JP2004067547A - チタン繊維医療材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スカフォールド材料設計を、100μm未満、アスペクト比20以上のチタン金属繊維を選定し、この選定してなる繊維を絡合して層状に形成し、繊維層の表面から内部に至るまでに生体硬組織誘導性及び定着性に優れた空間を形成した設定とし、この材料をインプラント周囲に固定する。これによって細胞活動のための十分な幾何学的空間が与えられるため、立体的な結合形成の期間が1ヶ月以内へと短縮されるのみならず、外傷などによって結合の一部が破綻された場合でも、細胞活動によって結合が自己修復される。
【選択図】図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、人工歯根インプラント、人工関節インプラント等の整形外科用インプラントと共に使用されるチタン又はチタン基合金繊維より構成されて成る生体硬組織誘導性スカフォールド材料とその製造方法及び再生医工学における細胞培養増殖用リアクターに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
これまで、口腔外科、整形外科における分野では、生体内植え込み用インプラント材料として、人工歯根、人工関節を始めとした金属材料製の製品が数多く使用されている。これらの中で、最近では特にチタンおよびチタン合金の使用頻度が急速に高まってきている。それは、チタンが他の金属に比し、生体内で異物反応の少ない優れた性質があこと、軽量で丈夫であること、加えて金属材料を生体内に植え込まれた患者が術後の検査等において、MRIの検査を受ける際に、磁性を持つ金属材料が生体内にあると、種々の不都合が生じるに対し、磁性を持たないチタンはこの点でも支障のない金属であるという副次的効果を有することも推奨して使用される理由の一つに挙げられている。
【0003】
特に最近ではチタンおよびチタン基合金からなる医療材料は、人工関節や人工歯根などのように、整形外科領域や歯科領域での使用頻度が増加している。これによって、異物反応のない金属材料が生体内で機能を発揮して、術後患者のQOLの向上にも貢献してきた。
【0004】
しかしながら、必ずしも全てが満足しうる状況では無い。たとえば、異物反応がないといっても、チタン金属材料と生体との接点においては、たとえそれが骨組織内に植え込まれたにしても、材料表面には結合組織系の繊維芽細胞などが膠原繊維と共に集まって、被包組織を形成する。そのため、チタン金属材料は骨組織と直接に接することができないため、骨組織と金属材料との一体化が得難いと言う点で問題があった。
【0005】
これを解決するため、近年では、チタン表面にヒドロキシアパタイトをコートする一方、骨組織の誘導性と固着性に配慮した構造、すなわち、材料表面に凹凸構造を設けたり、あるいは、多数の微小なビーズを表面に固着する等の対策を講じることによって、表面に複雑な構造をもたせる改良が行われている。しかしながら、このような手段によっても金属材料と骨組織との生理的、機械的結合関係は不十分なものであって、一旦結合したようにみえても、辺縁部から結合が破綻し始めると修復されることなく、破綻が全体に広がり緩みをもたらし、早晩脱落のやむなきに至る場合が多いことが数々の症例を重ねるにつれて次第に明らかになってきた。このため、特に高齢者においては、材料と骨組織との解離が徐々に進行するなど、極めて危険な現象すら現れている。しかも、金属材料と骨との結合が達成するまでに、従来の方法では早くて3ヶ月、遅い場合は、6ヶ月も要し、その間は次の段階の治療に進めないと言う不都合を来していたと言うのも実情であった。
【0006】
これを改善するため、更に最近では、このようなチタン製インプラントを始めとする医療材料とともに、骨芽細胞の誘導を促進させるBMP(Bone Morphogenetic Protein)や、その他の細胞の誘導に関与するBMP等が併用されていることも行われている。これらの生理機能活性物質との併用はそれなりに効果があり、チタン金属材料付近に骨芽細胞の侵入も見られるが、材料と細胞との一体となったオステオインテグレーションと呼ばれる組織状態の細胞形成には至っていない。
【0007】
一方、材料表面を複雑形状とする前示試みの改良技術として、生体骨に埋設されるインプラントコア部分にチタン又はチタン合金製の細線材をアトランダムに巻き掛けて重積し、コア方向に圧縮して所望の形状、寸法の圧縮成形体を形成し、この成形体をコアと合体させて緩衝機能を有するチタン製歯科用インプラントとすることが提案されている(特開平8−140996号公報)。ここに細線材として具体的に示されているものは、直径0.1mmないし0.7mm、特に0.3mm〜0.5mmが望ましいこと、そのチタン線材 によって形成された『成形体』の意義は、これによって外力、すなわち咬合外力に対して之を全方位につき弾性的に応受して緩衝作用をなすと共に、成形体の無数の多孔隙からの生体骨組織の侵入と増殖を許容して埋入部の所謂骨付きを高め、埋入部の良好な安定性を保証しようとするものである。
【0008】
さらにまた、金属と発泡剤の混合物を型に入れ、加圧下で融点以上に加熱し、適切時期に加圧用気体を解除することによって、『泡構造』を製作するプロセス(米国特許第2,553,016号明細書)によるものや、このプロセスの発展的態様として、水銀蒸気の発生や、あるいはチタンあるいはジルコンの水酸化物もしくは炭化物の分解等による特定の気体発生によるもの(米国特許第2,434,775及び同第2,553,016号明細書)等、金属の溶融時に気泡を発生させるという特殊な発泡方法を講ずることによって、金属の『泡構造』薄層を得、これをインプラントの表面に固着し、生体内に埋設後気泡セル内に骨組織を誘導させ、骨組織とインプラントとの融合を図ろうという整形外科用インプラントも提案されている(特開平11−341号公報)。その際に使用される金属としては、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼あるいはコバルト−クロム合金、あるいはアルミニウム等種々の金属が列挙され、開示されている。そして、気泡によって形成された開口セルの大きさについては、0.5mm〜1.5ミリ程度の範囲であること、『泡構造』は、1.5ミリ〜3mmの薄層に形成することが開示されている。
【0009】
しかしながら、前者の提案は、基本的には、0.1mm〜0.7mmの太さの1本のチタン長繊維を用意し、これをインプラントコア周囲に巻回し、圧縮すると共に、重複する繊維間に新生骨組織の侵入と増殖を許容する多孔空隙を形成するものであるが、これについても、その多孔空隙の形成には自ずと限界があることは明らかである。すなわち、この方法は、線材をコア方向に圧縮して巻き付ける態様によってコアとの取付関係を確保するものであり、そこに多孔空隙を調製しうる余地は極めて小さいというべきである。仮に、空隙を一定以上に確保するため、線材を緩く巻回すると、コアに対して線材の取付関係を確保することが出来なくなると言った不都合を抱えているものである。すなわち、かかる手段によっては、骨組織の侵入と増殖を図ることには限界があり、充分なるオステオインテグレーション組織形成をしうるには至っていない。
