JP5488003B2 - X線撮影方法およびx線撮影装置 - Google Patents

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Description

この発明は、X線撮影方法およびX線撮影装置に関し、特に、血管造影等を行う場合のX線撮影方法およびX線撮影装置に関する。
一般に、被検体である患者に対して血管造影等の検査を行う場合のX線撮影方式には、DA(デジタル・アンギオグラフィ)方式とDSA(デジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)方式とがある。DA方式は、血管造影を行ったそのものの画像を得るためのX線撮影方式である。これに対して、DSA方式は、血管造影を行った後のライブ画像と血管造影を行う前のマスク画像とに対し、減算処理であるサブトラクション処理を行ってデジタル画像を得るX線撮影方式である。このDSA方式を採用した場合には、より鮮明な血管画像を得ることが可能となる。
特許文献1には、このDA方式とDSA方式とを選択的に実行可能なX線診断装置が開示されている。
特開2007−330669号公報
DSA方式の検査を行うときに、検査を行うべき病変部等の注目部位が血管系の深部にあり、その病変部に造影剤が到達するまでに時間を要する場合には、DSA方式の撮影を長時間にわたって実施する必要があり、患者の被曝量が増加するという問題を生ずる。特に、DSA方式の撮影において良好なサブトラクション画像を得るためには、通常のX線撮影に比べてより多くの線量を用いてSN比のよい画像を得る必要があることから、X線撮影時間が長時間となった場合には、患者に対する被曝量が極めて多くなるという問題がある。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、DSA方式で撮影を行う場合においても、被検体に対する被曝量を低減することが可能なX線撮影方法およびX線撮影装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、X線管から照射されたX線を、被検体を通過させてX線検出部に入射させることにより、X線画像を撮影するX線撮影方法において、低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式で撮影を実行するとともに、そのライブ画像を表示部に表示する第1撮影工程と、前記表示部に表示されたライブ画像に基づいて、造影剤が注目部位付近に到達したことを判断し、撮影方式を前記第1撮影方式から、マスク画像を取得した後に一定間隔でライブ画像を取得し、ライブ画像からマスク画像を減算することによりサブトラクション処理を行う第2撮影方式に切り換える指示を行う切替指示工程と、前記第2撮影方式で撮影を実行するとともに、そのときのサブトラクション画像を前記表示部に表示する第2撮影工程とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1撮影工程の前に、前記第1撮影方式の撮影条件を設定するための第1撮影条件設定工程と、前記第2撮影方式の撮影条件を設定するための第2撮影条件設定工程とを備える。
請求項3に記載の発明は、X線管から照射されたX線を、被検体を通過させてX線検出部に入射させることにより、X線画像を撮影するX線撮影装置において、低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式で撮影した透視画像を記憶する画像メモリと、マスク画像を取得した後に一定間隔でライブ画像を取得し、ライブ画像からマスク画像を減算することによりサブトラクション処理を行う第2撮影方式で撮影したマスク画像を記憶するマスク画像メモリと、前記第2撮影方式で撮影したライブ画像を記憶するライブ画像メモリと、前記マスク画像メモリに記憶したマスク画像と、前記ライブ画像メモリに記憶したライブ画像とをサブトラクション処理するサブトラクション部と、撮影方式を前記第1撮影方式から前記第2撮影方式に切り換えるための切替信号を発信する切替手段と、撮影画像を表示する表示部と、記第1撮影方式で撮影を実行し、そのライブ画像を前記表示部に表示するとともに、造影剤が注目部位付近に到達して前記切替手段により切替信号が発信されたときに、前記第2撮影方式で撮影を実行し、そのときのサブトラクション画像を前記表示部に表示する撮影制御部とを備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1撮影方式の撮影条件を記憶する第1撮影条件記憶部と、前記第2撮影方式の撮影条件を設定するための第2撮影条件記憶部とを備える。
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、造影剤が注目部位付近に到達するまでの間は低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式により撮影を行い、造影剤が注目部位付近に到達した後にサブトラクション処理を行う第2撮影方式により撮影を行うことが可能な構成であることから、DSA方式で撮影を行う場合においても、被検体に対する被曝量を低減することが可能となる。
この発明に係るX線撮影装置の概要図である。 この発明に係るX線撮影装置によるX線撮影動作を示すフローチャートである。 この発明に係るX線撮影動作を概念的に示す説明図である。 X線撮影時の表示画面を示す模式図である。 X線撮影時の表示画面を示す模式図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
このX線撮影装置は、DSA方式を利用して血管組織を抽出することにより、透視画像の撮影を行うためのものであり、被検体である患者1を載置するテーブル2と、X線管3と、X線検出手段としてのフラットパネルディテクタ4と、制御部5と、X線管3に付与する管電圧や管電流等を制御するX線管制御部6と、画像処理部7とを備える。この制御部5は、X線透視画像を表示する表示部8と、切替スイッチ91を有するキーボード等の入力装置9とに接続されている。
この制御部5は、低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式としての透視撮影時に使用される透視画像メモリ51と、造影剤が注入される前のマスク画像と造影剤が注入された後のライブ画像とを高線量で撮影して、サブトラクション処理を行う第2撮影方式としてのサブトラクション撮影時に使用されるマスク画像メモリ52、ライブ画像メモリ53およびサブトラクション部54を備える。また、この制御部5は、透視撮影時の撮影条件を記憶する第1撮影条件記憶部56と、サブトラクション撮影時の撮影条件を設定するための第2撮影条件記憶部57とを備える。さらに、この制御部5は、上述した各部を制御するとともに演算処理を実行する演算処理部55を備える。
次に、このX線撮影装置によりDSA方式を利用してX線撮影を行う場合のX線撮影動作について説明する。図2は、この発明に係るX線撮影装置によるX線撮影動作を示すフローチャートである。また、図3は、この発明に係るX線撮影動作を概念的に示す説明図であり、図4および図5は、X線撮影時の表示画面を示す模式図である。
この発明に係るX線撮影装置においては、X線撮影を開始する前に、透視撮影時の撮影条件と、サブトラクション撮影時の撮影条件の両者を、予め設定するようにしている。すなわち、従来のX線撮影装置においては、透視撮影とサブトラクション撮影とを連続して実行することは想定されていない。このため、透視撮影を行うときには、その撮影開始前に透視撮影時の管電圧や管電流、あるいは、単位時間あたりのフレーム数等の撮影条件が設定される。また、サブトラクション撮影を行うときにも、その撮影開始前に透視撮影時の管電圧や管電流、あるいは、単位時間あたりのフレーム数等の撮影条件が設定される。このため、透視撮影とサブトラクション撮影とを連続して行うことは不可能であった。この発明に係るX線撮影装置においては、X線撮影を開始する前に、透視撮影時の撮影条件とサブトラクション撮影時の撮影条件とを予め設定することにより、透視撮影とサブトラクション撮影とを連続して行うことを可能としている。
すなわち、この発明に係るX線撮影装置においてX線撮影を開始するときには、最初に、低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式としての透視撮影の撮影条件を設定するための第1撮影条件設定工程を実行する(ステップS1)。この第1撮影条件設定工程においては、透視撮影時の管電圧、管電流、X線照射時間、単位時間あたりのフレーム数等を設定する。設定された撮影条件は、図1に示す第1撮影条件記憶部56に記憶される。なお、この透視撮影時の撮影条件においては、造影剤の進行状況を確認できればよいことから、特に鮮明な画像は要求されず、X線量は小さな値で十分となる。
