JP3977186B2 - モータおよび光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型に構成するのに好適な円筒形状のモータ及び該モータを具備する光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来のステッピングモータの一構成例を示す模式的縦断面図であり、図17は図16のステップモータのステータから流れる磁束の状態を模式的に示す部分断面図である。
【0003】
図16において、ステータコイル105が同心状に巻回されたボビン101が軸方向に並んで2個配置され、これらの2個のボビン101はそれぞれ別のステータヨーク106に挟持固定されている。各ステータヨーク106の内径面には、ボビン101の内径面円周方向に沿って交互に配置されるステータ歯106a及び106bが形成されている。該ステータ歯106a又は106bと一体のステータヨーク106が、2個のケース103それぞれに固定されている。こうして、励磁用の2個のステータコイル105のそれぞれに対応する2個のステータ102が構成されている。
【0004】
2個のケース103のうちの一方にはフランジ115と軸受108が固定され、他方のケース103には他の軸受108が固定されている。ロータ109はロータ軸110に固定されたロータマグネット111から成り、該ロータマグネット111は各ステータ102のステータヨーク106と放射状の空隙部を形成している。そして、ロータ軸110は2個の軸受108によって回転可能に支持されている。
【0005】
上記従来の小型のステッピングモータにおいては、ロータ109の外周にケース103、ボビン101、ステータコイル105及びステータヨーク106が同心状に配置されているため、モータの外形寸法が大きくなってしまうという課題があった。また、ステータコイル105への通電により発生する磁束は、図17に示すように、主としてステータ歯106aの端面106a1とステータ歯106bの端面106b1とを通過するため、ロータマグネット111に効果的に作用せず、モータの出力が高くならないという課題もあった。
【0006】
このような技術的な課題を解決することを目的として、本願出願人は特開平09−331666号公報に記載されているような構成のモータを提案している。この提案に係るモータは、円筒形状の永久磁石を円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁させたロータ(ロータマグネット)を形成し、該ロータの軸方向(モータの軸方向)に、第1のコイル、ロータ及び第2のコイルを順に配置し、第1のコイルにより励磁される第1の外側磁極部及び第1の内側磁極部をロータの軸方向の一半部の外周面及び内周面に対向させ、第2のコイルにより励磁される第2の外側磁極部及び第2の内側磁極部をロータの軸方向の他半部の外周面及び内周面に対向させるように構成したものであり、ロータ軸である回転軸が円筒形状の永久磁石(マグネット)から取り出されている。
【0007】
このような構成のモータならば、出力が高く、該モータの外形寸法を小さいものとすることができる。更に、マグネットを薄くすることにより、第1の外側磁極部と第1の内側磁極部との間の距離、並びに、第2の外側磁極部と第2の内側磁極部との間の距離を小さくすることができ、それにより磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1のコイル及び第2のコイルに流す電流が少なくても、多くの磁束を発生させることができ、高い出力を維持できる。
【0008】
図18は、上記構成のモータを示す模式的縦断面図である。
【0009】
同図において、311はマグネット、312は第1のコイル、313は第2のコイル、314は第1のステータ、314a,314bは第1の外側磁極部、314c,314dは第1の内側磁極部、315は第2のステータ、315a,315bは第2の外側磁極部、315c,315dは第2の内側磁極部、316は第1のステータ314と第2のステータ315を保持する連結リングである。317はマグネット311が固着され、該マグネット311と一体に回転する出力軸であり、該出力軸317は第1のステータ314と第2のステータ315の軸受部314e,315eに回転可能に支持されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平9−331666号公報等に記載されているタイプのモータでも、図16に示す従来のステッピングモータと同様に、軸方向の長さが長くなってしまう欠点があった。又図16、図18に記載されているタイプのモータの場合、第1のコイルへの通電により発生する磁束がマグネットに作用する位置と、第2のコイルへの通電により発生する磁束がマグネットに作用する位置とが、マグネットの軸方向にずれている。そのためマグネットが、該マグネットの軸と平行方向における位置で(つまり、図18でいう314側の位置と315側の位置とで)着磁のむらがある場合は、マグネットの回転停止位置の精度が悪くなることもある。
【0011】
上記軸方向の長さが短いモータとしては、例えば特開平7−213041号公報や特開2000−50601号公報等で提案されている、図19に示すものがあり、これは複数のコイル301〜303と円盤形状のマグネット304で構成されている。コイルは図に示すように薄型コイン形状であり、その軸はマグネットの軸と平行に配置されている。円盤形状のマグネットはその軸方向に着磁されており、該マグネットの着磁面とコイルの軸は対向する様に配置されている。
【0012】
しかしこの構成の場合、コイルから発生する磁束は、図20中の矢印で示すように完全には有効にマグネットに作用していない。また、マグネットに作用する回転力の中心は図20に示すようにモータの外径からLだけ離れた位置となるので、モータの大きさの割には発生するトルクが小さくなってしまう。また、このモータの中心部はコイルやマグネットが占有してしまっているので、モータ内に別の部品を配置することは困難である。更には複数のコイルが必要であることからコイルへの通電制御が複雑になったり、コストが上がってしまったりする欠点がある。
【0013】
また、上記のモータを用いて、カメラの絞り羽根、シャッタやレンズ等を駆動する装置が知られている。しかしながら、上述した特開平9−331666号公報等に記載されているタイプのモータは、中実(中心部にも部材が存在するものを意味する)の細長い円筒形状であるため、絞り羽根やシャッタ、あるいはレンズ等の駆動源として用いる場合は、カメラの鏡筒内で光軸と平行になるように配置する必要がある。よって、鏡筒の半径寸法がレンズの半径や絞り開口の半径寸法だけではなく、これにモータの直径を加えた値となっていた。
【0014】
図21は、図18に示すような中実の円筒形状のステッピングモータを使用する場合の鏡筒地板あるいは光量調節装置の横断面の大きさを説明する為の図であり、同図において、モータをM、鏡筒地板あるいは光量調節装置を301、開口部を300とし、モータMの直径をD1、開口部300の直径をD2、鏡筒地板又は光量調節装置301の直径をD3とすると、鏡筒地板又は光量調節装置301の直径D3は少なくとも「2×D1+D2」以上になってしまう。特に図16に示すモータを用いた場合には、モータMの直径D1はコイルとマグネット、ステータを加えたものだから非常に大きくなってしまう。
【0015】
一方、鏡筒装置あるいは光量調節装置はコンパクト化が望まれており、そのためには半径方向の厚さ寸法の薄いリング状の断面形状を有するモータが望まれている。更には、他のレンズ群の移動の妨げならぬように光軸方向と平行方向に関する長さについても短いものが望まれている。図18に示すタイプのものはモータの長さが長くなってしまう。
【0016】
また、中空円筒状(円筒状の中央部(内径側)に貫通された開口部をもつ形状のものを意味する)のモータにより絞り羽根を駆動するものは、例えば特開昭53−37745号公報や特開昭57−16647号公報等で提案されている。これらは中空状のマグネットの外側にコイルを巻回する構造になっているため、コイルの厚み、マグネットの厚みおよびステータの厚みとの全てが半径方向の厚みに加算されてしまい、半径方向の厚さ寸法の薄いリング状のモータとしては十分ではなかった。
【0017】
レンズを駆動するモータは他にも実開昭56−172827号公報等で提案されている。これは、コイルの中心軸が鏡筒の光軸中心に向かう方向に配置されているため、コイル形状の複雑化、組み立ての複雑化、コイルの個数の増加という不都合があり、更には部品点数の増加によって装置自体の小型化が難しく、コストも高くなってしまっていた。
【0018】
