JP2004068303A - 開口補強構造を備えた建築土木構造物の構成材及び横架材 - Google Patents

開口補強構造を備えた建築土木構造物の構成材及び横架材 Download PDF

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Abstract

【課題】梁の開口の周囲部分において、地震時のコンクリートの損傷を低減する。
【解決手段】梁10の開口Sを補強する開口補強構造20は、第1,第2の開口補強筋21,22を備えている。第1開口補強筋21は、略U字状をなして垂れ下がる補強部21aと、補強部21aの一対の上端に連なり上側の梁主筋11に掛けられる引掛部21bとを有している。第2開口補強筋22は、略U字状をなして起き上がる補強部22aと、補強部22aの一対の下端に連なり下側の梁主筋12に掛けられる引掛部22bとを有している。第1開口補強筋21の補強部21aと、第2開口補強筋22の補強部22aとで開口Sを囲む。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は横架材等、建築構造物や土木構造物の構成材に貫通形成された開口を補強する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート造の梁(横架材)は、複数の上側主筋と、複数の下側主筋と、これら主筋を囲み主筋の延び方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートとにより構成されている。この梁に空調設備ダクト等を通すため、梁の長手方向と直交する方向に開口を貫通形成することがある。
【0003】
上記開口を形成した場合、梁の強度、特に梁の開口の周囲の強度が低下し、地震の際に、コンクリートのひび割れ,剥離等の損傷が生じることがある。そこで、従来から種々の開口補強構造が提案されている。例えば特開平6−146474号の図4(A)に示すように、開口の回りを複数の傾斜鉄筋で囲ったり、同公報の図1に示すように、開口を囲むリング筋を配置することにより、開口を補強しようとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−146474号公報(図1,図4A)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の梁の開口補強構造では、傾斜鉄筋やリング筋は梁主筋と力の伝達関係を持たない。そのため、開口を設けたことによる剪断耐力の低下を防止するには限度があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は上記課題を解決するためになされたものであり、直線状に第1方向に延びる複数の主筋と、主筋を囲み上記第1方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、上記第1方向と直交する第2方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造と、を備えた建築土木構造物の構成材において、上記開口補強構造が、第1,第2の開口補強筋を備え、これら第1,第2の開口補強筋は、略U字状をなす補強部と、この補強部の両端に連なる引掛部とを有し、第1開口補強筋の引掛部は、上記第1,第2方向と直交する第3方向の一方側に配置された主筋に掛けられ、第2開口補強筋の引掛部は上記第3方向の他方側の主筋に掛けられ、これら第1,第2の開口補強筋の補強部が、上記開口を少なくとも略半周分ずつ囲んでいることを特徴とする。図1〜図12の実施形態参照。
【0007】
上記構成によれば、第1,第2の開口補強筋のU字状の補強部で開口を囲む。しかも、これら開口補強筋は引掛部によりそれぞれ主筋に掛けられ、主筋への力の伝達経路を確保しているので、構成材の開口の周囲部に生じた剪断力を最終的に主筋で受け持つことができる。その結果、開口の周囲部分でのコンクリートの損傷を著しく軽減できる。また、これら開口補強筋は比較的簡単な構成にできるとともに、設置作業も容易である。
【0008】
第2の発明は、建築土木構造物の構成材において、上記開口補強構造が開口補強筋を備え、この開口補強筋は、上記第1,第2方向と直交する第3方向の一方側の主筋から他方側の主筋まで延びる補強部と、この補強部の両端に連なる引掛部とを有し、これら引掛部が上記一方側の主筋と他方側の主筋にそれぞれ掛けられ、上記補強部の略中央部には、上記開口を囲むように巻回された環状部が形成されていることを特徴とする。図13,図14の実施形態参照。
この構成では、開口補強筋の環状部が開口を囲む。しかも、この開口補強筋の引掛部が対峙する主筋に掛けられ主筋への力の伝達経路を確保しているので、第1発明と同様に開口の周囲部分でのコンクリートの損傷を著しく軽減できる。また、これら開口補強筋は比較的簡単な構成にできるとともに、設置作業も容易である。
【0009】
第3の発明では、複数の上側主筋と、複数の下側主筋と、これら主筋を囲み主筋の延び方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、主筋の延び方向と直交する方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造とを備えた建築土木構造物の構成材において、
