JP2009202597A - 木質系チップ成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な装置ではなく、汎用の装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる木質系チップ成形体を提供する。
【解決手段】木質系チップ成形体を、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、
前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップであるものとする。
【選択図】なし
【解決手段】木質系チップ成形体を、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、
前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップであるものとする。
【選択図】なし
Description
本発明は、木質系材料を粉砕して得られた原料チップと結合剤との混合物を積層したマットを加熱プレス成形して得られるエンジニヤードウッド等の木質系チップ成形体に関する。
間伐材等の従来廃棄されていた木材資源の有効利用を図るため、たとえば、細長い木質材料片に加工したのち、得られた木質材料片に接着剤を塗布すると共に、木質材料片の長手方向を一方向に向けて配向させた状態で積層し、この積層体を加熱プレス成形して木質系複合材料を得る方法がすでに提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、この木質系複合材料の場合、150mm以上の長さを有する比較的長い木質材料片を原料として用いることによって十分な強度確保しようとしている。
ところで、この木質系複合材料の場合、150mm以上の長さを有する比較的長い木質材料片を原料として用いることによって十分な強度確保しようとしている。
しかし、上記のような150mm以上の長さを有する比較的長い木質材料片を作製するには、特殊な設備が必要でコストがかかるとともに、原材料の木材資源もある程度のその材質や大きさが制限される。
そこで、本発明の発明者は、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物を、原料チップがその長手方向を略一軸方向に揃えるように積層したマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体の製造方法(たとえば、特許文献2参照)を既に提案している。
そこで、本発明の発明者は、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物を、原料チップがその長手方向を略一軸方向に揃えるように積層したマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体の製造方法(たとえば、特許文献2参照)を既に提案している。
すなわち、この製造方法によると、廃棄されようとする木質系材料を一般にある破砕機で破砕するだけであるので、原料の製造コストが低減できるとともに、破砕した細かいチップを使用するようにしているので、原材料の木材資源の材質や大きさにあまり影響を受けないという利点がある。
しかしながら、先に提案された木質系チップ成形体においては、十分な強度のあるものを安定して供給することが難しかった。
本発明は、上記事情に鑑みて、特殊な装置ではなく、汎用の装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる木質系チップ成形体を提供することを目的としている。
本発明は、上記事情に鑑みて、特殊な装置ではなく、汎用の装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる木質系チップ成形体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載の木質系チップ成形体(以下、「請求項1の成形体」と記す)は、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップであることを特徴としている。
本発明にかかる請求項2に記載の木質系チップ成形体(以下、「請求項2の成形体」と記す)は、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ70〜90重量%、および、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップ10〜30重量%からなる混合チップであることを特徴としている。
本発明にかかる請求項3に記載の木質系チップ成形体(以下、「請求項3の成形体」と記す)は、木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、前記原料チップが、気乾比重0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップに、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で混合した混合チップであることを特徴としている。
本発明において、気乾比重とは、含水率15%のときの気乾重量/気乾容積である。
気乾比重0.5以上の木材としては、特に限定されないが、たとえば、ラミン,アカマツ,サクラ,クロマツ,チーク、ブナ,ダグラスファー等が挙げられる。
気乾比重0.4以下の木材としては、特に限定されないが、たとえば、ヒノキ,スギ,トドマツ,サワラ,キリ等が挙げられる。
気乾比重0.5以上の木材としては、特に限定されないが、たとえば、ラミン,アカマツ,サクラ,クロマツ,チーク、ブナ,ダグラスファー等が挙げられる。
気乾比重0.4以下の木材としては、特に限定されないが、たとえば、ヒノキ,スギ,トドマツ,サワラ,キリ等が挙げられる。
請求項1の成形体は、原料チップとして、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを用いるようにしたので、特殊な装置ではなく、汎用の破砕装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる。すなわち、木材繊維が密であるために、繊維に沿って比較的均一にきれいに割れることから、気乾比重0.5以上の木材だけを破砕機で破砕して得た破砕チップは自然とアスペクト比の大きい高強度な破砕チップとなる。したがって、この破砕チップを原料チップとして用いれば、細長い木質材料片を用いた従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる。なお、得られる木質系チップ成形体の強度を上げるには、気乾比重が高い方がよいが、気乾比重が大きすぎる木材は破砕するのに時間がかかるため、気乾比重0.55〜0.7程度の木材を用いることがより好ましい。
