JP2004065635A - 画像処理装置 - Google Patents

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【課題】外部同期のCCDカメラや同期制御を行うためのインターフェースが不要で、必要な画像のみを取り込むことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置Bの画像取り込みインターフェース61は、CCDカメラ51から連続的に出力される画像を取り込む。画像処理装置B内の有効画像判定手段は、連続的に取り込んだ画像に基づいてその画像が表示又は記録すべき有効画像か否かを判定する。そして、有効画像と判定された画像のみをTVモニタ8に表示し、又はハードディスク装置9に記録する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置に係り、特に撮影された医用画像や一般画像の取り込みタイミング等の決定を画像処理によって行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮影システム側から画像処理装置側に連続的に画像が送られ、画像処理装置側では、どのタイミングで画像を取り込むかを決定する場合、従来では、撮影システム側から取り込み信号を貰う等の方法で画像の取り込みを行っているか、又は一切取り込みタイミングを必要とせず、撮影システムから送られてくる全ての画像を取り込む等の方法が用いられている。
【0003】
図4に示す従来の医療用X線撮影装置の一例で説明すれば、X線発生器1により制御されたX線管2は、被検体3にX線を照射し、被検体3を透過したX線は、イメージインテンシファイア(I. I. ) 4にて光信号に変換され、CCDカメラ5にて画像信号に変換される。この画像信号は、画像取り込みインターフェース6を介して画像処理装置側に取り込まれ、中央処理装置(CPU)7の制御によりTVモニタ8に表示され、又はハードディスク装置9に記録される。
【0004】
これらの画像の取り込みを行うためには、X線制御と画像取り込みのタイミングを制御する必要があり、X線インターフェース11と同期信号インターフェース10とが必要となる。 また、CCDカメラ5も外部同期によって動作する必要がある。
【0005】
即ち、X線インターフェース11からX線を発生させるための指令信号をX線発生器1及び同期信号インターフェース10に出力し、同期信号インターフェース10は、X線曝射に同期した同期信号をCCDカメラ5及び画像取り込みインターフェース6に送信する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の画像処理装置は、X線インターフェース11や同期信号インターフェース10が必要であり、また、撮影システム側では、外部同期可能なCCDカメラ5が必要であった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、外部同期のCCDカメラや同期制御を行うためのインターフェースが不要で、必要な画像のみを取り込むことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に係る画像処理装置は、撮像手段から連続的に出力される画像を入力する入力手段と、前記入力手段に連続的に入力する画像に基づいてその入力画像が表示又は記録すべき有効画像か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって有効画像と判定された画像のみを表示又は記録する手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
即ち、前記撮影手段からは所定のフレームレートで画像が連続的に出力され、入力手段にはこの連続的に出力される画像が加えられる。この撮像手段としては、外部同期可能なものに限らず、内部同期の汎用のものが適用できる。
【0010】
前記判定手段は、前記入力手段を介して連続的に入力する画像に基づいてその入力画像が表示又は記録すべき有効画像か否かを判定する。尚、有効画像の判定は、例えば、予め定めた閾値以上の画素値を検出した場合や、画像を構成する画素の標準偏差値や分散値、あるいは基準の画像に対して一定値以上の差分を検出した場合などから判定することができる。
【0011】
そして、連続的に入力する入力画像のうちの有効画像と判定された画像のみを表示したり、又は記録するようにしている。
【0012】
また、請求項2に示すように前記撮像手段からはX線の曝射のない無効画像と、低線量のX線が曝射されたときの透視画像と、高線量のX線が曝射されたときのX線撮影画像とのうちのいずれかを出力し、前記判定手段は、入力する画像の性質に基づいて該入力画像が前記無効画像か透視画像かX線撮影画像かを判定し、前記表示又は記録する手段は、前記判定手段によって透視画像又はX線撮影画像と判定された画像のみを表示し、前記判定手段によってX線撮影画像と判定された画像のみを記録することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る画像処理装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】
