JP2004067578A - N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 - Google Patents
N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004067578A JP2004067578A JP2002228528A JP2002228528A JP2004067578A JP 2004067578 A JP2004067578 A JP 2004067578A JP 2002228528 A JP2002228528 A JP 2002228528A JP 2002228528 A JP2002228528 A JP 2002228528A JP 2004067578 A JP2004067578 A JP 2004067578A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thiourea
- tgf
- phenothiazin
- ethyl
- bromophenyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、N,N’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬、さらに詳しくは、N,N’−ジ置換チオウレア化合物、またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分として含有するトランスフォーミング成長因子−β1(以下、TGF−β1と略称する)産生抑制剤に関する。本発明の医薬は、さらに具体的には、肺線維症の治療または予防に有用であり、さらに気道への細胞浸潤および肺出血の抑制に有用である。
【0002】
【従来の技術】
トランスフォーミング成長因子−α(Transforming Growth Factor−α;以下、TGF−αと略称する)とトランスフォーミング成長因子−β(Transforming Growth Factor−β;以下、TGF−βと略称する)の2つの増殖因子は、正常細胞の形質転換を促進する分子として見出された。その後の研究により、TGF−αは上皮増殖因子ファミリーに属する因子であり、一方、TGF−βは、ほとんどの種類の細胞で産生され、その受容体も各臓器および細胞で広く発現されており、細胞の分化および増殖を制御する活性を有することが明らかとなった。しかし、TGF−βの細胞増殖活性は、細胞の種類によって異なり、線維芽細胞や血管平滑筋細胞などの間葉系の細胞に対しては細胞を増殖させる活性を示す一方で、上皮細胞、血管内皮細胞および血球系細胞などに対してはむしろ増殖を抑制する。さらに、TGF−βは細胞増殖の制御だけでなく、免疫系の制御やコラーゲン、フィブロネクチンおよびエラスチンなどの細胞外マトリックス(Extracellular Matrix;以下、ECMと略称する)の蓄積促進などの多彩な機能を有することが明らかになってきた。
TGF−βは、分子量約25kDの蛋白質であり、2本のペプチドでダイマーを構成している。TGF−βには5つのアイソフォームが存在し、哺乳類ではTGF−β1、TGF−β2およびTGF−β3があり、ニワトリではTGF−β4が、またカエルではTGF−β5が存在し、互いに約70%の相同性を有する。TGF−β1については、その機能が解析されており、生体組織における創傷治癒過程において極めて重要な役割を有することが知られている(New Engl. J. Med., 331, 1286, 1994)。創傷時にはまず出血がおこり、次いで血小板からTGF−β1や血小板由来増殖因子(platelet−derived growth factor)が産生されると共に、創傷部位のECMに結合している不活性型TGF−β1が活性化される。遊走してきた炎症細胞や創傷部位の細胞は、産生されたTGF−β1により、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor)、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)およびインターロイキン−1(interleukin−1)などの増殖因子やサイトカインを分泌し、また線維芽細胞ではECMの合成や分泌が起こり、増生と血管新生、および組織再生のための細胞増殖などの迅速かつダイナミックな生体反応が起こり傷が修復される。TGF−β1は蛋白分解酵素の産生を抑える一方で、その酵素阻害物質を増加させるとともに、ECMの細胞への接着に関与するインテグリンの合成を促しECMの増生と沈着を助長し、創傷の修復を行うと考えられている。
TGF−β1発現の制御メカニズムは未解明な部分もあるが、TGF−β1がECMであるプロテオグリカンに結合することによりその発現が制御されるものと考えられている。すなわち、TGF−β1自身が産生促進したECMによりTGF−β1が負の制御を受け、TGF−β1の過剰な発現が抑制されると考えられている。従って、この負の制御に異常が起こるとTGF−β1の過剰な発現が起こり組織の線維化などの病的な状態が起こるものと考えられている。ブレオマイシン投与により誘導される肺線維症では、TGF−β1が高濃度に発現しており、TGF−β1の肺線維症形成への関与が考えられている。さらに、腎硬化症の腎臓や慢性肝炎や肝硬変の患者の生検組織において、コラーゲンの沈着部位にTGF−β1の発現が認められている。このほか、血管狭窄、関節リウマチなどの関節炎およびケロイドなどにおいてもECMの沈着とTGF−β1の発現が報告されている。
