JPH10145676A - デジタル血管撮像装置 - Google Patents

デジタル血管撮像装置

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JPH10145676A
JPH10145676A JP8292456A JP29245696A JPH10145676A JP H10145676 A JPH10145676 A JP H10145676A JP 8292456 A JP8292456 A JP 8292456A JP 29245696 A JP29245696 A JP 29245696A JP H10145676 A JPH10145676 A JP H10145676A
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ray
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imaging
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JP8292456A
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Kazuji Imamura
和司 今村
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体のX線被爆量を低減することが可能なデ
ジタル血管撮像装置を提供すること。 【解決手段】 X線を発生するX線管と、被検体のX線
像を撮像するX線撮像手段と、造影剤注入前の被検体の
X線像から造影剤注入後の被検体のX線像を減算する減
算手段と、該減算結果から造影剤注入部分のX線像を構
成する画像構成手段と、該構成画像を表示する表示手段
とを有するデジタル血管撮像装置において、前記減算手
段によって得られたX線像から前記被検体位置の移動に
伴うアーチファクトを検出するアーチファクト検出手段
と、該アーチファクト検出手段の出力に基づいて、前記
X線管のX線発生量あるいはX線像の撮像間隔の少なく
とも一方を制御する撮像制御手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル血管撮像
装置に関し、特に、造影剤の注入前のX線像と注入後の
X線像とから、造影剤注入部分のX線像を得るデジタル
サブトラクションアンギォグラフィ装置(DSA装置、
Digital SubtractionAngiog
raphy装置)に適用して有効な技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のデジタルサブトラクションアンギ
ォグラフィ装置(以下、DSA装置と記す)を用いた血
管撮影では、X線像の造影剤濃度の経時変化から造影剤
を抽出するいわゆる時間差分法が一般的である。
【0003】この時間差分法を用いた血管撮影では、ま
ず、造影剤を注入する前の被検体のX線像を撮像し、こ
のX線像からX線画像(以下、マスク像と記す)を得
る。
【0004】次に、造影剤注入後のX線像を撮像し、こ
のX線像からX線画像(以下、ライブ像と記す)を得た
後、マスク像からライブ像を減算することによって、時
間的変化のない骨や軟部組織等の像を除去した血管像だ
けを抽出していた。
【0005】このように、従来のDSA装置では、ライ
ブ像に撮像されている造影剤注入部分、骨および軟部組
織の内、特に必要でない骨および軟部組織部分を除去す
るために、この骨および軟部組織のみを撮像したマスク
像を用意して、このマスク像からライブ像を減算処理を
行うことによって、造影剤注入部分のデータのみを抽出
していた。
【0006】したがって、従来のDSA装置では、予め
撮像したマスク像とライブ像との減算処理によって、造
影剤を注入した部分の画像のみを抽出するために、マス
ク像とライブ像とは同一条件および同一位置から被検体
を撮像すると共に、被検体の位置(撮像対象となる部分
およびその周辺部分)を一定の位置に固定しておく必要
があった。
【0007】このために、従来では、被検体は撮像中の
動作が禁止されるだけでなく、その撮像部位によって
は、被検体の呼吸をも止めていなければならなかった。
【0008】一方、DSA撮影は、撮像部位によっては
20秒以上の長時間にもおよぶことがあり、被検体はこ
の間呼吸を停止させたままとすることが要求されてい
た。
【0009】しかしながら、被検体の体調等の問題から
長時間におよぶ呼吸の停止ができず、DSA撮影ができ
ないという問題があった。
【0010】また、呼吸の停止ができる場合であって
も、長時間におよぶ呼吸の停止は被検体にとっても苦し
いものであり、我慢に伴う体の微動(体動)が生じてし
まうという問題があった。
