JP2010247467A - 木質系複合材料およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹皮付き木材を原料材としても従来のような多大のコストをかけることなく、木質系複合材料を簡易に製造する方法を提供する。
【解決手段】結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して木質系複合材料を製造する方法において、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きいものと選別し、後者のみを用いるものとする。
【選択図】なし
【解決手段】結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して木質系複合材料を製造する方法において、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きいものと選別し、後者のみを用いるものとする。
【選択図】なし
Description
本発明は、木質系複合材料の製造方法、さらに詳しくは樹皮付き木材を原料材としても多大のコストをかけることなく、木質系複合材料を簡易に製造する方法に関するものである。
従来、結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して(例えば、蒸気により加熱しつつ加圧する等して)、木質系複合材料を製造する、いわゆるエコバリューウッド製造方法が知られている(特許文献1参照)。
しかし、この原料チップに、樹皮付き木材が破砕されてなる樹皮混入チップを用いると、樹皮部分は細長い紐状のものが綿状に絡み合って塊状を呈し、チップのかさをあげてしまい、その結果、チップの搬送性の低下を招いたり、或いは搬送口がふさがれてしまうといった不具合が生じるし、また、綿状の塊状物が、チップ計量部分においてチップのこぼれ防止部分のガイドやシュート部分に滞留し、計量値のズレを生じさせるし、さらに、ロールなどの回転部分において回転軸に巻き込まれ、ロールを過負荷にて停止させることもある。
そのため、エコバリューウッド製造には、樹皮の混入していないチップを使用するのが好ましいが、樹皮付き木材をバーカーと呼ばれる樹皮を剥ぎ取る設備を使用することで、樹皮なし木材を破砕するのはコストがかさみ、結局所望製品における多大のコストアップを招くのを免れなかった。
しかし、この原料チップに、樹皮付き木材が破砕されてなる樹皮混入チップを用いると、樹皮部分は細長い紐状のものが綿状に絡み合って塊状を呈し、チップのかさをあげてしまい、その結果、チップの搬送性の低下を招いたり、或いは搬送口がふさがれてしまうといった不具合が生じるし、また、綿状の塊状物が、チップ計量部分においてチップのこぼれ防止部分のガイドやシュート部分に滞留し、計量値のズレを生じさせるし、さらに、ロールなどの回転部分において回転軸に巻き込まれ、ロールを過負荷にて停止させることもある。
そのため、エコバリューウッド製造には、樹皮の混入していないチップを使用するのが好ましいが、樹皮付き木材をバーカーと呼ばれる樹皮を剥ぎ取る設備を使用することで、樹皮なし木材を破砕するのはコストがかさみ、結局所望製品における多大のコストアップを招くのを免れなかった。
本発明の課題は、このような事情の下、樹皮付き木材を原料材としても従来のような多大のコストをかけることなく、木質系複合材料を簡易に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記したような木質系複合材料における細長い木質チップについて、樹皮付き木材を原料材とし、これを破砕してなる破砕物のうち、比重の低い樹皮または樹皮含量の多い樹皮付き木材を、これら以外の比重の高いものと選別し、後者のみを用いるようにすることにより、上記課題解決に資する木質系複合材料を製造しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して木質系複合材料を製造する方法において、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップと選別し、後者のみを用いることを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、破砕物について、そのうちの選別を、比重差選別機および/または風力選別機を用いて行うことを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、樹皮付き木材を破砕して樹皮の剥離された破砕木材チップと樹皮を含む破砕物とし、この破砕物を、傾斜した網状振動板上に投入し、該振動板を振動させながら、その下方から送風して、上端方向に樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップを、下端方向に樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを分離移動せしめることにより、比重差選別し、選別された比重の大きい木質チップを、必要に応じ分級し、細長い木質チップとして用いることを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、網状振動板は、波形状または鋸歯状形状を呈することを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、破砕物を、予め分級することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、樹皮付き木材は、含水率が150重量%以下であることを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、熱圧成形を、蒸気により加熱しつつ圧縮することによって行うことを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
本発明方法によれば、木質系複合材料を、樹皮付き木材を原料材としても従来のような多大のコストをかけることなく、簡易に製造することができる。
本発明方法は、結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して木質系複合材料を製造する方法において、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップと選別し、後者のみを用いることで特徴付けられるものである。
原料材の樹皮付き木材について、その樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、松、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられる。原料材に利用できる形態としては、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料等が挙げられる。
本発明方法においては、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップと選別し、後者のみが用いられる。
樹皮付き木材を破砕する方法としては、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法や、二軸破砕機、衝撃式破砕機等による方法などを用いることができる。一般にパーティクルボードに使用されているような切削を要素とした小片製造機では、小片が薄く削られたものになり強度が比較的でにくく、破砕を要素とする破砕機により作製された破砕チップは紡錘状になり強度がでやすいので、こちらの方がより好ましい。
破砕された木質チップは、その厚さが不揃いの場合は、一定範囲の厚さの木質チップに分級するのがよい。分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
樹皮付き木材を破砕する方法としては、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法や、二軸破砕機、衝撃式破砕機等による方法などを用いることができる。一般にパーティクルボードに使用されているような切削を要素とした小片製造機では、小片が薄く削られたものになり強度が比較的でにくく、破砕を要素とする破砕機により作製された破砕チップは紡錘状になり強度がでやすいので、こちらの方がより好ましい。
破砕された木質チップは、その厚さが不揃いの場合は、一定範囲の厚さの木質チップに分級するのがよい。分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
破砕物について、そのうちの選別を、比重差選別機および/または風力選別機を用いて行うのが好ましい。
比重差選別するには、好ましくは、樹皮付き木材を破砕して樹皮の剥離された破砕木材チップと樹皮を含む破砕物とし、この破砕物を、傾斜した網状振動板上に投入し、該振動板を振動させながら、その下方から送風して、上端方向に樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップを、下端方向に樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを分離移動せしめることにより行われる。このようにして、選別された比重の大きい木質チップは、必要に応じ分級され、細長い木質チップとして用いられる。
