JP2004067579A - トリオルガノシリル不飽和カルボキシレートの製造方法 - Google Patents

トリオルガノシリル不飽和カルボキシレートの製造方法 Download PDF

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内山 信幸
Hiroshi Akiyama
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Abstract

【課題】トリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを高収率、高純度かつ安価に製造できる方法を提供する。
【解決手段】式(1)
(R)C=C(R)−COOH        (1)
〔Rは水素原子、アルキル基または−(CHCOOR基を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR基を示し、しかもRおよびRの少なくとも一方は水素原子であるが、ただし、Rがアルキル基または−(CHCOOR基のときは、RおよびRはいずれも水素原子である〕の不飽和カルボン酸と、式(2)
ClSiR(R)(R)             (2)
〔R、RおよびRは、アルキル基またはシクロアルキル基を示す〕のトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤とを反応させて、式(3)
(R)C=C(R)−COO−SiR(R)(R)   (3)
〔R、R、R、R、RおよびRは前記と同じ意味をもつ〕のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを製造する方法において、脱塩化水素剤としてアンモニアを用いて反応を行う。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合性を有するトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの新しい製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、防汚塗料用樹脂、機能性高分子材料などの合成原料として有用なトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを安価に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの合成法については、米国特許4,593,055号明細書、特開昭63−215780号公報、特開平04−342593号公報に示されているように、不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤としてトリエチルアミンなどの第三級アミンとをキシレンまたはトルエン中で、脱塩化水素により反応させる方法が知られている。なお、特開平4−342593号公報には、ジオキサン中で不飽和カルボン酸に第三級アミンを反応させ、次いでトリオルガノクロロシランを反応させる合成方法も示される。
【0003】
また、特開平04−342594号公報、特開平04−342595号公報には、第三級アミンからなる塩基を用いないで、不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランを加熱下に脱塩化水素反応させて合成する方法が記載されている。
【0004】
他方、不飽和カルボン酸とトリオルガノシランとを反応させてトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを合成する方法としては、特開平10−195084号公報では銅または銅化合物を脱水素触媒として反応を行う合成方法が提案され、また特開平10−212293号公報では還元性の二重結合を有する化合物の存在下で、脱水素触媒を用いて反応を行う合成方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、第三級アミンからなる塩基を脱塩化水素剤として用いて反応させる合成方法では、比較的高価な第三級アミンを不飽和カルボン酸に対して当量以上使用するため製造コストがかさむ。ここで、コストの節減を図るためには、第三級アミンを回収する工程が必要であるが、副生した第三級アミン塩酸塩から遊離の第三級アミンを回収するには、まず第三級アミン塩酸塩をアルカリ水溶液で処理して第三級アミンを遊離させ、それから有機溶媒で抽出、脱水、蒸留精製などの工程が必要であり、非常に煩雑な操作を要する。
【0006】
一方、加熱下に脱塩化水素反応により合成する前記の方法では、反応温度を高く保つ必要があり、またこの高温の条件で行なっても、トリオルガノクロロシランを消失させるまで反応を完了することは困難であり、そのため、収率も低くなる。
【0007】
他方、金属よりなる脱水素触媒を用いて不飽和カルボン酸とトリオルガノシランからトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを合成する前記の方法でも、望ましくないトリオルガノシリル 飽和カルボキシレートが生成し、満足できる品質かつ収率で、トリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを得ることができない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤とを反応させる時に脱塩化水素剤として、工業的に安価なアンモニアを塩基として用いると、高い効率で不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランが反応できることを見出した。すなわち、本発明者らにより、不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤としてアンモニアとを反応させると、トリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを高収率かつ低コストで容易に生成し得る工業的に有利な製造方法が提供できることが見出された。