上記開口補強構造が、第1,第2の開口補強筋を備え、第1開口補強筋は、略U字状をなして垂れ下がる補強部と、この補強部の一対の上端に連なり上側主筋に掛けられる引掛部とを有し、第2開口補強筋は、略U字状をなして起き上がる補強部と、この補強部の一対の下端に連なり下側主筋に掛けられる引掛部とを有し、上記第1の開口補強筋の補強部が上記開口の少なくとも下側の略半周分を囲み、第2の開口補強筋の補強部が上記開口の少なくとも下側の略半周分を囲んでいることを特徴とする。図1〜図12の実施形態参照。
上記第3発明は、第1発明を横架材に限定したものであり、第1発明と同等の作業効果が得られる。
【0010】
上記第3の発明の一態様として、上記第1,第2の開口補強筋の各々は、1本の連続した鉄筋により形成され、上記補強部を一対有するとともに、上記開口の貫通方向に延びる少なくとも1つの直線部を有し、この直線部が上記一対の補強部の一端に連なって共通の引掛部として提供され、この直線部と一対の補強部との間の2つの交差部が2本の主筋にそれぞれ掛けられている。図1〜図8の実施形態参照。
この構成によれば、一対の補強部が1回の作業で設置でき、設置作業がより一層容易になる。また、一対の補強部の少なくとも一端が1つの直線部で連なっており、この直線部が複数の主筋に掛けられるので、補強部から主筋への力の伝達をより一層確実なものとすることができる。
【0011】
上記第1,第2の開口補強筋の各々は、主筋の延び方向に離れた一対の直線部を備えており、上記鉄筋の両端が溶接されることにより、閉ループをなして形成されていていてもよい。図1〜図7の実施形態参照。
この構成によれば、開口補強筋が閉じループをなすとともに、2つの直線部がそれぞれ複数の主筋に掛かりようになっているので、構成の簡略化、設置作業の容易化、補強部から主筋への力の伝達を、最大限発揮することができる。
【0012】
上記鉄筋の両端部は、上記引掛部の一部を構成し、それぞれ折り曲げられて主筋に掛けられていてもよい。図8参照。この構成によれば、鉄筋の溶接が不要となる。
好ましくは、上側主筋および下側主筋がそれぞれ4本以上配置され、上記第1,第2開口補強筋がそれぞれ複数設けられ、上記複数の第1開口補強筋の補強部が、上記開口の貫通方向に離れて配置され、上記複数の第2開口補強筋の補強部が、第1開口補強筋の補強部にそれぞれ重なるように配置されている。図1〜図7に示す実施形態参照。この構成によれば、第1,第2開口補強筋はそれぞれ4つ以上の補強部を有して開口を囲むので、補強効果を増大させることができる。
【0013】
第3の発明の他の態様として、上記第1,第2の開口補強筋が複数装備され、これら開口補強筋の各々は、連続した1本の鉄筋により単一の補強部を有して形成され、第1開口補強筋の補強部同士、第2開口補強筋の補強部同士が、上記開口の貫通方向に離れている。図9に示す実施形態参照。この構成によれば、開口補強筋の構成をより一層簡略化することができる。
上記第1,第2の開口補強筋の各々において、補強部の両端部が折り曲げられて一対の引掛部として提供され、この一対の引掛部が共通の主筋に掛けられるようにしてもよい。図9(C)に示す実施形態参照。この構成によれば、開口補強筋の構成を最大限に簡略化することができる。
上記第1,第2の開口補強筋の各々は、上記補強部の両端から上記開口の貫通方向に直線的に延びる一対の引掛部を有し、これら一対の引掛部と補強部との交差部が1本の共通の主筋に掛けられ、この引掛部の先端部が折り曲げられて他の共通の主筋に掛けられるようにしてもよい。図9(A),(B)に示す実施形態参照。この構成によれば、引掛部が複数の主筋に掛けられるので、開口補強筋を安定して設置することができる。
【0014】
上記第3の発明の他の実施形態として、上側主筋および下側主筋が4本ずつ配置され、上記第1,第2開口補強筋が1つずつ設けられ、これら第1,第2開口補強筋の各々は、1本の連続した鉄筋により形成され、この鉄筋を折り曲げることにより、4つの補強部と、この補強部に連なる直線状の引掛部とを有し、第1開口補強筋における補強部と引掛部との交差部が上側の4本の主筋にそれぞれ掛けられ、第2開口補強筋における補強部と引掛部との交差部が下側の4本の主筋にそれぞれ掛けられている。図10に示す実施形態参照。
この構成によれば、第1,第2開口補強筋の設置作業はそれぞれ1回ずつで済むので、設置作業を最大限簡略化させることができる。また、4つの主筋に掛けられるので、主筋への力の伝達も最大限発揮できる。
【0015】
第3の発明の他の態様として、上記第1,第2の開口補強筋の補強部は、直線を複数箇所で折り曲げるようにして形成され、第1,第2の開口補強筋のそれぞれにおいて、複数の補強部の対応する折り曲げ部が、上記開口の貫通方向から見て一致した位置にあり、開口の貫通方向に延びる補助筋が、この折り曲げ部にほぼ接するようにしてその内側に配置されている。図11,図12に示す実施形態参照。この構成によれば、補助筋を開口に沿える構造であるので、開口補強効果を増大させることができる。
【0016】
第4の発明は、建築土木構造物の横架材において、上記開口補強構造が開口補強筋を備え、この開口補強筋は、上側主筋から下側主筋まで延びる補強部と、この補強部の上端に連なり上側主筋に掛けられる第1引掛部と、この補強部の下端に連なり下側主筋に掛けられる第2引掛部とを有し、上記補強部の略中央部には、上記開口を囲むように巻回された環状部が形成されていることを特徴とする。図13,図14に示す実施形態参照。
上記第4の発明は、第2発明を横架材に限定したものであり、第2発明と同等の作業効果が得られる。
