JP2004142156A - 木質材料片の配向積層装置及び木質系複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】木質材料片の供給が多くても、全ての木質材料片が配向され、かつ装置長さが短い、木質材料片の配向積層装置、及び、この装置を用いることで強度が高くかつ強度バラツキが少ない木質複合材の製造方法並びにその方法を用いた木質複合材の製造装置を提供しする目的で行われたものである。
【解決手段】木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い木質材料片を結合剤と共に加圧成形して高強度木質系複合材料を得る際の、木質材料片を配向し、積層し、搬送する装置及びその装置を用いて木質系複合材を製造する方法、並びにその方法により木質系複合材を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
結合剤が混和された木質材料片を、木質材料片の繊維方向(異方性材料の高強度方向)と同方向に揃えて、即ち配向して、木質系マットを形成し、これを加圧又は加熱工程などを経て固着させ、成形した成形板は、その繊維方向の機械的強度並びに、物理的強度が飛躍的に向上することが知られており、LSL(ラミネーティッド・ストランド・ランバー)やPSL(パラレル・ストランドランバー)といった、構造材として使用可能なものが存在している。
【0003】
木質材料片の配向積層装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔をおいて配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間を木質材料片が通過させることによって木質材料片を配向する装置や、平行に併設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復運動する板間を木質材料片が通過することによって配向するものなどがある。
【0004】
しかしながら、これらの装置は、配向板によって縦横の同一平面内においては、木質材料片は一方向に配列されるが、上下方向については自然落下のために、配向されにくいものであった。
【0005】
自然落下によって配向しない木質材料片を少なくする装置として、例えば、木材削片の供給位置から下部に配設された搬送コンベアに向かって、両側に側壁を取着した基板を任意の傾斜角を有して配設し、前記基板の傾斜方向と直交する幅方向に下部断面を連続する凹凸形状に形成すると共に、該凹凸形状を前記基板の傾斜方向と平行に延在せしめ、さらに前記基板に振動を付与することを特徴とする木質削片の配向装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
上記装置は、投下される木質削片は、投下された直後の中空位置においては、無指向な状態であるが、凹凸形状の各凹部に分散落下され、かつ基板の振動を受けるため、その初期段階において、基板の傾斜方向、即ち振動搬送方向への配向作用が開始される。
【0007】
この状態において、木質削片の先端が無指向な状態で凹凸形状の凹部、即ち波形状においては湾曲面また三角形状とされた傾斜面に落下すると、木質削片の長さ方向は、基板の振動によって凹部の面と平行に倣う作用を受けることになり、また凸部に振動衝止すると木質削片の長さ方向は、その反作用として衝止角度に対して鋭角の方向、即ち凸部と平行な方向へ回転しようとするモーメントを受けることになる。従って、回転しようとするモーメントを受けた木質削片の長さ方向は、隣接する他の木材削片によって規制されながら基板の傾斜方向へ振動搬送され配向されことになる。
【0008】
【特許文献1】特開昭59−48324号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記の装置では、高い配向性が得られる半面、木質削片の投入量が多くなると、凸部に衝止して凸部と平行な方向へ回転しようとするモーメントを受けた木質削片が、その上部に位置する木質削片にあたることによって回転することができなくなり、その結果、凹凸形状の凹部の間隔よりも長い木質材料片が凹部に落下することなく、凸部を横断しながらそのまま配向されずに搬送されることがあった。
【0010】
この状態の木質削片は、自然落下により配向されないまま積層されてしまうという問題点があり、加えて、この問題点の解決のためには、上部に位置する木質削片の数を減らし、回転モーメントを受けた木質削片を、配向した状態で凹部に分散落下させるために、基板下部の凹凸形状を有する箇所の長さを長くしなければならず、装置長さが長くなるという問題点があった
【0011】
即ち、本発明は、木質材料片の供給が多くても、全ての木質材料片が配向され、かつ装置長さが短い、木質材料片の配向積層装置、及び、この装置を用いることで強度が高くかつ強度バラツキが少ない木質系複合材の製造方法並びにその方法を用いた木質系複合材の製造装置を提供しする目的で行われたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1記載の木質材料片の配向積層装置(発明1)は、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられていることを特徴とする木質材料片の配向積層装置である。
【0013】
請求項2記載の木質材料片の配向積層装置(発明2)は、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上辺または該樋状の側壁上辺の高さが高い辺と低い辺とを有しており、高さが同じ辺同士が隣接しないように配置され、溝部を振動させる装置が設けられていることを特徴とする木質材料片の配向積層装置である。
【0014】
請求項3記載の木質系複合材の製造方法(発明3)は、少なくとも、木質材料片と結合剤とを混和する工程と、これを配向し積層する工程と、配向され積層された木質材料片を加圧成形する工程とからなる木質系複合材の製造方法において、上記配向し積層する工程が請求項1又は2記載の配向積層装置で行われることを特徴とする木質系複合材の製造方法である。
【0015】
発明1乃至発明3において、木質材料片を積層して搬送する溝部は、その幅方向の断面形状が、複数の断面凹凸形状又は複数の樋状とされている。その断面形状としては、略V字形、略U字形、略凵(カン)形等が挙げられ、略V字形、略U字形のように、下方に向かって収束している断面形状が、投入された木質材料片を配向させる能力が良いので好ましく、略凵(カン)形は配向された木質材料片の積層可能量が多くなるので好ましい。その凹凸形状の凸部端辺または該樋状の側壁端辺は、上方に突出して仕切り板とされても良く、別に準備した仕切り板が取り付けられていても良い。
【0016】
溝部は、上記凹凸形状の凸部または該樋状の側壁(以降、溝壁という。)により深さが設けられている。この溝壁は、溝内に木質材料片が配向されて積層され、溝部の振動により出口方向に搬送される時に、配向や積層が乱れないようにするものである。従って、その材質としては、例えば一例として、鉄、鋼、ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄合金、アルミニウム合金、銅合金等の金属類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アミド樹脂、アクリル−スチレン−ブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂類;エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等熱硬化性樹脂類;これらを繊維類で強化した複合樹脂類;各種木材類;これらの各種材料の表面を塗装、防腐、高硬度化、高滑性化加工した材料類等が挙げられる。
