JP2004066913A - クローラトラクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】クローラトラクタのトランスミッション構成を改善して、軽量・シンプル・低コストであり、全長が短くても前後バランスおよび取扱い性の良い作業機構成を備えたクローラトラクタを提供する。
【解決手段】クローラトラクタ1を、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成し、左右一対のクローラ走行装置2・2の間に横架される前後連結フレーム12・13によりミッションケース4を支持し、前連結フレーム12の前方にアクスルケース21を配置した構成とした。
【選択図】 図4
【解決手段】クローラトラクタ1を、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成し、左右一対のクローラ走行装置2・2の間に横架される前後連結フレーム12・13によりミッションケース4を支持し、前連結フレーム12の前方にアクスルケース21を配置した構成とした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラトラクタの技術に関する。詳細には、クローラトラクタのミッションケース、アクスルケース、クローラ走行装置、連結フレーム等の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クローラトラクタの駆動方式として、前駆動と後駆動とがあり、トランスミッションを一体的に構成した後駆動方式では、トランスミッション後部に重量物が集中し、その結果、前後バランスが後寄りになりがちであった。また、フロントアクスルケースをエンジン前方下部にトランスミッションケースと分離して別体的に設けた前駆動方式では、ケース数やユニバーサルジョイント等の部品点数増加により、重量が増加して高速走行時のエンジン出力不足や生産コスト高等の問題があった。そのため、部品点数を極力押えた後駆動の一体的トランスミッション構造を採用し、その上で機体の前後バランスを保つために、次のような対応がなされていた。
第一案として、エンジン位置をより前方に配置させ、クローラ前部より大きくオーバーハングさせることにより前後のバランスを取っていた。
第二案として、全長を長くせずに(エンジン位置を大きくオーバーハングせずに)、機体前方にフロントウェイトを付加し、前方重量を増加してバランスを取っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第一案のようにボンネット部がクローラ前部より大きくオーバーハングすることで、登坂角(前方離床角)が小さくなり、その結果、トラック等への搭載時や畦道より田んぼに進入するときにボンネット先端フレーム下部が地面や道板に当たって、埋没したり変形したりしていた。このように、機体全長を長くしてバランスを保とうとすると、狭いハウス内作業等での小回り性や前方視界性が損なわれ、また、クローラ前部のオーバーハングが増加して傾斜地や畦での乗り越し・乗り降り時の鼻突き現象や泥水、枯れ藁草、焼き灰等の吸い込みによるラジエータの目詰まりやエンジンのオーバーヒート等の問題が生じていた。そして、これらを防ぐため機体全高を高く設定するとハウス作業や果樹園の棚下作業時にオペレータが頭を打つ等の問題があった。一方、クローラの長さを伸ばさずに前部のボンネット部のオーバーハングをより短くしようとすると、後バランスとなるため、湿田走行時や後部への作業機装着時にクローラ前部が浮いてしまい、駆動力の低下や直進性能不良、安定走行が保てない等、作業性が損なわれる問題があった。また、クローラの接地長を前方に延長してオーバーハング量を少なくしようとすると、クローラ部の重量、コストの増加や旋回抵抗とクローラによる旋回時の土の持ち回り量が増加し、地表面の荒れや旋回動力不足の問題が生じていた。そのため、クローラ前部の浮き上がりを防止するために機体前部に付加ウェイトを装着して前後バランスを保っていたが(第二案)、機体重量大幅増となるため、超湿田での沈み込みや走行抵抗の増大によりエンジン出力の不足をきたし、高速走行ができない等の問題が発生していた。
そこで、本発明では、軽量・シンプル・低コストで、かつ全長が短くても前後バランスおよび取扱い性の良い作業機母体構成を得るためのトランスミッション構成を提供することを課題とし、これにより上記従来技術の問題点を積極的に補完するものである。
具体的には、伝動部の大物重量部品の多い駆動部ケース部をエンジン後端下部に近接させた前駆動とし、クローラ前方のボンネット部のオーバーハング量を極力少なくした配置とすることとした。また、トランスミッション仕組みはアクスルケースを最前方に配置した一体的構成とし、後部は空間の多い作動油タンク形状に構成することで軽量化を図り、トランスミッション自体の前後バランスを前バランスになるように設定することとした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、ミッションケース4、アクスルケース21、及び左右一対のクローラ走行装置2・2の間に横架される連結フレーム12・13を備えたクローラトラクタにおいて、前記ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成し、前記連結フレーム12・13によりミッションケース4を支持し、該連結フレーム12・13の前方に前記アクスルケース21を配置したものである。
【0005】
請求項2においては、前記アクスルケース21と連結フレーム12・13とを、それぞれの外周形状に合わせた挿入孔を有する補強部材24・24により連結したものである。
【0006】
請求項3においては、駆動スプロケット18、前部トラックローラ14、及び後部トラックローラ15をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記駆動スプロケット18を後部トラックローラ15よりも大径とし、前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18の軸心を配置したものである。
【0007】
請求項4においては、前記クローラ走行装置2・2の上方にフェンダー31を水平に配置したものである。
【0008】
請求項5においては、トラックフレーム11及びイコライザ17をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記トラックフレーム11を断面視略逆U字状に形成し、該トラックフレーム11内面に前記イコライザ17を取り付けて、該トラックフレーム11と前記イコライザ17とを側面視において重複させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明を採用したクローラトラクタの全体側面図、図2は同じく正面図、図3はミッションケースとアクスルケースの位置関係を示した斜視図、図4はアクスルケースと前連結フレームとの連結を示した図、図5は前後連結フレーム、トラックフレーム、補強部材、連結金具の位置関係を示した図、図6は前連結フレーム及びその周囲の部材を示した正面図、図7はクローラ走行装置の前部を示した側面図、図8は図7における要部拡大図、図9は駆動スプロケットを示した図、図10は前連結フレームと連結金具との位置関係を示した正面図、図11は図10における要部拡大図、図12は図4における要部拡大図、図13はクローラトラクタの畦越えの様子を示した図である。
【0010】
まず、本発明の一実施例を採用したクローラトラクタ1の全体構成について概説する。
図1、図2に示すように、クローラトラクタ1は機体前方に機体フレーム6上にエンジン3を載置し、該エンジン3とミッションケース4とは連動連設されている。また、該エンジン3はボンネット5により覆われている。機体下方には、クローラ走行装置2を備えており、該クローラ走行装置2に配設する左右のトラックフレーム11・11に前連結フレーム12と後連結フレーム13とを横架し、両連結フレーム12・13上に前記ミッションケース4を載置して、該ミッションケース4後部に昇降装置43を備えている。