【0010】
また、後者の提案においても、その『泡構造』は、専ら溶融金属に対する『ガスの量と形状』によって制御されるものであるので、骨芽細胞の侵入と着床、増殖などに直接影響を与えるセルの大きさや、分布状態、壁厚等をコントロールすることは容易とは言えず、その開示された開口セルの大きさについては0.5mm〜1.5mm程度ではあるが、問題はそのセルの壁厚が、添付された図面によるスケールを考慮すると開口セルと比較してほぼ同じかそれ以上の厚みを持ったものであり、その前提とする微小ビーズ法におけるビーズ直径に基づくものとさして異なるものとも言えず、組織との一体化形成をもたらすほどには骨細胞との親和性は期待することができない。
【0011】
すなわち、以上述べたように生体組織親和性のあると言われているチタン又はチタン基合金を用いた何れの従来技術においても、前示したように諸点において問題があること、特に、骨組織とチタン材料との一体化された、いわゆるオステオインテグレーションと言われる充分な組織形成には至っているとは言えない現状にある。術後、辺縁部から骨とチタンの結合に緩みが生じ、早晩脱落に至る場合が多く、その間も患者に違和感を覚えさせることが避けられなかった等、問題の多いものであった。実際に医療現場において採用されている従来の人工歯根、人工関節の場合、後述図面の説明でも述べるが、従来のものは図1(A)に示すように骨と金属の結合は平面的結合であるため充分な結合に達するまでには3ヶ月から6ヶ月を要し、それまでは安静にして待ち、次の治療に進むことが不可能であった。その理由は、細胞が活動して金属との結合を達成する場が被結合物のなす面と面とに挟まれただけの単なる二次的平面といっても過言ではない領域の、単純な且つ最小とでも言える平面にすぎないものであったためである。
【0012】
上記したようにチタン金属材料によるものを始めとする従来の技術は何れも、骨組織と金属製インプラントとの間が二次平面をもって結合することを目指しており、これを称してオステオインテグレーションと呼んできたが元来生物学的に長期維持には問題があった。本発明は、かかる問題のない、各種硬組織代替用インプラントと共に使用され、これによってインプラント材料と生体側の骨組織とが3次元的、立体的に協同しあってハイブリッド状態の組織層を誘導することのできる、生体硬組織誘導性スカフォールド材料を提供しようと言うものである。
しかも、従来の方法ではある程度の金属材料と骨との結合が達成するまでに3ヶ月から6ヶ月かかったものを、後述する実施例3において証明されたように、本発明では1ヶ月以内に金属材料と骨との結合が完成する方法を提供しようというものである。
【0013】
さらに、今日の再生医工学の現状は、硬組織代替材料に生理活性物質と共に骨芽細胞、幹細胞を導入することにより、迅速な骨細胞も含めた生体細胞形成を促す試みが実際に求められている。すなわち、生理活性物質や幹細胞が確実に一定期間保持されること、徐放性が発揮されるものであること、しかも細胞浸潤性に優れ、人体の組織に埋設し、あるいは増殖した細胞のみを分離し、増殖した組織を必要とする研究現場、さらには医療現場に直ちに届けられるようにする、いわゆる細胞培養用バイオリアクターとして使用しうる材料が求められている。これに対して、従前の材料は、これらの要請に充分に対応し、応えられる状況に至っているとは言い難いものであった。
【0014】
本発明は、上記問題あるいは要請に対して応えうる、生体硬組織に有効なスカフォールド材料として使用しうる、さらには硬組織以外の細胞に対しても有効なバイオリアクターとして使用しうる材料を開発、提供しようというものである。
そのため、本発明者は、以下において説明するように、鋭意研究した結果、骨芽細胞が、チタン金属の極めて細い繊維材料に対して着床、増殖し極めてなじみ易いこと、そこには使用される繊維の直径と細胞の増殖活動との間には高い相関性が認められることを明かにしたものであり、また、この知見に端を発して一連の重要な知見を得、これによって上記要請に応えうる材料を開発、提供するのに成功したものである。
【0015】
すなわち、本発明者は、骨芽細胞の好む生育条件について鋭意研究した結果、骨芽細胞が極めて細い繊維が構成する幾何学的空間を好んで成育することを明らかにした。 そこでさらに基礎研究を行ったところ、チタン繊維に骨芽細胞が極めて高い親和性を示すこと、その程度は、100μm以上の太さのものよりは、100μ未満の太さのチタン繊維集団が構成する幾何学的空間構造で、その広がりが100から400μmであるような構造に対して極めて高い親和性を示し、積極的に付着する特性があることを知見した。
なお、これらの知見の一部医学的成果については、“Dentistry in Japan”vol.37、p.42〜50、2001、“J.Bone and Joint surgery”93A、S1−105〜115、2001、“J.Biochemistry”、vol.121、p.317〜324、1997、に発表(ただし、本発明のように成果全容ではないし、また解決手段等については一切未発表)した。
本発明は、上記知見より得た繊維の特性をさらに積極的に発展し、活用して、該繊維を金属インプラント周辺に取り付けることにより、繊維を介してインプラント周辺に使用すれば、骨芽細胞をインプラント周辺に積極的に誘導し、その結果、骨組織と金属繊維及びインプラントから成るハイブリッド状態の一体化した組織を誘導しうるのではとの観点から、縷々実験した結果、狙い通りの成果を上げられることが明らかになった。
これによって、従来の人工歯根、人工関節の場合、骨と金属の結合は、(0011)でも記載したように、平面的であるため、充分な強度をもった結合組織を得るまでには3ヶ月から6ヶ月は要し、その間は安静を待ち、次の治療に進むことが出来ないものであったところ、本発明によって、チタン繊維によって作られる3次元の複雑空間が与えられることにより、たとえ厚さが2mmの層であっても金属の表面積は平面の場合の20倍以上にもなり、それだけ細胞が活動する場が与えられ、しかも、(0012)にも記載して明らかにように、細胞の活動が促進される効果と相俟って、短期間で骨組織のオステオインテグレーションが達成されることが明らかとなった。
【0016】
さらに、その後の検討で、このような細胞の誘導と増殖については、骨芽細胞以外の細胞についても、可能であることが明らかにされた。すなわち、100ミクロン以下の太さのチタン繊維を使用すると、多くの種類の細胞が繊維層内に誘導され、積極的に付着し、生育することが知見された。すなわち、チタンの細い繊維を使用することで、生体組織全てに対して親和性の高い金属インプラント材料から成る医療材料を提供することに成功したものである。
【0017】
