JP2009119281A - 診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検査時のオペレータの負担を軽減すること。
【解決手段】 検査室100に設置された医療用機器(架台1)で検査を受ける被検体の
様子を、医療用機器を遠隔操作する操作室200にて観察する検査室の被検体観察装置で
あって、操作室に設置され、医療用機器を遠隔操作する操作卓3と、検査室または医療用
機器に設置される被検体を撮影するテレビカメラ6と、操作卓の上または操作卓の近傍に
設置され、テレビカメラで撮影された被検体の映像を、医療用機器で取得された医用画像
とともに表示するモニタ8とを具備した。
これにより、オペレータは、検査によって収集される医用画像と検査を受ける被検体の
様子とを、ひとつのモニタの画面で確認することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、検査室に設置された医療用機器で検査を受ける被検体の様子を、医療用機器
を遠隔操作する操作室にて観察するための、検査室の被検体観察装置に関する。
近時、X線診断装置を初めとして、コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、磁気
共鳴イメージング装置(MRI)、リニアアクセラレータ、サイクロトロン等の大型の医
療用機器が普及し、疾病の早期発見、治療計画の立案、治療の実施など、人類の福祉の向
上に貢献している。
ところで、これらの医療用機器のうち放射線を取扱う機器は、放射線防御の見地から、
放射線を発生する機器本体は放射線遮蔽体で囲まれた検査室に設置され、この検査室に隣
接する操作室に、機器本体を遠隔操作する操作部が設置されるのが一般的である。従って
、患者などの被検体のみが検査室の医療用機器本体の所定位置に、例えば寝かされた状態
に置かれ、医師や技師などのオペレータは、操作室から機器本体を遠隔的に操作して、被
検体へ種々の指示を与えながら、所望の放射線撮影を実施したり、放射線治療を行ったり
している。
図6は、医療用機器の一例として、X線CT装置の設置例を示したものである。すなわ
ち、検査室100は壁や床および天井は、外部へ放射線を漏洩させないように、コンクリ
ートなどの放射線防護体101で囲まれており、検査室100と操作室200とを仕切っ
ている放射線防護体101部分には、鉛ガラスのような透明な放射線吸収体を材料とした
小さい窓102が形成されている。
この検査室100内には、X線CT装置の架台1と、被検体(患者)を載せる寝台2が
設置され、操作室200に架台1や寝台2を遠隔的に操作する操作卓3が設置されている
。架台1の略中心部には、被検体が挿入される開口部4が形成されている。この開口部4
内の所定位置が、被検体へX線を照射して断層画像を撮影するための撮影位置となる。
架台1の前面には、寝台2が配置され、寝台2の上面には被検体を寝かせた状態で架台
1の開口部4へ送り込む天板5が設けられている。寝台2は通常床に固定されているが、
高さが調節できるように構成され、天板5は固定された寝台2に対して、長手方向にスラ
イド可能に構成されている。なお、天板5は、長手方向に直交する方向にも若干スライド
可能に構成されている場合もある。また、検査室100内には、天板5に寝かされた被検
体を観察するためのテレビカメラ(例えば、CCDカメラ)6が設置されている。
一方、操作室200内に設置されている操作卓3には、内部に、X線CT装置の各構成
ユニットを有機的に制御するためのコンピュータやメモリを主体としたシステム制御部や
、画像再構成部などが収納されており、上部に、オペレータが適宜操作するキーボードや
マウス、トラックボールなどを含む操作部7と、2台のモニタ8a、8bが配置されてい
る。そして、一方のモニタ8aには、画像再構成部によって再構成された被検体の断層画
像(医用画像)が表示され、他方のモニタ8bには、テレビカメラ6によって撮影された
検査室100内の被検体の様子が写し出される。
従って、オペレータは検査中、操作室200において、窓102を通して検査室100
内の被検体の様子や、架台1や寝台2の動きなどを観察することができるようになってい
るとともに、架台1などに隠れるため、窓102からだけでは観察し難い被検体の様子を