請求項2の成形体は、原料チップとして、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ70〜90重量%、および、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップ10〜30重量%からなる混合チップを用いるようにしたので、特殊な装置ではなく、汎用の破砕装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる。すなわち、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップと破砕チップとの間に入り込み、プレス成形時に変形して空隙を埋めるため、両破砕チップの相乗作用によりより高強度な成形体が得られる。
請求項3の成形体は、原料チップとして、気乾比重0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップに、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で混合した混合チップを用いるようにしたので、特殊な装置ではなく、汎用の破砕装置を用いて原料チップを得ることができ、しかも従来の木質複合材料と同等あるいはそれ以上の性能が得られる。さらに、木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップを一部に用いるようにしたので、木質廃棄物の有効利用にもつながり、環境保護等の問題も解決できる。
なお、請求項3の成形体では、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で含んでいる必要があるが、その理由は、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップが、20重量%未満では強度性能は発現しにくい、また、50重量%を超えると木質廃棄物の量が半分以下になり、廃材のリサイクル効率の点で問題となるためである。
なお、請求項3の成形体では、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で含んでいる必要があるが、その理由は、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップが、20重量%未満では強度性能は発現しにくい、また、50重量%を超えると木質廃棄物の量が半分以下になり、廃材のリサイクル効率の点で問題となるためである。
木材の利用形態としては、特に限定されないが、たとえば、上記樹種の丸太、間伐材等の生原料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材などが挙げられる。
木材を破砕する方法としては、特に限定されないが、たとえば、表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する剪断式破砕機、一軸破砕機、二軸破砕機、多軸破砕機等や、打撃式あるいはハンマー式破砕機と呼ばれる衝撃により破砕する破砕機など一般に使用されている破砕機を用いて破砕する方法が挙げられる。すなわち、上記のような木材に剪断力をかけながら破砕する破砕機を用いれば、気乾比重0.4以下の木材は、得られる破砕チップの平均アスペクト比が12以下になり、気乾比重0.5以上の木材は、得られる破砕チップの平均アスペクト比が15以下になる。
上記のようにして破砕された破砕チップの長さや厚みは、特に限定されないが、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップの場合、長さ10mm〜100mm、厚み1mm〜10mm程度が好ましく、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップの場合、長さ20mm〜200mm、厚み1mm〜10mm程度が好ましい。
本発明で用いられる木質廃棄物の破砕チップは、気乾比重が0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られるものであれは、特に限定されないが、その繊維方向に長く、そのアスペクト比が5〜150に渡ったものを用いることが好ましい。
また、本発明で用いられる破砕チップは、たとえば、ウェーブローラ方式やスクリーン方式の市販の分級機を用いて分級してもよい。すなわち、分級によって、破砕チップの形状バラツキがより小さくなり、得られる成形体のバラツキを低下させることができる。
また、本発明で用いられる破砕チップは、たとえば、ウェーブローラ方式やスクリーン方式の市販の分級機を用いて分級してもよい。すなわち、分級によって、破砕チップの形状バラツキがより小さくなり、得られる成形体のバラツキを低下させることができる。
また、破砕チップは、特に限定されないが、生産時の成形品の品質バラツキを抑えるために、原料として使用される前に、含水率を0〜10%の範囲内で略一定にしておくことが好ましい。
含水率を調整する方法としては、特に限定されないが、温調したオーブン中に破砕チップを一定時間放置する方法が一般的であるが、連続式のチップ乾燥機を用いることもできる。因みに、50℃のオーブン中に24時間放置するようにすれば、含水率は略5%程度に保たれる。
含水率を調整する方法としては、特に限定されないが、温調したオーブン中に破砕チップを一定時間放置する方法が一般的であるが、連続式のチップ乾燥機を用いることもできる。因みに、50℃のオーブン中に24時間放置するようにすれば、含水率は略5%程度に保たれる。
本発明に用いられる結合剤としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等の合板やパーティクルボードに用いられている木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独で用いても構わないし、数種類併用することも可能である。