上記特定の太さのチタン繊維層に対する細胞の高い親和性によって、繊維層に細胞を誘導し、インプラントとのハイブリッド化を形成するにしても、これを人体に埋設して使用する際には、形態安定性が求めれる。この点についても鋭意研究した結果、本発明者は、チタン繊維を無秩序に層状に形成した後、これを単独で、あるいはインプラントに巻き付けて真空焼結すると、繊維同士の交点、接触点及びインプラント表面における繊維とインプラントとの接触点が、スポット的に溶着され、力を加えても多数の溶着点によって力は全体に分散され、充分に強度を持った、むしろ剛性構造とでも言える形態保持性に優れてなるものとすることに成功し、しかも焼結後においても骨細胞等の生体組織に対する親和性は全く影響されることのないことを明らかにした。
【0018】
金属繊維を固着する手段としては、ハンダ付けや銀ロウ等他の手段も挙げられるが、これらの結合操作は、ペーストを使用することが多い。そして、これらのペーストには、細胞にとって有害な物質が含まれている可能性があり、適当な手段とは言えない。真空焼結法は、この点を考慮した結果、数々の溶着法、固着法の中から敢えて選定し、その有効性を見いだしたものである。すなわち、真空焼結法は、細胞に有害な物質を使用することはないし、生ずることもない。但し、これに代えて他に繊維同志を固着する有効な方法、すなわち、細胞の生育や、組織、さらには人体に悪影響を及ぼすものでない溶着手段があれば、これを採用することは何ら問題はないし、本発明の狙いとする態様に含まれるものである。
【0019】
本発明者は、さらに研究を進めた結果、該チタン金属繊維層の繊維に表面に、ヒドロキシアパタイトあるいは同時に炭酸アパタイトを含む結晶を析出させ、これによって骨芽細胞の着床を促進させること、あるいは骨芽細胞の生育を促進させるBMP(Bone MorphogeneticProtein)を始めとする種々のサイトカインや細胞成長因子成分などの生理活性物質を、予め付着、使用することによって、骨細胞を一層効率よく誘導することができることを見いだした。このような作用効果は、単に該処理成分の機能のみによってはもたらされるものではなく、細いチタン繊維との併用によってもたらされた作用効果であることが明らかとなった。しかも、際だって顕著な持続性と徐放性とを相備えた作用効果が奏せられ、発現されることが明らかになった。
【0020】
このような作用効果は、板状体と対比すると、顕著な違いが認められる。この違いは、金属繊維層の表面積が、板状体に比し桁違いに大きいことによるものと考えられる。すなわち、同じ担持量であっても偏ることなく、広い範囲に平均的に担持され、加えて担持面積が増えこれにより総担持量が増大したことによるものである。生理活性物質の作用も、表面積の小さい板状体よりは100μm以下という極めて細い繊維を使用したことによって、一層効果的に、広い範囲で作用するものであり、これにより骨芽細胞を効果的に誘導し、一体化した強力な生体組織を形成することができることを明らかにした。
【0021】
尚、その場合の担持方法としては、前示BMP成分、サイトカイン、種々の細胞成長因子、生物活性を持つ成分や因子を直接、金属繊維に付着させることも可能であるが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、生分解性(3−ヒドロキシルブレート−4−ヒドロキシルブチレート)ポリエステル重合体、ポリジオキサン、ポリエチレングリコール、コラーゲン、ゼラチン、アルブミン、フィブリン、キトサン、キチン、フィブロイン、セルロース、ムコ多糖類、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ラミニン、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアミノ酸、デキストラン、アガロース、ペクチン、マンナン、およびそれらの誘導体、等の生体内で分解吸収される可能性のある物質をチタンもしくはチタン化合物の繊維間隙に含ませておき、その生体内吸収性物質に前述の因子を吸着せせることも有効であることが期待される。
【0022】
勿論、このような生体活性物質等の使用によらなくとも、細胞自体の持つ特性、すなわち、細胞が極めて細い繊維に対してつきやすいという挙動は、これは、むしろ細胞自体の持つ本質的特性と帰結することができるが、該生体活性物質を適宜調整することによって、その細胞の挙動を制御できれば、細胞の誘導、活性化を、場所的、時間的に自在に制御しうることにつながり、有効な態様の一つとして成立する可能性があることを明らかにした。
ここに、繊維を無秩序に絡ませておく態様とすることにより、細胞が、無秩序な個々の繊維間隙に積極的に侵入し、細胞と金属繊維とが3次元的に複雑に入り組んだ強力なハイブリッド組織が形成されることとなる。ただし、その形態に特定の方向に対して、特に補強する必要等が生じた場合などにおいては、その補強目的に沿い、例えば織布を併用することも有効な態様であることは言うまでもなく、何ら本発明の狙いを妨げるものではない。
【0023】
以上記載した金属繊維層を人体あるいは他の動物へ適用する場合、例えば、インプラント金属材料が骨組織の中に植え込まれているとすれば、インプラントに取り付けられた金属繊維層が構成する3次元間隙に血管と骨をつくる細胞が入り込み、ハイブリッド組織を自ずと形成し、これによって金属材料と骨組織との一体化現象が生じるものであることは、前示説明したとおりであるが、これによってインプラント金属材料全体の骨組織内におけるアンカー効果が一層高まり、金属材料は骨組織内で強固に固定されることとなる。このようなアンカー効果が迅速に、細胞と血管の進入定着によって形成されるには、あくまでも特定の太さ、アスペクト比のチタン繊維を使用して始めて得られる作用効果であることが明らかにされた。
【0024】
以上は、相当数(数百例)に上がる実証実験に基づいて得られた知見であり、かかる特定の金属(チタン又はチタン基合金)の細線における直径と細胞との関係に着目した研究は、本発明者において始めてであり、極めて独創性の高い研究であり、新規であり他に例はない。そしてこの細線をしたことによって極めて顕著な作用効果が奏せられ、これにより医学の発展、人類の福祉に大いに寄与することは言うまでもない。この実験を通じて用いられた、本発明のスカフォールド材料が取り付けられるインプラントとしての金属材料は、主として、骨との親和性を言及する必要性から、実際に医療現場において用いられているチタン金属製の医用インプラントに基づいて言及しているが、それ以外の金属製あるいは非金属製の医用インプラント材料に対しても使用することできることは言うまでもない。
【0025】
また、さらに、直径100μm未満の太さのチタン繊維に対しては、数々の実験より骨芽細胞以外にも多くの種類の細胞が、この材料を使用することにより骨芽細胞と同様に活発に生理活動し、積極的に付着する特性のあることを明らかにした。 その中には万能細胞と言われている幹細胞も含まれていることは勿論である。すなわち、このことから、100ミクロン以下のチタン金属繊維層は、再生医工学における細胞培養増殖用材料としての機能を有し、細胞培養増殖用リアクターとして使用しうるものであることを明らかにしたものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
すなわち、以上の一連の知見に基づいて、上記(0012)〜(0014)に記載の課題を、下記(1)〜(13)に記載する構成を講じることによって解決したものである。