以上のように、従来のモータや該モータを用いる装置は、コンパクトの面やコストの面に難があった。さらには、マグネットをロータとし、コイルにより軟磁性材料のステータを励磁してロータを回転させていくような構成のモータにおいては、マグネットの位相によりマグネットとステータとの間の吸引力が変化し、この変化した吸引力が、コイルへの通電によるステータが励磁された際に発生する電磁力よりも大きい場合には、モータを起動させることができない、安定して滑らかに回らない、といった事も生じることがあった。
【0019】
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、第1の外側磁極部、第2の外側磁極部、第1の外側ヨーク部および第2の外側ヨーク部がロータのマグネット部との間に発生する吸引力を相殺できるようにそれぞれの位置関係を設定し、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができ、かつ、小型化を達成することのできるモータを提供しようとするものである。
【0020】
本発明の第2の目的は、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる小型のモータを駆動源して用いる装置自体の小型化を達成することのできる光学装置を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至4に記載の発明は、外周面が周方向に複数に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備え、その円の中心を軸として回転可能なロータと、前記ロータの軸方向に隣り合わせて配置される第1のコイルと、前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の所定の角度範囲の外周面に対向する第1の外側磁極部と、前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第1の内側磁極部と、前記ロータの軸方向に隣り合わせて配置される第2のコイルと、前記第2のコイルにより励磁され、前記第1の外側磁極部に対して、mを整数とし、NAを前記マグネット部の着磁極数とすると、(2×m+1)×180/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する第2の外側磁極部と、前記第2のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第2の内側磁極部と、前記第1の外側磁極部に対して、nを整数とすると、(4×n+1)×90/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第1の外側ヨーク部と、前記第1の外側磁極部に対して、pを整数とすると、(4×p+3)×90/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第2の外側ヨーク部とを有し、前記第1の外側磁極部、前記第2の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部、前記第2の外側ヨーク部、第1の内側磁極部および第2の内側磁極部が、同一部材で一体的に構成されたモータとするものである。
【0022】
上記条件式を満たすように、前記第1の外側磁極部に対し、前記第2の外側磁極部、第1の外側ヨーク部および第2の外側ヨーク部を配置することで、それぞれの部材がロータのマグネット部との間に発生する吸引力を相殺するように作用するようになり、前記吸引力が駆動トルクに対して悪影響を与えることがない構成にしている。
【0023】
また、請求項2、3のように、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部等を、同一円周上に配置することで、各部材が前記マグネット部の同じ箇所(外周面の)に対して磁束を作用させることになり、着磁むらがあっても各部材に同様に作用することになる。
【0024】
また、請求項1のように、前記第1の外側磁極部、前記第2の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部、前記第2の外側ヨーク部、第1の内側磁極部および第2の内側磁極部が、同一部材で一体的に構成されたことで、各部材のバラツキをなくし、それぞれの機能(前記吸引力を相殺するように作用する機能)を発揮させ得る構成にしている。
【0025】
また、請求項4のように、前記第1および第2の外側磁極部を前記ロータの軸方向に延出した櫛歯形状とすることで、モータの小径化を実現する構成にしている。
【0026】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項5又は6に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のモータと、該モータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズとを有し、前記モータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置した光学装置とするものである。
【0027】
同じく上記第2の目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のモータと、光路としての開口部の開口面積を変更する開口量調節部材とを有し、前記モータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置した光学装置とするものである。
【0028】
上記請求項5乃至7においては、請求項1乃至4に記載のモータを駆動源として用いる装置において、該モータの配置を所定の要件を満たす構成にして、小型化を実現する構成にしている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の第1の形態に係るモータを示す分解斜視図であり、図2は図1のモータの軸を通り、該軸方向に平行な面での断面図であり、図3は図1のモータのコイルを通り、軸方向と垂直な面での断面図である。
【0031】
これらの図において、1はロータであり、軸部1t,1sと永久磁石からなる円筒形状(図2参照)のマグネット部とから構成される。このマグネット部は、外周表面を円周方向に多分割して即ち着磁極数がNAとなるよう(本実施の形態では16分割してNA=16となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。軸部と円筒形状のマグネット部は一体に成形されていても良いし、別に成形してから接着或いは圧入により結合して一体的にしても良い。また、マグネット部を、射出成形等により成形されるプラスチックマグネット材料により構成することで、半径方向の厚さを非常に薄くすることができる。該マグネット部の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているもののいずれかである。ロータ1の軸部1s,1tは後で述べるカバー5の嵌合穴5a、ステータ2の嵌合穴2fに回転可能に嵌合している。
【0032】
2は軟磁性材料から成るステータであり、前記ロータ1の軸部1tを回転可能に嵌合している。特開平9−331666号公報に記載されたものとは異なり、ステータは一つだけで構成されている。該ステータ2は、内部磁極部を成す内筒部2eを有するとともに、該内筒部2eの軸方向と平行方向に延びる櫛歯形状の第1、第2の磁極部2a,2b、及び、同じく前記内筒部2eの軸方向と平行方向に延びる櫛歯形状の第1、第2の外側ヨーク部2c,2dとを有する。そして、前記内筒部2eと第1の外側磁極部2a及び第2の外側磁極部2bとで、ロータ1のマグネット部を挟む構成になる。本実施の形態では、内筒部2eも、前記第1、2の外側磁極部2a,2b及び第1、第2の外側ヨーク部2c,2dと一体的に構成されているが、別部材で成形してから結合する構成でも構わない。
【0033】
前記第1の磁極部2aと第2の磁極部2bに後述する第1、第2のコイル3,4が巻回され、該コイルによってステータ2が励磁された場合、外側磁極部とそれに対向している内筒部2eとの間では磁束が発生するが、外側磁極部間は単なる空間であるために磁束は発生しない。
【0034】
上記のようにステータ2は単一の部材から構成されているため、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bとの相互誤差は小さく抑えられ、組み立てによるモータの性能のばらつきを抑えることができる。
【0035】