引き続き、造影剤が注入される前のマスク画像と造影剤が注入された後のライブ画像とを高線量で撮影して、サブトラクション処理を行う第2撮影方式としてのサブトラクション撮影の撮影条件を設定するための第2撮影条件設定工程を実行する(ステップS2)。この第2撮影条件設定工程においても、サブトラクション撮影時の管電圧、管電流、X線照射時間、単位時間あたりのフレーム数等を設定する。設定された撮影条件は、図1に示す第2撮影条件記憶部57に記憶される。なお、このサブトラクション撮影時の撮影条件においては、良好なサブトラクション画像を得るため通常のX線撮影に比べてより多くの線量を用いてSN比のよい画像を得る必要があることから、X線量は大きな値とする必要がある。
以上の設定工程が完了すれば、撮影を開始する。このときには、最初に、第1撮影条件設定工程で設定した撮影条件が読み込まれ(ステップS3)、撮影条件の読み込み完了後に、透視撮影が開始される(ステップS4)。
このときには、X線管3から照射され患者1を通過したX線が、低線量のライブ画像としてフラットパネルディテクタ4により検出される。そして、フラットパネルディテクタ4により検出されたX線画像は、画像処理部7において画像処理された後、透視画像メモリ51に一時的に記憶される。そして、このX線画像は、制御部5を介して表示部8に送信され、表示部8において透視時のライブ画像としての透視画像が表示される。
図3および図4に示す符号F1、F2、F3は、このときの透視画像を示している。これらの透視画像F1、F2、F3は、予め設定された単位時間あたりのフレーム数(FPS/Frame Per Second)に基づいて撮影される。図4に示すように、各X線透視画像F1、F2、F3毎に、血管中を造影剤Aが進行する様子が確認できる。
なお、図4(a)、(b)、(c)においては、説明の便宜上、各フレーム毎に造影剤Aが進行しているが、各透視画像F1、F2、F3の撮影間隔は、例えば、30FPS程度であり、各透視画像F1、F2、F3間における造影剤Aの進行速度は、実際には、図4(a)、(b)、(c)で表現する状態に比べて、極めて低速となる。
透視撮影状態においては、透視画像は、ライブ映像として、常に、表示部8に表示される。オペレータは、この透視画像に基づいて、造影剤の進行状況を確認している。このような状態で透視撮影を継続し、造影剤Aが進行して検査を行うべき病変部等の注目部位付近、すなわち、注目部位の直前にまで到達すれば、オペレータが入力装置9における切替スイッチ91を押圧する。
この切替スイッチ91は、撮影方式を第1撮影方式である透視撮影から第2撮影方式であるサブトラクション撮影に切り換えるための切替信号を発信するためのものである。オペレータにより切替スイッチ91が押圧されれば(ステップS5)、撮影方式を第1撮影方式としての低線量の透視撮影から、第2撮影方式としてのサブトラクション撮影に切り換える。このときには、最初に、第2撮影条件設定工程で設定した撮影条件が読み込まれ(ステップS6)、撮影条件の読み込み完了後に、サブトラクション撮影が開始される(ステップS7)。このときには、血管に造影剤が注入される前のマスク画像と造影剤が注入された後のライブ画像とを高線量で撮影し、これらの画像に対して減算処理であるサブトラクション処理を行うことにより、サブトラクション撮影が実行される。
すなわち、最初に、X線管3から照射され患者1を通過したX線が、高線量のライブ画像としてフラットパネルディテクタ4により検出される。そして、フラットパネルディテクタ4により検出されたX線画像は、画像処理部7において画像処理された後、マスク画像Mとして、図1に示すマスク画像メモリ52に一時的に記憶される。
このマスク画像は、フラットパネルディテクタ4において撮影した1フレームの画像を使用してもよいが、図3に示すように、複数フレームの画像M1、M2からマスク画像Mを作成するようにしてもよい。このような構成を採用することにより、マスク画像Mをより正確なものとすることが可能となる。
図5(a)は、このようにして作成されたマスク画像Mを示している。このマスク画像Mは、図4(c)に示す透視画像F3に比べて、高線量で撮影がなされていることから、ノイズが少なくSN比のよい高精度の画像となっている。
マスク画像Mがマスク画像メモリ52に記憶されれば、さらに、X線管3から照射され患者1を通過したX線が、高線量のライブ画像としてフラットパネルディテクタ4により検出される。そして、フラットパネルディテクタ4により検出されたX線画像は、画像処理部7において画像処理された後、ライブ画像Rとして、順次、図1に示すライブ画像メモリ53に一時的に記憶される。