(1) 各種硬組織代替用インプラントと共に使用される、チタン又はチタン基合金繊維より成る生体硬組織誘導性スカフォールド材料であって、該チタン又はチタン基合金繊維は平均直径100ミクロン以下、アスペクト比20以上(短軸:長軸比=1:20以上)の繊維を選定すると共に、この繊維を絡合して層状に形成し、これによってその表面層から内部に至るまでに生体硬組織着床空間を形成し、生体硬組織誘導性及び定着性に優れた材料設計としたことを特徴とする生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(2) 前記繊維からなる層状スカフォールド材料あるいはこれと共に使用される各種インプラントは、真空焼結され、これによって繊維同士あるいは繊維とインプラントとの交点ないしは接触点とが互いに融着、固定されることを特徴とする請求項1記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(3) 前記繊維表面がアパタイト生成液によって処理され、ヒドロキシアパタイト又は炭酸アパタイトを含むリン酸カルシウム化合物によってコートが付されていることを特徴とする前記(1)ないし(2)の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(4) 前記繊維表面が生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理活性助剤を含む処理液によって処理されていることを特徴とする前記(1)ないし(3)の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(5) 前記生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理性活助剤が、細胞成長因子、サイトカイン、抗生物質、細胞成長制御因子、酵素、蛋白、多糖類、燐脂質、リポ蛋白、ムコ多糖類より成る群から選ばれた1種又は2種以上より成ることを特徴とする、前記(4)記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(6) 対象とするインプラントが人工歯根インプラントであり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に巻回ないし圧着して一体に取り付けて使用することを特徴とする前記(1)ないし(5)項の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(7) 対象とするインプラントが人工関節インプラントであり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に巻回ないし圧着して一体に取り付けて使用することを特徴とする前記(1)ないし(5)項の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(8) 対象とするインプラントが骨補綴用インプラントであり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に巻回ないし圧着して一体に取り付けて使用することを特徴とする前記(1)ないし(5)項の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(9) 対象とするインプラントと生体硬組織誘導性スカフォールドとの一体取付けが専ら真空焼結によって取り付けられるものであることを特徴とする前記(6)ないし(8)の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
(10) 平均直径100ミクロン以下、アスペクト比20以上のチタン又はチタン基合金繊維を多数交叉させて層状に形成し、これを単独にてあるいは、人工歯根インプラントないしは人工関節インプラントの周囲に巻き付け、真空焼結し、各繊維の交点あるいは繊維層とインプラントとの接触点を融着し、一体化したことを特徴とする生体硬組織誘導性スカフォールド材料の製造方法。
(11) 再生医工学における細胞培養増殖用リアクターにおいて、リアクターを構成する、細胞を誘導し、着床し、生育空間を形成するリアクター材料として、太さ100ミクロン以下、アスペクト比20以上(短軸:長軸比=1:20以上)のチタン繊維あるいはこれにさらにアパタイト生成液によって処理され、ヒドロキシアパタイト又は炭酸アパタイトを含むリン酸カルシウム化合物によってコートが付されている該チタン繊維を使用すると共に、この繊維を絡合して層状に形成し、これによってその表面層から内部に至るまでに生体硬組織着床空間を形成し、細胞誘導性及び定着性に優れた材料設計としたことを特徴とする再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
(12) 前記繊維層が、生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理活性助剤を含む溶液によって処理されているか、この溶液を含んでいることを特徴とする前記(10)項に記載の再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
(13) 前記生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理性活助剤が、細胞成長因子、サイトカイン、抗生物質、細胞成長制御因子、酵素、蛋白、多糖類、燐脂質、リポ蛋白、ムコ多糖類より成る群から選ばれた1種又は2種以上より成ることを特徴とする、前記(11)項に記載の再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
ここに、表面層から内部に至るまでに生体硬組織着床空間を形成し、生体硬組織誘導性及び定着性に優れた材料設計とするためには、繊維の太さが100μm未満、アスペクト比が20以上のチタン繊維を層状に無秩序に絡ませた、不織布を形成すれば自ずと得ることが出来、これによって形成された空間は、細胞の進入を可能とする開口部を有し、また、進入した細胞が着床し、増殖するに充分な空間が形成されている。以後実施例では、該繊維層を、空隙率、密度により開示し、言及しているが、生体硬組織誘導性及び定着性は、空隙率、密度とも極めて広い範囲において有効である。本発明は100μm未満の繊維の太さを設定したことにより、生体硬組織に対して優れた空間を設定することが出来、また、加工性にも富んでいるものであり、これよりも太いものを用いた場合に比し有利である。加えて、単に見かけ上の太さの違いだけにはとどまらず、細胞レベルの話では事実上極めて大きな意義を有することが明らかになった。
【0027】
【本発明の実施の態様】
本発明の実施の態様を以下に記載する異所性骨形成実験、同所性骨形成実験および、あるいはアパタイトコーティング実験、細胞増殖実験等によって開示した実施例並びに図面と基づいて説明する。なお、これらの実施例は、本発明を容易に理解するための一助としての具体例を開示するものであり、これによって、本発明を限定する趣旨ではない。