このような事実から、TGF−β1が種々の組織の線維化(線維症の病態形成)に関与する可能性が示唆されてきており、アンチセンス医薬や遺伝子治療などによりTGF−β1の機能を抑制し、組織線維症への治療の試みがなされているが、低分子化合物による制御についてはあまり報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新しいTGF−β1産生抑制剤、とくに気道でのTGF−β1の産生を抑制することにより、肺線維症の治療および/または予防に有用であり、また気道への細胞浸潤、肺出血の抑制に有用な医薬を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に沿って種々の化合物を検討した結果、下記N,N’−ジ置換チオウレア化合物が気道でのTGF−β1の産生を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記一般式(1);
【化2】
(式中、R1は水素原子またはハロゲン原子を意味し、nは1−3の整数を意味する)で表されるN,N’−ジ置換チオウレア化合物、またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分とするTGF−β1産生抑制剤、とくに肺線維症の予防・治療剤、ならびに気道への細胞浸潤および肺出血抑制剤を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬における有効成分のN,N’−ジ置換チオウレア化合物(1)は、詳しくは、N−フェニル−N’−フェノチアジニルアルキルチオウレア化合物を意味し、具体的な化合物としては下記のものが挙げられる。
1)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
2)N−フェニル−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
3)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
4)N−(2−クロロフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
5)N−フェニル−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
6)N−(2−クロロフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
7)N−フェニル−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、
8)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、および
9)N−(2−クロロフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア。
【0006】
上記N,N’−ジ置換チオウレア化合物は公知の化合物であり、例えば特公平3−18698に記載されており、該文献に記載の方法で容易に製造される。
【0007】
かかる化合物(1)の医薬として許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩が挙げられる。これらの化合物は水和物の形態もとることができ、そのような水和物も本発明に含まれる。
【0008】
本発明に係る化合物(1)またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分とする薬剤は経口投与または非経口投与のいずれかでも投与することができる。その製剤形としては各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤もしくは液剤等の経口剤のほか、注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤、吸入剤等が挙げられる。
【0009】
上記製剤は一般に用いられる製剤用の賦形剤、結合剤、滑沢剤等の適当な添加剤を用いて常法により製造される。
例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤等の製剤を製造するためには、添加物としては、例えば乳糖もしくはブドウ糖等の糖類、デンプン類、例えばステアリン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウムもしくはポリアルキレングリコール等の合成高分子、例えばステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリルアルコールもしくはベンジルアルコール等のアルコール類、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等が用いられる。
【0010】
液状製剤は、水、アルコール類または例えば、大豆油、ピーナッツ油もしくはゴマ油等の植物由来の油等液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤もしくは注射剤等の形態として製造される。
特に、注射剤として投与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウム等の水溶液)、電解質溶液等、またはこれらの混合溶液が挙げられる。これらの注射剤は予め溶解したもののほか、粉末のままあるいは適当な添加物を加えたものを用時溶解する形態もとりうる。
直腸投与剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物およびカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジおよびモノグリセリド、ポリエチレングリコール等の坐剤用基剤とを加温して溶融し型に流し込んで冷却するか、本発明に係る化合物をポリエチレングリコール、大豆油等に溶解した後ゼラチン膜で被覆すればよい。
【0011】