マスク画像Mがマスク画像メモリ52に記憶され、ライブ画像Rがライブ画像メモリ53に記憶されれば、図1に示すサブトラクション部54により、サブトラクション処理が実行される。このサブトラクション処理は、ライブ画像Rからマスク画像Mを減算する処理である。このサブトラクション処理は、図3に示すように、一定の間隔で撮影が行われ、ライブ画像R1、R2、R3・・・がライブ画像メモリ53に記憶される毎に実行される。
図5(b)および図5(c)は、このようにして作成されたサブトラクション画像S1およびS2を示している。これらの図に示すように、サブトラクション画像S1においては、造影剤Aが注入された後の血管画像が鮮明に表示されている。また、サブトラクション画像S2においては、その後の造影剤Aの進行状況が鮮明に表示されている。
このサブトラクション画像Sは、図3に示すように、単位時間あたりのフレーム数(FPS)に対応して、連続的に行われる。そして、診断に必要なサブトラクション撮影が終了すれば(ステップS8)、全撮影工程を終了する。
なお、上述した実施形態においては、第1撮影方式として、撮影を行った映像を保存しない透視撮影を採用しているが、撮影を行った映像を保存するようにしてもよい。
1 患者
2 テーブル
3 X線管
4 フラットパネルディテクタ
5 制御部
6 X線管制御部
7 画像処理部
8 表示部
9 入力装置
51 透視画像メモリ
52 マスク画像メモリ
53 ライブ画像メモリ
54 サブトラクション部
55 演算処理部
56 第1撮影条件記憶部
57 第2撮影条件記憶部
91 切替スイッチ
A 造影剤
F 透視画像
M マスク画像
R ライブ画像
S サブトラクション画像

Claims (4)

  1. X線管から照射されたX線を、被検体を通過させてX線検出部に入射させることにより、X線画像を撮影するX線撮影方法において
    低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式で撮影を実行するとともに、そのライブ画像を表示部に表示する第1撮影工程と、
    前記表示部に表示されたライブ画像に基づいて、造影剤が注目部位付近に到達したことを判断し、撮影方式を前記第1撮影方式から、マスク画像を取得した後に一定間隔でライブ画像を取得し、ライブ画像からマスク画像を減算することによりサブトラクション処理を行う第2撮影方式に切り換える指示を行う切替指示工程と
    記第2撮影方式で撮影を実行するとともに、そのときのサブトラクション画像を前記表示部に表示する第2撮影工程と、
    を備えたことを特徴とするX線撮影方法。
  2. 請求項1に記載のX線撮影方法において、
    前記第1撮影工程の前に、
    前記第1撮影方式の撮影条件を設定するための第1撮影条件設定工程と、
    前記第2撮影方式の撮影条件を設定するための第2撮影条件設定工程と、
    を備えるX線撮影方法。
  3. X線管から照射されたX線を、被検体を通過させてX線検出部に入射させることにより、X線画像を撮影するX線撮影装置において、
    低線量でライブ画像を撮影する第1撮影方式で撮影した透視画像を記憶する画像メモリと、
    マスク画像を取得した後に一定間隔でライブ画像を取得し、ライブ画像からマスク画像を減算することによりサブトラクション処理を行う第2撮影方式で撮影したマスク画像を記憶するマスク画像メモリと、
    前記第2撮影方式で撮影したライブ画像を記憶するライブ画像メモリと、
    前記マスク画像メモリに記憶したマスク画像と、前記ライブ画像メモリに記憶したライブ画像とをサブトラクション処理するサブトラクション部と、
    撮影方式を前記第1撮影方式から前記第2撮影方式に切り換えるための切替信号を発信する切替手段と、
    撮影画像を表示する表示部と、
    記第1撮影方式で撮影を実行し、そのライブ画像を前記表示部に表示するとともに、造影剤が注目部位付近に到達して前記切替手段により切替信号が発信されたときに、前記第2撮影方式で撮影を実行し、そのときのサブトラクション画像を前記表示部に表示する撮影制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
  4. 請求項3に記載のX線撮影装置において、
    前記第1撮影方式の撮影条件を記憶する第1撮影条件記憶部と、
    前記第2撮影方式の撮影条件を設定するための第2撮影条件記憶部と、
    を備えるX線撮影装置。
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