【0017】
加えて、上記溝部に配向積層された木質材料片を、次の加圧成形工程に移動させる時に配向の乱れがないようにするために、溝壁又は溝部底面の搬送出口近傍は、摩擦係数が小さくかつ軽量のものとされていても良く、材質としては金属、プラスチック等が用いられても良い。
また、木質材料片の厚さと溝部の溝幅とは、高強度の木質系複合材料を得るために、より好ましい関係があり、例えば、木質材料片の厚さが1mm〜11mmである場合、溝幅を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質材料片の厚さが3mm〜5mmである場合、溝幅を20mm〜30mmとすることが好ましい。
【0018】
溝幅が狭過ぎると、木質材料片が溝内にスムーズに落ちず、溝幅が広過ぎると、木質材料片の配向が不十分となり、得られる木質系複合材料の配向方向での必要強度が得られなくなる恐れがある。
【0019】
発明1においては、溝壁上部に突起物が設けられる。この突起物は、投入された木質材料片がこの突起物に衝突して回転し、上記溝内に落下することを補助する役割りを果たす。即ち、細長い木質材料片が該溝壁上部に跨ってしまうことが発生した場合、溝部が振動しているために、溝壁上部に跨った木質材料片は、揺さぶられて突起物に衝突して回転モーメントが発生し、その向きを変えての突起物の両側のいずれかの溝内に落下する。
【0020】
突起物の材質としては、供給される木質材料片が衝突しても損傷しない強度であれば特に限定されないが、溝部と同じものであっても良く、異なるものであっても良い。例えば一例として、鉄、鋼、ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄合金、アルミニウム合金、銅合金等の金属類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アミド樹脂、アクリル−スチレン−ブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂類;エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等熱硬化性樹脂類;これらを繊維類で強化した複合樹脂類;各種木材、類;これらの各種材料の表面を塗装、防腐、高硬度化、高滑性化加工した材料類等が上げられる。
【0021】
突起物の断面形状は、木質材料片のどの部分が衝突してもその方向を変えることができればどのような形状でも構わず、例えば、三角形、四角形、その他の多角形、円形、楕円形等の曲面形状等が上げられるが、長さ方向を確実に変え易い滑らかな曲線状が好ましく、特に円状、楕円状等が好ましい。又、その先端形状も、供給される木質材料片が突き刺さらない、または木質材料片にある裂け目に食い込まないために、丸くなっていることが好ましい。更に、突起物は、太さが一定な柱状であっても錐状あるいは逆錐形状や太鼓状、若しくは鼓状であっても構わない。
【0022】
突起物のサイズは、溝壁高さと、突起物の材質と、供給される木質材料片のサイズとによって適宜変更して決められる。例えば、溝壁高さ100mmで突起物がステンレススチールの場合、木質材料片のサイズが、太さ1mmから20mm、長さ5mmから300mmの場合では、突起物のサイズは、太さ2mmから10mm、長さ100mm程度とされる。
【0023】
隣り合う突起物の軸の傾き角度は、溝壁上辺に対して垂直又は垂直から30度傾いた状態までが好ましい。これ以上傾くと突起物と溝壁とがなす狭い角度の方の隙間に木質材料片が食い込んで動かなくなってしまう恐れがあるからである。
【0024】
また、隣り合う突起物同士の間隔は、溝壁上に跨って乗った木質材料片が、突起物によって回転された時に、隣の突起物によって回転が妨げられない距離だけあけた間隔とされる。従って、供給される木質材料片のサイズによって適宜変更して決められれば良く、例えば、前述サイズの木質材料片の場合では、その長さが最大300mm以下であるから、隣り合う突起物間間隔は300mmより大であればよい。更に言うなら、少なくとも150mmより大であれば、木質材料片のいずれかの先端迄の距離が、隣り合う突起物の間隔より短くなるので、回転が可能となる。但し、あまり大きすぎても、木質材料片が突起物に接触する機会が減ってしまうので、適宜状況に合わせて決められれば良い。
【0025】
発明2においては、溝部を構成する溝壁の上端辺は、高い端辺と低い端辺とを有している。溝壁端辺の高さは、例えば、交互に高低が繰り返されたり、交互に高低が繰り返された隣り合う溝壁同士の間に、更に低い高さの仕切り板(以降、溝壁には仕切板も含む。)が配置されている構造、又は高低がランダムに配置される構造等とされる。但し、ランダムに配置される場合は、高い溝壁同士が隣り合わないようにされる。
【0026】
この場合、溝幅は、隣り合う溝壁同士の間隔となるので、最も高い溝壁同士の間隔の間隔は、少なくとも溝幅の2倍以上となる。従って、最も高い溝壁同士の間に架かった木質材料片は、振動で重心を移動させてどちらか一方の溝壁から外れ、低い溝壁に掛かって斜めの状態となる。この状態で更に振動が加えられると、斜めに掛かった木質材料片は溝内に落下し、配向された状態となる。
【0027】
なお、溝壁同士の間に架かった木質材料片の落下をより確実にし易くするために、最も高い溝壁上部に、前述と同様の突起物を設けても良い。
【0028】
発明1又は発明2においては、木質材料片の移動は、溝部を振動させて行われる。単位時間当たりの木質材料片の移動量(処理量)は、付加される振動の振幅、振動数、振動方向、及び溝の傾斜角度によって決まる。
【0029】
配向積層装置は、木質材料片の運搬方向に沿って溝部底面が傾斜され、通常は傾斜上部近傍から木質材料片が供給される。底面の傾斜角度は、木質材料片が振動によって、スムースに下方に移動する程度とされ、木質材料片の材質や吸水率、サイズや、又は床板や仕切板の材質や表面状態等によって適宜変更して決められる。即ち、通常は水平方向から0度から45度の間とされるが、5度より小さければ移動速度が遅すぎて処理可能量に対して装置が大きくなり、45度より大きければ移動速度が早すぎて未配向の木質材料片が次工程に送られてしまう恐れがある。好ましくは、10度から30度の間とされる場合が多い。
【0030】
本装置においては溝部を振動させる。振動の方向は、木質材料片を搬送したい方向に向け、水平方向から斜め上方とされる。振動により溝壁が振動し、溝壁上に架かった木質材料片は、溝壁上で踊りながら搬送方向に移動すると同時に、その重心位置がずれ、発明1の場合では突起物に衝突して回転モーメントが与えられ溝内に落下する。発明2の場合では、一番長い間隔の溝壁同士の上に架かった木質材料片が、その溝壁からズレ落ちて低い溝壁に掛かり、斜めになって更に振動を受けるので、溝内に落下する。
【0031】
振動の振幅、又は振動数は、溝壁上に跨った木質材料片が溝内に落下し、かつ溝内に配向し積層された木質材料片が、再び踊り出してその配向が乱れない程度であれば良く、供給される木質材料片の量や性状、サイズ等によって適宜選択して決められれば良い。
【0032】
溝部を振動させる装置の振動付与手段は、特に限定されないが、振幅、振動数又は振動方向が可変であって、状況に合わせて最適の振動条件を選択できるものが好ましい。