皮膚外用剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物をワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等に加えて、必要ならば加温して練合し軟膏剤とするか、ロジン、アクリルアルキルエステル重合体等の粘着剤と練合した後、ポリエチレンなどの不織布に展延してテープ剤とする。
吸入剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物をそのままあるいは適当な添加物を加えて微細な粉末とし、粉体吸入装置を用いて吸入するか、フロンガス等の噴射剤に溶解または分散して耐圧容器に充填し、エアゾール剤とする。あるいは適当な溶剤に溶解して、ネブライザー等の液体吸入装置を用いて吸入する。
本発明の化合物(1)またはその塩もしくはその水和物の好ましい投与量は、配合される組成物の種類、適用頻度および治療すべき疾患、さらに患者の年齢、体重、病態などによって異なるが、大人に対して通常1〜1000mgであり、1回ないし数回に分けて投与することが望ましい。
【0012】
【実施例】
以下、実施例、製剤例、製造例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
ブレオマイシン気道内投与により引き起こされる気道内でのTGF−β1産生、細胞浸潤および肺出血の抑制
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物1)について、クリシュナらの方法(Krishna et al., Am. J. Pathol., 158, 997−1004, 2001)を参考にして、ブレオマイシン気道内投与により引き起こされたTGF−β1産生増大に対する、抑制効果を検討した。
i) ブレオマイシンの投与方法:
マウスをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg, i.p.)で麻酔し、頚部を小切開し、露出させた気管にガラスシリンジ(HAMILTON)を用いて、生理食塩水(0.03 mL/animal)あるいはブレオマイシン(0.03U/0.03 mL/animal)を投与した。その後、切開部を縫合した。
ii) 試験薬の投与方法:
試験薬は0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して、ブレオマイシン処置1時間前、24時間後にマウスの腹腔内に投与し、その後は一日に一回、計14回投与した。試験薬として上記化合物1と、肺線維症の治療に使用されているデキサメサゾンを用いた。また対照群として、ブレオマイシンを投与しないマウスで試験薬含有0.5%メチルセルロース溶液の代りに0.5%メチルセルロース溶液のみを腹腔内投与した群(ブレオマイシン非処置対照群)とブレオマイシン処置したマウスに試験薬含有液の代りに0.5%メチルセルロース溶液のみを腹腔内投与した群(ブレオマイシン処置対照群)を用いた。なお、試験動物数は対照群、試験薬投与群とも、各群10匹とした。
iii) 気管支肺胞洗浄の方法:
ブレオマイシン投与14日後、マウスをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg, i.p.)で麻酔し、腹部下行大動脈の切断により放血致死させ、気管内にチューブを挿入した。1 mlのシリンジに生理食塩水を0.5 ml入れ、これを挿管チューブにつけ、肺内に注入し、ついで取り出す。この注入および取出しを3回繰り返したのち回収した。この操作を計3回実施し、気管支肺胞洗浄液とした。
iv) 気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1量、細胞数および肺出血の測定方法:
気管支肺胞洗浄液を遠沈(1200 rpm、10 min、4℃)後、上清を回収し、気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1の定量に用いるため−80℃で保存した。TGF−β1の定量は、市販の定量キットの説明書に従って測定した。遠沈後の沈査に0.2%食塩水を0.5mL添加して50秒間放置して赤血球を溶血させ、1.6%食塩水を0.5mL添加して等張液に戻した。遠沈(1200 rpm、10 min、4℃)後、上清を回収し生理食塩水を0.5mL添加後に、420nmで吸光度を測定し出血の指標とした。その沈査に、0.5 mlの生理食塩水を加えて細胞を懸濁し、総細胞数を血球計算盤で測定した。細胞懸濁液中の細胞をデイフ・クイック(Diff Quik)で染色後、総細胞数に占める好中球、単球、リンパ球、好酸球数の割合を算出して求めた。
得られた結果を表1に示す。表1から明らかなように、本件発明に係る化合物1は気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1量の増大、単球数の増加および肺出血を抑制した。
【0014】
【表1】
【0015】
製剤例1
以下の成分を用いて、常法により打錠し1錠150mgの錠剤を作製した。
【0016】
製造例1
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物1)の製法
(1)フェノチアジン10.00g、ブロモ酢酸t−ブチル4.5mlをアセトニトリル50mlに溶かし、これに粉末無水炭酸カリウム20.00gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1.00gを加え、窒素気流下、50℃で3日間撹拌する。溶媒を減圧留去し、残留物にエーテルを加えて抽出し、エーテルを留去し、残留物に酢酸エチル/n−ヘキサン(1:3)を加えて不純物を吸引ろ過により除去し、エーテルを留去する。この操作をさらに3回繰り返し、次いで、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製する(Rf=約0.4)。主分画の溶媒を留去し、残留物にトリフルオロ酢酸20mlを加えて溶かし、室温で2時間放置する。トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残留物にベンゼン20mlを加えて減圧留去し、残留物に10%炭酸カリウム液20mlおよび粉末無水炭酸カリウムを加えてアルカリ性とし、エーテル20mlを加えて数回洗浄する。水層を濃塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去する。残留物にベンゼン20mlを加え、溶媒を留去し固形の残留物としてカルボキシメチルフェノチアジン1.60gを得る。
