JP4109598B2 - 木質材片の配向積層方法及び木質系複合材料の製造方法、並びに木質積層マットの形成装置 - Google Patents

木質材片の配向積層方法及び木質系複合材料の製造方法、並びに木質積層マットの形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、繊維方向が幅又は長さ方向より長い木質材片を結合剤と共に加圧成形して高強度木質系複合材料を得る際の、厚さが大きい木質積層マットを得る木質材片の配向積層方法及び木質系複合材料の製造方法、並びに木質積層マットの形成装置に関する。
結合剤が付着された木質材片を、木質材片の繊維方向と同方向に揃えて即ち配向して積み重ね、木質積層マットを形成してこれを加圧又は加熱工程などを経て固着させて成形した成形板は、その繊維方向の機械的強度が飛躍的に向上することが知られており、LSL(ラミネーティッド・ストランド・ランバー)やPSL(オアラレル・ソトランド・ランバー)といった、構造材として使用可能な強度を有するものが存在している。
木質材片配向積層装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔をおいて配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間に木質材片を通過させることによって木質材片を配向する装置や、平行に並設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向に往復運動する板間を木質材片が通過することによって配向するものなどがある。
しかしながら、これらの装置は、配向板によって縦横の同一平面内においては、木質材片は一方向に配向されるが、上下方向については自然落下のために、配向されにくいものであった。
自然落下により配向しない木質材片を少なくする装置として、例えば、木材削片の供給位置から下部に配設された搬送コンベアに向かって、両側に側壁を取着した基板を任意の傾斜角を有して配設し、前記基板の傾斜方向と直交する幅方向に下部断面を連続する凹凸形状に形成すると共に、該凹凸形状を前記基板の傾斜方向と平行に延在せしめ、さらに前記基板に振動を付与することを特徴とする木質削片の配向装置が提案されている(特許文献1参照。)。
上記装置においては、投下される木質削片(本発明にいう、木質材片に相当。)は、投下された直後の空中位置においては、無指向な状態であるが、凹凸形状の各凹部に分散落下され、かつ基板の振動を受けるため、その初期段階において、基板の傾斜方向、即ち振動搬送方向への配向作用が開始される。
特開昭59−48324号公報(第1頁〜第7頁)
しかしながら、振動された基板から搬送装置に木質材片が落下する際、落下空間を自由な状態で落下してしまい、搬送方向に配向された木質材片の配向度合いが低下してしまうという問題点がある。なお、配向板下端辺の下方に設けられる空間(クリアランス)は、木質材片が自由な状態で落下出来るので、今後、自由空間という。
また、複数の配向装置によって順次木質材片を積層していく際、各々の装置で積層された木質積層マットの上面と配向装置上面との間は、やはり自由空間となり、自由空間の高さが大きい程、木質材片の配向度合いが低下してしまうという問題点がある。
更に、高さが厚い木質系複合材料を得るためには、木質積層マットの積層高さを高くしなければならないが、積層高さが高くなればなるほど、下部の木質材片は搬送装置によって移動しても、積層マット上部にある木質材片は、配向板に接触してその間にあるので、木質積層マットの進行に対して抵抗する力を受ける。その結果、木質積層マットの上下で搬送方向に対してズレが生じ、配向が乱れてしまうという問題点がある。即ち、木質材片を良い配向状態を保ったままで高く積むことは困難であった。
本発明は、上記従来の技術が有する問題を解決し、繊維方向が幅又は長さ方向より長い木質材片を結合剤と共に加圧成形して高強度木質系複合材料を得る際の、配向が乱れずかつ厚さが大きい木質積層マットを得る木質材片の配向積層方法及び木質系複合材料の製造方法、並びに木質積層マットの形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の請求項1記載の木質材片の配向積層方法(発明1)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、搬送装置上方に列設し、少なくとも最初の木質材片配向積層装置の供給装置で、木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら、木質材片を供給装置から配向装置へ供給し、配向装置で、木質材片が配向されかつ高さが略一定とされた木質積層マットを搬送装置上に積層し、以降の木質材片配向積層装置で、高さが略一定とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
請求項2記載の木質材片の配向積層方法(発明2)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、搬送装置上方に列設し、上記列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具を設け、搬送装置で搬送される木質積層マットの上面にその均し具を接触させて上面高さを略均一にしてから、上面高さを略均一に均された木質積層マットを以降の木質材片配向積層装置に搬送し、以降の木質材片配向積層装置で、高さが略均一とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
