JP2004050437A - 木質系複合材料の製造方法 - Google Patents

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Koji Matsumoto
松本 晃治
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Abstract

【課題】長さが15cm以下の短い木質材料片を用いた場合であっても、構造材としても充分使用できる強度を有する木質系複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】長さ1〜15cmの木質チップと結合剤とを混和する工程と、前記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことにより、マットを形成する工程と、前記マットを、前記木質チップの長手方向と上下方向とのいずれにも垂直な方向から2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、前記木質チップを上方へ押し上げつつ、上下方向から見た前記マットの面積を縮小させる工程と、上下方向から見た面積が縮小した前記マットを、上下方向から加圧し加熱する工程とを有する木質系複合材料の製造方法。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長さが15cm以下の短い木質チップを用いた場合であっても、構造材としても充分使用できる強度を有する木質系複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
木質系複合材料は、例えば、細長い木質チップと結合剤との混和物を木質チップの長手方向に向きを揃えて積層し加圧・加熱することにより得られるものであり(特公昭50−17512号等)、長手方向に向きを揃えて積層した木質チップをマット状にしてから加圧・加熱することにより製造されるものであることが知られている(特許第2527761号)。
このようにして製造される木質系複合材料には、構造材料として用いるのに必要な強度を付与するために、長手方向、即ち、繊維方向に一定以上の長さを有する木質チップを用いる必要があり、上記特公昭50―17512号に記載の方法では、繊維方向に15cmを越える長さを有する木質チップが用いられている。この方法では、短い木質チップは、得られる木質系複合材料の強度が充分でないため使用できない。
【0003】
しかしながら、近年問題になっている木材の廃棄物からは、従来の方法に用いられていたような比較的長い木質チップを得ることは困難である。即ち、木材の廃棄物には、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が含まれるが、これらはいずれも乾燥しており、且つ、異物の混入があるため、切削加工用の刃物によって損傷し易く、このような木材の廃棄物から安定して長い木質チップを得ることは難しい。
【0004】
木材の廃棄物を破砕するのに用いられる、異物への耐性が大きい破砕機により得られる木質チップの長さは1〜15cm程度であるので、上記特公昭50―17512号に記載されているような繊維方向に15cmを越える長さを有する木質チップを必要とする木質系複合材料の製造方法では、木材の廃棄物から構造材料としての使用に耐えうる充分な強度を有する木質系複合材料を製造することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、長さが15cm以下の短い木質チップを用いた場合であっても、構造材としても充分使用できる強度を有する木質系複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長さ1〜15cmの木質チップと結合剤とを混和する工程と、前記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことにより、マットを形成する工程と、前記マットを、前記木質チップの長手方向と上下方向とのいずれにも垂直な方向から2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、前記木質チップを上方へ押し上げつつ、上下方向から見た前記マットの面積を縮小させる工程と、上下方向から見た面積が縮小した前記マットを、上下方向から加圧し加熱する工程とを有する木質系複合材料の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明の木質系複合材料の製造方法においては、まず、長さ1〜15cmの木質チップと結合剤とを混和する。
上記木質チップとしては、植物材料からなるものを広く使用することができ、例えば、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹;シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹;竹、コウリャン等からなるものが挙げられる。
【0008】
上記木質チップの原料の形態としては特に限定されず、例えば、丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0009】
上記形態の原料を破砕して木質チップに加工する方法としては特に限定されず、例えば、ベニア加工したものをロータリーカッターにより割り箸状に切断してスティックにする方法、丸太をフレーカーにより回転刃で切削してストランドにする方法、一軸破砕機により表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等が挙げられる。
【0010】
破砕された原料は、一定範囲の厚みを有する木質チップに分級できる分級機を用いて分級された後、上記木質チップとして用いられることが好ましい。
上記粉砕された原料を分級する手段としては特に限定されず、例えば、チップの厚みを基準にして連続的に分級することができるウェーブローラー方式の分級機等が挙げられる。
【0011】
本発明においては、分級されたもののうち、長さが1〜15cmの木質チップを用いて木質系複合材料を製造する。1cm未満であると、構造材料として必要な強度を得ることができず、15cmを超えるものは、原料としてリサイクル材を使用した場合得られにくい。本発明で用いられる木質チップの厚みとしては特に限定されないが、1〜11mm程度のものが扱いやすく、好ましい。
【0012】
上記木質チップは、含水率が一定になるよう調整されたものであることが好ましい。含水率が一定であると得られた木質系複合材料の品質のバラツキが少なくなる。上記木質チップの含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間放置する方法等が挙げられる。例えば、50℃のオーブン中に24時間放置すると、木質チップの含水率はほぼ5%程度に保たれる。
本発明で用いられる木質チップの含水率は、0〜10%であることが好ましい。10%を超えると、充分な接着強度が得られず物性が低下することがある。
【0013】
上記結合剤としては、合板やパーティクルボードを接着するのに用いられる木材工業用の接着剤であれば特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記結合剤の添加量は、上記木質チップの密度、形状、表面状態に応じて適宜決定すればよいが、通常は木質チップ100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましい。
【0014】
上記木質チップと結合剤とを混和する方法としては、コンベア上やドラムブレンダー内等で、木質チップに対し、結合剤をスプレー等により塗布することにより、木質チップの表面に結合剤を付着させる方法が挙げられる。
【0015】
本発明の木質系複合材料の製造方法においては、次いで、上記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことにより、マットを形成する。
上記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法としては、公知の方法を適宜使用することができ、例えば、図1に示す仕切り板を用いる方法、図2に示すディスクオリエンターを用いる方法、図3に示すシュートを用いる方法、図4に示す溝が形成されている配向板を用いる方法等が挙げられる。なかでも、本発明は、後述するように、上記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法として、図4に示す溝が形成されている配向板の溝に木質チップを通す方法を用いた場合に効果を発揮する。