【0017】
(2)上記の方法で得られるカルボキシメチルフェノチアジン3.00gを無水テトラヒドロフラン30mlに溶かし、氷水で冷却し、N,N’−カルボニルジイミダゾール2.20gを加え、2時間室温で撹拌する。反応液を再び氷水で冷却し、28%水酸化アンモニウム液10mlを一気に加える。10分後、溶媒(テトラヒドロフラン)を減圧留去し、結晶性沈殿物を吸引ろ過により集め、水洗、乾燥し、淡褐色個体2.4gを得る。それをメタノールから再結晶して、淡紅色針状晶のフェノチアジンメチルカルボキサミドを得る。
【0018】
(3)窒素気流下、上記で得られたフェノチアジンメチルカルボキサミド500mgを無水テトラヒドロフラン20mlに溶かし、氷水で冷却する。水素化リチウムアルミニウム500mgを加え、80℃で5時間還流する。窒素気流中氷水冷却下、水2.5mlを少しずつ加えて過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解し、グラスフィルターで吸引ろ過し、ろ過物をテトラヒドロフランで洗浄する。ろ液の溶媒を減圧留去して淡黄色粘ちょうな油状物質のアミノエチルフェノチアジン296mgを得る。
【0019】
(4)窒素気流下、上記で得られたアミノエチルフェノチアジン150mgを無水テトラヒドロフラン1.5mlに溶かし、これに2−ブロモフェニルイソチオシアネート150mgを加え、1晩室温で撹拌する。反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エーテル/n−ヘキサン=1/1)に付し(Rf=0.3〜0.4)、溶出液を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去して粘ちょうな油状物質を得る。放置することにより結晶化したN−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物2)155mgを得る。
EI m/z: 455 (M+), HR−M/S: 455.0127 (C21H18BrN3S2として計算値: 455.0125)
【0020】
【発明の効果】
本発明のN,N’−ジ置換チオウレア化合物はTGF−β1の産生を抑制する作用を有し、TGF−β1が関与する組織の線維化の治療もしくは予防に有用と考えられ、肺線維症、例えば特発性間質性肺炎等の治療もしくは予防薬として使用しうる。また気道への細胞浸潤、肺出血の抑制剤として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、N,N’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬、さらに詳しくは、N,N’−ジ置換チオウレア化合物、またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分として含有するトランスフォーミング成長因子−β1(以下、TGF−β1と略称する)産生抑制剤に関する。本発明の医薬は、さらに具体的には、肺線維症の治療または予防に有用であり、さらに気道への細胞浸潤および肺出血の抑制に有用である。
【0002】
【従来の技術】
トランスフォーミング成長因子−α(Transforming Growth Factor−α;以下、TGF−αと略称する)とトランスフォーミング成長因子−β(Transforming Growth Factor−β;以下、TGF−βと略称する)の2つの増殖因子は、正常細胞の形質転換を促進する分子として見出された。その後の研究により、TGF−αは上皮増殖因子ファミリーに属する因子であり、一方、TGF−βは、ほとんどの種類の細胞で産生され、その受容体も各臓器および細胞で広く発現されており、細胞の分化および増殖を制御する活性を有することが明らかとなった。しかし、TGF−βの細胞増殖活性は、細胞の種類によって異なり、線維芽細胞や血管平滑筋細胞などの間葉系の細胞に対しては細胞を増殖させる活性を示す一方で、上皮細胞、血管内皮細胞および血球系細胞などに対してはむしろ増殖を抑制する。さらに、TGF−βは細胞増殖の制御だけでなく、免疫系の制御やコラーゲン、フィブロネクチンおよびエラスチンなどの細胞外マトリックス(Extracellular Matrix;以下、ECMと略称する)の蓄積促進などの多彩な機能を有することが明らかになってきた。
TGF−βは、分子量約25kDの蛋白質であり、2本のペプチドでダイマーを構成している。TGF−βには5つのアイソフォームが存在し、哺乳類ではTGF−β1、TGF−β2およびTGF−β3があり、ニワトリではTGF−β4が、またカエルではTGF−β5が存在し、互いに約70%の相同性を有する。TGF−β1については、その機能が解析されており、生体組織における創傷治癒過程において極めて重要な役割を有することが知られている(New Engl. J. Med., 331, 1286, 1994)。創傷時にはまず出血がおこり、次いで血小板からTGF−β1や血小板由来増殖因子(platelet−derived growth factor)が産生されると共に、創傷部位のECMに結合している不活性型TGF−β1が活性化される。遊走してきた炎症細胞や創傷部位の細胞は、産生されたTGF−β1により、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor)、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)およびインターロイキン−1(interleukin−1)などの増殖因子やサイトカインを分泌し、また線維芽細胞ではECMの合成や分泌が起こり、増生と血管新生、および組織再生のための細胞増殖などの迅速かつダイナミックな生体反応が起こり傷が修復される。TGF−β1は蛋白分解酵素の産生を抑える一方で、その酵素阻害物質を増加させるとともに、ECMの細胞への接着に関与するインテグリンの合成を促しECMの増生と沈着を助長し、創傷の修復を行うと考えられている。