3は前記第1の外側磁極部2aの周りに巻回された第1のコイルであり、通電されることにより、第1の外側磁極部2aと該第1の外側磁極部2aと対向する内側磁極部である内筒部2eの一部が励磁され、その磁極部間にはロータ1のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネット部に作用する。勿論この場合、第1の外側磁極部2aとそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁される。4は前記第2の外側磁極部2bの周りに巻回された第2のコイルであり、通電されることにより、第2の外側磁極部2bと該第2の外側磁極部2aと対向する内側磁極部である内筒部2eの一部が励磁され、その磁極部間にはロータ1のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。
【0036】
上記のように、内筒部2eの第1の外側磁極部2aに対向する部分は第1のコイル3によって励磁され、内筒部2eの第2の外側磁極部2bに対向する部分は第2のコイル4によって励磁されるのであるが、これらは互いに独立して励磁されている。前記第1のコイル3によって励磁される第1の外側磁極部2aに対向する部分を今後“第1の内側磁極部”と呼び、第2のコイル4によって励磁される第2の外側磁極部2bに対向する部分を今後“第2の内側磁極部”と呼ぶ。この第1の内側磁極部と第2の内側磁極部は、図1等に示すように一体で構成されても良いし、別体で構成されても良い。
【0037】
上記ステータ2の第1の外側磁極部2a或いは第2の外側磁極部2bは円筒を先端方向から切欠き、マグネット外周面に沿ってモータ軸に平行な方向に延出する櫛歯により構成されているので、モータの直径を最小限に抑えることができる。仮に外側磁極部を円周方向に空間を挟むことで複数構成した櫛歯形状ではなく、半径方向に延びる凹凸で形成したとする。この場合、磁極部として効果的に作用させるためには凹部からの磁束の影響を少なく、凸部からの磁束の影響を大きくする必要があり、凹凸の差を大きくしなければならない。その凹凸の差の分だけモータの直径は大きくなってしまう。本実施の形態ではもちろんそのようなことはなく、外側磁極部1枚分の厚みだけで足りる。
【0038】
また、第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部との距離及び第2の外側磁極部2bと第2の内側磁極との距離を非常に小さくできるので、第1のコイル3と第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極により形成される磁気回路、および、第2のコイル4と第2の外側磁極部2bと第2の内側磁極により形成される磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これにより、少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、モータの出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化を達成することができる。
【0039】
ここで、前記第1の外側磁極部2aに対し前記第2の外側磁極部2bは、mを整数とすると、ロータ1の中心に関して「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて前記ロータ1のマグネット部の外周面に対向する位置にある。その角度を図4においてθ1で示す。そして、前記第1の外側ヨーク部2cは前記第1の外側磁極部2aに対し、nを整数としたとき、ロータ1の中心に関して「(4×n+1)×90/NA」度位相がずれて配置され、その角度を図4においてθ2で示す。また、前記第2の外側ヨーク部2dは前記第1の外側磁極部2aに対し、pを整数としたとき、ロータの中心に関して「(4×p+3)×90/NA」度位相がずれて配置されており、その角度を図4においてθ3で示す。
【0040】
本実施の形態では、NA=16,m=7,n=3,p=11であり、ロータ1を中心に、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bのなす角θ1は168.75度、ロータを中心に第1の外側磁極部2aと第1の外側ヨーク部2cのなす角θ2は73.125度、ロータを中心に第1の外側磁極部2aと第2の外側ヨーク部2dのなす角θ3は264.375 度で構成されている。
【0041】
5はカバーであり、図2に示すようにその内周部が、ステータ2の第1の外側磁極部2aや第2の外側磁極部2b、第1の外側ヨーク部2c、第2の外側ヨーク部2dそれぞれの外周面に取り付けられ、嵌合穴5aはロータ1の軸部1sを回転可能に嵌合している。
【0042】
前記ロータ1のマグネット部とステータ2の位置関係を示した図4からわかるように、マグネット部はその外周表面を円周方向に均一に多分割して(本実施の形態では16分割して)S極、N極が交互に着磁された着磁部1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1p,1q,1rが形成されている。ここでは、前記着磁部1a,1c,1e,1g,1i,1k,1n,1qがS極に着磁され、前記着磁部1b,1d,1f,1h,1j,1m,1p,1rがN極に着磁されている。
【0043】
第1の外側磁極部2aは、本実施の第1の形態では1個で構成してあるが、必ずしも1個である必要は無く、マグネット部の着磁位相に対して同位相になるように配置すれば複数あっても構わない。つまり、着磁極数をNAとすると「360/(NA/2)」度の整数倍、すなわち45度の整数倍お互いにずらして形成されていれば良い。この式におけるNAは、図4からもわかるように「16」である。同様に、第2の外側磁極部2bは、本実施の第1の形態では1個で構成してあるが、必ずしも1個である必要は無く、マグネット部の着磁位相に対して同位相になるように配置すれば複数あっても構わない。つまり、着磁極数をNAとすると「360/(NA/2)」度の整数倍ごとに複数の第2の外側磁極部2bを形成しても良い。
【0044】
また、第1の外側ヨーク部2cは,本実施の第1の形態では1個で構成してあるが、必ずしも1個である必要は無く、マグネット部の着磁位相に対して同位相になるように配置すれば複数あっても構わない。つまり、着磁極数をNAとすると「360/(NA/2)」度の整数倍ごとに複数の第2の外側ヨーク部を形成しても良い。同様に、第2の外側ヨーク部2dは、本実施の第1の形態では1個で構成してあるが、必ずしも1個である必要は無く、マグネット部の着磁位相に対して同位相になるように配置すれば複数あっても構わない。つまり、着磁極数をNAとすると「360/(NA/2)」度の整数倍ごとに複数の第2の外側ヨーク部を形成しても良い。
【0045】
上記の構成によれば、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bとは、同一のロータ1に対してそれぞれ異なる角度範囲に関して対向するように構成されている、詳しくは、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2b、さらには第1の外側ヨーク部2c,第2の外側ヨーク部2dとが、軸に垂直な面において同一円周上に存在するようにしている。よって、ロータ1の外周面の一部分に着目すれば、該ロータ1が回転することにより、該ロータ1の一部分に対して第1の外側磁極部2aによる磁束と第2の外側磁極部2bによる磁束とが交互に作用することになる。二つの外側磁極部がロータ1のマグネット部の同じ個所に対して磁束を作用させるので、従来の特開平9−331666号公報に開示の装置が有する、着磁によるバラツキなどによる悪影響をなくすことができ、安定した性能となるモータとすることが可能となる。更に、この様な構成ゆえ、ロータ1は軸方向に関して短く構成でき、軸方向と平行方向に関する長さについても短いモータとすることができる。
【0046】
次に、図4〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係るステッピングモータの動作を説明する。
【0047】
図4では、第1のコイル3に通電してステータ2の第1の外側磁極部2aをN極とし、第1の内側磁極部をS極となるように励磁している状態である。この状態では第2のコイル4には通電は行っていない。
【0048】
図4の状態から第1のコイル3への通電を遮断し、同時に第2のコイル4に通電してステータ1の第2の外側磁極部2bをN極とし、第2の内側磁極部をS極となるように励磁すると、図5に示すようにロータ1は反時計方向に 11.25度回転する。なお、マグネット部の回転がわかり易いように、着磁部1aのみグレーで示している。
【0049】
図5の状態から第2のコイル4への通電を遮断し、同時に第1のコイル3に図4の状態とは逆方向の通電、即ち第1の外側磁極部2aをS極、第1の内側磁極部をN極となるように励磁すると、図6に示すようにロータ1は反時計方向にさらに 11.25度回転する。
【0050】
図6の状態から第1のコイル3への通電を遮断し、同時に第2のコイル4に図5の状態とは逆方向の通電、即ち第2の外側磁極部2bをS極、第2の内側磁極部をN極となるように励磁すると、図7に示すようにロータ1は反時計方向に更に 11.25度回転する。