【0011】このため、近年では、これらの問題を解決
するDSA撮影方法として、被検体に呼吸をさせなが
ら、造影剤の流れにあわせた撮像間隔すなわち撮像レー
トでDSA撮影を行い、得られたX線像の中からマスク
像と同じ位置に被検体がきたときに撮像された、すなわ
ち、マスク像と同じ位相で撮像されたライブ像のみを選
択し、このライブ像とマスク像との減算処理を行うこと
によって、呼吸等に伴う被検体の位置のずれの影響によ
るアーチファクトのない画像を得ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0013】従来のデジタル血管撮像装置を用いたDS
A撮影では、被検体の体力的負担を低減すること、およ
び、確実にアーチファクトのないDSA画像を得ること
に対しては効果があった。
【0014】しかしながら、このDSA装置では、本来
では必要とされないX線像であるマスク像と位相が異な
るX線像(ライブ像)を多数撮像することになるので、
被験者に無駄なX線被爆を強いるという問題があった。
【0015】さらには、従来のDSA装置では、マスク
像とライブ像との減算処理した画像をモニタ等に表示す
るまで、アーチファクトの発生を確認することができな
いという問題があった。
【0016】本発明の目的は、被検体のX線被爆量を低
減することが可能なデジタル血管撮像装置を提供するこ
とにある。
【0017】本発明の他の目的は、アーチファクトの発
生原因となるマスク像と異なる位相のX線像の撮像枚数
を低減することが可能なデジタル血管撮像装置を提供す
ることにある。
【0018】本発明のその他の目的は、マスク像とライ
ブ像との位相の違いを検出することが可能な検出装置を
提供することである。
【0019】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0021】(1)X線を発生するX線管と、被検体の
X線像を撮像するX線撮像手段と、造影剤注入前の被検
体のX線像から造影剤注入後の被検体のX線像を減算す
る減算手段と、該減算結果から造影剤注入部分のX線像
を構成する画像構成手段と、該構成画像を表示する表示
手段とを有するデジタル血管撮像装置において、前記減
算手段によって得られたX線像から前記被検体位置の移
動に伴うアーチファクトを検出するアーチファクト検出
手段と、該アーチファクト検出手段の出力に基づいて、
前記X線管のX線発生量あるいはX線像の撮像間隔の少
なくとも一方を制御する撮像制御手段とを具備する。
【0022】(2)X線を発生するX線管と、被検体の
X線像を撮像するX線撮像手段と、造影剤注入前の被検
体のX線像から造影剤注入後の被検体のX線像を減算す
る減算手段と、該減算結果から造影剤注入部分のX線像
を構成する画像構成手段と、該構成画像を表示する表示
手段とを有するデジタル血管撮像装置のアーチファクト
検出装置において、予め設定した第1の設定値を格納す
る第1の格納手段と、第2の設定値を格納する第2の格
納手段と、減算によって得られたX線像の画素毎の画素
値と前記第1の設定値とを比較する第1の比較手段と、
1画像分の減算画像の内、前記第1の比較結果が前記第
1の設定値以上となる画素値を合計する画素値合計手段
と、該合計値と前記第2の設定値とを比較する第2の比
較手段とを具備し、前記合計値が前記第2の設定値以上
の場合には、当該減算画像にアーチファクトが発生して
いるものとみなすことを特徴とする。
【0023】(3)X線を発生するX線管と、被検体の
X線像を撮像するX線撮像手段と、造影剤注入前の被検
体のX線像から造影剤注入後の被検体のX線像を減算す
る減算手段と、該減算結果から造影剤注入部分のX線像
を構成する画像構成手段と、該構成画像を表示する表示
手段とを有するデジタル血管撮像装置のアーチファクト
検出装置において、予め設定した第1の設定値を格納す
る第1の格納手段と、第3の設定値を格納する第3の格
納手段と、減算によって得られたX線像の画素毎の画素
値と前記第1の設定値とを比較する第1の比較手段と、
該比較結果をカウントするカウント手段と、1画像分の
減算画像のカウント値と前記第3の設定値とを比較する
第3の比較手段とを具備し、前記カウント値が前記第3
の設定値以上の場合には、当該減算画像にアーチファク
トが発生しているものとみなすことを特徴とする。
【0024】前述した(1)の手段によれば、アーチフ
ァクト検出手段の検出結果に基づいて、たとえば、アー
チファクトが発生していない場合には、予め設定した通
常撮像時の時間間隔でX線撮像を行い、一方、アーチフ
ァクトが発生している間は、アーチファクトの発生状況
を監視できる程度、すなわち、通常撮像時の時間間隔よ
りも大きい時間間隔でX線撮像を行うことによって、サ
ブトラクション像としては使用できない、すなわち、診