比重差選別するには、好ましくは、樹皮付き木材を破砕して樹皮の剥離された破砕木材チップと樹皮を含む破砕物とし、この破砕物を、傾斜した網状振動板上に投入し、該振動板を振動させながら、その下方から送風して、上端方向に樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップを、下端方向に樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを分離移動せしめることにより行われる。このようにして、選別された比重の大きい木質チップは、必要に応じ分級され、細長い木質チップとして用いられる。
上記網状振動板は、波形状または鋸歯状形状を呈するのが好ましい。このような形状とすることにより、振動に伴う、かかる形状部、例えば鋸歯状部の上端部のキック力によって比重の大きい木質チップは押し上げられて上方に移動し、適当な排出口から排出させることができる。一方、比重の小さい樹皮等は、網状振動板の下方から送風によって浮遊せしめられ、網状振動板のキック力を受けずそのまま落下して下端部に移動し、適当な軽量物排出口から排出させることができる。
比重差選別機の一例を図1に示す。図1において、1は比重差選別機であって、基台10上に固定された枠体11に網状振動板12を傾斜させて設けてなるものである。この網状振動板12の上端部には、モータ13によって駆動される偏心クランク14が連結されている。15は、枠体11に設置されたファン装置で、上方に設けられた網状振動板12の下面に送風する。ファン装置15は、モータ16によって駆動される。
前記網状振動板12の側面部及び上端部には、枠体20が立設されており、フード21を形成している。フード21には、必要に応じ分級された破砕物を投入する投入口22が設けられている。投入口22は、破砕物を一定量ずつ供給することができる定量供給装置とすることが好ましい。23は、網状振動板12の下方に設けられた軽量物排出口であり、24は、網状振動板12の上方に設けられた比重の大きい重量物排出口である。また、25は、ファン装置15に連通するダスト等の取出口である。
前記網状振動板12は、図2に示すような、上面に切り起こして突起12aを形成すると共に、突起12aの側方からの送風が行えるように開口部12bを形成した側面鋸歯状振動板である。前記構成の網状振動板12を使用すれば、ファン装置15からの送風により樹皮等の比重の小さいものは浮き上がり、重力により傾斜した網状振動板12に沿って下方に移動していき、一方、比重の大きい木質チップは前記送風によっては浮遊せず、突起12a及び網状振動板12の振動作用によって上方にキックされて移動していく。
上記構成の比重差選別機1の作用について説明する。コンベア装置等の搬送装置で移送されてきた破砕物は、投入口22から投入されると、網状振動板12面上に落下する。一方、モータ16を作動させてファン装置15を起動せしめると、ファン装置15から空気が吹き上げられ、網状振動板12上の樹皮等の比重の小さい破砕物は吹き上げられる。このとき、モータ13を作動させて偏心クランク14を駆動せしめると、網状振動板12は振動状態となる。
網状振動板12の振動によって、上面に載っている破砕物は振動を受けるが、そのうち比重の大きい木質チップは、振動力が大きく伝達されかつ鋸歯状部の突起12aの上端部のキック力によって押し上げられて上方に移動し、重量物排出口24から排出される。一方、樹皮等の比重の小さい破砕物は、網状振動板12の開口部12bから吹き上げられる空気流によって浮遊せしめられ、網状振動板12のキック力を受けずそのまま落下して下端部に移動し、軽量物排出口23から排出される。
本発明において、使用される細長い木質チップは、その比重が0.3〜0.6、その長さが20mm〜150mmであり、その厚さ(短辺)が1mm〜11mmであることが好ましい。
木質チップの厚さが1mm未満であると、構成材料チップが小さくなりすぎ、多くの結合材が必要となり、十分な強度が発現されないし、また、11mmを越えると、木質系複合材料の厚さ方向への木質チップの積層数が少なくなってしまい、応力伝達が十分に行われず、木質チップの継ぎ目に応力集中を起こしやすく、十分な強度が得られにくくなる。
また、木質チップの長さが20mm未満であると、構造材等として使用する場合、軸方向の強度が不十分となるし、また、150mmを越えると、木質チップを積層したとき、1本の木質チップの積層交点が増えてしまい、十分に圧密化しにくくなる。
なお、木質チップは、その長さについて完全には分別できるものではないため、その重量比で、70%以上、好ましくは80%以上に、所定長さのものが含有されていれば十分効果が発揮される。
また、木質チップの長さが20mm未満であると、構造材等として使用する場合、軸方向の強度が不十分となるし、また、150mmを越えると、木質チップを積層したとき、1本の木質チップの積層交点が増えてしまい、十分に圧密化しにくくなる。
