JP2004064576A - 無線基地局及びそれに用いる無線フレーム同期検出方法並びにそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Node−B内のベースバンド処理部1,2において、パス捕捉、チャネル推定、RAKE合成を主目的としたパス捕捉手段12,22とパス追跡転送手段13,23とチャネル推定手段14,24とをパスサーチ回路11,21に備える。また、ベースバンド処理部1,2において、RAKE合成後のデータを復号し、1無線フレームあたりの平均SIR算出を主目的としたデコード手段16,26と、確実で安定性のある無線フレーム同期検出を行うことを主目的とした補正算出手段17,27とを同期判定回路15,25に備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は無線基地局及びそれに用いる無線フレーム同期検出方法並びにそのプログラムに関し、特にCDMA(Code Division Multiple Access)方式で通信を行う無線基地局(Node−B)における無線フレーム同期検出を行うための無線フレーム同期検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
「W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)移動通信方式」(立川敬二監修,丸善株式会社刊,2001年6月25日発行)に記述されているNode−Bにおける従来の一般的な無線フレーム同期方法を以下に示す。
【0003】
CDMA方式では伝送チャネルと物理チャネルとに対する定義及びこれに対する説明を記述している。物理チャネルは、通常、無線フレーム、タイムスロットの階層構成となっており、物理チャネルのシンボルレートに応じて無線フレーム、タイムスロットの形は変化する。
【0004】
ここで、無線フレームは15個のタイムスロットで構成され、復号処理の最小単位である。タイムスロットはレイヤ1ビット系列の最小構成単位であり、送信電力制御やチャネル推定処理の最小処理単位である。1つのタイムスロットに入るビット数は物理チャネルに依存する。
【0005】
上記の物理チャネルのうちのUplink DPCH(Dedicated Physical Channel)(上りリンクの個別物理チャネル)にはデータ伝送を行うために使用されるDPDCH(Dedicated Physical Data Channel:個別物理データチャネル)と、物理制御情報を伝送するため使用されるDPCCH(Dedicated Physical Control Channel:個別物理制御チャネル)との2種類が無線フレーム毎にI/Q[In−phase(同相)/Quadrature(直交)]多重されている。
【0006】
制御情報を扱うDPCCHは同期検波での推定に用いる既知のパターンのパイロットビット(Pilot)、送信電力制御コマンド(TPC:Transmit Power Control)、フィードバック情報(FBI:Feedback Information)、TFCI(TransPort Format Combination Indicator)で構成されている。
【0007】
上述したUplink DPCHの無線フレーム構成を図8に示す。図8において、各無線フレーム(10ms)は15個のスロットに分割され、1スロットは2560Chipである。上りDPDCH/DPCCHの1スロット当たりのビット数はパラメータkによって決まり、パラメータkは物理チャネルのSF(Spreading Factor)=256/2kに対応している。DPDCHのSFは256〜4の範囲の中から、DPCCHのSFは256(固定値)が設定される。DPCCHにおいて、使用するスロットフォーマットは、TFCIの使用/未使用、FBIの使用(使用ビット数)/未使用、Compressed Modeの適用(送信スロット数)/非適用によって決まる。
【0008】
CDMA方式ではパイロットビットを用いたチャネル推定を行っており、この中に含まれるSW(シンクワード)を用いてフレーム同期を検出している。従来の一般的な無線フレーム同期検出方法は、図9に示すように、SWの相関特性を用いて、無線フレーム同期確立検出及び同期外れ検出を行っている。
【0009】
すなわち、この無線フレーム同期検出方法では、Node−Bにて受信したUplink DPCCHのパイロットビットとチャネル推定用に用いるリファレンスパイロットビットパターンとを比較し、不一致ビット数が予め設定しておいたパイロット誤り許容ビット以下であった場合にパイロットビット受信OKとしている。
【0010】
また、無線フレーム同期検出方法では、このパイロットビットOKの状態が一定のフレーム区間連続(本判定に用いる臨界値をフレーム同期用後方保護用段数と呼ぶ)であった場合、無線フレーム同期確立検出とし、パイロットビット受信NGの状態が一定のフレーム区間連続(本判定に用いる臨界値をフレーム同期前方保護段数と呼ぶ)であった場合、無線フレーム同期外れ検出としている。
【0011】
図9において、上記の無線フレーム同期検出方法では、同期確立開始後、無線フレーム同期状態=初期状態(A)からパイロットビット受信OK検出を開始し、パイロットビット受信OKである無線フレーム区間が連続して、臨界値:フレーム同期用後方保護段数以上になると、無線フレーム同期状態=同期確立(B)へと遷移する(図9のa)。
【0012】
また、無線フレーム同期検出方法では、無線フレーム同期状態=同期確立(B)からパイロットビット受信NG検出を開始し、パイロットビット受信NGである無線フレーム区間が連続して、臨界値:フレーム同期用前方保護段数以上になると、無線フレーム同期状態=同期外れ(C)へと遷移する(図9のb)。
【0013】
さらに、無線フレーム同期検出方法では、無線フレーム同期状態=同期外れ(C)からパイロットビット受信OK検出を開始し、パイロットビット受信OKである無線フレーム区間が連続して、臨界値:フレーム同期用後方保護段数以上になると、無線フレーム同期状態=同期確立(B)へと遷移する(図9のc)。
【0014】
さらにまた、無線フレーム同期検出方法では、無線フレーム同期状態=同期確立(B)、もしくは無線フレーム同期状態=同期外れ(C)から呼の解放によって無線フレーム同期状態=初期状態(A)へと遷移する(図9のd)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の一般的な無線フレーム同期検出方法では、その方法で用いるパイロット誤り許容ビット、フレーム同期保護段数がNode−B毎に任意に設定されているため、任意のUE(User Equipment:移動局)やNode−Bの組合せによっては、無線フレーム同期確立検出や同期外れ検出のための基準が異なってしまう。
【0016】
このため、任意のUE及びNode−Bにおいても、無線フレーム同期確立検出や同期外れ検出、さらには同期維持検出のための統一基準が要求され、より正確な方法で無線フレーム同期判定を行う方法が検討されている。
【0017】
また、従来の無線フレーム同期判定方法では、上り信号を受信していない場合でも、無線フレームで誤まって無線フレーム同期確立が検出される場合があり得る。これは以下のようなメカニズムで発生していると考えられている。
【0018】
パス捕捉処理において、パス検出用しきい値の設定値によって、無信号時でも複数のパスがチャネル推定手段へ通知される場合が発生してしまう。この各パスに対してチャネル推定を行い、それぞれ最もパイロットビットパターンとの相関性の高い搬送波位相を用いて位相補正を行うと、各パスの出力値がランダムな場合よりも、よりパイロットビットパターンに近い値となってしまう場合がある。さらに、これをRAKE合成することによって、出力されるパイロットビットが、パイロット誤り許容ビット以下であった場合、無線フレームにおいて誤まって同期確立が発生してしまう。
【0019】
この現象はパイロットビットを用いて位相推定を行い、RAKE合成後にそのパイロットビットパターンを用いて無線フレーム同期判定を行う無線システムであれば、CDMA方式に限らず、極めて一般的に発生すると考えられる。
【0020】
以上の内容については簡単な以下のシュミレーション結果からも明らかで、確かに上記のメカニズムによって誤って同期確立が発生してしまうことを確認することができる。シュミレーション時に用いたチャネル推定手段における各項目の条件は、図10に示す通りである。
【0021】
入力信号は白色雑音とし、前後2Time Slot(計5Time Slot)のChannel推定値に対して重み付き平均をとることによって、FV(Fading Vector)を推定する。このFVを用いて入力信号を位相補正、RAKE合成し、この信号に含まれるFSW(フレーム同期ワード)について、送信パターンとの一致度を調べてみると、FSWは1Slot当たりのパイ6Symbol中の4Symbolで、1無線フレーム中に合計60Symbol含まれている。
【0022】