、テレビカメラ6によって撮影されモニタ8bに表示された映像を通して観察することが
できる。
特開平10−127596号公報
しかしながら、検査中オペレータは、モニタ8aに表示される断層画像(医用画像)、
窓102を通して観察される架台1や寝台2の動きと被検体の様子、さらにモニタ8bに
写し出されている架台1などの死角になっている被検体を撮影した映像などの全てに対し
て注意を払いながら、検査を実施する必要があった。また、検査の間に架台1や寝台2が
動くことによって、窓102から見えていた部分が死角に入ってしまい、この部分をモニ
タ8bでしか観察できなくなるため、とっさに被検体の状態を見る必要が生じた場合に、
窓102と被検体観察用のモニタ8bの両方から、見たい部分を探し出さなければならな
かった。さらに、被検体を架台1の開口部4へ、頭側から挿入する場合と脚側から挿入す
る場合とでは、特に注目して観察したい被検体の様子が、窓102から見えたり、モニタ
8bによってしか見えなかったりするので、ときとしてオペレータにとって混乱が生ずる
など、オペレータにとって大きな負担となっているという問題があった。
また、テレビカメラ6は固定されており、広い撮影範囲をカバーできるように設定され
ている。従って、例えば、造影撮影を実施するような場合に、とくに被検体へ造影剤を注
入するための注射針部分を重点的に観察する必要があっても、関心領域に拘わらず映像は
全体を広範囲に撮影しているため、架台1のチルト動作や天板5の移動などにより、万一
注射針が外れて造影剤が注入されなくなったとしても、その様子が確認できない怖れがあ
るという問題もあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の診断装置は、検査室に設置された
医療用機器で検査を受ける被検体の様子を、前記医療用機器を遠隔操作する操作室にて観
察する検査室の被検体観察装置であって、前記操作室に設置され、前記医療用機器を遠隔
操作する操作卓と、この操作卓の上または操作卓の近傍に設置され、前記医療用機器で取
得される医用画像を表示するモニタと、前記検査室または前記医療用機器に設置され、前
記被検体を撮影するテレビカメラと、このテレビカメラで撮影された前記被検体の映像を
、前記医用画像とともに前記モニタに表示する表示制御手段とを具備することを特徴とす
る。
本発明によれば、検査の実施に際してオペレータは、検査によって収集される医用画像
と検査を受ける患者の様子とを、ひとつのモニタの画面で確認することができるので、余
分な負担から開放され検査に集中することができる。
本発明に係る検査室の被検体観察装置の、一実施の形態を説明するために示したX線CT装置の設置図である。 モニタに表示される画面の表示形態を例示した説明図である。 テレビカメラの設置場所の一例を説明するために示した、架台の開口部の断面図である。 本発明に係る検査室の被検体観察装置の、一実施の形態の概略的な構成を示した系統図である。 本発明の作用を説明するために示したモニタ画面の説明図である。 検査室に設置される架台、寝台と、操作室に設置される操作卓とから成る、一般的なX線CT装置の説明図である。
以下、本発明に係る検査室の被検体観察装置に関して、その一実施の形態について、図
1ないし図5を参照して詳細に説明する。なお、これらの図において、同一部分には同一
符号を付して示してある。
先ず図1は、本発明をX線CT装置に適用した場合について説明するために示した説明
図であり、図6と同様の検査室100および操作室200へのX線CT装置の設置状況を
示したものである。従って、図1には、図6と同一部分に同一符合を付して示し、その部
分の説明は省略し、図6と異なる部分についてのみ説明するものとする。
すなわち、本発明においては、従来、再構成された被検体Pの断層画像(医用画像)を
表示するモニタと、テレビカメラ6によって撮影された検査室100内の被検体Pの様子
を写し出すモニタとを別々に設けていたものを、1台のモニタ8に、被検体Pの断層画像
(医用画像)とともにテレビカメラ6によって撮影された被検体Pの様子を表示するよう
にしている。
図2は、モニタ8に表示される画面の表示形態を例示したものであり、(a)は、画面