なお、木質チップは、その長さについて完全には分別できるものではないため、その重量比で、70%以上、好ましくは80%以上に、所定長さのものが含有されていれば十分効果が発揮される。
また、木質チップの長さと厚さとの比は、特に限定されないが、長さが厚さの10倍以上となることが好ましい。長さが厚さの10倍未満であると、木質系複合材料の軸方向の強度が不十分となる恐れがある。
また、木質チップは、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の木質系複合材料の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜10%である。含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質チップを放置する方法が挙げられる。
本発明方法により得られる木質系複合材料は、嵩密度が0.6以上であるのが好ましい。嵩密度が0.6未満では木質チップの十分な結合が得られず、構造材として用いる場合、十分な強度を得ることができない恐れがある。さらに、空隙率は、特に限定されないが、10%以下であるのが好ましい。空隙率が10%を越えると、木質系複合材料中の各木質チップ同士の結合が不十分となり、十分な強度を発現しなくなる恐れがある。
本発明で用いられる結合剤としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の熱硬化型樹脂や熱可塑型樹脂系の接着剤や、天然物成分もしくは天然物から精製、抽出、変性等によって得られる天然物由来の接着剤のような合板やパーティクルボード等に用いられる木材工業用の接着剤が挙げられる。
天然物由来の接着剤としては、具体的には、ゼラチン、カゼイングルー、大豆グルー、にかわ、アルブミン等のタンパク質系接着剤、でんぷん、デキストリン、米糊、グルコマンナンなどのデンプン系接着剤、キチン・キトサンなどの動物系接着剤、セルロース系接着剤、リグニン系接着剤、タンニン系接着剤などが挙げられる。
これらの結合剤は、一種単独で用いてもよいし、また、又は複数種を併用してもよい。
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質チップに噴霧したり、木質チップと撹拌混合して予め木質チップに担持させた状態でフォーミング型に供給され、粉末状の場合は、一般に木質チップと均一に混合した状態で、フォーミング型に供給される。
特に、タンニン系接着剤は、天然木材からの抽出成分であるので木質チップとの親和性が良く、また、適度の粘着性を有し、更に、硬化すると高強度になるので好ましい。タンニン系接着剤はタンニン単独使用で加熱等によって硬化させてもよいが、耐久性が要求される用途においては、アルデヒド系化合物やイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物などの架橋剤を併用することが好ましい。タンニン系接着剤を抽出する樹種は特に限定されないが、ラジアータパインやブラックワトル、ミモザ、ケブラチョ、チェスナッツから採取されるものが好ましい。木材から抽出したタンニンが固体の場合には、必要に応じて水や有機溶媒に溶解又は分散させて使用することができる。
結合剤は、木質チップに対し、質量基準で1〜20重量%の範囲で用いるのが好ましい。この結合剤の用量が少なすぎると、接着が不十分となるし、また、多すぎても材料コストが嵩む割に接着性能が上がらず、外観や釘打ち性能が低下する、外観が木質的でなくなるなどの問題がある。
天然物由来の接着剤としては、具体的には、ゼラチン、カゼイングルー、大豆グルー、にかわ、アルブミン等のタンパク質系接着剤、でんぷん、デキストリン、米糊、グルコマンナンなどのデンプン系接着剤、キチン・キトサンなどの動物系接着剤、セルロース系接着剤、リグニン系接着剤、タンニン系接着剤などが挙げられる。
これらの結合剤は、一種単独で用いてもよいし、また、又は複数種を併用してもよい。
また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質チップに噴霧したり、木質チップと撹拌混合して予め木質チップに担持させた状態でフォーミング型に供給され、粉末状の場合は、一般に木質チップと均一に混合した状態で、フォーミング型に供給される。
特に、タンニン系接着剤は、天然木材からの抽出成分であるので木質チップとの親和性が良く、また、適度の粘着性を有し、更に、硬化すると高強度になるので好ましい。タンニン系接着剤はタンニン単独使用で加熱等によって硬化させてもよいが、耐久性が要求される用途においては、アルデヒド系化合物やイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物などの架橋剤を併用することが好ましい。タンニン系接着剤を抽出する樹種は特に限定されないが、ラジアータパインやブラックワトル、ミモザ、ケブラチョ、チェスナッツから採取されるものが好ましい。木材から抽出したタンニンが固体の場合には、必要に応じて水や有機溶媒に溶解又は分散させて使用することができる。