TGF−β1発現の制御メカニズムは未解明な部分もあるが、TGF−β1がECMであるプロテオグリカンに結合することによりその発現が制御されるものと考えられている。すなわち、TGF−β1自身が産生促進したECMによりTGF−β1が負の制御を受け、TGF−β1の過剰な発現が抑制されると考えられている。従って、この負の制御に異常が起こるとTGF−β1の過剰な発現が起こり組織の線維化などの病的な状態が起こるものと考えられている。ブレオマイシン投与により誘導される肺線維症では、TGF−β1が高濃度に発現しており、TGF−β1の肺線維症形成への関与が考えられている。さらに、腎硬化症の腎臓や慢性肝炎や肝硬変の患者の生検組織において、コラーゲンの沈着部位にTGF−β1の発現が認められている。このほか、血管狭窄、関節リウマチなどの関節炎およびケロイドなどにおいてもECMの沈着とTGF−β1の発現が報告されている。
このような事実から、TGF−β1が種々の組織の線維化(線維症の病態形成)に関与する可能性が示唆されてきており、アンチセンス医薬や遺伝子治療などによりTGF−β1の機能を抑制し、組織線維症への治療の試みがなされているが、低分子化合物による制御についてはあまり報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新しいTGF−β1産生抑制剤、とくに気道でのTGF−β1の産生を抑制することにより、肺線維症の治療および/または予防に有用であり、また気道への細胞浸潤、肺出血の抑制に有用な医薬を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に沿って種々の化合物を検討した結果、下記N,N’−ジ置換チオウレア化合物が気道でのTGF−β1の産生を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記一般式(1);
【化2】
(式中、R1は水素原子またはハロゲン原子を意味し、nは1−3の整数を意味する)で表されるN,N’−ジ置換チオウレア化合物、またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分とするTGF−β1産生抑制剤、とくに肺線維症の予防・治療剤、ならびに気道への細胞浸潤および肺出血抑制剤を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬における有効成分のN,N’−ジ置換チオウレア化合物(1)は、詳しくは、N−フェニル−N’−フェノチアジニルアルキルチオウレア化合物を意味し、具体的な化合物としては下記のものが挙げられる。
1)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
2)N−フェニル−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
3)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
4)N−(2−クロロフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
5)N−フェニル−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
6)N−(2−クロロフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
7)N−フェニル−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、
8)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、および
9)N−(2−クロロフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア。
【0006】
上記N,N’−ジ置換チオウレア化合物は公知の化合物であり、例えば特公平3−18698に記載されており、該文献に記載の方法で容易に製造される。
【0007】
かかる化合物(1)の医薬として許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩が挙げられる。これらの化合物は水和物の形態もとることができ、そのような水和物も本発明に含まれる。
【0008】
本発明に係る化合物(1)またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物を有効成分とする薬剤は経口投与または非経口投与のいずれかでも投与することができる。その製剤形としては各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤もしくは液剤等の経口剤のほか、注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤、吸入剤等が挙げられる。
【0009】
上記製剤は一般に用いられる製剤用の賦形剤、結合剤、滑沢剤等の適当な添加剤を用いて常法により製造される。