シュミレーション結果をヒストグラムにしてPlotしたものを図11に示す。位相補正を行わない場合には、予想される通り30Symbolを中心に広く分散している。位相補正を行うと、パス捕捉数が1(単位:パス数)の場合でも中心が40Symbol付近となり、以後、パス捕捉数が増えて行くに従って、一致度は増加していく傾向がうかがえる。パス捕捉数が10(単位:パス数)の場合には、一致度は56〜57Symbolにも達している。
【0023】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、無線フレーム同期判定における同期確立検出までの処理時間の短縮を図ることができる無線基地局及びそれに用いる無線フレーム同期検出方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、無線フレーム同期判定における同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を確実に行うことができ、処理時間を一定に保つことが可能な安定した無線フレーム同期判定を行うことができる無線基地局及びそれに用いる無線フレーム同期検出方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0025】
本発明の別の目的は、通信中にUplink DPCCHの無線フレームの変更が伴うような無線環境においても完全な無線フレーム同期判定を行うことができる無線基地局及びそれに用いる無線フレーム同期検出方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の無線基地局は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式で通信を行う無線基地局であって、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行うパス捕捉手段を備えている。
【0027】
本発明による第2の無線基地局は、上記の構成のほかに、ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記パス捕捉手段で捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送するパス追跡転送手段を具備し、前記パス捕捉手段がリソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行っている。
【0028】
本発明による第3の無線基地局は、上記の構成のほかに、前記パス捕捉手段にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行うチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理を行いかつ前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理を行うデコード手段と、前記デコード手段で復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記デコード手段で測定された前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行う補正算出手段とを具備し、前記パイロットビット受信の良否判定及び前記信号対干渉比判定の良否判定を用いて無線フレーム同期判定を行っている。
【0029】
本発明による第4の無線基地局は、上記の構成において、前記補正算出手段が、使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う場合に前記1無線フレームのスロット全てを受信した場合の前記1無線フレーム当たりのUplink DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)におけるパイロットビット数を基準としたパラメータと、前記無線フレーム同期判定において前記パイロットビット受信の良否判定を行うための臨界値とに基づいて前記パイロットビット受信の良否判定を行っている。
【0030】
本発明による第1の無線フレーム同期検出方法は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式で通信を行う無線基地局において無線フレーム同期判定を行う無線フレーム同期検出方法であって、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行っている。
【0031】
本発明による第2の無線フレーム同期検出方法は、上記の処理のほかに、ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送し、リソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行っている。
【0032】
本発明による第3の無線フレーム同期検出方法は、上記の処理のほかに、前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行い、このRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理を行いかつ前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理を行うとともに、復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行って前記無線フレーム同期判定を行っている。
【0033】
本発明による第4の無線フレーム同期検出方法は、上記の処理において、使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う場合に前記1無線フレームのスロット全てを受信した場合の前記1無線フレーム当たりのUplink DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)におけるパイロットビット数を基準としたパラメータと、前記無線フレーム同期判定において前記パイロットビット受信の良否判定を行うための臨界値とに基づいて前記パイロットビット受信の良否判定を行っている。
【0034】
本発明による第1の無線フレーム同期検出方法のプログラムは、CDMA(Code Division Multiple Access)方式で通信を行う無線基地局において無線フレーム同期判定を行う無線フレーム同期検出方法のプログラムであって、コンピュータに、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行う処理を実行させている。
【0035】
本発明による第2の無線フレーム同期検出方法のプログラムは、上記の処理のほかに、前記コンピュータに、ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送する処理と、リソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行う処理とを実行させている。
【0036】
本発明による第3の無線フレーム同期検出方法のプログラムは、上記の処理のほかに、前記コンピュータに、前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行う処理と、このRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理と、前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理と、復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行って前記無線フレーム同期判定を行う処理とを行わせている。
【0037】
すなわち、本発明の無線フレーム同期検出方法は、パイロットビットパターンによる判定とSIR(Signal−to−Interference Ratio:信号対干渉比)による判定とを用いる無線フレーム同期方法において、Node−B(無線基地局)内のベースバンド処理部のパスサーチ回路に、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合でも、無線フレーム同期確立までの同期引込み所要時間を短縮し、かつ一定時間内に保つためのパス捕捉手段を備えている。
【0038】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド部のパスサーチ回路に、ハードハンドオーバ制御を伴う場合に、ハンドオーバ前のパスの状態を保存しておき、ハンドオーバ先にそのパスの情報を転送し、引続きパス追跡を可能とするためのパス追跡転送手段を備えている。
【0039】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部のパスサーチ回路に、パス捕捉手段、パス追跡転送手段で捕捉されたパス情報を基にチャネル推定、RAKE合成、各スロット毎のSIR測定を行うためのチャネル推定手段を備えている。