を縦に略ニ等分して、片側に医用画像MIを表示し、他方の側に被検体Pをテレビカメラ
6で撮影したカメラ映像TVを表示するようにしたものである。また、同図(b)は、画
面を十字形に略四等分し、上の片側に医用画像MIを表示するとともに、その横に被検体
Pをテレビカメラ6で撮影したカメラ映像TVを表示し、さらに、下半分に医用画像MI
を得るにあたって検査プランを選択するのを支援するためのエキスパートプランや、各検
査プランにおける信号収集条件(スキャン条件)としての各種パラメータなどを、検査情
報INとして文字や絵図で表示するようにしたものである。なお以下、医用画像MIを表
示するエリアを医用画像表示エリアMIと称し、被検体Pのカメラ映像TVを表示するエ
リアを映像表示エリアTVと称し、さらに、検査情報INを表示するエリアを検査情報表
示エリアINと称するものとする。
このようにすると、オペレータは、進行中の検査により得られる医用画像MIをモニタ
8の医用画像表示エリアを観察しながら、大きく視線を動かすことなく、被検体Pの状態
も同じモニタ8の映像表示エリアTVから容易に確認することができる。
ここで、検査プランとエキスパートプランについて若干説明しておく。
検査プランは、被検体のどの部位について、どのような条件で信号を収集し、収集した
信号からどのような条件で画像を生成し、さらに、生成した画像をどのような条件で表示
するかというように、信号収集条件(スキャン条件)と画像生成条件および画像表示条件
の組み合わせによって決まるものである。そして、信号収集条件としては、例えば、撮影
部位(全身、頭部、胸部、肺野、下肢など)、スキャンタイプ(シングルスライススキャ
ン、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャンなど)、スライス厚、スライス間隔、ボ
リュームサイズ、架台傾斜角度、管電圧、管電流、撮影領域サイズ、スキャンスピード、
寝台移動量(X線管が1回転する間に移動する寝台天板の移動量)などがパラメータとし
て関わっている。
また、画像生成条件のパラメータとしては、例えば、再構成方式(2次元/3次元)、
再構成領域サイズ、再構成マトリクスサイズ、関心部位を抽出するための閾値などが関わ
っている。さらに、画像表示条件のパラメータとしては、例えば、ウインドウレベル、ウ
インドウ幅、表示倍率、マルチプラナ(サジタル/コロナル/オブリーク)などが関わっ
ている。
よって、信号収集から画像生成を経て最終的に画像表示するまでの一連のシーケンスを
完遂するには、上記のような、複数の信号収集パラメータと、複数の画像生成パラメータ
および複数の画像表示パラメータをそれぞれ設定することが要求される。すなわち、これ
ら各種パラメータを組み合わせて検査プランが構成され、検査プランを決定すれば、一連
のシーケンスを実行することにより、所望の医用画像MIを得ることができる。そして、
各種パラメータを組み合わせて設定した主要な複数の検査プランは、予め、後述するシス
テム制御部31(図4参照)に備えられたディスクユニットに登録されており、検査プラ
ンを決めるに当たって、ディスクユニットに登録されている複数の検査プランを一覧表示
し、その中から所望の検査プランを選択することにより、検査の都度めんどうな各種パラ
メータの設定をすることなく、容易に検査プランが決定できるようになっている。この検
査プランを一覧表示したものをエキスパートプランと称している。
さてここで、図1に示したX線CT装置の設置状況の説明に話しを戻す。
被検体Pを観察するためのテレビカメラ6は、例えば架台1の開口部4に、撮影方向を
自由に変更することができるように、例えばジャイロ構造を有する台座9(図4参照)に
取り付けられて設置されている。架台1の開口部4は、一般的に図3に示すように、ドー
ム状に形成されており、ここに天板5に載せられた被検体Pが送り込まれることになる。
よって、架台1の開口部4にテレビカメラ6を設置することにより、被検体Pへの死角を
無くすことができる。また、開口部4は、被検体Pの断層画像を撮影するためのX線照射
位置のそばであり、この位置を中心として被検体Pの様子を観察するのに好適である。
なお、テレビカメラ6をジャイロ構造の台座9に取り付け、この台座9を操作室200