例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤等の製剤を製造するためには、添加物としては、例えば乳糖もしくはブドウ糖等の糖類、デンプン類、例えばステアリン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウムもしくはポリアルキレングリコール等の合成高分子、例えばステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリルアルコールもしくはベンジルアルコール等のアルコール類、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等が用いられる。
【0010】
液状製剤は、水、アルコール類または例えば、大豆油、ピーナッツ油もしくはゴマ油等の植物由来の油等液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤もしくは注射剤等の形態として製造される。
特に、注射剤として投与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウム等の水溶液)、電解質溶液等、またはこれらの混合溶液が挙げられる。これらの注射剤は予め溶解したもののほか、粉末のままあるいは適当な添加物を加えたものを用時溶解する形態もとりうる。
直腸投与剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物およびカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジおよびモノグリセリド、ポリエチレングリコール等の坐剤用基剤とを加温して溶融し型に流し込んで冷却するか、本発明に係る化合物をポリエチレングリコール、大豆油等に溶解した後ゼラチン膜で被覆すればよい。
【0011】
皮膚外用剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物をワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等に加えて、必要ならば加温して練合し軟膏剤とするか、ロジン、アクリルアルキルエステル重合体等の粘着剤と練合した後、ポリエチレンなどの不織布に展延してテープ剤とする。
吸入剤を製造するには、本発明に係る化合物(1)またはその塩または水和物をそのままあるいは適当な添加物を加えて微細な粉末とし、粉体吸入装置を用いて吸入するか、フロンガス等の噴射剤に溶解または分散して耐圧容器に充填し、エアゾール剤とする。あるいは適当な溶剤に溶解して、ネブライザー等の液体吸入装置を用いて吸入する。
本発明の化合物(1)またはその塩もしくはその水和物の好ましい投与量は、配合される組成物の種類、適用頻度および治療すべき疾患、さらに患者の年齢、体重、病態などによって異なるが、大人に対して通常1〜1000mgであり、1回ないし数回に分けて投与することが望ましい。
【0012】
【実施例】
以下、実施例、製剤例、製造例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
ブレオマイシン気道内投与により引き起こされる気道内でのTGF−β1産生、細胞浸潤および肺出血の抑制
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物1)について、クリシュナらの方法(Krishna et al., Am. J. Pathol., 158, 997−1004, 2001)を参考にして、ブレオマイシン気道内投与により引き起こされたTGF−β1産生増大に対する、抑制効果を検討した。
i) ブレオマイシンの投与方法:
マウスをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg, i.p.)で麻酔し、頚部を小切開し、露出させた気管にガラスシリンジ(HAMILTON)を用いて、生理食塩水(0.03 mL/animal)あるいはブレオマイシン(0.03U/0.03 mL/animal)を投与した。その後、切開部を縫合した。
ii) 試験薬の投与方法:
試験薬は0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して、ブレオマイシン処置1時間前、24時間後にマウスの腹腔内に投与し、その後は一日に一回、計14回投与した。試験薬として上記化合物1と、肺線維症の治療に使用されているデキサメサゾンを用いた。また対照群として、ブレオマイシンを投与しないマウスで試験薬含有0.5%メチルセルロース溶液の代りに0.5%メチルセルロース溶液のみを腹腔内投与した群(ブレオマイシン非処置対照群)とブレオマイシン処置したマウスに試験薬含有液の代りに0.5%メチルセルロース溶液のみを腹腔内投与した群(ブレオマイシン処置対照群)を用いた。なお、試験動物数は対照群、試験薬投与群とも、各群10匹とした。
iii) 気管支肺胞洗浄の方法:
ブレオマイシン投与14日後、マウスをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg, i.p.)で麻酔し、腹部下行大動脈の切断により放血致死させ、気管内にチューブを挿入した。1 mlのシリンジに生理食塩水を0.5 ml入れ、これを挿管チューブにつけ、肺内に注入し、ついで取り出す。この注入および取出しを3回繰り返したのち回収した。この操作を計3回実施し、気管支肺胞洗浄液とした。
iv) 気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1量、細胞数および肺出血の測定方法:
気管支肺胞洗浄液を遠沈(1200 rpm、10 min、4℃)後、上清を回収し、気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1の定量に用いるため−80℃で保存した。TGF−β1の定量は、市販の定量キットの説明書に従って測定した。遠沈後の沈査に0.2%食塩水を0.5mL添加して50秒間放置して赤血球を溶血させ、1.6%食塩水を0.5mL添加して等張液に戻した。遠沈(1200 rpm、10 min、4℃)後、上清を回収し生理食塩水を0.5mL添加後に、420nmで吸光度を測定し出血の指標とした。その沈査に、0.5 mlの生理食塩水を加えて細胞を懸濁し、総細胞数を血球計算盤で測定した。細胞懸濁液中の細胞をデイフ・クイック(Diff Quik)で染色後、総細胞数に占める好中球、単球、リンパ球、好酸球数の割合を算出して求めた。
得られた結果を表1に示す。表1から明らかなように、本件発明に係る化合物1は気管支肺胞洗浄液中のTGF−β1量の増大、単球数の増加および肺出血を抑制した。
【0014】
【表1】
【0015】
製剤例1
以下の成分を用いて、常法により打錠し1錠150mgの錠剤を作製した。
【0016】
製造例1
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物1)の製法
(1)フェノチアジン10.00g、ブロモ酢酸t−ブチル4.5mlをアセトニトリル50mlに溶かし、これに粉末無水炭酸カリウム20.00gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1.00gを加え、窒素気流下、50℃で3日間撹拌する。溶媒を減圧留去し、残留物にエーテルを加えて抽出し、エーテルを留去し、残留物に酢酸エチル/n−ヘキサン(1:3)を加えて不純物を吸引ろ過により除去し、エーテルを留去する。この操作をさらに3回繰り返し、次いで、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製する(Rf=約0.4)。主分画の溶媒を留去し、残留物にトリフルオロ酢酸20mlを加えて溶かし、室温で2時間放置する。トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残留物にベンゼン20mlを加えて減圧留去し、残留物に10%炭酸カリウム液20mlおよび粉末無水炭酸カリウムを加えてアルカリ性とし、エーテル20mlを加えて数回洗浄する。水層を濃塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去する。残留物にベンゼン20mlを加え、溶媒を留去し固形の残留物としてカルボキシメチルフェノチアジン1.60gを得る。
【0017】
(2)上記の方法で得られるカルボキシメチルフェノチアジン3.00gを無水テトラヒドロフラン30mlに溶かし、氷水で冷却し、N,N’−カルボニルジイミダゾール2.20gを加え、2時間室温で撹拌する。反応液を再び氷水で冷却し、28%水酸化アンモニウム液10mlを一気に加える。10分後、溶媒(テトラヒドロフラン)を減圧留去し、結晶性沈殿物を吸引ろ過により集め、水洗、乾燥し、淡褐色個体2.4gを得る。それをメタノールから再結晶して、淡紅色針状晶のフェノチアジンメチルカルボキサミドを得る。
【0018】
(3)窒素気流下、上記で得られたフェノチアジンメチルカルボキサミド500mgを無水テトラヒドロフラン20mlに溶かし、氷水で冷却する。水素化リチウムアルミニウム500mgを加え、80℃で5時間還流する。窒素気流中氷水冷却下、水2.5mlを少しずつ加えて過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解し、グラスフィルターで吸引ろ過し、ろ過物をテトラヒドロフランで洗浄する。ろ液の溶媒を減圧留去して淡黄色粘ちょうな油状物質のアミノエチルフェノチアジン296mgを得る。
【0019】
(4)窒素気流下、上記で得られたアミノエチルフェノチアジン150mgを無水テトラヒドロフラン1.5mlに溶かし、これに2−ブロモフェニルイソチオシアネート150mgを加え、1晩室温で撹拌する。反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エーテル/n−ヘキサン=1/1)に付し(Rf=0.3〜0.4)、溶出液を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去して粘ちょうな油状物質を得る。放置することにより結晶化したN−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア(化合物2)155mgを得る。
EI m/z: 455 (M+), HR−M/S: 455.0127 (C21H18BrN3S2として計算値: 455.0125)
【0020】
【発明の効果】
本発明のN,N’−ジ置換チオウレア化合物はTGF−β1の産生を抑制する作用を有し、TGF−β1が関与する組織の線維化の治療もしくは予防に有用と考えられ、肺線維症、例えば特発性間質性肺炎等の治療もしくは予防薬として使用しうる。また気道への細胞浸潤、肺出血の抑制剤として有用である。
Claims (4)
- 該有効成分が下記の化合物からなる群から選ばれる化合物、またはその医薬上許容される塩もしくはその水和物の少なくとも1種である請求項1に記載の薬剤。
1)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
2)N−フェニル−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
3)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
4)N−(2−クロロフェニル)−N’−[(フェノチアジン−10−イル)メチル]チオウレア、
5)N−フェニル−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
6)N−(2−クロロフェニル)−N’−[2−(フェノチアジン−10−イル)エチル]チオウレア、