【0011】
前記クローラ走行装置2の上方にはフェンダー31・31が配設され、該フェンダー31上方には運転部7やステップ等が設けられている。該運転部7前部には、左右のフェンダー31・31に挟まれるようにしてステアリングコラム32が立設されており、該ステアリングコラム32上部にはステアリングハンドル33が取り付けられている。運転部7後部でミッションケース4上方には座席8が設けられている。そして、左右フェンダー31・31上で座席8の左右両側には燃料タンク34及び作動油タンク35が配設されており、該フェンダー31・31上にはロプス36が立設され、該ロプス36により運転部7が覆われている。また、機体後部には、ロアリンク41、リフトロッド47、昇降装置43等を有する三点リンク機構による作業機装着装置40を備えており、該作業機装着装置40に種々の作業機を装着することを可能としている。
【0012】
前記クローラ走行装置2のトラックフレーム11の左右両側前端部に前部トラックローラ14を回転自在に軸支し、左右両側後端部に後部トラックローラ15を回転自在に軸支している。また、トラックフレーム11には二個の下部転輪16・16を軸支したイコライザ17を取り付けている。前記前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18が車軸19に軸支されている。そして、前記前部トラックローラ14、後部トラックローラ15、下部転輪16、及び駆動スプロケット18の外周にクローラ20が巻回されている。
前記ミッションケース4には、その前部にHST(油圧式無段変速機構)または油圧クラッチ式変速装置または歯車摺動式変速装置よりなる主変速装置を備え、その後部に副変速装置を備えており、エンジンからの動力が主変速装置及び副変速装置により変速されて、その出力が駆動軸25(図12)、車軸19等を介して駆動スプロケット18と連動連結されている。こうして、エンジンからの動力を主変速装置で変速して、クローラ20まで伝達してクローラトラクタ1を走行させるようにしている。また、このとき、左右の駆動スプロケット18・18の回転数を変更することで、クローラトラクタ1を旋回することを可能としている。
【0013】
次に、ミッションケース4、アクスルケース21、前・後連結フレーム12・13等の配置構成について説明する。
図3、図4に示すように、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体に形成して、ミッションケース4前端部の左右両側よりアクスルケース21を突出させている。そして、該アクスルケース21はミッションケース4を支持する前連結フレーム12よりも前方に配置されている。
前連結フレーム12は左右中央部12aを上方に折り曲げるように盛り上げて、両側部12b・12bよりも高さHだけ高く形成されており(図6、図7)、中央部12a上に前記ミッションケース4前部が載置されている。また、側部12bには所定の間隔L1で複数箇所(本実施例では六箇所)のボルト孔12c・12c・・・が穿設されており(図11、図12)、トラックフレーム11・11に取り付けられた連結金具22とボルト27により位置変更可能に締付固定されている(図8)。このように、前連結フレーム12は中高構造に形成されているが、その中央部12aの左右方向長さは、少なくともミッションケース4の横幅より長いことが必要である。また、側部12bの外端部はステップとしても作用し、足をかけて乗降が容易にできるようにしている。
【0014】
このように、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成して、コンパクトで簡単な構成にでき、部品点数を少くすることができる。また、軽量化と低コスト化も図ることができる。
また、機体重心を従来構成より前方に位置させることが容易な構成であり、かかる場合には作業機装着時の機体の前後方向の重量バランスが安定する。そして、図13に示すように、アクスルケース21(駆動スプロケット18)より前方のオーバーハングした部分Fが短くなるため、機体全長を短くでき、畦G越え動作をスムーズに行うことができる。そして、前方視界性が良くなり、傾斜地での乗り越し・乗り降り時の鼻突き現象や泥水、枯れ藁草、焼き灰等の吸い込みによるラジエータの目詰まりやエンジンのオーバーヒート等を防止できる。
また、ミッションケース4では、HST等の変速装置を後部に配置せず、前部に配置して前バランスとなるように構成して、前記座席8側部に作動油タンクを設けて溜めておく代わりに、ミッションケース4後部に潤滑油を兼用する作動油を溜めておくことにより、変速装置のギヤの撹拌による作動油の劣化と気泡混入とを防止することができる。そして、ミッションケース4後部に空洞部分を設けて、作動油の気泡分離性の向上とともに軽量化を図ることもできる。
さらに、アクスルケース21と後述するチェックチェーンリンク42とが前後に大きく離れているため、該チェックチェーンリンク42とクローラ20後部との空間が広がり、泥土や藁等が詰まることを解消できる。
【0015】
図4、図5に示すように、補強部材24・24により前記アクスルケース21と前連結フレームの中高部分(中央部)12aとを連結している。該補強部材24はアクスルケース21と前連結フレーム12の外周形状に合わせた挿入孔24a・24bが設けられている。つまり、該補強部材24は中央に左右方向の挿入孔24aを開口したプレートを輪状に形成して前方に突設し、該挿入孔24aはアクスルケース21の外径と略等しい径で穿設されており、該挿入孔24aにアクスルケース21を挿通し、支持している。また、補強部材24の後部は角パイプ状に形成され、その中空部分の挿入孔24bは前連結フレーム12の外形形状に合わせた形状として、前連結フレーム12を嵌合して溶接等により固定している。
ミッションケース4はアクスルケース21と一体化され、前連結フレーム12に支持されているため、補強部材24により該アクスルケース21と前連結フレーム12とを連結することにより、アクスルケース21と前連結フレーム12との取付剛性を高めるばかりではなく、ミッションケース4前部における支持剛性を向上させている。
【0016】
図4、図12に示すように、ミッションケース4から突出する駆動軸25はアクスルケース21により覆われており、該アクスルケース21一端側(ミッションケース4と反対側)には減速ギヤ等を収納した減速装置26が配設され、該減速装置26から車軸19が側方に突出されている。該車軸19は断面六角形状に形成され、ピン孔19a・19a・・・が所定の間隔L3(前記ボルト孔12c・12c・・・の間隔に合わせている)で複数箇所(本実施例では四箇所)、穿設されている。そして、該ピン孔19aにピンを挿通して駆動スプロケット18を固定している。
ミッションケース4内の主変速装置により変速されたエンジン3の動力は駆動軸25により減速装置26へ伝えられ、該減速装置26により減速された動力は車軸19を介して、駆動スプロケット18へ伝達される。
減速装置26は、駆動軸25に固設されるギヤと車軸19に固設されるギヤの径(歯数)の比により、駆動スプロケット18へ伝える動力を減速しているが、両軸25・19間は両ギヤの半径の和に等しい距離L2だけ離れている(図7)。ここで、両軸25・19を垂直方向に揃えて配置した場合には、両軸25・19間には高さL2だけの高低差が形成されることとなる。また、両軸25・19を垂直方向から傾けて配置することにより、両軸25・19間の高低差を前述した前連結フレームの中高部分12aの高さHと略等しくすることが可能となる(図7)。
このように、アクスルケース21と左右の車軸19・19とを接続し、前連結フレーム12の同様の形状とすることにより、アクスルケース21部分が高く配置されることとなり、前方離床角を大きくすることができ、機体の畦跨ぎにも容易に対応できる。また、中高構造のため機体全体の軽量化を図れる。そして、地上高を確保した上で、クローラ高さ、さらには機体全高を低く抑えることができる。
【0017】
