JP2004064253A - 真空雰囲気内観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空雰囲気内で観察対象を撮影する観察装置の撮影窓に製造工程等に起因する塵等が付着するのを防止する真空雰囲気内観察装置を提供する。
【解決手段】本装置は、真空雰囲気内にある観察対象に対面する撮影窓211を有し、撮影窓を通して観察対象を撮影してその画像を出力する撮像部200と、その撮影窓を遮蔽する位置と撮影窓を遮蔽しない位置との間を移動可能な遮蔽部材252と、遮蔽部材を撮影窓を遮蔽する位置と撮影窓を遮蔽しない位置との間で変位させる位置決め機構250とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】本装置は、真空雰囲気内にある観察対象に対面する撮影窓211を有し、撮影窓を通して観察対象を撮影してその画像を出力する撮像部200と、その撮影窓を遮蔽する位置と撮影窓を遮蔽しない位置との間を移動可能な遮蔽部材252と、遮蔽部材を撮影窓を遮蔽する位置と撮影窓を遮蔽しない位置との間で変位させる位置決め機構250とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空雰囲気内の観察装置に関し、特に半導体製造工程等に用いられる真空チャンバ内の被処理物の製造状況、真空チャンバの形状の欠陥、或いは被処理物の搬送機構の状況等を観察する手段として好適な観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空雰囲気、例えば、プラズマパネル製造工程や半導体製造工程等における真空チャンバにおいて、オペレータ(或いは自動観察の場合、コンピュータ)は、真空チャンバ内部の被処理物の位置や成膜状況、更には真空チャンバの形状の欠陥の有無を確認しなければならない場合が多くある。そのような場合、従来は、真空チャンバの側壁に設けた監視窓(サイトガラス)を通して、オペレータが真空チャンバ内部の目視観察を行ったり、ビデオカメラを監視窓に近接させて真空チャンバの内部を撮影したりすることで観察していた。
【0003】
例えば、被処理物が、半導体素子を形成するウエハである場合、近年の生産性向上からウエハの径は増大の一途を辿っている。具体的にはウエハの径は約300mmと大きくなっており、これに伴って真空チャンバの装置規模も増大している。このため、オペレータが、真空チャンバの外から前述の監視窓を通して内部の状況を隅無く観察したりビデオカメラ等で撮影したりすることは、この真空チャンバの装置規模の増大から困難になってきている。また、近年の半導体素子構成の微細化を受けて、ウエハ上の素子集積度も増大しているので、オペレータが監視窓からウエハの細部を充分に観察することも困難になっている。
【0004】
そこで、オペレータが上記のような観察対象の細部を充分に観察するために、真空チャンバ内に撮像装置を設け、この撮像装置によって観察対象を撮影し、その撮影画像から観察対象を観察することが考えられる。そのための手段として、例えば、真空雰囲気内を監視するための監視カメラ装置を用いることが考えられる(特許文献1参照)。この監視カメラ装置は、真空雰囲気内部に撮像装置を設け、この撮像装置に連結した駆動ワイヤをオペレータが操作することで、真空雰囲気内の任意箇所を自由に観察できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−341565号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の半導体製造工程等で用いられている真空チャンバ内部の被処理物やプロセスガス供給口の細部を観察するために、上記のような監視カメラ装置を用いる場合、これを被処理物に接近させて配置すると、被処理物の加工処理によって生成した屑や塵が、撮像部に付着したりこれを傷つけたりして、撮影の妨げとなる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、真空雰囲気内、例えば真空チャンバ内部を細部まで観察できると共に、被処理物の加工処理等によって生じる屑その他の不要物により観察が妨げられるのを防止できる真空雰囲気内観察装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空雰囲気内観察装置は、真空雰囲気内にある観察対象に対面する撮影窓を有し、該撮影窓を通して前記観察対象を撮影してその画像を出力する撮像手段と、前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置との間を移動可能な遮蔽部材と、該遮蔽部材を前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とのいずれかに設定する位置決め機構とを具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明の実施態様では、前記撮像手段は、その撮影環境の温度を所定値以下に保持する温度調節手段を備える。この温度調節手段は、例えば、空気又は窒素を前記撮影環境に供給することにより、前記温度を保持する。より詳細には、前記撮影環境の温度を検知する温度センサを有し、その検知温度に応じて空気又は窒素の供給量を制御するように構成する。
