JP5166864B2 - 人工歯根 - Google Patents

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Description

発明の人工歯根は、骨と早期に良好な結合を示し、かつ、天然の歯根膜に類似の結合構造を持つ歯根膜再生機能を有する
2004−16398号公報 2004−67547号公報 特開平6−7381号公報(特公平7−14400号公報) 特開2002−159513号公報 特開平6−47062号公報 特公平6−69482号公報 特開平7−265056号公報 Connect TissueRes. 2003;44 Suppl 1:318-25 Eur.J. Oral Sci. 1998; 106 (Suppl. 1):197-203
従来、外科手術に伴う組織切除欠損部には、周辺の組織を移植する事が多く行われている。そのうち、軟部組織の補填は力学的強度が必須でないが、骨切除を伴う手術による骨欠損では力学的強度を持つ補填材(医用材料)、いわゆる構造体が必要となる。これらの欠損部への治療にはα―リン酸3カルシウム(α-TCP)、β―リン酸3カルシウム(β-TCP)、ハイドロキシアパタイトなどの骨組織親和性充填材が用いられている。
再生医療的な観点からは、単に骨組織親和性のみならず、骨形成細胞を補填材に付着させ、周囲の骨組織との一体化を期待している。そのため充填材は、単体で使用する場合よりも、骨髄液を充填材表面に塗布したり、あるいは骨髄液から間葉系幹細胞を生体外で培養後、充填材上に播種・培養し、骨芽細胞に分化させた後に充填材に付着させることがある。
上記前述のような骨髄液を充填材表面に付着させると、骨髄細胞から骨細胞への分化によって骨再生が生じ、骨組織との一体化による有効な力学的強度が得られると期待される。しかしながら、塗布だけでは、間葉系幹細胞の付着範囲が構造体の表面付近に留まり、付与可能な間葉系幹細胞の数が限定され、期待した治癒の促進効果が得られない場合がある。
また一方、詳細については後述するが、これらの細胞を構造体に付着させた後に生体外で細胞培養を行ってより強硬で多量の細胞を組み込む手法も再生医療研究では行われている。このような充填材の使用では、間葉系幹細胞を充填材上に播種した後に、足場となる骨充填材に細胞が定着するためには一定期間を要するため、間葉系幹細胞が充填材の下部底面に集まりがちであって、その結果として分布が偏ったり、または充填材から脱落したりするために治療に必要十分な量の間葉系幹細胞数あるいは骨芽細胞数が確保できなくなる事が知られている。
このような不都合を解消する目的で、構造体を多孔質構造にして、細胞を付着させたり、絡ませたり、あるいは培養技術によって構造体表面から細胞侵入を促す工夫も行われている。その具体的先行技術としては特許文献1があげられる。この技術では一定長かつ一定断面寸法のチタン金属又はチタン合金繊維からなる不織布を焼成する事によって多孔質構造体として、それに細胞を塗布している。これによると表面に均質に細胞を播種する事が可能とあるが、内部にまで侵入したとの記載はなく、本発明者の追試でも、このような単純な多孔質の構造体では細胞は表面にのみ留まり、内部に深く入り込み難いことが確認されている。
更なる先行技術としては特許文献2があげられる。この技術ではチタン又はチタン合金繊維より成るスカフォールド材料であって、生体硬組織へのインプラント周囲に焼結固定する事によってスカフォールド内への細胞侵入を容易にし、組織親和性と固定性を向上させている。
この先行技術はスカフォールドの厚みが薄くても効果を発揮しうる歯科材料などでは顕著なる成果を上げている。しかしながら、スカフォールドが厚くなる場での細胞侵入に関する有利性は報告されていない。
細胞の構造体の内部への侵入は、一般に言えば構造体のサイズが大きくなると細胞侵入距離も限られ、内部深くまでの細胞侵入は難しく、構造体全体が細胞組込型の新しい組織へ発展的な変化を来す事は極めて困難であった。
このような問題を解決すべく、治療に必要十分な量の物質を材料内部に均一に拡散分布させることができる構造を有する医用材料を提供することが望まれる
本発明に関連する医用材料は、空隙率が20〜97%である多孔質三次元構造体で、該構造体内部に中空孔、及び/又は、中空部を持つことを特徴としている。また、医用材料の第2の態様は、空隙率が20〜97%である多孔質三次元構造体を複数個合わせることによって、それらの間隙に中空孔、及び/又は、中空部を持つことを特徴としている。本発明の医用材料の第3の態様は空隙率が97%以下の少なくとも2つ以上の三次元体から形成された多孔質三次元構造体で、該多孔質三次元構造体を形成する三次元体の空隙率が異なることを特徴としている。
用材料の第3の態様であって、いずれかの多孔質三次元構造体の内部に、中空孔、及び/又は、中空孔を持つことが好ましい。
用材料の第4の態様は、空隙率が97%以下の多孔質三次元構造体であって、傾斜的に空隙率が変化する構造を有することを特徴としている。この態様の医用材料であって、多孔質三次元構造体の内部に中空孔、及び/又は、中空部を有していることが好ましい。
また、上述したいずれかの態様の医用材料であって、中空部、及び/又は中空部が該構造体内で樹枝状に分布しているものが好ましい。また、該構造体内を貫通する中空孔、及び/又は、中空部を少なくとも一つ以上を持つもの、また、該構造体に表面から内部へ空隙率勾配があるもの、さらに、該構造体の中空孔、及び/又は、中空部を貫通する少なくとも一つ以上の脱着可能な硬質棒を持つものでもよい。
このような硬質棒を備えた医用材料であって、該硬質棒の太さが、断面積0.5平方センチメートル以下であること、該硬質棒の断面形状が円形、楕円形、円の一部が欠けた変円形、多角形、L形やH形などの変形、中空形、などから選ばれるいずれかの形態を持つものが好ましい。
上述したいずれかの医用材料であって、該中空孔、及び/又は、中空部に物質を注入することによって、該構造体内に該物質を拡散分布させているものがよい。また、該中空孔、及び/又は、中空部に注入して構造体内に拡散させる物質が、ゲル状の担体に保持されて、構造体内に注入されるものが好ましい。そして、このゲル状の担体がゼラチンであるものが好ましい。
さらに、リン酸カルシウム、セラミックスアパタイトのいずれかを該構造体の少なくとも一部に含むものがよい。
上述したいずれかの態様の医用材料であって、多孔質三次元構造体が純チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、合成高分子、天然高分子、ステンレス、ステンレス合金、アルミニューム、アルミニューム合金、等のグループから選ばれる一つ以上の素材からなり、それが太さ100μm以下の細繊維形状を少なくともその一部に有する事が好ましい。この構造体が厚さ0.1〜10mmのシートを積層し、加圧あるいは焼結によって固化されていてもよい。そして、この三次元構造体を構成する繊維の外周にセラミックスアパタイトがコートされているものが好ましい。
前記医用材料の該構造体の内部に注入する物質は生理機能を持ち、各種細胞、骨髄細胞、骨髄液、骨髄液から分離された幹細胞、臍帯血由来細胞、末梢血由来細胞、組織細切片、各種蛋白、脂質、多糖類、酵素、抗生物質、抗菌物質、ホルモン、サイトカイン、血液凝固促進剤、細胞成長因子、遺伝子操作された細胞からの抽出物、遺伝子操作された細胞から産生される物質、血管内皮細胞増殖因子(VEGF), platelet-induced
growth factor(PIGF) PIGF, 治療効果因子ベータ1(TGF.beta.1)、酸性繊維芽細胞(aFGF)、塩基性繊維芽細胞(bFGF)、治療効果因子アルファ(TGF.alph.)、上皮細胞増殖因子、オステオネクチン、アンティオポエチン(ANG1)、ANG2、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子BB、骨形成蛋白質(BMP)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞外マトリックス、コラーゲンあるいはそれらのいずれかの複合体もしくは誘導体、等のグループから選ばれた少なくとも一つ以上であることが好ましい。