断には使用できない無駄なX線像であるアーチファクト
発生時のX線像の撮像枚数を低減できる。
【0025】したがって、診断に必要となるX線像の撮
像枚数を減少させることなく、被検体に照射されること
になる無駄なX線を低減できる。
【0026】前述した(2)の手段によれば、たとえ
ば、まず、予め実験等によって、被検体の移動に伴うモ
ーションアーチファクトと第1の設定値および第2の設
定値との関係を求め、それぞれの設定値を第1の格納手
段および第2の格納手段に格納しておく。
【0027】次に、第1の比較手段が、減算画像の各画
素毎の画素値と第1の設定値を比較し、その結果に基づ
いて、画素値合計手段が第1の設定値以上となった画素
の画素値を合計する。
【0028】次に、第2の比較手段が、この合計値と第
2の設定値すなわち当該減算画像をアーチファクトの発
生した画像であるかの基準値とを比較し、この比較結果
に基づいて、減算画像に発生するアーチファクトの有無
を判定することにより、アーチファクトの発生した減算
画像を容易に特定できる。
【0029】前述した(3)の手段によれば、たとえ
ば、まず、予め実験等によって、被検体の移動に伴うモ
ーションアーチファクトと第1の設定値および第2の設
定値との関係を求め、それぞれの設定値を第1の格納手
段および第2の格納手段に格納しておく。
【0030】次に、第1の比較手段が、減算画像の各画
素毎の画素値と第1の設定値を比較し、その結果、第1
の設定値以上となった画素の数をカウント手段が減算画
像の1枚分に対して順次カウントすることによって、被
検体の移動に伴うアーチファクトの発生した画素数をカ
ウントできる。
【0031】次に、第3の比較手段が、このカウント値
と第3の設定値と比較することによって、1枚分の画素
の内で、アーチファクトとなる画素の数が予め設定した
条件以上であるかを判定することにより、ノイズ等が原
因となる画素値の変動を考慮したアーチファクトの検出
ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0033】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0034】図1は本発明の一実施の形態の概略構成を
示すブロック図であり、1はX線高電圧装置、2はX線
管装置(X線管)、3は被検体、4はイメージインテン
シファイア、5はテレビカメラ、6はアナログデジタル
変換器(A/D変換器)、7はマスク像メモリ、8は減
算器(減算手段)、9はサブ像メモリ、10はデジタル
アナログ変換器(D/A変換器、画像構成手段)、11
はモニタ(表示手段)、12はアーチファクト検出回路
(アーチファクト検出手段)、13はCPU回路(撮像
制御手段、第2の比較手段)を示す。
【0035】図1において、X線高電圧装置1は、X線
管装置2を駆動するための高電圧を発生し、X線管装置
2に供給する周知のX線高電圧装置であり、本実施の形
態においては、CPU回路13からの制御信号に基づい
て、X線管装置2に供給する電圧値および電流値を制御
する。
【0036】X線管装置2は、周知のX線管装置であ
り、X線高電圧装置1から供給される電圧値および電流
値にしたがったX線量のX線を発生する。
【0037】イメージインテンシファイア4は、周知の
イメージインテンシファイアであり、入力面から入射し
たX線像を光学像に変換して出力面から出力する。
【0038】テレビカメラ5は、イメージインテンシフ
ァイア4の出力面から出力される光学像を電気信号に変
換する周知のテレビカメラであり、本実施の形態におい
ては、特に、光学像をアナログ信号であるビデオ信号に
変換するテレビカメラである。
【0039】ただし、本実施の形態においては、イメー
ジインテンシファイア4とテレビカメラ5とからなるX
線撮像装置(X線撮像手段)を用いて、その作用および
効果を説明するが、X線撮像装置はこれに限定されるこ
とはない。
【0040】A/D変換器6は、周知のA/D変換器で
あり、本実施の形態においては、テレビカメラ5で撮影
した光学像のビデオ信号をデジタル信号形式の画像情報
(画像、X線画像)に変換する。
【0041】マスク像メモリ7は、造影剤を注入する前
の被検体3の画像情報(マスク像)を格納すると共に、
このマスク像を減算器82に出力する手段であり、たと
えば、周知の半導体メモリ、磁気ディスク装置、光磁気
ディスク装置等を用いる。
【0042】減算器8は、マスク像メモリに格納される
マスク像からA/D変換器より出力される画像情報すな
わち造影剤注入後の画像情報(ライブ像)を減算する手
段であり、たとえば、前述の2つ画像の同一画素の画素
値の減算処理を行う。
【0043】サブ像メモリ9は、減算器8による減算処
理で得られた画像情報(DSA画像)を格納する手段で