請求項3記載の木質材片の配向積層方法(発明3)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、搬送装置上方に列設し、木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、該高さ調節装置により、配向装置の高さを、その木質材片配向積層装置の前に配置される木質材片配向積層装置から搬送されてくる木質積層マットの上面高さの変動に併せて調節して木質積層マットの高さを調節し、木質積層マットを搬送装置上に積層して以降の木質材片配向積層装置に搬送し、以降の木質材片配向積層装置で、木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
請求項4記載の木質系複合材料の製造方法は、請求項1〜3いずれか1項記載の方法
により積層された木質積層マットをプレス成形装置に供給し、加圧または加熱成型されて所望の高さの木質系複合材料を得ることを特徴とする。
請求項記載の木質積層マットの形成装置(発明)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台の木質材片配向積層装置を、搬送装置上方に列設し、供給装置に、木質材片の供給量を連続して測定する計量装置と供給量の制御装置とが備えられ、木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら木質材片を供給装置から配向装置へ供給して搬送装置上に木質積層マットを形成し、木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
請求項記載の木質積層マットの形成装置(発明)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台の木質材片配向積層装置を、搬送装置上方に列設し、列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具が設けられ、搬送装置で搬送される木質積層マットの上面に均し具を接触させて上面の高さを略均一にしてから、その木質積層マットを次の木質材片配向積層装置に搬送して搬送装置上に木質積層マットを形成し、木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
請求項7記載の木質積層マットの形成装置(発明7)は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台木質材片配向積層装置を、搬送装置上方に列設し、木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、その木質材片配向積層装置に搬送されてくる木質積層マットの高さの変動に合わせて、該高さ調節装置で配向装置の高さを調節して搬送装置上に木質積層マットを形成し、木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くすることを特徴とする。
本発明1から3に記載の木質材片の配向積層方法は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、いずれの発明も、木質材片を供給する供給装置と、供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板(以降、配向板という。)又は並設された複数の溝(以降、配向溝という)からなる配向装置とで構成され、配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置(以降、配向積層装置という。)とを、搬送装置上方に複数台を列設した木質積層マットの形成装置を用いる方法である。
用いられる木質積層マットの形成装置を構成する木質材片配向積層装置の配向装置は、配向板同士の間隔又は配向溝により、供給装置から一定重量ずつ供給された木質材片を長さ方向に略揃えて配向する装置である。供給装置と配向装置とからなる配向積層装置は、搬送装置上方に配置され、搬送装置上に木質材片を均一に積層し、予定された厚さの木質積層マットを形成する。
配向装置は、配向板同士の間隔又は配向溝の上面を木質材片が移動するので、配向板同士の間隔又は配向溝の方向が搬送装置の移動方向と平行とされ、好ましくは、配向板上端部又は配向溝底面部が、搬送方向向きに低くなるように傾斜して設けられることが望ましい。また、木質材片の移動を容易にするために、必要に応じて配向装置全体を上方又は斜め前方に向かって往復振動されるようにされていても良い。この振動は独立して設けられても良いが、例えば、配向板又は配向溝と一体となるように取付けられても良い。
配向装置に投入された木質材片は配向板同士の間隔又は配向溝を移動していく。木質材片を一定量ずつ移動させるためには、その移動がスムースに行われる必要があり、配向板又は配向溝の表面は出来るだけ摩擦抵抗が少ないものが望ましい。例えば一例として、金属、プラスチック、それらの表面を低摩擦処理した材料などが挙げられる。
配向装置が配向溝の場合であれば、その溝の断面形状は特に限定されないが、略V字形状、略U字形状、略凵字形状などが挙げられ、略V字形状又は略U字形状のように、下方に向かって収束した断面形状の溝であれば、木質材片がこの溝を搬送される際に配向され易く、配向装置として好都合である。
配向板の高さ又は間隔や配向溝の深さ又は幅は、用いられる木質材片の長さと材片の幅或いは高さとに対応して適宜変更されればよい。即ち、高さや深さがあまりに高い又は深かったり、板同士の間隔や溝の幅があまりに狭いと、配向板同士の間隔又は溝の間に入った木質材片が溜まってしまい、木質材片を搬送装置上に配向積層して木質積層マットを形成する場合、木質材片の厚さや配向の程度が不均一になる恐れがある。また、高さや深さがあまりに浅い又は間隔や幅があまりに広いと、木質材片が配向し難くなる。
配向装置下端部と搬送装置上面とは接触していないので、その間は、配向装置で配向された木質材片が下方の搬送装置に移動する空間となっており、木質材片がその姿勢を束縛されずに自由に移動又は落下可能な自由空間となっている。