原料チップと結合剤とのブレンドは、特に限定されないが、たとえば、図4に示すように、原料チップ4をドラムブレンダ6に投入し、結合剤61をドラムブレンダ6内の原料チップ4にスプレー噴霧する方法が挙げられる。
原料チップと結合剤とのブレンドは、特に限定されないが、たとえば、図4に示すように、原料チップ4をドラムブレンダ6に投入し、結合剤61をドラムブレンダ6内の原料チップ4にスプレー噴霧する方法が挙げられる。
本発明において、長手方向を略一軸方向に揃えるとは、基準線に対する各破砕チップの長手方向がなす角度の平均値が±25度の範囲にあることをいう。
基準線に対する各破砕チップの長手方向がなす角度の平均値を求める方法は、積層後の表面状態を撮像し、破砕チップの長軸の長軸方向と基準線の方向とがなす角度を測定し、その平均値を算出して行う。なお、基準線の方向とは、搬送方向に沿った方向をいい、得られる木質系チップ成形体の長さ方向と一致するものである。
基準線に対する各破砕チップの長手方向がなす角度の平均値を求める方法は、積層後の表面状態を撮像し、破砕チップの長軸の長軸方向と基準線の方向とがなす角度を測定し、その平均値を算出して行う。なお、基準線の方向とは、搬送方向に沿った方向をいい、得られる木質系チップ成形体の長さ方向と一致するものである。
原料チップの長手方向を略一軸方向に揃える方法は、特に限定されないが、たとえば、(1)図5に示すように、仕切り板71によって細長く仕切られた型枠7a内に原料チップ4を上方から投入する方法、(2)図6に示すように、ディスクオリエンタ7bを用いて配向させて積層する方法、(3)図7に示すように、傾斜した横断面略U字状や断面略V字状をした樋状部72が連接して設けられた配向搬送部7cの上流側に原料チップ4を供給し、配向搬送部7cを振動させて原料チップ4を樋状部72の底の稜線方向に配向させながら樋状部72の下流へ搬送し、配向搬送部7cの下流側に連接するベルトコンベア73などの上に配向積層する方法や、これらを併用した方法等が挙げられる。
また、原料チップの積層は、特に限定されないが、生産性を考慮すると、ベルトコンベア、又はベルトコンベア上もしくはローラーコンベア上に置かれたコール板等の搬送装置の上に積層することが好ましい。
すなわち、搬送装置上で積層するようにすると、積層されて得られた積層マットをそのままプレス成形装置のところまで搬送できる。なお、コール板とは、ステンレススチール、鉄、アルミニウム等の所定サイズの金属板のことである。
すなわち、搬送装置上で積層するようにすると、積層されて得られた積層マットをそのままプレス成形装置のところまで搬送できる。なお、コール板とは、ステンレススチール、鉄、アルミニウム等の所定サイズの金属板のことである。
また、本発明において、加熱プレス方法は、特に限定されないが、熱伝導プレス機や蒸気プレス機を用いる方法が挙げられる。なお、蒸気プレス機とは、蒸気を用いて被処理物(本発明の場合、原料チップと結合剤の混合物のマット状積層体)を加熱しつつ加圧成形する機械のことである。
プレスの温度条件は、特に限定されないが、通常、100〜250℃の範囲が好ましい。圧力条件は10〜100kgf/cm2の範囲が好ましい。プレス時間は、結合剤が硬化する時間によって決定される。
プレスの温度条件は、特に限定されないが、通常、100〜250℃の範囲が好ましい。圧力条件は10〜100kgf/cm2の範囲が好ましい。プレス時間は、結合剤が硬化する時間によって決定される。
さらに、得られた木質系チップ成形体は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明にかかる木質チップ成形体の製造に用いる配向積層装置の1例をあらわしている。
図1〜図3は、本発明にかかる木質チップ成形体の製造に用いる配向積層装置の1例をあらわしている。
図1に示すように、この配向積層装置1は、2台の配向装置2と、ベルトコンベヤ3とを備え、2台の端部木質チップの回収装置6を備えている。
配向装置2は、図2に示すように、配向搬送部21と、複数の配向板22と、振動付与手段23とを備えている。
配向装置2は、図2に示すように、配向搬送部21と、複数の配向板22と、振動付与手段23とを備えている。
配向搬送部21は、断面略V字形の樋状部21aが幅方向に並設された断面波形をしていて、樋状部21aの一方(上方)から他方(下方)に向かって下り勾配になっていて、下流側に排出口24を備えるとともに、幅方向の両側に結合剤付き木質チップ4のこぼれ落ち防止のための立上壁25が設けられている。
配向板22は、樋状部21aと樋状部21aとの境界線に平行に設けられている。
配向板22は、樋状部21aと樋状部21aとの境界線に平行に設けられている。
振動付与手段23は、2枚の立上壁25にまたがるように設けられた水平バー26と、水平バー29に受けられたバイブレータ27と、バイブレータ27を支持部(図示せず)に吊り下げ状態で支持するバネ28とを備えている。
ベルトコンベヤ3は、その搬送方向が、配向板22と平行になっている。
ベルトコンベヤ3は、その搬送方向が、配向板22と平行になっている。
2台の配向装置2は、ベルトコンベヤの搬送方向(図1の矢印X方向)に向かって所定ピッチで並設されていて、配向装置2の下端とベルトコンベヤ3との距離(クリアランス)が、上流側の配向装置2から下流側の配向積装置2に向かって、層厚が大きくなるに伴い、大きく設定される。
また、各配向装置2の配向搬送部21の上端部には、後で詳述する結合剤付き木質チップ4の供給装置5が配置されている。
また、各配向装置2の配向搬送部21の上端部には、後で詳述する結合剤付き木質チップ4の供給装置5が配置されている。
供給装置5は、ベルトコンベヤ51とその表面に平行なリング状の溝53が複数本設けられた均しローラ52とを備えている。
以下に、配向積層装置を用いた木質系チップ成形体の製造方法を詳しく説明する。
まず、原料チップ4として、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ70〜90重量%、および、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップ10〜30重量%からなる混合チップ、あるいは、気乾比重0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップに、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で混合した混合チップのいずれかを用意する。
