JP2004066644A - 木質材料片の配向積層方法および配向積層装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】木質系複合材料の原料となる木質材料片の積層マットを連続して得られる木質材料片の配向積層方法および配向積層装置を提供することを目的としている。
【解決手段】配向溝が幅方向に複数並設された樋状部によって、連続的に供給される木質材料片を下方から受け、樋状部を振動させることによって、木質材料片の長手方向を各配向溝の長手方向に向くように配向させながら配向溝内を下流側に搬送して各配向溝の下流側に設けられた排出口から排出するとともに、排出された木質材料片を所定幅の間隔で配置された配向板間を通して配向状態を保たせながら所定速度で移動するコンベヤ上に直接またはコンベヤ上に載せた板の上に落下させてコンベヤ上または板上に所定厚みに積層することを特徴としている
【選択図】 図2
【解決手段】配向溝が幅方向に複数並設された樋状部によって、連続的に供給される木質材料片を下方から受け、樋状部を振動させることによって、木質材料片の長手方向を各配向溝の長手方向に向くように配向させながら配向溝内を下流側に搬送して各配向溝の下流側に設けられた排出口から排出するとともに、排出された木質材料片を所定幅の間隔で配置された配向板間を通して配向状態を保たせながら所定速度で移動するコンベヤ上に直接またはコンベヤ上に載せた板の上に落下させてコンベヤ上または板上に所定厚みに積層することを特徴としている
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材料片の配向積層方法および配向積層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅解体に伴う廃木材の処理が問題となっており、廃木材のリサイクル利用が求められている。しかし、主要なリサイクル用途であるパーティクルボードやパルプなどの需要は頭打ちとなっているため、新たなリサイクル技術と用途が熱望され、さまざまな研究が行われている。
【0003】
そこで、天然木材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等を破砕して得られた木質材料片(木質チップ)と結合剤との混合物を、木質材料片の長手方向を略同じ方向に配向させた状態でマット状に積層し、得られた積層マットを蒸気加熱プレス装置を用いて蒸気や熱盤等で加熱しながらプレス成形する木質系複合材料の製造方法がすでに提案されている(特開2001−341110号公報)。すなわち、この製造方法によれば、木質材料片の繊維方向がほぼ同一方向に並んでいるので、廃木材を破砕して得た15mm以下の短い木質材料片を用いた場合であっても、構造材としても使用できる高強度な木質系複合材料を得ることができる。
【0004】
また、上記木質系複合材料の製造方法では、以下に説明するような方法で積層マットを得るようにしている。すなわち、まず、図4および図5に示すように、予め結合剤が塗布された木質材料片200を、上部開口の外枠部110と、この外枠部110内を所定幅の複数の分割枠部120に水平方向に区切るとともに、外枠部の上下方向にスライド自在な外枠部110の高さ寸法と略同じ高さ寸法か少し高い寸法の仕切り板130とを備えたフォーミング型100の上方から図示していないがディスクオリエンター等の配向装置を用いて木質材料片200の繊維方向を分割枠部の長手方向に配向させながらフォーミング型100内に供給する。そして、図5(b)に示すように、各分割枠部120内に略外枠部110の上端付近まで木質材料片200が充填されると、充填を停止し、外枠部110から仕切り板130を取り除き、必要に応じて外枠部を取り除いて木質材料片200が積層されてマット状になった積層マット300を得るようになっている。
【0005】
しかしながら、上記のような製造方法では、フォーミング型100を取り除く工程に時間がかかり連続生産が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みて、木質系複合材料の原料となる木質材料片の積層マットを連続して得られる木質材料片の配向積層方法および配向積層装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる木質材料片の配向積層方法は、配向溝が幅方向に複数並設された樋状部によって、連続的に供給される木質材料片を下方から受け、樋状部を振動させることによって、木質材料片の長手方向を各配向溝の長手方向に向くように配向させながら配向溝内を下流側に搬送して各配向溝の下流側に設けられた排出口から排出するとともに、排出された木質材料片を所定幅の間隔で配置された配向板間を通して配向状態を保たせながら所定速度で移動するコンベヤ上に直接またはコンベヤ上に載せた板の上に落下させてコンベヤ上または板上に所定厚みに積層することを特徴としている。
