JP2004064876A - ステッピングモータ及び光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができ、かつ、小型化を達成する。
【解決手段】ロータ1と、第1のコイル3と、第1の外側磁極部2a〜2cと、第1の内側磁極部2gと、第2のコイル4と、前記第1の外側磁極部に対して、((2×m+1)×180/NA)度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する第2の外側磁極部2d〜2fと、第2の内側磁極部2gとを有し、マグネット部の周方向に分割されて着磁されている極数をNA、マグネット部の外径寸法をD1、マグネット部の内径寸法をD2とすると、前記第1及び第2の外側磁極部が、マグネット部の外周面に(720/NA)度の整数倍の角度で等分配置されかつ各々が所定の角度A度だけ対向するものであって、「(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)」で構成される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型に構成するのに好適な円筒形状のステッピングモータ及び該ステッピングモータを具備する光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22は従来のステッピングモータの一構成例を示す模式的縦断面図であり、図23は図22のステップモータのステータから流れる磁束の状態を模式的に示す部分断面図である。
【0003】
図22において、ステータコイル105が同心状に巻回されたボビン101が軸方向に並んで2個配置され、これらの2個のボビン101はそれぞれ別のステータヨーク106に挟持固定されている。各ステータヨーク106の内径面には、ボビン101の内径面円周方向に沿って交互に配置されるステータ歯106a及び106bが形成されている。該ステータ歯106a又は106bと一体のステータヨーク106が、2個のケース103それぞれに固定されている。こうして、励磁用の2個のステータコイル105のそれぞれに対応する2個のステータ102が構成されている。
【0004】
2個のケース103のうちの一方にはフランジ115と軸受108が固定され、他方のケース103には他の軸受108が固定されている。ロータ109はロータ軸110に固定されたロータマグネット111から成り、該ロータマグネット111は各ステータ102のステータヨーク106と放射状の空隙部を形成している。そして、ロータ軸110は2個の軸受108によって回転可能に支持されている。
【0005】
上記従来の小型のステッピングモータにおいては、ロータ109の外周にケース103、ボビン101、ステータコイル105及びステータヨーク106が同心状に配置されているため、モータの外形寸法が大きくなってしまうという課題があった。また、ステータコイル105への通電により発生する磁束は、図23に示すように、主としてステータ歯106aの端面106a1とステータ歯106bの端面106b1とを通過するため、ロータマグネット111に効果的に作用せず、モータの出力が高くならないという課題もあった。
【0006】
このような技術的な課題を解決することを目的として、本願出願人は特開平09−331666号公報に記載されているような構成のモータを提案している。この提案に係るモータは、円筒形状の永久磁石を円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁させたロータ(ロータマグネット)を形成し、該ロータの軸方向(モータの軸方向)に、第1のコイル、ロータ及び第2のコイルを順に配置し、第1のコイルにより励磁される第1の外側磁極部及び第1の内側磁極部をロータの軸方向の一半部の外周面及び内周面に対向させ、第2のコイルにより励磁される第2の外側磁極部及び第2の内側磁極部をロータの軸方向の他半部の外周面及び内周面に対向させるように構成したものであり、ロータ軸である回転軸が円筒形状の永久磁石(マグネット)から取り出されている。
【0007】
このような構成のモータならば、出力が高く、該モータの外形寸法を小さいものとすることができる。更に、マグネットを薄くすることにより、第1の外側磁極部と第1の内側磁極部との間の距離、並びに、第2の外側磁極部と第2の内側磁極部との間の距離を小さくすることができ、それにより磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1のコイル及び第2のコイルに流す電流が少なくても、多くの磁束を発生させることができ、高い出力を維持できる。
【0008】
図24は、上記構成のモータを示す模式的縦断面図である。
【0009】
同図において、311はマグネット、312は第1のコイル、313は第2のコイル、314は第1のステータ、314a,314bは第1の外側磁極部、314c,314dは第1の内側磁極部、315は第2のステータ、315a,315bは第2の外側磁極部、315c,315dは第2の内側磁極部、316は第1のステータ314と第2のステータ315を保持する連結リングである。317はマグネット311が固着され、該マグネット311と一体に回転する出力軸であり、該出力軸317は第1のステータ314と第2のステータ315の軸受部314e,315eに回転可能に支持されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平9−331666号公報等に記載されているタイプのモータでも、図22に示す従来のステッピングモータと同様に、軸方向の長さが長くなってしまう欠点があった。又図22、図23に記載されているタイプのモータの場合、第1のコイルへの通電により発生する磁束がマグネットに作用する位置と、第2のコイルへの通電により発生する磁束がマグネットに作用する位置とが、マグネットの軸方向にずれている。そのためマグネットが、該マグネットの軸と平行方向における位置で(つまり、図24でいう314側の位置と315側の位置とで)着磁のむらがある場合は、マグネットの回転停止位置の精度が悪くなることもある。
【0011】
上記軸方向の長さが短いモータとしては、例えば特開平7−213041号公報や特開2000−50601号公報等で提案されている、図25に示すものがあり、これは複数のコイル301〜303と円盤形状のマグネット304で構成されている。コイルは図に示すように薄型コイン形状であり、その軸はマグネットの軸と平行に配置されている。円盤形状のマグネットはその軸方向に着磁されており、該マグネットの着磁面とコイルの軸は対向する様に配置されている。
【0012】
しかしこの構成の場合、コイルから発生する磁束は、図26中の矢印で示すように完全には有効にマグネットに作用していない。また、マグネットに作用する回転力の中心は図26に示すようにモータの外径からLだけ離れた位置となるので、モータの大きさの割には発生するトルクが小さくなってしまう。また、このモータの中心部はコイルやマグネットが占有してしまっているので、モータ内に別の部品を配置することは困難である。更には複数のコイルが必要であることからコイルへの通電制御が複雑になったり、コストが上がってしまったりする欠点がある。
【0013】
また、上記のモータを用いて、カメラの絞り羽根、シャッタやレンズ等を駆動する装置が知られている。しかしながら、上述した特開平9−331666号公報等に記載されているタイプのモータは、中実(中心部にも部材が存在するものを意味する)の細長い円筒形状であるため、絞り羽根やシャッタ、あるいはレンズ等の駆動源として用いる場合は、カメラの鏡筒内で光軸と平行になるように配置する必要がある。よって、鏡筒の半径寸法がレンズの半径や絞り開口の半径寸法だけではなく、これにモータの直径を加えた値となっていた。
【0014】
図27は、図14に示すような中実の円筒形状のステッピングモータを使用する場合の鏡筒地板あるいは光量調節装置の横断面の大きさを説明する為の図であり、同図において、モータをM、鏡筒地板あるいは光量調節装置を300、開口部を301とし、モータMの直径をD1、開口部301の直径をD2、鏡筒地板又は光量調節装置300の直径をD3とすると、鏡筒地板又は光量調節装置300の直径D3は少なくとも「2×D1+D2」以上になってしまう。特に図22に示すモータを用いた場合には、モータMの直径D1はコイルとマグネット、ステータを加えたものだから非常に大きくなってしまう。
【0015】
一方、鏡筒装置あるいは光量調節装置はコンパクト化が望まれており、そのためには半径方向の厚さ寸法の薄いリング状の断面形状を有するモータが望まれている。更には、他のレンズ群の移動の妨げならぬように光軸方向と平行方向に関する長さについても短いものが望まれている。図24に示すタイプのものはモータの長さが長くなってしまう。
【0016】
また、中空円筒状(円筒状の中央部(内径側)に貫通された開口部をもつ形状のものを意味する)のモータにより絞り羽根を駆動するものは、例えば特開昭53−37745号公報や特開昭57−16647号公報等で提案されている。これらは中空状のマグネットの外側にコイルを巻回する構造になっているため、コイルの厚み、マグネットの厚み及びステータの厚みとの全てが半径方向の厚みに加算されてしまい、半径方向の厚さ寸法の薄いリング状のモータとしては十分ではなかった。
【0017】
レンズを駆動するモータは他にも実開昭56−172827号公報等で提案されている。これは、コイルの中心軸が鏡筒の光軸中心に向かう方向に配置されているため、コイル形状の複雑化、組み立ての複雑化、コイルの個数の増加という不都合があり、更には部品点数の増加によって装置自体の小型化が難しく、コストも高くなってしまっていた。