前記医用材料では空隙率が20〜97%である多孔質三次元構造体で該構造体内部に中空孔、及び/又は、中空部を持つ事が基本である。そのため骨芽細胞などの足場依存性細胞をはじめとする各種細胞の誘導性および着床性が優れており、細胞成長性が高い。
構造体内に設けられた中空孔、及び/又は、中空部は単純な一本の孔でも良ければ、枝分かれした樹枝状に分布させていても良い。又更に、平板状の空間であっても構わない。このため、中空孔および/又は中空部を介することで治療に必要十分量の細胞成長物質等の成長因子を構造体内に均一に拡散分布させることを容易にできる。このような間隙孔は一つであっても複数個の独立した孔であっても構わない。
更には、その孔や空間部分の一部が、構造体の外表面に開口しても、あるいは開口していなくとも構わない。具体的にいえば、孔の一部が直線的な孔であって構造体を貫通していると、後述する硬質棒を挿入させやすい。この時、この貫通孔以外に孔や空間があれば、その部位に目的とする物質を注入させることで、構造体内部にその物質を分布させると同時に、直線的な貫通孔を利用して、構造体を固定することも可能となる。
開口していれば、その部分に注射器の先端部分を押しあてて直接物質を注入する事が可能となるが、開口していなければ、注射器の尖端に針をつけて、その針を構造体の中にある中空部や孔の中に挿入し、注射針を介して物質を送り込むことが可能である。
また、開口した一本の孔のみでも細胞を播種することが可能である。例えば、孔の一部を手術中に指で塞ぎ、片端の孔から細胞などを注入することで、構造体内部にまで、十分に細胞などを播種させることが可能となる。
該構造体内でこのような空隙部分が分布した構造を有する構造であれば、細胞のような組織を構成する物質、組織細切片などの組織その物、もしくは組織形成を促進する物質などを懸濁液状態や溶液状態にしておいて、その中空孔、及び/又は、中空部に注入するによって該構造体内にそれらの物質を均一に拡散分布させ得ることが可能となるので、結果として効率の良い細胞組込型構造体を得る医用材料を完成した。
このような空隙率が20〜97%である多孔質三次元構造体で該構造体内部に中空孔、及び/又は、中空部を持たせるためには、多孔質三次元構造体で該構造体内部に孔を穿つ事によって得ることが可能ではあるが、シート状、もしくは塊状の多孔質三次元構造体を少なくとも2つ以上の複数個合わせることによって、それらの間隙に中空部を確保しうるので、結果として容易に「内部に中空孔、及び/又は、中空部を持たせた多孔質三次元構造体」を形成しうる。
上述の多孔質三次元構造体は、使用部位に合わせた形状を持つ構造体をなす。その空隙率は20〜97%であり、使用部位によってそれにかかる力学的強度、細胞分布の必要度などで構造体の形状と、それを構成する素材の選択と空隙率の適正な設定を行う必要がある。また、多孔質三次元構造体が、空隙率の異なる少なくとも2つ以上の三次元体で形成されていれば、さらに、多孔質三次元構造体が傾斜的に空隙率が変化する構造を有していれば、上述の要求性能に幅広く対応可能となる。
上述の多孔質三次元構造体は、予め使用部位が決まっていれば、それに合わせた構造体のサイズ、形状、素材、空隙率などを定めた構造体を準備しておくと、使用に際して簡便であるが、手術中に使用部位に合わせたサイズ決定をせざるを得ない場合には、大まかなサイズ決めの基で準備した構造体を裁断したり、張り合わすことで、その場に適した構造体の形状、サイズを整えることが可能である。
この時、それに要する物質を多孔質三次元構造体(該構造体)内部に必要十分な量の物質を注入・充填する事が細胞による組織形成促進には好都合であり、細胞が該構造体内部にまで等しく分布させる必要がある。注入物質を可能な限り構造体内部に均質に分布させつつ留める目的では、該構造体全体がフィルター状態であることが好ましく、その為には構造体の表面から内部へ空隙率勾配が有るものが良く、特に、空隙率が外側に比べて内側のほうが大きくなっている空隙率勾配を持つ事が好ましい。このような空隙率勾配を有する構造体は、空隙率の異なる複数の構造体を用意し、多層構造にすることで実現することができる。これにより、内側と外側の空隙率を容易に変えることができ、構造体の内側は構造体内に注入する物質の充填度に優れ、生体に接する外側は各種細胞の優れた誘導性および着床性を維持することができ、各機能を果たす医用材料の製造が可能である。
該構造体の材質としては、骨組織再生に活用する場合も軟部組織補填に使用する場合でも、三次元多孔質構造を得やすい材料が好まれるので、細胞との親和性を持つ素材であれば特に限定はしない。しかしながら、骨組織との親和性を期待する場合にはリン酸カルシウム、セラミックスアパタイトのいずれかを該構造体の少なくとも一部に含む事で骨細胞との親和性を高めるので好都合である。
さらに該構造体が繊維の絡まり体である場合には強度を高く維持しつつ、同時に空隙率も高める事が可能となる。このような場合は、純チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、合成高分子、天然高分子、ステンレス、ステンレス合金、アルミニューム、アルミニューム合金、等のグループから選ばれる一つ以上の素材からなる繊維状材料を少なくとも構造体の一部に用いることで、目的が達する。そして、この繊維状材料の外周にセラミックスアパタイトがコートされているものがよい。
具体的にこのような構造物を作るには、少なくとも上記の繊維を含む、あるいはその様な繊維からなる厚さ0.1〜10mmのシートを積層し、加圧あるいは焼結することにより繊維間を融着する事で、構造物の形を整え、型くずれを防ぐことが可能である。
このようにして該構造体を作製した後に、その内部に注入する物質としては特に限定する事はないが、生理活性を持つ細胞や組織、蛋白、それにそれらの機能を発揮させるにふさわしい物質が望まれる。具体的には、該構造体の内部に注入する物質は生理機能を持ち、各種細胞、骨髄細胞、骨髄液、骨髄液から分離された幹細胞、臍帯血由来細胞、末梢血由来細胞、組織細切片、各種蛋白、脂質、多糖類、酵素、抗生物質、抗菌物質、ホルモン、サイトカイン、血液凝固促進剤、細胞成長因子、遺伝子操作された細胞からの抽出物、遺伝子操作された細胞から産生される物質、血管内皮細胞増殖因子(VEGF), platelet-induced growth factor(PIGF) PIGF, 治療効果因子ベータ1(TGF.beta.1)、酸性繊維芽細胞(aFGF)、塩基性繊維芽細胞(bFGF)、治療効果因子アルファ(TGF.alph.)、上皮細胞増殖因子、オステオネクチン、アンティオポエチン(ANG1)、ANG2、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子BB、骨形成蛋白質(BMP)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞外マトリックス、コラーゲンあるいはそれらのいずれかの複合体もしくは誘導体、等のグループから選ばれた少なくとも一つ以上である事が好ましい。
このようにして細胞や生理活性物質が組み込まれた該構造体を必要とされる体内のある部位に固定する場合、一般手術で用いる縫合糸による固定が容易であるが、その手法のみでは骨組織への固定は困難な事がある。その様な不都合を解消するために、本発明では、該構造体内部の一部に構造体を貫通した孔を少なくとも1つ以上に持たせることを発案した。この孔は一本とは限らず、2本でも3本でも、必要に応じて準備する事が可能である。