図4、図5に示すように、後連結フレーム13も前連結フレーム12と同様の中高構造に形成されており、前連結フレームの中高部分12aにミッションケース4前部を、後連結フレームの中高部分13aにミッションケース4後部を載置して支持している。こうして、ミッションケース4側部から左右水平に配置される前記減速装置26は正面視において、ちょうど前連結フレームの中高部分12aの側方に位置するようになっている(図6)。
そして、後連結フレームの中高部分13aの後面にステー44・45を付設して、該ステー44とロアリンク41の前端とを、該ステー45とチェックチェーンリンク42の前端とをそれぞれ連結している。
このように、ミッションケース4を載置する部分の地上高を高くした構造とすることにより機体の畦跨ぎに容易に対応することができる。また、ロアリンク41とチェックチェーンリンク42の取付位置が高くなるため、作業機装着装置40の下部の位置が高くなり、作業機を全体として高い位置に装着できる。
【0018】
次に、クローラ走行装置2の形状について説明する。
図1、図7に示すように、クローラ走行装置2には駆動スプロケット18、前部トラックローラ14、後部トラックローラ15、下部転輪16が配されている。前部トラックローラ14と下部転輪16とを略同径とし、駆動スプロケット18を前二者よりも大径とし、後部トラックローラ15を更に大径としている。前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18の軸心が位置し、該軸心位置に車軸19が配置されて、駆動スプロケット18を軸支している。両軸心は前後方向に距離L1だけ離れている。また、クローラ20を巻回したときにクローラ20上辺の前部がその後部より高くなるように駆動スプロケット18を配置している。
【0019】
図1に示すように、クローラ走行装置2の上方には水平部31aと垂直部31bとを有するフェンダー31が取り付けられている。該フェンダーの水平部31aはまっすぐに形成されて水平に配置されており、その前部が折り曲げられて垂直部31bが形成されている。前記垂直部31b・31bにはロプスの前柱36a・36aが、前記水平部31a・31a後端にはロプスの後柱36b・36bがそれぞれ取り付けられている。また、該水平部31a・31aには、燃料タンク34及び作動油タンク35がそれぞれ載置されている。左右のフェンダー31・31間には、ミッションケース4等が配設されており、側面視において、ちょうどフェンダー水平部31a上端からミッションケース4上部が突出するようになっている。
【0020】
このように形成したクローラ走行装置2は、その重心が前部に位置するため、作業機を装着したとき、全長が短くても、機体の前後バランスが良くなるように構成している。
また、クローラ走行装置2が機体後部に向けて下方に傾いた形状のため、機体後部の作業機装着スペースを広く確保することができ、燃料タンク34の容量を大きくすることが可能となる。
また、フェンダー31上へのロプス36や燃料タンク34等の取り付けが容易となり、フェンダー31をステップとして兼用させることで、運転部7への乗降を容易としている。
【0021】
次に、駆動スプロケット18の泥落とし構造について説明する。
図9に示すように、駆動スプロケット18は軸心部18a、左右の輪状部18b・18b、長リム18c、短リム18dにより形成されている。軸心部18aには車軸19と同形状の孔(本実施例では、六角形状)18eが穿設されており、該孔18eに車軸19を挿通し、後述するようにピン止めして固定する。
輪状部18bは円板の中心部の前記孔18eよりも外周側に所定角度毎に開口部18h・18h・・・を開口し、外周端から左右外側方(軸方向)に縁部を延設して輪状に形成し、左右の輪状部18b・18bの間には、複数本(本実施例では、六本)の長リム18c・18c・・・と短リム18d・18d・・・とが、交互に挟持配置されている。短リム18dは左右の輪状部18b・18b間のみに接続されており、開口部18hの外周側に配置されて、側面視では、ちょうど輪状部18bに隠される形となる。長リム18cは、ちょうど短リム18dを軸心部18aに向けて延設した形となっており、開口部18hと開口部18hの間に位置して該長リム18cを介して軸心部18aと左右の輪状部18b・18bとが接続されるようになる。
言い換えれば、軸心部18aから偶数本の接続部(リム)が放射状に伸びており、該リムにより左右の輪状部18b・18bとを連結する。該リムのうち半数ずつを交互に長リム18c、短リム18dとし、該短リム18dを輪状部18bと接続しない部分を切り取って駆動スプロケット18を形成するのである。
【0022】
図8、図9に示すように、左右の輪状部18b・18b、長リム18c及び短リム18dにより、駆動スプロケット18の外周の左右中央には噛合孔18f・18f・・・が形成されている。該噛合孔18fとクローラ20内周面に所定間隔で突設された突起20aとがちょうど噛合して、駆動スプロケット18の回転により、クローラ20を駆動させている。
なお、クローラ20には芯金入りクローラ、芯金なしのゴムクローラのいずれをも用いることが可能である。
このように、駆動スプロケット18を形成して、軸心部18aと輪状部18bとの中間部分には長リム18cしか配置されず、空いたスペースを多く確保している。こうして、噛合孔18fと突起20aとが噛み合うことにより、駆動スプロケット18及びクローラ20に付着している泥等を掻き落とすことができる。また、作業時の振動等により、泥が容易に落下するような形状としている。そして、長リム18cと短リム18dの間に入った泥は突起20aにより押し込まれて、開口部18hから両側方へ排出され、クローラがはずれることを防止している。
【0023】
次に、クローラ走行装置2に配備するイコライザ17について説明する。
図1に示すように、正面視山型(断面視略逆U字状)に形成されたトラックフレーム11内側下方(図4、図5)の前後中途部に、イコライザ17が取り付けられている。該イコライザ17の左右のプレート17a・17a間に下部転輪16・16が軸支されている。こうして、前記トラックフレーム11が該プレート17a・17aを両側から覆うように配置されており、側面視において、トラックフレーム11とイコライザ17とは重複する。このとき、少なくともイコライザの支点17bが、側面視において、トラックフレーム11により隠されることが望ましい。
【0024】
従来、イコライザは露出された構成となっており、作業時において泥等が付着し易く、また、路上走行時に機体に付着した土が飛散して、道路を汚す等の問題があった。
しかし、本実施例のようにイコライザ17がトラックフレーム11に覆われ、隠される構成とすることにより、イコライザ17への泥等の付着を防ぐことができる。特に、イコライザ支点17b部分への泥の付着防止に有効である。また、トラックフレーム11の上面に溜まる泥や土等は左右側方へ傾斜に沿って落下して、堆積し難い構成としている。
【0025】
次に、クローラ走行装置2のトレッド調節(幅調節)機構について説明する。
図4、図5に示すように、クローラ走行装置2と機体本体部とは、駆動スプロケット18と車軸19、トラックフレーム11と前連結フレーム12、及び該トラックフレーム11と後連結フレーム13の三箇所で連結されている。
前述したように断面六角形状に形成された車軸19には複数箇所(本実施例では四箇所)のピン孔19a・19a・・・が所定の間隔L3で穿設されており、同間隔L3で駆動スプロケット18の軸心部18aにもピン孔18g・18gが二箇所、穿設されている(図12)。両ピン孔19a・18gの位置を合わせ、ピンを嵌入して両者を固定している。
【0026】
また、断面略逆「U」字状のトラックフレーム11の上面には凹部が二箇所形成され、該凹部に連結金具22・23がそれぞれ嵌合され、溶接等により固定されている。該連結金具22は中空角状に形成され、その中空部分に前連結フレームの側部12bが嵌装されるようにする。但し、トラックフレーム11に凹部を形成せず、トラックフレーム11上に連結金具22・23を固定してもよい。また、トラックフレーム11に角孔を形成して、該角孔に直接、前・後連結フレーム12・13を嵌装する構成としてもよい。