【0017】
第4の発明において、上記開口補強筋は、連続した1本の鉄筋からなり、上記開口の貫通方向に離れた一対の補強部と、少なくとも1つの直線部とを有し、この直線部は、上記開口の貫通方向に水平に延び一対の補強部の一方の端に連なって共通の引掛部として提供され、この直線部と一対の補強部との交差部が2本の主筋に掛けられている。図13,図14に示す実施形態参照。
この構成によれば、一対の補強部が1回の作業で設置でき、開口補強筋の設置作業がより一層容易になる。また、一対の補強部の少なくとも一端が1つの直線部で連なっており、この直線部が複数の主筋に掛けられるので、補強部から主筋への力の伝達をより一層確実なものとすることができる。
【0018】
好ましくは、上記開口補強筋は、上記鉄筋の両端を溶接することにより、一対の直線部と一対の補強部とを有して略矩形状に形成されている。図13,図14に示す実施形態参照。これにより、開口補強筋は剪断補強筋とほぼ等しい役割をも果たすことができる。
好ましくは、上記開口補強筋は、主筋の延び方向に離れて一対配置され、これら一対の開口補強筋の環状部が上記開口の貫通方向から見て同位置にあって上記開口を囲む。図13,図14に示す実施形態参照。これにより、開口周囲において剪断補強筋の代わりに開口補強筋を密に配置することができる。また、開口を囲む環状部の数を増やすことができる。
【0019】
好ましくは、上記開口補強構造は、さらに主筋の延び方向と直交する方向に配置されたパイプを備え、このパイプの内部空間が上記開口として提供される。全ての図に示す実施形態参照。このパイプにより、剪断に伴う圧縮力を伝達することができる。また、パイプと主筋との間のコンクリートを有効に拘束できることから、開口周囲の補強効果をさらに高めることができるとともに、開口内周面からのコンクリートの剥落を防止することができる。
さらに好ましくは、上記パイプの外周には、コンクリートとの付着を高めるための凹凸が形成されている。これにより更なる補強効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1〜図4は、梁10(建築物の構成材としての横架材)を示す。梁10は、梁10の長手方向(第1方向)に沿って水平に延びる4本の上側主筋11(第3方向の一方側の主筋)と4本の下側主筋12(第3方向の他方側の主筋)と、これら主筋11、12を囲む、縦長の四角形をなす多数の剪断補強筋13(スターラップ)とを有している。4本の上側主筋11は共通の平面上に平行に配置されており、4本の下側主筋12も他の共通の平面上に平行に配置されている。剪断補強筋13は、梁10の長手方向(主筋11,12の延び方向)に一定間隔をおいて配置されている。剪断補強筋13の4つの隅部は、上側の左右両端の主筋11と下側の左右両端の主筋12に掛けられ、主筋11,12に番線(細い金属線)で結ばれて位置決めされている。これら主筋11,12および剪断補強筋13はコンクリート14(図6(C)にのみ示す)内に埋設されている。
【0021】
梁10の開口形成領域Xには剪断補強筋13は配置されていない。本実施形態では、剪断補強筋13が2つ分欠けている。図4,図5(C),図6(C)に示すように、この開口形成領域Xに開口Hが形成されるとともに、開口補強構造20が設けられている。この開口補強構造20は、上側の2つの第1開口補強筋21と、下側の2つの第2開口補強筋22と、鋼管(パイプ)23とを有している。
【0022】
上記第1開口補強筋21は、図7(B)に最も良く示されているように、U字形をなす一対の補強部21aと、これら一対の補強部21aの一端間を連ねる直線部21bと、一対の補強部21aの他端間を連ねる直線部21bとを有して、閉ループを形成している。直線部21bは、一対の補強部21aのための共通の引掛部として提供される。図5(C),図7(B)に示すように、補強部21aは、補強部21aに連なる一対の直線状の垂直部21xとこれら垂直部21xの下端を連ねる半円弧形状の湾曲部21yとからなる。補強部21aと直線部21bとの交差部21zは、主筋11の外周に対応する曲率半径で湾曲している。
【0023】
第2開口補強筋22は第1開口補強筋21と等しい形状をなし、一対の補強部22aと一対の直線部22b(共通の引掛部)とを有している。補強部22aは一対の垂直部21xと湾曲部21yとからなり(図5(C)でのみ符号を付けて示す)、補強部22aと直線部22bとの交差部22zは湾曲している。
【0024】
上記開口補強筋21,22はそれぞれ1本の連続した鉄筋により形成されている。最初に連続した1本の鉄筋を折り曲げて図7(A)に示すような枠体50を作る。この枠体50は、一対の長辺部51と一対の短辺部52とを有して長方形をなしている。鉄筋の両端は突き合わされて溶接されている。この溶接部55は、枠体50の例えば一方の短辺部52の中央(中間部)に位置している。次に、この長方形の枠体50を図7(A)の矢印で示すように、枠体50の一対の短辺部52が近づくように、一対の長辺部51の中央部を円弧形状に湾曲する。この湾曲された長辺部51が開口補強筋21、22の補強部21a、22aとなり、短辺部52がそのまま開口補強筋21の直線部21b,22bとなる。
【0025】