このようにして該構造体が貫通孔を持つと、そこを硬質棒によって貫通させ突き出すことによって隣接する骨組織内に刺入し、該構造体を骨組織に固定させる事が可能となる。
この時の硬質棒と該構造体との関係は、決して一体化させることなく、両者は脱着可能である事が重要である。類似した先行技術として特許文献1がある。それには一定長かつ一定断面寸法のチタン金属又はチタン合金繊維からなる不織布をチタン製ステムの外側に巻き付けて焼成によって一体化させている。従って、この先行技術では両者は脱着不可能である。
前述の医用材料では、ある空間を補填材で埋める必要がある場合、いくつもの該構造体を硬質棒に通すことによってその場に応じたサイズの補填材を用意する事が可能となる。その際、硬質棒と該構造体との関係は、決して一体化させることなく、両者は脱着可能である事がそれを可能とする。先行技術である特許文献1ではそれが不可能である。
先行技術である特許文献1には、硬質棒つまりチタン製ステムのサイズ、形態などの記載がないが、一例として大腿骨の欠損部の補填に使用する図が記されている。人における大腿骨補填では、成長期における乳幼児ではこのような状態での骨補填を行うと、患児の成長に合わせた骨形成が不可能な事から、乳幼児には使用不可能であり、成人にしか使用できまい。その場合には、ステムの断面直径は、記載はないが、強度的に1センチメートル前後、あるいはそれを越える太さが必要である。本発明の医用材料では、硬質棒、ステムは生体にとっての異物であるので、可能な限り細くして、異物総量を少なくし、異物性を低くすると同時に、骨組織との一体化を鋭意検討した結果、硬質棒の太さはできる限り細くして、異物量を減らす必要性を明らかにした。その結果、余りにも細くすると使用する部位に置いては強度的な問題があるので、それとの兼ね合いから、0.5平方センチメートル以下の断面積に限定するのがよい。
しかしながら、細くするだけでは強度的に不十分となるので、その断面をL字型にしたり、H型にするなどの機械工学的な工夫を組み込むことを本発明では採用した。又更に、円形断面では該構造体が硬質棒を中心にして回転する可能性があるので、硬質棒に非円形性(例えば、楕円形、多角形など)を持たすことによって、その様な不要な動きを防止するのが好ましい。
使用部位によっては、このような回転が問題にならない場合もある。その様な部位においては硬質棒の断面が円形、円の一部が欠けた変円形であっても構わない。従って本発明の医用材料では円形断面を排除するものではない。
使用部位によっては、このような竹輪状の構造体を継ぎ合わせる事で欠損部のサイズに合わせた補填が可能であるが、更に複雑なサイズ合わせが要求される場も手術の現場では遭遇する。
例えば、整形外科領域では自家骨を移植する際に腸骨から移植用の骨片を採取する。その時に腸骨部分に欠損が生じるので、プラスチック材による補填がなされる。しかしながら、親和性において安定性が問題視されている。
このような場合には、腸骨欠損部に前述の硬質棒を少なくとも1本以上用いて、欠損部に橋かけをするが如く渡しておく。その様にした後にシート状の多孔質三次元構造体を2枚、欠損部のサイズに合わせて裁断し、それらを硬質棒を挟むような形で、張り合わせる、もしくは一枚の大きな多孔質三次元構造体シートを折り畳むようにして硬質棒を挟み込み、シート同志を縫合糸やワイヤーなどで括り合わせて固定することで、その場に最適のサイズと形態を持つ多孔質三次元構造体を用意することが可能となる。
このような作業を行うと、2枚の多孔質三次元構造体シート間隙には中空部分ができる。少なくとも硬質棒付近には中空孔が形成される。この状態は本発明に唄う「多孔質三次元構造体構造体内部に中空孔、及び/又は、中空部を持つ」という状態に合致する。
そしてこの状態となれば、その中空孔や中空部に細胞や細胞成長因子などを注入し、多孔質三次元構造体シートの内部からそれらを均質に分布させることが可能となる。
このようなシートの張り合わせによる細胞播種や物質浸透には、張り合わす前にシートの片面から処置を行っていて、その後に処置面同志を張り合わす事により、より簡便かつ広範囲に処置が行われる利点もある。
前記医用材料では、前述したとおりの手術中に各種細胞や細胞成長因子などを構造体内部に分布させる事を可能としているのみならず、手術前においてもそれが可能であり、また、細胞培養等の体外でそれを行うことも可能である。
例えば、手術前に構造体内部に均質にハイドロオキシアパタイトを分布させる場合、それを含んだ溶液を繰り返し該中空孔や中空部に注入することによって、重層的にそれらを構造体内部に沈着させ得る。
又一方、細胞や組織細切片の懸濁液を繰り返し該中空孔や中空部に注入することによって、重層的にそれらを構造体内部に沈着させ得て、それを細胞培養することによって急激に構造体内部に三次元的な細胞集合体を形成させることが可能となる。
このようにして作製した三次元的な細胞集合体は、そこで増殖させた細胞種類によっては、細胞に各種物質を産生させるのに有利な構造体として活用可能となる。従って、各種遺伝子操作を行った細胞の特殊機能を発揮させるには好都合な多孔質三次元構造体となる。
このように大量の細胞を三次元的に培養し、細胞機能を活用すると共に、細胞への培養液環流にも好都合なように、多孔質で三次元的構造を維持する工夫はこれまでにも行われてきた。例えば、コラーゲンなどで多孔質構造を立体的に作製し、細胞親和性を持たせた工夫が先行技術として報告されている。
それらは多量の細胞を培養可能であって、目的を達成しているが、問題点として、長期間の培養によって、三次元構造が変形する事にある。そしてその結果として細胞間隙が狭くなり、細胞培養用の環流液が細胞間にまんべんなく流れ難くなって、細胞の増殖のみならず、機能発揮に支障を来すことがある。
その原因としては、培養細胞が細胞周囲にコラーゲンなどの細胞にとって快適な線維を分泌し、それらの線維が徐々に収縮する事によって、あるいは細胞がそれらの線維を引き手繰る事によって組織全体に収縮力が働く結果であると理解されている。
その為に、コラーゲンでその様な三次元的構造を形成した場合、収縮によって変形し、最終的には目的を達成しない場合が起きうる。
その点に置いては、前記医用材料では、チタンやチタン合金繊維などを用いて、更にはそれを焼結する事によって三次元構造が変形し難い状況を作りうるので、その様な不利な状況にはなりにくい利点がある。
それと同時に、前記医用材料では、チタンやチタン合金繊維などを用いて、更にはそれを焼結する事によってしっかりした形態維持が得られた三次元構造を得ることから、この構造内部に超極細ポリエステル繊維のような合成高分子材料、もしくはコラーゲン線維のような天然高分子材料を含浸させたり交絡させることによって、細胞親和性を向上させると同時に、形態維持性を確保した細胞用のマトリックスを準備しうる。また、この三次元構造を構成する繊維の外周にアパタイトによるコーティングを施してもよい。これにより、細胞との親和性が一層向上し、細胞の早期誘導を実現する。
このようにして大量の細胞を含んだ三次元多孔質構造体は、細胞の種類と手術の目的に合致すればそのまま生体内に植え込むことが可能である。
また、そのままの状態で長期間の細胞培養を行うことによって、細胞を利用したリアクターとしての機能を行わせることも可能となる。
さらに、前記医用材料では細胞や細胞細切片及び/又は生理活性物質等をゲル状の担体に含有させて、構造体内の中空孔及び/又は中空部に注入してもよい。これにより注入された細胞や生理活性物質等は構造体内にて保持されると共に、徐々に構造体内全体に拡散される。そのため、これらの物質を構造体内に均一に効率良く拡散分布させることができる。
このようなゲル状の担体として、生体内で分解される高分子で、例えば天然あるいは合成ポリペプチドからなるポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルソエステル、ポリ酸無水物、あるいはゼラチン、キチン、コラーゲン、アガロース、微生物多糖類(プルラン、カードラン)、化学合成系では、ポリペプチド、合成多糖類、脂肪系ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸)、ポリビニールアルコール、ポリアミノ酢酸(PMLG)、天然系では動物系としてキトサンなど、植物系としてデンプン、セルロース、酢酸セルロースなどが挙げられ、これらを1種または2種以上で混合して用いても良い。特に、ゼラチンやコラーゲンは生体親和性が高いため好ましい。また、ゼラチンやコラーゲンは、架橋することによりハイドロゲルを作製することができ、このハイドロゲル内には、細胞成長因子の水溶液を容易に固定することができる。さらにハイドロゲルは生体内で時間とともに分解し、その分解速度はハイドロゲルの架橋の程度によってコントロールできるため、ハイドロゲル内に固定した細胞成長因子を効果的に徐放できる。
以上に説明した如く、前述の医用材料により、従来技術の医用材料の問題点を解決したのみならず、医用材料の新しい領域への応用も拡げることが可能となった。
一方、天然歯は、歯と歯周組織とからなり、歯周組織とはセメント質、歯肉、歯槽骨、歯根膜で構成されている。その中でも歯根膜は、歯根と歯槽骨の軸に対して垂直に走行するコラーゲン線維からなり、歯根と歯槽骨を強固につなげ、咬合力の緩衝作用、知覚、神経の調節、咀嚼運動などの人間が生活する上で重要な役割を果たしている。しかし、従来の人工歯根では、歯根膜がなく、直接顎骨に固定し、使用しているため、咀嚼時の衝撃が緩衝されずに顎骨に直接伝わり、歯槽骨に過剰な応力が集中する。その結果、骨吸収によるインプラントの外れやゆるみが生じるという問題がある。
このような問題を解決すべく様々な人工歯根膜を備えた人工歯根が検討されている。特許文献3には、抜歯した歯から採取した人の歯根膜細胞を培養し、これを担持した生体用有機材料からなる支持体を人工歯根膜として付着させた人工歯根が開示されている。
また、特許文献4には、人工歯根膜の材料としてヒドロキシプロリン残基含有タンパク質を含むタンパク質成分を生体吸収膜に付着させて担持させた人工歯根が開示されている。
さらに、特許文献5には、人工歯根の骨内埋入部の少なくとも一面に微小突起を形成し、その微小突起の上から多数孔を空けた生体樹脂膜を被せた人工歯根が開示されている。
しかし、特許文献3に開示されるように培養歯根膜細胞を利用した人工歯根の植立方法は歯根膜の入手の難しさやさらに得られた歯根膜細胞を培養するという煩雑な操作も要求されるという問題が残る。
また、特許文献4に開示されるように歯根膜を形成させるための材料を担持させた人工歯根、あるいは、特許文献5に開示されるように多数の孔を形成させた生体樹脂膜を、微小突起を形成した骨内埋入部に被せた人工歯根は、人工歯根膜の再生が可能ではあるが、人工歯根と骨組織との間の結合強度が平均60kgと言われる人間の咀嚼力または咀嚼運動に耐えるだけの強度ではないなどの問題点が残る。
本発明者は、特許文献2において「骨芽細胞は細い繊維が構成する幾何学的空間に好んで成育し、100μm未満の太さのチタン繊維集団が構成する幾何学的空間でその広がりが100〜400μmであるような構造に対して極めて高い親和性を示し、積極的に付着する特性がある」と記載している。そして、この知見を元にチタン製のロッドと、直径が100μm未満、アスペクト比20以上(端軸:長軸=1:20以上)のチタン繊維またはチタン基合金繊維を絡合して層状に形成したものを前記ロッドの外周に巻きつけた生体組織着床空間とからなる生体孔組織誘導性スカフォールド材料を開示している。この特許文献2のスカフォールド材料を生体に用いることにより、材料と骨芽細胞との間で三次元的な物理的結合が形成され、極めて良好なオステオインテグレーション組織となる。また骨と金属とが一体化して共存する層をコラボレーションゾーンという。
しかし、特許文献4のインプラント材料では、多孔質の生体組織着床層を備えているため、骨芽細胞とのコラボレーションゾーンを形成し、生体とは強固に結合するが、天然歯が持つ歯根と歯槽骨に対して垂直に走行するコラーゲン線維を持たないため、歯根膜としての緩衝機能は果たさない。
一方、直径200μmの無数の直線トンネルを持つハニカム構造膜が、コラーゲン線維を膜面に垂直的に成長させるのみならず、血管と神経をも垂直に成長させることが知られている(非特許文献1)。
そこで本発明では、特許文献4のインプラント材料の持つシステムのみ起こりえる三次元効果による各種細胞の分化、骨芽細胞などの孔組織誘導などの機能を用い、非特許文献1の技術を併用し、歯根膜再生機能を持つ人工歯根の素材・システムを提供することを第2の目的とする。
本発明の人工歯根は、基材と、その基材の外周に金属線を絡合することによって形成された金属不織布を真空焼結法によって設けた金属繊維層と、その金属繊維層の外周に設けられた多孔性で生体内分解性の吸収性高分子からなるハニカム構造を備えている歯根膜形成層とからなり、前記歯根膜形成層が膜面に直径100〜400μmの貫通孔を有し、前記歯根膜形成層の外周にハニカム構造を持たない吸収性高分子不織布からなる歯槽骨形成層が設けられている人工歯根であることを特徴としている。ここにいう「ハニカム構造」とは、平行する多数の貫通孔が膜に対して垂直に形成されている構造をいい、貫通孔の断面形状は問わないものである。この金属不織布が金属線を絡合して真空焼結することによって形成されたものが好ましい。
本発明の人工歯根において、金属繊維層および/または歯根膜形成層に骨形成タンパク質(BMP)および繊維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインが含漬および/または吸着されているものが好ましい。さらに、金属繊維層および/または歯根膜形成層に炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイト、その他のリン酸カルシウム化合物がコートされているものが好ましい。
また金属繊維層が、径5〜100μmの金属線を空隙率が50〜90%となるように絡合した金属不織布からなり、前記基材と金属繊維層とが真空焼結によって固定されているものが好ましい。そして、歯根膜形成層が、コラーゲン繊維、コラーゲン繊維と骨形成タンパク質(BMP)および繊維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインとの複合体、またはポリ乳酸・ポリカプロラクトン共重合体などの生分解性プラスチックからなるポリマーであり、物理的または化学的穿孔手段によってハニカム構造を設けているものが好ましい。さらに、基材および/または金属線がチタン、チタン合金、金、金合金からなる群から選ばれた材料であるものが好ましい。
本発明の人工歯根は、基材外周に強固に固定された、骨芽細胞が好んで定着する三次元構造を有し、硬組織形成誘導層である金属不織布からなる金属繊維層を持つため、生体内に埋植後、早期に歯肉および顎骨内の未分化間葉細胞が金属不織布の外周に設けられた歯根膜形成層を介し、骨芽細胞に分化誘導され、金属不織布内に硬組織層を形成し、強固に生体と結合する。また、歯根膜形成層がその膜面に直径100〜400μmの貫通孔を有するハニカム構造を備えているため、金属繊維層との接触面に対して垂直方向に向いた貫通孔が形成される。つまり、この人工歯根を骨内に埋入することにより、未分化間葉細胞は歯根膜形成層の貫通孔に沿って誘導され、線維芽細胞に分化誘導されコラーゲン線維を形成する。このコラーゲン線維は、金属不織布内に形成された硬組織層と歯槽骨に対して垂直に成長して、本来の天然歯にある歯根膜と同じ形態・構造となる。これにより、咀嚼時の衝撃を緩衝し、歯槽骨に過剰な応力がかからず、骨吸収によるインプラントの外れやゆるみを防止する。さらに、コラーゲン線維が形成され人工歯根が定着すると歯根膜形成層の吸収性高分子は体内に吸収され、人工歯根の歯根膜を介した骨内への一体化が一層実現される。