あり、たとえば、周知の半導体メモリ、磁気ディスク装
置、光磁気ディスク装置等を用いる。
【0044】D/A変換器10は、デジタル信号の画像
情報をモニタ11の入力形式であるビデオ信号に変換す
る周知のD/A変換器であり、デジタル信号入力が可能
なモニタ11を使用する場合には、本回路を用いること
なくモニタ出力が可能なことは言うまでもない。
【0045】モニタ11は、周知のテレビモニタであ
り、D/A変換後のX線像であるサブトラクション像を
表示する。
【0046】アーチファクト検出回路12は、マスク像
からライブ像を減算処理することによって得られた画像
にアーチファクトが発生していないかを検出する手段で
あり、詳細については後述する。
【0047】CPU回路13は、アーチファクト検出回
路12の出力に基づいて、X線の照射間隔およびX線像
の撮像間隔(撮影レート)を制御する手段であり、たと
えば、周知の情報処理装置上で実行されるプログラムに
よって実現可能である。
【0048】次に、図1に基づいて、本実施の形態のデ
ジタル血管撮像装置の動作を説明する。まず、被検体3
に造影剤を注入する前の画像情報すなわちマスク像を得
る場合について説明する。
【0049】図示しない作業者の操作により測定は開始
され、まず、X線高電圧装置1が、CPU回路13から
の信号(駆動信号)に基づく出力電圧および出力電流を
X線管装置2に印加して、所定量のX線を発生させる。
【0050】X線管装置2で発生したX線は、被検体3
を透過した後、イメージインテンシファイア4に入力し
光学像に変換される。該光学像は、テレビカメラ5によ
り撮影(撮像)すなわちビデオ信号に変換された後、A
/D変換器6でデジタルの画像情報に変換される。
【0051】このとき、得られた画像情報は、被検体3
に造影剤を注入する前の画像情報であるので、マスク像
として、マスク像メモリ7に格納される。
【0052】次に、被検体3に造影剤を注入した後の画
像情報すなわちライブ像を撮像し、このライブ像からD
SA画像を得る場合について説明する。
【0053】前述する造影剤注入前の撮像と同様に、ま
ず、CPU回路13からの信号(駆動信号)に基づくX
線高電圧装置1の出力がX線管装置2に印加され、所定
量のX線が発生する。
【0054】X線管装置2で発生したX線は、被検体3
を透過した後、イメージインテンシファイア4に入力し
光学像に変換される。該光学像は、テレビカメラ5によ
りビデオ信号に変換され、次に、A/D変換器6でデジ
タルの画像情報に変換される。
【0055】このとき、得られた画像情報は造影剤注入
後のいわゆるライブ像であり、この画像情報は、次に、
減算器8に出力される。
【0056】減算器8では、マスク像メモリ7に格納さ
れるマスク像からライブ像を減算処理(サブストラクシ
ョン)し、得られた画像情報がサブ像メモリ9に出力さ
れ、サブ像メモリ9に格納される。
【0057】サブ像メモリ9に格納されたDSA画像
は、D/A変換器10の読み込みレートでサブ像メモリ
9から読み出され、D/A変換器10でアナログのビデ
オ信号に変換された後、モニタ11に出力され、DSA
像として表示される。
【0058】このときのD/A変換器10の読み込みレ
ートすなわちサブ像メモリ9の読み出しレートと、モニ
タ11のフレームレートとは同じ値に設定されているの
で、モニタ11には常に最新のDSA像を表示できる。
【0059】また、サブ像メモリ9の出力はアーチファ
クト検出回路12の入力にも接続されており、アーチフ
ァクト検出回路12がサブ像メモリ9から出力されるD
SA画像のアーチファクト量を検出し、その結果をCP
U回路13に出力する。
【0060】なお、アーチファクト検出回路12による
アーチファクトの検出原理およびこの回路の動作の詳細
については、後述する。
【0061】CPU回路13では、入力されるアーチフ
ァクト量が予め計測等によって決定された設定値(第2
の設定値)以上であるか否かを判定し、設定値以下の場
合には、図示しない作業者が予め設定した正常時すなわ
ちアーチファクトが発生していない場合の撮像周期(第
1の撮像周期)でX線を発生させるための信号をX線高
電圧装置1に出力する。
【0062】一方、CPU回路13に入力されるアーチ
ファクト量が第2の設定値以上の場合には、CPU回路
13は、アーチファクトが発生しているすなわち被検体
3とマスク像とが同期していないものとみなし、アーチ
ファクト発生時の撮像周期(第2の撮像周期)でX線を
発生させるための信号をX線高電圧装置1に出力する。
このときの撮像周期は、アーチファクトが発生していな
い場合の撮像周期のよりも大きい撮像周期に設定されて
いる。
【0063】ただし、前述の第2の設定値および第1・
第2の撮像周期は、予め実験等によって得られたデータ