【0051】
以後、このように第1のコイル3及び第2のコイル4への通電方向を順次切り換えることと遮断を繰り返すことにより、前記櫛歯形状の第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bは異なるタイミングで励磁の切り換えが行われ、ロータ1は通電位相に応じた位置へと回転していくことになる。
【0052】
本実施の第1の形態では、第1の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を非通電にし、第2の通電状態として、第1のコイル3を非通電、第2のコイル4を正方向通電にし、第3の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を非通電にし、第4の通電状態として、第1のコイル3を非通電、第2のコイル4を逆方向通電にして、第1の通電状態から第2の通電状態、第3の通電状態、第4の通電状態へ切り換えを行い、ロータ1を回転させていったが、第5の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を正方向通電にし、第6の通電状態として、第1のコイル3を正方向通電、第2のコイル4を逆方向通電にし、第7の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を逆方向通電にし、第8の通電状態として、第1のコイル3を逆方向通電、第2のコイル4を正方向通電にして、第5の通電状態から第6の通電状態、第7の通電状態、第8の通電状態へと通電状態を切り換える、或いは、その逆に第5の通電状態から第8の通電状態、第7の通電状態、第6の通電状態へと通電状態を切り換えるような通電の切り換えを行っても良い。それによってもロータ1は通電位相に応じた回転位置へと回転していく。
【0053】
図4等にて第1および第2の外側磁極部の位置関係について前述したが、以下にマグネット部と第1および第2の外側磁極部の位置関係について説明する。
【0054】
最初に、上記したように第1の通電状態、第2の通電状態、第3の通電状態、第4の通電状態の間で通電状態を切り換えると、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bは一方ずつ励磁される極性の切り換えが行われる通電が行われる。このとき、第1の外側磁極部2aの励磁が行われたときに第1のコイル3に通電を行えば、それぞれの状態における該第1の外側磁極部2aの中心部が、マグネット部の着磁部(極)の中心部と対向し、それぞれの状態における第2の外側磁極部2bの中心部は、マグネット部の着磁部の境界と対向する。つまり、図4及び図6の状態となる。
【0055】
反対に、第2の外側磁極部2bの励磁が行われたときに第2のコイル4に通電を行えば、それぞれの状態における第2の外側磁極部2bの中心部が、マグネット部の着磁部の中心部と対向し、それぞれの第1の外側磁極部2aの中心部が、マグネット部の着磁部の境界と対向する。つまり、図5及び図7の状態となる。
【0056】
上記のように第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bとで、マグネットの着磁部の半領域分だけ位相がずれているため、第1の外側磁極部2aと第2の外側磁極部2bとで通電を切り換える度に、ロータ1は着磁部の半分の面積に相当する回転を行うことになる。つまり、16分割されたマグネット部を有していれば 11.25(=360/16/2)度ずつ回転することになる。
【0057】
上記のロータ1は軸部1s,1tを備えており、この部分で回転可能に保持されているが、マグネット部やその他の円周部で例えばカバー5の内周面に回転可能に保持される構造をとれば、中空な、つまり内径側に貫通された開口部のある円筒形状のモータとすることが可能となる。そのような場合の構造を変形例として図8に示す。なお、ロータ1、ステータ2、カバー5は図1〜図7とは形状が一部異なる(内径側に貫通された開口部がある)が、同等の機能を有する部材であるので、同一の符号を付してある。
【0058】
ロータ1の外周面には溝1uが1周形成されており、カバー5の突起5bと嵌合している。これにより、ロータ1はカバー5に回転可能に保持されることになる。ロータ1は内径部に突起を設けたりして例えばカメラのレンズやシャッタや絞り羽根を駆動する用途に用いることが可能である。
【0059】
図9は、上記構成のモータを駆動源として備えたレンズ鏡筒装置を示す模式的縦断面図であり、上記実施の第1の形態と同様な部分の説明は省略する。
【0060】
図9において、50はステータ2の外側磁極部に固定されたヘリコイド地板であり、51はレンズホルダーである。前記ヘリコイド地板50の内径部にはメスヘリコイド部50aが形成されており、前記レンズホルダー51の外径部にはオスヘリコイド部51aが形成されており、該オスヘリコイド部51aを前記メスヘリコイド部50aに摺動可能に嵌合することにより、該レンズホルダー51を前記ヘリコイド地板50に対して相対回転させることにより軸方向に移動させることができる。
【0061】
前記レンズホルダー51にはレンズ52が固定されており、前記レンズホルダー51が光軸方向に移動(変位)することにより、これに伴って該レンズ52も移動し、光軸方向の該レンズ52の位置を調節できるようになっている。
【0062】
ロータ1はヘリコイド地板50の嵌合部50eに対して1v部で回転可能に取り付けられている。前記レンズホルダー51の内側端面部には溝51bが形成されており、この溝51bにはロータ1のピン部1wが嵌合している。従って、ロータ1の回転に伴って前記レンズホルダー51が回転し、前記レンズ52が装置の軸方向に移動するように構成されている。つまり、ロータ1が回転することでレンズ52の光軸方向の位置が変化するように構成されている。
【0063】
図9に示すような構成のレンズ鏡筒装置において、モータ自体の内径側の開口部を光路として配置できるので、装置全体の外径寸法は、前記内径側の開口部の直径をD11とすると、概略「(ロータ1の厚さ+内側磁極部の厚さ+外側磁極部の厚さ)×2+D11」で済ませることが可能となる。しかも外側磁極部はモータ軸に平行な方向に延出する歯により形成するので、レンズ鏡筒装置全体を非常にコンパクトなものにすることができる。
【0064】
上記の実施の第1の形態によれば、第1のコイル3、第2のコイル4により外側磁極部と内側磁極部との間にあるロータ1のマグネット部を横切る磁束を発生させることで、磁束を効果的に作用させることができる。その結果、モータの出力の向上を図ることが可能となる。
【0065】
また、図8のような構成の場合、第1の外側磁極部2a及び第2の外側磁極部2bを、モータ軸と平行な方向に延出する櫛歯により構成したので、モータの占有体積、つまりモータの外径と内径の間の体積(円筒形状の幅寸法)を最小限に抑えることができる。もし外側磁極部を半径方向に延びる凹凸で形成すると、効果的に磁束を作用させるためには凹凸差を大きくしなければならず、その分モータの外径と内径の間の体積は大きくなってしまう。つまり、図8のようなモータでは、該モータの外径と内径の間の体積を最小限に抑えることができる。
【0066】
以上の図1〜図9の構成によれば、第1のコイル3と第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部により形成される磁気回路において発生する磁束と、第2のコイル4と第1の外側磁極部2bと第2の内側磁極により形成される磁気回路において発生する磁束とが、ロータ1の同一のマグネット部に作用する構成になっている。そして、ロータ1が回転することにより、それぞれの磁気回路はマグネット部の同一円周上に作用し、マグネット部の同一の部位を利用する構成となっているので、着磁によるバラツキなどによる悪影響を受けずに安定した性能となるモータとすることができる。
【0067】
また、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部とを同一部材から構成しているので、前記第1の外側磁極部と第2の外側磁極部との相互の誤差を小さく抑えることができる。
【0068】
次に、第1の外側ヨーク部2cと第2の外側ヨーク部2dの効果について説明するが、まずは第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部とロータ1の関係を例にとって説明する。
【0069】
図10において、縦軸は、第1のコイル3への無通電時におけるロータ1のマグネット部に作用する、第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部との間で発生する磁力を示し、横軸は、ロータ1の回転位相を示す。
【0070】