図4,図5(C),図6(C)に示すように、第1開口補強筋21の直線部21bは上側の主筋11と直交して水平に延びこの主筋11の上側に掛けられており、補強部21aは後述する鋼管23の貫通方向(第2方向)と直交する垂直面上において垂れ下がっている。詳述すると、一方の第1開口補強筋21の一対の直線部21bは、主筋11の延び方向に互いに離れているとともに、上側の主筋11のうち左から1番目〜3番目までの3本の主筋11に掛けられており、その交差部21zは左端の主筋11と3番目の主筋11に掛けられている。他方の第1開口補強筋21の一対の直線部21bも互いに離れているとともに、左から2番目〜4番目の主筋11に掛けられており、その交差部21zは2番目の主筋11と4番目の主筋11に掛けられている。2つの第1開口補強筋21の直線部21bは一部重なっている。2つの第1開口補強筋21の一対の補強部21a、すなわち4つの補強部21aは互いに離れており、異なる主筋11から垂れ下がっている。
【0026】
同様に、第2開口補強筋22の直線部22bは下側の主筋12と直交して水平に延びこの主筋12の下側に掛けられている。補強部22aは鋼管23の貫通方向と直交する垂直面上において起き上がっている。一方の第2開口補強筋22の一対の直線部22bは、互いに離れているとともに、下側の主筋12のうち左から1番目〜3番目までの3本の主筋12に掛けられており、その交差部22zは左端の主筋12と3番目の主筋12に当たっている。他方の第2開口補強筋22の直線部22bは、互いに離れているとともに、左から2番目〜4番目の主筋12に掛けられており、その交差部22zは2番目の主筋12と4番目の主筋12に当たっている。2つの第1開口補強筋22の一対の補強部22a、すなわち4つの補強部22aは互いに離れており、異なる主筋12から起き上がっている。上記開口補強筋21,22は、位置決めのために番線により主筋11,12に連結されている。
【0027】
図5(C)に最も良く示されているように、第1開口補強筋21の補強部21aと第2補強筋22の補強部22aとは、紙面と直交する方向(梁10の延び方向と直交し、水平な方向)から見て交差している。また、図6(C)に示すように、第1開口補強筋21の補強部21aとこれに対応する第2補強筋の補強部22aは重なっている。この補強部21a,22aにより形成された環状のスペースに鋼管23が挿入されている。この鋼管23の内部空間が上記開口Sとして提供される。各補強部21a,22aは鋼管23(開口S)を半周ずつ囲んでいることになる。
【0028】
次に、開口補強構造20の製造工程について説明する。図1,図2,図5(A),図6(A),(B)に示すように、一方の第1開口補強筋21の直線部21bを上側の3本の主筋11に載せて、一対の補強部21aを垂れ下がるように配置するとともに、他方の第1開口補強筋21の直線部21bを上側の3本の主筋11に載せて、一対の補強部21aを垂れ下がるように配置する。そして、これら直線部21bを番線で主筋11に結ぶ。
上記と同様にして、図2,図3,図5(B),図6(B),(C)に示すように、第2開口補強筋22を下側の主筋12に取りつける。なお、これら4つの開口補強筋21,22の取り付け順序は特にこだわらない。
次に、図4,図5(C),図6(C)に示すように、開口補強筋21,22の補強部21a,22aの交差により形成された環状のスペースに鋼管23を挿入する。最後にコンクリート14を打設する。
【0029】
上記梁10の開口Sには空調設備のダクト等が挿通される。開口Sの周囲のコンクリート14は、開口補強筋21,22により補強されているので、地震の際のひび割れ等を著しく軽減できる。すなわち、梁10に大きな剪断力が作用した場合には、開口Sを囲んだ開口補強筋21,22の補強部21a,22aでこれを受け持ち、直線部21b、22bが掛けられた主筋21、22に伝達するので、最終的にこの主筋21,22で剪断力を受け持つことができるからである。鋼管23は、剪断に伴う圧縮力を伝達することができる。また、鋼管23と主筋11,12との間のコンクリート14を有効に拘束することができることから、コンクリート14の開口Sの周囲部分の補強の役割を果たすとともに、開口S近傍のコンクリートの剥落を防止する役割を担う。
鋼管23の外周には、コンクリート14との付着性を高めるために全域にわたって凹凸が形成されており、より一層の補強効果を得ている。なお、この凹凸は、例えば鋼管23の軸方向に延びる多数の縦リブと周方向に延びる横リブにより硬性されている。
【0030】
本実施形態において、1本の連続した鉄筋により形成された開口補強筋21,22は構成が簡単である。開口補強筋21,22は主筋11,12に掛けるようにして設置できるので、その設置作業が簡単である。しかも、交差部21z,22zを主筋11,12に掛けることにより、位置決めも簡単である。
【0031】
本発明は、上記第1実施形態に制約されず、種々の形態を採用できる。例えば、図5(C)に示すように、短い鉄筋からなる補助筋29を、鋼管23の上下に主筋11,12と平行に配置してもよい。
第1実施形態より開口補強筋21,22の直線部21b、22bを短くして、隣接する2本の主筋11,12に掛けるようにしてもよい。例えば、一方の第1開口補強筋21を左から1番目と2番目の主筋11に掛け、他方の第1補強筋21を左から3番目と4番目の主筋11に掛けるようにし、2つの第2開口補強筋22も同様にして主筋12に掛けるようにする。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態を図面を参照しながら説明する。これら実施形態において先行の実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。