なお、木質材片を略長さ方向に揃えるとは、積層後の表面状態を撮像し、繊維方向が幅又は長さ方向より長い木質材片の長軸の方向と基準線の方向とがなす角度を測定し、その角度の平均値を算出して行う。ほぼ一方向に配向した状態とは、この方法により、基準線の方向と木質材辺の長軸方向とがなす角度の平均値が、±30度の範囲内にある状態をいう。
木質材片の長さは、目的とする木質系複合材料の強度や、サイズに依って適宜変更されるが、通常、10mm〜250mm程度のものが好ましく用いられる。また、木質材片の高さ又は幅と配向板同士の間隔との間には、高強度の木質系複合材料を得るために、より好ましい関係がある。即ち、木質材片の厚さ又は幅が1mm〜11mmである場合には、配向板同士の間隔を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質材片の厚さ又は幅が3mm〜5mmである場合は、配向板同士の間隔を20mm〜30mmとすることが好ましい。なお、配向装置が配向溝である場合でも、その溝幅と木質材片の寸法との間には同様の好ましい関係があるので、同様の距離とされることが望ましい。
配向板の縦方向の長さは、配向板を振動させない場合には、200mm以下とされることが好ましい。即ち、木質材片が配向板の間を通過する際通過する距離が長いと木質材片が配向板の間に詰まってしまう恐れがあるからである。但し、短すぎると十分に配向しないので、木質材片の長さと幅又は高さによって変更されれば良いが、通常、50mm以上とされることが多い。
複数の配向板は、互いに連結されて一体となって振動するようにされていても良い。振動させることで、配向板同士の間に落下した木質材片と配向板の板面との接触抵抗が減少し、配向板同士の間で木質材片が詰まることが少なくなる。配向板同士の連結の方法は特に制限されないが、木質材片が間隔を落下することを妨げない方法でなければならない。例えば一例として、配向板の上端部側辺又は下端部側辺を、鉄板等で溶接等して連結する方法などが挙げられる。配向溝の場合も同様である。
通常、振動方向は、上方又は木質材片が搬送される方向とし、水平方向から斜め上方に向かって振動される。振動により連結された板又は溝が振動し、各配向板上や溝縁上に跨って架かった木質材片は、振動を受けて踊りながら搬送方向に移動すると同時に、その重心位置がずれ、配向板や溝縁からズレ落ちて配向板同士の間又は溝に落下し、搬送装置上に積層される。
振動の振幅、又は振動数は、配向板上又は溝縁上に跨った木質材片が間隔に落下し、かつ落下して搬送装置上に配向し積層された木質材片が、再び踊り出してその配向が乱れない程度であれば良く、供給される木質材片の量や性状、サイズ等によって適宜選択して決められれば良い。
振動付与装置の取り付け方法は、木質材片の投入に影響が出なければ、特に限定されない。例えば、前述のような複数の板同士が金属板等で連結されている場合は、その金属板に取り付けるようにされると良い。また、連結された板を振動させる装置の振動付与手段は、特に限定されないが、振幅、振動数又は振動方向が可変であって、状況に合わせて最適の振動条件を選択できるものが好ましい。
配向装置は搬送装置の上方に配置され、配向装置の配向板又は配向溝の下端辺と搬送装置上面との間には間隔が設けられて、配向装置や搬送装置が振動してそれらが接触し、木質積層マットの配向が乱れたりマットの側方が崩れたりしないようにされる。配向装置下端部と搬送装置上面とは接触していないので、その間は、配向装置で配向された木質材片が下方の搬送装置に移動する空間となっており、木質材片がその姿勢を束縛されずに自由に移動又は落下可能な自由空間となっている。従って、配向装置の下端辺と搬送装置上面との距離は、積層された木質材片の高さ程度とされることが好ましく、それ以上広げられると木質材片が自由落下する距離即ち自由空間の高さが高くなり、配向が乱れる原因となる恐れがある。
自由空間の高さは、前に配置される配向積層装置の配向装置と後に配置される木実材片配向積層装置の配向装置とで異なっていても良い。即ち、配向板の間隔から搬送装置上に落下して積層される木質積層マットの高さが、配向板同士の間隔にあまり高く入り込まないことが重要である。しかしながら、配向板同士の間に残る木質材片を少なくするために、配向板下端辺下の自由空間を大きくすると、落下の時に木質材片の配向が乱れるので、自由空間の高さは状況に合わせて適宜変更されるべきである。
通常、その高さは5〜50mm程度とされる。5mmより狭ければ配向は充分であるが、配向板の間に多くの木質材片があることになり木質材片と板との摩擦が大きくなり、搬送装置が動いた時に、搬送装置上に積層されて移動する木質材片とその上部にある木質材片との間でずれが起こって配向が乱れたり、木質積層マットの高さが変化したりする恐れがある。
また、50mmより大きければ配向した木質材片の側面が配向装置の振動で乱れてしまう恐れがある。また、幅方向の両端部に位置する配向板では、その高さは1〜5mm程度とされる。1mmより狭ければ、搬送装置が揺れた時に搬送装置上面と板下端とが接触して、積層された木質積層マットの配向が乱れてしまう恐れがあり、5mmより大であれば、そこから木質材片がこぼれてしまう。なお、配向板の下端辺と搬送装置の上面との間には、木質材片の散乱防止のためのスカートが設けられても良い。このスカートは、木質材片の配向の乱れを多少とも防止する効果も期待できる。
搬送装置としては、通常、ベルトコンベアー等の無限軌道式搬送コンベアー類やローラーコンベアー等の搬送具に載せられたコール板等が用いられる。なお、コール板とは、ステンレススチール、鉄、アルミニウム等の所定サイズの金属板であり、その上に配向積層された木質材片を載置して木質積層マットを搬送するものである。
本発明において、用いられる木質材片の樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。