連結金具22上面には、左右方向に二箇所のボルト孔22a・22aが穿設され、前述したように、前連結フレームの側部12bには所定の間隔L3で六箇所のボルト孔12c・12c・・・が穿設されている(図12)。両ボルト孔22a・12cの位置を合わせて、ボルト27を挿通し、締付固定する。
後連結フレーム13・連結金具23についても同様である。つまり、両者の連結をボルト孔23a・13cにて行っている。
【0027】
このようにクローラ走行装置2の連結はボルト・ピンを用いて行われているが、ボルトを弛め、ピンを外すことにより、クローラ走行装置2は機体本体部に対して左右方向にスライド可能となり、トレッド調節が可能な状態となる。
トレッド調節を行う場合には、ボルト孔12c・22a及びボルト孔13c・23aのボルト27を弛め、ピン孔19a・18gのピンを外し、クローラ走行装置2をスライドさせる。そして、トレッドを調節して位置決めした後に、ボルト・ピンにより固定する。このとき、ボルト孔及びピン孔の調節可能な間隔はL3となるようにしているため(図12)、距離L3毎にトレッド調節を行うことができ、トレッドはW1からW2の範囲で調節可能である(図10)。
【0028】
作業時には畦幅に合わせてクローラ走行装置2をスライドさせ、その位置にてボルト・ピンにより固定することにより、幅W1からW2の範囲でのトレッド調節を可能としている。
また、トレッド調整を容易に行うことができる構成としている。
そして、畦を踏んだり崩したりすることなく、畦跨ぎの作業への適用、使用度を高めることができ、クローラトラクタ1の作業適用範囲が広がることとなる。
【0029】
図5、図11に示すように、前記連結金具22は正面視台形状であり、その上辺(上端)22bを下辺(下端)22cよりも短く形成している。トレッド調節を行う場合、連結金具22は前連結フレームの側部12bを摺動する。このとき、摺動可能な範囲Wは、連結金具の上辺22b(ミッションケース4側)が前連結フレームの側部12bと中高部分12aとの接続部分12dに当接するまでとなる。このため、連結金具の上辺22bを下辺22cよりも短くした台形状に形成して、連結金具22の摺動範囲Wを大きく確保している。後連結フレーム13に連結される連結金具23も同様の構成としている。連結金具22・23の摺動範囲Wが大きくなると、クローラ走行装置2のトレッド調節可能な範囲が広がることとなる。また、受圧面積も大きくなり、強度も大きくなる。
そして、左右トラックフレーム11・11間にアクスルケース21および前後連結フレーム12・13を横架しているため、トレッド調節可能な可変脚構造にもかかわらず、トラックフレームおよびアクスルケースを補強して可変脚構造における剛性を高めることができる。
なお、連結金具22・23の形状は、正面視台形状に限られず、連結金具のミッションケース4側の下辺(下端)22c・23cが上辺(上端)22b・23bよりもミッションケース4側に配される形状であればよい。例えば、正面視においてミッションケース4側に斜面(勾配)をもつ形状であればよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1に示す如く、ミッションケース、アクスルケース、及び左右一対のクローラ走行装置の間に横架される連結フレームを備えたクローラトラクタにおいて、前記ミッションケースとアクスルケースとを一体的に構成し、前記連結フレームによりミッションケースを支持し、該連結フレームの前方に前記アクスルケースを配置したので、ミッションケースとアクスルケースとを一体化することにより、コンパクトで簡単な構成とすることができ、部品点数の少ない構成とすることができる。また、機体重心を従来構成より前方に位置させることにより、作業機装着時の機体の前後方向の安定性を向上させることができる。また、アクスルケースより前方のオーバーハングした部分が短くなるため、畦越え動作と傾斜面への乗り入れおよび乗り越えをスムーズに行うことができる。
【0031】
請求項2に示す如く、前記アクスルケースと連結フレームとを、それぞれの外周形状に合わせた挿入孔を有する補強部材により連結したので、簡単な構成によりアクスルケースと連結フレームとを連結固定して、両者の取付剛性を高めることができる。また、ミッションケース前部における支持剛性の向上が図れる。
【0032】
請求項3に示す如く、駆動スプロケット、前部トラックローラ、及び後部トラックローラをクローラ走行装置に備えたクローラトラクタにおいて、前記駆動スプロケットを後部トラックローラよりも大径とし、前部トラックローラの軸心の斜め前上方に駆動スプロケットの軸心を配置したので、クローラ走行装置の重心が前部に位置することにより、機体後部に作業機を装着したときの機体の前後バランスをよりよく構成できる。また、クローラ走行装置を機体後部に向けて下方に傾けて形成することにより、機体後部の作業機装着スペースを広く確保することができ、燃料タンクの容量を大きくすることができる。
【0033】
請求項4に示す如く、前記クローラ走行装置の上方にフェンダーを水平に配置したので、フェンダー上へのロプスや燃料タンク等の取り付けが容易となる。また、フェンダーをステップとして兼用させることで、運転部への乗降が容易となる。
【0034】
請求項5に示す如く、トラックフレーム及びイコライザをクローラ走行装置に備えたクローラトラクタにおいて、前記トラックフレームを断面視略逆U字状に形成し、該トラックフレーム内面に前記イコライザを取り付けて、該トラックフレームと前記イコライザとを側面視において重複させたので、該イコライザがトラックフレームにより覆い隠されることとなり、イコライザへの泥等の付着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したクローラトラクタの全体側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】ミッションケースとアクスルケースの位置関係を示した斜視図。
【図4】アクスルケースと前連結フレームとの連結を示した図。
【図5】前後連結フレーム、トラックフレーム、補強部材、連結金具の位置関係を示した図。
【図6】前連結フレーム及びその周囲の部材を示した正面図。
【図7】クローラ走行装置の前部を示した側面図。
【図8】図7における要部拡大図。
【図9】駆動スプロケットを示した図。
【図10】前連結フレームと連結金具との位置関係を示した正面図。
【図11】図10における要部拡大図。
【図12】図4における要部拡大図。
【図13】クローラトラクタの畦越えの様子を示した図。
【符号の説明】
1 クローラトラクタ
2 クローラ走行装置
4 ミッションケース
12 前連結フレーム
13 後連結フレーム
21 アクスルケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラトラクタの技術に関する。詳細には、クローラトラクタのミッションケース、アクスルケース、クローラ走行装置、連結フレーム等の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クローラトラクタの駆動方式として、前駆動と後駆動とがあり、トランスミッションを一体的に構成した後駆動方式では、トランスミッション後部に重量物が集中し、その結果、前後バランスが後寄りになりがちであった。また、フロントアクスルケースをエンジン前方下部にトランスミッションケースと分離して別体的に設けた前駆動方式では、ケース数やユニバーサルジョイント等の部品点数増加により、重量が増加して高速走行時のエンジン出力不足や生産コスト高等の問題があった。そのため、部品点数を極力押えた後駆動の一体的トランスミッション構造を採用し、その上で機体の前後バランスを保つために、次のような対応がなされていた。
第一案として、エンジン位置をより前方に配置させ、クローラ前部より大きくオーバーハングさせることにより前後のバランスを取っていた。
第二案として、全長を長くせずに(エンジン位置を大きくオーバーハングせずに)、機体前方にフロントウェイトを付加し、前方重量を増加してバランスを取っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第一案のようにボンネット部がクローラ前部より大きくオーバーハングすることで、登坂角(前方離床角)が小さくなり、その結果、トラック等への搭載時や畦道より田んぼに進入するときにボンネット先端フレーム下部が地面や道板に当たって、埋没したり変形したりしていた。このように、機体全長を長くしてバランスを保とうとすると、狭いハウス内作業等での小回り性や前方視界性が損なわれ、また、クローラ前部のオーバーハングが増加して傾斜地や畦での乗り越し・乗り降り時の鼻突き現象や泥水、枯れ藁草、焼き灰等の吸い込みによるラジエータの目詰まりやエンジンのオーバーヒート等の問題が生じていた。そして、これらを防ぐため機体全高を高く設定するとハウス作業や果樹園の棚下作業時にオペレータが頭を打つ等の問題があった。一方、クローラの長さを伸ばさずに前部のボンネット部のオーバーハングをより短くしようとすると、後バランスとなるため、湿田走行時や後部への作業機装着時にクローラ前部が浮いてしまい、駆動力の低下や直進性能不良、安定走行が保てない等、作業性が損なわれる問題があった。また、クローラの接地長を前方に延長してオーバーハング量を少なくしようとすると、クローラ部の重量、コストの増加や旋回抵抗とクローラによる旋回時の土の持ち回り量が増加し、地表面の荒れや旋回動力不足の問題が生じていた。そのため、クローラ前部の浮き上がりを防止するために機体前部に付加ウェイトを装着して前後バランスを保っていたが(第二案)、機体重量大幅増となるため、超湿田での沈み込みや走行抵抗の増大によりエンジン出力の不足をきたし、高速走行ができない等の問題が発生していた。
そこで、本発明では、軽量・シンプル・低コストで、かつ全長が短くても前後バランスおよび取扱い性の良い作業機母体構成を得るためのトランスミッション構成を提供することを課題とし、これにより上記従来技術の問題点を積極的に補完するものである。
具体的には、伝動部の大物重量部品の多い駆動部ケース部をエンジン後端下部に近接させた前駆動とし、クローラ前方のボンネット部のオーバーハング量を極力少なくした配置とすることとした。また、トランスミッション仕組みはアクスルケースを最前方に配置した一体的構成とし、後部は空間の多い作動油タンク形状に構成することで軽量化を図り、トランスミッション自体の前後バランスを前バランスになるように設定することとした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、ミッションケース4、アクスルケース21、及び左右一対のクローラ走行装置2・2の間に横架される連結フレーム12・13を備えたクローラトラクタにおいて、前記ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成し、前記連結フレーム12・13によりミッションケース4を支持し、該連結フレーム12・13の前方に前記アクスルケース21を配置したものである。
【0005】
請求項2においては、前記アクスルケース21と連結フレーム12・13とを、それぞれの外周形状に合わせた挿入孔を有する補強部材24・24により連結したものである。
【0006】
請求項3においては、駆動スプロケット18、前部トラックローラ14、及び後部トラックローラ15をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記駆動スプロケット18を後部トラックローラ15よりも大径とし、前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18の軸心を配置したものである。
【0007】
請求項4においては、前記クローラ走行装置2・2の上方にフェンダー31を水平に配置したものである。
【0008】
請求項5においては、トラックフレーム11及びイコライザ17をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記トラックフレーム11を断面視略逆U字状に形成し、該トラックフレーム11内面に前記イコライザ17を取り付けて、該トラックフレーム11と前記イコライザ17とを側面視において重複させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明を採用したクローラトラクタの全体側面図、図2は同じく正面図、図3はミッションケースとアクスルケースの位置関係を示した斜視図、図4はアクスルケースと前連結フレームとの連結を示した図、図5は前後連結フレーム、トラックフレーム、補強部材、連結金具の位置関係を示した図、図6は前連結フレーム及びその周囲の部材を示した正面図、図7はクローラ走行装置の前部を示した側面図、図8は図7における要部拡大図、図9は駆動スプロケットを示した図、図10は前連結フレームと連結金具との位置関係を示した正面図、図11は図10における要部拡大図、図12は図4における要部拡大図、図13はクローラトラクタの畦越えの様子を示した図である。
【0010】
まず、本発明の一実施例を採用したクローラトラクタ1の全体構成について概説する。
図1、図2に示すように、クローラトラクタ1は機体前方に機体フレーム6上にエンジン3を載置し、該エンジン3とミッションケース4とは連動連設されている。また、該エンジン3はボンネット5により覆われている。機体下方には、クローラ走行装置2を備えており、該クローラ走行装置2に配設する左右のトラックフレーム11・11に前連結フレーム12と後連結フレーム13とを横架し、両連結フレーム12・13上に前記ミッションケース4を載置して、該ミッションケース4後部に昇降装置43を備えている。
【0011】
前記クローラ走行装置2の上方にはフェンダー31・31が配設され、該フェンダー31上方には運転部7やステップ等が設けられている。該運転部7前部には、左右のフェンダー31・31に挟まれるようにしてステアリングコラム32が立設されており、該ステアリングコラム32上部にはステアリングハンドル33が取り付けられている。運転部7後部でミッションケース4上方には座席8が設けられている。そして、左右フェンダー31・31上で座席8の左右両側には燃料タンク34及び作動油タンク35が配設されており、該フェンダー31・31上にはロプス36が立設され、該ロプス36により運転部7が覆われている。また、機体後部には、ロアリンク41、リフトロッド47、昇降装置43等を有する三点リンク機構による作業機装着装置40を備えており、該作業機装着装置40に種々の作業機を装着することを可能としている。
【0012】
前記クローラ走行装置2のトラックフレーム11の左右両側前端部に前部トラックローラ14を回転自在に軸支し、左右両側後端部に後部トラックローラ15を回転自在に軸支している。また、トラックフレーム11には二個の下部転輪16・16を軸支したイコライザ17を取り付けている。前記前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18が車軸19に軸支されている。そして、前記前部トラックローラ14、後部トラックローラ15、下部転輪16、及び駆動スプロケット18の外周にクローラ20が巻回されている。
前記ミッションケース4には、その前部にHST(油圧式無段変速機構)または油圧クラッチ式変速装置または歯車摺動式変速装置よりなる主変速装置を備え、その後部に副変速装置を備えており、エンジンからの動力が主変速装置及び副変速装置により変速されて、その出力が駆動軸25(図12)、車軸19等を介して駆動スプロケット18と連動連結されている。こうして、エンジンからの動力を主変速装置で変速して、クローラ20まで伝達してクローラトラクタ1を走行させるようにしている。また、このとき、左右の駆動スプロケット18・18の回転数を変更することで、クローラトラクタ1を旋回することを可能としている。
【0013】
次に、ミッションケース4、アクスルケース21、前・後連結フレーム12・13等の配置構成について説明する。
図3、図4に示すように、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体に形成して、ミッションケース4前端部の左右両側よりアクスルケース21を突出させている。そして、該アクスルケース21はミッションケース4を支持する前連結フレーム12よりも前方に配置されている。