7)N−フェニル−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、
8)N−(2−ブロモフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア、および
9)N−(2−クロロフェニル)−N’−[3−(フェノチアジン−10−イル)プロピル]チオウレア。 - 肺線維症の予防・治療用の請求項1または2に記載の薬剤。
- 気道への細胞浸潤および肺出血の抑制用の請求項1または2に記載の薬剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228528A JP2004067578A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228528A JP2004067578A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004067578A true JP2004067578A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32015184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002228528A Withdrawn JP2004067578A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004067578A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102617649A (zh) * | 2012-03-13 | 2012-08-01 | 陕西科技大学 | 1-二茂铁基-4-n-吩噻嗪基丙烯酮及其制备方法 |
CN104031004A (zh) * | 2014-06-16 | 2014-09-10 | 陕西科技大学 | 一种制备n-羧甲基吩噻嗪的方法 |
-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228528A patent/JP2004067578A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102617649A (zh) * | 2012-03-13 | 2012-08-01 | 陕西科技大学 | 1-二茂铁基-4-n-吩噻嗪基丙烯酮及其制备方法 |
CN104031004A (zh) * | 2014-06-16 | 2014-09-10 | 陕西科技大学 | 一种制备n-羧甲基吩噻嗪的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6603293B2 (ja) | ピルビン酸キナーゼ活性化剤の使用方法 | |
JP3386125B2 (ja) | インターロイキン−1β変換酵素阻害剤としてのペプチジル誘導体 | |
KR102196721B1 (ko) | 섬유증의 치료를 위한 치환된 방향족 화합물 및 관련 방법 | |
JP4115105B2 (ja) | ピラゾール誘導体 | |
KR20090075792A (ko) | 아미딘 관능기를 가진 활성 물질의, 약제에서의 생체이용성의 증대 | |
JP2008528694A (ja) | 糖尿病の治療または予防において使用するためのニトロキシド類 | |
JPH072668A (ja) | テトラヒドロチエノピリジン誘導体含有医薬組成物 | |
WO2002087620A1 (fr) | Promoteurs de la chondrogenese | |
EP1405848B1 (en) | Tetrahydroquinoline derivative compound and drug containing the compound as active ingredient | |
WO1998027982A1 (fr) | Composition contenant de l'acide ascorbique | |
JP2004067578A (ja) | N,n’−ジ置換チオウレア化合物含有医薬 | |
JP2002537283A (ja) | フェニルアラニノール誘導体 | |
JPH0820532A (ja) | 抗膵炎剤 | |
RU2349587C2 (ru) | Производное фенилуксусной кислоты и его применение | |
JPH05163222A (ja) | コラーゲン過剰合成疾患治療剤 | |
JP2022517130A (ja) | 置換縮合イミダゾール誘導体並びに鎌状赤血球症及び関連する合併症を処置する方法 | |
WO2003070235A1 (fr) | Compositions medicinales inhibant les tryptases | |
JPH0840893A (ja) | インターロイキン−1産生抑制剤 | |
JP2774845B2 (ja) | 腫瘍転移阻害剤 | |
JP2008148566A (ja) | ヒト破骨細胞形成抑制活性を有する新規のペプチド | |
CN115212192B (zh) | 二苯甲酮衍生物在制备抗肾脏纤维化药物中的应用 | |
JPS61145122A (ja) | 利尿作用を有する医薬 | |
JP2003321368A (ja) | N,n’−ジ置換ウレアまたはチオウレア化合物含有医薬 | |
WO2002085363A1 (fr) | Agent therapeutique pour soigner la maladie glomerulaire | |
JPH0680582A (ja) | 脂質代謝改善剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |