JP2004067131A - 段ボールパレット - Google Patents

Abstract

【課題】単一の段ボールシート部材から容易に組み立てることができて、載置面からの垂直方向の荷重だけでなく各方向からの荷重に対しても強度を有する段ボールパレットを提供する。
【解決手段】外側天板４ａ，４ｂ、内側天板１８ａ，１８ｂ、外側底板１６ｂ，１６ｄ、及び内側底板１６ａ，１６ｃを閉じることにより箱状体に形成される段ボールパレット２であって、第１，第２側面１０ａ￣１０ｄのそれぞれの長さ方向中央部分にコの字型の切り込み１４を入れて、この切り込み１４の内側部分２６を箱状体の内部方向に複数箇所で折り曲げ、この折り曲げ部が、第１，第２側面１０ａ￣１０ｄにおけるコの字型の切り込み１４部分の長さ方向の、外側の部分とで角筒部２４を構成することにより、箱状体の四隅部に柱状支持部６を形成したことを特徴とする段ボールパレット。
【選択図】　　　図３

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器等の梱包品をフォークリフトで搬送する際に用いられる、段ボール紙により形成された段ボールパレットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、梱包品をフォークリフトにより搬送する際に、一般的に使用される木製や合成樹脂製等のすのこ状のパレットに代わるものとして、パレット自体の運搬や保管、また使用時の組み立て等の面で取り扱いの便利な、段ボール製の段ボールパレットが使用されている。
【０００３】
このような段ボールパレットとしては、例えば、実開平６−１６２３５号公報のように、連続的に切断成形された段ボールシート１の対向する２辺２，２’から断面がロ字状となるように折り曲げて脚部を形成し、この断面がロ字状の脚部の側部に形成した開口部３ｃ，３ｄに、断面がコ字状となるように折り曲げて形成した段ボール製の脚片７を挿通させるようにしているものがある。
【０００４】
また、実開平５−１９１３１号公報のように、矩形状複層構造段ボールシートの両端部７を折り込んで左右一対の角筒部１０を形成し、この角筒１０内にＸ字状の補強リブ８，１１を設けるようにした桁材２を複数個用意して、この上にデッキプレート３を配設したもの等がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の段ボールパレットは、いずれも少なくとも２つの部材を必要とする構造であるため、組み立て前においては各部材を個別に管理しなければならない等の不便があった。
【０００６】
また上記の従来例のうち、前者にあっては、脚部の側部に形成した開口部３ｃ，３ｄに脚片７を挿通する作業が煩わしいという問題があった。そして上記従来例の後者にあっては、その構造上、デッキプレート３上の荷重を支える角筒部１０は横倒しにされてその向きが全て同じであるため、荷重の加わる方向によっては強度が大きく異なるという問題があった。
【０００７】
そこで本発明は、単一の段ボールシート部材から容易に組み立てることができて、載置面からの垂直方向の荷重だけでなく各方向からの荷重に対しても強度を有する段ボールパレットを提供することを課題とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による段ボールパレットは、
高さを有し、互いに直角方向に連結される一対の第１側面及び一対の第２側面と、
前記一対の第１側面の上辺に折り曲げ自在に連結される外側天板と、
前記一対の第２側面の上辺に折り曲げ自在に連結される内側天板と、
前記一対の第１側面の下辺に折り曲げ自在に連結される外側底板と、
前記一対の第２側面の下辺に折り曲げ自在に連結される内側底板とを備え、
前記外側天板、内側天板、外側底板、及び内側底板を閉じることにより箱状体に形成される段ボールパレットであって、
前記第１，第２側面のそれぞれの長さ方向中央部分にコの字型の切り込みを入れて、
前記切り込みの内側部分を前記箱状体の内部方向に複数箇所で折り曲げ、
前記折り曲げ部が、前記第１，第２側面における前記コの字型の切り込み部分の長さ方向の、外側の部分とで角筒部を構成することにより、前記箱状体の四隅部に柱状支持部を形成したことを特徴とするものである。
【０００９】
このような段ボールパレットによれば、組み立てが容易であり、また組み立て前においても単一の部品であるので保管や運搬に便利であり、その費用を低減することができる。また載置面からの垂直方向の荷重だけでなく、各方向からの荷重に対しても強度を有する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図１ないし図３は、本発明に係る段ボールパレットの一実施の形態について説明するために参照する図である。
【００１１】
図１は、本発明に係る段ボールパレット２を組み立てたものの図である。この段ボールパレット２はその外形が、平べったい直方体になっている。そして、その内部の四隅には、外側天板４ａ，４ｂ上の荷重を支える柱状支持部６が配置されるようになっており、各側面には開口部８が形成されていて、その開口部８にフォークリフトのフォークを入れることができるようになっている。
【００１２】
図２は、段ボールパレット２の組み立て前の展開形状を示す図であり、その図中において破線は折り曲げ線を示す。
【００１３】
図２に示す展開形状において、図１に示す開口部８があく側面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄは、一直線状に連結されており、側面１０ｄの端部には組み立て時に側面１０ａと接着することができるように、接着しろ１２が設けられている。
【００１４】
また、これらの側面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄのそれぞれには、その長さ方向の中央部にコの字状切り込み１４が入れられている。コの字状切り込み１４の内側部分２６及びこの付け根には、合計４本の折り曲げ線があり、これら折り曲げ線の位置間隔は組み立て時において、図３に示すような角筒２４を形成するような寸法になっている。
【００１５】
図２中、側面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄそれぞれの図中下方には、底板１６ａ，１６ｂ，１６ｃ，１６ｄが折り曲げ自在に連結されている。