原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
上記原料材を木質材片にする加工方法としては、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。
そして、上記のようにして破砕された木質材片は、その太さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の太さの木質材片に分級されるが、分級方法は、所定範囲の太さで分級できるものであれば特に限定されない。例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、材片の太さを基準に連続的に分級する装置である。
また、このようにして得られた木質材片の表面には、通常、配向積層前に塗布、噴霧や混合などによって結合剤が付着されるが、結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質材片に噴霧したり、木質材片と撹拌付着して予め木質材片に担持させた状態で供給装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質材片と均一に付着した状態で、供給装置に供給される。
さらに、木質材片は、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで得られる木質系複合材料の品質バラツキが少なくなる。好ましい含水率としては、10重量%以下であり、実質的に0重量%であっても構わない。含水率を一定にする方法としては、例えば、鬼童調節した乾燥装置中に一定時間木質材片を放置する方法が挙げられる。因みに、50℃の乾燥装置に24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
木質材片は繊維方向が幅又は長さ方向より長い形状のものである。即ち、樹木の繊維方向が長さ方向と同じ方向とされた材片であり、高さ及び幅は、いずれも1mm以上で上限は特にないが、製造される木質系複合材の高さの5分の1以下とされることが好ましい。長さは幅又は高さの大きい方の寸法の5倍以上が好ましい。但し、製品の外観向上のために、1mm以下の木質材片が表面側に配される場合もある。
本発明4において、木質材片は配向装置で配向されて搬送装置上に落下されて積層され、積層された木質積層マットはベルトコンベアー等の搬送装置によってプレス成形装置まで搬送される。プレス成形装置によって加圧または加熱成型されて所望の高さの木質系複合材料が形成される。
プレス機における加熱方法としては、例えば一例として、熱板のように木質材片の表面から木質積層マットの内部に熱伝導によって熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように木質積層マットの内部を直接加熱する方法が挙げられる。
さらに、木質積層マットから得られる木質系複合材料は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
本発明からに記載の木質積層マットの形成装置は、上記発明1から3を実施するための装置である。供給装置は、結合剤が付着された細長い多数の木質材片、即ち繊維方向が幅又は長さ方向より長くかつその表面に結合剤が付着された木質材片(以降、単に木質材片ともいう)の供給量を連続して計測しながら、供給装置の下方に配置され、配向板又は配向溝からなる配向装置に、時間当たりの供給量が一定となるように制御しながら供給する装置であり、一般的なスケールコンベアー等である。通常、コンベアーには均しロールが設けられ、供給装置に投入されて均しロールの下を通過する木質材片をコンベアーの幅方向に広げると共にその表面を均して高さを揃える機能を有する。
発明においては、複数台の配向積層装置を搬送装置上に流れ方向に沿って列設され、少なくとも最初の配向積層装置で、木質材片が供給装置に投入されて、単位時間当たりの供給量を一定にしながら配向装置に供給される。供給量は、容量又は重量で測定すれば良いが、通常、重量測定が連続的に測定できかつ容易で比較的正確な供給量測定が出来る。
本発明で用いられる供給装置は、例えば一例として、重量連続測定器を備えた一般的な搬送装置、即ちいわゆるスケールコンベアー等であって、その搬送コンベアーの上流側から木質材片を投入し、その重量を連続して計量し、測定重量が所定重量より大きいときは搬送コンベアーの搬送速度を遅くして単位時間当たりの木質材片搬送重量を下げ、測定重量が小さいときは搬送コンベアーの搬送速度を早くして単位時間当たりの木質材片搬送重量を上げ、この供給装置の下流側への供給重量が一定になるように、搬送コンベアーの搬送速度を変更する方法などが挙げられる。勿論、搬送コンベアーの上流側に投入する木質材片は、搬送幅方向に渡ってほぼ均一となるように投入される。
発明においては、複数台の配向積層装置を搬送装置上に流れ方向に沿って列設
し、前後の配向積層装置同士の間に、前の配向装置で積層された木質積層マットの上面高さを略均一に均す均し具が設けられている。木質積層マットは嵩比重が小さいため、その表面に均し具を軽く接触するだけで均すことが出来る。
従って、均し具としては、木質積層マットの上面に接触してこれを平らに均し、マット上面高さを均一にする機能があれば良く、例えば一例として、棒、ローラー、堰板などの直線部分を有する剛体であれば良い。そ剛体の直線部分を、木質積層マットの搬送方向と直角の方向に配置してマット上面に軽く接触させ、その表面を均す方法などが挙げられる。但し、この均し具により木質積層マットの表面が掻き寄せられてしまうと配向が乱れるので、均し具と木質積層マットの上面との接触の程度は、目視などで確認しながら決められれば良い。