以下に記載する実験で使用したスカフォールド材料は、直径が平均100μm以下、アスペクト比20以上のチタン金属又はチタン基合金繊維を、無秩序に絡合して形成した不織布に代表される層状体とし、これをチタンインプラント材の外周部に取り付けて両者を真空焼結して、繊維同士の接点、交点およびチタンインプラント材との接点を融着し、その後、アパタイトコーテイング処理等の処理を講ずるものであるが、従来法のチタンインプラントとその周囲に成長した骨組織との関係、チタン繊維層(不織布)よりなる本発明のスカフォールドを取り付けたチタンインプラントとその周囲に成長した骨組織との関係とをそれぞれ図示すると1図の通りである。
(A)は、従来法によるチタンインプラントとその周囲に成長した骨組織を示す図であり、インプラントの周囲には骨組織が形成されているが(左図)、その接触結合界面は、拡大図(右図)によると骨組織はインプラントに平面的に結合しているだけにすぎない。これに対して(B)は、本発明のスカフォールドを取り付けたインプラントとその周囲に成長した骨組織の関係を示す図(左図)であり、骨組織は、先ず、スカフォールドにおける3次元に複雑に絡み合った繊維層内に、誘導され、その繊維表面に付着し、3次元にしかも複雑な形状に結合し、この結合層を介してさらに外側の骨組織へと連続している様子が示されている。すなわち、従来法のインプラントによる(A)に比し、複雑に絡み合った繊維とその形成する空間によるアンカー効果に基づいた、確固とした骨組織構造、オステオインテグレーションが3次元的に実現している様子が示されている。
【0028】
(実施例1)
(ラットの皮下における異所性骨形成実験)
I.実験試料の準備: 次の試料▲1▼、▲2▼をそれぞれ準備した。
▲1▼ 直径8μm〜80μm、アスペクト比20以上のチタン金属繊維から成る空隙率85%、密度0.9g/mlの不織布(ベキニット株式会社製)を用意し、これをチタンロッドに強固に任意の厚さに巻き付け、このチタン不織布と直径1.5mmのチタンロッドとから成る複合体を、セラミック製焼結治具筒内に充填し、1000℃にて5時間、高真空中で焼結した。その結果、繊維同士の多数の接点において、また、チタンロッド表面との接点において焼結、溶着され、表面に力を加えても、凹んだり、その形態に変形が生じたりすることのない、強固な複合体を作製準備した。
▲2▼ 直径1.5mmのチタン金属ロッド。
II.埋植実験方法:
1. 上記▲1▼の本発明のスカフォールド材料に相当する複合体と、▲2▼の従来技術におけるインプラントに相当する金属ロッドとをそれぞれラットの皮下に、ウシ骨から抽出精製した骨形成蛋白質S−300BMPと共に埋植し、4週間に亘る骨の形成実験を行った。4週後、顕微鏡観察及び金属ロッドに付着したCa付着量の定量分析とによって、両者の骨形成の違いを観察、対比した。
III.実験結果:
その結果は、顕微鏡による観察結果は、図2に示すとおりであった。本発明のスカフォールド材料に相当する、金属チタンの不織布を真空焼結して装着した複合体、すなわち▲1▼の不織布を装着した4週後の骨形成の状態は、図2(A)によると、その不織布内に骨芽細胞が浸潤、誘導され、複雑に入り組んだ旺盛な骨組織形成が認められた。これに対し、▲2▼の不織布を装着しなかった、すなわち、チタン金属ロッドのみからなる図2(B)によると、そこには両者が3次元的に一体となった骨組織の形成は認められず、ロッド(黒い部分)と骨(白い部分)との界面には両者を結びつけるものはなく、ロッドと骨とがその界面を挟んで単にそれぞれが独立的に別個に存在しているにすぎないものであった。
また、Caの定量分析による観察結果は、図3に示すとおりであった。
すなわち、▲1▼の直径1.5mmのチタンロッドにチタン不織布を装着した場合、インプラント一本に対し、平均2.3mgのCaが付着したことが明らかになったのに対して、▲2▼の該チタン不織布を装着しなかったものでは、たかだか0.13mgしか付着しておらず、そこには、両者の間に歴然とした差違が認められ、その差違はおよそ18倍にも達していることが明らかとなった。
【0029】
(実施例2)
(ヒドロキシアパタイトコート処理の有無の差による異所性骨形成実験)
実験方法:
直径1.5mmのチタンロッドに、チタン不織布を装着した後、真空装着することなく、後述する実施例4で開示したアパタイトコート処理と同様の液体浸漬法によってアパタイトコート処理した複合体▲3▼と、アパタイトコートしなかった複合体▲4▼とをそれぞれ準備し、それぞれをラット皮下に4週間埋植して、骨組織形成について両者の違いを比較した。
実験結果:
その結果は図4に示す通りであった。アパタイトコート処理した複合体▲3▼では、そのチタン不織布部のところでは、旺盛な骨形成が認めれた〔図4(A)〕。
ただし、そのチタンロッドの表面にはチタン不織布が真空焼結処理が施されていないことから、両者が一体化して結合されていないことにより、ロッド表面部には骨が出来ておらず、ロッド表面から少し離れた繊維空間内において形成されていることが、明らかとなった〔図4(A)〕。
一方、アパタイト・コートしなかった複合体▲4▼では、骨は殆ど、あるいは全く出来ていなかった〔図4(B)〕。すなわち、この異所性実験では、アパタイトコート処理が骨形成に極めて重要な役割を果たしていることが明らかにされた。
また、実施例1におけるチタン金属ロッドとチタン金属不織布とが真空焼結によって溶着処理された試料▲1▼と、本実施例2におけるチタン金属ロッドとチタン金属不織布とが真空焼結によって溶着処理されていない▲3▼の骨形成実験結果から、チタン金属ロッドと骨とを一体に形成するには、チタンロッド表面にチタン金属不織布が真空焼結により予め一体に溶着処理されていることが重要であることを示している。すなわち、この真空焼結処理は、単に力学的強度のみならず、骨形成の効率増大にも大いに寄与し、重要な役割を果たしていることを伺わせるものであった。
【0030】
以上実施例1、実施例2に記載する実験は、何れもラットの皮下における異所性骨形成実験であり、骨以外の組織での骨形成実験により、チタン不織布を装着することの意義を調査、確認したものであるが、これを整理して記載すると、表1にまとめられる。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施例3)
(ウサギの頭蓋骨における同所性骨形成実験)
(I)実験方法:
以下、1、2、3に記載する手順と要領に基づき行った。
1.体重2.5キログラムのウサギをネンブタール静脈麻酔下にて、頭蓋骨の骨膜を部分的に翻展し、頭頂部に直径3mm、深さ3mmの頭蓋骨を貫通する孔を歯科用ダイヤモンド円形デイスクを用いて作製した。
2.そこに、(直径3mm、高さ3mmの円筒形に切り出した)チタン不織布外装チタンロッドを挿入し、骨膜、真皮層を縫合した。
3.ウサギを4週後に犠牲にし頭頂部の骨を取り出し、樹脂包埋、厚さ20μmの研磨標本作製後、ヘマトキシリン・エオジン染色して試料を作成した。
(II)実験結果:
上記3で得た顕微鏡観察用組織切片試料を、光学顕微鏡によって観察した。
その結果、図5(A)、(B)に、また、図6(A)、(B)に示すとおり、次のことが明らかになった。