図8,図9に示す実施形態では、第1実施形態と同様に開口補強筋は1本の連続した鉄筋により形成されているが、その両端は溶接されず折り曲げられている。これら実施形態において、第2開口補強筋は第1補強筋と同形状であるから説明を省略する。
【0033】
図8(A)に示す実施形態の第1開口補強筋21Aでは、一方の直線部21bは第1実施形態と同様に一対の補強部21aの一端を連ねて共通の引掛部として機能するが、他方の直線部21b’は一方の補強部21aの他端のための引掛部としてだけの役割を担い、3本の主筋11に掛けられている。他方の補強部21aの他端部は折り曲げられて引掛部21cとなっている。この引掛部21cと、上記直線部21b’の先端部に形成された折曲部21dは、共通の主筋11に掛けられている。
【0034】
図8(B)に示す実施形態の第1開口補強筋21Bでは、一方の直線部21bは第1実施形態と同様に一対の補強部21aの一端を連ねて共通の引掛部として機能する。一対の補強部21aの他端には、引掛部としての直線部21b”がそれぞれ連なっている。これら2本の直線部21b”は第1実施形態の半分の長さであり、それぞれ2本の主筋11に掛けられ、その先端部に形成された折曲部21eは真中の主筋11に掛けられる。
【0035】
図8(C)に示す実施形態の第1開口補強筋21Cでは、1つの直線部21bが第1実施形態と同様に一対の補強部21aの一端を連ねて共通の引掛部として機能する。一対の補強部21aの他端部には、折曲部21f(引掛部)が形成されている。これら折曲部21fは対応する交差部21zと共通の主筋11に掛けられている。
【0036】
上記図8(A)の実施形態では、直線部21b、21b’を略半分の長さにして2本の主筋11に掛けるようにしてもよい。同様に図8(B),(C)でも直線部21bを短くして2本の主筋11に掛けるようにしてもよい。
【0037】
図8(D)の実施形態の第1開口補強筋21Dは図8(B)の実施形態と似ているが、直線部21bを長くして4本の主筋11に掛けるようになっている。2本の直線部21b”はそれぞれ異なる2本の主筋11に掛けられる。
図8(E)の実施形態の第1開口補強筋21Eも図8(B)の実施形態と似ているが、直線部21bを長くして4本の主筋11に掛けるようになっている。2本の直線部21b”も長くなっていて3本の主筋11に掛けられる。
【0038】
図9(A)〜(C)に示す実施形態では、開口補強筋は、単一の補強部を有している。この実施形態では、第1開口補強筋,第2開口補強筋は、それぞれ複数例えば2つ配置される。図9(A)に示す第1開口補強筋21Fは、補強部21aと、この補強部21aの両端から延びる直線部21g(引掛部)と有している。直線部21gは3本の主筋11に掛けられ、その先端の折曲部21hが、中間の主筋11に掛けられている。
図9(B)に示す第1開口補強筋21Gは、図9(A)の第1開口補強筋20Aより直線部21gが短く2本の主筋11に掛けられている。
図9(C)に示す第1開口補強筋21Hは、図9(A),(B)の直線部20gがなく、補強部21aの両端部に折曲部21h(引掛部)が形成されている。
【0039】
図10に示す実施形態では、最初に1本の鉄筋を一筆書きのようにして折り曲げてその両端を溶接することにより、長方形の枠体60を作る。枠体60は一対の長辺部61と、これら長辺部61と平行をなしその内側に配置された一対の中骨部62と、これら長辺部61および中骨部62と直交する一対の短辺部63とを有している。長辺部61と中骨部62はほぼ等間隔をなしている。一方の短辺部63は、一対の長辺部61の一端間を連ねる長い直線部63aと、一対の中骨部62の一端間を連ねる短い直線部63bとを含み、この直線部63bは直線部63aの中央部で重なっている。他方の短辺部63は、一方の長辺部61の他端と一方の中骨部62の他端間を連ねる直線部63cと、他方の長辺部61の他端と他方の中骨部62の他端間を連ねる直線部63dとを含み、これら直線部63c、63dは短辺部63の中央部で重なっている。鉄筋の両端は突き合わされて溶接されている。この溶接部65は、例えば枠体60の短辺部63の直線部の1つである直線部63dの中間部に位置している。
【0040】
次に、図10の矢印で示すように、一対の短辺部63が近づくように、長辺部61,中骨部62の中央部を円弧形状に湾曲する。これにより、湾曲された長辺部61,中骨部62が開口補強筋の補強部となる。また、短辺部63を構成する直線部63a,63bおよび直線部63c、63dがそのまま開口補強筋21の直線部(引掛部)となる。全体形状は、第1実施形態の2つの開口補強筋21を一体に組み込んだ形状に似る(図1参照)。直線部63a〜63dと長辺部61,中骨部62の交差部は湾曲していてそれぞれ4本の主筋11に掛けられる。
【0041】
図11に示す実施形態の開口補強構造20Jは、第1開口補強筋21Jと第2開口補強筋22Jと、鋼管23と、鋼管23とほぼ同じ長さか少し短い直線状の鉄筋からなる補助筋25とを有している。これら開口補強筋21J,22Jは第1実施形態の開口補強筋21,22と基本構成が同じであり、2つずつ配置される。これら開口補強筋21J,22Jの補強部21a’,22a’の形状だけが第1実施形態と異なる。第1開口補強筋21Jの一対の補強部21a’は、略U字状をなすが、直線を2箇所(複数箇所)で折り曲げるようにして左右対称に形成され、一対の補強部21aの折り曲げ部21p同士,折り曲げ部21q同士が上記開口Sの貫通方向から見て一致した位置にある。補助筋25は、開口Sの貫通方向に延び、折り曲げ部21p,21qにほぼ接するようにしてその内側に配置され、番線で結束されている。