【0008】
本発明にかかる木質材料片の配向積層装置は、下流側に排出口を有する配向溝が幅方向に複数並設され、連続的に供給される木質材料片を下方から受ける樋状部と、少なくとも樋状部に振動を付与し、樋状部上の木質材料片を振動により下流側に搬送させる振動付与手段と、前記樋状部の排出口側に所定の幅で平行に垂設された複数の配向板を有し、前記排出口から排出される木質材料片が隣接する2枚の配向板間を通り、配向状態を保ちながら落下するようになっている配向部と、この配向部を通り落下してきた木質材料片を下方から直接または上に載せた板を介して受けるとともに、受けた木質材料片を、木質材料片の配向方向に向かって搬送可能なコンベヤとを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明において、配向溝の断面形状は、特に限定されないが、略V字形、略U字形、略凵形等のものが挙げられ、略V字形、略U字形のように下方に向かって収束している断面形状が配向性を考慮すると好ましい。
【0010】
配向板は、樋状部からコンベヤに木質材料片を移載させる時の配向の乱れがないようにするためのものであり、できるだけ摩擦係数が小さいもの、軽量のものが好ましく、材質としては金属、プラスチック等が挙げられる。
また、木質材料片の厚さと配向板間の幅には、高強度の木質系複合材料を得るためにより好ましい関係があり、例えば、木質材料片の厚さが1mm〜11mmである場合、配向板間の幅を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質材料片の厚さが3mm〜5mmである場合、配向板間の幅を20mm〜30mmとすることが好ましい。
【0011】
配向板間の幅が狭過ぎると、木質材料片が配向板間をスムーズに落ちず、配向板間の幅が広過ぎると、木質材料片の配向が不十分となり、得られる木質系複合材料の配向方向での必要強度がでなくなる恐れがある。
配向板間での木質材料片の落下距離は、配向板を振動させない場合、200mm以下が好ましい。すなわち、落下距離、すなわち、木質材料片が配向板間を通る距離が長すぎると、木質材料片が配向板間に詰まる恐れがある。
【0012】
なお、木質材料片の受部であるコンベヤ、板、あるいは先にベルトコンベヤに受けられた木質材料片までの配向板下端からの落差はできるだけ少ない方が好ましい。すなわち、落差が大きすぎると、後から落下する木質材料片が先に積層されたマット状の積層物に突き刺さり、うまく水平に配向されなくなる恐れがある。因みに、木質材料片として15cm未満の短いものの場合、0〜30mmの落差とすることが好ましい。
【0013】
本発明の配向積層装置を用いて配向積層される木質材料片の樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。
原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0014】
上記原料材を木質材料片にする加工方法としては、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。
そして、上記のようにして破砕された木質材料片は、その厚さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の厚さの木質材料片に分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
【0015】
また、このようにして得られた木質材料片は、積層前に通常塗布などによって結合剤と混合されるが、結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質材料片に噴霧したり、木質材料片と撹拌混合して予め木質材料片に担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質材料片と均一に混合した状態で、配向積層装置に供給される。
【0016】
さらに、木質材料片は、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の木質系複合材料の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜10%である。
含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質材料片を放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
【0017】
木質材料片が配向積層装置を用いて配向積層された積層マットは、ベルトコンベヤによって、プレス装置のところまで運ばれる。そして、プレス装置によって加熱圧縮成形されて所望の厚さの木質系複合材料が形成されるようになっている。