【0033】
発明3の木質系複合材の製造方法は、少なくとも、木質材料片と結合剤とを混和する工程(工程1)と、これを配向し積層する工程(工程2)と、配向され積層された木質材料片を加圧成形する工程(工程3)とからなる。この内の工程2が、発明1の配向積層装置で行われる。
【0034】
工程1において、木質材料片の形状は、樹木の繊維方向が長さ方向と同じ方向とされたチップであり、厚さ及び幅は、いずれも1mm以上で上限は特にないが、製造される木質系複合材の厚さの5分の1以下とされることが好ましい。長さは幅又は厚さの大きい方の寸法の5倍以上が好ましい。
【0035】
供給される木質材料片の樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。 原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0036】
上記原料材を木質材料片にする加工方法としては、ハンマーミルや、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。
【0037】
そして、上記のようにして破砕された木質材料片は、その厚さや長さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の大きさの木質材料片に分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さや長さで分級できるものであれば特に限定されない。例えば、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。
【0038】
例えばハンマーミルで破砕された木質材料片をウェーブローラー方式を用いて分級すれば、通常、厚さが1mm〜20mm程度、長さが0mm〜250mm程度で、長さが厚さより大きい形状となる。好ましくは、厚さが1mm〜8mm程度、長さが1mm〜150mm程度で、長さが厚さより大きい形状とされる。
【0039】
さらに、木質材料片は、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時される木質系複合材の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜10%である。
【0040】
含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質材料片を放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
【0041】
分級され含水率を一定にされた木質材料片は、積層前に、通常、塗布等によって結合剤と混合されるが、結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。
【0042】
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質材料片に噴霧したり、木質材料片と撹拌混合して予め木質材料片に担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質材料片と均一に混合した状態で、配向積層装置に供給される。
【0043】
結合剤の混和量は、木質材料片の密度、形状、表面状態にもよるが、通常は、木質材料片の重量に対して、1〜20重量%が好ましい。これ以下だと接着が不十分となり、これ以上だと接着性能的に無駄であるうえ、外観や釘打ち性能が木質的でなくなる恐れがある。
【0044】
上記木質材料片と結合材との混和は、ベルトコンベアー上やドラムブレンダー内等で、木質材料片の表面に、結合材をスプレー等の塗布方法を用いて付着させることにより行われる。
【0045】
工程2では、発明1の配向積層方法が適用される。その方法は既に詳細に述べてあるので、再述しない。
【0046】
配向積層装置から配向を乱さずに排出された木質材料片は、工程3で加熱、加圧されて木質系複合材料とされる。加熱・加圧するプレス機としては、加圧熱板を用いて木質材料片の表面から伝熱によって内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱しつつ加圧する方法がある。例えば、既存の木質系成形用の縦型プレス機や連続プレス機を水平方向動作にしたものが用いられても良い。
【0047】
なお、加圧圧力や加熱温度、加圧時間等は、用いられる木質材料片の種類やサイズ、その乾燥度、あるいは混合される結合剤の種類と量、若しくは目的とする木質系複合材の性能等によって適宜変更される。
【0048】
(作用)
発明1においては、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が、幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられているので、矩形底面と、底面の両側端から垂直方向へ平行に伸びる側板と、両側板の間に側板と平行で同じ向きに同間隔となるように複数の仕切板が設けられ、それぞれの仕切り板の上辺に垂直方向へ伸びる複数の突起物が同間隔となるように突設され、底面が長辺軸に沿った傾斜面とされ、底面が上下方向又は左右方向に振動され、傾斜の高い方の底面端辺近傍から木質材料片を投入し、傾斜の低い方の底面端辺から木質材料片を排出するので、投入された木質材料片は、溝壁上端片に衝突して反作用を受け、上方に反発されて浮き上がると共に突起物に衝突し、回転のモーメントが与えられて確実に回転し、仮にその上方から多くの木質材料片が落下してきても、確実に回転して溝内に落下する。
【0049】
発明2においては、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上辺または該樋状の側壁上辺の高さが高い辺と低い辺とを有しており、高さが同じ辺同士が隣接しないように配置され、溝部を振動させる装置が設けられているので、最も高い溝壁同士の間に架かった木質材料片は、振動で重心を移動させてどちらか一方の端部が溝壁から外れ、外れた一端部が低い溝壁に掛かって斜めの状態となる。この状態で更に振動が加えられると、斜めに掛かった木質材料片は、仮にその上方から多くの木質材料片が落下してきても、出口方向に移動しながら確実に回転し、溝内に落下して配向された状態で積層される。
【0050】
更に、例えば溝壁の底面からの高さが一枚おきに低くされ、隣り合う仕切り板同士の間に、更に低い高さの溝壁が配置されていると、最も高い溝壁同士の間隔が更に広くなるので、上記の作用がより効果的となる。
【0051】
発明3の、少なくとも木質材料片と結合剤とを混和する工程と、これを配向し積層する工程と、加圧成形する工程とからなる木質系複合材の製造方法においては、上記配向し積層する工程が、発明1又は発明2の配向積層装置で行われるので、仮に多くの木質材料片を一度に投入しても木質材料片が確実に配向され、従って加熱・加圧して成形された木質系複合材の強度が向上し、かつそのバラツキが少なくなる、木質系複合材の製造方法となる。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に本発明の配向積層装置を図面を参照しながら説明する。図1(a)は発明1の配向積層装置の一例の平面図、図1(b)はその正面図、図1(c)はその側面図である。なお、本例は説明のために実施の一例を記したものであり、寸法や形状、材質等については、ここに記したものが全てではないことは当然である。
【0053】