前連結フレーム12は左右中央部12aを上方に折り曲げるように盛り上げて、両側部12b・12bよりも高さHだけ高く形成されており(図6、図7)、中央部12a上に前記ミッションケース4前部が載置されている。また、側部12bには所定の間隔L1で複数箇所(本実施例では六箇所)のボルト孔12c・12c・・・が穿設されており(図11、図12)、トラックフレーム11・11に取り付けられた連結金具22とボルト27により位置変更可能に締付固定されている(図8)。このように、前連結フレーム12は中高構造に形成されているが、その中央部12aの左右方向長さは、少なくともミッションケース4の横幅より長いことが必要である。また、側部12bの外端部はステップとしても作用し、足をかけて乗降が容易にできるようにしている。
【0014】
このように、ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成して、コンパクトで簡単な構成にでき、部品点数を少くすることができる。また、軽量化と低コスト化も図ることができる。
また、機体重心を従来構成より前方に位置させることが容易な構成であり、かかる場合には作業機装着時の機体の前後方向の重量バランスが安定する。そして、図13に示すように、アクスルケース21(駆動スプロケット18)より前方のオーバーハングした部分Fが短くなるため、機体全長を短くでき、畦G越え動作をスムーズに行うことができる。そして、前方視界性が良くなり、傾斜地での乗り越し・乗り降り時の鼻突き現象や泥水、枯れ藁草、焼き灰等の吸い込みによるラジエータの目詰まりやエンジンのオーバーヒート等を防止できる。
また、ミッションケース4では、HST等の変速装置を後部に配置せず、前部に配置して前バランスとなるように構成して、前記座席8側部に作動油タンクを設けて溜めておく代わりに、ミッションケース4後部に潤滑油を兼用する作動油を溜めておくことにより、変速装置のギヤの撹拌による作動油の劣化と気泡混入とを防止することができる。そして、ミッションケース4後部に空洞部分を設けて、作動油の気泡分離性の向上とともに軽量化を図ることもできる。
さらに、アクスルケース21と後述するチェックチェーンリンク42とが前後に大きく離れているため、該チェックチェーンリンク42とクローラ20後部との空間が広がり、泥土や藁等が詰まることを解消できる。
【0015】
図4、図5に示すように、補強部材24・24により前記アクスルケース21と前連結フレームの中高部分(中央部)12aとを連結している。該補強部材24はアクスルケース21と前連結フレーム12の外周形状に合わせた挿入孔24a・24bが設けられている。つまり、該補強部材24は中央に左右方向の挿入孔24aを開口したプレートを輪状に形成して前方に突設し、該挿入孔24aはアクスルケース21の外径と略等しい径で穿設されており、該挿入孔24aにアクスルケース21を挿通し、支持している。また、補強部材24の後部は角パイプ状に形成され、その中空部分の挿入孔24bは前連結フレーム12の外形形状に合わせた形状として、前連結フレーム12を嵌合して溶接等により固定している。
ミッションケース4はアクスルケース21と一体化され、前連結フレーム12に支持されているため、補強部材24により該アクスルケース21と前連結フレーム12とを連結することにより、アクスルケース21と前連結フレーム12との取付剛性を高めるばかりではなく、ミッションケース4前部における支持剛性を向上させている。
【0016】
図4、図12に示すように、ミッションケース4から突出する駆動軸25はアクスルケース21により覆われており、該アクスルケース21一端側(ミッションケース4と反対側)には減速ギヤ等を収納した減速装置26が配設され、該減速装置26から車軸19が側方に突出されている。該車軸19は断面六角形状に形成され、ピン孔19a・19a・・・が所定の間隔L3(前記ボルト孔12c・12c・・・の間隔に合わせている)で複数箇所(本実施例では四箇所)、穿設されている。そして、該ピン孔19aにピンを挿通して駆動スプロケット18を固定している。
ミッションケース4内の主変速装置により変速されたエンジン3の動力は駆動軸25により減速装置26へ伝えられ、該減速装置26により減速された動力は車軸19を介して、駆動スプロケット18へ伝達される。
減速装置26は、駆動軸25に固設されるギヤと車軸19に固設されるギヤの径(歯数)の比により、駆動スプロケット18へ伝える動力を減速しているが、両軸25・19間は両ギヤの半径の和に等しい距離L2だけ離れている(図7)。ここで、両軸25・19を垂直方向に揃えて配置した場合には、両軸25・19間には高さL2だけの高低差が形成されることとなる。また、両軸25・19を垂直方向から傾けて配置することにより、両軸25・19間の高低差を前述した前連結フレームの中高部分12aの高さHと略等しくすることが可能となる(図7)。
このように、アクスルケース21と左右の車軸19・19とを接続し、前連結フレーム12の同様の形状とすることにより、アクスルケース21部分が高く配置されることとなり、前方離床角を大きくすることができ、機体の畦跨ぎにも容易に対応できる。また、中高構造のため機体全体の軽量化を図れる。そして、地上高を確保した上で、クローラ高さ、さらには機体全高を低く抑えることができる。
【0017】
図4、図5に示すように、後連結フレーム13も前連結フレーム12と同様の中高構造に形成されており、前連結フレームの中高部分12aにミッションケース4前部を、後連結フレームの中高部分13aにミッションケース4後部を載置して支持している。こうして、ミッションケース4側部から左右水平に配置される前記減速装置26は正面視において、ちょうど前連結フレームの中高部分12aの側方に位置するようになっている(図6)。
そして、後連結フレームの中高部分13aの後面にステー44・45を付設して、該ステー44とロアリンク41の前端とを、該ステー45とチェックチェーンリンク42の前端とをそれぞれ連結している。
このように、ミッションケース4を載置する部分の地上高を高くした構造とすることにより機体の畦跨ぎに容易に対応することができる。また、ロアリンク41とチェックチェーンリンク42の取付位置が高くなるため、作業機装着装置40の下部の位置が高くなり、作業機を全体として高い位置に装着できる。
【0018】
次に、クローラ走行装置2の形状について説明する。
図1、図7に示すように、クローラ走行装置2には駆動スプロケット18、前部トラックローラ14、後部トラックローラ15、下部転輪16が配されている。前部トラックローラ14と下部転輪16とを略同径とし、駆動スプロケット18を前二者よりも大径とし、後部トラックローラ15を更に大径としている。前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18の軸心が位置し、該軸心位置に車軸19が配置されて、駆動スプロケット18を軸支している。両軸心は前後方向に距離L1だけ離れている。また、クローラ20を巻回したときにクローラ20上辺の前部がその後部より高くなるように駆動スプロケット18を配置している。
【0019】
図1に示すように、クローラ走行装置2の上方には水平部31aと垂直部31bとを有するフェンダー31が取り付けられている。該フェンダーの水平部31aはまっすぐに形成されて水平に配置されており、その前部が折り曲げられて垂直部31bが形成されている。前記垂直部31b・31bにはロプスの前柱36a・36aが、前記水平部31a・31a後端にはロプスの後柱36b・36bがそれぞれ取り付けられている。また、該水平部31a・31aには、燃料タンク34及び作動油タンク35がそれぞれ載置されている。左右のフェンダー31・31間には、ミッションケース4等が配設されており、側面視において、ちょうどフェンダー水平部31a上端からミッションケース4上部が突出するようになっている。
【0020】
このように形成したクローラ走行装置2は、その重心が前部に位置するため、作業機を装着したとき、全長が短くても、機体の前後バランスが良くなるように構成している。