【0018】
以上のように、従来のモータや該モータを用いる装置は、コンパクトの面やコストの面に難があった。さらには、マグネットをロータとし、コイルにより軟磁性材料のステータを励磁してロータを回転させていくような構成のモータにおいては、マグネットの位相によりマグネットとステータとの間の吸引力が変化し、この変化した吸引力が、コイルへの通電によるステータが励磁された際に発生する電磁力よりも大きい場合には、モータを起動させることができない、安定して滑らかに回らない、といった事も生じることがあった。
【0019】
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、第1の外側磁極部及び第2の外側磁極部とロータのマグネット部との間に発生する吸引力を最小限に抑えることができる構成とし、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができ、かつ、小型化を達成することのできるステッピングモータを提供しようとするものである。
【0020】
本発明の第2の目的は、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる小型のステッピングモータを駆動源として用いる装置自身の小型化を達成することのできる光学装置を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1〜3に記載の発明は、外周面が周方向に複数に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備え、その中心を軸として回転可能なロータと、前記ロータの回転軸方向に隣り合わせて配置される第1のコイルと、前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第1の外側磁極部と、前記第1のコイルにより励磁され、前記ロータの前記マグネットの内周面に対向する第1の内側磁極部と、前記ロータの回転軸方向に隣り合わせて配置される第2のコイルと、前記第2のコイルにより励磁され、前記第1の外側磁極部に対して、((2×m+1)×180/NA)度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第2の外側磁極部と、前記第2のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第2の内側磁極部とを有し、前記マグネット部の周方向に分割されて着磁されている極数をNA、前記マグネット部の外径寸法をD1、前記マグネット部の内径寸法をD2とすると、前記第1及び第2の外側磁極部は、前記マグネット部の外周面に(720/NA)度の整数倍の角度で等分配置されかつ各々が所定の角度A度だけ対向するものであって、
(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)
で構成されるステッピングモータとするものである。
【0022】
上記請求項1のように、前記第1及び第2の外側磁極部の前記マグネット部の外周面に対する角度(A度)が、「(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)」の条件を満たす構成にし、前記第1及び第2の外側磁極部とロータのマグネット部との間に発生する吸引力(コギングトルク)がほぼ0或いは極めて小さいものにしている。
【0023】
また、請求項2のように、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部を、前記ロータの回転軸方向と垂直な面において同一円周上に配置することで、各部材が前記マグネット部の同じ箇所(外周面の)に対して磁束を作用させることになり、着磁むらがあっても各部材に同様に作用することになる。
【0024】
また、請求項3のように、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部を同一部材とすることで、各部材のバラツキをなくし、それぞれの機能を発揮させ得る構成にしている。
【0025】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項4又は5に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のステッピングモータと、該ステッピングモータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズとを有し、前記ステッピングモータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記ステッピングモータを配置した光学装置とするものである。
【0026】
同じく上記第2の目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のステッピングモータと、光路としての開口部の開口面積を変更する開口量調節部材とを有し、前記ステッピングモータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記ステッピングモータを配置した光学装置とするものである。
【0027】
上記請求項4〜6においては、請求項1〜3に記載のステッピングモータを駆動源として用いる装置において、該ステッピングモータの配置を所定の要件を満たす構成にして、小型化を実現する構成にしている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施の第1の形態に係るステッピングモータを示す分解斜視図であり、図2は図1のステッピングモータの軸を通り、該軸方向に平行な面での断面図であり、図3は図1のステッピングモータのコイルを通り、軸方向と垂直な面での断面図である。
【0030】
これらの図において、1はロータであり、軸部1t,1sと永久磁石からなる円筒形状(図2参照)のマグネット部とから構成される。このマグネット部は、外周表面を円周方向に多分割して即ち着磁極数がNAとなるよう(本実施の形態では16分割してNA=16となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。軸部と円筒形状のマグネット部は一体に成形されていても良いし、別に成形してから接着或いは圧入により結合して一体的にしても良い。また、マグネット部を、射出成形等により成形されるプラスチックマグネット材料により構成することで、半径方向の厚さを非常に薄くすることができる。該マグネット部の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているもののいずれかである。ロータ1の軸部1s,1tは後で述べるカバー5の嵌合穴5a、ステータ2の嵌合穴2hに回転可能に嵌合している。
【0031】
2は軟磁性材料から成るステータであり、前記ロータ1の軸部1tを回転可能に嵌合している。特開平9−331666号公報に記載されたものとは異なり、ステータは一つだけで構成されている。該ステータ2は、内部磁極部を成す内筒部2gを有するとともに、該内筒部2gの軸方向と平行方向に延びる、外筒の先端方向から切り欠いて形成される櫛歯形状の第1の外側磁極部2a,2b,2cと第2の外側磁極部2d,2e,2fを有している。そして、前記内筒部2gと第1の外側磁極部2a〜2c及び第2の外側磁極部2d〜2fとで、ロータ1のマグネット部を挟む構成になる。本実施の形態では、内筒部2gも、前記第1の外側磁極部2a〜2c及び第2の外側磁極部2d〜2fと一体的に構成されているが、別部材で成形してから結合する構成でも構わない。
【0032】
前記第1の磁極部2a〜2cと第2の磁極部2d〜2fに後述する第1、第2のコイル3,4が巻回され、該コイルによってステータ2が励磁された場合、外側磁極部とそれに対向している内筒部2aとの間では磁束が発生するが、外側磁極部間は単なる空間でまた距離が長いため磁気抵抗が大きくなっているために磁束は発生しない。
【0033】
上記のようにステータ2は単一の部材から構成されているため、第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとの相互誤差は小さく抑えられ、組み立てによるステッピングモータの性能のばらつきを抑えることができる。
【0034】
3は前記第1の外側磁極部2a〜2cの周りに巻回された(図3参照)第1のコイルであり、通電されることにより、第1の外側磁極部2a〜2cと該第1の外側磁極部2a〜2cと対向する内側磁極部である内筒部2gの一部が励磁され、その磁極部間にはロータ1のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット部に作用する。勿論この場合、第1の外側磁極部2a〜2cとそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁される。4は前記第2の外側磁極部2d〜2fの周りに巻回された第2のコイルであり、通電されることにより、第2の外側磁極部2d〜2fと該第2の外側磁極部2a〜2cと対向する内側磁極部である内筒部2gの一部が励磁され、その磁極部間にはロータ1のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。
【0035】
前記第1のコイル3と第2のコイル4はともにロータ1の円筒形状のマグネット部の端面に隣接して配置され、該第1のコイル3と該第2のコイル4は軸と平行方向に関する位置において重なるように配置されている。