まず、原料チップ4として、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ70〜90重量%、および、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップ10〜30重量%からなる混合チップ、あるいは、気乾比重0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップに、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で混合した混合チップのいずれかを用意する。
つぎに、原料チップ4を温度40℃〜90℃、相対湿度1%〜60%の雰囲気に保たれた恒温恒湿室に入れて12時間以上放置し、含水率調整済みの木質チップを得たのち、図4に示すようなドラムブレンダ6に投入し、結合剤61をドラムブレンダ6内の原料チップ4にスプレー散布し、ドラムブレンダ内で原料チップ4に結合剤を担持させて図1〜3に示す結合剤付き原料チップ4を得る。
そして、この結合剤付き原料チップ4を供給装置5のベルトコンベヤ51に載せて均しローラ52によって、ベルトコンベヤ51上の結合剤付き原料チップ4の厚みを略一定になるように均しながら各配向積層装置2の配向搬送部21に連続的に供給する。
そして、この結合剤付き原料チップ4を供給装置5のベルトコンベヤ51に載せて均しローラ52によって、ベルトコンベヤ51上の結合剤付き原料チップ4の厚みを略一定になるように均しながら各配向積層装置2の配向搬送部21に連続的に供給する。
各配向装置2では、振動付与手段23によって配向搬送部21が振動し、この振動によって結合剤付き木質チップ4が樋状部21aに入り込み、樋状部21aによって下流方向に向かって配向されながら排出口24に向かって搬送される。
そして、排出口24から排出された結合剤付き原料チップ4は、所定幅の間隔で配置された配向板22間を通って配向状態を保ちながら落下し、ベルトコンベヤ3の上面で直接、または、先にベルトコンベヤ3上に載った結合剤付き原料チップ4の上で受けられ所定の厚みの積層マット40になるように次々に積層されるとともに、この積層マット40がベルトコンベヤ3によって図示していない加熱プレス装置に向かって搬送される。
そして、排出口24から排出された結合剤付き原料チップ4は、所定幅の間隔で配置された配向板22間を通って配向状態を保ちながら落下し、ベルトコンベヤ3の上面で直接、または、先にベルトコンベヤ3上に載った結合剤付き原料チップ4の上で受けられ所定の厚みの積層マット40になるように次々に積層されるとともに、この積層マット40がベルトコンベヤ3によって図示していない加熱プレス装置に向かって搬送される。
最後に、プレス装置で送られてきた積層マット40を連続的に所望の厚さになるまでプレス成形して木質系チップ成形体を連続的に得るようになっている。
なお、本発明にかかる木質系チップ成形体の製造方法は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、ベルトコンベヤ3状に積層マット40を形成し、この積層マット40をベルトコンベヤ3によって連続的に加熱プレス装置に搬送するようになっていたが、バッチ式に積層マットを形成するようにしても構わない。
なお、本発明にかかる木質系チップ成形体の製造方法は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、ベルトコンベヤ3状に積層マット40を形成し、この積層マット40をベルトコンベヤ3によって連続的に加熱プレス装置に搬送するようになっていたが、バッチ式に積層マットを形成するようにしても構わない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
(参考例)
気乾比重0.29のキリを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップAを得たのち、得られた破砕チップAを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとしてドラムブレンダに投入し、結合剤としてのイソシアネート系接着剤(住友バイエルウレタン製 44V20)を5重量%の割合で破砕チップAに塗布した。
気乾比重0.29のキリを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップAを得たのち、得られた破砕チップAを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとしてドラムブレンダに投入し、結合剤としてのイソシアネート系接着剤(住友バイエルウレタン製 44V20)を5重量%の割合で破砕チップAに塗布した。
そして、図1に示すような配向積層装置1を用いて縦2500mm,横500mm,高さ150mmの大きさに配向積層させた後、積層マットを蒸気プレス機へ導入して、加熱温度180℃,加圧力10kg/cm2,プレス時間5分で加熱プレスし、縦2500mm,横500mm,高さ30mmのプレス成形品を得た。
得られたプレス成形品の6面すべてをカットし、縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
得られたプレス成形品の6面すべてをカットし、縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(実施例1)
気乾比重0.55のダグラスファーを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップBを得たのち、得られた破砕チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
気乾比重0.55のダグラスファーを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップBを得たのち、得られた破砕チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(実施例2)
気乾比重0.92のアカガシを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップCを得たのち、得られた破砕チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
気乾比重0.92のアカガシを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップCを得たのち、得られた破砕チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(実施例3)