また、この人工歯根は基材と金属繊維層が真空焼結法によって結合されているため、強固に結合されており、人工歯根が骨内と一体化する前においても基材がずれたりすることが少ない。さらに必要に応じてロッド自体に凹凸あるいは仕切りを設けて、そこに金属繊維層を真空焼結することによってより強固な結合が得られる。
さらに本発明の人工歯根の歯根膜形成層の外周にハニカム構造を持たない吸収性高分子からなる歯槽骨形成層を設けているため、歯槽骨内の欠損が大きい場合でも、それを急速に補填することができる。
本発明の人工歯根の金属不織布が金属線を絡合させて真空焼結させることによって形成されている場合、直接細い金属線をロッドに巻くのに比べて空隙率の確保が容易であり、また、人工歯根の太さが細い場合は製造技術上有利である。
また、金属繊維層および/または歯根膜形成層に骨形成タンパク質(BMP)および線維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインを設けることにより、さらに積極的に骨形成が行われ、より早期に骨と金属繊維とが共存する層であるコラボレーションゾーンが形成される。
さらに、金属繊維層および/または歯根膜形成層の外周に炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイト、その他のリン酸カルシウム化合物を設ける場合、さらに、骨形成が促進される。
前記金属繊維層が、径5〜100μmの金属線を空隙率が50〜90%となるように絡合した金属不識布からなる場合、金属繊維層において骨芽細胞と金属不識布とが三次元的な物理的結合により結合し、骨芽細胞と人工歯根とが一層強固に結合する。さらに、基材と金属繊維層とが真空焼結によって固定されているため、人工歯根の外力による変形を防止することができる。
前記歯根膜形成層が、コラーゲン繊維、コラーゲン繊維と骨形成タンパク質(BMP)および繊維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインとの複合体、またはポリ乳酸・ポリカプロラクトン共重合体などの生分解性プラスチックからなるポリマーである場合、歯根膜形成層の生分解が速やかに行われる。また、物理的または化学的穿孔手段によってハニカム構造を設けているため、ハニカム構造を有する歯根膜形成層の製造が容易である。
また、従来、組織培養、細胞培養は、プラスチック製のシャーレあるいは培養用フラスコ等の培養用容器に組織または細胞を導入し、特定の環境条件下で行なわれている。そして、このような培養は、容器表面で直接細胞等を培養することによって行われている。
ヒドロキシアパタイトは生体親和性に優れており、その焼結体は骨と化学的に結合する、あるいは、骨に吸収置換される材料であることから、整形外科、形成外科、口腔外科、歯科等の医療分野の再生医療材料として多くの研究が試みられている。
特許文献6には、金属チタン芯材を空気中で400〜800℃の範囲で加熱することにより芯材の表面を酸化処理し、水酸アパタイト、酸化アルミニウムまたは水酸アパタイトと酸化アルミニウムの混合物を溶射することによって金属チタン芯材の表面にセラミックコーティングを形成させる骨内インプラントの製造方法が開示されている。
また、特許文献7には、高分子材料にヒドロキシアパタイト微粒子を分散させた複合体からなる細胞培養用基材が開示されている。このものは、単独モノマー溶液中にヒドロキシアパタイトを含む充填用のフィラーを分散させ、加熱重合させることによって製造されている。そのため、細胞が親水性および生体適合性に富む複合体をターゲットに接着するため、基材および細胞との接着性、接着した細胞の増殖性、伸展製に優れ、長期間の細胞培養が可能であると記載されている。
本出願人は、骨芽細胞は細い繊維が構成する幾何学的空間に好んで成育し、100μm未満の太さのチタン繊維集団が構成する幾何学的空間構造で、その拡がりが100〜400μmであるような構造に対して極めて高い親和性を示し、積極的に付着する特性があることを発見し、これを特許文献2等に開示している。そして、これらの知見を元にアパタイト生成液によって処理した、直径が100μm未満、アスペクト比が20以上のチタン繊維を絡合して層状に形成した細胞培養増殖用リアクターを提示している。
前述の特許文献2に記載されているバイオリアクターの改良発明として、ヒドロキシアパタイトコートの付着を金属繊維の表面に平滑に、かつ、均一に形成することができる医療材料の製造方法を提供することが望ましい
そのような医療材料の製造方法は、チタンまたはチタン合金からなる三次元構造体を大気中で400から800度の温度範囲で紫色になるまで加熱し、その後、リン酸とカルシウムイオンを含むヒドロキシアパタイト生成液中に含侵させ、三次元構造体の内部および外部に至るまで、均一にヒドロキシアパタイトまたは炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイトのコーティングを形成させることを特徴としている。
前述の製造方法の第2の態様は、チタンまたはチタン合金からなる三次元構造体を大気中で400から800度の温度範囲で紫色になるまで加熱し、その後、リン酸とカルシウムイオンを含むヒドロキシアパタイト生成液中に含侵させ、乾燥させた後に大気中で500〜1500度の温度範囲にて加熱させることによりヒドロキシアパタイトの結晶を焼結し、セラミック化し、三次元構造体の内部および外周に至るまで均一にヒドロキシアパタイトのコーティングを形成させることを特徴としている。
このような医療材料の製造方法であって、前記ヒドロキシアパタイトのコーティングの形態が下地に対して平滑であることが好ましい。また、前記三次元構造体が線径100μm以下の金属線からなり、空隙率が50〜95%となるように絡合されているものが好ましい。さらに、前記医療材料が細胞培養用基盤であるものが好ましい。
前述の医療材料の製造方法は、チタンまたはチタン合金からなる三次元構造体を大気中で400から800度の温度範囲で加熱するため、チタン三次元構造体の全体が紫色を呈し、もしくは膜厚が400〜800Å(オングストローム(10−7mm)の酸化被膜によって覆われる。そして、このような酸化被膜によって覆われたチタン三次元構造体を24〜72時間リン酸とカルシウムイオンを含むヒドロキシアパタイト生成液中に浸すことにより、ヒドロキシアパタイトをチタン金属線の一本一本にムラ無く付着させることができる。
チタン三元構造体を800度より高い温度で大気加熱する場合、構造体は青色を呈し、その酸化被膜の膜厚が800Å以上に形成され、その表面性状は平滑なヒドロキシアパタイトコートを可能にする。一方、400度より低い温度で大気加熱する場合、構造体はオレンジあるいは茶色を呈し、その酸化被膜の膜厚が400Å以下に形成され、平滑なヒドロキシアパタイトコートの生成が困難になり、斑点状にアパタイトが沈着される。
このようにして製造された医療材料は、ヒドロキシアパタイトコートがチタン金属線の一本一本にムラ無く付着しているため、生育した細胞および組織を誘導し、定着させる。また、細胞および組織が好んで生育する三次元構造を備えている。そして、三次元効果によって各種細胞を分化し、誘導し、コラーゲンなどの有用物質の産生を促進し、かつ、生体に近い状態での大量培養が可能である。