の操作卓3から遠隔的に操作することにより、テレビカメラ6の撮影方向を任意に制御す
ることができる。これは、架台1の開口部4へ、患者を頭側から挿入するか脚側から挿入
するか、患者が大人か子供か、あるいは造影撮影か否かなどによって、オペレータが検査
時に注意を払いたい部位が異なるため、その注意したい部位へテレビカメラ6の撮影方向
を自由に設定できるようにするためである。
また、テレビカメラ6の台座9を、オペレータによって都度操作することは、オペレー
タにとって煩わしく検査に神経を集中するうえで負担となることもある。そこで、予めス
キャンプラン(検査プラン)に応じて、テレビカメラ6が撮影する被検体Pの撮影範囲や
撮影対象位置あるいは撮影方向などの撮影領域を設定しておくものとする。さらに、断層
画像を撮影するためのスキャンに連動させてテレビカメラ6が撮影領域を追従して撮影す
るように設定することも可能である。従って、オペレータを煩わせることなく、常に被検
体Pの様子を観察することができる。これは、モニタ8に表示されるテレビカメラ6で撮
影した被検体Pの映像TVを見ながら、操作部7を操作してセッティングしたり、スキャ
ンプランの選択時にマニュアル操作で微調整したりすることも可能である。
このような機能を有する本発明に係る検査室の被検体観察装置について、その一実施の
形態の概略構成を、図4に系統図として示してある。
すなわち、検査室100に設置されている架台1には、図示しないがX線管、X線検出
器は勿論のこと、X線検出器から得られる微弱な電気信号を増幅し、デジタル信号に変換
するデータ収集部11や、架台1をチルト動させたり、架台1内の回転部を駆動させたり
するための架台駆動部12が備えられている。また、寝台2にも寝台2を上下動させ、或
いは天板5をスライドさせるための寝台駆動部21が備えられている。
一方、操作室200に設置されている操作卓3には、X線CT装置の各構成ユニットを
有機的に制御するための中央処理部(CPU)やメモリおよびディスクユニットを備えた
システム制御部31、データ収集部11から得られた信号をもとに画像を再構成する画像
再構成部32、スキャン計画を設定したり、設定したスキャン計画に従って架台駆動部1
2や寝台駆動部21などを制御したりしながらスキャンを実行するスキャン制御部33、
モニタ8への断層画像や患者情報あるいはテレビカメラ6で撮影されている被検体Pの映
像などの表示を制御する表示制御部34などが収納されている。
なお、テレビカメラ6は、例えばジャイロ構造をした台座9に取り付けられており、こ
の台座9には、台座9をスキャン制御部33からの制御信号に基づき駆動して、テレビカ
メラ6の撮影方向を自由に変えるカメラ姿勢制御部91が設けられている。また、テレビ
カメラ6はシステム制御部31に接続されている。
次に、上記のように構成された本発明に係る検査室の被検体観察装置の、一実施の形態
の作用を、図5を参照しながら検査の流れに沿って説明する。なお、図5は、各動作ステ
ップに応じてモニタ8に表示される画面の概要を表したものである。
検査の実施に当たって、オペレータは操作部7のキーボードなどを操作して、検査を受
ける患者(被検体P)の氏名、患者ID、生年月日、性別などの患者情報を登録する。よ
ってモニタ8には、図5(a)に示すように、登録された患者情報が、テレビカメラ6で
撮影した被検体Pの映像を表示する映像表示エリアTVに表示される。この段階では、医
用画像を表示する医用画像表示エリアMIには、エリアが確保されているだけで、医用画
像は表示されていない。また、画面の下半分の検査情報を表示する検査情報表示エリアI
Nには、検査プラン(スキャンプラン)の選択を支援するためのエキスパートプランが文
字や絵図で表示されている。
なお、検査情報表示エリアINに表示されるエキスパートプランは、各検査プランと最
終的に得られる医用画像との関係を参照画像(または絵図)とタイトルで表現したもので
ある。すなわち、例えば、検査プランAとして、頭部の3次元画像が参照画像(絵図)と
して表示されるとともに、その横に「HEAD 3-D HELICAL」のようにタイトルが表示され
、また、検査プランBとして、肺部の横断面(サジタル)画像が参照画像(絵図)として
表示されるとともに、その横に「LUNGSINGLE-SLICE」のようにタイトルが表示され、以下