E1点、E2点で示されるところは正回転しようとするとマイナスの力が働いて元の位置に戻ろうとし、逆回転しようとするとプラスの力が働いて元の位置に戻される。すなわち、マグネットと第1の外側磁極部の間の磁力の力によってロータ1のマグネット部がE1点或いはE2点に安定的に位置決めされようとするコギングの位置である。F1点、F2点、F3点はマグネットの位相が少しでもずれると前後のE1点或いはE2点の位置に回転する力が働く不安定な均衡状態にある停止位置である。第1のコイル3への通電がなされない状態では、振動や姿勢の変化によってF1点、F2点、F3点に停止していることはなく、E1点或いはE2点の位置で停止する。
【0071】
E1点、E2点のようなコギング安定点はマグネットの着磁極数をNAとすると、「360/NA」度の周期で存在し、その中間位置がF1点、F2点、F3点のような不安定点になる。
【0072】
第2のコイル4への無通電時、位相のみがずれた同様な吸引力が第2の外側磁極部2bと第2の内側磁極部とロータ1との間にも発生し、更には第1の外側ヨークとロータ1との間、第2の外側ヨークとロータ1との間にも発生する。
【0073】
第2のコイル4への無通電時における第2の外側磁極部2bと第2の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力は、第1のコイル3への無通電時における第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力に対して、「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて発生する。この力は図10に示す第1の外側磁極部2aの場合と同様に、「360/NA」度、即ち 22.5 度を1サイクルとして繰り返すものであるから、第2の外側磁極部2bにおいて発生する無通電時の吸引力は、第1の外側磁極部2aにおいて発生する無通電時の吸引力に対して「180/NA度」、即ち 11.25度ずれて発生している事になる。
【0074】
第1の外側ヨーク部2cとロータ1との間に発生する吸引力は、第1のコイル3への無通電時における第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力に対して、「(4×n+1)×90/NA」度位相がずれて発生する。この力は、図10に示す第1の外側磁極部2aの場合と同様に、「360/NA」度、即ち 22.5 度を1サイクルとして繰り返すものであるから、第1の外側ヨーク部2cにおいて発生する吸引力は第1の外側磁極部2aにおいて発生する無通電時の吸引力に対して「90/NA」度、即ち5.625度ずれて発生している事になる。
【0075】
また、第2の外側ヨーク部2dとロータ1との間に発生する吸引力は、第1のコイルへの無通電時における第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力に対して「(4×p+3)×90/NA」度位相がずれて発生する。この力は、図10に示す第1の外側磁極部2aの場合と同様に、「360/NA」度、即ち 22.5 度を1サイクルとして繰り返すものであるから、第2の外側ヨーク部2dにおいて発生する吸引力は第1の外側磁極部2aにおいて発生する無通電時の吸引力に対して「90/NA」度、即ち 16.875 度ずれて発生している事になる。
【0076】
図11に、第1のコイル3への無通電時における第1の外側磁極部2aと第1の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力をa、第2のコイル4への無通電時における第2の外側磁極部2bと第2の内側磁極部とロータ1との間に発生する吸引力をb、第1の外側ヨーク部2cにおいて発生する吸引力をc、第2の外側ヨーク部2dにおいて発生する吸引力をdで示す。この図11は、図10と同様に,縦軸はロータ1のマグネット部に作用する磁力を示し、横軸はロータ1の回転位相を示している。
【0077】
最終的にロータ1に作用するのは、a,b,c,dの合成されたものであるからそれらを合成したものをeで示す。これによれば、eは、a,b,c,dに対して小さく、コイルへの無通電時の吸引力、即ちコキングトルクを小さくする事ができる。
【0078】
よって、第1の外側磁極部2a、第2の外側磁極部2b、第1の外側ヨーク部2c、第2の外側ヨーク部2dのそれぞれがロータ1のマグネット部との間に発生する吸引力を相殺するように作用し、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能な小型のモータとする事ができる。
【0079】
(実施の第2の形態)
図12〜図14は本発明の実施の第2の形態に係る図であり、詳しくは、図12はモータの分解斜視図、図13はマグネット、ステータ、コイル等の関係を示す一部を省略して示す平面図、図14は図12のモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【0080】
これらの図において、61はロータであり、軸部と永久磁石からなる円筒形状のマグネット部とから構成される。このマグネット部は、外周表面を円周方向に多分割して、即ち着磁極数がNAとなるよう(この実施の形態では6分割してNA=6となるよう)S極、N極が交互に着磁されている。軸部と円筒形状のマグネット部は一体に成形されていても良いし、別に成形してから接着或いは圧入により結合して一体的にしても良い。また、マグネット部を射出成形等により成形されるプラスチックマグネット材料により構成することで、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くすることができる。マグネット部の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、すなわち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているもののいずれかである。ロータ61の軸部61s,61tは後で述べる軸受け67の嵌合穴67a、軸受け66の嵌合穴66aに回転可能に嵌合している。
【0081】
62は軟磁性材料から成るステータであり、前記軸受け66が取り付けられている。この実施の第2の形態では、後述する内筒部62eも第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bと一体的に構成されているが、別部材で成形してから結合する構成でも構わない。ステータ62の第1の外側磁極部62a及び第2の外側磁極部62bは円筒形状のロータ61の軸と平行方向に延びる櫛歯形状で形成されている。上記のように第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは一体的に構成されているので、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとの相互誤差は小さく抑えられ、組み立てによるモータの性能のばらつきを抑えることができる。
【0082】
ステータ62の内筒部62eはロータ61のマグネット部の内周面と対向する内側磁極部を構成している。内筒部62eにより構成される内側磁極部と第1の外側磁極部62aとで、また、内筒部62eにより構成される内側磁極部と第2の外側磁極部62bとで、ロータ61のマグネット部を所定の隙間をもって挟む構成になる。
【0083】
63は第1の外側磁極部62aの周りに巻回された第1のコイルであり、通電されることにより、第1の外側磁極部62aと第1の外側磁極部62aと対向する内側磁極部である内筒部62eの一部を励磁され、その磁極間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。勿論この場合、第1の外側磁極部62aとそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁される。64は第2の外側磁極部62bの周りに巻回された第2のコイルであり、通電されることにより、第2の外側磁極部62bと対向する内側磁極部である内筒部62eの一部を励磁する。勿論この場合、第2の外側磁極部とそれに対向する内側磁極部とはお互いに異なる極に励磁され、その磁極間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生し、効果的に該マグネットに作用する。
【0084】
第1のコイル63と第2のコイル64はともにロータ61の軸方向の同一端面に隣接して配置されている。
【0085】