加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、熱盤のように木質材料片の表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱する方法が挙げられる。
【0018】
さらに、積層マットから得られる木質系複合材料は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明にかかる木質材料片の配向積層装置の1つの実施の形態をあらわしている。
【0020】
図1に示すように、この配向積層装置1は、3台の配向装置2と、ベルトコンベヤ3とを備えている。
配向装置2は、図2に示すように、樋状部21と、複数の配向板22と、振動付与手段23とを備えている。
【0021】
樋状部21は、断面略V字形の配向溝21aが幅方向に並設された断面波形をしていて、配向溝21aの一方から他方に向かって下り勾配になっていて、下流側に排出口24を備えるとともに、幅方向の両側に結合剤付き木質材料片4の零れ防止のための立上壁25が設けられている。
配向板22は、配向溝21aと配向溝21aとの境界線に平行に設けられている。
【0022】
振動付与手段23は、2枚の立上壁25に跨がるように設けられた水平バー26と、水平バー26に受けられたバイブレータ27と、バイブレータ27を支持部(図示せず)に吊り下げ状態で支持するバネ28とを備えている。
ベルトコンベヤ3は、その搬送方向が、配向板22と平行になっている。
【0023】
3台の配向装置2は、ベルトコンベヤの搬送方向(図1の矢印X方向)に向かって所定ピッチで並設されていて、配向装置2の下端とベルトコンベヤ3との距離が、上流側の配向装置2から下流側の配向装置2に向かって広がっている。
また、各配向装置2の樋状部21の上端部には、後で詳述する結合剤付き木質材料片4の供給装置5が配置されている。
【0024】
供給装置5は、ベルトコンベヤ51とその表面に平行なリング状の溝53が複数本設けられた均しローラ52とを備えている。
つぎに、この配向積層装置1を用いた木質材料片の配向積層装置の動きを詳しく説明する。
【0025】
すなわち、まず、図3(a)に示すように,廃木材を粉砕機や切削機等で(図示せず)で粉砕あるいは切削して得た破砕木質材料片41をウェーブローラー方式の分級機6で分級し、厚さ1mm〜11mm、長さ1cm〜15cmの分級済の木質材料片42を得る。
つぎに、図3(b)に示すように、木質材料片42を温度40℃〜90℃、相対湿度1%〜60%の雰囲気に保たれた恒温恒湿室7に入れて12時間以上放置し、含水率調整済みの木質材料片43を得たのち、図3(c)に示すように、ドラムブレンダ8に投入し、結合剤9をドラムブレンダ8内の木質材料片43にスプレー散布し、ドラムブレンダ8内で木質材料片43に結合剤5を担持させて図1および図4に示す結合剤付き木質材料片4を得る
【0026】
そして、この結合剤付き木質材料片1dを供給装置5のベルトコンベヤ51に載せて均しローラ52によって、ベルトコンベヤ51上の結合剤付き木質材料片4の厚みを略一定になるように均しながら各配向装置2の樋状部21に連続的に供給する。
各配向装置2では、振動付与手段23によって樋状部21が振動し、この振動によって結合剤付き木質材料片4が配向溝21aに入り込み、配向溝21aによって配向溝の下流方向に向かって配向されながら排出口24に向かって搬送される。
【0027】
そして、排出口24から排出された結合剤付き木質材料片4は、所定幅の間隔で配置された配向板22間を通って配向状態を保ちながら落下し、ベルトコンベヤ3の上面で直接、または、先にベルトコンベヤ3上に載った木質材料片4の上で受けられ所定の厚みの積層マット40になるように次々に積層されるとともに、この積層マット40がベルトコンベヤ3によって図示していないプレス装置に向かって搬送される。
最後に、プレス装置で送られてきた積層マット40を連続的に所望の厚さになるまでプレス成形して木質系複合材料を連続的に得るようになっている。
【0028】
以上のように、この配向積層装置1を用いれば、従来のように仕切り板を引き抜いたり外枠部を取り外したりすることなく連続的に長尺の木質系複合材料を得ることができる。
また、樋状部21だけでなく配向板22も振動するため、結合剤付き木質材料片4が配向板22と配向板22との間でブリッジ現象などつまりを生じることなく、スムーズに配向板22と配向板22との間を落下する。