このような剛体としては、鉄、アルミニウム、銅、SUS(ステンレススチール)、真鍮、これらの表面を研磨又はメッキしたもの等金属類;PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂類;FRP(繊維補強熱硬化性樹脂)、繊維強化熱可塑性樹脂とうの複合樹脂類;木、竹などの天然材などが挙げられる。
均し手段の配置位置は特に限定されないが、配向装置の上流側に近い位置であれば、上流側の配向装置で積層された木質積層マットが、その表面を均された後表面が再び乱れてしまうこと無く直ちに次の配向装置でその上に木質材片が配向積層されるので好ましい。
均し手段が例えば回転ローラーである場合には、搬送される積層マットの移動に連れてローラーが回転するので、マット表面と均し手段即ちローラーとの接触抵抗が少なくなり、積層マット表面の配向が乱れることが少なくてマットの表面高さを均すことが出来る。又、ローラーの表面に、木質積層マットの搬送方向に沿った溝が浅く刻まれていると、配向の乱れが更に少なくなるので、そのようにされていても良い。ローラーの高さ調節方法は、ローラー軸を受ける軸受けを上下方向にスライド可能に止める等、通常の方法が用いられれば良い。なお、ローラーの数は1本で良いが必要に応じて複数本が用いられても良い。
発明においては、複数台の配向積層装置を搬送装置上に流れ方向に沿って列設
し、少なくとも最初の配向積層装置の配向装置に、その配向装置下端部と、前の配向積層装置から供給される木質積層マットの上面との距離を、所望の距離に調節できる配向板高さ調節装置が設けられる。
配向積層装置においては、配向装置を通過して略配向された木質材片は、配向装置下方に落下して搬送装置上に積層される。従って、配向装置下端部の下方は木質材片が落下する自由空間となる。この空間の距離は、初めの配向積層装置においては、配向装置下端部と搬送装置の上面との間であり、それ以降に続く配向積層装置においては、配向装置下端部とその一つ前の配向積層装置で積層された木質積層マットの上面との間となる。
また、高さが厚い木質積層マットを一台の配向積層装置で一度に行うとすると、配向装板又は配向溝と木質材片との間で摩擦抵抗があるので、搬送装置に接触している木質材片と配向板又は配向溝の間にある木質材片との間でズレが起こって、搬送時に木質積層マットの配向が乱れることがある。これを防ぐために自由空間の距離を大きくとると、落下中に配向が乱れたりして搬送装置上に積層された木質積層マットの配向度が低下する。従って、目的とする木質積層マットの厚さが厚い場合には、自由空間の高さを低くして落下中の木質材片の配向の乱れが少なくなるようにした配向積層装置の複数台を列設して設け、各々の装置の自由空間の高さを順次所定の高さに調節して積層マットを積み重ねて所望の厚さの積層マットにするのである。
配向装置の下端部の高さは、供給される積層マットの高さを経持的に測定し、その高さに対応して所定の高さに変更させる。又は、供給される木質積層マットの高さが一定であれば、配向装置の下端部の高さは所定の高さに固定しておいても良い。但し、配向板又は配向溝は、振動付与手段で上方又は木質積層マットの搬送方向に向かって斜め上方に往復振動されるので、この高さは絶えず変動している。従って、配向装置下端部の高さは、配向装置が振動しても、その下端辺が、下方の搬送装置上面や搬送されてくる木質積層材片の上面に衝突しない距離とされねばならない。
供給される積層マットの高さは、例えば赤外線や超音波を用いた非接触型距離計を用いる方法や、投光機と受光器とを対面させて配置し、その間に木質積層マットを通過させてその高さを測定する方法など、適宜状況に合わせて用いられれば良い。
配向装置には振動付与手段が設けられている。配向装置が配向板である場合は、それぞれの配向板同士を金属板等で連結し、配向板全体が一体となるようにされている。この金属板に振動付与手段が取り付けられ一体とされた配向板は、ばね等で装置フレームに懸架又は懸吊される。配向板の高さを変更する方法は特に限定されないが、例えば一例として、金属板に雌ねじを設けこれに螺合する雄ねじをフレームに設け、雄ねじを電動モーターで回転させることにより、金属板即ち一体化された配向板を上下させてその高さを変更する方法などが挙げられる。
発明1においては、木質材片配向積層装置の供給装置で、木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら木質材片を供給装置から配向装置へ供給するので、搬送装置上に積層された木質材片の厚さが略一定となり、高さが略一定とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層すれば、配向の乱れを少なくして木質積層マットを厚くすることができる。
発明2においては、列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具を設け、搬送装置で搬送される木質積層マットの上面にその均し具を接触させて上面高さを略均一にするので、木質積層マットの高さが均一となり、以降の木質材片配向積層装置で、高さが略均一とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層すれば、配向の乱れを少なくして木質積層マットを厚くすることができる。
発明3においては、木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、該高さ調節装置により、配向装置の高さを、その木質材片配向積層装置の前に配置される木質材片配向積層装置から搬送されてくる木質積層マットの上面高さの変動に併せて調節して木質積層マットの高さを調節するので、以降の木質材片配向積層装置で、木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層する際に、木質積層マットの表面の配向が乱れにくく、配向の乱れを少なくして木質積層マットを厚くすることができる。
本発明4においては、本発明1〜3いずれかの方法により積層された木質積層マット