前記内筒部62eの第1の外側磁極62aに対向する部分は第1のコイル63によって励磁され、内筒部62eの第2の外側磁極部62bに対向する部分は第2のコイル4によって励磁されるのであるが、これらは互いに独立して励磁されている。第1のコイル63によって励磁される第1の外側磁極部62aに対向する内筒部62eの部分を以下、“第1の内側磁極部”と呼び、第2のコイル64によって励磁される第2の外側磁極部62bに対向する内筒部62eの部分を以下、“第2の内側磁極部”と呼ぶ。第1の内側磁極部と第2の内側磁極部も第1の外側磁極部62a或いは第2の外側磁極部62bのように筒形状を切欠き、軸と平行方向に延びる歯のように構成しても良い。
【0086】
上記第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極との距離及び第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極との距離を非常に小さくできるので、第1のコイル63と第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極により形成される磁気回路、および、第2のコイル64と第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極により形成される磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これにより、少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、モータの出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化を達成することができる。
【0087】
65はカバーであり、65aには軸受け67が取り付けられている。66は軸受けであり、ステータ62に取り付けられている。ロータ61の軸部61s,61tは軸受け67の嵌合穴67a、軸受け66の嵌合穴66aに回転可能に嵌合している。68はリードスクリューであり、前記ロータ61の軸部61sに固着され、該ロータ61と一体的に回転する。69はレンズホルダー、70はレンズホルダー69に固定されているレンズである。前記レンズホルダー69は不図示のガイドに光軸方向に移動可能に保持され、保持部69a に設けられたメネジ部69bがリードスクリュー68と噛み合い、リードスクリュー68が回転する事で光軸と平行方向に移動する。
【0088】
前記ロータ61の回転軸をレンズ70の光軸と平行に配置し、該ロータ61と一体的に回転するリードスクリュー68によってレンズホルダー69とレンズ70を光軸に沿って駆動するようにしてある。
【0089】
図13の平面図に示すように、この実施の第2の形態では、第1のコイル63が巻回されている第1の外側磁極部62aと第2のコイル64が巻回されている第2の外側磁極部62bとは、ロータ61の回転中心を基準に考えるとθ11度位相がずれた位置に配置されている。ここで、θ11度は「180度−180度/NA」である。即ち、この実施の第2の形態では「NA=6」なので、θ11度は150度である。このように「θ11度=(180度−180度/NA)」にする事で、第1のコイル63、第2のコイル64の配置により図面中のL11の寸法は最小に設定できる。
【0090】
上記の第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとを配置したモータをレンズ鏡筒内に配置する場合、図14に示すように、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bをレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64をレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。この実施の第2の形態では、第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62b、第1のコイル63、第2のコイル64をレンズ70の光軸からの距離をすべて等距離R1に設定してある。
【0091】
このように配置する事により、図21におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0092】
また、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、「θ11度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、このθ11度となる角がロータ61の回転中心と光軸中心との間側になるように配置する事で、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置される事になり、よりコンパクト化が達成される。θ11度となる角がロータ61の回転中心から光軸中心に対し外側にある場合は、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置されないため、ややコンパクト化を阻害する。
【0093】
上記のように第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとは「θ11度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、これはまた、上記実施の第1の形態と同様に、第1の外側磁極部62aに対し第2の外側磁極部62bは、mを整数とするとロータ61の中心に関して「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて前記ロータ61のマグネット部の外周面に対向する位置にあるとも表現できる。この場合のmは2、NAは6である。
【0094】
また、第1の外側磁極部62a或いは第2の外側磁極部部62bと同様に、マグネット外周面に沿ってモータ軸に平行な方向に延出する櫛歯形状の第1の外側ヨーク部62c及び第2の外側ヨーク部62dが形成されている。
【0095】
前記第1の外側ヨーク部62cは第1の外側磁極部62aに対し、nを整数としたとき、ロータの中心に関して「(4×n+1)×90/NA」度位相がずれて配置され、その時の角度を図13においてθ12で示し、第2の外側ヨーク部62dは第1の外側磁極部62aに対し、pを整数としたとき、ロータの中心に関して「(4×p+3)×90/NA」度位相がずれて配置され、その時の角度を図13においてθ13で示している。
【0096】
本発明の実施の第2の形態では、NA=6,m=2,n=1,p=4で、ロータを中心に第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bのなす角θ11は150度、ロータ61を中心に第1の外側磁極部62aと第1の外側ヨーク部62cのなす角θ12は75度、ロータ61を中心に第1の外側磁極部62aと第2の外側ヨーク部62dのなす角θ13は285度で構成されている。
【0097】
コイルへの無通電時、第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62b、第1の外側ヨーク部62c、第2の外側ヨーク部62dが最終的にロータ61に作用するのは、図11にて説明した上記実施の第1の形態と同様である。
【0098】
これによれば、すべてを合成した吸引力はそれぞれ単独のもの或いは第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62bのみを合成したものに比べ小さく、コイルへの無通電時の吸引力、即ちコキングトルクを小さくする事ができる。よって、第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62b、第1の外側ヨーク部62c、第2の外側ヨーク部62dのそれぞれがロータ61のマグネット部との間に発生する吸引力を相殺するように作用し、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能な小型のモータとする事ができる。
【0099】
以上を整理すると
1)上記実施の第1の形態と同様、第1の外側磁極部62aに対し第2の外側磁極部62bは、mを整数とすると、ロータ61の中心に関して「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて前記ロータ61のマグネット部の外周面に対向して配置され、第1の外側ヨーク部62cは、第1の外側磁極部62aに対し、nを整数としたとき、ロータ61の中心に関して「(4×n+1)×90/NA」度位相がずれて配置され、第2の外側ヨーク部62dは、第1の外側磁極部62aに対し、pを整数としたとき、ロータ61の中心に関して「(4×p+3)×90/NA」度位相がずれて配置されている。これにより、第1の外側磁極部62a、第2の外側磁極部62b、第1の外側ヨーク部62c、第2の外側ヨーク部62dのそれぞれがロータ61のマグネット部との間に発生する吸引力を相殺するように作用し、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転可能な小型のモータとする事ができる。