に基づいて決定する。
【0064】したがって、アーチファクトが発生し、診
断に使用できないDSA像を撮像するために被検体3が
受けるX線の被爆量を低減できる。
【0065】次に、図2にアーチファクトの発生原因で
ある被検体の移動の一例を示す図を、図3に本実施の形
態のアーチファクト検出回路のアーチファクト検出原理
を説明するための図を示し、以下、図2および図3に基
づいて、本実施の形態のアーチファクトの検出原理を説
明する。
【0066】図2において、特に、図2(a)は被検体
の移動の様子を説明するための図であり、図2(b)は
被検体の移動があった場合のサブトラクション像を説明
するための図であり、図2(c)は被検体の移動がなか
った場合のサブトラクション像を示す図である。また、
図3において、特に、図3(a)は造影剤を注入する前
のサブ像におけるヒストグラムを示す図であり、図3
(b)は造影剤注入後のサブ像におけるヒストグラムを
示す図であり、図3(c)はアーチファクトが発生した
場合のサブ像におけるヒストグラムを示す図である。
【0067】ただし、図3に示すヒストグラムは、階級
すなわち横軸に画素値、度数すなわち縦軸に画素数をと
ったものである。
【0068】また、図2における21はサブ像の表示範
囲、22はマスク像における被検体位置、23はライブ
像における被検体位置、24は背景部のサブトラクショ
ン像、25は画素値が正の値となる部分、26は画素値
が負の値となる部分、27は画素値が0(ゼロ)あるい
は0に近い値となる部分、28は被検体の移動がなかっ
た場合の血管像を示す。
【0069】図2(a)に示すように、サブトラクショ
ン像の表示範囲21すなわちイメージインテンシファイ
ア4の変換範囲において、マスク像の撮像時にAで示す
位置(被検体位置22)にいた被検体が、ライブ像の撮
像時に示す位置(被検体位置23)に移動した場合に基
づいて、以下、説明する。
【0070】この場合のサブトラクション像すなわちラ
イブ像からマスク像を減算して得られるX線像は、一般
的には、以下に示すようになる。
【0071】通常、サブトラクション像を表示する場
合、画素値が0の部分を灰色(グレー)で表示し、正の
値となる部分を白色の方向、負の値となる部分を黒色の
方向でそれぞれ表示する。
【0072】したがって、図2(b)に示すサブトラク
ション像においては、背景部のサブトラクション像2
4、および、マスク像の被検体位置22とライブ像の被
検体位置23とが重なる部分である領域27は、それぞ
れ被検体の背景および被検体の濃度分布差に応じた濃度
の灰色となる。
【0073】領域25は、マスク像中には被検体の画像
が撮像されていなく、ライブ像中にのみ撮像されている
部分となるので、減算後(サブトラクション後)の画素
値は負の値となり、X線像としては黒色で表示される。
【0074】また、領域26は、ライブ像中には被検体
の画像が撮像されていなく、マスク像中にのみ撮像され
ている部分となるので、減算後の画素値は正の値とな
り、画像としては白色で表示される。
【0075】一方、被検体の移動によるアーチファクト
(モーションアーチファクト)が発生することなく撮像
が行われた場合は、図2(c)に示すように、造影剤を
注入した部分で血管等が黒色で描出され、他の部分はノ
イズ成分を無視した場合には全て灰色に表示される。す
なわち、被検体位置が移動せずマスク像からのライブ像
の減算処理が正常に行われた場合には、減算処理後の画
像に白色で表示される部分すなわち画素値が正となる部
分が存在しないことになる。
【0076】したがって、サブトラクション像におい
て、白く表示されることになる部分、すなわち、画素値
が正となる部分を検出することによって、減算処理で得
られた画像にモーションアーチファクトが存在している
か否かを検出できる。
【0077】次に、図3に基づいて、前述の原理でモー
ションアーチファクトを検出する方法を説明する。
【0078】まず、造影剤を注入する前の画像どうしの
DSA像すなわち造影剤を注入する前の2枚の画像でサ
ブした場合における画素値の分布は、図3(a)のヒス
トグラムに示すように、画素値が0のときをピークとし
た分布を示す画像となる。
【0079】アーチファクトが発生していないときに得
られたDSA画像では、画素値の分布は、図3(b)に
示すように、画素値が負の値となる部分(黒で表示され
る部分)と画素値が0もしくは0付近の値となる部分の
2つの部分にピークが表れることになる。
【0080】一方、図2に示すように、被検体の移動に
よるモーションアーチファクトが発生した場合には、D
SA画像には、画素値が負の値となる部分(黒で表示さ
れる部分)と画素値が0もしくは0付近となる部分とに
加え、白色で表示される部分すなわち画素値が正の値と