また、クローラ走行装置2が機体後部に向けて下方に傾いた形状のため、機体後部の作業機装着スペースを広く確保することができ、燃料タンク34の容量を大きくすることが可能となる。
また、フェンダー31上へのロプス36や燃料タンク34等の取り付けが容易となり、フェンダー31をステップとして兼用させることで、運転部7への乗降を容易としている。
【0021】
次に、駆動スプロケット18の泥落とし構造について説明する。
図9に示すように、駆動スプロケット18は軸心部18a、左右の輪状部18b・18b、長リム18c、短リム18dにより形成されている。軸心部18aには車軸19と同形状の孔(本実施例では、六角形状)18eが穿設されており、該孔18eに車軸19を挿通し、後述するようにピン止めして固定する。
輪状部18bは円板の中心部の前記孔18eよりも外周側に所定角度毎に開口部18h・18h・・・を開口し、外周端から左右外側方(軸方向)に縁部を延設して輪状に形成し、左右の輪状部18b・18bの間には、複数本(本実施例では、六本)の長リム18c・18c・・・と短リム18d・18d・・・とが、交互に挟持配置されている。短リム18dは左右の輪状部18b・18b間のみに接続されており、開口部18hの外周側に配置されて、側面視では、ちょうど輪状部18bに隠される形となる。長リム18cは、ちょうど短リム18dを軸心部18aに向けて延設した形となっており、開口部18hと開口部18hの間に位置して該長リム18cを介して軸心部18aと左右の輪状部18b・18bとが接続されるようになる。
言い換えれば、軸心部18aから偶数本の接続部(リム)が放射状に伸びており、該リムにより左右の輪状部18b・18bとを連結する。該リムのうち半数ずつを交互に長リム18c、短リム18dとし、該短リム18dを輪状部18bと接続しない部分を切り取って駆動スプロケット18を形成するのである。
【0022】
図8、図9に示すように、左右の輪状部18b・18b、長リム18c及び短リム18dにより、駆動スプロケット18の外周の左右中央には噛合孔18f・18f・・・が形成されている。該噛合孔18fとクローラ20内周面に所定間隔で突設された突起20aとがちょうど噛合して、駆動スプロケット18の回転により、クローラ20を駆動させている。
なお、クローラ20には芯金入りクローラ、芯金なしのゴムクローラのいずれをも用いることが可能である。
このように、駆動スプロケット18を形成して、軸心部18aと輪状部18bとの中間部分には長リム18cしか配置されず、空いたスペースを多く確保している。こうして、噛合孔18fと突起20aとが噛み合うことにより、駆動スプロケット18及びクローラ20に付着している泥等を掻き落とすことができる。また、作業時の振動等により、泥が容易に落下するような形状としている。そして、長リム18cと短リム18dの間に入った泥は突起20aにより押し込まれて、開口部18hから両側方へ排出され、クローラがはずれることを防止している。
【0023】
次に、クローラ走行装置2に配備するイコライザ17について説明する。
図1に示すように、正面視山型(断面視略逆U字状)に形成されたトラックフレーム11内側下方(図4、図5)の前後中途部に、イコライザ17が取り付けられている。該イコライザ17の左右のプレート17a・17a間に下部転輪16・16が軸支されている。こうして、前記トラックフレーム11が該プレート17a・17aを両側から覆うように配置されており、側面視において、トラックフレーム11とイコライザ17とは重複する。このとき、少なくともイコライザの支点17bが、側面視において、トラックフレーム11により隠されることが望ましい。
【0024】
従来、イコライザは露出された構成となっており、作業時において泥等が付着し易く、また、路上走行時に機体に付着した土が飛散して、道路を汚す等の問題があった。
しかし、本実施例のようにイコライザ17がトラックフレーム11に覆われ、隠される構成とすることにより、イコライザ17への泥等の付着を防ぐことができる。特に、イコライザ支点17b部分への泥の付着防止に有効である。また、トラックフレーム11の上面に溜まる泥や土等は左右側方へ傾斜に沿って落下して、堆積し難い構成としている。
【0025】
次に、クローラ走行装置2のトレッド調節(幅調節)機構について説明する。
図4、図5に示すように、クローラ走行装置2と機体本体部とは、駆動スプロケット18と車軸19、トラックフレーム11と前連結フレーム12、及び該トラックフレーム11と後連結フレーム13の三箇所で連結されている。
前述したように断面六角形状に形成された車軸19には複数箇所(本実施例では四箇所)のピン孔19a・19a・・・が所定の間隔L3で穿設されており、同間隔L3で駆動スプロケット18の軸心部18aにもピン孔18g・18gが二箇所、穿設されている(図12)。両ピン孔19a・18gの位置を合わせ、ピンを嵌入して両者を固定している。
【0026】
また、断面略逆「U」字状のトラックフレーム11の上面には凹部が二箇所形成され、該凹部に連結金具22・23がそれぞれ嵌合され、溶接等により固定されている。該連結金具22は中空角状に形成され、その中空部分に前連結フレームの側部12bが嵌装されるようにする。但し、トラックフレーム11に凹部を形成せず、トラックフレーム11上に連結金具22・23を固定してもよい。また、トラックフレーム11に角孔を形成して、該角孔に直接、前・後連結フレーム12・13を嵌装する構成としてもよい。
連結金具22上面には、左右方向に二箇所のボルト孔22a・22aが穿設され、前述したように、前連結フレームの側部12bには所定の間隔L3で六箇所のボルト孔12c・12c・・・が穿設されている(図12)。両ボルト孔22a・12cの位置を合わせて、ボルト27を挿通し、締付固定する。
後連結フレーム13・連結金具23についても同様である。つまり、両者の連結をボルト孔23a・13cにて行っている。
【0027】
このようにクローラ走行装置2の連結はボルト・ピンを用いて行われているが、ボルトを弛め、ピンを外すことにより、クローラ走行装置2は機体本体部に対して左右方向にスライド可能となり、トレッド調節が可能な状態となる。
トレッド調節を行う場合には、ボルト孔12c・22a及びボルト孔13c・23aのボルト27を弛め、ピン孔19a・18gのピンを外し、クローラ走行装置2をスライドさせる。そして、トレッドを調節して位置決めした後に、ボルト・ピンにより固定する。このとき、ボルト孔及びピン孔の調節可能な間隔はL3となるようにしているため(図12)、距離L3毎にトレッド調節を行うことができ、トレッドはW1からW2の範囲で調節可能である(図10)。
【0028】
作業時には畦幅に合わせてクローラ走行装置2をスライドさせ、その位置にてボルト・ピンにより固定することにより、幅W1からW2の範囲でのトレッド調節を可能としている。
また、トレッド調整を容易に行うことができる構成としている。
そして、畦を踏んだり崩したりすることなく、畦跨ぎの作業への適用、使用度を高めることができ、クローラトラクタ1の作業適用範囲が広がることとなる。
【0029】
図5、図11に示すように、前記連結金具22は正面視台形状であり、その上辺(上端)22bを下辺(下端)22cよりも短く形成している。トレッド調節を行う場合、連結金具22は前連結フレームの側部12bを摺動する。このとき、摺動可能な範囲Wは、連結金具の上辺22b(ミッションケース4側)が前連結フレームの側部12bと中高部分12aとの接続部分12dに当接するまでとなる。このため、連結金具の上辺22bを下辺22cよりも短くした台形状に形成して、連結金具22の摺動範囲Wを大きく確保している。後連結フレーム13に連結される連結金具23も同様の構成としている。連結金具22・23の摺動範囲Wが大きくなると、クローラ走行装置2のトレッド調節可能な範囲が広がることとなる。また、受圧面積も大きくなり、強度も大きくなる。
そして、左右トラックフレーム11・11間にアクスルケース21および前後連結フレーム12・13を横架しているため、トレッド調節可能な可変脚構造にもかかわらず、トラックフレームおよびアクスルケースを補強して可変脚構造における剛性を高めることができる。