(i) 直径1.5mmのチタンロッドに、チタン不織布を1mmの厚さで装着し、さらに液体法によってヒドロキシアパタイト・コートした後、ウサギに埋植して4週後の試料では、骨はチチタン不織布層の深部に達してチタンロッド表面まで覆っていることが明らかとなった〔図5(A)〕。
(ii) 直径1.5mmのチタンロッドに、チタン不織布を1mmの厚さで装着し、真空焼結したが、ヒドロキシアパタイト・コートせずに埋植した複合体においては、骨形成がチタン不織布部に充分に、侵入せず、途中で留まっていることが明らかになった〔図5(B)〕。
(iii) 比較のため従来で用いられているビーズ法による実験を試みた。
すなわち、チタンロッドにチタンビーズを装着したチタンインプラントを埋植した実験(4週)においては、骨はチタンビーズ群の内部に入り込めず、その外側に留まっていた〔図6(A)〕。これによると、少なくとも4週での骨侵入は期待できないものであった。
(iv) さらに比較のため、自然治癒実験を行った。すなわち、直径3mm、深さ2.5mmの孔をウサギの頭蓋骨に穿ち、自然治癒に任せた〔図6(B)〕。 この図によると、図右上の大半の部分は、直径3mm、深さ2.5mmの欠損部が4週後すでに海綿状の骨で満たされ、自然に再生していることを示している。 骨は、欠損部の内周囲から円周状に中心部に向かって成長する。その際、アパタイトコートしたチタン不織布外装チタンロッドの場合は、不織布全層に骨が侵入し、ロッドの表面にまで達するに対し、他の材料・処理法による場合、なかなか深部にまで達しないことが実験の結果確認された。
【0033】
(実施例4)
(アパタイトコート処理の実施例)
アパタイト処理液とアパタイトコート法:
処理液は、人血漿中のミネラル濃度を参考にして、その5倍濃度になるように塩類を蒸留水に加え、これに二酸化炭素ガスを素焼き製のフィルターを通して吹き込みつつ、塩類を溶解しpHを6にした。すべての塩類が溶解したところで操作を終了し、二酸化炭素の雰囲気中において保存した。この溶液は、37℃にて1〜2週間は安定で、沈殿は生じなかった。この中にコートすべきチタン製品を1週間浸漬し、SEMにより観察した。
調製した液組成を例示すると次の通りである。
ナトリウムイオン : 710mM(ミリモル、以下同様)
カリウムイオン : 25mM
マグネシウムイオン : 7.5mM
塩素イオン : 515mM
重炭酸イオン : 135mM
リン酸イオン : 1mM
硫酸イオン : 2.5mM
なお、最終の炭酸イオンは、二酸化炭素を吹き込むことにより、弱酸性(pH
6.01)、37℃における飽和濃度とした。
なお、上記液組成は、あくまでも例示であって、これに限定するものではない。 すなわち、アパタイトを生成する溶液は、各種文献に報告されており、本発明は、その何れも採用することが出来るものである。
浸漬したチタン金属繊維層試料は、真空焼結したものと(a)、真空処理しなかったもの(b)を使用し、比較した。その結果は、図7(SEM写真)(A)、(B)に示すとおりであった。何れの試料にも繊維表面には、アパタイト微結晶がびっしりと析出していることが観察され、そこには焼結処理の有無による差は認められなかった。なお、参考のため、このアパタイトコーテイング処理したチタン金属繊維不織布について、コーティング処理前の状態を示すものを図8に示す。図8(A)は加熱処理前のチタン不織布、図8(B)は加熱処理後のチタン不織布をそれぞれ示しているものである。
【0034】
(実施例5)
本発明で規定した直径100μ以下、アスペクト比20以上のチタン繊維不織布よりなる繊維層を用いたバイオリアクターを、従来の細胞培養基板と比較した細胞培養比較実験;
実験方法:直径16mmの培養槽(ウエル)を所定数用意し、その底に、(1)チタン不織布、(2)多孔性アパタイトブロックを敷き、そして(3)何も置かないプラスチック底を対照として、各々の上に、世界的に確立されている骨芽細胞MC3T3EIを同数づつ播種し、1週および3週後の細胞の増殖数DNA測定によって比較した。
実験結果:その結果、図9のように1週後には、プラスチック平板の1.4倍、3週後には1.3倍の細胞数にまで増加した。これに対し、細胞培養基盤として従来使われている多孔アパタイトはプラスチック平板よりは細胞増殖能は低いことがわかった。このことから本発明にかかるチタン不織布は、骨芽細胞の大量細胞培養に対して極めて適した基盤材料であることを示している、と言える。
【0035】
本発明は、以上述べた各実施例においては、主として、骨芽細胞に対して高い親和性を示すスカフォールド材料を開示したが、本発明は、骨以外の細胞と生体組織に対しても供しうるスカフォールド材料、さらに一歩進めて再生医工学における全ての細胞を対象とした細胞培養増殖用リアクター材料を開示、提供しているものであることは、これらの実験内容及び細胞の共通性を考慮すると当然のことであり、前示第10番目から第12番目の解決手段(10)から(12)は、これに対応してなされたものである。
【0036】
バイオリアクターは、再生医工学技術の進歩により、今日では人工臓器を始めとする各種人体の器官の開発までもが、現実化、実用化しようとしており中、生命科学の基礎的反応装置として、極めて重要な位置を占めているものであることは述べるまでもない。これらの事情を考慮すると、本発明の意義は、極めて大きいと言える。今日話題に挙がっている幹細胞の増殖技術を利用した各種再生医工学の発展と、これによる副作用のない各種器官、臓器の開発は、医学の発展と人類の福祉に大いに寄与することは縷々述べるまでもなく、本発明はその一翼を担うものであり、大いに期待される。すなわち、本発明は必ずしも、生体硬組織誘導性ないし代替性スカフォールド材料に限るものではない。
【0037】
なお、前示冒頭で挙げた従来技術以外にも、繊維を用いて繊維層を作ったり、繊維の不織布状態を形成させて、その繊維間隙に生体組織を誘導することは、布製の人工血管などにおいて提案され、各種文献等において発表され、特許公報においても、相当数にのぼっており、枚挙に暇がない。
しかしながら、これら文献に記載の内容は、骨芽細胞を始めとして、材料に対する細胞の親和性に着目したものではなく、ただ単に血管としての強靱性を補強するための繊維材料の使用であり、またこの使用による血管内からの液漏れが生じないようにするための結合組織の自然充填を意図しているにすぎない。これに対して、本発明は、骨芽細胞を始めとして、細胞との積極的親和性を求めたものであり、そのためにチタン金属材料を選定したことに加え、100μm以下の極めて細い特定の直径を有するものを選定した所以である。
【0038】