【0040】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部の同期判定回路に、パスサーチ回路内の推定手段にてRAKE合成された1無線フレーム当たりのパイロットデータ系列を復号し、1無線フレーム当たりの平均SIRを測定するためのデコード手段を備えている。
【0041】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部において、同期判定回路内の補正算出手段に、使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う場合に、1無線フレーム15スロット全て受信した場合の1無線フレーム当たりのUplink DPCCH(Dedicated Physical Control Channel:個別物理制御チャネル)におけるパイロットビット数を基準としたパラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」と、無線フレーム同期判定においてパイロットビット受信OK判定を行うための臨界値「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と、パイロットビット受信NG判定を行うための臨界値「前方保護用パイロット誤り許容ビット数」とを備えている。
【0042】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部の同期判定回路に、実際に受信した1無線フレーム当たりのパイロットビットに応じて 「基準Slot Format Pilotビット数」と「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と「前方保護用パイロット誤りビット数」とから、実際にパイロット受信OK/NG判定を行うための臨界値「補正後後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と「補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数」とを導き出すための補正算出手段を備えている。
【0043】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部において、同期判定回路内の補正算出手段に、同期判定回路内のデコード手段によって算出された1無線フレーム当たりの平均SIRに対し、SIR判定OK/NGを行うための臨界値「後方保護用SIRしきい値」と「前方保護用SIRしきい値」とを備えている。
【0044】
本発明の無線フレーム同期検出方法は、Node−B内のベースバンド処理部において、同期判定回路内の補正算出手段に、パイロットビット受信OKかつSIR判定OKの状態が一定のフレーム区間連続であった場合に無線フレーム同期確立検出とするための臨界値「フレーム同期用後方保護用段数」とパイロットビット受信NGまたはSIR判定NGの状態が一定のフレーム区間連続あった場合に無線フレーム同期外れ検出とするための臨界値「フレーム同期前方保護段数」を備えている。
【0045】
上記のパス捕捉手段は、上り信号のない状態から無線リンクの設定する際に上位装置からNode−Bへ設定される伝搬遅延(Propagation Delay)付近に、仮の捕捉パスを割り当て、正規パスを捕捉するまでの時間を短縮する機能を有している。この場合、仮の捕捉用に割り当てるパス数はパス捕捉可能な最大パス数以下としておく。但し、特に定まった値にする必要はなく、1(単位:パス)以上の値でよい。
【0046】
上記のパス追跡転送手段においては、通信中の呼に対して異周波ハードハンドオーバや無瞬断ハードハンドオーバ制御が行われる際、各Node−B毎の機構や処理能力によって、当該リソースで処理できない場合に、処理が可能なリソースを見つけ出し、新たなリソース先に処理を移管することで通信を継続させるが、この時、リソース元で捕捉したパス情報を保存し、保存したパス情報をリソース先へ転送し、引き続きパス追跡を可能としている。この場合、リソース元での捕捉保存パス数、リソース先へ転送されたパス数は、リソース元でのパス捕捉の際の状態を踏まえ、0(単位:パス)以上、最大パス数以下とする。
【0047】
上記のパラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」は図5〜図7に示す、Uplink DPCCHの無線フレーム構造における1無線フレーム当たりのパイロットビット数を表す。
【0048】
図5はCDMA方式におけるUplink DPCCHの無線フレーム構造であり、図6はUplink DPCCHのNpilot データサイズが3ビット、4ビット、5ビットとなる場合のパイロットビットパターンであり、図7はUplink DPCCHのNpilot データサイズが6ビット、7ビットとなる場合のパイロットビットパターンである。
【0049】
図6において、Npilot =3のBit#0,Bit#1、Npilot =4のBit#1,Bit#2、Npilot =5のBit#0,Bit#1,Bit#3,Bit#4、Npilot =6のBit#1,Bit#2,Bit#4,Bit#5はそれぞれフレーム同期ワードであり、無線フレームの同期判定用として使用される。
【0050】
同様に、図7において、Npilot =7のBit#1,Bit#2,Bit#4,Bit#5、Npilot =8のBit#1,Bit#3,Bit#5,Bit#7はそれぞれフレーム同期ワードであり、無線フレームの同期判定用として使用される。ここで、図6及び図7において、フレーム同期ワード以外のパイロットビットパターンは“1”となる。
【0051】
このうち、通常モード(1無線フレーム当たりの伝送Slot数が15Time Slot)に当たるフィールド情報(Slot Format#0、Slot Format#2、Slot Format#5)から選択可能とする。すなわち、Slot Format#0を基準Slot Fomratとするならば、「基準Slot Format Pilotビット数」は90(単位:ビット)、Slot Format#2またはSlot Format#5を基準Slot Formatとするならば、75(単位:ビット)となる。
【0052】
上記の臨界値「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」、「前方保護用パイロット誤り許容ビット数」は0(単位:ビット)以上で、前記、パラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」を超えない範囲とする。
【0053】
上記の補正算出手段での出力結果である臨界値、「補正後後方保護用パイロット誤り許容ビット数」、「補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数」はそれぞれ、
EPilot_revise
=(EPilot×Pilot_receive)
/Pilot_stand ・・・(1)
という式で導き出される。この(1)式においては、小数点第一位で四捨五入としており、EPilot_reviseは臨界値「補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」もしくは「補正後前方保護用パイロット部誤り許容ビット数」、EPilotはパラメータ「後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」もしくは「前方保護用パイロット部誤り許容ビット数」、Pilot_receiveは1無線フレーム中に受信したパイロットビット数、Pilot_standはパラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」である。
【0054】
また、(1)式のEPilot_reviseを求める過程においては、小数点第一位四捨五入ではなく、小数点の切り捨てもしくは小数点の切り上げとしてもよい。
【0055】
上記の臨界値「後方保護用SIRしきい値」と、「前方保護用SIRしきい値」とは同期判定回路内のデコード手段で測定した1無線フレーム当たりの平均SIRがとりうる範囲とする。
【0056】
上記の臨界値「フレーム同期用後方保護用段数」と、「フレーム同期前方保護段数」とはパイロットビット受信OK/NG、SIR判定OK/NGに従って、0(単位:段)またはそれ以上の値とする。
【0057】
上述したように、本発明は、CDMA方式による通信を行うNode−Bにおいて、ハードハンドオーバ制御や使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う様々な無線環境においても、パス捕捉手段とパス転送追跡手段とを利用し、パイロットビットパターンによる判定とSIRによる判定とを用いた無線フレーム同期方法を行うことで、同期確立検出までの時間短縮、干渉・雑音等による誤同期確立検出(または誤同期外れ検出)を低減させ、より確実な無線フレーム同期検出を行うことが可能となる。