幅300mm、長さ850mmのステンレススチール製の矩形底面1の両側端から、厚さ1mm、高さ100mmのステンレススチール製側板21、22が、垂直方向に互いに平行になるように取り付けられ、両側板21、22の間に、側板2と平行で同じ向きに、かつ同間隔となるように、厚さ1mm、高さ100mmの複数のステンレススチール製仕切板31、32、・・・が取り付けられている。底板1、側板2、仕切板3とは、溝41、42、・・・を構成している。溝4は、幅24mmとされている。
【0054】
図2は、溝底面の底板1の断面の一例である。図2(a)は略V字形、図2(b)は略U字形、図2(c)は略凵(カン)形の例であり、本説明のために引用した例は、図2(c)のものである。
【0055】
底板1と側板2、又は底板1と仕切板3とは、どのような方法で取り付けられていても構わないが、上記溝4内に配向積層された木質材料片Sがスムースに移動できるよう、本例では、一般的な溶接法により接続取り付けされ、溶接線は凹凸なきよう滑らかに仕上げられている。
【0056】
それぞれの仕切り板31,32,・・・の上辺には、垂直方向へ伸びる、複数のステンレススチール製突起物51、52、・・・が、隣接する突起物51、52、・・・同士の間隔が同じとなるように突設されている。
【0057】
突起物5は、円筒状棒体であり、上端が滑らかな略半球状に仕上げられている。その太さは直径1mm、長さは20mmとされ、取り付け角度は全て仕切板3の稜線から直角となるように、溶接法で接続固定されている。突起物同士の間隔は100mmとされている。
【0058】
底面1は、側板2方向に沿った傾斜面とされている。傾斜角度は10度とされている。
【0059】
底面1は、振動付加装置6により傾斜面に沿った方向に振動されるようになっている。振動付加装置は、電磁フィーダー(神鋼電機社製、type F−22BDT)とし、このトラフにスリット板を設けたものを用いた。
【0060】
振動付加装置6を振動させると、底板1が振動し、底板1に固定されている側板2、仕切板3、突起物5が振動する。従って、投入された木質材料片Sは振動を受けながら溝4内に配向積層される。振動の振幅は、適宜、木質材料片Sの配向の様子を見ながら変更可能とされている。
【0061】
木質材料片Sは、通常、傾斜の高い方の上端辺11近傍から投入され、傾斜の低い方の下端辺12から次工程に繋がるベルトコンベアー等搬送装置7上に排出される。なお、下端辺12と上記ベルトコンベアー7等搬送装置との隙間は、5mmとされている。
【0062】
図3は発明2の配向積層装置の一例の正面図、図4はその配向積層装置の別の一例の正面図である。図3においては、両側板21、22は150mm高さとされ、高さ100mmの仕切板31、33、・・・と高さ150mmの仕切板32、34、・・・とが互い違いに配置されて溝41、42、43、・・・が構成されている。図4においては、両側板21、22は150mm高さとされ、高さ100mmの仕切板と高さ150mmの仕切板とが交互に配置され、更にそれらの仕切板の間にその中間の高さの仕切板が設けられて、溝41、42、43、・・・が構成されている。即ち、一方の側板から順に、高、低、中、低、高、低、中、低、高と仕切板が並べられていることになる。
【0063】
(実施例1)
木材廃棄物業者から購入したボード用木質材料片をウェーブローラー方式の分級機ウェーブローラースクリーン(株式会社たいへい社製)を用いて厚さ1mm〜8mmの木質材料片を分級した。得られた木質材料片Sを、50℃に調節した加熱オーブン(コンドー科学社製、熱風乾燥機)中に24時間おき、含水量を調節した。オーブン中におく前後の重量を測定し、含水量調節後の含水量は5.2重量%であった。
【0064】
次にドラムブレンダー(自社製作、ドラム径1,000mmφ、ドラム長さ800mm、回転数0.1〜15rpm可変、接着剤噴霧装置付き)に、上記含水量調節済みの木質材料片Sを投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を木質材料片に対し5重量%を噴霧しつつ、その表面に塗布した。
【0065】
図5は、本発明にかかる配向積層装置の使用実態の一例を示す側面図である。本例は、高さ100mmの仕切板を24mm間隔で並列して溝を形成し、仕切板の上部に、直径1mm、高さ20mmの円柱状突起物を固定し、底板の傾斜が木質材料片の移動方向側が低くなるように30度の角度で配置した、発明1の配向積層装置が組み込まれたものである。この配向積層装置を用い、振動付加装置6で、周波数60Hz、振幅1.2mmで配向積層装置全体を傾斜方向に振動させつつ、結合剤を塗布された上記木質材料片Sを、毎分24kgの割合で、傾斜上端辺11近傍から供給した。木質材料片Sの移動速度は、毎分10mmであり、木質材料片Sの供給量も同じとした。
【0066】
傾斜下端辺12の下方に配置されたベルトコンベアー7の搬送速度を11mm/分とし、傾斜下端辺12から、配向積層された木質材料片Sを、コンベアー上に排出してマット状とし、次工程に搬送した。得られたベルトコンベアー7上のマット状木質材料片Sの状態を目視して、配向状態を確認した。
【0067】
(実施例2)
仕切板の高さを、1枚おきに70mmとし、突起物を設けなかった以外は実施例1と同様にして、木質材料片Sを供給した。
【0068】
(比較例1)
突起物を取り付けなかった以外は実施例1と同様にして、木質材料片Sを供給した。
【0069】
実施例1及び実施例2では、いずれも木質材料片は全て溝内に落下して配向され、しっかりと配向され積層されたマットとして次工程に搬送できた。しかしながら比較例1においては、主に長さ100mm以上の木質材料片が溝の中に落ちきらず、傾斜下端片からコンベアーの上に落下して、溝内で配向積層された木質材料片がコンベアー状に落下して得られるマットの配向を乱してしまった。
【0070】
【発明の効果】
以上の通りであるから、本発明の木質材料片の配向積層装置は、木質材料片の供給が多くても、全ての木質材料片が配向され、かつ装置長さが短い、木質材料片の配向積層装置となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 発明1の配向積層装置の一例の平面図である。
(b) その正面図である。
(c) その側面図である。
【図2】(a) 底板1の断面が略V字形であるものの一例の断面図である。
(b) 底板1の断面が略U字形であるものの一例の断面図である。
(c) 底板1の断面が略凵(カン)形であるものの一例の断面図である。
【図3】発明2の配向積層装置の実施の一例の正面図である。
【図4】発明2の配向積層装置の実施の別の一例の正面図である。
【図5】本発明にかかる配向積層装置の使用実態の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 矩形底板
12 傾斜上端辺
13 傾斜下端辺
2(21,22、23、・・・) 側板
3(31、32、33,・・・) 仕切板
4(41,42、43、・・・) 溝
5(51,52,53,・・・) 突起物
6 振動付加装置
7 次工程搬送機(ベルトコンベアー)
S 木質材料片
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い木質材料片を結合剤と共に加圧成形して高強度木質系複合材料を得る際の、木質材料片を配向し、積層し、搬送する装置及びその装置を用いて木質系複合材を製造する方法、並びにその方法により木質系複合材を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