部分に第3のピークが発生することになる。このときの
ヒストグラムの様子を示したのが図3(c)である。
【0081】この図から明らかなように、たとえば、D
SA画像のノイズ成分を示す部分すなわち画素値が0付
近に分布する部分よりも大きく、かつ、アーチファクト
の成分による第3のピークを含む画素値の分布よりも小
さい画素値となる画素値(たとえば、図3中にTで示す
画素値)をしきい値とすることによって、DSA画像の
ヒストグラムからモーションアーチファクトが検出でき
る。
【0082】ただし、このときに検出できるアーチファ
クトの程度は、しきい値(画素値)Tよりも大きな値の
画素値の数、画素値の合計あるいは画素値の数と画素値
の合計とを合算した合算値等と、実験等から求めた設定
値とを比較することによって、判定できる。
【0083】次に、図4に本実施の形態のアーチファク
ト検出回路の概略構成を示すブロック図を示し、以下、
図4に基づいて、本実施の形態のアーチファクト検出回
路の動作を説明する。
【0084】なお、本実施の形態のアーチファクト検出
回路においては、予め実験によって求めたアーチファク
ト発生時の画素値(しきい値)以上の画素値の合計が、
予め実験によって求めた画素値以上の場合をアーチファ
クトが発生しているものとみなす。
【0085】図4において、41はコンパレータ(第1
の比較手段)、42はゲート回路、43は加算器(画素
値合計手段)、44はメモリを示しており、コンパレー
タ41は図示しないメモリに格納されるしきい値(第1
の設定値)とサブ像メモリ9から読み出した画素値とを
比較する周知のデジタルコンパレータである。
【0086】ゲート回路42は、コンパレータ41の出
力に基づいて、サブ像メモリ9から読み出した(出力さ
れた)画素値をそのまま加算器43に出力するか、ある
いは、0(ゼロ)として出力するかを切り替えるゲート
回路であり、たとえば、周知のAND回路によって構成
できる。
【0087】加算器43は、ゲート回路42の出力値と
メモリ44の出力値とを加算する周知の加算器である。
【0088】メモリ44は、加算器43の出力値を格納
する周知のメモリであり、たとえば、周知の半導体メモ
リを用いることによって実現可能である。
【0089】また、メモリ44の出力は、加算器43の
入力に接続されると共に、CPU回路13に接続されて
おり、格納した画素値の合計をCPU回路13に出力す
る構成となっている。
【0090】次に、図4に基づいて、本実施の形態のア
ーチファクト検出回路の動作を説明すると、まず、サブ
像メモリ9からサブトラクション像が画素毎に読み出さ
れ、コンパレータ41およびゲート回路42に入力され
る。
【0091】次に、コンパレータ41は、入力された画
素値と、図示しないメモリ(第1の格納手段)に格納さ
れるしきい値とを比較し、この結果を、ゲート回路42
に出力する。
【0092】ゲート回路42では、コンパレータ41の
比較結果に基づいて、入力された画素値よりも図示しな
いメモリに格納されるしきい値の方が小さいとコンパレ
ータ41が判定した場合には、ゲート回路42はブ像メ
モリ9から読み出した(出力された)画素値をそのまま
加算器43に出力する。
【0093】一方、入力された画素値よりも図示しない
メモリに格納されるしきい値の方が大きいとコンパレー
タ41が判定した場合には、ゲート回路42はブ像メモ
リ9から読み出した(出力された)画素値を0(ゼロ)
として、加算器43に出力する。
【0094】加算器43は、ゲート回路42から入力さ
れた画素値と、メモリ44に格納されている画素値の合
計値とを加算し、この加算結果をメモリ44に出力す
る。
【0095】メモリ44では、たとえば、加算器43か
ら入力された画素値を、すでに格納されている画素値に
上書きすることによって、画素値の合計値を更新し、新
たな画素値の合計値として、CPU回路13へ出力す
る。
【0096】ここで、CPU回路13が、前述するよう
に、メモリ44の出力値と予め実験等によって決定した
第2の設定値とを比較し、メモリ44の出力値が第2の
設定値よりも大きい場合には、アーチファクトが発生し
ているものとみなすことによって、被検体の移動に伴う
モーションアーチファクトを検出できる。
【0097】ただし、第2の設定値は、たとえば、CP
U回路13に接続する図示しない不揮発性半導体メモリ
(第2の格納手段)に格納されている。なお、第2の設
定値を格納する手段は、半導体メモリに限定されること
はなく、たとえば、磁気ディスク装置、光ディスク装
置、あるいは、光磁気ディスク装置等のデータを格納し
ておける装置ならばよいことはいうまでもない。
【0098】以上説明したように、本実施の形態のデジ
タル血管撮像装置においては、予め実験等によって求め
た、被検体の移動に伴うモーションアーチファクトとし