【0058】
つまり、本発明では、上りキャリアのない状態でも、Node−Bへ設定される伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定し、また異周波ハードハンドオーバ制御が伴う際に、リソース元で捕捉したパス情報をリソース先へ転送することで、正規パス捕捉までの処理時間の短縮が可能となるため、無線フレーム同期判定における同期確立検出までの処理時間の短縮を図ることが可能となる。
【0059】
また、本発明では、パイロットビットパターンによる判定とSIRによる判定とを用いた無線フレーム同期方法を提供することで、従来、発生していた誤同期確立検出、誤同期外れ検出を低減させ、SIR判定用の臨界値を併用することによって各検出における処理時間を一定時間内に保つことが可能となるため、無線フレーム同期判定における同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を確実に行い、処理時間を一定に保つことが可能となる。
【0060】
さらに、本発明では、パイロットビット受信OK/NG判定を行うに際して、「基準Slot Format Pilotビット数」を設け、Uplink DPCCHの無線フレームの変化に従い、判定条件とするパイロットビット用の臨界値を補正しているため、通信中にUplink DPCCHの無線フレームの変更が伴うような無線環境においても完全な無線フレーム同期判定を実現することが可能となる。
【0061】
さらにまた、本発明では、パイロットビットパターンとSIRとを用いる、あらゆる次世代移動通信システムの任意のNode−Bにおいて、同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を行う際に、上記の無線フレーム同期判定方法を適用することによって、システム同一の判定基準として示すことが可能となる。
【0062】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によるNode−B(無線基地局)の構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例によるNode−Bはベースバンド処理部1,2と、記録媒体3とから構成されており、ベースバンド処理部1,2はそれぞれ独立した動作が可能となっている。尚、本実施例によるNode−Bでは2つのベースバンド処理部1,2から構成しているが、ベースバンド処理部を任意の数持たせ、ベースバンド処理部内の各回路、各手段を図1に示すベースバンド処理部1,2と同様の構成とすることは容易である。
【0063】
ベースバンド処理部1,2はそれぞれ、パス捕捉手段12,22とパス追跡転送手段13,23とチャネル推定手段14,24とからなるパスサーチ回路11,21と、デコード手段16,26及び補正算出手段17,27からなる同期判定回路15,25とから構成されている。
【0064】
パス捕捉手段12,22は上りキャリアのない状態から無線リンクを設定する際に上位装置(図示せず)からNode−B(図示せず)へ設定される伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを任意に割り当てるとともに、信号線100による入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行う。
【0065】
また、パス捕捉手段12,22はチャネル推定手段14,24とのインタフェースを持ち、チャネル推定手段14,24へ捕捉したパスの情報を信号線111,121によって転送する。さらに、パス捕捉手段12,22はパス追跡転送手段13,23とのインタフェースを持ち、パス追跡転送手段13,23への捕捉したパスの情報の転送と、パス追跡転送手段13,23から転送されたパスの情報の読込みとを信号線112,122によって行う。
【0066】
パス追跡転送手段13はパス捕捉手段12から信号線112を介して転送されたパスの情報を保存しておく。また、パス追跡転送手段13はパス追跡転送手段23とのインタフェースを持ち、ベースバンド処理部1において処理の継続ができない状況が発生した場合に、処理可能なパス追跡転送手段23に対して、保存しておいたパス情報の転送を信号線200によって行う。
【0067】
パス追跡転送手段23はパス追跡転送手段13から転送されたパス情報に基づいて、ベースバンド処理部2において継続してパスの捕捉が可能となるよう、パス捕捉手段22に対してパス情報の転送を信号線122によって行う。
【0068】
チャネル推定手段14,24ではパス捕捉手段12,22にて捕捉したパスに対し、チャネル推定、RAKE合成、各スロット(Slot)毎のSIR測定を行う。また、チャネル推定手段14,24は同期判定回路15,25内のデコード手段16,26とのインタフェースを持ち、RAKE合成後のパイロットデータ系列及びスロット毎のSIR測定結果を信号線113,123によって転送する。
【0069】
デコード手段16,26はチャネル推定手段14,24によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理を行い、各スロット毎に測定されたSIRに対して1無線フレーム当たりの平均処理を行う。また、デコード手段16,26は補正算出手段17,27とのインタフェースを持ち、復号された1無線フレーム当たりのパイロットビット情報と平均SIR情報とを信号線114,124によって転送する。
【0070】
補正算出手段17,27はデコード手段16,26で復号された1無線フレームのパイロットビット情報を基にパラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」と臨界値「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と「前方保護用パイロット誤り許容ビット数」とから(1)式で表されている補正計算方法を用いて、実際に無線フレーム同期判定を行う際に用いる臨界値「補正後後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と「補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数」とを算出し、「補正後後方保護用パイロット誤り許容ビット数」と「補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数」とに対してパイロットビット受信OK/NGの判定を行う。
【0071】
また、補正算出手段17,27はデコード手段16,26で測定した平均SIR情報に対して、臨界値「後方保護用SIRしきい値」と「前方保護用SIRしきい値」とを用いて、SIR判定OK/NGの判定を行う。さらに、補正算出手段17,27は臨界値「フレーム同期用後方保護用段数」を用いて、パイロットビット受信OKかつSIR判定OKの状態が一定のフレーム区間連続であるかどうかの判定を行う。一定のフレーム区間連続であった場合、無線フレーム同期確立検出とする。
【0072】
さらにまた、補正算出手段17,27は臨界値「フレーム同期用前方保護用段数」を用いてパイロットビット受信NGまたはSIR判定NGの状態が一定のフレーム区間連続であるかどうかの判定を行う。一定のフレーム区間連続であった場合、無線フレーム同期外れ検出とする。
【0073】
記録媒体3は上述したベースバンド処理部1,2の各手段の処理をコンピュータ(図示せず)で実現するためのプログラムを記憶しており、ベースバンド処理部1,2の処理を行うコンピュータから読出されて実行される。
【0074】
図2〜図4は図1の補正算出手段17,27による無線フレーム同期判定処理を示すフローチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一実施例によるNode−Bの動作について説明する。尚、図2〜図4の処理はベースバンド処理部1,2の処理を行うコンピュータが記録媒体3のプログラムを実行することで実現される。
【0075】
まず、Node−Bではパスサーチ回路11,21内のパス捕捉手段12,22においてサーチ可能な最大パス数を10(単位:パス)とし、上りキャリアのない状態から無線リンクの設定する際に上位装置からNode−Bに設定された伝搬遅延付近に割り当てる仮の捕捉パス数を5(単位:パス)とする。また、同期判定回路15,25内の補正算出手段17,27で扱うパラメータと臨界値を予め決めておく。
【0076】
パラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」は、上述したように、Uplink DPCCHの無線フレーム構造における通常モードに当たるフィールド情報(Slot Format#0、Slot Format#2、Slot Format#5)から選択可能とする。本実施例ではSlot Format#2を基準Slot Formatとして選定し、「基準Slot Format Pilotビット数」を75(単位:ビット)と定める。