【0009】
すなわち、本発明においては、一般式(1)
(R)C=C(R)−COOH         (1)
〔式中、Rは水素原子、アルキル基または−(CHCOOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す)を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す)を示し、しかもRおよびRの少なくとも一方は水素原子であるが、ただし、Rがアルキル基または−(CHCOOR基のときは、RおよびRはいずれも水素原子である〕で示される不飽和カルボン酸と、一般式(2)
ClSiR(R)(R)              (2)
〔式中、R、RおよびRは、互いに同一であるかあるいは異なっていてもよく、アルキル基またはシクロアルキル基を示す〕で示されるトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤とを反応させて、一般式(3)
(R)C=C(R)−COO−SiR(R)(R)    (3)
〔式中、R、R、R、R、RおよびRは前記と同じ意味をもち、すなわちRは水素原子、アルキル基または−(CHCOOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す)を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す)を示し、しかもRおよびRの少なくとも一方は水素原子であるが、ただし、Rがアルキル基または
−(CHCOOR基のときは、RおよびRはいずれも水素原子である。R、RおよびRは互いに同一であるかあるいは異なっていてもよく、アルキル基またはシクロアルキル基を示す〕で示されるトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを製造する方法において、脱塩化水素剤として、塩基であるアンモニアを用いて反応を行うことを特徴とする、一般式(3)のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの製造方法が提供される。
【0010】
上記した一般式(1)において、Rがアルキル基である場合、Rで示されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などの(C〜C10)アルキル基が挙げられる。
【0011】
一般式(1)において、Rが−(CHCOOR基である場合、Rで示されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などの(C〜C10)アルキル基が挙げられる。また、Rで示されるシクロアルキル基としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロヘキシル基などの(C〜C)シクロアルキル基が挙げられる。
【0012】
一般式(1)において、RまたはRが−COORである場合、Rで示されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などの(C〜C10)アルキル基が挙げられる。また、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロヘキシル基などの(C〜C)シクロアルキル基が挙げられる。
【0013】
本発明で使用される一般式(1)で示される不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸が挙げられる。
【0014】
一般式(2)において、R、RおよびRで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などの(C〜C10)アルキル基が挙げられる。また、シクロアルキル基としては、具体的にはシクロプロピル基、シクロヘキシル基などの(C〜C)シクロアルキル基が挙げられる。
【0015】
本発明で使用される一般式(2)で示されるトリオルガノクロロシランの具体例としては、例えばトリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、トリ−sec−ブチルクロロシラン、トリ−n−ヘキシルクロロシラン、メチルジエチルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、エチルジブチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシランなどが挙げられる。
【0016】
本発明方法を行うに当って、反応させられる不飽和カルボン酸とトリオルガノクロロシランの割合は、トリオルガノクロロシランに対して不飽和カルボン酸を1〜3当量とするのがよい。また、用いるアンモニアの割合は不飽和カルボン酸に対して1〜5当量とするのがよい。
【0017】
本発明方法においては、反応を行う際にその反応系は無溶媒であってもよいが、反応温度の制御と、原料の溶解などのために、反応媒質として、有機溶媒を使用できる。溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒を単独または混合して使用できる。
【0018】
反応条件として、反応温度は、通常は80℃以下、好ましくは0〜60℃の温度であり、式(1)の化合物と式(2)の化合物と必要に応じて用いる溶媒とから成る反応混合物中にアンモニアガスを吹込み加えていくのが望ましい。なお、不飽和カルボン酸も、トリオルガノクロロシランも液体である場合には、無溶媒でも反応を実施できる。