【0036】
上記のように、内筒部2gの第1の外側磁極部2a〜2cに対向する部分は第1のコイル3によって励磁され、内筒部2gの第2の外側磁極部2d〜2fに対向する部分は第2のコイル4によって励磁されるのであるが、これらは互いに独立して励磁されている。前記第1のコイル3によって励磁される第1の外側磁極部2a〜2cに対向する部分を今後“第1の内側磁極部”と呼び、第2のコイル4によって励磁される第2の外側磁極部2d〜2fに対向する部分を今後“第2の内側磁極部”と呼ぶ。この第1の内側磁極部と第2の内側磁極部は、図1等に示すように一体で構成されても良いし、別体で構成されても良い。
【0037】
上記ステータ2の第1の外側磁極部2a〜2c或いは第2の外側磁極部2d〜2fは前述のように外筒を先端方向から切欠き、マグネット外周面に沿ってステッピングモータ軸に平行な方向に延出する櫛歯により構成されているので、ステッピングモータの直径を最小限に抑えることができる。仮に外側磁極部を円周方向に空間を挟むことで複数構成した櫛歯形状ではなく、半径方向に延びる凹凸で形成したとする。この場合、磁極部として効果的に作用させるためには凹部からの磁束の影響を少なく、凸部からの磁束の影響を大きくする必要があり、凹凸の差を大きくしなければならない。その凹凸の差の分だけステッピングモータの直径は大きくなってしまう。本実施の形態ではもちろんそのようなことはなく、外側磁極部1枚分の厚みだけで足りる。
【0038】
また、第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極部との距離及び第2の外側磁極部2d〜2fと第2の内側磁極との距離を非常に小さくできるので、第1のコイル3と第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極により形成される磁気回路、及び、第2のコイル4と第2の外側磁極部2d〜2fと第2の内側磁極により形成される磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これにより、少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、ステッピングモータの出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化を達成することができる。
【0039】
5はカバーであり、図2に示すようにその内周部が、ステータ2の第1の外側磁極部2a〜2cや第2の外側磁極部2d〜2fの外周面に取り付けられ、嵌合穴5aはロータ1の軸部1sを回転可能に嵌合している。
【0040】
前記ロータ1のマグネット部とステータ2の位置関係を示した図4からわかるように、マグネット部はその外周表面を円周方向に均一に多分割して(本実施の形態では16分割して)S極、N極が交互に着磁された着磁部1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1p,1q,1rが形成されている。ここでは、前記着磁部1a,1c,1e,1g,1i,1k,1n,1qがS極に着磁され、前記着磁部1b,1d,1f,1h,1j,1m,1p,1rがN極に着磁されている。
【0041】
ここで、マグネット部と外側磁極部との位置関係について説明する。
【0042】
3個の第1の外側磁極部2a,2b,2cと同じく、ロータ1のマグネット部の外周面に対向する3個の第2外側磁極部2d,2e,2fが形成されている。
【0043】
マグネット部の外周表面の分割数をNAとすると、ステータ2の第1の外側磁極部2a,2b,2cは着磁位相に対して同位相になるように「360/(NA/2)」度(720/NA度)の整数倍、すなわちθ1=45度の整数倍お互いにずらして形成されている。この式におけるNAは、図4からもわかるように「16」である。また、ステータ2の第2の外側磁極部2d,2e,2fは着磁位相に対して同位相になるように「360/(NA/2)」度の整数倍、すなわちθ2=45度の整数倍お互いにずらして形成されている。第1の外側磁極部と第2の外側磁極部は全体が「θ3=(2×m+1)×180/NA」度、すなわち(11.25+22.5×m)度ずれて配置されている。この式中のmは整数である。この実施の形態では、NA=16,m=4としており、θ3=101.25度となっている。
【0044】
上記の構成によれば、第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとは、同一のロータ1に対してそれぞれ異なる角度範囲に関して対向するように構成されている、詳しくは、第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとが、軸に垂直な面において同一円周上に存在するようにしている。よって、ロータ1の外周面の一部分に着目すれば、該ロータ1が回転することにより、該ロータ1の一部分に対して第1の外側磁極部2a〜2cによる磁束と第2の外側磁極部2d〜2fによる磁束とが交互に作用することになる。二つの外側磁極部がロータ1のマグネット部の同じ個所に対して磁束を作用させるので、従来の特開平9−331666号公報に開示の装置が有する、着磁によるバラツキなどによる悪影響をなくすことができ、安定した性能となるステッピングモータとすることが可能となる。更に、この様な構成ゆえ、ロータ1は軸方向に関して短く構成でき、軸方向と平行方向に関する長さについても短いステッピングモータとすることができる。
【0045】
次に、図4〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係るステッピングステッピングモータの動作を説明する。
【0046】
図4では、第1のコイル3に通電してステータ2の第1の外側磁極部2a〜2cをN極とし、第1の内側磁極部をS極となるように励磁している状態である。この状態では第2のコイル4には通電は行っていない。
【0047】
図4の状態から第1のコイル3への通電を遮断し、同時に第2のコイル4に通電してステータ1の第2の外側磁極部2d〜2fをN極とし、第2の内側磁極部をS極となるように励磁すると、図5に示すようにロータ1は反時計方向に11.25度回転する。なお、マグネット部の回転がわかり易いように、着磁部1aのみグレーで示している。
【0048】
図5の状態から第2のコイル4への通電を遮断し、同時に第1のコイル3に図4の状態とは逆方向の通電、即ち第1の外側磁極部2a〜2cをS極、第1の内側磁極部をN極となるように励磁すると、図6に示すようにロータ1は反時計方向にさらに11.25度回転する。
【0049】
図6の状態から第1のコイル3への通電を遮断し、同時に第2のコイル4に図5の状態とは逆方向の通電、即ち第2の外側磁極部2d〜2fをS極、第2の内側磁極部をN極となるように励磁すると、図7に示すようにロータ1は反時計方向に更に11.25度回転する。
【0050】
以後、このように第1のコイル3及び第2のコイル4への通電方向を順次切り換えることと遮断を繰り返すことにより、前記櫛歯形状の第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fは異なるタイミングで励磁の切り換えが行われ、ロータ1は通電位相に応じた位置へと回転していくことになる。
【0051】
本実施の第1の形態では、第1の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を非通電にし、第2の通電状態として、第1のコイル3を非通電、第2のコイル4を正方向通電にし、第3の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を非通電にし、第4の通電状態として、第1のコイル3を非通電、第2のコイル4を逆方向通電にして、第1の通電状態から第2の通電状態、第3の通電状態、第4の通電状態へ切り換えを行い、ロータ1を回転させていったが、第5の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を正方向通電にし、第6の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を逆方向通電にし、第7の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を逆方向通電にし、第8の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を正方向通電にして、第5の通電状態から第6の通電状態、第7の通電状態、第8の通電状態へと通電状態を切り換える、或いは、その逆に第5の通電状態から第8の通電状態、第7の通電状態、第6の通電状態へと通電状態を切り換えるような通電の切り換えを行っても良い。それによってもロータ1は通電位相に応じた回転位置へと回転していく。
【0052】
図4等にて第1及び第2の外側磁極部a〜fの位置関係について前述したが、以下にマグネット部と第1及び第2の外側磁極部a〜fの位置関係について説明する。
【0053】
最初に、上記したように第1の通電状態、第2の通電状態、第3の通電状態、第4の通電状態の間で通電状態を切り換えると、第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fは一方ずつ励磁される極性の切り換えが行われる通電が行われる。このとき、第1の外側磁極部2a〜2cの励磁が行われるように第1のコイル3に通電を行えば、それぞれの状態における該第1の外側磁極部2a〜2cの中心部が、マグネット部の着磁部(極)の中心部と対向し、それぞれの状態における第2の外側磁極部2d〜2fの中心部は、マグネット部の着磁部の境界と対向する。つまり、図4及び図6の状態となる。