図1a、図1b、図1cは本発明に関連する医用材料の一実施形態を示す斜視図である。 用材料の他の実施形態を示す斜視図である。 用材料のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 用材料のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 用材料のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 図6a、図6b、図6cはそれぞれ医用材料のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 図7aから図7dは前記医用材料に用いることができる硬質棒の実施形態を示す斜視図である。 図8aは健康な腸骨部分を示す斜視図であり、図8bは欠損部が形成された腸骨部分を示す斜視図である。 図9aは図8bの腸骨部分の欠損部に硬質棒を固定した状態の斜視図であり、図9bは図9aの欠損部にシート状の三次元構造体を折り畳む直前の斜視図であり、図9cは図9aの欠損部に三次元構造体を固定した後の斜視図である。 図10aは図9aの欠損部にシート状の三次元構造体を折り畳む直前の側面断面図であり、図10bは図9aの欠損部に三次元構造体を折り畳んだ後の側面断面図であり、図10cは図9aの欠損部に三次元構造体を固定した後の側面断面図である。 図11a、図11bは医用材料を頭骨の再建に使用したときを示す概略図である。 図12a、図12bは医用材料を虫歯部位の歯の再建に使用したときを示す概略図である。 本発明の人工歯根の一実施形態を示す断面図である。 本発明の範囲外の人工歯根の実施形態を示す断面図である。 図15aは細胞培養用基盤の一実施形態を示す斜視図であり、図15bはその拡大図、図15cは細胞培養用基盤を挿入するホルダーを示す斜視図である。
次に本発明に関連する医用材料を図面を用いて説明する。
図1aに示す医用材料10は、空隙率が20〜97である直方体状の多孔質三次元構造体11と、その本体内部に形成される中空孔12、13、14、15とから構成されている。
構造体11は、2つの向かい合う小側面11aと、2つの向かい合う大側面11bと、天面11cと、底面11dとを備えたものである。
この構造体11は純チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、合成高分子、天然高分子、ステンレス、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の素材からなっており、複数のものからなっていても構わない。また、この空隙率が20〜97%の多孔質三次元構造体は、太さが100μm以下の細繊維形状のものを絡合することによって形成している。この構造体の厚さは0.1〜10mmのシート状に形成しており、上述の金属で形成されている場合は、加圧または焼結によって固化するのがよい。また、この繊維の外周に炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイト、その他リン酸カルシウム化合物からなるアパタイトによってコーティングを行ってもよい。これにより細胞との親和性が一層高まり、細胞の誘導性、および、細胞との結合性が高い医用材料を得ることができる。
この中空孔15は、大側面11bと平行に、そして、両小側面11aの中心を貫通して形成されている円筒状のものである。また、中空孔12、13、14は、短側面11aと平行に、そして、両大側面11bを貫通して形成されているものであり、前記中空孔15とそれらの中心部において連結している円筒状のものである。これら中空孔12、13、14、15は全て構造体11を貫通している。また、この医用材料10は中空孔15を軸にして中空孔が樹枝状に分布しているもので、本発明では中空孔12、13、14、15の全部をあわせて一つの中空孔と見てもよい。
このようにして形成された医用材料10は、その内部に外部と連通する中空孔を備えているため、リン酸カルシウム、セラミックスアパタイトなどの生体親和性に優れており、細胞の成長を促す物質をその中空孔から導入あるいは注入することができる。そのため、従来とは異なり構造体内に導入物質を拡散させることができる。また、導入あるいは注入物質として、生理活性を持つ細胞や組織、蛋白、それにそれらの機能を発揮させるにふさわしい物質を用いてもよい。具体的には、該構造体の内部に注入する物質は生理機能を持ち、各種細胞、骨髄細胞、骨髄液、骨髄液から分離された幹細胞、臍帯血由来細胞、末梢血由来細胞、組織細切片、各種蛋白、脂質、多糖類、酵素、抗生物質、抗菌物質、ホルモン、サイトカイン、血液凝固促進剤、細胞成長因子、遺伝子操作された細胞からの抽出物、遺伝子操作された細胞から産生される物質、血管内皮細胞増殖因子(VEGF), platelet-induced growth factor(PIGF) PIGF, 治療効果因子ベータ1(TGF.beta.1)、酸性繊維芽細胞(aFGF)、塩基性繊維芽細胞(bFGF)、治療効果因子アルファ(TGF.alph.)、上皮細胞増殖因子、オステオネクチン、アンティオポエチン(ANG1)、ANG2、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子BB、骨形成蛋白質(BMP)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞外マトリックス、コラーゲン等が挙げられる。
また、構造体内に導入させる物質をゲル状の担体に含有あるいは保持させて、構造体内の中空孔に注入してもよい。これにより、液状の導入物質が構造体内から流れ出ることがない。また、構造体内全体に徐放性をもって均一に拡散されるため、導入物質を効率良く働かせることができる。
このようなゲル状の担体として、ゼラチンやコラーゲンなど前述した生体内で分解される高分子が挙げられる。また、特に、ゼラチンやコラーゲンを架橋により作製したハイドロゲルは、細胞成長因子の水溶液を高分子ハイドロゲル内に固定できる。さらに、生体内でハイドロゲルは時間とともに分解し、その分解速度はハイドロゲルの架橋の程度によってコントロールできるため、好ましい。
また、繊維形状からなる三次元構造体の繊維外周に水酸化アパタイトのコーティングを行っている構造体には、ゼラチンマイクロスフェアの組み込み量を多くすることができるため、導入物質の注入量を増やすことができる。
さらに、図1bに示す医用材料10bは、多孔質三次元構造体が空隙率の異なる三次元体X、Yから形成されたものである。この医用材料10bの三次元体Xの空隙率が三次元体Yよりも大きい場合、三次元体Yが構造体の支柱として働き、構造体の力学的強度を向上させることが可能となる。また、三次元体Xの空隙率が三次元体Yよりも小さい場合には、三次元体Yに細胞や細胞成長因子を含ませることが可能となり、構造体内部からの再生と外部からの細胞誘導により、早期組織形成する。さらに、図1bに示す構造体を形成する空隙率の異なる三次元体X、Yは、三次元体Xから三次元体Yに向けて、傾斜的に空隙率が変化して形成されてもよい。なお、この場合、空隙率が滑らかに変化するため、空隙率の低い方へ細胞を成長させやすい。さらに、図1cに示す医用材料10cのように、この空隙率の異なる三次元体X、Yから形成された多孔質三次元構造体に中空孔Hが形成されてもよい。
図2に示す医用材料20は、多孔質三次元構造体21と、その本体内部に形成される中空孔22、23とから構成されている。ここで、中空孔22と中空孔23とは互いに独立しているものである。他の構成は図の医用材料10と実質的に同じものである。ここでは、これらは互いに平行するように独立して形成されているが、異なる向きを向いていても良い。このように独立して中空孔を有することにより、構造体内に前記導入物質を拡散させることができる。
図3に示す医用材料30は、多孔質三次元構造体31と、その本体内部に形成される中空孔32、33とから構成されている。このものも中空孔32と中空孔33とは互いに独立している。また、中空孔33は、図1aの中空孔と同様に樹枝状に分布しているものであり、小空孔33aと、その小空孔33aと垂直に設けられており、小空孔33aの中心部で連結する小空孔33b、33cとからなる。他の構成は実質的に図1aに示す医用材料10と同じものである。
図4に示す医用材料40は、多孔質三次元構造体41を貫通する中空孔42を備えているものである。これまでの実施形態では中空孔はすべて直線状のものであったが、この中空孔42は逆S字状に湾曲しているものである。このように本発明の医用材料の中空孔はどのような形状をしていてもよく、これにより構造体内に導入物質を拡散させることができる。