きい値および第2の設定値との関係から、サブトラクシ
ョンによって得られたサブトラクション像におけるアー
チファクトの発生の有無を判定することによって、容易
にアーチファクトの発生を検出できる。
【0099】また、アーチファクトの検出結果に基づい
て、たとえば、アーチファクトが発生していない場合に
は、予め設定した通常撮像時の時間間隔でX線撮像を行
い、一方、アーチファクトが発生している間は、アーチ
ファクトの発生状況を監視できる程度すなわち通常撮像
時の時間間隔のよりも大きい時間間隔でX線撮像を行う
ことによって、サブトラクション像としては使用できな
いアーチファクト発生時のX線像を撮像するために被検
体に照射されることになるX線量を低減できる。
【0100】なお、本実施の形態に示したアーチファク
ト検出回路12の構成は、図2に示すアーチファクト検
出回路12に限定されることはない。
【0101】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0102】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0103】(1)被検体のX線被爆量を低減できる。
【0104】(2)アーチファクトの発生原因となるマ
スク像と異なる位相のX線像の撮像枚数を低減できる。
【0105】(3)マスク像とライブ像との位相の違い
を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】アーチファクトの発生原因である被検体の移動
の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態のアーチファクト検出回路のアー
チファクト検出原理を説明するための図である。
【図4】本実施の形態のアーチファクト検出回路の概略
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…X線高電圧装置、2…X線管装置、3…被検体、4
…イメージインテンシファイア、5…テレビカメラ、6
…アナログデジタル変換器(A/D変換器)、7…マス
ク像メモリ、8…減算器、9…サブ像メモリ、10…デ
ジタルアナログ変換器(D/A変換器)、11…モニ
タ、12…アーチファクト検出回路、13…CPU回
路、21…サブ像の表示範囲、22…マスク像における
被検体位置、23…ライブ像における被検体位置、24
…背景部のサブトラクション像、25…画素値が正の値
となる部分、26…画素値が負の値となる部分、27…
画素値が0(ゼロ)あるいは0に近い値となる部分、2
8…被検体の移動がなかった場合の血管像、41…コン
パレータ、42…ゲート回路、43…加算器、44…メ
モリ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生するX線管と、被検体のX線
    像を撮像するX線撮像手段と、造影剤注入前の被検体の
    X線像から造影剤注入後の被検体のX線像を減算する減
    算手段と、該減算結果から造影剤注入部分のX線像を構
    成する画像構成手段と、該構成画像を表示する表示手段
    とを有するデジタル血管撮像装置において、 前記減算手段によって得られたX線像から前記被検体位
    置の移動に伴うアーチファクトを検出するアーチファク
    ト検出手段と、該アーチファクト検出手段の出力に基づ
    いて、前記X線管のX線発生量あるいはX線像の撮像間
    隔の少なくとも一方を制御する撮像制御手段とを具備す
    ることを特徴とするデジタル血管撮像装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008188165A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fujifilm Corp 放射線撮像装置、放射線撮像方法、及びプログラム
JP2009022464A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Toshiba Corp X線アンギオ撮影装置
JP2015112293A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 株式会社東芝 医用画像処理装置及びx線診断装置
JP2016116843A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 株式会社東芝 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

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