【0054】
反対に、第2の外側磁極部2d〜2fの励磁が行われるように第2のコイル4に通電を行えば、それぞれの状態における第2の外側磁極部2d〜2fの中心部が、マグネット部の着磁部の中心部と対向し、それぞれの第1の外側磁極部2a〜2cの中心部が、マグネット部の着磁部の境界と対向する。つまり、図5及び図7の状態となる。
【0055】
上記のように第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとで、マグネットの着磁部の半領域分だけ位相がずれているため、第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとで通電を切り換える度に、ロータ1は着磁部の半分の面積に相当する回転を行うことになる。つまり、16分割されたマグネット部を有していれば11.25(=360/16/2)度ずつ回転することになる。
【0056】
本実施の形態では、コイルを巻回しやすいという理由から、第1の外側磁極部2a〜2cをロータ1の片側にまとめて配置し、第2の外側磁極部2d〜2fをロータ1の反対側にまとめて配置したが、これに限らず、第1の外側磁極部と第2の外側磁極部とが交互に配置されていても構わない。ただしこの場合は、外側磁極部を励磁させる第1のコイルと第2のコイルとの配置を工夫する必要がある。例えば、交互に配置された第1の外側磁極部と第2の外側磁極部を励磁するために交互に独立したコイルを配置する方法がある。
【0057】
上記のロータ1は軸部1s,1tを備えており、この部分で回転可能に保持されているが、マグネット部やその他の円周部で例えばカバー5の内周面に回転可能に保持される構造をとれば、中空な、つまり内径側に貫通された開口部のある円筒形状のステッピングモータとすることが可能となる。そのような場合の構造を変形例として図8に示す。なお、ロータ1、ステータ2、カバー5は図1〜図7とは形状が一部異なる(内径側に貫通された開口部がある)が、同等の機能を有する部材であるので、同一の符号を付してある。
【0058】
ロータ1の外周面には溝1uが1周形成されており、カバー5の突起5bと嵌合している。これにより、ロータ1はカバー5に回転可能に保持されることになる。ロータ1は内径部に突起を設けたりして例えばカメラのレンズやシャッタや絞り羽根を駆動する用途に用いることが可能である。
【0059】
図9は、上記構成のモータを駆動源として備えたレンズ鏡筒装置を示す模式的縦断面図であり、上記実施の第1の形態と同様な部分の説明は省略する。
【0060】
図9において、50はステータ2の外側磁極部に固定されたヘリコイド地板であり、51はレンズホルダーである。前記ヘリコイド地板50の内径部にはメスヘリコイド部50aが形成されており、前記レンズホルダー51の外径部にはオスヘリコイド部51aが形成されており、該オスヘリコイド部51aを前記メスヘリコイド部50aに摺動可能に嵌合することにより、該レンズホルダー51を前記ヘリコイド地板50に対して相対回転させることにより軸方向に移動させることができる。
【0061】
前記レンズホルダー51にはレンズ52が固定されており、前記レンズホルダー51が光軸方向に移動(変位)することにより、これに伴って該レンズ52も移動し、光軸方向の該レンズ52の位置を調節できるようになっている。
【0062】
ロータ1はヘリコイド地板50の嵌合部50eに対して1v部で回転可能に取り付けられている。前記レンズホルダー51の内側端面部には溝51bが形成されており、この溝51bにはロータ1のピン部1wが嵌合している。従って、ロータ1の回転に伴って前記レンズホルダー51が回転し、前記レンズ52が装置の軸方向に移動するように構成されている。つまり、ロータ1が回転することでレンズ52の光軸方向の位置が変化するように構成されている。
【0063】
図9に示すような構成のレンズ鏡筒装置において、モータ自体の内径側の開口部を光路として配置できるので、装置全体の外径寸法は、前記内径側の開口部の直径をD11とすると、概略「(ロータ1の厚さ+内側磁極部の厚さ+外側磁極部の厚さ)×4+D11」で済ませることが可能となる。しかも外側磁極部はモータ軸に平行な方向に延出する歯により形成するので、レンズ鏡筒装置全体を非常にコンパクトなものにすることができる。
【0064】
上記の実施の第1の形態によれば、第1のコイル3、第2のコイル4により外側磁極部と内側磁極部との間にあるロータ1のマグネット部を横切る磁束を発生させることで、磁束を効果的に作用させることができる。その結果、モータの出力の向上を図ることが可能となる。
【0065】
また、図8のような構成の場合、第1の外側磁極部2a〜2c及び第2の外側磁極部2d〜2fを、モータ軸と平行な方向に延出する櫛歯により構成したので、モータの占有体積、つまりモータの外径と内径の間の体積(円筒形状の幅寸法)を最小限に抑えることができる。もし外側磁極部を半径方向に延びる凹凸で形成すると、効果的に磁束を作用させるためには凹凸差を大きくしなければならず、その分モータの外径と内径の間の体積は大きくなってしまう。つまり、図8のようなモータでは、該モータの外径と内径の間の体積を最小限に抑えることができる。
【0066】
以上の図1〜図9の構成によれば、第1のコイル3と第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束と、第2のコイル4と第1の外側磁極部2d〜2fと第2の内側磁極により形成される磁気回路において発生する磁束とが、ロータ1の同一のマグネット部に作用する構成になっている。そして、ロータ1が回転することにより、それぞれの磁気回路はマグネット部の同一円周上に作用し、マグネット部の同一の部位を利用する構成となっているので、着磁によるバラツキなどによる悪影響を受けずに安定した性能となるモータとすることができる。
【0067】
また、第1のコイル3と第2のコイル4はともにロータ1の円筒形状のマグネット部の端面に隣接して配置され、該第1のコイル3と該第2のコイル4は軸と平行方向に関する位置において重なるように配置され、上記したように第1のコイル3と第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束と第2のコイル4と第1の外側磁極部2d〜2fと第2の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束とが、ロータ1の同一マグネット部に作用する構成になっているので、本モータの軸方向に関する寸法は短く構成できる。
【0068】
また、前記第1の外側磁極部2a〜2cと前記第2の外側磁極部2d〜2fとを同一部材から構成しているので、前記第1の外側磁極部2a〜2cと第2の外側磁極部2d〜2fとの相互の誤差を小さく抑えることができる。
【0069】
また更に、前記ロータ1の外周面の着磁極数をNAとすると、前記第1の外側磁極部2a〜2cは前記第2の外側磁極部2d〜2fに対して(180/NA)度(マグネットの着磁部の半領域分だけ)位相がずれて形成されているので、第1のコイル及び第2のコイルへの通電方向を順次変える事により通電状態に応じた位置へ前記ロータ1を回転していくことができ、ステッピングモータとして機能させることができる。
【0070】
次に、第1の外側磁極部2a〜2c及び第2の外側磁極部2d〜2fの形状について詳細に説明する。
【0071】
ロータ1は第1のコイル3及び第2のコイル4への無通電時にそれに応じた状態で回転位置が保持される。この様子を図10、図11を用いて説明する。ここでは第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極部と第1のコイル3とロータ1の関係を例にとって説明する。実際のモータ1では第2の外側磁極部2d〜2fと第2の内側磁極部と第2のコイル4とロータ1の関係が180/NA度位相がずれてこれに合成される。
【0072】
図10において、縦軸は、第1のコイル3への無通電時におけるロータ1のマグネット部に作用する、第1の外側磁極部2a〜2cと第1の内側磁極部との間で発生する磁力を示し、横軸は、ロータ1の回転位相を示す。
【0073】
E1点、E2点で示されるところは正回転しようとするとマイナスの力が働いて元の位置に戻ろうとし、逆回転しようとするとプラスの力が働いて元の位置に戻される。すなわち、マグネットと第1の外側磁極部の間の磁力の力によってロータ1のマグネット部がE1点或いはE2点に安定的に位置決めされようとするコギングの位置である。F1点、F2点、F3点はマグネットの位相が少しでもずれると前後のE1点或いはE2点の位置に回転する力が働く不安定な均衡状態にある停止位置である。第1のコイル3への通電がなされない状態では、振動や姿勢の変化によってF1点、F2点、F3点に停止していることはなく、E1点或いはE2点の位置で停止する。
【0074】
E1点、E2点のようなコギング安定点はマグネットの着磁極数をNAとすると、「360/NA」度の周期で存在し、その中間位置がF1点、F2点、F3点のような不安定点になる。
【0075】
有限要素法による数値シミュレーションの結果、着磁される極の角度と外側磁極部のマグネット部の外周面に対向する角度(外側磁極部のマグネットに対向する角度は図4において、Aに相当する角度)との関係により、コイルへの通電がなされていない状態での外側磁極部とマグネットとの吸引状態の様子が変化することが明らかになった。それによると、外側磁極部のマグネット部の外周面に対向する角度により該マグネットのコギング位置が変化する。すなわち、外側磁極部のマグネット部の外周面に対向する角度が所定値以下の場合には、該マグネットの極の中心が外側磁極部の中心に対向する位置で安定的に保持される。つまり、図10で述べたE1点及びE2点がこの状態である。逆に、外側磁極部のマグネット部の外周面に対向する角度が所定値を超える場合には、該マグネットの極と極の境界が外側磁極部の中心に対向する位置で安定的に保持され、この位置が図10で述べたE1点及びE2点となる。その様子を図11を用いて説明する。
【0076】
図11は、外側磁極部の幅寸法とコギングトルク、マグネット寸法の関係を示す図である。
【0077】
図11において、横軸は「マグネットの厚み(径方向の厚み)/マグネット1極あたりの外周長さ」、縦軸は「外側磁極部1つあたりのマグネットに対する対向角度/マグネット1極あたりの角度」である。
【0078】
例えば、マグネットの外径寸法が10mm、内径寸法が9mmで極数が16極の場合、マグネットの厚みは「(10−9)/2」、マグネットの着磁部の1極あたりの外周長さは「10×π/16」であるから、横軸の「マグネットの厚み/マグネット1極あたりの外周長さ」の値は0.255となる。また、外側磁極部1つあたりのマグネットに対する対向角度を13度とすると、マグネット1極あたりの角度は22.5度であるから、縦軸の「外側磁極部1つあたりのマグネットに対する対向角度/マグネット1極あたりの角度」は0.578となる。
【0079】
図11中の各ポイントはコギングトルクがほぼ0、或いは最小となるようなモデルの「外側磁極部1つあたりのマグネットに対する対向角度/マグネット1極あたりの角度」をプロットしたものであり、不図示の9種類のモータについて、コギングトルクがほぼ0、或いは最小となるような場合をグラフ化したものである。
【0080】
図11の縦軸を「Y=外側磁極部1つあたりのマグネットに対する対向角度/マグネット1極あたりの角度」、横軸を「X=マグネットの厚み/マグネット1極あたりの外周長さ」とすると、これらのポイントは「Y=−0.3X+0.63」の式で近似した直線1と、「Y=−0.3X+0.72」の式で近似した直線2とに囲まれた領域に存在する。
【0081】
直線1より図中下の範囲、即ち、「Y<−0.3X+0.63」の範囲はマグネットの極の中心が外側磁極部の中心に対向する位置で安定的に保持され、「Y>−0.3X+0.72」ならば、マグネットの極と極の境界が外側磁極部の中心に対向する位置で安定的に保持される。
【0082】
直線1と直線2とに囲まれた領域、即ち次式の条件を満たしている場合は、コギングトルクがほぼ0、或いは極めて小さく構成される。
【0083】
−0.3X+0.62≦Y≦−0.3X+0.72
この式は次のように表される。上記各外側磁極のマグネット部に対する各対向角をA度、着磁極数をNA、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸法をD2とすると、
(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)
となる。
【0084】
上記の例の場合、マグネット1の着磁極数NAを16、マグネット1の外径寸法D1を10mm、マグネット1の内径寸法D2を9mmと設定しており、(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)=12.45度、(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)=14.48度となり、各外側磁極のマグネット部に対する対向角A度が、12.45度≦A≦14.48度の条件を満たしていれば、コギングトルクがほぼ0或いは極めて小さく構成される。
【0085】
ここで、外側磁極部の軸方向のマグネット部の外周面に対する各対向角A度(図4参照)は、該マグネット部の軸方向の位置によって徐々に変化するような場合であれば平均的な対向角が上記の条件式を満たしていれば良い。即ち、マグネット部の外周面の端面部付近の各対向角A度が例えば15度であっても外側磁極部の先端部、つまりマグネット部の軸方向中央付近での外側磁極部2a〜2cのマグネット部の外周面に対する各対向角A度が13度程度ならマグネット部の軸方向の位置に関して平均すると14度程度になるので、上記条件式は満たしていることになる。
【0086】
図12,図13,図14に、実験結果を示す。
【0087】
図12,図13,図14ともに、図10と同様、縦軸はマグネット1に作用する外側磁極部と内側磁極部とで発生する磁力によるトルクを示し、横軸はマグネット1の回転位相を示す。コイルに無通電時のトルク、即ちコキングトルクとコイル端子間に3Vの電圧を印加した時の発生トルクを示している。
【0088】
このモデルは
・マグネットは、外径φ10.6mm、内径φ9.8mm、着磁極数16極
・コイルは、巻き数が112ターン、抵抗10Ω
・ステータの外側磁極部は、外径φ11.6mm、内径φ11.1mm
・ステータの内側磁極部は、外径φ9.3mm、内径φ8.8mm
の円筒形状の構成である。
【0089】
図12は、外側磁極部のマグネットに対する各対向角A度は10.35度のものである。X,Yの値は、X=0.192,Y=0.46となる。
【0090】
図13は、外側磁極部のマグネットに対する各対向角A度は13.45度のものである。この場合が無通電時の発生するトルク、即ちコキングトルクが一番小さくなっているのである。X,Yの値は、X=0.192,Y=0.60となる。
【0091】
図14は、外側磁極部のマグネットに対する各対向角A度は15.52度のものである。X,Yの値は、X=0.192,Y=0.69となる。
【0092】
図13に示した組み合わせは、コイルへの通電時は発生するトルクは減少せずにモータとしては出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能なものとなり、最も望ましい。
【0093】
図11で求めた直線1,2上に、上記図12,図13,図14の構成により求まる値をそれぞれa,b,cで示したのが、図15である。bは確かに上記の条件式
(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)
を満たしている。
【0094】
よって、図13に例示の構成のステッピングモータとすることにより、コギングトルクがほぼ0或いは極めて小さく構成され、コイルへの通電時に発生するトルクは減少せずに該モータとしては出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能なものとなる。
【0095】
(実施の第2の形態)
図16〜図18は本発明の実施の第2の形態に係る図であり、詳しくは、図16はモータの分解斜視図、図17はマグネット、ステータ、コイル等の関係を示す一部を省略して示す平面図、図18は図16のモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【0096】
これらの図において、61はロータであり、軸部と永久磁石からなる円筒形状のマグネット部とから構成される。このマグネット部は、外周表面を円周方向に多分割して、即ち着磁極数がNAとなるよう(この実施の形態では6分割してNA=6となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。軸部と円筒形状のマグネット部は一体に成形されていても良いし、別に成形してから接着或いは圧入により結合して一体的にしても良い。また、マグネット部を射出成形等により成形されるプラスチックマグネット材料により構成することで、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くすることができる。マグネット部の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているもののいずれかである。ロータ61の軸部61s,61tは後で述べる軸受け67の嵌合穴67a、軸受け66の嵌合穴66aに回転可能に嵌合している。
【0097】
62は軟磁性材料から成るステータであり、前記軸受け66が取り付けられている。この実施の第2の形態では、後述する内筒部62cも第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bと一体的に構成されているが、別部材で成形してから結合する構成でも構わない。ステータ62の第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bは円筒形状のロータ61の軸と平行方向に延びる櫛歯形状で形成されている。上記のように第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは一体的に構成されているので、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとの相互誤差は小さく抑えられ、組み立てによるモータの性能のばらつきを抑えることができる。
【0098】
ステータ62の内筒部62cはロータ61のマグネット部の内周面と対向する内側磁極部を構成している。内筒部62cにより構成される内側磁極部と第1の外側磁極部62aとで、また、内筒部62cにより構成される内側磁極部と第2の外側磁極部62bとで、ロータ61のマグネット部を所定の隙間をもって挟む構成になる。
【0099】