図5に示す医用材料50は、直方体状の多孔質三次元構造体51の中心に円筒状の中空孔52が形成されているものである。
図6aに示す医用材料60は、円柱状の多孔質三次元構造体61の中心に円筒状の中空孔62が形成されているものである。また、図6bに示す医用材料63は、その多孔質三次元構造体61の中心に断面が三角形となるような中空孔64が形成されているものである。
図6cに示す医用材料65は、医用材料60または63を硬質棒66にて連結させたものである。この医用材料65では、硬質棒66が脱着自在に備え付けられており、手術などの現場において、その場に応じたサイズの医用材料に調整することができる。また、肋骨や腓骨の手術の場合には、硬質棒66により、容易に医用材料65を固定することが可能である。
図7a〜図7dには医用材料65に用いることができる硬質棒の他の実施形態を示す。図7aに示す硬質棒67はその断面が円形のものであり、図7bに示す硬質棒68はその断面が長方形のものであり、図7cに示す硬質棒69はその断面がL字状のものであり、図7dに示す硬質棒70はその断面がH字状のものである。これらの硬質棒はその医用材料の配置場所によって随時選択していくものであり、強度が高い医用材料が必要な場合は、硬質棒69、70が好ましい。ここで医用材料65は硬質棒が脱着可能であるため、医用材料60および63に導入物質を導入し、硬質棒66を挿入すればよい。また、硬質棒の形状を医用材料の貫通中空孔と異なる形状あるいはその間に隙間ができる形状にすることにより、硬質棒を医用材料に挿入後その形状の相違によって形成される隙間から注射器などを挿入して導入物質を送り込むこともできる。
図8〜図10は前述した整形外科領域で自家骨を移植することによって腸骨部分に欠損が生じたときの本発明の医用材料の使用方法を示すものである。
図8aの符号80は健康な腸骨部分になる。この健康な腸骨部分から自家骨を移植することによって図8bに示すように欠損部81形成される。ここで硬質棒82を欠損部81に橋かけをするように固定する(図9a参照)。ここでは硬質棒82を二本用いているが、その数は欠損部の大きさによって選択される。
次にシート状に形成された空隙率が20〜97%の多孔質三次元構造体83を欠損部のサイズに合わせて裁断し(図10a参照)、その多孔質三次元構造体83を欠損部81を覆うように、そして、硬質棒82を挟むようにして折り畳む(図10b参照)。ここで、折り畳んだ多孔質三次元構造体83は縫合糸あるいはワイヤーなどの線84で縫い合わせて固定する(図9c、図10c参照)。
このようにシート状の多孔質三次元構造体83の折り畳んだ間隙には中空部分ができる。そして、少なくとも硬質棒付近には中空孔が形成される。
図11a、bは本発明の医用材料を頭骨の再建に使用するものである。
図11aの符号90は頭骨を示し、符号91はその欠損部を示す。そして、この欠損部91に中空孔を有する医用材料92を一枚挿入したものを図11bに示す。ここで医用材料92は、図1aの医用材料10と実質的に同じものである。しかし、この医用材料92に形成された中空孔の形状は特に限定されるものではない。その欠損部の大きさ等によって任意に決められる。また、治療に必要十分量の細胞成長物質等の成長因子を中空孔に充填して医用材料92を頭骨に挿入することにより、構造体内に均一に成長因子が拡散分布されるため、欠損部の早期再建が望める。
図12a、bは本発明の医用材料を歯に詰め、その虫歯の部位の再建を行う方法を示す。
図12aの符号94は歯のエナメル質の部位を示し、95は歯の象牙質の部位を示し、符号96は歯の歯髄を示し、符号97は歯のセメント質の部位を示す。また、符号98は、虫歯の部位を示す。従来、歯髄まで進行している重度の虫歯の治療としては、虫歯の部位を削り、水酸化カルシウム(アルカリ性)を虫歯部分に詰め、虫歯菌を殺し、その死んだ菌で歯髄の漏れを防止している。また、この虫歯部分に詰めた水酸化カルシウムを覆うように、さらにクラウンを設けたりしている。
図12bでは、中空孔99aを有する医用材料99を虫歯の部位の形状に形成して、虫歯の部位98に詰めている。医用材料99の他の構成は図1aの医用材料と実質的に同じである。この三次元構造体の医用材料99を用いることにより、医用材料99の中空孔99aに注入した、骨再生因子や細胞によって、医用材料99の内部からの歯形成と歯髄96による外部からの歯形成によって、早期に歯(象牙質、エナメル質、(さらに、図12aの想像線で示すように重度の虫歯の場合、あるいは、歯の側部の虫歯の場合はセメント質))を形成し、虫歯の部位98の再建をする。また、医用材料の中空孔99aには、治療に必要十分量の細胞成長物質等の成長因子の他に虫歯の治療に用いられる虫歯菌の殺菌剤等を注入して虫歯の部位98に詰めてもよい。
次に本発明の人工歯根を説明する。
図13に示す本発明の人工歯根100は、基材101と、その基材の外周に設けられた金属繊維層102と、その金属繊維層の外周に設けられた金属線繊維層103と、その金属線繊維層の外周に設けられた歯根膜形成層104と、その吸収性高分子膜の外周に設けられた歯槽骨形成層105とからなる。
基材101は、円柱状の金属製ロッドであり、その直径が1〜5mm、長さが5〜20mmのものである。この金属基材は生体適合性の高い金属からなり、特に、チタン、チタン合金、金、金合金が挙げられる。この基材の上部101aが歯茎から突出し、人工歯(図示せず)と係合する。
金属繊維層102は、金属線からなる金属不織布を金属基材101の外周に巻きつけることによって形成される。この金属不織布は、その径が5〜100μmの金属線をその空隙率が50〜90%となるように絡合させたものである。このような金属不織布は骨芽細胞が好んで定着する三次元構造を有しており、この金属不織布からなる金属線維層102は骨芽細胞を誘導する硬組織形成誘導層として働く。
つまり、金属繊維層に誘導される骨芽細胞は、金属繊維層(金属不識布)内において分化誘導され、硬組織層を形成する。ここで硬組織層を形成する骨芽細胞と金属繊維層(金属不織布)とは三次元的に物理的結合をするため、人工歯根と生体とを強固に結合する。
この金属繊維層102は、金属基材と同様に生体適合性の高い金属であり、特に、チタン、チタン合金、金、金合金を用いるのが好ましく、これにより骨芽細胞の誘導および定着を促進する。また、この金属繊維層と基材とを同じ材料とすることにより後述記載する真空焼結による金属繊維層と基材との溶着結合を強固にすることができる。
歯根膜形成層104は、生体内分解性の高分子材料から形成されており、直径100〜400μmの孔が金属基材の軸に対して垂直方向に多数形成されたハニカム構造を呈している。つまり、歯根膜形成層104に誘導される未分化間葉細胞は、歯根膜形成層内において、コラーゲン線維(シャルピー線維)等の繊維芽細胞に分化誘導される。そして、この歯根膜形成層が基材の軸に対して垂直方向に形成する孔を有するハニカム構造を有しているため、このコラーゲン線維は金属不織布内に形成された硬組織層と歯槽骨に対して垂直に成長し、天然歯にある歯根膜と同じ形態・構造を呈する。
歯根膜形成層104に用いる生体内分解性の材料として、ポリ乳酸・ポリカプロラクトン共重合体などの生分解性プラスチック製の多孔質膜、コラーゲン線維膜および、それらと骨形成タンパク質および線維芽細胞増殖因子などのサイトカインとの複合体などが挙げられるが、望ましくは、ポリ乳酸・ポリカプロラクトン共重合体または多孔質膜とサイトカインとの複合体が用いられる。