なお、チタン繊維を含め、金属繊維を用いて骨芽細胞の誘導を図る試みについては、従来技術で紹介した特開平8−140996号公報に記載があるにすぎない。しかし、そこに開示されている細線材は、直径0.1mmないし0.7mmの一本の長繊維を用い、これをコアに巻回して用いるものであり、対して、本発明のチタン繊維は、その太さにおいても100μm以下の直径であり、アスペクト比20以上と下限を限定しているものの、あくまでもアスペクト比によって規定する程度の短繊維を、無秩序に絡合して用いるものであるところから、その繊維間によって形成される空間は、従来の実施されているインプラント法による単純な二次平面的空間とはまるで異なるものであり、すなわち、本発明は細胞が繊維空間内に誘導され、高い親和性を示し、その結果増殖速度も従来法(3ヶ月から6ヶ月)に比し早く、4週経過後において早くも一体化した組織形成が認められるという、極めて顕著な作用効果が奏せられるものであることは前述開示したとおりであるに対し、この特許文献に記載のものは、そもそも金属線を設けた理由は、これにより緩衝を図るものであり、そこには、本発明において意図している高い親和性の発現を始めとする様々な作用効果、それも思いもよらない顕著な作用効果が奏せられる、という特有な作用効果を窺わせる記載はない。
【0039】
人工材料を骨組織の中に埋植して、安定に固定することは、人工臓器に機械的機能を保持するために決定的に重要であり、これなしには、人工骨頭(関節)や人工歯根は、不安定であり早晩脱落する。安定に固定するためには、埋植した人工材料と骨との界面は、間隙を残すことなく、また、骨以外の組織や物質を介在させることなく密着し、出来るならば、埋植物と骨とが強固に化学結合し、容易に剥がれないことが要求される。このような、埋植人工物と骨の連結状態をして従来は、「骨伝導」あるいは「オステオインテグレーション」と呼ばれ、人工物を骨に埋植後、出来るだけ早期にこの状態を獲得する技術が、多くの臨床医、研究者そして患者によって強く求められてきている。しかしながら現状は、本明細書中の従来技術に記載したとおり安定したオステオインテグレーションに達するには、早くて3ヶ月、遅い場合は6ヶ月の長期におよび、その間はただひたすら待たねばならず、機能を回復することも、その後の治療を進めることも出来ないのが現状であった。
【0040】
本発明は、前示解決手段で述べたとおりの構成を採用することにより、スカフォールドすなわち埋植体は、表面積を増すと同時に、図1(b)に示されているように骨がその内部に侵入して骨と埋植体のハイブリッド層を形成することにより、骨と人工物の一体化を図るものである。従来のような、すなわち、図1(a)について紹介し、述べたように骨の平面と人工埋植物の平面を接着するという2次元の概念とは全く異なり、3次元の、それも無秩序に絡合した繊維によって複雑形状を呈した3次元空間が形成され、極めて強固なしかも1ヶ月以内という極めて短期間にハイブリッド層が形成される。しかもそのハイブリッド層内においては骨が生きた状態で代謝を営むため、生理的に安定で、外力にも耐え、自然の修復力も兼ね備えており、半永久的に安定に人工臓器の機能を保持し得る。
【0041】
具体的には、解決手段で講じた構成、あるいはその具体的態様としての実施例に開示したとおりであるが、ここで改めて要約、紹介すると該チタン繊維層は、繊維と同種のチタン金属又はチタン基合金よりなる棒状体あるいはロッド(その断面形状は、代表的には円形又は楕円形が挙げられるが、正方形、矩形を含むすべての形状が可能であり、患部に応じ適宜選定することが出来、特には制限はない。)に、100μm以下のチタン繊維層を適宜の厚さに巻き付け、真空焼結して繊維が動かないように、繊維と繊維の接触点、および繊維とロッドとの接触点を溶着し、以て繊維が動かないように固着する。これによって形成された、棒状体ないしはロッドと繊維層は一体化し、強固な剛性物が形成される。 その意義は、実施例でも示すとおり、骨芽細胞に対して有効な、そしてまたそれ以外の生体細胞に対しても有効なスカフォールド材料、あるいはバイオリアクターを提供するものである。すなわち、本発明により骨芽細胞の3次元複雑形状の立体的成長に加え、細胞そのものの増殖が促進され、オステオインテグレーション組織が短期に実現しうるという優れた作用効果が奏せられるものである。
【0042】
なお、本発明では、主として、骨との親和性を必要とする金属製の医用材料、特に真空焼結による溶着をも態様の一つとしていることから、同種のチタン金属材料から成る医用材料に対して開示されているが、それ以外の医用材料に使用することも可能であり、これを排除するものではない。
【0043】
例えば、生体内分解性の親水性材料と共に使用することで、生体内に植え込んだ後、宿主の細胞がその材料と置き換わって、宿主の組織を作ることが期待され、疎水性樹脂と生体細胞とのハイブリッド型の組織を作成するのに適している。
【0044】
この発明は、親水性材料に各種細胞成長因子を絡ませることが可能であることから、一般に疎水性樹脂では不可能であった細胞の誘導などにその威力を発揮させることが可能であり、その為、人為的に意図した細胞を多く集めて、生体内で特殊な機能的組織を作成することができる。
【0045】
この発明は親水性材料に各種の細胞成長を阻止する因子を絡ませることが可能であることから、細胞を付着させない環境を生体内に形成させることが可能となる。この特性を活用すると、細胞で何時までも覆われない組織が生体内で作られ、各種センサーのセンシングを行う良好な場を生体内で提供することが可能となる等全く異なる使用の形態をももたらしうるものである。
【0046】
【発明の効果】
1.本発明は各種インプラント共に使用される生体硬組織誘導性スカフォールド材料として、極めて細い、一定のアスペクト比を有するチタンの繊維を選定し、これを無秩序に絡合した繊維層とすることによって、チタン繊維層内部に骨組織を誘導させ、これによってビーズ法等を適用した従来法に比し、チタンと骨組織との極めて高いハイブリッド状態形成を誘導することを可能としたものであり、骨組織との親和性の高い医療材料を提供するものであり、その意義は極めて大きい。
2.上記繊維層に形態保持性真空焼結処理、骨芽細胞の誘導を促進するアパタイトコート処理、あるいは各種生理活性物質担持処理、等の補助的手段を更に適用し、講ずることにより、骨組織とインプラントとの一体化した、術後に違和感をきたすことのない骨組織の誘導が再現性良く行われるという顕著な作用効果が奏せられ、その意義は整形外科領域、歯科領域等広く影響をもたらすことが期待され、その意義は極めて大きい。
3.本発明のスカフォールド材料は、細胞の成長発達を3次元に形成しうる点で単純な二次平面的成長と結合にすぎない従来のインプラント法に比し優れていることは勿論のこと、細胞の成長速度、増殖速度においても、これまでのものに比し極めて早いことが実証され、この点でも極めて大きな意義がある。その意義は、医療現場において医師、患者双方に大きな成果と福音をもたらすことは、前示繰り返し述べてきた1ヶ月以内というこれまでの常識からは窺い知れない極めて短期間でのオステオインテグレーション組織の形成が実現したことからも明らかである。
4.さらに本発明は、骨芽細胞のみ成らず、生体の各種細胞に対しても親和性の高い材料を提供しているものであり、医療材料としてのみならず再生医工学における細胞培養増殖用リアクターとしての機能するものを提供するものであり、今後、新しい医用産業の発展に大いに貢献し、寄与するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチタン繊維よりなるスカフォールド材料を外装してなるチタンロッド等のインプラント概要図とその拡大図。