63は第1の外側磁極部62aの周りに巻回された第1のコイルであり、通電されることにより、第1の外側磁極部62aと該第1の外側磁極部62aと対向する内側磁極部である内筒部62cの一部を励磁され、その磁極間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。勿論この場合、第1の外側磁極部62aとそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁される。64は第2の外側磁極部62bの周りに巻回された第2のコイルであり、通電されることにより、第2の外側磁極部62bと対向する内側磁極部である内筒部62cの一部を励磁する。勿論この場合、第2の外側磁極部とそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁され、その磁極間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。
【0100】
第1のコイル63と第2のコイル64はともにロータ61の軸方向の同一端面に隣接して配置されている。
【0101】
前記内筒部62cの第1の外側磁極62aに対向する部分は第1のコイル63によって励磁され、内筒部62cの第2の外側磁極部62bに対向する部分は第2のコイル4によって励磁されるのであるが、これらは互いに独立して励磁されている。第1のコイル63によって励磁される第1の外側磁極部62aに対向する内筒部62cの部分を以下、“第1の内側磁極部”と呼び、第2のコイル64によって励磁される第2の外側磁極部62bに対向する内筒部62cの部分を以下、“第2の内側磁極部”と呼ぶ。第1の内側磁極部と第2の内側磁極部も第1の外側磁極部62a或いは第2の外側磁極部62bのように筒形状を切欠き、軸と平行方向に延びる歯のように構成しても良い。
【0102】
上記第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部(62c)との距離及び第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部(62c)との距離を非常に小さくできるので、第1のコイル63と第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部により形成される磁気回路、および、第2のコイル64と第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部により形成される磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これにより、少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、モータの出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化を達成することができる。
【0103】
65はカバーであり、65aには軸受け67が取り付けられている。66は軸受けであり、ステータ62に取り付けられている。ロータ61の軸部61s,61tは軸受け67の嵌合穴67a、軸受け66の嵌合穴66aに回転可能に嵌合している。68はリードスクリューであり、前記ロータ61の軸部61sに固着され、該ロータ61と一体的に回転する。69はレンズホルダー、70はレンズホルダー69に固定されているレンズである。前記レンズホルダー69は不図示のガイドに光軸方向に移動可能に保持され、保持部69a に設けられたメネジ部69bがリードスクリュー68と噛み合い、リードスクリュー68が回転する事で光軸と平行方向に移動する。
【0104】
前記ロータ61の回転軸をレンズ70の光軸と平行に配置し、該ロータ61と一体的に回転するリードスクリュー68によってレンズホルダー69とレンズ70を光軸に沿って駆動するようにしてある。
【0105】
図17の平面図に示すように、この実施の第2の形態では、第1のコイル63が巻回されている第1の外側磁極部62aと第2のコイル64が巻回されている第2の外側磁極部62bとは、ロータ61の回転中心を基準に考えるとθ度位相がずれた位置に配置されている。ここで、θ度は「180度−180度/NA」である。即ち、この実施の第2の形態では「NA=6」なので、θ度は150度である。このように「θ度=(180度−180度/NA)」にする事で、第1のコイル63、第2のコイル64の配置により図面中のL11の寸法を最小に設定できる。
【0106】
上記の第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとを配置したモータをレンズ鏡筒内に配置する場合、図18に示すように、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bをレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64をレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。この実施の第2の形態では、第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62b、第1のコイル63、第2のコイル64をレンズ70の光軸からの距離をすべて等距離R1に設定してある。
【0107】
このように配置する事により、図27におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0108】
また、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、「θ度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、このθ度となる角がロータ61の回転中心と光軸中心との間側になるように配置する事で、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置される事になり、よりコンパクト化が達成される。その様子を図19に示す。
【0109】
図19に示すように、ステータ62の一部とカバー65(図16参照)の一部を切り欠く事で外径寸法をT1だけ小さくでき、内径寸法をT2だけ大きくでき、狭い円筒形状内に配置可能になる。
【0110】
図20は、θ度となる角がロータ61の回転中心から光軸中心に対し外側にある例を示すものである。この場合は、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置されないため、ややコンパクト化を阻害する。即ち内径寸法をT3大きくするにとどまり、図19に比べてコンパクト化が阻害されていることがわかる。
【0111】
また、第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bは上記実施の第1の形態と同様、マグネット部に対する各対向角をA度(図17)、着磁極数をNA、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸法をD2とすると、「(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)」となるように構成されている。
【0112】
このように構成する事で、上記実施の第1の形態と同様、コギングトルクがほぼ0或いは極めて小さく構成され、コイルへの通電時に発生するトルクは減少せずにモータとしては出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能なものとなる。
【0113】
なお、上記のように第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとは「θ度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、これはまた、上記実施の第1の形態と同様に、第1の外側磁極部62aに対し第2の外側磁極部62bは、mを整数とするとロータ61の中心に関して「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて前記ロータ61のマグネット部の外周面に対向する位置にあるとも表現できる。
【0114】
以上を整理すると
1)第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bは実施の第1の形態と同様、マグネット部に対する各対向角をA度、着磁極数をNA、マグネットの外径寸法をD1、マグネットの内径寸法をD2とすると、
(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)
となるように構成されている。よって、コギングトルクがほぼ0或いは極めて小さく構成され、コイルへの通電時に発生するトルクは減少せずにモータとしては出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能なものとなる。
【0115】
2)第1のコイル63と第2のコイル64はともにロータ61の軸方向の同一端面に隣接して配置されているので、モータの軸方向寸法が短くできる。
【0116】
3)このようなモータを用い、図8のようにリードスクリュー68をその出力軸に固着し、レンズ光軸とモータの出力軸及びリードスクリュー68を平行に配置し、リードスクリュー68の回転によりレンズ70を移動させる構造にした場合にも軸方向の寸法はあまり長くならないので、光学装置のコンパクト性を損なわず、レンズの精密な位置出しが可能になる。