【００１６】
側面１０ａ，１０ｃ（第２側面）のそれぞれには、内側底板１６ａ，１６ｃと反対の側に内側天板１８ａ，１８ｂが折り曲げ自在に連結されており、これらの内側天板１８ａ，１８ｂのそれぞれには、コの字状の切り欠き２０が形成されている。
【００１７】
この切り欠き２０は、内側天板１８ａ，１８ｂの両端側に、図３に示す角筒部２４の断面における一方の辺２４ａと他方の辺２４ｂの和とほぼ同じ長さの部分を残すように、そして角筒部２４の高さとほぼ同じ深さとなるようにして形成されている。
【００１８】
そして、切り欠き２０におけるコの字状の突当たり部に相当する辺の両端の延長線上には、角筒部２４の辺２４ａとほぼ同じ長さとなるように切り込み２２が入れられている。
【００１９】
このように、内側天板１８ａ，１８ｂにおけるコの字状の切り欠き２０及び切り込み２２の寸法は、角筒部２４の各寸法に基づいて定まるようになっているが、段ボールの厚さを考慮しているため、全くの同寸法にはならない。
【００２０】
内側天板１８ａ，１８ｂは、切り込み２２の延長線上の破線、及び切り込み２２の行止まり点を通って切り込み２２と直角な破線部で折り曲げられるようになっている。
【００２１】
また、側面１０ｂ，１０ｄ（第１側面）のそれぞれには、外側底板１６ｂ，１６ｄと反対側に外側天板４ａ，４ｂが折り曲げ自在に連結されている。
【００２２】
このような展開形状は、一定幅の段ボールシートから裁断する場合に、単一の部品として得ることができ、その際段ボールシートの無駄になる面積も少ない。そのため、本発明に係る段ボールパレット２を製造するための設備は、一般の段ボール箱を製造する設備と同等の設備で足りるので、組み立て又はその一部を自動化することが容易である。
【００２３】
本発明に係る段ボールパレット２は、図２の展開形状から以下のように組み立てられる。
【００２４】
まず、側面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄの相互間の破線部を内側に折り曲げ、接着しろ１２と側面１０ａを接着する。それから内側底板１６ａ，１６ｃを内側に折り曲げ、これらの内側底板１６ａ，１６ｃを外側から覆うように外側底板１６ｂ，１６ｄを折り曲げ、次に内側底板１６ａ，１６ｃの外側面と外側底板１６ｂ，１６ｄの内側面を接着して固定する。
【００２５】
次に、側面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄの各コの字状切り込み１４の内側部分２６を４箇所の破線部で箱の内部側に折り曲げて、図３に示すような開口部８を形成すると共に、角筒部２４を形成する。なお、図示はしないが、角筒部２４の内部の空間には、この角筒部２４と同じ高さを有する補強部材を配置することもできる。
【００２６】
そして、角筒部２４の内部の空間を上側から塞ぐように、内側天板１８ａ，１８ｂを側面１０ａ，１０ｃとの間の破線部で折り曲げて、それから切り込み２２の延長線上の破線で折り曲げ、次に切り欠き２０の両側を構成する天板部分を、切り込み２２の行止まり点を通って切り込み２２と直角な破線部で折り曲げて、角筒部２４の周りを包むようにして、内側天板１８ａ，１８ｂの各部を角筒部２４の周りに接着し、内側天板１８ａ，１８ｂの各部は角筒部２４と共に、パレットの四隅部の柱状支持部６を形成する。
【００２７】
最後に、外側天板４ａ，４ｂを内側に折り曲げて、これらの内側面と内側天板１８ａ，１８ｂの外側面を接着して、段ボールパレット２の上面に搬送物の載置面を形成するようになっている。
【００２８】
このように組み立てられた段ボールパレット２において、外側天板４ａ，４ｂは内側に折り込まれた内側天板１８ａ，１８ｂと、四隅部の柱状支持部６に支えられているため、垂直上方から上面にかかる荷重に対して大きな強度を有している。
【００２９】
また、柱状支持部６は、特に上方から上面に加わる垂直方向の荷重に対する強度を向上させるものであるが、複数の段ボール材が重ねて折り込まれて構成されているので、垂直方向以外の方向からの荷重に対しても大きな強度を有するものである。
【００３０】
なお、本発明は、上記の一実施の形態に係る段ボールパレット２に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づき、各種の段ボールパレットに利用することができる。
【００３１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の段ボールパレットによれば、組み立てが容易であり、また組み立て前においても単一の部品であるので保管や運搬に便利であり、その費用を低減することができる。また載置面からの垂直方向の荷重だけでなく、各方向からの荷重に対しても強度を有する。また、組み立て又はその一部の自動化が容易であり、廃棄する場合にも分解が容易であり、また段ボール以外の材料が含まれていないので公害の防止にもなる。
【００３２】
また、本発明による段ボールパレットは、特に垂直上方向からの荷重に対する強度が高く、各方向からの荷重に対する強度も高い構造になっており、素材が段ボールであるため衝撃吸収力も優れている。さらに、角筒部の周りに内側天板の一部を補強部材として配置して柱状支持部を構成することで、その強度を向上させることができる。
【００３３】
また、側面に開口部を有するので、フォークリフトのフォークを入れて搬送することができるパレットとして用いることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態に係る段ボールパレット２を示す斜視図である。
【図２】図１における段ボールパレット２の組み立て前の展開図である。
【図３】図１における段ボールパレット２の組み立て方法を説明するために参照する斜視図である。
【符号の説明】
２　段ボールパレット
４ａ，４ｂ　外側天板
６　柱状支持部
８　開口部
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ　側面
１２　接着しろ
１４　コの字状切り込み
１６ａ，１６ｂ，１６ｃ，１６ｄ　底板
１８ａ，１８ｂ　内側天板
２０　切り欠き
２２　切り込み
２４　角筒部
２４ａ，２４ｂ　辺
２６　内側部分