【0016】
本発明の木質系複合材料の製造方法においては、次いで、上記マットを、上記木質チップの長手方向と上下方向とのいずれにも垂直な方向から2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、上記木質チップを上方へ押し上げつつ、上下方向から見た上記マットの面積を縮小させる。
上記2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、上下方向から見た上記マットの面積を縮小させる方法を図5に示す。上記マット7を、2枚の可動式の板状体8で挟んで圧力を加えることにより、マットの底面積は減少し、加えられた圧力は開口している上方へ逃げるので、木質チップ1は上方へ押し上げられる。
【0017】
上記のようにしてマットを加圧すると、マット内における木質チップの向きが長手方向に揃いやすく、また、木質チップをその長手方向に向きを揃えて積んだ際に生じる、例えば、図1に示す仕切り板や図4に示す溝が形成されている配向板等の強制板に由来する線をなくすことが可能となる。
【0018】
上下方向から見た上記マットの面積を縮小させる方法としては、上記の2枚の可動式の板状体で挟み加圧する方法以外にも、上記マットを、進行方向に進むにしたがってその間隔が狭くなる2枚の板状体の間を通過させる方法を用いることもできる。
上記進行方向に進むにしたがってその間隔が狭くなる2枚の板状体の間を通過させて、上記マットの面積を縮小させる方法を図6に示す。上記マット7を、進行方向に進むにしたがってその間隔が狭くなる2枚の板状体8の間を通過させることにより、マットの底面積は減少し、加えられた圧力は開口している上方へ逃げるので、木質チップ1は上方へ押し上げられる。
【0019】
上下方向から見た上記マットの面積を縮小させる方法としては、上記の2つの方法に限定されず、上記マットに上記木質チップの長手方向と上下方向とのいずれにも垂直な方向から圧力が加わり、加えられた圧力が開口している上方へ逃げることができる方法であれば、いずれの方法であっても用いることができる。
上記マットへの圧力の加わり方としても特に限定されず、例えば、短時間に1度であっても、複数回に分けてであっても、振動のように短時間に多数回であってもよい。
【0020】
上下方向から見た上記マットの面積の縮小率は、5〜50%であることが好ましい。5%未満であると、加圧した効果が得られず、50%を超えると、木質チップの長手方向の向きがかえって乱れやすくなる。
【0021】
本発明の木質系複合材料の製造方法においては、最後に、面積が縮小した上記マットを上下方向から加圧し加熱する。
上記面積が縮小したマットを上下方向から加圧し加熱する方法としては、熱板のように木質チップの表面から伝熱により内部に熱を伝えつつ加圧する方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱しつつ加圧する方法等が挙げられる。このような加圧・加熱方法を実施する手段としては、例えば、公知の木質系複合材料成形用の縦型プレス機や連続プレス機を用いることができる。
【0022】
上記マットを加熱する際の温度は、100〜250℃であることが好ましい。100℃未満であると、硬化するのに時間がかかりすぎることがあり、250℃を超えると、木材が焼けてしまうことがある。また、上記マットを加圧する際の圧力は、100〜1000MPaであることが好ましい。100MPa未満であると、充分に圧縮できず、製品に鬆が多く残ることがあり、1000MPaを超えると、プレスのための設備が高価になる。加圧時間は、結合剤が硬化する時間であればよい。
本発明の木質系複合材料の製造方法においては、加圧・加熱工程の後、更に、得られた木質系複合材料の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工等を行うことが好ましい。
【0023】
本発明によれば、従来、木質チップの向きを長手方向に揃える際に生じていた強制板に由来する線をなくすことが可能となり、線による物性低下が抑制され、15cm以下の長さの木質チップを用いても充分な強度を有する木質系複合材料を製造することが可能となる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
図7に示したプロセスにより木質系複合材料を製造した。即ち、木材廃棄物処理業者から購入したボード用チップを、ウェーブローラー方式の分級機ウェーブローラースクリーン(たいへい社製)を用いて、厚み1〜15mmの木質チップに分級した。
【0026】
次に、分級した木質チップの含水率が一定になるように、加熱オーブン(50℃、24時間)で調整した。調整後の木質チップの含水率は5.2%であった。
次いで、ドラムブレンダーに木質チップを投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を木質チップ100重量部に対して5重量部塗布し、木質チップと結合剤とを混和した。
【0027】
次に、結合剤が付着した木質チップを、図4に示した溝が形成されている配向板を用いて長手方向に配向させて、マットを形成した後、図5に示した装置を用いて、縮小率が20%となるようにマットを加圧し、縮小したマットをプレス機へ導入した。プレス機としては伝熱タイプである川崎油工社製の300tプレスを用い、金型としては縦2500mm、横500mm、高さ150mmのものを用いた。加熱温度180℃、加圧力300MPaで、10分間プレスし、木質系複合材料の最終形状が2000×500×30mmになるように加圧しつつプレス板を保持した。
最後に木質系複合材料の6面すべてをカットし、1500×400×25mmの木質系複合材料を得た。
【0028】
(実施例2)
図5に示した装置に代えて、図6に示した装置を用いた以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を製造した。
【0029】
(実施例3)
図4に示した配向板に代えて、図1に示した仕切り板を用いた以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を製造した。
【0030】
(実施例4)
マットの縮小率を60%としたこと以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を製造した。
【0031】
(比較例1)
図5に示した装置を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を製造した。
【0032】
各実施例及び比較例で得られた木質系複合材料について、曲げ強度、弾性率を評価し、結果を表1に示した。なお、曲げ強度及び弾性率は、JIS Z 2101に準じて測定した。
【0033】
【表1】
Figure 2004050437
【0034】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、従来、木質チップの向きを長手方向に揃える際に木質系複合材料に付いていた、強制板に由来する線をなくすことが可能となり、線による物性低下が抑制され、15cm以下の長さの木質チップを用いても構造材としての使用に耐えうる強度を有する木質系複合材料を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕切り板により木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法を示す図である。
【図2】ディスクオリエンターにより木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法を示す図である。
【図3】シュートにより木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法を示す図である。
【図4】溝が形成されている配向板により木質チップをその長手方向に向きを揃えて積む方法を示す図である。
【図5】マットを2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、上下方向から見たマットの面積を縮小させる方法を示す図である。
【図6】マットを進行方向に進むにしたがってその間隔が狭くなる2枚の板状体の間を通過させて、上下方向から見たマットの面積を縮小させる方法を示す図である。
【図7】実施例1において木質系複合材料を製造するプロセスを示す図である。
【符号の説明】
1 木質チップ
2 ベルトコンベア
3 仕切り板
4 ディスクオリエンター
5 シュート
6 溝が形成されている配向板
7 マット
8 板状体