【0019】
本発明方法で、上記の各原料を反応させる順序は、(1) 一般式(1)の不飽和カルボン酸に、まずアンモニアを作用させて、不飽和カルボン酸のアンモニウム塩を形成し、次いでこのアンモニウム塩に一般式(2)のトリオルガノクロロシランを作用させる方法でも、あるいは (2) 一般式(1)の不飽和カルボン酸に、まず一般式(2)のトリオルガノクロロシランを加え、得られた混合物にアンモニアを加えて反応させる方法でも、一般式(3)のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを生成できる。
【0020】
本発明の方法では、副反応としてアンモニアとトリオルガノクロロシランが反応してアミノトリオルガノシランを生成し、収率が低下することがある。これを防止する目的で、各原料を反応させる順序が上記の(1)の場合は、吹込まれて過剰に存在するアンモニアと後から添加されるトリオルガノクロロシランとの副反応が起こらないようにするために、トリオルガノクロロシランの滴下による添加に3時間以上かけることが望ましい。また、各原料を反応させる順序が上記の(2)の場合は、未反応のまま残存するアンモニアとトリオルガノクロロシランとの副反応が起こらないようにするために、アンモニアの吹込みを徐々に行い吹込み時間に5時間以上かけることが望ましい。
【0021】
このようにして得られた一般式(3)の反応生成物は、ついで反応溶液から分離し、精製される。手順としては、まず副生成物である塩化アンモニウムをろ別したのち、反応生成物を含む有機層を水洗することもできるし、ろ別せずそのまま水洗により取り除くこともできる。その後、反応生成物を含む有機層から溶剤を留去してから残留分を蒸留する。このようにしてトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートが回収でき、高収率かつ高純度で得られる。
【0022】
また、本発明の方法においては、原料の不飽和カルボン酸や、生成物のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの重合を防止するために、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンナトリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンカリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などの一般的な重合防止剤を原料の事前に添加することが望ましい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、有用なトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを高収率、高純度かつ安価に製造することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明によるトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの製造方法について実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】
温度計、還流冷却器を取付けた10リットルの4つ口フラスコに、アクリル酸396g、トリイソプロピルクロロシラン964g、トルエン(溶媒)2.2 kgを入れ、得られた混合物を30〜40℃で攪拌しながら、該混合物の液面下に挿入されたガス出口をもつノズルを介して、アンモニアガスの95gを、アミノトリイソプロピルシランが副生しないような吹込み速度で該混合物中に吹込んだ。95gに相当する量のアンモニアガスの吹込みに5時間を要した。アンモニアガスの吹込み直後から塩化アンモニウムの析出が観測された。得られた反応混合物中のトリイソプロピルクロロシランが消失するまで、さらに30〜40℃の温度で3時間攪拌した。その後、得られた反応溶液へ水2.5 kgを滴下して水層に塩化アンモニウムを溶解させた。水性層と有機層とに分液し、有機層をさらに水2.5 kgで2回洗浄した。
【0026】
水洗された有機層からロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した後、残留分を減圧下に蒸留した。蒸留圧力133 Paにて107〜109℃までの留分としてトリイソプロピルシリル アクリレートの1113gを得た。このようにして得られたトリイソプロピルシリル アクリレートは、その収率が97.0%、純度が99.5%であった。純度はガスクロマトグラフィーにより測定した。また、得られたものがトリイソプロピルシリル アクリレートであることはNMRにより確認した。
【0027】
【実施例2】
実施例1で用いたトルエンをn−ヘキサン(溶媒)の2.2 kgに代えて、またアンモニアガスの吹込み時間をアミノトリイソプロピルシランが副生しないように5時間10分に延長させた以外は、実施例1と同様な操作を行った。蒸留圧力133 Paにて107〜109℃までの留分としてトリイソプロピルシリル アクリレートの1110gを得た。このようにして回収されたトリイソプロピルシリル アクリレートは、その収率が96.5%、純度が99.3%であった。
【0028】
【実施例3】
