科学(株)社製)30質量部をメタノール150質量部/ブタノール150質量部の混合溶媒中に溶解した調合液を塗工し、90℃で10分間乾燥することによって、膜厚が1μmの下引き層を形成した。
【0052】
<電荷発生層>
ジスアゾ顔料4部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックスBL−S、積水化学(株)社製)2部及びシクロヘキサノン100質量部をサンドミル装置にて48時間分散した後、テトラヒドロフラン(THF)100質量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を前記下引き層上に塗工し、80℃で5分間乾燥することによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0053】
<電荷輸送層>
スチリル化合物10質量部及びポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)社製)10質量部をジクロロメタン20部/モノクロロベンゼン60部の混合溶媒中に溶解し、この溶液を前記の電荷発生層上に塗工し、120℃で60分間乾燥することによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
【0054】
<評価>
このように作製した感光体の表面粗さ及び感光体としての塗膜の均一性を観察した。また、この感光体を電子写真装置に装着し画像を出力した。感光体の表面の観察より、ブツ、ヘコ等の欠陥は見られず、塗膜面は均一であった。また、画像からは、干渉縞等の不具合点は見られず、高鮮明な画像が得られた。
【0055】
(実施例2)
実施例1の微粒子コート層において楕円球状シリコーン樹脂粒子の平均粒子径を3μmとした以外は実施例1と同様にしてベルト状電子写真感光体を作製した。ここでシリコーン樹脂粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離aは3.8μm、これと直角方向平行線の最長距離bが2.4μmであった。また、コート層の表面粗さRzは1.33μmであった。感光体表面及び画像の評価も実施例1と同様に行った。感光体表面の観察より、ブツ、ヘコ等の欠陥は見られず、塗膜面は均一であった。画像からは、干渉縞等の不具合点は見られず、高鮮明な画像が得られた。
【0056】
(実施例3)
アルコール可溶性メラミン樹脂35質量部、平均粒子径1.0μmの球状シリコーン樹脂粒子65質量部をイソプロピルアルコール100質量部に混合して微粒子コート層用の分散液を調合し、微粒子コート層を2μmとした以外は実施例1と同様にして微粒子コート層を作成した。ここで、コート層の表面粗さRzは1.21μmであった。実施例1と同様にして感光層を形成し、ベルト状電子写真感光体を作製した。感光体表面の観察より、ブツ、ヘコ等の欠陥は見られず、塗膜面は均一であった。画像からは、干渉縞等の不具合点は見られず、高鮮明な画像が得られた。
【0057】
(実施例4)
実施例1の微粒子コート層において微粒子として平均粒子径の3.3μmの酸化亜鉛を用いた以外は、実施例1と同様にしてベルト状電子写真感光体を作製した。ここで、酸化亜鉛粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a、及びこれと直角方向平行線の最長距離bは各々6.0μm、及び2.5μmであった。また、コート層の表面粗さRzは1.85μmであった。感光体表面及び画像の評価も実施例1と同様に行ったところ、感光体表面の観察より、ブツ、ヘコ等の欠陥は見られず、塗膜面は均一であった。画像からは、干渉縞等の不具合点は見られず、高鮮明な画像が得られた。
【0058】
(比較例1)
実施例1の微粒子コート層において球状シリコーン樹脂粒子の平均粒子径を0.2μmとした以外は、実施例1と同様にしてベルト状電子写真感光体を作製した。ここでシリコーン樹脂粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a、及びこれと直角方向平行線の最長距離b共に0.2μmであった。また、コート層の表面粗さRzは0.28μmであった。感光体表面、及び画像の評価も実施例1と同様に行ったところ、感光体表面の観察より、ブツ、ヘコ等の欠陥は見られず、塗膜面は均一であったが、画像に干渉縞が発生した。
【0059】
(比較例2)
実施例1の微粒子コート層において球状シリコーン樹脂粒子の平均粒子径を6.0μmとした以外は、実施例1と同様にしてベルト状電子写真感光体を作製した。ここでシリコーン樹脂粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a、及びこれと直角方向平行線の最長距離b共に6.0μmであった。、コート層の表面粗さRzは3.12μmであった。感光体表面及び画像の評価も実施例1と同様に行ったところ、感光体表面の観察より、表面のざらつき、塗工ムラが見られた。画像からは白ポチ等の画像欠陥が見られた。また、解像度も低かった。
【0060】
【表1】
Figure 2004069764
【0061】
【発明の効果】
上述したように、本発明により、安定した表面を有し、また干渉縞等の画像欠陥のなく、高鮮明な画像が得られるベルト状電子写真感光体、該ベルト状電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】コート層に含有された楕円状微粒子の断面投影図である。
【図2】コート層に含有された微粒子の断面投影図である。
【図3】本発明のベルト状電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えたフルカラー電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
a 微粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離
b aと直角方向の平行線の最長距離
1 ベルト状電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5Y イエロー現像器
5M マゼンタ現像器
5C シアン現像器
5BK ブラック現像器
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ

Claims (8)

  1. 樹脂フィルム上に導電層及び感光層を設けてなるベルト状電子写真感光体において、樹脂フィルムと導電層との間にコート層を有し、該コート層が少なくとも平均粒子径0.3〜5μmの微粒子を含有することを特徴とするベルト状電子写真感光体。
  2. 前記コート層に用いられる微粒子が樹脂微粒子である請求項1に記載のベルト状電子写真感光体。
  3. 前記コート層に用いられる微粒子の形状に関して、微粒子の断面投影図において微粒子の輪郭に接する二つの平行線の最長距離a、aと直角方向の平行線の最長距離bとの間に、b/a≧0.3が成立つ請求項1又は2に記載のベルト状電子写真感光体。
  4. 微粒子コート層の厚みが0.5〜10μmである請求項1〜3のいずれかに記載のベルト状電子写真感光体。
  5. 微粒子コート層における微粒子の含有量が5〜70質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のベルト状電子写真感光体。
  6. 前記コート層表面の十点平均粗さRzが0.35μm〜2.5μmである請求項1〜5のいずれかに記載のベルト状電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のベルト状電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のベルト状電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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