【0010】
別の実施態様では、前記撮像手段は、前記画像をディジタル信号又はアナログ信号として出力する。この場合、ディジタル信号又はアナログ信号は、通信回線又はLANを介して、画像観察者側に送信される。
【0011】
【作用及び効果】
本発明によれば、撮像手段により、その撮影窓を通して観察対象を撮影してその画像を出力する。その画像から真空雰囲気内の観察対象の状況がわかる。この撮影時には、位置決め機構により、遮蔽部材は撮像手段の撮影窓を遮蔽しない位置に設定される。一方、上記の撮影時以外は、遮蔽部材を撮像手段の撮影窓を遮蔽する位置に設定しておく。これにより、真空雰囲気内において、例えば前述の半導体製造のための加工処理が行われる際に発生する塵等が、撮像手段に向かって飛散しても、遮蔽部材がそれを遮り、撮影窓が汚れたり傷ついたりするのを防止する。
【0012】
勿論、本発明は、半導体製造に限らず真空雰囲気内での加工処理や作業によって生じた汚染物等が撮影窓に付着することにより、真空雰囲気内の観察の妨げとなるのを防止し、常に適正な観察を可能にするものとして好適である。
【0013】
本発明の実施態様によれば、撮像手段は撮像環境の温度を調節する手段を備えているので、製造加工処理等で生じた熱が撮像手段の動作に悪影響を及ぼすような事態になるのを防止し、最適な環境温度を常に維持し続けることが可能になる。
【0014】
温度調節手段において、空気や窒素のような気体を用いると、撮像環境における温度調節を安価に実施することができる。
【0015】
また、本発明の別の実施態様によれば、温度センサを用いて撮像環境における温度を検知するので、その検知結果に応じて、上述した空気や窒素の、撮像環境への供給流量を制御する。従って、撮像環境の温度調節を簡便に行うことができる。
【0016】
更に、本発明の別の実施態様によれば、撮像手段が出力する画像の信号は、ディジタル信号又はアナログ信号であるので、例えばディジタル画像をパソコンのモニタに画面表示させることが容易にできる。また、アナログ信号を用いて画像を表示するための表示装置に、前記画像の信号をD/A変換しないで入力することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例の真空雰囲気内観察装置の構成を示す概観図である。図2は、真空チャンバ10内に収容された真空雰囲気内観察装置100の構成を具体的に示す図である。尚、図において断面を示すハッチングを一部省略してある。
【0018】
真空雰囲気内観察装置100は、ウエハ20を撮影する撮像部200と、この撮像部200を支持する可動調整機構300と、後述のように撮像部200の撮影窓に屑等が付着するのを防止する遮蔽部材252の位置を設定するための位置決め機構250と、撮像部200で撮影した画像をNTSC信号(アナログビデオ信号)又はディジタル信号として、外部に送出するための出力端子140に接続した内部伝送路120とを備えている。その画像信号は、出力端子140に接続した外部伝送路(電話回線ケーブル又はLAN)142を介して、画像処理装置150に伝送される。詳細は後述する。
【0019】
この真空雰囲気内観察装置100は、観察対象としての被処理物が搬入される真空チャンバ10の内部を観察するために用いられる。この真空チャンバ10を形成している仕切壁11の正面部分には、本実施例の撮像部200を支持する可動調整機構300を通すための貫通孔12が設けられている。この貫通孔12は、被処理物の観察位置に応じて適当な位置に設けられる。
【0020】
真空チャンバ10内部で処理される被処理物は、例えばウエハ20であり、真空チャンバ10内には、これを載置する載置板22が設けられている。また、載置板22上にウエハ20を係止するための係止手段として、クランプ24が設けられている。尚、係止手段としては、クランプ24の代わりに、環状の基板ホルダをウエハ20の周縁に被せて、この基板ホルダと載置板22を適当な止め具で係止するようにしてもよい。
【0021】
この真空雰囲気内観察装置100は、温度調節手段の構成要素として、冷却媒体(例えば、圧縮空気、窒素又は他の気体)を供給する冷却媒体供給機構110、冷却媒体が流れる冷却媒体流路112、真空チャンバ10内で使用される撮像部200に冷却媒体を送り込む冷却媒体入口116、及び上記冷却媒体供給機構110と冷却媒体入口116との間の冷却媒体流路112に設けた、流量制御用スピードコントローラ付きの三方向電磁弁114を備えている。
【0022】
位置決め機構250は、製造処理工程に起因する屑や塵等から撮影窓を遮断する遮蔽部材252を動かす駆動部として、図2に示すように、真空チャンバ10の外側に設けられた回転可能な摘み258と、その回転を伝達するワイヤ251と、この先端に連結し遮蔽部材252を回動させる回転軸254と、ワイヤ251と回転軸254の連結部分を回転自在に支持する軸受部256とを備えている。
【0023】