【0029】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、バイブレータ27をバネ28によって吊り下げるようにしていたが、樋状部21の底にバイブレータを直接取り付けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、配向装置は、配向板22が樋状部21と一体になっていて、配向板22を樋状部21と同様に振動するようにするのが望ましいが、配向板22間での木質材料片4の落下距離が200mm以下であれば、樋状部21のみが振動するようにしても構わない。
【0030】
上記の実施の形態では、コンベヤがベルトコンベヤであったが、ローラーコンベヤを用いるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、木質材料片がベルトコンベヤに直接受けられるようになっていたが、コンベヤ上に板を載せ、この板の上に木質材料片を受けるようにしても構わない。
【0031】
【発明の効果】
本発明にかかる木質材料片の配向積層方法および配向積層装置は、以上のように構成されているので、木質系複合材料の原料となる木質材料片の積層マットを連続して得られる。したがって、配向積層装置に続けてこの積層マットを連続してプレス成形できるプレス装置を配置すれば、構造材として使用できる木質系複合材料を連続して得ることができる。すなわち、木質系複合材料の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる配向積層装置の1つの実施の形態をあらわす側面図である。
【図2】図1の配向積層装置の要部拡大斜視図である。
【図3】図1の配向積層装置に用いられる木質材料片の製造方法を工程順に説明する説明図である。
【図4】従来の配向積層方法に使用されるフォーミング型の斜視図である。
【図5】図4のフォーミング型を用いた配向積層方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 配向積層装置
2 配向装置
21 樋状部
21a 配向溝
22 配向板
24 排出口
3 ベルトコンベヤ
4 木質材料片
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材料片の配向積層方法および配向積層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅解体に伴う廃木材の処理が問題となっており、廃木材のリサイクル利用が求められている。しかし、主要なリサイクル用途であるパーティクルボードやパルプなどの需要は頭打ちとなっているため、新たなリサイクル技術と用途が熱望され、さまざまな研究が行われている。
【0003】
そこで、天然木材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等を破砕して得られた木質材料片(木質チップ)と結合剤との混合物を、木質材料片の長手方向を略同じ方向に配向させた状態でマット状に積層し、得られた積層マットを蒸気加熱プレス装置を用いて蒸気や熱盤等で加熱しながらプレス成形する木質系複合材料の製造方法がすでに提案されている(特開2001−341110号公報)。すなわち、この製造方法によれば、木質材料片の繊維方向がほぼ同一方向に並んでいるので、廃木材を破砕して得た15mm以下の短い木質材料片を用いた場合であっても、構造材としても使用できる高強度な木質系複合材料を得ることができる。
【0004】
また、上記木質系複合材料の製造方法では、以下に説明するような方法で積層マットを得るようにしている。すなわち、まず、図4および図5に示すように、予め結合剤が塗布された木質材料片200を、上部開口の外枠部110と、この外枠部110内を所定幅の複数の分割枠部120に水平方向に区切るとともに、外枠部の上下方向にスライド自在な外枠部110の高さ寸法と略同じ高さ寸法か少し高い寸法の仕切り板130とを備えたフォーミング型100の上方から図示していないがディスクオリエンター等の配向装置を用いて木質材料片200の繊維方向を分割枠部の長手方向に配向させながらフォーミング型100内に供給する。そして、図5(b)に示すように、各分割枠部120内に略外枠部110の上端付近まで木質材料片200が充填されると、充填を停止し、外枠部110から仕切り板130を取り除き、必要に応じて外枠部を取り除いて木質材料片200が積層されてマット状になった積層マット300を得るようになっている。
【0005】
しかしながら、上記のような製造方法では、フォーミング型100を取り除く工程に時間がかかり連続生産が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みて、木質系複合材料の原料となる木質材料片の積層マットを連続して得られる木質材料片の配向積層方法および配向積層装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる木質材料片の配向積層方法は、配向溝が幅方向に複数並設された樋状部によって、連続的に供給される木質材料片を下方から受け、樋状部を振動させることによって、木質材料片の長手方向を各配向溝の長手方向に向くように配向させながら配向溝内を下流側に搬送して各配向溝の下流側に設けられた排出口から排出するとともに、排出された木質材料片を所定幅の間隔で配置された配向板間を通して配向状態を保たせながら所定速度で移動するコンベヤ上に直接またはコンベヤ上に載せた板の上に落下させてコンベヤ上または板上に所定厚みに積層することを特徴としている。