をプレス成形装置に供給し、加圧または加熱成型されて所望の高さの木質系複合材料を得るものであるから、繊維方向が幅又は長さ方向より長い木質材片を結合剤と共に加圧成形して高強度木質系複合材料を得る際の、配向が乱れずかつ厚さが大きいものとなる。
本発明5においては、供給装置に、木質材片の供給量を連続して測定する計量装置と供給量の制御装置とが備えられ、木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら木質材片を供給装置から配向装置へ供給するので、搬送装置上に形成される木質積層マットの厚さが一定となる。
発明においては、列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具が設けられ、搬送装置で搬送される木質積層マットの上面に均し具を接触させるので、木質積層マットの上面の高さが略均一均される。
発明においては、木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、その木質材片配向積層装置に搬送されてくる木質積層マットの高さの変動に合わせて、該高さ調節装置で配向装置の高さを調節するので、木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねる際、搬送装置の下端部と木質積層マットの上面との間の自由空間の高さを最小限にすることができるので、木質材片の配向が乱れずに積層マットを形成することができる。
次に、図面を参照して本発明を説明する。図1は3台の配向装置が列設された木質積層マットの形成装置の一例の配置図、図2は木質材片の配向積層装置の一例を示す斜視図、図3は配向装置の配向板とその下方の自由空間の関係の一例を示す正面図である。
図1において、木質積層マットの形成装置1は、複数台(本例では3台)の配向積層装置2、2’、2”が搬送装置4の上方に設置されている。配向積層装置2は、図2に示されるように、スケールコンベアーからなる供給装置21と、配向装置22とからなる。
供給装置21は、重量計(図示せず)を備えたベルトコンベアー211からなる通常のスケールコンベアーである。結合剤付き木質材片Cはベルトコンベアー211の上流側から供給され、ベルトコンベヤ211に載せて均しローラ212によって、ベルトコンベヤ211上の結合剤付き木質材片Cの厚みを略一定になるように均しながら配向装置22に連続的に供給する。
配向装置22は、木質材片Cの搬送方向と平行に立設された複数の配向板23又は並設された断面略V字形状の配向溝24aからなる。配向溝24aの一端部は他端部より高い勾配とされ、高い方が上流側とされている。下流側に排出部24bを備えると共に、幅方向の両側に結合剤が付着された木質材片Cのこぼれ防止のための立ち上げ壁25が設けられている。
この配向溝24aは、供給装置21から供給された木質材片Cを、排出口24bに横方向に均等な重量分布となるように案内するように作用するが、同時に木質材片Cを配向させる作用も併せ持つ。
配向装置22が、搬送装置4の搬送方向に沿って平行に立設された複数の配向板23である場合には、配向板23の下端部には底面は設けられていない場合もある。この場合には、配向装置22の上方から配向板23同士の間に投入された木質材片Cは、配向板23同士の間を落下する間に配向されて、直接搬送装置4の上に積層されることになる。また、配向装置が、溝方向が搬送装置4の搬送方向に沿って並設された配向溝24aの場合は底面があるので、木質材片は溝の上面を下方に移動しながら配向され、排出口24bから搬送装置4上に積層される。
配向装置22には振動付与手段26が設けられている。振動付与手段26は、例えば配向装置22が複数の配向板23で構成されている場合には、配向装置両外側の配向板が立ち上げ壁25、25’とされ、立ち上げ壁25、25’を跨いで設けられた水平バー25aに設けられたバイブレーター26aと、バイブレーター26aをフレーム28に懸吊支持するばね27とからなる。
振動方向は、上方又は搬送方向に沿って斜め前上方とされる。従って木質材片Cは突き上げられた調子で上方又は斜め前方向に跳ね、位置を変えて落下し、再び跳ね出されて更に位置を変えて落下し、これを繰り返す。振幅は、木質材片Cが跳ね出すだけの振幅であれば特に制限されないが、通常1mm〜3mm程度とされる。振動により配向装置22の下端部が搬送装置4に接触すると、振幅が小さくなったり振動周期が乱れて振動効果が低減し、木質材片Cが配向板23同士の間又は配向溝24aに詰まりやすくなるので、配向装置22は搬送装置4と接触しないようにしなければならない。また、これ以降の配向積層装置では、木質積層マットMの上面に接触すればせっかく配向積層された木質積層マットMが崩れるので、接触してはならない。
図4は、発明5の均し具の一例を示す斜視図である。図4(a)は均し具5が均しローラー51である一例、図4(b)は棒である一例、図4(c)は堰板である一例であるが、下面が水平な線状又は平面であればこの形状に限らない。いずれも、均し具5の長さ方向が木質積層マットCの長さ方向と略直角となるように配置される。
均しローラー51の下面は木質積層マットCの上面に触れ、これを平らに均す。均しローラー51の下面の高さは、例えば、均しローラー51の両端の軸受けを配向積層装置1のフレームにねじ等で固定し、ねじを回転してその高さを変える方法などが挙げられる。また、木質積層マットMは比重が軽いので、木質積層マットMの表面を強く押さなくても均すことが出来る。従って、均し具5は、ばね等を介してフレームに装着し、均しロール51の重量による押し圧を任意に変更できるようにされていても良い。
図5は、配向装置22の下端部下の自由空間の高さdを変更する方法の一例を示す部分断面図である。配向装置22は、ばね27で配向積層装置2のフレーム28に取り付けられた上下に移動可能な懸吊板29に止められている。懸吊板29には雌ねじ30が設けられ、フレーム28にはこの雌ねじ30に螺合する雄ねじ31が取り付けられ、雄ねじ31は電動モーター32によって回転可能とされている。