結合剤が混和された木質材料片を、木質材料片の繊維方向(異方性材料の高強度方向)と同方向に揃えて、即ち配向して、木質系マットを形成し、これを加圧又は加熱工程などを経て固着させ、成形した成形板は、その繊維方向の機械的強度並びに、物理的強度が飛躍的に向上することが知られており、LSL(ラミネーティッド・ストランド・ランバー)やPSL(パラレル・ストランドランバー)といった、構造材として使用可能なものが存在している。
【0003】
木質材料片の配向積層装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔をおいて配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間を木質材料片が通過させることによって木質材料片を配向する装置や、平行に併設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復運動する板間を木質材料片が通過することによって配向するものなどがある。
【0004】
しかしながら、これらの装置は、配向板によって縦横の同一平面内においては、木質材料片は一方向に配列されるが、上下方向については自然落下のために、配向されにくいものであった。
【0005】
自然落下によって配向しない木質材料片を少なくする装置として、例えば、木材削片の供給位置から下部に配設された搬送コンベアに向かって、両側に側壁を取着した基板を任意の傾斜角を有して配設し、前記基板の傾斜方向と直交する幅方向に下部断面を連続する凹凸形状に形成すると共に、該凹凸形状を前記基板の傾斜方向と平行に延在せしめ、さらに前記基板に振動を付与することを特徴とする木質削片の配向装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
上記装置は、投下される木質削片は、投下された直後の中空位置においては、無指向な状態であるが、凹凸形状の各凹部に分散落下され、かつ基板の振動を受けるため、その初期段階において、基板の傾斜方向、即ち振動搬送方向への配向作用が開始される。
【0007】
この状態において、木質削片の先端が無指向な状態で凹凸形状の凹部、即ち波形状においては湾曲面また三角形状とされた傾斜面に落下すると、木質削片の長さ方向は、基板の振動によって凹部の面と平行に倣う作用を受けることになり、また凸部に振動衝止すると木質削片の長さ方向は、その反作用として衝止角度に対して鋭角の方向、即ち凸部と平行な方向へ回転しようとするモーメントを受けることになる。従って、回転しようとするモーメントを受けた木質削片の長さ方向は、隣接する他の木材削片によって規制されながら基板の傾斜方向へ振動搬送され配向されことになる。
【0008】
【特許文献1】特開昭59−48324号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記の装置では、高い配向性が得られる半面、木質削片の投入量が多くなると、凸部に衝止して凸部と平行な方向へ回転しようとするモーメントを受けた木質削片が、その上部に位置する木質削片にあたることによって回転することができなくなり、その結果、凹凸形状の凹部の間隔よりも長い木質材料片が凹部に落下することなく、凸部を横断しながらそのまま配向されずに搬送されることがあった。
【0010】
この状態の木質削片は、自然落下により配向されないまま積層されてしまうという問題点があり、加えて、この問題点の解決のためには、上部に位置する木質削片の数を減らし、回転モーメントを受けた木質削片を、配向した状態で凹部に分散落下させるために、基板下部の凹凸形状を有する箇所の長さを長くしなければならず、装置長さが長くなるという問題点があった
【0011】
即ち、本発明は、木質材料片の供給が多くても、全ての木質材料片が配向され、かつ装置長さが短い、木質材料片の配向積層装置、及び、この装置を用いることで強度が高くかつ強度バラツキが少ない木質系複合材の製造方法並びにその方法を用いた木質系複合材の製造装置を提供しする目的で行われたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1記載の木質材料片の配向積層装置(発明1)は、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられていることを特徴とする木質材料片の配向積層装置である。
【0013】
請求項2記載の木質材料片の配向積層装置(発明2)は、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上辺または該樋状の側壁上辺の高さが高い辺と低い辺とを有しており、高さが同じ辺同士が隣接しないように配置され、溝部を振動させる装置が設けられていることを特徴とする木質材料片の配向積層装置である。
【0014】
請求項3記載の木質系複合材の製造方法(発明3)は、少なくとも、木質材料片と結合剤とを混和する工程と、これを配向し積層する工程と、配向され積層された木質材料片を加圧成形する工程とからなる木質系複合材の製造方法において、上記配向し積層する工程が請求項1又は2記載の配向積層装置で行われることを特徴とする木質系複合材の製造方法である。
【0015】
発明1乃至発明3において、木質材料片を積層して搬送する溝部は、その幅方向の断面形状が、複数の断面凹凸形状又は複数の樋状とされている。その断面形状としては、略V字形、略U字形、略凵(カン)形等が挙げられ、略V字形、略U字形のように、下方に向かって収束している断面形状が、投入された木質材料片を配向させる能力が良いので好ましく、略凵(カン)形は配向された木質材料片の積層可能量が多くなるので好ましい。その凹凸形状の凸部端辺または該樋状の側壁端辺は、上方に突出して仕切り板とされても良く、別に準備した仕切り板が取り付けられていても良い。
【0016】
溝部は、上記凹凸形状の凸部または該樋状の側壁(以降、溝壁という。)により深さが設けられている。この溝壁は、溝内に木質材料片が配向されて積層され、溝部の振動により出口方向に搬送される時に、配向や積層が乱れないようにするものである。従って、その材質としては、例えば一例として、鉄、鋼、ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄合金、アルミニウム合金、銅合金等の金属類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アミド樹脂、アクリル−スチレン−ブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂類;エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等熱硬化性樹脂類;これらを繊維類で強化した複合樹脂類;各種木材類;これらの各種材料の表面を塗装、防腐、高硬度化、高滑性化加工した材料類等が挙げられる。
【0017】
加えて、上記溝部に配向積層された木質材料片を、次の加圧成形工程に移動させる時に配向の乱れがないようにするために、溝壁又は溝部底面の搬送出口近傍は、摩擦係数が小さくかつ軽量のものとされていても良く、材質としては金属、プラスチック等が用いられても良い。
また、木質材料片の厚さと溝部の溝幅とは、高強度の木質系複合材料を得るために、より好ましい関係があり、例えば、木質材料片の厚さが1mm〜11mmである場合、溝幅を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質材料片の厚さが3mm〜5mmである場合、溝幅を20mm〜30mmとすることが好ましい。