結合剤は、木質チップに対し、質量基準で1〜20重量%の範囲で用いるのが好ましい。この結合剤の用量が少なすぎると、接着が不十分となるし、また、多すぎても材料コストが嵩む割に接着性能が上がらず、外観や釘打ち性能が低下する、外観が木質的でなくなるなどの問題がある。
上記のようにして得られた結合剤付き木質チップをフォーミング型に投入する方法としては、オリエンテッド・ストランド・ボード(OSB)等の既存の木質系成形材料の製造装置で用いられるディスクオリエンター等の公知の配向手段をフォーミング型の上方に配置し、この配向手段により配向させながら投入する方法が使用できるが、上部の投入口から結合剤付き木質チップが投入されスリット状の排出口に向かって幅が縮小する内面形状(嘴形状)の配向部を有するホッパをその排出口が各分割枠部の上部開口を臨むようにフォーミング型の上方に配置し、ホッパを介して投入する方法を用いることが好ましい。その他、幅方向に樋状体を並設させて、凹凸溝形状として、溝を流れることで並べる方法を用いることが可能である。
すなわち、上記のようなホッパを用いることによって、フォーミング型の各分割枠部に効率よく、すなわち、ロスなく結合剤付き木質チップを供給することが可能になる。ホッパの内面形状はフォーミング型の形状により決まってくるが、結合剤付き木質チップが詰まらない形状であれば良い。具体的には、排出口のスリット幅を15mm以上で分割枠部の内幅より小さい形状であることが好ましい。
フォーミング型の形状は、得ようとする木質系複合材料によって適宜決定されるが、例えば、1000×500×30mmの板形状の木質系複合材料を得る場合は、フォーミング型により1200×600×100mm程度の積層マットを形成させるのが好ましい。すなわち、積層マットの縦、横の寸法は、得ようとする木質系複合材料の縦、横と同じ寸法或いは、少し大きめで作製しておき、積層マットの厚さは用いる木材及び製造する製品の比重によって異なるが、少なくとも得ようとする木質系複合材料の3倍以上の厚さとすることが好ましい。
また、フォーミング型に一定間隔の分割枠部を形成する方法としては、特に規定されるものではないが、得ようとする木質系複合材料の縦、横と同じ寸法或いは、少し大きめの枠状をした型本体内部を厚さ数mmの金属板を用いて仕切る程度でよい。分割する方向については、木質チップを配向させた方向と配向と直角方向では強度特性が異なるため、必要な成形品により決まる。因みに、上記のような1000×500×30mmの板形状の木質系複合材料を得る場合なら、1000×500×100mmの枠状をしたフォーミング型本体内を高さ100mmの19枚の仕切り板を用いて、幅方向(500mm側)に20mmの一定間隔で仕切ったようなフォーミング型を用いることが好ましい。また、仕切り板は、フォーミング型本体に固定されていても構わないし、着脱自在になっていても構わない。
また、木質チップの厚さと分割枠部の内幅には、高強度の木質系複合材料を得るためにより好ましい関係があり、例えば、木質チップの厚さが1mm〜11mmである場合、フォーミング型の分割枠部の内幅を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質チップの厚さが3mm〜5mmである場合、フォーミング型の分割枠部の内幅を20mm〜30mmとすることが好ましい。
分割枠部の内幅が狭過ぎると、分割枠部内にきれいに木質チップが落ちず、自動で生産する場合トラブルになりやすく、分割枠部の内幅が広過ぎると、木質チップが配向しにくくなり、配向方向での必要強度がでなくなる恐れがある。フォーミング型で配向された木質チップからなるマットは、フォーミング型全体を取り外すか、フォーミング型本体を残し仕切り壁となる仕切り板のみを取り外した状態で加圧・加熱可能なプレス機へ投入されてプレスされるが、仕切り板やフォーミング型を取り外した時に、木質チップの積層状態が崩れる場合には、予め、フォーミング型に崩れ防止シートを配置しておき、そのシートごとプレス成形することも可能である。即ち、例えば、崩れ防止シートとして紙等をフォーミング型内に敷いておき、フォーミング型を取り外す際、マットを紙等でくるみ、紐や粘着テープで固定した状態でプレス成形してもよい。
圧縮については、特に限定されないが、通常、プレス機による機械的加圧により行われる。例えば、プレス機であれば、既存の木質系材料成形用の縦型プレス機や連続プレス機を垂直方向動作にしたものを用いることができる。プレス機の温度条件は、通常100〜250℃の範囲が好ましい。圧力条件は、1〜10MPaの範囲が好ましい。プレス時間は、結合剤が硬化する時間であればよい。1MPa未満であると、充分に圧縮できないし、また、10MPaを超えると、プレスのための設備が高価になる。プレス時間は、結合剤が硬化する時間の加熱と圧力を加えればよい。