参考例の破砕チップAと,実施例1の破砕チップBとを、破砕チップA20重量%、破砕チップB80重量%の割合で混合し、この混合チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
そして、この乾燥状態の混合チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
参考例の破砕チップAと,実施例1の破砕チップBとを、破砕チップA20重量%、破砕チップB80重量%の割合で混合し、この混合チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
そして、この乾燥状態の混合チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(実施例4)
実施例1の破砕チップBと、主として建築廃材を破砕して得た破砕チップ(松井工業社から入手したピンチップ、気乾比重0.2〜0.6の混合物)Dとを、破砕チップB30重量%、破砕チップD70重量%の割合で混合し、この混合チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
そして、この乾燥状態の混合チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
実施例1の破砕チップBと、主として建築廃材を破砕して得た破砕チップ(松井工業社から入手したピンチップ、気乾比重0.2〜0.6の混合物)Dとを、破砕チップB30重量%、破砕チップD70重量%の割合で混合し、この混合チップを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
そして、この乾燥状態の混合チップを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(比較例1)
気乾比重0.44のモミを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップEを得たのち、得られた破砕チップEを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップEを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
気乾比重0.44のモミを一軸ハンマーミル(御池工業社製)を用いて粉砕したのち分級して、繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップEを得たのち、得られた破砕チップEを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップEを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
(比較例2)
実施例4の破砕チップDを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップDを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
実施例4の破砕チップDを加熱オーブン(50℃,48時間)で含水率5.2%まで乾燥した。
この乾燥状態の破砕チップDを原料チップとして用いた以外は、参考例と同様にして縦2000mm,横450mm,高さ25mmの成形品を得た。
上記実施例1〜4および比較例1、2で得られた成形品と、従来品としてのティンバーストランドLSL90E(ウェアーハウザージャパン社製)のそれぞれの曲げ強度、曲げ弾性率、比重を調べ、その結果を表1に示した。
なお、曲げ強度は、JIS K 2101の3点曲げ試験方法を用いて測定した。
曲げ弾性率は、JIS K 2101に準ずる試験方法を用いて測定した。
比重は、JIS K 2101に準ずる試験方法を用いて測定した。
なお、曲げ強度は、JIS K 2101の3点曲げ試験方法を用いて測定した。
曲げ弾性率は、JIS K 2101に準ずる試験方法を用いて測定した。
比重は、JIS K 2101に準ずる試験方法を用いて測定した。
上記表1から本発明の細かい破砕チップを用いた場合にも、従来品と同等あるいはそれ以上の性能を備えたものになることがよくわかる。
本発明の木質系チップ成形体は、住宅で使用される柱や梁等の構造材や、家具材等として有用である。
4 原料チップ
Claims (3)
- 木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、
前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップであることを特徴とする木質系チップ成形体。 - 木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、
前記原料チップが、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップ70〜90重量%、および、気乾比重0.4以下の木材を破砕機で破砕して得られた繊維方向に長い平均アスペクト比12以下の破砕チップ10〜30重量%からなる混合チップであることを特徴とする木質系チップ成形体。 - 木質系材料を破砕して得られた原料チップと結合剤との混合物が、原料チップの長手方向を略一軸方向に揃えた状態で積層されたマットを加熱プレス成形して得られる木質系チップ成形体において、
前記原料チップが、気乾比重0.2〜0.9の木質廃棄物を破砕して得られる破砕チップに、気乾比重0.5以上の木材を破砕機で破砕して得られる繊維方向に長い平均アスペクト比15以上の破砕チップを20重量%〜50重量%の範囲で混合した混合チップであることを特徴とする木質系チップ成形体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104723437A (zh) * | 2013-12-18 | 2015-06-24 | 麦秸板控股公司 | 生产板的设备和方法 |
-
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- 2009-04-17 JP JP2009101047A patent/JP2009202597A/ja not_active Withdrawn
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