Claims (4)

  1. 長さ1〜15cmの木質チップと結合剤とを混和する工程と、
    前記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことにより、マットを形成する工程と、
    前記マットを、前記木質チップの長手方向と上下方向とのいずれにも垂直な方向から2枚の可動式の板状体で挟み加圧して、前記木質チップを上方へ押し上げつつ、上下方向から見た前記マットの面積を縮小させる工程と、
    上下方向から見た面積が縮小した前記マットを、上下方向から加圧し加熱する工程と
    を有することを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  2. 長さ1〜15cmの木質チップと結合剤とを混和する工程と、
    前記木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことにより、マットを形成する工程と、
    前記マットを、進行方向に進むにしたがってその間隔が狭くなる2枚の板状体の間を通過させて、前記木質チップを上方へ押し上げつつ、上下方向から見た前記マットの面積を縮小させる工程と、
    上下方向から見た面積が縮小した前記マットを、上下方向から加圧し加熱する工程と
    を有することを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  3. 木質チップをその長手方向に向きを揃えて積むことは、溝が形成されている配向板の溝に木質チップを通すことによることを特徴とする請求項1又は2記載の木質系複合材料の製造方法。
  4. 上下方向から見たマットの面積の縮小率が、5〜50%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の木質系複合材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005238502A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Sekisui Chem Co Ltd 木質系チップ成形体

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