【0008】
本発明にかかる木質材料片の配向積層装置は、下流側に排出口を有する配向溝が幅方向に複数並設され、連続的に供給される木質材料片を下方から受ける樋状部と、少なくとも樋状部に振動を付与し、樋状部上の木質材料片を振動により下流側に搬送させる振動付与手段と、前記樋状部の排出口側に所定の幅で平行に垂設された複数の配向板を有し、前記排出口から排出される木質材料片が隣接する2枚の配向板間を通り、配向状態を保ちながら落下するようになっている配向部と、この配向部を通り落下してきた木質材料片を下方から直接または上に載せた板を介して受けるとともに、受けた木質材料片を、木質材料片の配向方向に向かって搬送可能なコンベヤとを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明において、配向溝の断面形状は、特に限定されないが、略V字形、略U字形、略凵形等のものが挙げられ、略V字形、略U字形のように下方に向かって収束している断面形状が配向性を考慮すると好ましい。
【0010】
配向板は、樋状部からコンベヤに木質材料片を移載させる時の配向の乱れがないようにするためのものであり、できるだけ摩擦係数が小さいもの、軽量のものが好ましく、材質としては金属、プラスチック等が挙げられる。
また、木質材料片の厚さと配向板間の幅には、高強度の木質系複合材料を得るためにより好ましい関係があり、例えば、木質材料片の厚さが1mm〜11mmである場合、配向板間の幅を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質材料片の厚さが3mm〜5mmである場合、配向板間の幅を20mm〜30mmとすることが好ましい。
【0011】
配向板間の幅が狭過ぎると、木質材料片が配向板間をスムーズに落ちず、配向板間の幅が広過ぎると、木質材料片の配向が不十分となり、得られる木質系複合材料の配向方向での必要強度がでなくなる恐れがある。
配向板間での木質材料片の落下距離は、配向板を振動させない場合、200mm以下が好ましい。すなわち、落下距離、すなわち、木質材料片が配向板間を通る距離が長すぎると、木質材料片が配向板間に詰まる恐れがある。
【0012】
なお、木質材料片の受部であるコンベヤ、板、あるいは先にベルトコンベヤに受けられた木質材料片までの配向板下端からの落差はできるだけ少ない方が好ましい。すなわち、落差が大きすぎると、後から落下する木質材料片が先に積層されたマット状の積層物に突き刺さり、うまく水平に配向されなくなる恐れがある。因みに、木質材料片として15cm未満の短いものの場合、0〜30mmの落差とすることが好ましい。
【0013】
本発明の配向積層装置を用いて配向積層される木質材料片の樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。
原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0014】
上記原料材を木質材料片にする加工方法としては、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。
そして、上記のようにして破砕された木質材料片は、その厚さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の厚さの木質材料片に分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
【0015】
また、このようにして得られた木質材料片は、積層前に通常塗布などによって結合剤と混合されるが、結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質材料片に噴霧したり、木質材料片と撹拌混合して予め木質材料片に担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質材料片と均一に混合した状態で、配向積層装置に供給される。
【0016】
さらに、木質材料片は、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の木質系複合材料の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜10%である。