【0077】
臨界値「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」及び「前方保護用パイロット誤り許容ビット数」は0(単位:ビット)以上で、上記のパラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」を超えない範囲とする必要があり、本実施例では「後方保護用パイロット誤り許容ビット数」を10(単位:ビット)、「前方保護用パイロット誤り許容ビット数」を15(単位:ビット)とそれぞれ定める。
【0078】
臨界値「後方保護用SIRしきい値」及び「前方保護用SIRしきい値」は、デコード手段16,26にて測定した1無線フレーム当たりの平均SIRのとりうる範囲内で設定するが、本実施例では「後方保護用SIRしきい値」を0.0(単位:dB)、「前方保護用SIRしきい値」を−1.0(単位:dB)とそれぞれ定める。
【0079】
臨界値「フレーム同期用後方保護用段数」及び「フレーム同期前方保護段数」はパイロットビット受信OK/NG、SIR判定OK/NGに従って、0(単位:段)またはそれ以上の値に設定するが、本実施例では「フレーム同期用後方保護用段数」を2(単位:段)、「フレーム同期前方保護段数」を10(単位:段)とそれぞれ定める。
【0080】
さらに、同期判定回路15,25内のデコード手段16,26で復号される1無線フレーム当たりの受信パイロットビット数を90(単位:ビット)、すなわちUplink DPCCHの無線フレーム構造における通常モードに当たるフィールド情報のSlot Format#0とする。
【0081】
これらの条件の下、図1〜図4を参照して本実施例によるNode−Bの動作について説明する。本実施例の動作では上りキャリアのない状態から無線リンクの設定を行い、無線フレーム同期判定処理における同期確立検出までの処理について説明する。
【0082】
パスサーチ回路11内のパス捕捉手段12では信号線100からの入力信号に対する正規パスのパス検出に際し、伝搬遅延付近に割り当てた仮のパス位置を基準位置として捕捉処理を開始する。正規パスの捕捉が出来るまでの間は、この仮の捕捉パス数で動作を行う。パス捕捉手段12は捕捉したパスの情報(仮の捕捉5パス分の情報、以下5パス分の情報とする)を信号線111を介してチャネル推定手段14に転送する。また、パス捕捉手段12は捕捉した5パス分の情報を信号線112を介してパス追跡転送手段13に転送する。
【0083】
チャネル推定手段14はパス捕捉手段12から転送されてきた5パス分の情報に従って、チャネル推定、RAKE合成、各スロット毎のSIR測定を行い、RAKE合成後のパイロット系列データと各スロット毎のSIRとを信号線113を介してデコード手段16に転送する。パス追跡転送手段13はパス捕捉手段12から転送されてきた5パス分の情報の保存を行う。
【0084】
デコード手段16はチャネル推定手段14によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対して復号処理を行い、各スロット毎に測定されたSIRに対して1無線フレーム当たりの平均処理を行う。デコード手段16は復号された1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを信号線114を介して補正算出手段17に転送する。
【0085】
補正算出手段17はデコード手段16から転送されてきた1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを用いて、まず1フレーム前の無線フレーム同期状態を参照する(図2ステップS1)。
【0086】
本実施例では上りキャリアのない状態から始まるため、処理開始時点では初期状態として開始するので、補正算出手段17は無線フレームの同期状態を初期状態とした上で設定種別を参照する(図3ステップS9)。
【0087】
本実施例では上りキャリアのない状態から無線リンクの設定を行うため、新規設定扱いとするので、補正算出手段17は設定種別を新規設定とした上で、予め設定しておいたパラメータと臨界値とを用いて(1)式の計算方法によって臨界値「補正後後方保護用受信パイロット誤り許容ビット数」を算出する。
【0088】
この場合、臨界値「後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilotが10(ビット)、パラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」Pilot_standが75(ビット)、1無線フレーム中に受信したパイロットビット数(Uplink DPCCHのSlot Format#0)Pilot_receiveが90(ビット)であるので、臨界値「補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilot_reviseは、
となる。
【0089】
補正算出手段17は臨界値「補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」を12(単位:ビット)復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数を10(単位:ビット)とし、「臨界値:補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数(g)≧復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数(b)」の判定を行う(図3ステップS10)。
【0090】
上記の例では、「臨界値:補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数=12ビット」、「復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数=10ビット」となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段17はこの時の1無線フレームでの平均SIRを0.0(単位:dB)として、「臨界値:後方保護用SIRしきい値A(h)≦1無線フレームでの平均SIR(d)」の判定を行う(図3ステップS11)。
【0091】
上記の例では「臨界値:後方保護用SIRしきい値A=0.0dB」、「1無線フレームでの平均SIR=0.0dB」となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段17は「本受信フレームの後方保護段数=前受信フレームで保持した後方保護段数+1(段)」の処理を行う(図3ステップS12)。
【0092】
この処理では前受信フレームで保持した後方保護段数=0段なので、受信フレーム後方保護段数が1(単位:段)となる。この後に、補正算出手段17は「本受信フレームの後方保護段数(i)≧臨界値:フレーム同期用後方保護段数(j)」の判定を行う(図3ステップS14)。
【0093】
上記の例では本受信フレームの後方保護段数=1段、臨界値:フレーム同期用後方保護段数=2段となり、判定結果がNoとなるため、補正算出手段17は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=初期状態、前受信フレームの無線フレーム同期状態=初期状態、前受信フレームの後方保護段数(1段)=受信フレームの後方保護段数(1段)」の処理を行い(図3ステップS16)、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0094】
上記のステップS10,S11において、判定結果がNoとなった場合には、本受信フレームの後方保護段数=0段とし(図3ステップS13)、ステップS14の判定に遷移する。
【0095】
本実施例では次受信フレームの処理においても、図2〜図4のフローに従った動作を行う。補正算出手段17は上記と同様の処理経路をたどり、図3のステップS11の処理まで行ったものとし、その後、「本受信フレームの後方保護段数=前受信フレームで保持した後方保護段数+1(段)」の処理を行う(図3ステップS12)。
【0096】
この処理では前受信フレームで保持した後方保護段数=1段なので、受信フレーム後方保護段数が2(単位:段)となる。この後に、補正算出手段17は「本受信フレームの後方保護段数(i)≧臨界値:フレーム同期用後方保護段数(j)」の判定を行う(図3ステップS14)。
【0097】
上記の例では本受信フレームの後方保護段数=2段、臨界値:フレーム同期用後方保護段数=2段となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段17は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、前受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、本受信フレームの後方保護段数(単位:段)=0(段)、前受信フレームの後方保護段数(単位:段)=0(段)」の処理を行い(図3ステップS15)、、無線フレーム同期確立検出とし、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0098】