図1は本発明に係る画像処理装置が適用された医療用X線撮影装置の概要図である。
【0015】
この医療用X線撮影装置は、撮影システムAと画像処理装置Bとからなり、撮影システムAは、X線発生器1と、X線管2と、イメージインテンシファイア(I.I.)4と、CCDカメラ51とによって構成されている。被検体3等は、このX線管2とI.I.4との間に配置され、ここで臨床の場に用いる透視像などが撮像される。
【0016】
画像処理装置Bは、撮影システムAとの間で同期をとるための同期信号を必要とせずに、人体等が撮影された場合の画像(有効画像)を取り込むもので、主として画像取り込みインターフェース61と、CPU71と、TVモニタ8と、ハードディスク装置9とから構成されている。この画像処理装置Bは、撮像システムAから入力する画像が有効画像か否かを判定する有効画像判定手段を具備している。
【0017】
有効画像判定手段の動作原理は、以下に示す如くである。
【0018】
画像処理装置Bの画像取り込みインターフェース61には、撮影システムAから所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)の画像が連続的に入力する。ここで、図4に示した従来装置では、同期信号を元に画像を取り込むのに対し、本発明の画像処理装置Bでは、処理プログラムの処理が始まると、常に画像を連続的にメモリ上(図示せず)に取り込む。メモリ上には取り込むが、その画像が有効画像でなければ、TVモニタ8での表示やハードディスク装置9への記録は行わない。
【0019】
有効画像判定手段は、この連続的に取り込まれた画像の画素値を監視する。撮影システムAにおいて、X線が曝射されたときの画像と、X線が曝射されていないときの画像とは画素値が大幅に変化する。有効画像判定手段は、この画素値の変化によって有効画像であるか否かを判定し、有効画像である場合には、TVモニタ8での表示やハードディスク装置9への記録を行う。
【0020】
有効画像であるか否かの判定は、下記の如くである。一例として、縦512 ピクセル、横512 ピクセルの画像を1秒間に30枚取り込んでいる場合を仮定する。有効画像判定手段は、この約33ミリ秒間隔で取り込まれた画像の中心100画素の平均値を計算し、その平均値がある閾値以上であれば有効画像と判定する。平均値演算、閾値判定は、33ミリ秒以下で行わなければ連続的に取り込まれる全ての画像を監視していないことになるが、現在のコンピュータの演算能力をもってすれば十分実現できる。これを図で示したのが図2である。
【0021】
図2に示すフレームメモリ20には、縦512 ピクセル、横512 ピクセルの画像が約33ミリ秒間隔で順次取り込まれる。このフレームメモリ20に取り込まれた画像の中心100画素の平均値が算出され、有効画像であるか否かの判定が行われる。
【0022】
撮影システムAによりX線が曝射されず、人体のX線透視像が取り込まれない場合、その画像の中心100画素の平均値は、理想的(ノイズなどの影響を無視した場合)にはゼロとなる。これに対し、撮影システムAにより人体にX線が曝射されたX線透視像が取り込まれた場合、中心100画素の平均値はゼロ以外の数値となる。本発明における有効画像判定手段は、この画素値の違いを元に有効画像であるか否かの判定を行い、有効画像と判定された画像のみをTVモニタ表示やハードディスク記録のためにフレームメモリ20から後段のフレームメモリ22に送る。
【0023】
上記の処理により、X線の曝射と関連した同期信号を必要とせず、画像処理装置B側の画像処理だけでX線透視画像のみを取り込むことができ、これによりX線の曝射と同期をとるためのハードウェアを必要としない装置を実現することができる。
【0024】
以上の説明では、有効画像であるか否かの判定を、取り込んだ画像の中心100画素の平均値の大きさに基づいて行ったが、判定方法はこれに限らない。例えば、全画素の平均値に基づいて有効画像であるか否かの判定を行ってもよい。また、数画素の平均値を計算するのではなく、複数画素の標準偏差(SD)値を計算し、そのSD値によりノイズの増減を用いて有効画像であるか否かの判定を行ってもよい。
【0025】
SD値を元にした有効画像の判定方法は、有効画像の判定以外に下記の判定にも用いることができる。
【0026】
撮影システムAでは、人体にX線を曝射する際に、人体を被曝から守るために様々にX線撮影条件をコントロールしている。連続的に臓器の動き等を観察する場合の透視撮影では、X線被曝量を抑えるためにX線管2の管電流を低く抑える。この場合の画像のSD値は高くなるが、動画のように観察できるため、造影剤等が流れる様子を観察することができる。
【0027】
この透視撮影に対し、高線量のX線を人体に曝射してX線撮影する方法をとる場合がある。この高線量のX線撮影は、人体の疾患部を透視により決定した後、鮮明な画像(より有効な臨床診断用の画像)を得るための撮影である。この場合,X線の線量が高いため、画像のSD値は低くなり、画像の鮮明度は増すことになる。
【0028】
従って、画像のSD値を計算し、そのSD値の大きさに基づいて透視撮影した画像とX線撮影した画像とを区別することができる。即ち、画像処理装置B側では、透視撮影とX線撮影との区別の信号を撮影システムAから受け取ることなく、両者の区別を行うことができる。