これらの膜を製造するには、材料を溶剤にガラス、プラスチックまたは金属平板上にて膜状形成することによって厚さ50〜1,000μm、より好ましくは100〜300μmの膜状に形成する。例えば、ポリマーを材料とする場合は、材料を有機溶媒に溶かし、上記平板上で蒸散させる、あるいは、コラーゲンの場合は、ゲル中の水分を上記平板上で凍結乾燥させて膜を形成する。生体分解性のプラスチックポリマーを用いた膜の製法の詳細については非特許文献1に述べられており、コラーゲンを用いた歯根膜形成層の製法の詳細については非特許文献2に述べられており、いずれも公知の方法である。その後、形成された膜を非特許文献1に記載されているレーザー穿孔あるいは針による穿孔法などの物理的手段を用いて膜面に直径100〜400μmであり、開孔率が40〜70%、好ましくは50〜60%である貫通孔を形成する。また、貫通孔の断面形状は通常は円であるが、三角形、四角形、六角形などの多角形であってもよい。また同様の膜は一部市販されている。
歯槽骨形成層105は、生体内分解性の多孔性高分子膜から形成されており、ハニカム構造を有さないものである。このような歯槽骨形成層105を設けることにより、欠損部が大きい場合の歯槽骨の再建を促進する。この歯槽骨形成層105は、多孔性高分子膜を歯根膜形成層104の外周に物理的に巻いて、接着剤等によって接着することによって形成する。
人工歯根100は次のようにして製造する。初めに金属ロッドの基材101を用意し、そのチタンロッドの外周に金属繊維層102に用いられる金属線を絡合して真空焼結した金属不織布を巻きつけ、さらに、金属線繊維層103に用いられる金属線を巻きつけ、セラミック製焼結治具筒内に充填し、約500〜1500℃にて約0.5〜5時間、真空度が10−3Pa程度あるいはそれ以上である真空中で焼結する。このように製造された複合体は、金属線同士の接触点、および、金属ロッドと金属線(金属不織布)との接触点が溶着され、強固なものとなる。そして、この複合体の外周に歯根膜形成層104に用いられる膜を巻きつけ、さらに、歯槽骨形成層に用いられる不織布を巻きつけ、人工歯根100を製造する。
また、金属繊維層102、金属線繊維層103、歯根膜形成層104、歯槽骨膜形成層105のいずれかあるいは全てに骨形成タンパク質(BMP)および線維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインを含む溶液に浸らせることにより、これらのサイトカインを担持させてもよい。さらに、吸収性高分子膜の外周に炭酸アパタイトを含む溶液を用いて、炭酸アパタイトを担持させてもよい。これらの担持方法は特に限定されるものではない。
本発明の人工歯根を生体内に埋植することにより、歯根膜形成層にはコラーゲン線維が形成され、金属繊維層には硬組織層が形成される。そのため、人工歯根と生体とが強固に結合され、かつ、人工歯根と生体との間に人工歯根膜が形成されるため、人工歯根の外れやゆるみを防止することができる。この歯根膜再生機能によって再生された人工歯根膜は、天然の歯根膜と比較した場合、歯根部の象牙質が金属で置き替わっている以外は実質的に同一である。
図14に示す人工歯根110は、歯槽骨形成層105を省いたものであり、本発明の範囲外である。他の構成は図13の人工歯根100と実質的に同じものである。
この人工歯根110は、基材101の外周に金属繊維層に用いられる金属不織布を巻きつけ、セラミック製焼結治具筒内に充填し、約500〜1500℃にて約0.5〜5時間、真空度が10−3Pa以上である高真空中で焼結する。このようにして製造された複合体に歯根膜形成層104に使用される膜を巻きつけ、人工歯根110は製造される。
このように歯槽骨膜形成層105を備えていなくても、この人工歯根110を生体内に埋植することにより、歯根膜形成層にはコラーゲン線維が形成され、金属繊維層には硬組織層が形成され、人工歯根と生体とが強固に結合する。
次に本発明の医療材料の製造方法を説明する。
図15のセルハウス(細胞培養基盤)120は、円板型で外形が3〜30mm、厚さが0.3〜3mmであり、線径が100μm以下のチタン金属線を空隙率が50〜95%となるように絡合して作成したチタン三次元構造体を400〜800度、好ましくは550〜600度において紫色になるまで大気加熱し、加熱後、ヒドロキシアパタイトコート生成液中に48時間浸し、ヒドロキシアパタイトを付着させたものである。
このチタン三次元構造体は、予め用意した円形の金型に、線径が100μm以下のチタン金属線を、空隙率が50〜95%になるように圧縮し、さらに真空焼結したものである。
このようにして成形されたチタン三次元構造体を大気中において、550〜600度で加熱する。この加熱はチタン三次元構造体が紫色になるまで行う。これによりチタン三次元構造体の表面の厚さが600〜800Åの酸化被膜によって覆われる。このように酸化被膜によって覆われたチタン三次元構造体はヒドロキシアパタイトと強固に接着し、徐放性を備えているため、好ましい。
このようなヒドロキシアパタイトとして、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイト等の焼結体が挙げられる。また、ヒドロキシアパタイトコート生成液は、リン酸イオンとカルシウムイオンとを含む。
本発明の製造方法によって製造された細胞培養用基盤は上述のように構成されているため、三次元効果によって各種細胞を分化し、誘導し、コラーゲンなどの有用物質の産生を促進し、かつ、生体に近い状態での大量培養が可能である。
この枠付細胞培養用基盤120は、図15cに示すようにホルダー125と共に使用することによって、培養時に細胞が分泌した活性物質をセルハウス(細胞培養基盤)から逃さず好ましい。また、このようにホルダー125を用いることにより、細胞培養用基盤の培養効果も高まり好ましい。
実施例1
ヒドロキシアパタイト生成液の組成
カルシウムイオン(Ca+2):15mM
リン酸イオン(HPO4−2):9mM
塩素イオン(Cl−):710mM
炭酸水素イオン(HCO3−):21mM
ナトリウムイオン(Na+):730mM
上記組成のヒドロキシアパタイト生成液に炭酸ガスをバブリングして37℃にて、pH6.1に調整する。


Claims (7)

  1. 基材と、その基材の外周に金属線を絡合することによって形成された金属不織布を真空焼結法によって設けた金属繊維層と、その金属繊維層の外周に設けられた多孔性で生体内分解性の吸収性高分子からなるハニカム構造を備えている歯根膜形成層とからなり、
    前記歯根膜形成層が膜面に直径100〜400μmの貫通孔を有し、
    前記歯根膜形成層の外周にハニカム構造を持たない吸収性高分子不織布からなる歯槽骨形成層が設けられている人工歯根。
  2. 前記金属不織布が金属線を絡合して真空焼結することによって形成された請求項1記載の人工歯根。
  3. 前記金属繊維層および/または歯根膜形成層に骨形成タンパク質(BMP)および繊維芽細胞増殖因子(FGF)などのサイトカインが含漬および/または吸着されている請求項1または2記載の人工歯根。
  4. 前記金属繊維層および/または歯根膜形成層に炭酸アパタイトを含むヒドロキシアパタイト、その他のリン酸カルシウム化合物がコートされている請求項1からいずれか記載の人工歯根。
  5. 前記金属繊維層が、径5〜100μmの金属線を空隙率が50〜90%となるように絡合した金属不織布からなり、前記基材と金属繊維層とが真空焼結によって固定されている請求項1からいずれか記載の人工歯根。
  6. 前記歯根膜形成層が、コラーゲン繊維、コラーゲン繊維と骨形成タンパク質(BMP)および繊維芽細胞増殖因子(FGF)のサイトカインとの複合体、またはポリ乳酸・ポリカプロラクトン共重合体の生分解性プラスチックからなるポリマーであり、物理的または化学的穿孔手段によってハニカム構造を設けている請求項1からいずれか記載の人工歯根。
  7. 前記基材および/または金属線がチタン、チタン合金、金、金合金からなる群から選ばれた材料である請求項1からいずれか記載の人工歯根。
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