【0018】
溝幅が狭過ぎると、木質材料片が溝内にスムーズに落ちず、溝幅が広過ぎると、木質材料片の配向が不十分となり、得られる木質系複合材料の配向方向での必要強度が得られなくなる恐れがある。
【0019】
発明1においては、溝壁上部に突起物が設けられる。この突起物は、投入された木質材料片がこの突起物に衝突して回転し、上記溝内に落下することを補助する役割りを果たす。即ち、細長い木質材料片が該溝壁上部に跨ってしまうことが発生した場合、溝部が振動しているために、溝壁上部に跨った木質材料片は、揺さぶられて突起物に衝突して回転モーメントが発生し、その向きを変えての突起物の両側のいずれかの溝内に落下する。
【0020】
突起物の材質としては、供給される木質材料片が衝突しても損傷しない強度であれば特に限定されないが、溝部と同じものであっても良く、異なるものであっても良い。例えば一例として、鉄、鋼、ステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄合金、アルミニウム合金、銅合金等の金属類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アミド樹脂、アクリル−スチレン−ブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂類;エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等熱硬化性樹脂類;これらを繊維類で強化した複合樹脂類;各種木材、類;これらの各種材料の表面を塗装、防腐、高硬度化、高滑性化加工した材料類等が上げられる。
【0021】
突起物の断面形状は、木質材料片のどの部分が衝突してもその方向を変えることができればどのような形状でも構わず、例えば、三角形、四角形、その他の多角形、円形、楕円形等の曲面形状等が上げられるが、長さ方向を確実に変え易い滑らかな曲線状が好ましく、特に円状、楕円状等が好ましい。又、その先端形状も、供給される木質材料片が突き刺さらない、または木質材料片にある裂け目に食い込まないために、丸くなっていることが好ましい。更に、突起物は、太さが一定な柱状であっても錐状あるいは逆錐形状や太鼓状、若しくは鼓状であっても構わない。
【0022】
突起物のサイズは、溝壁高さと、突起物の材質と、供給される木質材料片のサイズとによって適宜変更して決められる。例えば、溝壁高さ100mmで突起物がステンレススチールの場合、木質材料片のサイズが、太さ1mmから20mm、長さ5mmから300mmの場合では、突起物のサイズは、太さ2mmから10mm、長さ100mm程度とされる。
【0023】
隣り合う突起物の軸の傾き角度は、溝壁上辺に対して垂直又は垂直から30度傾いた状態までが好ましい。これ以上傾くと突起物と溝壁とがなす狭い角度の方の隙間に木質材料片が食い込んで動かなくなってしまう恐れがあるからである。
【0024】
また、隣り合う突起物同士の間隔は、溝壁上に跨って乗った木質材料片が、突起物によって回転された時に、隣の突起物によって回転が妨げられない距離だけあけた間隔とされる。従って、供給される木質材料片のサイズによって適宜変更して決められれば良く、例えば、前述サイズの木質材料片の場合では、その長さが最大300mm以下であるから、隣り合う突起物間間隔は300mmより大であればよい。更に言うなら、少なくとも150mmより大であれば、木質材料片のいずれかの先端迄の距離が、隣り合う突起物の間隔より短くなるので、回転が可能となる。但し、あまり大きすぎても、木質材料片が突起物に接触する機会が減ってしまうので、適宜状況に合わせて決められれば良い。
【0025】
発明2においては、溝部を構成する溝壁の上端辺は、高い端辺と低い端辺とを有している。溝壁端辺の高さは、例えば、交互に高低が繰り返されたり、交互に高低が繰り返された隣り合う溝壁同士の間に、更に低い高さの仕切り板(以降、溝壁には仕切板も含む。)が配置されている構造、又は高低がランダムに配置される構造等とされる。但し、ランダムに配置される場合は、高い溝壁同士が隣り合わないようにされる。
【0026】
この場合、溝幅は、隣り合う溝壁同士の間隔となるので、最も高い溝壁同士の間隔の間隔は、少なくとも溝幅の2倍以上となる。従って、最も高い溝壁同士の間に架かった木質材料片は、振動で重心を移動させてどちらか一方の溝壁から外れ、低い溝壁に掛かって斜めの状態となる。この状態で更に振動が加えられると、斜めに掛かった木質材料片は溝内に落下し、配向された状態となる。
【0027】
なお、溝壁同士の間に架かった木質材料片の落下をより確実にし易くするために、最も高い溝壁上部に、前述と同様の突起物を設けても良い。
【0028】
発明1又は発明2においては、木質材料片の移動は、溝部を振動させて行われる。単位時間当たりの木質材料片の移動量(処理量)は、付加される振動の振幅、振動数、振動方向、及び溝の傾斜角度によって決まる。
【0029】
配向積層装置は、木質材料片の運搬方向に沿って溝部底面が傾斜され、通常は傾斜上部近傍から木質材料片が供給される。底面の傾斜角度は、木質材料片が振動によって、スムースに下方に移動する程度とされ、木質材料片の材質や吸水率、サイズや、又は床板や仕切板の材質や表面状態等によって適宜変更して決められる。即ち、通常は水平方向から0度から45度の間とされるが、5度より小さければ移動速度が遅すぎて処理可能量に対して装置が大きくなり、45度より大きければ移動速度が早すぎて未配向の木質材料片が次工程に送られてしまう恐れがある。好ましくは、10度から30度の間とされる場合が多い。
【0030】
本装置においては溝部を振動させる。振動の方向は、木質材料片を搬送したい方向に向け、水平方向から斜め上方とされる。振動により溝壁が振動し、溝壁上に架かった木質材料片は、溝壁上で踊りながら搬送方向に移動すると同時に、その重心位置がずれ、発明1の場合では突起物に衝突して回転モーメントが与えられ溝内に落下する。発明2の場合では、一番長い間隔の溝壁同士の上に架かった木質材料片が、その溝壁からズレ落ちて低い溝壁に掛かり、斜めになって更に振動を受けるので、溝内に落下する。
【0031】
振動の振幅、又は振動数は、溝壁上に跨った木質材料片が溝内に落下し、かつ溝内に配向し積層された木質材料片が、再び踊り出してその配向が乱れない程度であれば良く、供給される木質材料片の量や性状、サイズ等によって適宜選択して決められれば良い。
【0032】
溝部を振動させる装置の振動付与手段は、特に限定されないが、振幅、振動数又は振動方向が可変であって、状況に合わせて最適の振動条件を選択できるものが好ましい。
【0033】
発明3の木質系複合材の製造方法は、少なくとも、木質材料片と結合剤とを混和する工程(工程1)と、これを配向し積層する工程(工程2)と、配向され積層された木質材料片を加圧成形する工程(工程3)とからなる。この内の工程2が、発明1の配向積層装置で行われる。
【0034】
工程1において、木質材料片の形状は、樹木の繊維方向が長さ方向と同じ方向とされたチップであり、厚さ及び幅は、いずれも1mm以上で上限は特にないが、製造される木質系複合材の厚さの5分の1以下とされることが好ましい。長さは幅又は厚さの大きい方の寸法の5倍以上が好ましい。
【0035】
供給される木質材料片の樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。 原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0036】