含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質材料片を放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
【0017】
木質材料片が配向積層装置を用いて配向積層された積層マットは、ベルトコンベヤによって、プレス装置のところまで運ばれる。そして、プレス装置によって加熱圧縮成形されて所望の厚さの木質系複合材料が形成されるようになっている。
加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、熱盤のように木質材料片の表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱する方法が挙げられる。
【0018】
さらに、積層マットから得られる木質系複合材料は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明にかかる木質材料片の配向積層装置の1つの実施の形態をあらわしている。
【0020】
図1に示すように、この配向積層装置1は、3台の配向装置2と、ベルトコンベヤ3とを備えている。
配向装置2は、図2に示すように、樋状部21と、複数の配向板22と、振動付与手段23とを備えている。
【0021】
樋状部21は、断面略V字形の配向溝21aが幅方向に並設された断面波形をしていて、配向溝21aの一方から他方に向かって下り勾配になっていて、下流側に排出口24を備えるとともに、幅方向の両側に結合剤付き木質材料片4の零れ防止のための立上壁25が設けられている。
配向板22は、配向溝21aと配向溝21aとの境界線に平行に設けられている。
【0022】
振動付与手段23は、2枚の立上壁25に跨がるように設けられた水平バー26と、水平バー26に受けられたバイブレータ27と、バイブレータ27を支持部(図示せず)に吊り下げ状態で支持するバネ28とを備えている。
ベルトコンベヤ3は、その搬送方向が、配向板22と平行になっている。
【0023】
3台の配向装置2は、ベルトコンベヤの搬送方向(図1の矢印X方向)に向かって所定ピッチで並設されていて、配向装置2の下端とベルトコンベヤ3との距離が、上流側の配向装置2から下流側の配向装置2に向かって広がっている。
また、各配向装置2の樋状部21の上端部には、後で詳述する結合剤付き木質材料片4の供給装置5が配置されている。
【0024】
供給装置5は、ベルトコンベヤ51とその表面に平行なリング状の溝53が複数本設けられた均しローラ52とを備えている。
つぎに、この配向積層装置1を用いた木質材料片の配向積層装置の動きを詳しく説明する。
【0025】
すなわち、まず、図3(a)に示すように,廃木材を粉砕機や切削機等で(図示せず)で粉砕あるいは切削して得た破砕木質材料片41をウェーブローラー方式の分級機6で分級し、厚さ1mm〜11mm、長さ1cm〜15cmの分級済の木質材料片42を得る。
つぎに、図3(b)に示すように、木質材料片42を温度40℃〜90℃、相対湿度1%〜60%の雰囲気に保たれた恒温恒湿室7に入れて12時間以上放置し、含水率調整済みの木質材料片43を得たのち、図3(c)に示すように、ドラムブレンダ8に投入し、結合剤9をドラムブレンダ8内の木質材料片43にスプレー散布し、ドラムブレンダ8内で木質材料片43に結合剤5を担持させて図1および図4に示す結合剤付き木質材料片4を得る
【0026】
そして、この結合剤付き木質材料片1dを供給装置5のベルトコンベヤ51に載せて均しローラ52によって、ベルトコンベヤ51上の結合剤付き木質材料片4の厚みを略一定になるように均しながら各配向装置2の樋状部21に連続的に供給する。
各配向装置2では、振動付与手段23によって樋状部21が振動し、この振動によって結合剤付き木質材料片4が配向溝21aに入り込み、配向溝21aによって配向溝の下流方向に向かって配向されながら排出口24に向かって搬送される。
【0027】
そして、排出口24から排出された結合剤付き木質材料片4は、所定幅の間隔で配置された配向板22間を通って配向状態を保ちながら落下し、ベルトコンベヤ3の上面で直接、または、先にベルトコンベヤ3上に載った木質材料片4の上で受けられ所定の厚みの積層マット40になるように次々に積層されるとともに、この積層マット40がベルトコンベヤ3によって図示していないプレス装置に向かって搬送される。
最後に、プレス装置で送られてきた積層マット40を連続的に所望の厚さになるまでプレス成形して木質系複合材料を連続的に得るようになっている。
【0028】
以上のように、この配向積層装置1を用いれば、従来のように仕切り板を引き抜いたり外枠部を取り外したりすることなく連続的に長尺の木質系複合材料を得ることができる。
また、樋状部21だけでなく配向板22も振動するため、結合剤付き木質材料片4が配向板22と配向板22との間でブリッジ現象などつまりを生じることなく、スムーズに配向板22と配向板22との間を落下する。