同様に検査プランC、D・・・と複数の検査プランが一覧表示されることになる。ただし
、表示スペースの関係上、スクロール表示されてもよい。
次に、オペレータは医師などからの指示に従い、患者に対するスキャンプランをエキス
パートプランの中から選択する。また、天板5に載っている患者(被検体P)の、例えば
、顔や造影剤を注入するために注射針を穿刺している位置などの注目部位(関心領域)を
、テレビカメラ6で撮影できるように、例えば操作部7に設けられているトラックボール
を操作して、カメラ姿勢制御部91へ信号を送り、テレビカメラ6の撮影方向や位置など
を調整する。或いは、カメラ姿勢制御部91をスキャンプランに応じて動作させるように
設定したり、スキャン中の架台1や天板5の動きに追従して、テレビカメラ6が移動するよ
うに設定したりするなどの操作を行う。
よって、図5(b)に示すように、モニタ8には、テレビカメラ6で撮影された被検体
Pの所望の映像が映像表示エリアTVに表示される。また、患者の氏名や患者IDが映像
表示エリアTVの上部に表示される。これは、スキャンが終了するまで各画面に表示され
る。さらに、医用画像表示エリアMIには、エリアが確保されているだけで画像が表示さ
れないか、或いは、前回のスキャンで得られた同一患者の医用画像が表示される。そして
、画面の下半分の検査情報表示エリアINには、図5(a)と同様に、エキスパートプラ
ンが表示されている。
エキスパートプランの中からスキャンプランを選択すると、続いて、スキャンを実行す
るための位置決め(患者に対して撮影部位を確定するための作業)をするためにスキャノ
撮影を実行する。このときのモニタ8の画面は、図5(c)に示すようになる。すなわち
、システム制御部31からの指示によって、テレビカメラ6は患者全体を撮影するように
し、その映像を映像表示エリアTVに表示する。また、医用画像表示エリアMIには、ス
キャノ撮影の進行に応じてスキャノ像が徐々に表示されるようになり、スキャノ撮影の終
了に伴いスキャノ像の全体が表示される。そして、検査情報表示エリアINには、スキャ
ノ撮影の条件が表示される。このスキャノ条件としては、例えば、管電圧、管電流、撮影
範囲、天板の移動速度などが表示される。なおここでは、スキャノ条件とともにスキャン
条件を一緒に表示してもよい。
スキャノ撮影は、医用画像を撮影するに当たっての位置決めとして重要な準備作業であ
り、映像表示エリアTVに表示された患者の様子を観察しながら、万一患者が動いてしま
ったようなときには、スキャノ撮影を中断し、患者を静止させた上で、再度スキャノ撮影
を実施することになる。このようなためにも、患者の様子がスキャノ像とともに同じモニ
タ8の画面に表示されていることは、オペレータの負担を軽減することができ好都合であ
る。
スキャノ像が得られると次に、スキャン計画を設定する。この場合モニタ8には、図5
(d)に示すように、映像表示エリアTVには、テレビカメラ6の映像として患者全体の
映像を表示するとともに、医用画像表示エリアMIには、スキャノ像上に撮影範囲を示す
カーソルを重ねたスキャン計画像が表示されることになる。そして、検査情報表示エリア
INには、スキャン条件が表示される。このスキャン条件としては、例えば、スキャン開
始位置、スキャン終了位置、スキャンモード、スキャン数、管電圧、管電流、スキャン速
度、スライス幅などである。
ここで、検査情報表示エリアINに表示されるスキャン開始位置やスキャン終了位置は
、数値として表示されるものであるが、これらは医用画像表示エリアMIに表示されてい
るスキャノ像上のカーソルとリンクされており、操作部7からスキャン開始位置或いはス
キャン終了位置の数値を入力すると、その値が医用画像表示エリアMIに表示されるとと
もに、その値に応じたスキャノ像上の位置にカーソルが移動して設定位置を示すことにな
る。なお、スキャン計画時にも、スキャン位置(範囲)を決定するに当たり、患者が動い
てしまうとスキャン範囲を設定した位置がずれることになるので、映像表示エリアTVと
医用画像表示エリアMIを同時に観察できることは有効である。
スキャン計画が終わると、続いてスキャンが実施される。最近のX線CT装置は、ヘリ
カルスキャン動作をするものが主流となっている。このヘリカルスキャン動作は、X線管