【0117】
4)モータを駆動するための二つの磁気回路はロータ62の同一個所に対して作用するため、ロータ62の着磁むらの影響を受けにくい、回転精度の高いモータとすることができる。
【0118】
5)二つの磁気回路を構成する第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部及び第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部は同一の部品、即ちステータ62で構成できるので、それぞれの磁極部の相対位置が精度良く構成でき、性能のばらつきが少ないモータにすることができるとともにコストも安く構成できる。
【0119】
6)第1のコイル63への通電により第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極部間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生するので、効果的に該マグネットに作用する。同様に、第2のコイル64への通電により第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極部間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生するので、効果的に該マグネットに作用する。このため、出力の高いモータとすることができる。
【0120】
7)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、θ度位相がずれた位置に配置されている。ここでθ度は「(180度−180度/NA)」であるため、L11寸法を小さくできる。
【0121】
8)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bをレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する、或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64をレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。このように配置する事により、図27におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0122】
9)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、「θ度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、このθ度となる角度がロータ61の回転中心と光軸中心との間側になるように配置する事で、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置される事になり、よりコンパクト化が達成される。
【0123】
10)第1のコイル3と第2のコイル4はともにロータ1の円筒形状のマグネット部の端面に隣接して配置され、該第1のコイル3と該第2のコイル4は軸と平行方向に関する位置において重なるように配置され、上記したように第1のコイル3と第1の外側磁極部2a〜2c,62aと第1の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束と第2のコイル4と第1の外側磁極部2d〜2f,62bと第2の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束とが、ロータ1の同一マグネット部に作用する構成になっているので、本モータの軸方向に関する寸法は短く構成できる。
【0124】
(実施の第3の形態)
図21は本発明の実施の第3の形態に係る開口量調節装置を示す分解斜視図であり、図16に示す、上記実施の第2の形態の構成のモータにて開口量調節部材を駆動するようにしたものである。よって、モータに関しては、上記実施の第2の形態と同様の効果(上記1)〜10))を有するものであり、ここではその説明は省略する。
【0125】
図21において、80はピニオンギヤであり、ロータ61の軸部61sに固着されロータ61と一体的に回転する。81は不図示の地板に回転可能に取り付けられている羽根駆動リングであり、ギヤ部81aは該ピニオンギヤ80と噛み合い、ロータ61により駆動される。82は中央に開口部82a〜2cが形成された地板であり、光軸と平行方向に突出する突起82d〜2f及び82cが一体で形成されるとともに、羽根駆動リング81の突起81b,81cが当接することで羽根駆動リング81の回転を規制する長穴82d,82eが形成されている。すなわち、羽根駆動リング81は突起82d〜2f及び82cが長穴82d,82eで規制される位置の間で回転可能となる。
【0126】
83及び84はシャッタ羽根であり、シャッタ羽根83の丸穴83aが地板82の突起82d〜2fに回転可能に嵌合し、シャッタ羽根83の長穴83bが羽根駆動リング81の突起81bに摺動可能に嵌合し、シャッタ羽根84の丸穴84aが地板82の突起82cに回転可能に嵌合し、シャッタ羽根84の長穴84bが羽根駆動リング81の突起81cに摺動可能に嵌合する。85は中央に最大開口量を規制する最大開口部85aが形成されたシャッタ羽根押え板であり、シャッタ羽根83及びシャッタ羽根84を所定の隙間を持って間に挟んで地板82に固定され、シャッタ羽根83及びシャッタ羽根84の軸方向の受けとなる。
【0127】
羽根駆動リング81の回転によりシャッタ羽根83はその長穴83bが羽根駆動リング81の突起81bに押されて丸穴83aを中心に回転し、シャッタ羽根84はその長穴84bが羽根駆動リング81の突起81cに押されて丸穴84aを中心に回転して、シャッタ羽根押え85の最大開口部85a及び地板82の開口部82a〜2cを覆う遮光位置と光の通過を許容する露光位置との間で駆動されるよう構成されている。
【0128】
本実施の第3の形態も、上記実施の第2の形態と同様、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bを不図示のレンズの光軸を中心或いは光量調節装置の最大開口部の光軸中心を中心とした概略同一円上に配置する。或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64を不図示のレンズの光軸を中心或いは光量調節装置の最大開口部の光軸中心を中心とした概略同一円上に配置する。このように配置する事により、図27におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0129】
最後に、上記各実施の形態の効果を、請求項との対応関係を明示しつつ、以下に列挙する。
【0130】
円筒形状のマグネット部を備えたロータ1,61と、第1のコイル3,63と、前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第1の外側磁極部2a〜2c,62aと、前記マグネットの内周面に対向する第1の内側磁極部2g,62cと、第2のコイル4,64と、前記第1の外側磁極部に対して、(2×m+1)×180/NA)度位相がずれての前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第2の外側磁極部2d〜2f,62bと、前記マグネット部の内周面に対向する第2の内側磁極部2g,62cとを有し、前記マグネット部の周方向に分割されて着磁されている極数をNA、前記マグネット部の外径寸法をD1、前記マグネット部の内径寸法をD2とすると、前記第1及び第2の外側磁極部が、前記マグネット部の外周面に(720/NA)度の整数倍の角度で等分配置されかつ各々が所定の角度A度だけ対向するものであって、「(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)」で構成されるようにしている。
【0131】
上記のように、前記第1及び第2の外側磁極部の前記マグネット部の外周面に対する角度(A度)が、「(226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)」の条件を満たすことにより、前記第1及び第2の外側磁極部とロータのマグネット部との間に発生する吸引力(コギングトルク)がほぼ0或いは極めて小さいもとなり、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる。
【0132】
また、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部等を、前記ロータの回転軸方向と垂直な面において同一円周上に配置しているので、各部材が、同一の前記ロータの前記マグネット部の同じ箇所に対して磁束を作用させることになり、着磁むらがあっても同一箇所との間で磁束を発生させることになるので、円滑な回転を確保できる。さらに、回転軸方向の長を小型化でき、部品点数も少なく簡易な構造のモータとなる。
【0133】
また、前記第1の外側磁極部、前記第1の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部および前記第1の外側ヨーク部を同一部材により構成することで、各部材のバラツキがなくなり、前記吸引力を相殺するように作用する機能最大限に発揮させることができ、前記吸引力が駆動トルクに対する悪影響をより小さなものにすることができる。
【0134】
また、前記第1および第2の外側磁極部を前記ロータの軸方向に延出した櫛歯形状としているので、モータの小径化が可能となる。