【0100】
2)第1のコイル63と第2のコイル64はともにロータ61の軸方向の同一端面に隣接して配置されているので、モータの軸方向寸法が短くできる。
【0101】
3)このようなモータを用い、図8のようにリードスクリュー68をその出力軸に固着し、レンズ光軸とモータの出力軸及びリードスクリュー68を平行に配置し、リードスクリュー68の回転によりレンズ70を移動させる構造にした場合にも軸方向の寸法はあまり長くならないので、光学装置のコンパクト性を損なわず、レンズの精密な位置出しが可能になる。
【0102】
4)モータを駆動するための二つの磁気回路はロータ62の同一個所に対して作用するため、ロータ62の着磁むらの影響を受けにくい、回転精度の高いモータとすることができる。
【0103】
5)二つの磁気回路を構成する第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部及び第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部は同一の部品、即ちステータ62で構成できるので、それぞれの磁極部の相対位置が精度良く構成でき、性能のばらつきが少ないモータにすることができるとともにコストも安く構成できる。
【0104】
6)第1のコイル63への通電により第1の外側磁極部62aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極部間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生するので、効果的に該マグネットに作用する。同様に、第2のコイル64への通電により第2の外側磁極部62bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極部間にはロータ61のマグネット部を横切る磁束が発生するので、効果的に該マグネットに作用する。このため、出力の高いモータとすることができる。
【0105】
7)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、θ11度位相がずれた位置に配置されている。ここでθ11度は「(180度−180度/NA)」であるため、L11寸法を小さくできる。
【0106】
8)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bをレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する、或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64をレンズ70の光軸を中心とした概略同一円上に配置する。このように配置する事により、図21におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0107】
9)第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bとはロータ61の回転中心を基準に考えると、「θ11度=(180度−180度/NA)」だけ位相をずらして配置してあるが、このθ11度となる角度がロータ61の回転中心と光軸中心との間側になるように配置する事で、第1のコイル63と第2のコイル64あるいは第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bは鏡筒の円筒形状に沿って配置される事になり、よりコンパクト化が達成される。
【0108】
(実施の第3の形態)
図15は本発明の実施の第3の形態に係る開口量調節装置を示す分解斜視図であり、図16に示す、上記実施の第2の形態の構成のモータにて開口量調節部材を駆動するようにしたものである。よって、モータに関しては、上記実施の第2の形態と同様の効果(上記1)〜9))を有するものであり、ここではその説明は省略する。
【0109】
図15において、80はピニオンギヤであり、ロータ61の軸部61sに固着されロータ61と一体的に回転する。81は不図示の地板に回転可能に取り付けられている羽根駆動リングであり、ギヤ部81aは該ピニオンギヤ80と噛み合い、ロータ61により駆動される。82は中央に開口部82aが形成された地板であり、光軸と平行方向に突出する突起82b及び82cが一体で形成されるとともに、羽根駆動リング81の突起81b,81cが当接することで羽根駆動リング81の回転を規制する長穴82d,82eが形成されている。すなわち、羽根駆動リング81は突起82b及び82cが長穴82d,82eで規制される位置の間で回転可能となる。
【0110】
83及び84はシャッタ羽根であり、シャッタ羽根83の丸穴83aが地板82の突起82bに回転可能に嵌合し、シャッタ羽根83の長穴83bが羽根駆動リング81の突起81bに摺動可能に嵌合し、シャッタ羽根84の丸穴84aが地板82の突起82cに回転可能に嵌合し、シャッタ羽根84の長穴84bが羽根駆動リング81の突起81cに摺動可能に嵌合する。85は中央に最大開口量を規制する最大開口部85aが形成されたシャッタ羽根押え板であり、シャッタ羽根83及びシャッタ羽根84を所定の隙間を持って間に挟んで地板82に固定され、シャッタ羽根83及びシャッタ羽根84の軸方向の受けとなる。
【0111】
羽根駆動リング81の回転によりシャッタ羽根83はその長穴83bが羽根駆動リング81の突起81bに押されて丸穴83aを中心に回転し、シャッタ羽根84はその長穴84bが羽根駆動リング81の突起81cに押されて丸穴84aを中心に回転して、シャッタ羽根押え85の最大開口部85a及び地板82の開口部82aを覆う遮光位置と光の通過を許容する露光位置との間で駆動されるよう構成されている。
【0112】
本実施の第3の形態も、上記実施の第2の形態と同様、第1の外側磁極部62aと第2の外側磁極部62bを不図示のレンズの光軸を中心或いは光量調節装置の最大開口部の光軸中心を中心とした概略同一円上に配置する。或いは、第1の外側磁極部62aを励磁する第1のコイル63と第2の外側磁極部62bを励磁する第2のコイル64を不図示のレンズの光軸を中心或いは光量調節装置の最大開口部の光軸中心を中心とした概略同一円上に配置する。このように配置する事により、図21におけるD3の寸法をより小さく構成でき、非常にコンパクトなレンズ鏡筒とすることができる。
【0113】
最後に、上記各実施の形態の効果を、請求項との対応関係を明示しつつ、以下に列挙する。
【0114】
ロータ1,61と、第1のコイル3、63と、前記ロータのマグネット部の所定の角度範囲の外周面に対向する第1の外側磁極部2a,62aと、第1の内側磁極部と、第2のコイル4,64と、前記第1の外側磁極部2a,62aに対して、mを整数とすると、「(2×m+1)×180/NA」度位相がずれて前記ロータの前記マグネット部の外周面に対向する第2の外側磁極部2b,62bと、第2の内側磁極部と、前記第1の外側磁極部2a,62aに対して、nを整数とすると、「(4×n+1)×90/NA」度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第1の外側ヨーク部2c,62cと、前記第1の外側磁極部2a,62aに対して、pを整数とすると、「(4×p+3)×90/NA」度位相がずれて前記ロータの前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第2の外側ヨーク部2d,62dとを有するモータとしている。
【0115】
よって、前記第1の外側磁極部に対し、前記第2の外側磁極部、第1の外側ヨーク部、第2の外側ヨーク部それぞれがロータのマグネット部との間に発生する吸引力を相殺するように作用する(図11参照)ようになり、前記吸引力が駆動トルクに対して悪影響を与えることがなくなり、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる。
【0116】
また、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部等を、前記ロータの回転軸方向と垂直な面において同一円周上に配置しているので、各部材が、同一の前記ロータの前記マグネット部の同じ箇所に対して磁束を作用させることになり、着磁むらがあっても同一箇所との間で磁束を発生させることになるので、円滑な回転を確保できる。さらに、回転軸方向の長を小型化でき、部品点数も少なく簡易な構造のモータとなる。
【0117】
また、前記第1の外側磁極部、前記第2の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部および前記第2の外側ヨーク部を同一部材により構成することで、各部材のバラツキがなくなり、前記吸引力を相殺するように作用する機能最大限に発揮させることができ、前記吸引力が駆動トルクに対する悪影響をより小さなものにすることができる。