上記原料材を木質材料片にする加工方法としては、ハンマーミルや、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。
【0037】
そして、上記のようにして破砕された木質材料片は、その厚さや長さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の大きさの木質材料片に分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さや長さで分級できるものであれば特に限定されない。例えば、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。
【0038】
例えばハンマーミルで破砕された木質材料片をウェーブローラー方式を用いて分級すれば、通常、厚さが1mm〜20mm程度、長さが0mm〜250mm程度で、長さが厚さより大きい形状となる。好ましくは、厚さが1mm〜8mm程度、長さが1mm〜150mm程度で、長さが厚さより大きい形状とされる。
【0039】
さらに、木質材料片は、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時される木質系複合材の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜10%である。
【0040】
含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質材料片を放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
【0041】
分級され含水率を一定にされた木質材料片は、積層前に、通常、塗布等によって結合剤と混合されるが、結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。
【0042】
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質材料片に噴霧したり、木質材料片と撹拌混合して予め木質材料片に担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質材料片と均一に混合した状態で、配向積層装置に供給される。
【0043】
結合剤の混和量は、木質材料片の密度、形状、表面状態にもよるが、通常は、木質材料片の重量に対して、1〜20重量%が好ましい。これ以下だと接着が不十分となり、これ以上だと接着性能的に無駄であるうえ、外観や釘打ち性能が木質的でなくなる恐れがある。
【0044】
上記木質材料片と結合材との混和は、ベルトコンベアー上やドラムブレンダー内等で、木質材料片の表面に、結合材をスプレー等の塗布方法を用いて付着させることにより行われる。
【0045】
工程2では、発明1の配向積層方法が適用される。その方法は既に詳細に述べてあるので、再述しない。
【0046】
配向積層装置から配向を乱さずに排出された木質材料片は、工程3で加熱、加圧されて木質系複合材料とされる。加熱・加圧するプレス機としては、加圧熱板を用いて木質材料片の表面から伝熱によって内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱しつつ加圧する方法がある。例えば、既存の木質系成形用の縦型プレス機や連続プレス機を水平方向動作にしたものが用いられても良い。
【0047】
なお、加圧圧力や加熱温度、加圧時間等は、用いられる木質材料片の種類やサイズ、その乾燥度、あるいは混合される結合剤の種類と量、若しくは目的とする木質系複合材の性能等によって適宜変更される。
【0048】
(作用)
発明1においては、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が、幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、溝部を振動させる装置が設けられているので、矩形底面と、底面の両側端から垂直方向へ平行に伸びる側板と、両側板の間に側板と平行で同じ向きに同間隔となるように複数の仕切板が設けられ、それぞれの仕切り板の上辺に垂直方向へ伸びる複数の突起物が同間隔となるように突設され、底面が長辺軸に沿った傾斜面とされ、底面が上下方向又は左右方向に振動され、傾斜の高い方の底面端辺近傍から木質材料片を投入し、傾斜の低い方の底面端辺から木質材料片を排出するので、投入された木質材料片は、溝壁上端片に衝突して反作用を受け、上方に反発されて浮き上がると共に突起物に衝突し、回転のモーメントが与えられて確実に回転し、仮にその上方から多くの木質材料片が落下してきても、確実に回転して溝内に落下する。
【0049】
発明2においては、木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、該凹凸形状の凸部上辺または該樋状の側壁上辺の高さが高い辺と低い辺とを有しており、高さが同じ辺同士が隣接しないように配置され、溝部を振動させる装置が設けられているので、最も高い溝壁同士の間に架かった木質材料片は、振動で重心を移動させてどちらか一方の端部が溝壁から外れ、外れた一端部が低い溝壁に掛かって斜めの状態となる。この状態で更に振動が加えられると、斜めに掛かった木質材料片は、仮にその上方から多くの木質材料片が落下してきても、出口方向に移動しながら確実に回転し、溝内に落下して配向された状態で積層される。
【0050】
更に、例えば溝壁の底面からの高さが一枚おきに低くされ、隣り合う仕切り板同士の間に、更に低い高さの溝壁が配置されていると、最も高い溝壁同士の間隔が更に広くなるので、上記の作用がより効果的となる。
【0051】
発明3の、少なくとも木質材料片と結合剤とを混和する工程と、これを配向し積層する工程と、加圧成形する工程とからなる木質系複合材の製造方法においては、上記配向し積層する工程が、発明1又は発明2の配向積層装置で行われるので、仮に多くの木質材料片を一度に投入しても木質材料片が確実に配向され、従って加熱・加圧して成形された木質系複合材の強度が向上し、かつそのバラツキが少なくなる、木質系複合材の製造方法となる。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に本発明の配向積層装置を図面を参照しながら説明する。図1(a)は発明1の配向積層装置の一例の平面図、図1(b)はその正面図、図1(c)はその側面図である。なお、本例は説明のために実施の一例を記したものであり、寸法や形状、材質等については、ここに記したものが全てではないことは当然である。
【0053】
幅300mm、長さ850mmのステンレススチール製の矩形底面1の両側端から、厚さ1mm、高さ100mmのステンレススチール製側板21、22が、垂直方向に互いに平行になるように取り付けられ、両側板21、22の間に、側板2と平行で同じ向きに、かつ同間隔となるように、厚さ1mm、高さ100mmの複数のステンレススチール製仕切板31、32、・・・が取り付けられている。底板1、側板2、仕切板3とは、溝41、42、・・・を構成している。溝4は、幅24mmとされている。
【0054】
図2は、溝底面の底板1の断面の一例である。図2(a)は略V字形、図2(b)は略U字形、図2(c)は略凵(カン)形の例であり、本説明のために引用した例は、図2(c)のものである。
【0055】
底板1と側板2、又は底板1と仕切板3とは、どのような方法で取り付けられていても構わないが、上記溝4内に配向積層された木質材料片Sがスムースに移動できるよう、本例では、一般的な溶接法により接続取り付けされ、溶接線は凹凸なきよう滑らかに仕上げられている。