【0135】
また、上記実施の第2の形態のように、上記の条件を満たすモータと、該モータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズ70とを具備した装置において、前記モータに具備される第1のコイル63と第2のコイル64それぞれの巻回中心が、図118に示すように、前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置することで、該装置をコンパクトにすることができる。
【0136】
また、上記の条件を満たすモータと、光路としての開口部82aの開口面積を変更する開口量調節部材(シャッタ羽根83,84)とを有し、前記モータに具備される前記第1のコイル63と前記第2のコイル64それぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置することで、該装置をコンパクトにすることができる。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3の何れかに記載の発明によれば、第1の外側磁極部及び第2の外側磁極部とロータのマグネット部との間に発生する吸引力を最小限に抑えることができる構成とし、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができ、かつ、小型化を達成することができるステッピングモータを提供できる。
【0138】
また、請求項4〜6の何れかに記載の発明によれば、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる小型のステッピングモータを駆動源として用いる装置自身の小型化を達成することができる光学装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るモータの分解斜視図である。
【図2】図1のモータの軸方向に平行な面での断面図である。
【図3】図1のモータのコイルを通り、軸方向に垂直な面での断面図である。
【図4】図1のモータのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図5】図4のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図6】図5のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図7】図6のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図8】本発明の実施の第1の形態に係るモータの変形例を示す図である。
【図9】図1のモータを用いたレンズ鏡筒装置の断面図である。
【図10】本発明の実施の第1の形態においてコイルへの無通電時におけるロータのマグネット部に作用する第1の外側磁極部と第1の内側磁極部との間で発生する磁力の様子を示す図である。
【図11】本発明の実施の第1の形態における外側磁極の幅寸法とコギングトルク、マグネット寸法の関係を表す図である。
【図12】本発明の実施の第1の形態における実験結果であるトルクとロータの回転位相との関係を示す図である。
【図13】本発明の実施の第1の形態における実験結果であるトルクとロータの回転位相との関係を示す図である。
【図14】本発明の実施の第1の形態における実験結果であるトルクとロータの回転位相との関係を示す図である。
【図15】本発明の実施の第1の形態における実験モデルの外側磁極の幅寸法とコギングトルク、マグネット寸法の関係を表す図である。
【図16】本発明の実施の第2の形態に係るモータの分解斜視図である。
【図17】図16に示すマグネット、ステータ、コイル等の関係を示す分解平面図である。
【図18】図16に示すモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【図19】同じく図16に示すモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【図20】同じく図16に示すモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【図21】本発明の実施の第3の形態に係る光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図22】従来のステップモータの一構成例を示す模式的縦断面図である。
【図23】図22に示すステップモータにおけるステータの磁束の状態を模式的に示す部分断面図である。
【図24】従来の中実円筒形状のステップモータの他の構造例を示す模式的縦断面図である。
【図25】従来の薄型コイン形状のモータの構成図である。
【図26】図25に示すモータの磁束の様子を示す断面図である。
【図27】図25に示すような中実の円筒形状のステップモータを使用する場合の鏡筒地板あるいは光量調節装置の横断面の大きさを示す説明図である。
【符号の説明】
1,61     ロータ
1a〜1r    マグネット部の着磁部
2        ステータ
2a〜2c    第1の外側磁極部
2d〜2f    第2の外側磁極部
2g       内筒部(第1、第2の内側磁極部)
3,63     第1のコイル
4,64     第2のコイル
50       ヘリコイド地板
50a      メスヘリコイド部
51       レンズホルダー
51a      オスヘリコイド部
51b      溝(レンズホルダー)
62       ステータ
62a      第1の外側磁極部
62b      第2の外側磁極部
62c      内筒部(第1、第2の内側磁極部)
70       レンズ
82a      開口部
83,84    シャッタ羽根

Claims (6)

  1. 外周面が周方向に複数に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備え、その中心を軸として回転可能なロータと、前記ロータの回転軸方向に隣り合わせて配置される第1のコイルと、前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第1の外側磁極部と、前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネットの内周面に対向する第1の内側磁極部と、前記ロータの回転軸方向に隣り合わせて配置される第2のコイルと、前記第2のコイルにより励磁され、前記第1の外側磁極部に対して、((2×m+1)×180/NA)度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向すると共に前記ロータの回転軸方向に延出した櫛歯形状をした第2の外側磁極部と、前記第2のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第2の内側磁極部とを有し、
    前記マグネット部の周方向に分割されて着磁されている極数をNA、前記マグネット部の外径寸法をD1、前記マグネット部の内径寸法をD2とすると、前記第1及び第2の外側磁極部は、前記マグネット部の外周面に(720/NA)度の整数倍の角度で等分配置されかつ各々が所定の角度A度だけ対向するものであって、
    (226.8/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)≦A≦(259.2/NA)−54×(D1−D2)/(D1×π)
    で構成されることを特徴とするステッピングモータ。
  2. 前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部は、前記ロータの回転軸方向と垂直な面において同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。
  3. 前記第1の外側磁極部及び前記第2の外側磁極部を同一部材で一体的に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のステッピングモータ。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のステッピングモータと、該ステッピングモータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズとを有し、
    前記ステッピングモータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記ステッピングモータを配置したことを特徴とする光学装置。
  5. 前記ステッピングモータに具備される前記ロータに一体的に形成されるリードスクリューと、該リードスクリューに係合し、該リードスクリューの回転に伴って光軸と平行方向に位置変化する係合部材とを有し、
    前記係合部材は前記レンズを一体的に保持し、前記レンズを光軸方向に移動させることを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
  6. 請求項1〜3の何れかに記載のステッピングモータと、光路としての開口部の開口面積を変更する開口量調節部材とを有し、
    前記ステッピングモータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記ステッピングモータを配置したことを特徴とする光学装置。
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