【図2】本発明のチタン繊維よりなるスカフォールド材料を外装し、真空焼結して溶着した金属チタンロッドと、チタンロッドのみを用いたラットの皮下における埋植比較実験による異所性4週骨組織を示した図。
【図3】チタン金属繊維不織布を装着した場合と装着しなかった場合における各チタンロッド上の骨形成量の違いをCaの定量分析によって示した図。
【図4】チタン金属繊維不織布をチタンロッドに装着し、但し真空焼結することなく、アパタイトコート処理を施した試料と、チタン金属繊維不織布をチタンロッドに装着、但し真空焼結及びアパタイトコート共に無処理の試料とをそれぞれラットの皮下に埋植、4週経過後の試料と形成された骨組織の状態とを顕微鏡にて観察した図。
【図5】チタン金属繊維不織布をチタンロッドに真空焼結して一体化し、アパタイトコート処理した試料とチタン金属繊維不織布をチタンロッドに真空焼結して一体化し、アパタイトコート無処理の試料とをそれぞれ用意し、ウサギの頭蓋骨に埋植し、4週経過後の試料と骨組織の状態を顕微鏡にて観察した図。
【図6】チタンビーズを装着したインプラント試料をラットの頭蓋骨に埋植、4週経過後の試料と骨組織の状態を顕微鏡にて観察した図と自然治癒に任せた4週経過後の骨組織の状態を顕微鏡観察した結果を示す図。
【図7】真空焼結したチタン金属繊維表面にアパタイトコート処理を施した後の金属繊維表面と、真空焼結することなくチタン金属繊維にアパタイトコート処理を施した後の金属繊維表面のSEMによる観察結果を示す図。
【図8】真空焼結前のチタン金属繊維表面と真空焼結後のチタン金属繊維表面とのSEMによる観察結果を示した図。
【図9】本発明のバイオリアクターと従来型多孔性アパタイトによるリアクター及びプラスチック平板による対照リアクターとによる骨芽細胞増殖比較実験結果を示した図。
Claims (13)
- 各種インプラントと共に使用される、チタン又はチタン基合金繊維より成る生体硬組織誘導性スカフォールド材料であって、該チタン又はチタン基合金繊維は直径100ミクロン未満、アスペクト比20以上(短軸:長軸比=1:20以上)の繊維を選定すると共に、この繊維を絡合して層状に形成し、これによってその表面層から内部に至るまでに生体硬組織着床空間を形成し、生体硬組織誘導性及び定着性に優れた材料設計としたことを特徴とする生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 前記繊維からなる層状スカフォールド材料あるいはこれと共に使用される各種インプラントは、真空焼結され、これによって繊維同士あるいは繊維と各種インプラント材料との交点ないしは接触点とが互いに融着、固定されることを特徴とする請求項1記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 前記繊維表面がアパタイト生成液によって処理され、ヒドロキシアパタイト又は炭酸アパタイトを含むリン酸カルシウム化合物によってコートが付されていることを特徴とする請求項1ないし2の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 前記繊維およびアパタイトコートされた繊維表面が生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは該生理活性助剤を含む処理液によって処理されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 前記生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理活性助剤が、細胞成長因子、サイトカイン、抗生物質、細胞成長制御因子、酵素、蛋白、多糖類、燐脂質、リポ蛋白、ムコ多糖類より成る群から選ばれた1種又は2種以上より成ることを特徴とする、請求項4記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 対象とするインプラントが人工歯根インプラントであり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に一体に固着して使用することを特徴とする請求項1ないし5記載の何れか1項記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 対象とするインプラントが人工関節インプラント材料であり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に一体に固着して使用することを特徴とする請求項1ないし5記載の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 対象とするインプラントが骨補綴用インプラントであり、インプラントの生体骨内に埋設される埋入部周囲表面に一体に固着して使用することを特徴とする請求項1ないし5記載の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 対象とするインプラントと生体硬組織誘導性スカフォールドとの一体取付けが専ら真空焼結によって行われるものであることを特徴とする前記(6)ないし(8)の何れか1項に記載の生体硬組織誘導性スカフォールド材料。
- 平均直径100ミクロン未満、アスペクト比20以上のチタン又はチタン基合金繊維を多数交叉させて層状に形成し、これを単独にてあるいは、人工歯根インプラントないしは人工関節インプラントの周囲に巻き付け、真空焼結し、各繊維の交点あるいは繊維層とインプラントとの接触点を融着し、一体化したことを特徴とする生体硬組織誘導性スカフォールド材料の製造方法。
- 再生医工学における細胞培養増殖用リアクターにおいて、リアクターを構成する、細胞を誘導し、着床し、生育空間を形成するリアクター材料として、太さ100ミクロン未満、アスペクト比20以上(短軸:長軸比=1:20以上)のチタン繊維あるいはこれにさらにアパタイト生成液によって処理され、ヒドロキシアパタイト又は炭酸アパタイトを含むリン酸カルシウム化合物によってコートが付されている該チタン繊維を使用すると共に、この繊維を絡合して層状に形成し、これによってその表面層から内部に至るまでに生体硬組織着床空間を形成し、細胞誘導性及び定着性に優れた材料設計としたことを特徴とする再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
- 前記繊維層が、生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理活性助剤を含む溶液によって処理されているか、この溶液を含んでいることを特徴とする特許請求の範囲10に記載の再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
- 前記生体細胞を活性化する生理活性物質あるいは生理性活助剤が、細胞成長因子、サイトカイン、抗生物質、細胞成長制御因子、酵素、蛋白、多糖類、燐脂質、リポ蛋白、ムコ多糖類より成る群から選ばれた1種又は2種以上より成ることを特徴とする、請求項11記載の再生医工学における細胞培養増殖用リアクター。
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