摘み258は、ネジ状に形成されており、真空雰囲気が仕切壁11の外部雰囲気に影響されないようにするため、摘み258の周縁と後述する第二の気密結合部314とは、2個のO−リング260を用いてシールされている。
【0024】
画像処理装置150は、前述の外部伝送路142を介して真空雰囲気内観察装置100の出力端子140に接続される入力端子152を有する。この入力端子152は、画像出力装置(モニタ)160、画像記録装置(例えばハードディスク・レコーダ)172、ビデオ・レコーダ182、及び送信機192にそれぞれ接続されている。ハードディスク・レコーダ172は、端末装置としてのコンピュータ端末174に接続され、ビデオ・レコーダ182は、画像出力装置(モニタ)184に接続され、送信機192は、無線網を介して受信機194に接続されている。そして、受信機194は、例えば画像出力装置(モニタ)又はコンピュータ端末196に接続されている。
【0025】
真空雰囲気内観察装置100の構造において真空チャンバ10に収容される部分の構成は、主に撮像部200、位置決め機構250、及び可動調整機構300から成る(図2)。
【0026】
撮像部200は、実際に観察対象を撮影して画像信号を生成し出力する機能を有する。この撮像部200は、遮蔽部材252と回転軸254を介して連結した、位置決め機構250の軸受部256が一体に取り付けられている。
【0027】
可動調整機構300は、第一及び第二の中空管状体302,306と、メタルガスケット型配管継手304を備えている。第一及び第二の中空管状体302,306の内部には、前述の内部伝送路120、撮像部200の撮影環境の温度調節(詳細は後述する)を行うために用いられる冷却媒体を流す冷却媒体流路230、撮像部200に電力を供給する供電線238、及びこの供電線238を被覆する被覆カバー239が収容されている。
【0028】
第一の中空管状体302の一端には撮像部200が結合して支持されており、第一の中空管状体302の他端は、メタルガスケット型配管継手304を介して第二の中空管状体306の一端に着脱可能に結合されている。第二の中空管状体306の他端は、真空チャンバ10の仕切壁11の貫通孔12を介して、後述する第二の気密結合部314に気密結合されている。
【0029】
図3は、撮像部200、遮蔽部材252、及び位置決め機構250の細部を示す。図1及び図2と同様、断面を示すハッチングが一部省略されている。
【0030】
撮像部200は、内部に撮像カメラ240を保持する筐体210と、この筐体210内部の環境温度を調節するため、前述の温度調節手段の構成要素としての冷却媒体供給口220及び冷却媒体流路230とを有している。
【0031】
この筐体210は、撮影窓211を構成するフロントガラス212を有している。筐体210とフロントガラス212との接続には、真空雰囲気と仕切壁11の外部雰囲気、すなわち大気との圧力差を考慮して、O−リング214を用いている。
【0032】
撮像カメラ240は、基本的に三つの要素、すなわちカメラレンズ242、照明部244、及び撮像回路246を備えている。
【0033】
照明部244は、観察対象に光を当てて、観察対象を明るくする。白色LEDを用いても良いし、赤外線源でも良い。
【0034】
撮像回路246は、図示しないサンプリング回路、A/D及びD/A変換回路、画像変換回路を有している。そのサンプリング回路は、観察対象の画像を時系列的にサンプリングし、それぞれの画像を所望の個数の画素に標本化する機能を有する。
【0035】
A/D変換回路は、サンプリングされた画像をアナログからディジタル信号に変換する、すなわち、得られた画像に起因するアナログ信号を「0」及び「1」の2値化ディジタル信号に変換する機能を有する。D/A変換回路は、このディジタル信号をアナログビデオ信号に変換する変換回路である。上述したディジタル信号又はアナログ信号は、画像変換回路に入力されて、画像処理され、そして画像信号が出力される。
【0036】
撮像回路246は、ディジタル信号に変換した画像信号、又はD/A変換したアナログ画像信号をNTSC信号(アナログビデオ信号)として前述の内部伝送路120に送出する。
【0037】
この撮像カメラ240の撮像回路246は、サンプリング回路、A/D変換回路、D/A変換回路、画像変換回路、及び照明部244に外部から電力を供給するための供電線238が接続されている。
【0038】
上述した内部伝送路120、冷却媒体流路230、及び供電線238は、筐体210の側壁に設けられた貫通孔を通って、第一及び第二の管状体302,306内部に延びている。
【0039】
次に、遮蔽部材252は、撮影窓211を覆う板状体の遮蔽板で構成されている。この遮蔽板は、前述の摘み258を回すことで、ワイヤ251及び回転軸254を介して回動する(図2及び図3)。
【0040】
図4は、真空チャンバ10の仕切壁11を通って支持される可動調整機構300の部分を示す。
【0041】
可動調整機構300は、内部伝送路120、冷却媒体流路230、及び供電線238を内部に収納した第一及び第二の中空管状体302,306をメタルガスケット型配管継手304を介して具備している。この第二の中空管状体306は、気密シール手段310を介して真空チャンバ10の仕切壁11に取り付けられている。