【0042】
第2開口補強筋22Jの補強部22a’も同様に折り曲げ部22p、22qを有し、ここに補助筋25が配置されている。この実施形態では、4本の補助筋25を配置することにより、開口Sの周囲の強度を更に向上させることができる。
【0043】
図12に示す実施形態の開口補強構造20Kにおいては、第1開口補強筋21Kの略U字状の左右対称形をなす補強部21a”は、3箇所に折り曲げ部21r,21s,21tを有しており、第2開口補強筋22Kの補強部22a”も、同様にして3箇所に折り曲げ部22r,22s,22tを有しているが、他の点は図11の実施形態と同じである。開口補強筋21K,22Kの折り曲げ部21r,22rは開口Sの貫通方向から見て一致しており、その内側に接するようにして共通の補強筋25が配置されている。同様に開口補強筋21K,22Kの折り曲げ部21t,22tも開口Sの貫通方向から見て一致しており、その内側に接するようにして共通の補強筋25が配置されている。なお、第1開口補強筋21Kの一対の補強部21a”の折り曲げ部21s同士、第2開口補強筋22Kの一対の補強部22a”の折り曲げ部22s同士も開口Sの貫通方向から見て一致しており、その内側に補助筋25が配置されている。
【0044】
図11,12に示す補強部の形状および補助筋の配置は、それより前に説明した全ての実施形態で採用することができる。
また、上述した全ての実施形態において、第1,第2の開口補強筋の補強部の先端部が環状をなしてそれぞれ開口を略一周半ずつ囲むようにしてもよい。この場合にも、補強部は概略的にはU字形をなしている。
【0045】
次に図13の実施形態について説明する。この実施形態では図13(B)に示すように、開口補強筋80は、上側主筋11から下側主筋12まで垂直に延びる一対の補強部81と、これら補強部81の上端に連なり上側主筋11と直交するように水平に直線状に延びる第1引掛部82と、この補強部81の下端に連なり下側主筋12と直交するように水平に延びる第2引掛部83とを有して、略矩形状に形成されている。上記補強部81の略中央部には、円形の環状部81aが形成されている。
【0046】
上記開口補強筋80は1本の連続した鉄筋により形成されている。最初に鉄筋を折り曲げて図13(A)に示すような枠体90を作る。この枠体90は、一対の長辺部91と一対の短辺部92とを有して長方形をなしている。鉄筋の両端は突き合わされて溶接されている。この溶接部95は、枠体90の例えば一方の短辺部92の中央(中間部)に位置している。次に、この枠体90の長辺部91を中央部で1回りするように曲げ加工する。この曲げ加工された一対の長辺部91が開口補強筋80の補強部81となり、一対の短辺部92がそのまま開口補強筋80の第1,第2の引掛部82,83となる。なお、溶接部95は補強部81の直線部に位置するようにしてもよい。
【0047】
図13(A)に示すように、上記開口補強筋80を、剪断補強筋と同様に全ての主筋11,12を囲むようにして配置し、補強部81と引掛部82,83の4つの交差部84を上側の両端の主筋11および下側の両端の主筋12に掛ける。本実施形態では、図13(C)に示すように上記形状の開口補強筋80を2つ用いる。これら2つの開口補強筋80は、環状部81aを互いに向かい合わせる。図13(D)に示すように、2つの開口補強筋80を剪断補強筋とほぼ等しい間隔で配置し、2つの開口補強筋80の環状部81aを、後述の鋼管23の貫通方向から見て一致させる。この状態で開口補強筋80を主筋11,12に番線で結束し、最後に、4つの環状部81aに鋼管23を通した後、コンクリートを打設する。
【0048】
図14に示す実施形態に示す開口補強筋80’は、図13の実施形態と似ている。異なるのは補強部81’がく字形に折れ曲がっている点と、環状部81a’が四角形をなしている点だけである。他の構成部には同番号を付してその説明を省略する。本実施形態でも、2つの開口補強筋80’の環状部81a’を一致させて配置する。
【0049】
上述した全ての実施形態において、鋼管の代わりに塩ビ管等の他の材料のパイプを用いてもよいし、パイプを省いてもよい。パイプを省く場合には、補強筋と開口内周との間に十分なコンクリートかぶり厚さをとることは勿論である。
本発明は、土木構造物における横架材等の構成材にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成の開口補強構造を用いて、横架材等、建築土木構造物の構成材の開口周囲部分におけるコンクリートのひび割れ等の損傷を著しく軽減することができる。また、開口補強構造の設置作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態をなす梁の開口補強構造の組み立て工程において、第1段階が開始される直前の状態を示す斜視図である。
【図2】同組み立て工程において、第1段階が完了し、第2段階が開始される直前の状態を示す斜視図である。
【図3】同組み立て工程において、第2段階が完了した状態を示す斜視図である。
【図4】同組み立て工程において、第3段階が完了した状態を示す斜視図である。
【図5】上記開口補強構造の組み立て工程を順を追って示す側面図であり、(A)は同組み立て工程の第1段階が完了した状態を示し、(B)は同組み立て工程の第2段階が完了した状態を示し、(C)は同組み立て工程の第3段階が完了した状態を示す。