【0056】
それぞれの仕切り板31,32,・・・の上辺には、垂直方向へ伸びる、複数のステンレススチール製突起物51、52、・・・が、隣接する突起物51、52、・・・同士の間隔が同じとなるように突設されている。
【0057】
突起物5は、円筒状棒体であり、上端が滑らかな略半球状に仕上げられている。その太さは直径1mm、長さは20mmとされ、取り付け角度は全て仕切板3の稜線から直角となるように、溶接法で接続固定されている。突起物同士の間隔は100mmとされている。
【0058】
底面1は、側板2方向に沿った傾斜面とされている。傾斜角度は10度とされている。
【0059】
底面1は、振動付加装置6により傾斜面に沿った方向に振動されるようになっている。振動付加装置は、電磁フィーダー(神鋼電機社製、type F−22BDT)とし、このトラフにスリット板を設けたものを用いた。
【0060】
振動付加装置6を振動させると、底板1が振動し、底板1に固定されている側板2、仕切板3、突起物5が振動する。従って、投入された木質材料片Sは振動を受けながら溝4内に配向積層される。振動の振幅は、適宜、木質材料片Sの配向の様子を見ながら変更可能とされている。
【0061】
木質材料片Sは、通常、傾斜の高い方の上端辺11近傍から投入され、傾斜の低い方の下端辺12から次工程に繋がるベルトコンベアー等搬送装置7上に排出される。なお、下端辺12と上記ベルトコンベアー7等搬送装置との隙間は、5mmとされている。
【0062】
図3は発明2の配向積層装置の一例の正面図、図4はその配向積層装置の別の一例の正面図である。図3においては、両側板21、22は150mm高さとされ、高さ100mmの仕切板31、33、・・・と高さ150mmの仕切板32、34、・・・とが互い違いに配置されて溝41、42、43、・・・が構成されている。図4においては、両側板21、22は150mm高さとされ、高さ100mmの仕切板と高さ150mmの仕切板とが交互に配置され、更にそれらの仕切板の間にその中間の高さの仕切板が設けられて、溝41、42、43、・・・が構成されている。即ち、一方の側板から順に、高、低、中、低、高、低、中、低、高と仕切板が並べられていることになる。
【0063】
(実施例1)
木材廃棄物業者から購入したボード用木質材料片をウェーブローラー方式の分級機ウェーブローラースクリーン(株式会社たいへい社製)を用いて厚さ1mm〜8mmの木質材料片を分級した。得られた木質材料片Sを、50℃に調節した加熱オーブン(コンドー科学社製、熱風乾燥機)中に24時間おき、含水量を調節した。オーブン中におく前後の重量を測定し、含水量調節後の含水量は5.2重量%であった。
【0064】
次にドラムブレンダー(自社製作、ドラム径1,000mmφ、ドラム長さ800mm、回転数0.1〜15rpm可変、接着剤噴霧装置付き)に、上記含水量調節済みの木質材料片Sを投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を木質材料片に対し5重量%を噴霧しつつ、その表面に塗布した。
【0065】
図5は、本発明にかかる配向積層装置の使用実態の一例を示す側面図である。本例は、高さ100mmの仕切板を24mm間隔で並列して溝を形成し、仕切板の上部に、直径1mm、高さ20mmの円柱状突起物を固定し、底板の傾斜が木質材料片の移動方向側が低くなるように30度の角度で配置した、発明1の配向積層装置が組み込まれたものである。この配向積層装置を用い、振動付加装置6で、周波数60Hz、振幅1.2mmで配向積層装置全体を傾斜方向に振動させつつ、結合剤を塗布された上記木質材料片Sを、毎分24kgの割合で、傾斜上端辺11近傍から供給した。木質材料片Sの移動速度は、毎分10mmであり、木質材料片Sの供給量も同じとした。
【0066】
傾斜下端辺12の下方に配置されたベルトコンベアー7の搬送速度を11mm/分とし、傾斜下端辺12から、配向積層された木質材料片Sを、コンベアー上に排出してマット状とし、次工程に搬送した。得られたベルトコンベアー7上のマット状木質材料片Sの状態を目視して、配向状態を確認した。
【0067】
(実施例2)
仕切板の高さを、1枚おきに70mmとし、突起物を設けなかった以外は実施例1と同様にして、木質材料片Sを供給した。
【0068】
(比較例1)
突起物を取り付けなかった以外は実施例1と同様にして、木質材料片Sを供給した。
【0069】
実施例1及び実施例2では、いずれも木質材料片は全て溝内に落下して配向され、しっかりと配向され積層されたマットとして次工程に搬送できた。しかしながら比較例1においては、主に長さ100mm以上の木質材料片が溝の中に落ちきらず、傾斜下端片からコンベアーの上に落下して、溝内で配向積層された木質材料片がコンベアー状に落下して得られるマットの配向を乱してしまった。
【0070】
【発明の効果】
以上の通りであるから、本発明の木質材料片の配向積層装置は、木質材料片の供給が多くても、全ての木質材料片が配向され、かつ装置長さが短い、木質材料片の配向積層装置となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 発明1の配向積層装置の一例の平面図である。
(b) その正面図である。
(c) その側面図である。
【図2】(a) 底板1の断面が略V字形であるものの一例の断面図である。
(b) 底板1の断面が略U字形であるものの一例の断面図である。
(c) 底板1の断面が略凵(カン)形であるものの一例の断面図である。
【図3】発明2の配向積層装置の実施の一例の正面図である。
【図4】発明2の配向積層装置の実施の別の一例の正面図である。
【図5】本発明にかかる配向積層装置の使用実態の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 矩形底板
12 傾斜上端辺
13 傾斜下端辺
2(21,22、23、・・・) 側板
3(31、32、33,・・・) 仕切板
4(41,42、43、・・・) 溝
5(51,52,53,・・・) 突起物
6 振動付加装置
7 次工程搬送機(ベルトコンベアー)
S 木質材料片
Claims (3)
- 木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、
該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、
該凹凸形状の凸部上部または該樋状の側壁上部に、
木質材料片が架からない間隔を有して突起物が設けられ、
溝部を振動させる装置が設けられている
ことを特徴とする木質材料片の配向積層装置。 - 木質材料片を積層して搬送する溝部が設けられ、
該溝部が幅方向に並設された複数の断面凹凸形状または底面と側壁とからなる並設された複数の樋状であり、
該凹凸形状の凸部上辺または該樋状の側壁上辺の高さが高い辺と低い辺とを有しており、
高さが同じ辺同士が隣接しないように配置され、
溝部を振動させる装置が設けられている
ことを特徴とする木質材料片の配向積層装置。 - 少なくとも、木質材料片と結合剤とを混和する工程と、
これを配向し積層する工程と、
配向され積層された木質材料片を加圧成形する工程と
からなる木質系複合材の製造方法において、
上記配向し積層する工程が、請求項1又は2記載の配向積層装置で行われる
ことを特徴とする木質系複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
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