実施例1と同じ装置に、アクリル酸378g、tert−ブチルジメチルクロロシラン754g、トルエン(溶媒)2.2 kgを入れ、得られた混合物を30〜40℃で攪拌しながら、アンモニアガスの95gをアミノ(tert−ブチル)ジメチルシランが副生しないような吹込み速度で該混合物中に吹込んだ。アンモニアガスの吹込みに5時間30分を要した。アンモニアガスの吹込み直後から塩化アンモニウムの析出が観測された。得られた反応混合物中のtert−ブチルジメチルクロロシランが消失するまでさらに30〜40℃の温度で3時間攪拌した後、そこへ水2.5 kgを滴下して水層中に塩化アンモニウムを溶解させた。水性層と有機層とに分液し、有機層をさらに水2.2 kgで2回洗浄した。
【0029】
水洗された有機層からロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した後、残留分を減圧下に蒸留した。蒸留圧力133 Paにて92〜96℃までの留分としてtert−ブチルジメチルシリル アクリレート907gを得た。このようにして得られたtert−ブチルジメチルシリル アクリレートは、その収率が96.8%、純度が99.4%であった。
【0030】
【実施例4】
実施例1と同じ装置に、アクリル酸396g、トルエン(溶媒)2.2 kgを入れ、得られた溶液を30〜40℃で攪拌しながら、アンモニアガスの95gを1時間30分かけて吹込んだ。アンモニアガスの吹き込み直後からアクリル酸のアンモニウム塩の固体析出が観測された。さらに同温度で1時間攪拌した後、溶液へ30〜40℃でトリイソプロピルクロロシラン964gを、アミノトリイソプロピルシランが副生しないような吹込み速度で4時間かけて滴下した。得られた反応混合物中のトリイソプロピルクロロシランが消失するまで同温度で3時間攪拌した。反応液中に塩化アンモニウムが析出した。その後、そこへ水2.5 kgを滴下して塩化アンモニウムを溶解させた。これを水性層と有機層に分液し、有機層をさらに水2.5 kgで2回洗浄した。
【0031】
水洗された有機層からロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した後、残留分を減圧下に蒸留した。蒸留圧力133 Paにて107〜109℃までの留分として1110gを得た。このようにして得られたトリイソプロピルシリル アクリレートは、その収率が96.7%、純度が99.5%であった。
【0032】
【比較例1】
温度計、還流冷却器を取付けた10リットルの4つ口フラスコに、トリイソプロピルクロロシラン1.9 kg、塩基(脱塩化水素剤)としてのトリエチルアミン1.0 kg、トルエン(溶媒)4.3 kgを入れ、得られた混合物を50℃以下で攪拌しながら、これにアクリル酸720gを3時間かけて滴下した。滴下直後からトリエチルアミン塩酸塩の析出が観測された。得られた反応混合物中のトリイソプロピルクロロシランが消失するまでさらに50℃以下で1時間攪拌した後、そこへ水2.0 kgを滴下してトリエチルアミン塩酸塩を水層中に溶解させた。水性層と有機層とに分液し、有機層をさらに水2.0 kgで洗浄した。
【0033】
得られた有機層からロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した後、残留分を減圧下に蒸留した。蒸留圧力133 Paにて107〜109℃までの留分としてトリイソプロピルシリル アクリレート1054gを得た。このようにして得られたトリイソプロピルシリル アクリレートは、その収率が91.7%、純度が99.4%であった。

Claims (2)

  1. 一般式(1)
    (R)C=C(R)−COOH        (1)
    〔式中、Rは水素原子、アルキル基または−(CHCOOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す)を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す)を示し、しかもRおよびRの少なくとも一方は水素原子であるが、ただし、Rがアルキル基または−(CHCOOR基のときは、RおよびRはいずれも水素原子である〕で示される不飽和カルボン酸と、一般式(2)
    ClSiR(R)(R)             (2)
    〔式中、R、RおよびRは、互いに同一であるかあるいは異なっていてもよく、アルキル基またはシクロアルキル基を示す〕で示されるトリオルガノクロロシランと脱塩化水素剤とを反応させて、一般式(3)
    (R)C=C(R)−COO−SiR(R)(R)   (3)
    〔式中、R、R、R、R、RおよびRは前記と同じ意味をもち、すなわちRは水素原子、アルキル基または−(CHCOOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す)を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す)を示し、しかもRおよびRの少なくとも一方は水素原子であるが、ただし、Rがアルキル基または
    −(CHCOOR基のときは、RおよびRはいずれも水素原子である。R、RおよびRは互いに同一であるかあるいは異なっていてもよく、アルキル基またはシクロアルキル基を示す〕で示されるトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートを製造する方法において、脱塩化水素剤として塩基であるアンモニアを用いて反応を行うことを特徴とする、一般式(3)のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートの製造方法。
  2. 一般式(3)のトリオルガノシリル 不飽和カルボキシレートが、トリイソプロピルシリル (メタ)アクリレートあるいはtert−ブチルジメチルシリル (メタ)アクリレートである、請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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