次に、異周波ハードハンドオーバ制御を伴った際の無線リンク設定及び無線フレーム同期判定処理における同期確立検出までの処理について説明する。異周波ハードハンドオーバ制御に伴って、ベースバンド処理部1において処理の継続ができない状況が発生する。
【0099】
この場合、パスサーチ回路11内のパス捕捉手段12では捕捉した正規パスの情報をパス追跡転送手段13に常時転送しておく。この時、捕捉しているパス数を8(単位:パス)とする。
【0100】
パス追跡転送手段13は処理可能なベースバンド処理部2が見つかるまでの間、転送されたパス情報を保存しておき、処理可能なベースバンド処理部2が見つかった時点で、ベースバンド処理部2のパスサーチ回路21内のパス追跡転送手段23に対して保存しておいたパス情報を転送する。
【0101】
パス捕捉手段22では異周波ハードハンドオーバ制御に際して、入力信号に対する正規パスのパス検出を行う場合、パス追跡転送手段23に転送されたパス情報を読出し、正規パスの捕捉ができるまでの間、この転送されたパス数で動作を行う。パス捕捉手段22では捕捉したパスの情報(転送捕捉8パス分の情報、以下8パス分の情報とする)をチャネル推定手段24に転送する。また、パス捕捉手段22は8パス分の情報を再度、パス追跡転送手段23に転送する。
【0102】
チャネル推定手段24では捕捉手段22から転送されてきた8パス分の情報に従って、チャネル推定、RAKE合成、各スロット毎のSIR測定を行い、同期判定回路25内のデコード手段26にRAKE合成後のパイロット系列データと各スロット毎のSIRを転送する。この時、パス追跡転送手段23は捕捉手段22から転送されてきた8パス分の情報の保存を行う。
【0103】
同期判定回路25内のデコード手段26はパスサーチ回路21内のチャネル推定手段24によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対して復号処理を行い、各スロット毎に測定されたSIRに対して1無線フレーム当たりの平均処理を行う。デコード手段26は復号された1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを信号線124を介して補正算出手段27に転送する。
【0104】
補正算出手段27ではデコード手段26から転送されてきた1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを用いて、まず1フレーム前の無線フレーム同期状態を参照する(図2ステップS1)。
【0105】
本実施例では異周波ハードハンドオーバ制御を伴うため、処理開始時点では初期状態として開始する。補正算出手段27は無線フレームの同期状態を初期状態とした上で設定種別を参照する(図3ステップS9)。
【0106】
本実施例では異周波ハードハンドオーバ制御を伴うため、セル内再同期HHO(ハードハンドオーバ)扱いとする。補正算出手段27は設定種別をセル内再同期HHOとした上で、予め設定しておいたパラメータと臨界値とを用いて(1)式の計算方法によって臨界値「補正後後方保護用受信パイロット誤り許容ビット数」を算出する。
【0107】
この場合、臨界値「後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilot=10(ビット)、パラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」Pilot_stand=75(ビット)、1無線フレーム中に受信したパイロットビット数(Uplink DPCCHのSlot Format#0)Pilot_receive=90(ビット)なので、臨界値「補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilot_reviseは、
となる。
【0108】
そこで、補正算出手段27は臨界値「補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数」を12(単位:ビット)、復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数を10(単位:ビット)とし、「臨界値:補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数(g)≧復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数(b)」の判定を行う(図4ステップS17)。
【0109】
上記の例では「臨界値:補正後後方保護用パイロット部誤り許容ビット数=12(ビット)」、「復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数=10(ビット)」となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段27はこの時の1無線フレームでの平均SIRを0.0(単位:dB)として、「臨界値:後方保護用SIRしきい値B(k)≦1無線フレームでの平均SIR(d)」の判定を行う(図4ステップS18)。
【0110】
上記の例では、「臨界値:後方保護用SIRしきい値B=0.0(dB)」、「1無線フレームでの平均SIR=0.0(dB)」となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段27は「本受信フレームの後方保護段数=前受信フレームで保持した後方保護段数+1(段)」の処理を行う(図4ステップS19)。
【0111】
この処理では前受信フレームで保持した後方保護段数=0段なので、受信フレーム後方保護段数が1(単位:段)となる。この後に、補正算出手段27は「本受信フレームの後方保護段数(i)≧臨界値:フレーム同期用後方保護段数(j)」の判定を行う(図4ステップS21)。
【0112】
上記の例では本受信フレームの後方保護段数=1段、臨界値:フレーム同期用後方保護段数=2段となり、判定結果がNoとなるため、補正算出手段27は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=初期状態、前受信フレームの無線フレーム同期状態=初期状態、前受信フレームの後方保護段数(1段)=受信フレームの後方保護段数(1段)」の処理を行い(図4ステップS23)、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0113】
上記のステップS17,S18において、判定結果がNoとなった場合には、本受信フレームの後方保護段数=0段とし(図4ステップS20)、ステップS21の判定に遷移する。
【0114】
補正算出手段27は次受信フレームの処理においても図2〜図4のフローに従った動作を行う。補正算出手段27は上記と同様の処理経路をたどり、図4のステップS18の処理まで行ったものとし、その後、「本受信フレームの後方保護段数(i)≧臨界値:フレーム同期用後方保護段数(j)」の判定を行う(図4ステップS21)。
【0115】
この処理では前受信フレームで保持した後方保護段数=1段なので、受信フレーム後方保護段数が2(単位:段)となる。この後に、補正算出手段27は「本受信フレームの後方保護段数(i)≧臨界値:フレーム同期用後方保護段数(j)」の判定を行う(図4ステップS21)。
【0116】
上記の例では本受信フレームの後方保護段数=2段、臨界値:フレーム同期用後方保護段数=2段となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段27は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、前受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、本受信フレームの後方保護段数(単位:段)=0(段)、前受信フレームの後方保護段数(単位:段)=0(段)」の処理を行い(図4ステップS22)、無線フレーム同期確立検出とし、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0117】
続いて、無線フレーム同期確立検出後の無線フレーム同期判定処理における同期外れ検出までについて説明する。ベースバンド処理部1のパスサーチ回路11内のパス捕捉手段12は信号線100からの入力信号に対する正規パスのパス捕捉情報(2パス分の情報、以下2パス分の情報とする)を信号線111を介してチャネル推定手段14に転送する。また、パス捕捉手段12は捕捉したパスの2パス分の情報をパス追跡転送手段13に転送する。
【0118】