【図6】上記開口補強構造の組み立て工程を順を追って示す縦断面図であり、(A)は第1段階が開始される直前の状態を示し、(B)は第1段階が完了し第2段階が開始される直前の状態を示し、(C)は第2段階および第3段階が完了した状態を示す。
【図7】上記開口補強構造に用いられる開口補強筋の製造方法を示す斜視図であり、(A)は1本の鉄筋を曲げ加工して得られた枠体を示し、(B)はこの枠体を曲げ加工して最終的に得られた開口補強筋を示す。
【図8】(A)〜(E)は、第1実施形態と同様に一対の補強部を有するタイプの開口補強筋の他の実施形態をそれぞれ示す斜視図である。
【図9】(A)〜(C)は、単一の補強部を有するタイプの開口補強筋をそれぞれ示す斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態をなす開口補強筋の最終加工前の状態である枠体を示す斜視図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態をなす開口補強構造を示す側面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態をなす開口補強構造を示す側面図である。
【図13】上下の梁主筋に掛け渡されるタイプの開口補強筋を示すものであり、(A)は開口補強筋の最終加工前の状態である枠体を示す斜視図であり、(B)は同開口補強筋を示す斜視図であり、(C)は同開口補強筋を一対用意して梁主筋に通した状態を示す側面図であり、(D)は一対の開口補強筋の補強部を一致させるように位置決めして鋼管を挿入した状態を示す側面図である。
【図14】上下の梁主筋に掛け渡されるタイプの開口補強筋の他の例を示すものであり、(A)は同開口補強筋を一対用意して梁主筋に通した状態を示す側面図であり、(B)は一対の開口補強筋の補強部を一致させるように位置決めした状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 梁(建築物の構成材,横架材)
11 上側主筋
12 下側主筋
13 剪断補強筋
14 コンクリート
20,20J,20K 開口固定構造
21,21A〜21K 第1開口補強筋
22,22A〜22K 第2開口補強筋
21a,21a’,21a”,22a,22a’,22a” 補強部
21b,21b’、22b 直線部(引掛部)
21f 折曲部(引掛部)
21z 交差部
21p,21q,21r,21s,21t 折り曲げ部
23 鋼管(パイプ)
25 補助筋
80,80’ 開口補強筋
81,81’ 補強部
81a,81a’ 環状部
82,83 引掛部
S 開口

Claims (18)

  1. 直線状に第1方向に延びる複数の主筋と、主筋を囲み上記第1方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、上記第1方向と直交する第2方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造と、を備えた建築土木構造物の構成材において、
    上記開口補強構造が、第1,第2の開口補強筋を備え、これら第1,第2の開口補強筋は、略U字状をなす補強部と、この補強部の両端に連なる引掛部とを有し、第1開口補強筋の引掛部は、上記第1,第2方向と直交する第3方向の一方側に配置された主筋に掛けられ、第2開口補強筋の引掛部は上記第3方向の他方側の主筋に掛けられ、これら第1,第2の開口補強筋の補強部が、上記開口を少なくとも略半周分ずつ囲んでいることを特徴とする建築土木構造物の構成材。
  2. 直線状に第1方向に延びる複数の主筋と、主筋を囲み上記第1方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、上記第1方向と直交する第2方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造と、を備えた建築土木構造物の構成材において、
    上記開口補強構造が開口補強筋を備え、この開口補強筋は、上記第1,第2方向と直交する第3方向の一方側の主筋から他方側の主筋まで延びる補強部と、この補強部の両端に連なる引掛部とを有し、これら引掛部が上記一方側の主筋と他方側の主筋にそれぞれ掛けられ、上記補強部の略中央部には、上記開口を囲むように巻回された環状部が形成されていることを特徴とする建築土木構造物の構成材。
  3. 複数の上側主筋と、複数の下側主筋と、これら主筋を囲み主筋の延び方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、主筋の延び方向と直交する方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造とを備えた建築土木構造物の横架材において、
    上記開口補強構造が、第1,第2の開口補強筋を備え、第1開口補強筋は、略U字状をなして垂れ下がる補強部と、この補強部の一対の上端に連なり上側主筋に掛けられる引掛部とを有し、第2開口補強筋は、略U字状をなして起き上がる補強部と、この補強部の一対の下端に連なり下側主筋に掛けられる引掛部とを有し、上記第1の開口補強筋の補強部が上記開口の少なくとも下側の略半周分を囲み、第2の開口補強筋の補強部が上記開口の少なくとも下側の略半周分を囲んでいることを特徴とする建築土木構造物の横架材。
  4. 上記第1,第2の開口補強筋の各々は、1本の連続した鉄筋により形成され、上記補強部を一対有するとともに、上記開口の貫通方向に延びる少なくとも1つの直線部を有し、この直線部が上記一対の補強部の一端に連なって共通の引掛部として提供され、この直線部と一対の補強部との間の2つの交差部が2本の主筋にそれぞれ掛けられていることを特徴とする請求項3に記載の建築土木構造物の横架材。
  5. 上記第1,第2の開口補強筋の各々は、主筋の延び方向に離れた一対の直線部を備えており、上記鉄筋の両端が溶接されることにより、閉ループをなして形成されていることを特徴とする請求項4に記載の建築土木構造物の横架材。
  6. 上記鉄筋の両端部は、上記引掛部の一部を構成し、それぞれ折り曲げられて主筋に掛けられていることを特徴とする請求項4に記載の建築土木構造物の横架材。
  7. 上側主筋および下側主筋がそれぞれ4本以上配置され、上記第1,第2開口補強筋がそれぞれ複数設けられ、
    上記複数の第1開口補強筋の補強部が、上記開口の貫通方向に離れて配置され、上記複数の第2開口補強筋の補強部が、第1開口補強筋の補強部にそれぞれ重なるように配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の建築土木構造物の横架材。
  8. 上記第1,第2の開口補強筋が複数装備され、これら開口補強筋の各々は、連続した1本の鉄筋により単一の補強部を有して形成され、第1開口補強筋の補強部同士、第2開口補強筋の補強部同士が、上記開口の貫通方向に離れていることを特徴とする請求項3に記載の建築土木構造物の横架材。
  9. 上記第1,第2の開口補強筋の各々において、補強部の両端部が折り曲げられて一対の引掛部として提供され、この一対の引掛部が共通の主筋に掛けられていることを特徴とする請求項8に記載の建築土木構造物の横架材。
  10. 上記第1,第2の開口補強筋の各々は、上記補強部の両端から上記開口の貫通方向に直線的に延びる一対の引掛部を有し、これら一対の引掛部と補強部との交差部が1本の共通の主筋に掛けられ、この引掛部の先端部が折り曲げられて他の共通の主筋に掛けられることを特徴とする請求項8に記載の建築土木構造物の横架材。
  11. 上側主筋および下側主筋が4本ずつ配置され、上記第1,第2開口補強筋が1つずつ設けられ、
    これら第1,第2開口補強筋の各々は、1本の連続した鉄筋により形成され、この鉄筋を折り曲げることにより、4つの補強部と、この補強部に連なる直線状の引掛部とを有し、
    第1開口補強筋における補強部と引掛部との交差部が上側の4本の主筋にそれぞれ掛けられ、第2開口補強筋における補強部と引掛部との交差部が下側の4本の主筋にそれぞれ掛けられていることを特徴とする請求項3に記載の建築土木構造物の横架材。
  12. 上記第1,第2の開口補強筋の補強部は、直線を複数箇所で折り曲げるようにして形成され、第1,第2の開口補強筋のそれぞれにおいて、複数の補強部の対応する折り曲げ部が、上記開口の貫通方向から見て一致した位置にあり、開口の貫通方向に延びる補助筋が、この折り曲げ部にほぼ接するようにしてその内側に配置されていることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載の建築土木構造物の横架材。
  13. 複数の上側主筋と、複数の下側主筋と、これら主筋を囲み主筋の延び方向に間隔をおいて配置された多数の剪断補強筋と、これら主筋および剪断補強筋を埋め込むコンクリートと、主筋の延び方向と直交する方向に貫通形成された開口を補強する開口補強構造とを備えた建築土木構造物の横架材において、
    上記開口補強構造が開口補強筋を備え、この開口補強筋は、上側主筋から下側主筋まで延びる補強部と、この補強部の上端に連なり上側主筋に掛けられる第1引掛部と、この補強部の下端に連なり下側主筋に掛けられる第2引掛部とを有し、上記補強部の略中央部には、上記開口を囲むように巻回された環状部が形成されていることを特徴とする建築土木構造物の横架材。
  14. 上記開口補強筋は、連続した1本の鉄筋からなり、上記開口の貫通方向に離れた一対の補強部と、少なくとも1つの直線部とを有し、この直線部は、上記開口の貫通方向に水平に延び一対の補強部の一方の端に連なって共通の引掛部として提供され、この直線部と一対の補強部との交差部が2本の主筋に掛けられていることを特徴とする請求項13に記載の建築土木構造物の横架材。
  15. 上記開口補強筋は、上記鉄筋の両端を溶接することにより、一対の直線部と一対の補強部とを有して略矩形状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の建築土木構造物の横架材。
  16. 上記開口補強筋は、主筋の延び方向に離れて一対配置され、これら一対の開口補強筋の環状部が上記開口の貫通方向から見て同位置にあって上記開口を囲むことを特徴とする請求項14または15に記載の建築土木構造物の横架材。
  17. 上記開口補強構造は、さらに主筋の延び方向と直交する方向に配置されたパイプを備え、このパイプの内部空間が上記開口として提供されることを特徴とする請求項3〜16のいずれかに記載の建築土木構造物の横架材。
  18. 上記パイプの外周には、コンクリートとの付着を高めるための凹凸が形成されていることを特徴とする請求項17に記載の建築土木構造物の横架材。
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