加熱は、通常100〜250℃の範囲が好ましい。加熱方法としては、特に限定されないが、例えば熱盤のように木質チップの表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱する方法が挙げられる。加熱と加圧とは、同時に行ってもよいし、加圧をした後に加熱をしてもよいし、加熱した後に加圧してもよい。蒸気で加熱する場合は、0.5〜2MPaの圧力で蒸気を噴射する。0.5MPa未満では、木質チップが軟化せずに、圧縮できないし、2MPaを超えると、設備が大型化しすぎて現実的ではないためである。
さらに、本発明の木質系複合材料を製造する場合、プレス成形後、得られる木質系複合材料の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
本発明の木質系複合材料は、種々の用途に用いられ、例えば、構造材(柱、梁、土台等)、準構造材(間柱(壁芯材)、根太、胴縁、大引、垂木、野縁等)、造作材(建具、階段、枠等)、造作芯材(上記の芯材)、(表)面材(床材、壁材、天井材等)などに好適に用いられる。
以下に実施例により、本発明を具体的に詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
実施例、比較例
本発明方法に用いられる木質チップ及び比較のための対照木質チップを以下のようにして作製し、これについて、下記のとおり評価試験を行った。
本発明方法に用いられる木質チップ及び比較のための対照木質チップを以下のようにして作製し、これについて、下記のとおり評価試験を行った。
(1)原料材: 群馬県産の松間伐材(生材で樹皮付きのもの)として、以下の含水率のものをそれぞれ使用した。
(i)低含水率(約50%)
(ii)高含水率(約100%)
(iii)被乾燥処理(含水率約5%)
(i)低含水率(約50%)
(ii)高含水率(約100%)
(iii)被乾燥処理(含水率約5%)
(2)破砕方法: 上記原料材を以下の機器を用い、以下の機器仕様および使用条件下で破砕した。
使用機器 :MORBARK社製 タブグラインダー モデル1000
機器仕様 :60mm角スクリーン
使用条件 :樹皮付き木材を約1.5〜2mに切断し、投入部に投入する。投入量は破砕機ハンマーのモーター負荷が大きくなると、投入部のターンテーブルが逆転し、負荷が低減されるようにして制御される。
使用機器 :MORBARK社製 タブグラインダー モデル1000
機器仕様 :60mm角スクリーン
使用条件 :樹皮付き木材を約1.5〜2mに切断し、投入部に投入する。投入量は破砕機ハンマーのモーター負荷が大きくなると、投入部のターンテーブルが逆転し、負荷が低減されるようにして制御される。
(3)選別方法: 得られた破砕物をウェーブローラーで厚み1mm以下及び8mm以上のチップを選別し、1から8mmの厚みのチップを得、以下の機器を用い、以下の機器仕様および使用条件下で樹皮の選別を行った。
使用した機器 : 原田産業社製 比重差選別機 SH−2型機
機器仕様 : 振動部波型網の網目 25mmピッチ、波形状部高さ 10mm、パンチング穴径 10mm、デッキ部角度 12度
使用条件 :振動数 430rpm、風量 19〜22m3/分
使用した機器 : 原田産業社製 比重差選別機 SH−2型機
機器仕様 : 振動部波型網の網目 25mmピッチ、波形状部高さ 10mm、パンチング穴径 10mm、デッキ部角度 12度
使用条件 :振動数 430rpm、風量 19〜22m3/分
選別結果を以下にまとめる。
・軽量選別側に、(i)では約9%、(2)では2%、(3)では5%程度選別・分離されることより、選別するのには、原料材の含水率の低い方がやりやすいことが分かった。
・軽量側には樹皮部分を多く含む成分を分離することができる。
・軽量選別側に、(i)では約9%、(2)では2%、(3)では5%程度選別・分離されることより、選別するのには、原料材の含水率の低い方がやりやすいことが分かった。
・軽量側には樹皮部分を多く含む成分を分離することができる。
選別された木質チップを用い、以下のとおり木質系複合材料を製造した。
木質チップ100重量部と結合剤(イソシアネート系接着剤)7重量部との混和物を、木質チップを長手方向にほぼ配向させて積層させ、木質チップがその長手方向に対して垂直方向に扁平されて木質材料片の断面積を圧縮させ、結合剤により木質材料片同士を結合させて密度0.65〜0.75g/cm3の木質系複合材料を得た。
また、製造ラインの成形性を評価した結果、木質チップの計量部分での綿状かたまりの滞留による重量変化や、ロールなどの回転部分での軸への巻き込みによる過負荷停止は発生せず、成形安定性を確保することができた。