電動モーター32は、木質積層マットの高さを検出する高さ計(図示せず)からの信号を受けて回転し、雄ねじ31を回転させることで懸吊板29を上下に移動させて配向装置を上下に移動可能とされている。また、高さ計を用いず、目視で高さを観察し、手動で電動モーター等を作動させて高さを調節しても良い。このようにして、懸吊板29の上下動に従って配向装置22は上下に移動され、配向装置22下の自由空間の高さdが変更される。
3台の配向積層装置2、2’2”は、搬送装置4の搬送方向に沿って所定のピッチで列設される。最上流に配置される第1の配向装置2においては、自由空間の高さdは、ほぼ1回の配向積層動作で得る木質積層マットMの高さ程度を上限としそれ以下に設定され、かつ配向装置の上下方向の振幅より大とされる。これに続く配向装置2’、2”においても自由空間の高さdは同様に設定される。従って、木質積層マットMは3台の配向装置によって順次積み重ねられて、所望の厚さとされる。
第2の配向積層装置2’においては、第1の配向積層装置2から供給される木質積層マットMの高さに応じて、配向装置22’の下端部下の自由空間の高さdを調節する必要があるので、配向装置22’に投入する木質材片Cの重量を供給装置21’で連続して計測して制御し、投入される木質材片Cの重量が均一となるようにスケールコンベアー211’の移動速度を制御する。従って、第2の配向装置2’で積層される木質積層マットMの高さを均一にすることが出来る。
更に、これに続く配向積層装置2”の手前で積層マットMの高さを測定し、配向装置22”高さを変更して自由空間の高さdをすることにより、その配向装置22”で配向積層する時の積層マットMの高さを、自由空間の高さd以下にすることが可能となる。
上記手段により、木質材片Cが配向積層装置2より搬送装置4上面、又は積層木質積層マットM上面に積層される時、自由空間の高さdを木質材片の高さ以下に抑えることにより、木質材片Cが自由空間を落下する際の配向の乱れを制御し、配向装置22で配向された配向度合いを維持した状態で、搬送装置4又は木質積層マットMの上に積み重ねて積層することが出来る。
次に、木質積層マットの形成装置により厚さが厚い木質系複合材料を得る手順を説明する。まず、廃木材を粉砕機や切削機などで粉砕又は切削して得た破砕木質材片を、ウェーブローラー方式の分級機で分級し、高さ1mm〜11mm、長さ1cm〜15cm程度の分級済み木質材片を得る。
次に、得られた木質材片を温度40℃〜90℃、相対湿度1%〜60%の雰囲気に保たれた恒温恒湿室に入れて12時間以上放置し、木質材片を所定の含水率に調節する。含水率を調節した木質材片を、ドラムブレンダーに投入し、結合剤をドラムブレンダー内因木質材片にスプレー散布し、ドラムブレンダー内で木質材片に結合剤を担持させて結合剤が付着された木質材片Cを得る。なお、以上の木質材片に結合剤を付着させるまでの手順は図示していない。
得られた結合剤が付着された木質材片Cを、供給装置21のスケールコンベアー211の上流側に投入する。供給装置21に設けられた重量計で木質材片Cの投入重量を連続して計量し、ベルトコンベアー211の移動速度を適宜変更し、単位時間当たりの供給重量が一定となるようにする。ベルトコンベアー211に備えられた均しロール212で木質材片Cの厚みが一定となるように均しながら配向装置22の上流側に連続的に供給する。
この配向積層装置2においては、配向装置22は配向板23の上側に配向溝24aが固定されている。配向溝24aは、配向板23同士の間に位置するように配置されている。従って、配向装置22は振動付与手段26によって上方又は搬送方向に向かって斜め前上方に振動され、この振動によって、木質材片Cは跳ねながら配向溝24a上を一部配向されつつ移動し、配向溝24aに沿って下流側に移動しながら排出口24bから落下し、スムースに配向板23同士の隙間に導かれてこの間を通過して配向され、搬送装置4上又は木質積層マットM上に積層される。
配向積層装置2、2’、2”においては、配向装置22の下端部下の自由空間の高さdを5mmとし配向装置22の上下方向の振幅を2mmとした。
配向積層装置2で搬送装置4上に積層された木質積層マットMは、次の配向積層装置2’の手前で均しロール51に接触し、その上面高さを平らに均される。この時の接触圧力は軽いので、木質積層マットM上表面にある木質材片Cはその配向が乱されない。上面を均された木質積層マットMの上に、第2の配向積層装置2’から次の木質材片Cが配向積層され、木質積層マットMの高さが厚くされる。
このようにして所望の高さになるまで積層された木質積層マットMは、搬送装置4上をプレス機まで搬送され、所定の温度、圧力、時間条件でプレス成形して、木質系複合材料を連続的に得られるようになっている。
3台の配向積層装置が列設された木質積層マットの形成装置の一例の 1台の配向積層装置の部分拡大斜視図である。 配向装置の配向板とその下方の自由空間の関係の一例を示す正面図である。 木質積層マットの上面高さを均す均し具の一例を示す斜視図である。 (a)均し具がローラーである一例である。 (b)均し具が棒である一例である。 (c)均し具が堰板である一例である。 発明3の配向装置の下端辺下の自由空間の高さを変更する方法の一例を示す部分断面図である。
符号の説明
1 木質積層マットの形成装置
2 配向積層装置
21 供給装置
211 ベルトコンベアー(スケールコンベアー)
212 均しロール
22 配向装置
23 配向板
24a 配向溝
24b 排出口
25 立ち上げ壁
25a 水平バー
26 振動付与手段
26a バイブレーター
27 ばね
28 フレーム
29 懸吊板
30 雌ねじ
31 雄ねじ
32 電動モーター
4 搬送装置
5 均し具
51 均しローラー
C 結合剤が付着された木質材片
M 木質積層マット

Claims (7)