とX線検出器とを連続回転させながら、X線管へ大電力を供給するとともに、X線検出器
からの微小信号を抽出し、さらに、X線管とX線検出器とを連続回転させながら、天板5
を開口部4の方向へ等速度で移動させることによって、天板5に載っている患者(被検体
P)から螺旋状に投影データを収集し、これらの投影データをもとに画像を再構成するも
のであり、短時間に複数のスライス位置の断層像を得ることができる。
そこで、スキャン中モニタ8の各エリアに表示される内容は、図5(e)に示すような
ものとなる。すなわち、システム制御部31やスキャン制御部33の制御下で、テレビカ
メラ6を患者の特に観察しなければならない関心領域を撮影するようにし、その映像を映
像表示エリアTVに表示する。例えば、患者が苦痛を感じていないかどうかは、患者の顔
を観察することにより判断できるので、一般的には、関心領域として顔を撮影するように
すればよい。また、造影撮影を実施する際には、患者の両腕を万歳させたような状態にし
て、患者に注射針を介して造影剤を注入しながらスキャンを行うことがあり、注射針に繋
がっているチューブが患者の移動にともない架台1に引っ掛かり、注射針が抜け落ちるこ
とが極めて稀ではあるが起こり得る。
そのため、スキャンプランの選択時にプリセットされた位置のテレビカメラ6の映像ま
たは、スキャンプランの選択後に微調整して確定した位置のテレビカメラ6の映像から、
画像処理により特徴点を抽出し、架台1のチルト動や天板5の移動に拘わらず、その関心
領域をテレビカメラ6が追従するように、カメラ姿勢制御部91を動作させる。従って、
上記の関心領域が患者の顔であったり、また、注射針の挿入位置であった場合でも、そこ
に焦点を合わせたテレビカメラ6の映像を続けて観察することが可能であり、オペレータ
は、患者の顔の様子や造影剤の注入状況を確認しながら、スキャンを続けることができる
なお、スキャン中に、テレビカメラ6の撮影範囲が、設定された関心領域から外れそう
になった場合には、モニタ8にその旨注意メッセージを表示してオペレータへ警報するよ
うにする。また、スキャンプランやスキャン計画後のスキャンプランから、架台1や天板
5の動作を判別し、その動作に追従してテレビカメラ6が関心領域を撮影し続けるように
カメラ姿勢制御部91を制御するようにしてもよく、この場合も、テレビカメラ6の撮影
範囲が、設定された関心領域から外れそうになった場合に、モニタ8にその旨注意メッセ
ージを表示するようにするのがよい。
さて、スキャン中モニタ8の医用画像表示エリアMIには、リアルタイムヘリカル像を
順次表示する。このリアルタイムヘリカル像の表示については、例えば特開平8−299
320号公報に開示されている。すなわち、1枚の断層像を再構成するのに必要となる多
方向からの投影データを収集するスキャン動作に要する時間よりも短い時間で1枚の断層
像を再構成するように、演算処理能力を高速化した画像再構成装置を用い、ヘリカルスキ
ャン動作と並行に画像再構成処理を実施することにより、スキャン動作を続けながら再構
成された断層像を順次表示するものである。
ただし、1枚の断層像の基となる投影データの収集範囲は、ヘリカルスキャン動作によ
り撮影位置が移動して不連続となる。そのため、再構成して得られた断層像は、アーチフ
ァクトの多い粗い画像となる。しかしながら、断層撮影を実施している最中に、所望の部
位の撮影が確実に行われているか否かを観察できるという点からも、リアルタイムヘリカ
ル像を表示することは極めて有効である。また、スキャン中にモニタ8の医用画像表示エ
リアMIに表示する医用画像としては、リアルタイムヘリカル像に限らず、CT透視像や
3次元画像であってもよい。
なお、検査情報表示エリアINには、予め設定したスキャン条件が表示される。ただし
、スキャン中のスキャン位置、管電圧、管電流、スキャン速度などを表示するようにして
もよい。そして、当該患者に対する一連のスキャン動作を終了すると、図5(a)に戻り
、新たな患者のスキャンの準備に入ることになる。本発明は、上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の形態として実施することができることはいうまでもない。
例えば、X線CT装置に使われるような大出力のX線管は、安定にX線を発生させるた