木質チップ100重量部と結合剤(イソシアネート系接着剤)7重量部との混和物を、木質チップを長手方向にほぼ配向させて積層させ、木質チップがその長手方向に対して垂直方向に扁平されて木質材料片の断面積を圧縮させ、結合剤により木質材料片同士を結合させて密度0.65〜0.75g/cm3の木質系複合材料を得た。
また、製造ラインの成形性を評価した結果、木質チップの計量部分での綿状かたまりの滞留による重量変化や、ロールなどの回転部分での軸への巻き込みによる過負荷停止は発生せず、成形安定性を確保することができた。
本発明方法は、樹皮付き木材を原料材としても従来のような多大のコストをかけることなく、木質系複合材料を簡易に製造することができ、産業上大いに有用である。
10:基台
11:枠体
12:網状振動板
13、16:モータ
14:偏心クランク
15:ファン装置
20:枠体
21:フード
22:投入口
23:軽量物排出口
24:重量物排出口
25:ダスト等の取出口
11:枠体
12:網状振動板
13、16:モータ
14:偏心クランク
15:ファン装置
20:枠体
21:フード
22:投入口
23:軽量物排出口
24:重量物排出口
25:ダスト等の取出口
Claims (7)
- 結合剤が混和された細長い木質チップを、長さ方向に略揃えて積層し、これを熱圧成形して木質系複合材料を製造する方法において、細長い木質チップとして、樹皮付き木材を破砕し、破砕物のうち、樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを、樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きいものと選別し、後者のみを用いることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
- 破砕物について、そのうちの選別を、比重差選別機および/または風力選別機を用いて行うことを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
- 樹皮付き木材を破砕して樹皮の剥離された破砕木材チップと樹皮を含む破砕物とし、この破砕物を、傾斜した網状振動板上に投入し、該振動板を振動させながら、その下方から送風して、上端方向に樹皮の剥離された木材チップ等の比重の大きい木質チップを、下端方向に樹皮や樹皮含量の多い樹皮付き木材チップ等の比重の小さいものを分離移動せしめることにより、比重差選別し、選別された比重の大きい木質チップを、必要に応じ分級し、細長い木質チップとして用いることを特徴とする請求項1または2記載の木質系複合材料の製造方法。
- 網状振動板は、波形状または鋸歯状形状を呈することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法。
- 破砕物を、予め分級することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法。
- 樹皮付き木材は、含水率が150重量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法。
- 熱圧成形を、蒸気により加熱しつつ圧縮することによって行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009100890A JP2010247467A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 木質系複合材料およびその用途 |
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CN107976159A (zh) * | 2017-12-31 | 2018-05-01 | 苏州通锦精密工业股份有限公司 | 铝型材生产线的产品长度筛查装置 |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009100890A patent/JP2010247467A/ja active Pending
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CN107976159A (zh) * | 2017-12-31 | 2018-05-01 | 苏州通锦精密工业股份有限公司 | 铝型材生产线的产品长度筛查装置 |
CN107976159B (zh) * | 2017-12-31 | 2024-04-02 | 苏州通锦精密工业股份有限公司 | 铝型材生产线的产品长度筛查装置 |
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