なお、連結金具22・23の形状は、正面視台形状に限られず、連結金具のミッションケース4側の下辺(下端)22c・23cが上辺(上端)22b・23bよりもミッションケース4側に配される形状であればよい。例えば、正面視においてミッションケース4側に斜面(勾配)をもつ形状であればよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1に示す如く、ミッションケース、アクスルケース、及び左右一対のクローラ走行装置の間に横架される連結フレームを備えたクローラトラクタにおいて、前記ミッションケースとアクスルケースとを一体的に構成し、前記連結フレームによりミッションケースを支持し、該連結フレームの前方に前記アクスルケースを配置したので、ミッションケースとアクスルケースとを一体化することにより、コンパクトで簡単な構成とすることができ、部品点数の少ない構成とすることができる。また、機体重心を従来構成より前方に位置させることにより、作業機装着時の機体の前後方向の安定性を向上させることができる。また、アクスルケースより前方のオーバーハングした部分が短くなるため、畦越え動作と傾斜面への乗り入れおよび乗り越えをスムーズに行うことができる。
【0031】
請求項2に示す如く、前記アクスルケースと連結フレームとを、それぞれの外周形状に合わせた挿入孔を有する補強部材により連結したので、簡単な構成によりアクスルケースと連結フレームとを連結固定して、両者の取付剛性を高めることができる。また、ミッションケース前部における支持剛性の向上が図れる。
【0032】
請求項3に示す如く、駆動スプロケット、前部トラックローラ、及び後部トラックローラをクローラ走行装置に備えたクローラトラクタにおいて、前記駆動スプロケットを後部トラックローラよりも大径とし、前部トラックローラの軸心の斜め前上方に駆動スプロケットの軸心を配置したので、クローラ走行装置の重心が前部に位置することにより、機体後部に作業機を装着したときの機体の前後バランスをよりよく構成できる。また、クローラ走行装置を機体後部に向けて下方に傾けて形成することにより、機体後部の作業機装着スペースを広く確保することができ、燃料タンクの容量を大きくすることができる。
【0033】
請求項4に示す如く、前記クローラ走行装置の上方にフェンダーを水平に配置したので、フェンダー上へのロプスや燃料タンク等の取り付けが容易となる。また、フェンダーをステップとして兼用させることで、運転部への乗降が容易となる。
【0034】
請求項5に示す如く、トラックフレーム及びイコライザをクローラ走行装置に備えたクローラトラクタにおいて、前記トラックフレームを断面視略逆U字状に形成し、該トラックフレーム内面に前記イコライザを取り付けて、該トラックフレームと前記イコライザとを側面視において重複させたので、該イコライザがトラックフレームにより覆い隠されることとなり、イコライザへの泥等の付着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したクローラトラクタの全体側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】ミッションケースとアクスルケースの位置関係を示した斜視図。
【図4】アクスルケースと前連結フレームとの連結を示した図。
【図5】前後連結フレーム、トラックフレーム、補強部材、連結金具の位置関係を示した図。
【図6】前連結フレーム及びその周囲の部材を示した正面図。
【図7】クローラ走行装置の前部を示した側面図。
【図8】図7における要部拡大図。
【図9】駆動スプロケットを示した図。
【図10】前連結フレームと連結金具との位置関係を示した正面図。
【図11】図10における要部拡大図。
【図12】図4における要部拡大図。
【図13】クローラトラクタの畦越えの様子を示した図。
【符号の説明】
1 クローラトラクタ
2 クローラ走行装置
4 ミッションケース
12 前連結フレーム
13 後連結フレーム
21 アクスルケース
Claims (5)
- ミッションケース4、アクスルケース21、及び左右一対のクローラ走行装置2・2の間に横架される連結フレーム12・13を備えたクローラトラクタにおいて、前記ミッションケース4とアクスルケース21とを一体的に構成し、前記連結フレーム12・13によりミッションケース4を支持し、該連結フレーム12・13の前方に前記アクスルケース21を配置したことを特徴とするクローラトラクタ。
- 前記アクスルケース21と連結フレーム12・13とを、それぞれの外周形状に合わせた挿入孔を有する補強部材24・24により連結したことを特徴とする請求項1に記載のクローラトラクタ。
- 駆動スプロケット18、前部トラックローラ14、及び後部トラックローラ15をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記駆動スプロケット18を後部トラックローラ15よりも大径とし、前部トラックローラ14の軸心の斜め前上方に駆動スプロケット18の軸心を配置したことを特徴とするクローラトラクタ。
- 前記クローラ走行装置2・2の上方にフェンダー31を水平に配置したことを特徴とする請求項3に記載のクローラトラクタ。
- トラックフレーム11及びイコライザ17をクローラ走行装置2・2に備えたクローラトラクタにおいて、前記トラックフレーム11を断面視略逆U字状に形成し、該トラックフレーム11内面に前記イコライザ17を取り付けて、該トラックフレーム11と前記イコライザ17とを側面視において重複させたことを特徴とするクローラトラクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002227241A JP2004066913A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | クローラトラクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002227241A JP2004066913A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | クローラトラクタ |
Publications (1)
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JP2004066913A true JP2004066913A (ja) | 2004-03-04 |
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ID=32014336
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JP2002227241A Pending JP2004066913A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | クローラトラクタ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004066913A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007049368A1 (ja) | 2005-10-27 | 2007-05-03 | Yanmar Co., Ltd. | 小型クローラ式トラクタ |
JP2016117410A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 井関農機株式会社 | クローラを備える作業車両 |
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2002
- 2002-08-05 JP JP2002227241A patent/JP2004066913A/ja active Pending
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