めに、ウォーミングアップと称して、検査の開始に先立って投影データを収集することな
く、X線の曝射を繰り返す動作を実施し、X線管の温度を正常な動作に適した所定の温度
に高めておく必要があるが、このウォーミングアップは、被曝を避けるために患者がいな
いときに実施しなければならないものである。そこで、本発明の検査室の被検体観察装置
により、テレビカメラ6で撮影された映像から、患者がいないことが確認されたときにの
み、ウォーミングアップの実施を可能とし、患者が確認されたときにはインターロック回
路を作用させて、ウォーミングアップの実施を禁止するようにすれば、誤って患者にウォ
ーミングアップによるX線を曝射させるような事故を防止することができる。
また、操作部7に患者存否確認ボタンを設置しておき、この患者存否確認ボタンを押し
たときに、テレビカメラ6は開口部4付近を広範囲に撮影するようにし、その映像をモニ
タ8の全面または映像表示エリアTVに表示するようにしてもよい。このようにすれば、
ウォーミングアップ時の安全性をより高めることができる。
なお、テレビカメラ6を架台1の開口部4付近に設置するものとして説明したが、患者
への死角の少ない場所であればこれに限るものではない。また、モニタ8は、操作卓3上
に設置することに限らず、操作卓3の近傍に設置されていてもよい。さらに、本発明の実
施の形態を、X線CT装置を対象として説明したが、その他の医療用機器、例えば、X線
診断装置、磁気共鳴イメージング装置(MRI)、リニアアクセラレータ、サイクロトロ
ン等が検査室に設置されている場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。
1 架台
2 寝台
3 操作卓
4 開口部
5 天板
6 テレビカメラ
7 操作部
8 モニタ
100 検査室
102 窓
200 操作室
IN 検査情報表示エリア
MI 医用画像表示エリア
TV 映像表示エリア

Claims (2)

  1. 検査室に設置された医療用機器で検査を受ける被検体の様子を、前記医療用機器を遠隔操
    作する操作室にて観察する検査室の被検体観察装置であって、
    前記操作室に設置され、前記医療用機器を遠隔操作する操作卓と、
    この操作卓の上または操作卓の近傍に設置され、前記医療用機器で取得される医用画像
    を表示するモニタと、
    前記検査室または前記医療用機器に設置され、前記被検体を撮影するテレビカメラと、
    このテレビカメラで撮影された前記被検体の映像を、前記医用画像とともに前記モニタ
    に表示する表示制御手段と
    を具備することを特徴とする検査室の被検体観察装置。
  2. 前記モニタは、第1、第2および第3の少なくとも3表示領域を有し、
    前記医療用機器に被検体の情報を登録するときには、前記第1の表示領域に被検体に関
    する情報を表示し、
    前記被検体に実施する検査プランを選択するときには、前記第1の表示領域に前記被検
    体を撮影した前記テレビカメラの映像を表示するとともに、前記第3の表示領域に複数の
    検査プランを選択可能に表示し、
    前記被検体に対してスキャノ撮影を実施しているときには、前記第1の表示領域に前記
    被検体を撮影した前記テレビカメラの映像を表示するとともに、前記第2の表示領域にス
    キャノ像を表示し、さらに、前記第3の表示領域にスキャノ撮影条件を表示し、
    前記スキャノ像を基にスキャン計画を設定するときには、前記第1の表示領域に前記被
    検体を撮影した前記テレビカメラの映像を表示するとともに、前記第2の表示領域にスキ
    ャン計画像を表示し、さらに、前記第3の表示領域にスキャン条件を表示し、
    スキャンを実行しているときには、前記第1の表示領域に前記被検体の関心領域を撮影
    した前記テレビカメラの映像を表示するとともに、前記第2の表示領域にリアルタイムヘ
    リカル像を表示し、さらに、前記第3の表示領域に当該スキャンのスキャン条件を表示す
    ることを特徴とする請求項1に記載の検査室の被検体観察装置。
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