Claims (4)

1. 高さを有し、互いに直角方向に連結される一対の第１側面及び一対の第２側面と、
   前記一対の第１側面の上辺に折り曲げ自在に連結される外側天板と、
   前記一対の第２側面の上辺に折り曲げ自在に連結される内側天板と、
   前記一対の第１側面の下辺に折り曲げ自在に連結される外側底板と、
   前記一対の第２側面の下辺に折り曲げ自在に連結される内側底板とを備え、
   前記外側天板、内側天板、外側底板、及び内側底板を閉じることにより箱状体に形成される段ボールパレットであって、
   前記第１，第２側面のそれぞれの長さ方向中央部分にコの字型の切り込みを入れて、
   前記切り込みの内側部分を前記箱状体の内部方向に複数箇所で折り曲げ、
   前記折り曲げ部が、前記第１，第２側面における前記コの字型の切り込み部分の長さ方向の、外側の部分とで角筒部を構成することにより、前記箱状体の四隅部に柱状支持部を形成したことを特徴とする段ボールパレット。
2. 前記角筒部の内部に補強部材を配置するための空間を有するような請求項１に記載の段ボールパレット。
3. 前記一対の内側天板の前記横側面の上辺から先端までの長さを、この長さ方向と同方向の前記角筒部の断面の寸法とこの角筒部の高さ寸法の和とほぼ同じ長さとし、
   前記内側天板の先端側の辺に沿って前記角筒部の高さ寸法と同寸法の幅で折り曲げ可能とし、この折り曲げ部の長さ中央部にコの字状の切り欠きを形成し、
   前記コの字状の切り欠きの突当たり部の両端の延長線上に、前記角筒部の断面の寸法とほぼ同じ長さの切り込みを入れ、
   前記内側天板を各部で折り曲げて前記角筒部の断面を塞ぐと共に、
   内側天板の一部を角筒部の外側に接着することにより前記柱状支持部を補強するように構成した
   請求項１又は請求項２に記載の段ボールパレット。
4. 前記一対の内側天板と直角方向に折れ曲がって連結する前記外側天板が、前記箱状体の上面の全部を覆うようにした請求項３に記載の段ボールパレット。

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