【0118】
また、前記第1および第2の外側磁極部を前記ロータの軸方向に延出した櫛歯形状とすることで、モータの小径化が可能となる。
【0119】
また、上記実施の第2の形態のように、上記の条件式を満たすモータと、該モータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズ70とを具備した装置において、前記モータに具備される第1のコイル63と第2のコイル64それぞれの巻回中心が、図14に示すように、前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置することで、該装置をコンパクトにすることができる。
【0120】
また、上記の条件式を満たすモータと、光路としての開口部82aの開口面積を変更する開口量調節部材(シャッタ羽根83,84)とを有し、前記モータに具備される前記第1のコイル63と前記第2のコイル64それぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置することで、該装置をコンパクトにすることができる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至4に記載の発明によれば、第1の外側磁極部、第2の外側磁極部、第1の外側ヨーク部および第2の外側ヨーク部がロータのマグネット部との間に発生する吸引力を相殺できるようにそれぞれの位置関係を設定し、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができ、かつ、小型化を達成できるモータを提供できるものである。
【0122】
また、請求項5乃至7に記載の発明によれば、出力が高く、小さな電流でも滑らかに回転することができる小型のモータを駆動源とする装置自体も小型なものにすることができる光学装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るモータの分解斜視図である。
【図2】図1のモータの軸方向に平行な面での断面図である。
【図3】図1のモータのコイルを通り、軸方向に垂直な面での断面図である。
【図4】図1のモータのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図5】図4のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図6】図5のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図7】図6のモータの通電を変化させたときのマグネット部と外側磁極部の位置関係を示した図である。
【図8】本発明の実施の第1の形態に係るモータの変形例を示す図である。
【図9】図1のモータを用いたレンズ鏡筒装置の断面図である。
【図10】本発明の実施の第1の形態においてコイルへの無通電時におけるロータのマグネット部に作用する第1の外側磁極部と第1の内側磁極部との間で発生する磁力の様子を示す図である。
【図11】本発明の実施の第1の形態においてコイルへの無通電時におけるロータのマグネット部に作用する第1の外側磁極部、第2の外側磁極部、第1の外側ヨーク部、第2の外側ヨーク部で発生する磁力の様子とそれらを合成したときの磁力の様子を示す図である。
【図12】本発明の実施の第2の形態に係るモータの分解斜視図である。
【図13】図12に示すマグネット、ステータ、コイル等の関係を示す分解平面図である。
【図14】図12に示すモータを鏡筒内に配置した場合の平面図である。
【図15】本発明の実施の第3の形態に係る光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図16】従来のステップモータの一構成例を示す模式的縦断面図である。
【図17】図16に示すステップモータにおけるステータの磁束の状態を模式的に示す部分断面図である。
【図18】従来の中実円筒形状のステップモータの他の構造例を示す模式的縦断面図である。
【図19】従来の薄型コイン形状のモータの構成図である。
【図20】図19に示すモータの磁束の様子を示す断面図である。
【図21】図16に示すような中実の円筒形状のステップモータを使用する場合の鏡筒地板あるいは光量調節装置の横断面の大きさを示す説明図である。
【符号の説明】
1,61 ロータ
1a〜1r マグネット部の着磁部
2,62 ステータ
3,63 第1のコイル
4,64 第2のコイル
50 ヘリコイド地板
50a メスヘリコイド部
51 レンズホルダー
51a オスヘリコイド部
51b 溝(レンズホルダー)
70 レンズ
82a 開口部
83,84 シャッタ羽根
Claims (7)
- 外周面が周方向に複数に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備え、その円の中心を軸として回転可能なロータと、
前記ロータの軸方向に隣り合わせて配置される第1のコイルと、
前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の所定の角度範囲の外周面に対向する第1の外側磁極部と、
前記第1のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第1の内側磁極部と、
前記ロータの軸方向に隣り合わせて配置される第2のコイルと、
前記第2のコイルにより励磁され、前記第1の外側磁極部に対して、mを整数とし、NAを前記マグネット部の着磁極数とすると、(2×m+1)×180/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する第2の外側磁極部と、
前記第2のコイルにより励磁され、前記マグネット部の内周面に対向する第2の内側磁極部と、
前記第1の外側磁極部に対して、nを整数とすると、(4×n+1)×90/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第1の外側ヨーク部と、
前記第1の外側磁極部に対して、pを整数とすると、(4×p+3)×90/NA度位相がずれて前記マグネット部の外周面に対向する軟磁性材料から成る第2の外側ヨーク部とを有し、
前記第1の外側磁極部、前記第2の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部、前記第2の外側ヨーク部、第1の内側磁極部および第2の内側磁極部は、同一部材で一体的に構成されたことを特徴とするモータ。 - 前記マグネット部の所定の角度範囲の外周面に対向して配置される前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部は同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記マグネット部の所定の角度範囲の外周面に対向して配置される前記第1の外側磁極部、前記第2の外側磁極部、前記第1の外側ヨーク部および前記第2の外側ヨーク部は同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記第1および第2の外側磁極部は、前記ロータの軸方向に延出した櫛歯形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のモータ。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のモータと、該モータの回転出力を用いて光軸方向に移動させられるレンズとを有し、
前記モータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記レンズの光軸を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置したことを特徴とする光学装置。 - 前記モータに具備される前記ロータに一体的に形成されるリードスクリューと、該リードスクリューに係合し、該リードスクリューの回転に伴って光軸と平行方向に位置変化する係合部材とを有し、
前記係合部材は前記レンズを一体的に保持し、前記レンズを光軸方向に移動させることを特徴とする請求項5に記載の光学装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載のモータと、光路としての開口部の開口面積を変更する開口量調節部材とを有し、
前記モータに具備される前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれの巻回中心が前記開口部の開口中心を中心とした概略同一円上に位置するように、前記モータを配置したことを特徴とする光学装置。
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