チャネル推定手段14ではパス捕捉手段12から転送されてきた2パス分の情報に従って、チャネル推定、RAKE合成、各スロット毎のSIR測定を行い、RAKE合成後のパイロット系列データと各スロット毎のSIRとを同期判定回路15内のデコード手段16に転送する。パス追跡転送手段13はパス捕捉手段12から転送されてきた2パス分の情報の保存を行う。
【0119】
同期判定回路15内のデコード手段16はパスサーチ回路11内のチャネル推定手段14によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対して復号処理を行い、各スロット毎に測定されたSIRに対して1無線フレーム当たりの平均処理を行う。デコード手段16は復号された1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを信号線114を介して補正算出手段17に転送する。
【0120】
補正算出手段17ではデコード手段16から転送された1無線フレーム当たりのパイロットビットと平均SIRとを用いて、まず1フレーム前の無線フレーム同期状態を参照する(図2ステップS1)。
【0121】
本実施例では無線フレーム同期確立している状態として開始する(図2ステップS2)。補正算出手段17は予め設定しておいたパラメータと臨界値とを用いて(1)式の計算方法によって臨界値「補正後前方保護用受信パイロット誤り許容ビット数」を算出する。
【0122】
この場合、臨界値「前方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilot=15(ビット)、パラメータ「基準Slot Format Pilotビット数」Pilot_stand=75(ビット)、「1無線フレーム中に受信したパイロットビット数(Uplink DPCCHのSlot Format#0)Pilot_receive=90(ビット)なので、臨界値「補正後前方保護用パイロット部誤り許容ビット数」EPilot_reviseは、
となる。
【0123】
そこで、補正算出手段17は臨界値「補正後前方保護用パイロット部誤り許容ビット数」を18(単位:ビット)、復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数を20(単位:ビット)とし、「臨界値:補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数(a)<復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数(b)」の判定を行う(図2ステップS2)。
【0124】
上記の例では臨界値:補正後前方保護用パイロット誤り許容ビット数=18(ビット)、復号されたパイロットデータ系列におけるパイロット誤りビット数=20(ビット)となり、判定結果がYesとなるため、「本受信フレームの前方保護段数=前受信フレームで保持した前方保護段数+1(段)」の処理を行う(図2ステップS4)。
【0125】
この処理では前受信フレームで保持した前方保護段数=0段なので、受信フレーム前方保護段数が1(単位:段)となる。この後に、補正算出手段17は「本受信フレームの前方保護段数(e)≧臨界値:フレーム同期用前方保護段数(f)」の判定を行う(図2ステップS6)。
【0126】
上記の例では本受信フレームの前方保護段数=1段、臨界値:フレーム同期用前方保護段数=10段となり、判定結果がNoとなるため、補正算出手段17は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、前受信フレームの無線フレーム同期状態=同期確立、前受信フレームの前方保護段数(1段)=本受信フレームの前方保護段数(1段)」の処理を行い(図2ステップS8)、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0127】
本実施例では次受信フレームの処理においても図2〜図4のフローに従った動作を行う。補正算出手段17は上記と同様の処理経路をたどり、ステップS4において本受信フレームの前方保護段数が10段になったものとし、その後、「本受信フレームの前方保護段数(e)≧臨界値:フレーム同期用前方保護段数(f)」の判定を行う(図2ステップS6)。
【0128】
上記の例では本受信フレームの前方保護段数=10段、臨界値:フレーム同期用前方保護段数=10段となり、判定結果がYesとなるため、補正算出手段17は「本受信フレームの無線フレーム同期状態=同期外れ、前受信フレームの無線フレーム同期状態=同期外れ、本受信フレームの前方保護段数(単位:段)=0(段)、前受信フレームの前方保護段数(単位:段)=0(段)」の処理を行い(図2ステップS7)、無線フレーム同期外れ検出とし、ステップS1に戻って次受信フレームにおける無線フレーム同期判定を行う。
【0129】
上記のステップS3において、判定結果がNoとなった場合には、本受信フレームの前方保護段数=0段とし(図2ステップS5)、ステップS6の判定に遷移する。
【0130】
尚、本実施例における動作では、臨界値:後方保護用SIRしきい値Aと後方保護用SIRしきい値Bとを設け、設定種別によって用途を分けているが、これらは無線特性環境に応じて、一つにまとめたり、複数に分けたりすることは容易である。また、臨界値:前方保護用SIRしきい値についても、これと同様である。
【0131】
以上に述べたように、本実施例では、上りキャリアのない状態でも上位装置からNode−Bへ設定される伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定し、また異周波ハードハンドオーバ制御が伴う際に、リソース元で捕捉したパス情報をリソース先へ転送することで、正規パス捕捉までの処理時間を短縮することが可能となるため、無線フレーム同期判定における同期確立検出までの処理時間を短縮することができる。
【0132】
また、本実施例では、パイロットビットパターンによる判定とSIRによる判定とを用いた無線フレーム同期方法を提供することで、従来、発生していた誤同期確立検出や誤同期外れ検出を低減させることができ、SIR判定用の臨界値を併用することによって、各検出における処理時間を一定時間内に保つことが可能となるため、無線フレーム同期判定における同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を確実に行い、処理時間を一定に保つことが可能な安定した無線フレーム同期判定を行うことができる。
【0133】
さらに、本実施例では、パイロットビット受信OK/NG判定を行うに際して「基準Slot Format Pilotビット数」を設け、Uplink DPCCHの無線フレームの変化に従い、判定条件とするパイロットビット用の臨界値を補正しているため、通信中にUplink DPCCHの無線フレームの変更が伴うような無線環境においても完全な無線フレーム同期判定を行うことができる。
【0134】
さらにまた、本実施例では、本パイロットビットパターンとSIRとを用いる、あらゆる次世代移動通信システムの任意のNode−Bにおいて、同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を行う際に、本無線フレーム同期判定方法を適用することによって、システム同一の判定基準として示すことができる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の無線基地局は、上りキャリアのない状態でも上位装置からNode−Bへ設定される伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定し、また異周波ハードハンドオーバ制御が伴う際に、リソース元で捕捉したパス情報をリソース先へ転送することによって、無線フレーム同期判定における同期確立検出までの処理時間の短縮を図ることができるという効果が得られる。
【0136】
本発明の他の無線基地局は、パイロットビットパターンによる判定とSIRによる判定とを用いた無線フレーム同期方法を提供することによって、無線フレーム同期判定における同期確立検出、同期外れ検出、同期維持検出を確実に行うことができ、処理時間を一定に保つことが可能な安定した無線フレーム同期判定を行うことができるという効果が得られる。
【0137】
本発明の別の無線基地局は、パイロットビット受信OK/NG判定を行うに際して「基準Slot Format Pilotビット数」を設け、Uplink DPCCHの無線フレームの変化に従い、判定条件とするパイロットビット用の臨界値を補正することによって、通信中にUplink DPCCHの無線フレームの変更が伴うような無線環境においても完全な無線フレーム同期判定を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるNode−Bの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の補正算出手段による無線フレーム同期判定処理を示すフローチャートである。