  1. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、
    木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、
    搬送装置上方に列設し、
    少なくとも最初の木質材片配向積層装置の供給装置で、木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら、木質材片を供給装置から配向装置へ供給し、配向装置で、木質材片が配向されかつ高さが略一定とされた木質積層マットを搬送装置上に積層し、
    以降の木質材片配向積層装置で、高さが略一定とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くする
    ことを特徴とする木質材片の配向積層方法。
  2. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、
    木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、
    搬送装置上方に列設し、
    上記列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具を設け、
    搬送装置で搬送される木質積層マットの上面にその均し具を接触させて上面高さを略均一にしてから、上面高さを略均一に均された木質積層マットを以降の木質材片配向積層装置に搬送し、
    以降の木質材片配向積層装置で、高さが略均一とされた木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くする
    ことを特徴とする木質材片の配向積層方法。
  3. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片をほぼ長さ方向に揃えて配向積層して木質積層マットとし、この木質積層マットの上に配向した木質材片を更に積み重ねて厚い木質積層マットを得る木質積層マットの形成方法であって、
    木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    配向した木質材片を搬送装置上に積層する木質材片配向積層装置の複数台を、
    搬送装置上方に列設し、
    木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、
    該高さ調節装置により、配向装置の高さを、その木質材片配向積層装置の前に配置される木質材片配向積層装置から搬送されてくる木質積層マットの上面高さの変動に併せて調節して木質積層マットの高さを調節し、
    木質積層マットを搬送装置上に積層して以降の木質材片配向積層装置に搬送し、
    以降の木質材片配向積層装置で、木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて積層して木質積層マットを厚くすることを特徴とする木質材片の配向積層方法。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の方法により積層された木質積層マットをプレス成形装
    置に供給し、加圧または加熱成型されて所望の高さの木質系複合材料を得ることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  5. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台の木質材片配向積層装置を、
    搬送装置上方に列設し、
    供給装置に、木質材片の供給量を連続して測定する計量装置と供給量の制御装置とが備えられ、
    木質材片の単位時間当たり供給量が一定となるように供給量を制御しながら木質材片を供給装置から配向装置へ供給して搬送装置上に木質積層マットを形成し、
    木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くする
    ことを特徴とする木質積層マットの形成装置。
  6. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台の木質材片配向積層装置を、
    搬送装置上方に列設し、
    列設された木質材片配向積層装置同士の間に、木質積層マットの上面高さの均し具が設けられ、
    搬送装置で搬送される木質積層マットの上面に均し具を接触させて上面の高さを略均一にしてから、その木質積層マットを次の木質材片配向積層装置に搬送して搬送装置上に木質積層マットを形成し、
    木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くする
    ことを特徴とする木質積層マットの形成装置。
  7. 結合剤が付着された細長い多数の木質材片を供給する供給装置と、
    供給装置の下方に配置され、木質材片の搬送方向と平行に立設された複数の板又は並設された複数の溝からなる配向装置とで構成される、
    上記木質材片をほぼ長さ方向に揃えて搬送装置上に積層して木質積層マットとする複数台木質材片配向積層装置を、
    搬送装置上方に列設し、
    木質材片配向積層装置に、配向装置の高さを調節する高さ調節装置が設けられ、
    その木質材片配向積層装置に搬送されてくる木質積層マットの高さの変動に合わせて、該高さ調節装置で配向装置の高さを調節して搬送装置上に木質積層マットを形成し、
    木質材片配向積層装置毎に木質積層マットの上に更に木質積層マットを積み重ねて木質積層マットを厚くする
    ことを特徴とする木質積層マットの形成装置。
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