【0029】
図3に示した例では、有効画像判定手段により、透視画像かX線撮影画像かの判定を、順次取り込んだ画像に対してSD値に基づいて行い、SD値が予め定めた閾値以上の画像は、Aモニタ24に透視画像として表示し、SD値が予め定めた閾値以下の画像は、Bモニタ26にX線撮影画像として表示するとともに、同時にハードディスク装置に保存するなどの処理が実行可能である。
【0030】
このように有効画像判定手段は、有効、無効の画像の判定のみでなく、有効画像のSD値を監視することで、有効画像がどのようなX線条件で撮影されたものかを推測も可能となり、その撮影条件に応じて様々な処理を付加することも可能となる。具体的に記述すれば、取り込まれた画像のSD値が著しく高いと判定されると、適切なフィルタリング処理をその画像に実行する等である。
【0031】
尚、上記有効画像判定手段は、画像取り込みインターフェース61内に設けてもよいし、CPU71を動作させるソフトウェア及びCPU71内のメモリによって実現するようにしてもよい。また、前記SD値の代わりに分散値を用いてもよい。
【0032】
以上、医療用X線撮影装置に本発明に係る画像処理装置を適用した場合の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、広く一般の撮影システム−画像処理装置に用いることができる。以下、その例について説明する。
【0033】
一般のCCDカメラを用いた防犯用のシステムに本発明に係る画像処理装置を適用する場合について説明する。
【0034】
一般に事務所等の部屋の侵入者を検知するための防犯ビデオシステムがある。このシステムに本発明に係る画像処理装置を用いることができる。
【0035】
即ち、最初に無人の事務所をCCDカメラで取り込み、その画像を基準画像として画像処理装置内のメモリに格納しておく。そして、CCDカメラは、常に画像を取り込み、画像処理装置に送る。
【0036】
画像処理装置は、取り込んだ画像(送られた画像)と、予め準備した基準画像との差分画像を作成し、その差分画像の絶対値の平均値を計算する。監視している事務所内に侵入者がいなければ、前記差分画像の絶対値の平均値はゼロである。侵入者がいる場合には、侵入者の画像により撮影画像と基準画像とが一致しなくなり、両者の差分画像の絶対値の平均値はゼロ以外の値となる。この場合、撮影画像の中心の画素のみを監視するのではなく、画素全体を監視する必要がある。
【0037】
そして、上記の監視の結果、差分画像の絶対値の平均値がゼロ以外の値を持つ場合には、その時の撮影画像を有効画像としてハードディスク装置やビデオテープなどの記録メディアに保管して、その侵入者の形跡を記録することができる。このシステムにより、侵入者があった場合のみ画像を取り込むため、記録メディアの有効活用を図ることができる。また、防犯上の有利な点として、画像処理装置はこの侵入者の画像をインターネット等のネットワークを通じて外部へ送信し、警告を促すことも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、外部同期のCCDカメラや同期制御を行うためのインターフェースが不要で、必要な画像のみを取り込むことができ、装置の低価格化を図ることができる。また、内部同期のカメラを有する既存の撮影システムに対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置が適用された医療用X線撮影装置の概要図
【図2】本発明に係る有効画像判定手段を説明するために用いた概要図
【図3】本発明に係る画像処理装置の応用例を説明するための用いた図
【図4】従来の画像処理装置を含む医療用X線撮影装置の概要図
【符号の説明】
1…X線発生器、2…X線管、3…被検体、4…イメージインテンシファイア(I.I.)、8…TVモニタ、9…ハードディスク装置、20、22…フレームメモリ、24…Aモニタ、26…Bモニタ、51…CCDカメラ、61…画像取り込みインターフェース、71…中央処理装置(CPU)、A…撮影システム、B…画像処理装置

Claims (2)

  1. 撮像手段から連続的に出力される画像を入力する入力手段と、
    前記入力手段に連続的に入力する画像に基づいてその入力画像が表示又は記録すべき画像か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって表示又は記録すべき画像と判定された入力画像のみを表示又は記録する手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記撮像手段からはX線の曝射のない無効画像と、低線量のX線が曝射されたときの透視画像と、高線量のX線が曝射されたときのX線撮影画像とのうちのいずれかを出力し、
    前記判定手段は、入力する画像の性質に基づいて該入力画像が前記無効画像か透視画像かX線撮影画像かを判定し、
    前記表示又は記録する手段は、前記判定手段によって透視画像又はX線撮影画像と判定された画像のみを表示し、前記判定手段によってX線撮影画像と判定された画像のみを記録することを特徴とする請求項1の画像処理装置。
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