【図3】図1の補正算出手段による無線フレーム同期判定処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の補正算出手段による無線フレーム同期判定処理を示すフローチャートである。
【図5】CDMA方式におけるUplink DPCCHの無線フレーム構造を示す図である。
【図6】Uplink DPCCHのNpilot データサイズが3ビット、4ビット、5ビットとなる場合のパイロットビットパターンを示す図である。
【図7】Uplink DPCCHのNpilot データサイズが6ビット、7ビットとなる場合のパイロットビットパターンを示す図である。
【図8】CDMA方式におけるUplink DPCHの無線フレーム構造を示す図である。
【図9】CDMA方式における一般的な無線フレーム同期検出方法の遷移を示す図である。
【図10】シュミレーション時に用いたチャネル推定手段における各項目の条件を示す図である。
【図11】シュミレーション結果をヒストグラムにしてPlotした図である。
【符号の説明】
1,2 ベースバンド処理部
3 記録媒体
11,21 パスサーチ回路
12,22 パス捕捉手段
13,23 パス追跡転送手段
14,24 チャネル推定手段
15,25 同期判定回路
16,26 デコード手段
17,27 補正算出手段
Claims (15)
- CDMA(Code Division MultipleAccess)方式で通信を行う無線基地局であって、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行うパス捕捉手段を有することを特徴とする無線基地局。
- ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記パス捕捉手段で捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送するパス追跡転送手段を含み、前記パス捕捉手段がリソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行うことを特徴とする請求項1 記載の無線基地局。
- 前記パス捕捉手段にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行うチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によってRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理を行いかつ前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理を行うデコード手段と、前記デコード手段で復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記デコード手段で測定された前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行う補正算出手段とを含み、前記パイロットビット受信の良否判定及び前記信号対干渉比判定の良否判定を用いて無線フレーム同期判定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線基地局。
- 前記補正算出手段は、使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う場合に前記1無線フレームのスロット全てを受信した場合の前記1無線フレーム当たりのUplink DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)におけるパイロットビット数を基準としたパラメータと、前記無線フレーム同期判定において前記パイロットビット受信の良否判定を行うための臨界値とに基づいて前記パイロットビット受信の良否判定を行うことを特徴とする請求項3記載の無線基地局。
- 前記補正算出手段は、前記デコード手段で測定された前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行うための臨界値に基づいて前記信号対干渉比判定の良否判定を行うことを特徴とする請求項3または請求項4記載の無線基地局。
- 前記補正算出手段は、前記パイロットビット受信が良判定されかつ前記信号対干渉比判定が良判定される状態が一定のフレーム区間連続である場合に無線フレーム同期確立検出とし、前記パイロットビット受信が否判定される状態及び前記信号対干渉比判定が否判定される状態のいずれかが一定のフレーム区間連続である場合に無線フレーム同期外れ検出とすることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか記載の無線基地局。
- CDMA(Code Division MultipleAccess)方式で通信を行う無線基地局において無線フレーム同期判定を行う無線フレーム同期検出方法であって、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行うことを特徴とする無線フレーム同期検出方法。
- ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送し、リソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行うことを特徴とする請求項7記載の無線フレーム同期検出方法。
- 前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行い、このRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理を行いかつ前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理を行うとともに、復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行って前記無線フレーム同期判定を行うことを特徴とする請求項7または請求項8記載の無線フレーム同期検出方法。
- 使用する上りスロットフォーマットの変更が伴う場合に前記1無線フレームのスロット全てを受信した場合の前記1無線フレーム当たりのUplink DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)におけるパイロットビット数を基準としたパラメータと、前記無線フレーム同期判定において前記パイロットビット受信の良否判定を行うための臨界値とに基づいて前記パイロットビット受信の良否判定を行うことを特徴とする請求項9記載の無線フレーム同期検出方法。
- 前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行うための臨界値に基づいて前記信号対干渉比判定の良否判定を行うことを特徴とする請求項9または請求項10記載の無線フレーム同期検出方法。
- 前記パイロットビット受信が良判定されかつ前記信号対干渉比判定が良判定される状態が一定のフレーム区間連続である場合に無線フレーム同期確立検出とし、前記パイロットビット受信が否判定される状態及び前記信号対干渉比判定が否判定される状態のいずれかが一定のフレーム区間連続である場合に無線フレーム同期外れ検出とすることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか記載の無線フレーム同期検出方法。
- CDMA(Code Division Multiple Access)方式で通信を行う無線基地局において無線フレーム同期判定を行う無線フレーム同期検出方法のプログラムであって、コンピュータに、上り信号の入力がない状態から信号を受信した場合に予め設定された伝搬遅延付近に仮の捕捉パスを設定して入力信号に対する正規パスの捕捉処理を行う処理を実行させるためのプログラム。
- 前記コンピュータに、ハードハンドオーバ制御によって処理不能の場合に前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパス情報を処理可能なリソース先に転送する処理と、リソース元からのパス情報を用いて前記正規パスの捕捉処理を行う処理とを実行させることを特徴とする請求項13記載のプログラム。
- 前記コンピュータに、前記正規パスの捕捉処理にて捕捉したパスに対してチャネル推定とRAKE合成と各スロット毎の信号対干渉比測定とを行う処理と、このRAKE合成されたパイロットデータ系列に対する復号処理と、前記各スロット毎に測定された信号対干渉比に対して1無線フレーム当たりの平均処理と、復号された前記1無線フレームのパイロットビット情報を基にパイロットビット受信の良否判定を行いかつ前記信号対干渉比の平均情報に対して前記信号対干渉比判定の良否判定を行って前記無線フレーム同期判定を行う処理とを行わせることを特徴とする請求項13または請求項14記載のプログラム。
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