【0029】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、バイブレータ27をバネ28によって吊り下げるようにしていたが、樋状部21の底にバイブレータを直接取り付けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、配向装置は、配向板22が樋状部21と一体になっていて、配向板22を樋状部21と同様に振動するようにするのが望ましいが、配向板22間での木質材料片4の落下距離が200mm以下であれば、樋状部21のみが振動するようにしても構わない。
【0030】
上記の実施の形態では、コンベヤがベルトコンベヤであったが、ローラーコンベヤを用いるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、木質材料片がベルトコンベヤに直接受けられるようになっていたが、コンベヤ上に板を載せ、この板の上に木質材料片を受けるようにしても構わない。
【0031】
【発明の効果】
本発明にかかる木質材料片の配向積層方法および配向積層装置は、以上のように構成されているので、木質系複合材料の原料となる木質材料片の積層マットを連続して得られる。したがって、配向積層装置に続けてこの積層マットを連続してプレス成形できるプレス装置を配置すれば、構造材として使用できる木質系複合材料を連続して得ることができる。すなわち、木質系複合材料の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる配向積層装置の1つの実施の形態をあらわす側面図である。
【図2】図1の配向積層装置の要部拡大斜視図である。
【図3】図1の配向積層装置に用いられる木質材料片の製造方法を工程順に説明する説明図である。
【図4】従来の配向積層方法に使用されるフォーミング型の斜視図である。
【図5】図4のフォーミング型を用いた配向積層方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 配向積層装置
2 配向装置
21 樋状部
21a 配向溝
22 配向板
24 排出口
3 ベルトコンベヤ
4 木質材料片
Claims (2)
- 配向溝が幅方向に複数並設された樋状部によって、連続的に供給される木質材料片を下方から受け、樋状部を振動させることによって、木質材料片の長手方向を各配向溝の長手方向に向くように配向させながら配向溝内を下流側に搬送して各配向溝の下流側に設けられた排出口から排出するとともに、排出された木質材料片を所定幅の間隔で配置された配向板間を通して配向状態を保たせながら所定速度で移動するコンベヤ上に直接またはコンベヤ上に載せた板の上に落下させてコンベヤ上または板上に所定厚みに積層することを特徴とする木質材料片の配向積層方法。
- 下流側に排出口を有する配向溝が幅方向に複数並設され、連続的に供給される木質材料片を下方から受ける樋状部と、
少なくとも樋状部に振動を付与し、樋状部上の木質材料片を振動により下流側に搬送させる振動付与手段と、
前記樋状部の排出口側に所定の幅で平行に垂設された複数の配向板を有し、前記排出口から排出される木質材料片が隣接する2枚の配向板間を通り、配向状態を保ちながら落下するようになっている配向部と、
この配向部を通り落下してきた木質材料片を下方から直接または上に載せた板を介して受けるとともに、受けた木質材料片を、木質材料片の配向方向に向かって搬送可能なコンベヤとを備えていることを特徴とする木質材料片の配向積層装置。
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JP2006198809A (ja) * | 2005-01-18 | 2006-08-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 再生成形材及び再生成形材の製造方法 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229518A patent/JP2004066644A/ja not_active Withdrawn
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JP2006198809A (ja) * | 2005-01-18 | 2006-08-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 再生成形材及び再生成形材の製造方法 |
JP4733396B2 (ja) * | 2005-01-18 | 2011-07-27 | 積水化学工業株式会社 | 再生成形材の製造方法 |
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