【0042】
気密シール手段310は、着脱自在な一対の気密結合部312,314を有している。その第一の気密結合部312は、真空チャンバ10の側壁に設置される。第二の気密結合部314は、真空チャンバ10の仕切壁11の外側で第一の気密結合部312に密着するように形成される。
【0043】
図示の例では、第一の気密結合部312は、平らな環状のメタルガスケットを閉じ込めて信頼性の高いシールを作るナイフエッジ型メタルシールフランジ(コンフラットフランジ)から成り、第二の気密結合部314も同様の形状である。この第二の気密結合部314には、真空チャンバ10内から仕切壁11の外部大気側に第二の中空管状体306を延出するための第一の貫通孔1320が形成されている。また、第二の気密結合部314には、ワイヤ251及び摘み258を連結するための孔として第二の貫通孔2320が形成されている。
【0044】
図2に示すように、第一及び第二の中空管状体302,306は、メタルガスケット型配管継手304を用いて連結されている。両者の連結は、第二の中空管状体306を貫通孔12に通し、この中空管状体306を気密結合する第二の気密結合部314と第一の気密結合部312とをメタルガスケットを挟んで密着固定した後、メタルガスケット型配管継手304を介して2つの中空管状体302と306を接続することによって達成される。
【0045】
以下、真空雰囲気内観察装置100を用いてチャンバの内部を観察するときの手順を説明する。
【0046】
例えば、ウエハ20を観察する目的で、ウエハ20近傍に真空雰囲気内観察装置100の撮像部200を配置する。具体的には、オペレータが、第一の中空管状体(フレキシブルチューブ)302を動かして、第一の中空管状体302に接続した撮像部200をウエハ20の近傍に位置付ける。
【0047】
このように撮像部200の位置を設定した後、オペレータは、初期設定として三方向電磁弁114が閉じていることを確認し、かつ遮蔽部材252が撮像部200の撮影窓211を遮蔽していることを確認する(図3)。
【0048】
撮像部200で観察対象を撮影する際には、オペレータは、摘み258を操作して、すなわち摘み258を時計方向に回転させる。これにより、ワイヤ251も回転し、当該ワイヤ251に接続された遮蔽部材252を回転させる。そして、オペレータは、遮蔽部材252が撮影窓211を遮蔽していない位置まで遮蔽部材252を変位させる。本装置では、この位置を遮蔽解除位置とする。
【0049】
この遮蔽解除位置においては、遮蔽を解除する方向に回転させた摘み258を停止させるストッパーを設けることが好ましい。例えば、回転軸254又はワイヤ251に突起を設け、回転軸254又はワイヤ251と共に回転した突起が筐体210に当たってそれ以上回転できなくなる位置を遮蔽解除位置とする。ストッパーとしてこのような突起を設けることにより、オペレータは、摘み258を回転させて遮蔽を解除した位置を認識できると共に、それ以上摘み258を回転させるのを防止できる。
【0050】
オペレータは、撮影窓211を遮蔽していない位置に遮蔽部材252があることを確認後、オペレータ或いは画像観察者は、撮像部200を通して観察対象の観察を行う。この観察に際しては、上述したように撮像部200からの出力信号(ディジタル信号又はNTSC信号)が、画像出力装置160に送られ観察画像が表示される。画像観察者がそれをリアルタイムで観察してもよいし、ハードディスク・レコーダ172に一旦観察画像を記録させておいて、画像観察者が、コンピュータ端末174によりその画像を編集後、編集画像を観察してもよい。
【0051】
また、ビデオ・レコーダ182によりその画像を情報記録媒体、例えばビデオテープやCD−ROMに記録して、オペレータがその画像を編集後、編集画像を観察してもよい。
【0052】
更に、観察画像を無線送信機192を用いて無線網を介して無線受信機194に送信し、遠隔場所の画像観察者にこの観察画像を送って、画像観察者がその画像をコンピュータ端末196の表示画面(ディスプレイ)に表示させて観察してもよい。
【0053】
尚、撮像部200で観察対象を撮影している時は、前述の三方向電磁弁114を開放して、冷却媒体供給機構110から送出される冷却媒体を撮像部200に供給しておく。この冷却媒体を撮像部200に供給することにより、所定値以下に撮影環境の温度を保持することができ、熱による撮像部200の故障を防止することができる。
【0054】
例えば、撮像部200内部の体積を約4000mm3とした場合に、真空チャンバ10内が350℃において、N2ガスを2.0l/min.流したとき、撮像部200は、3時間の撮影に耐えることができる。
【0055】
このガス供給量は、適宜変更することが可能である。例えば、筐体210内部に温度センサを設けておき、この温度センサが検知する温度に対応して、筐体210内部に供給する空気或いは窒素などのガスの供給量を適宜設定すると良い。
【0056】
撮像部200での撮影終了後、オペレータは、摘み258を反時計方向に回転させる。この動作を受けて、回転軸254は、前述とは逆の回転が生じて、この回転軸254に接続されている遮蔽部材252を回転させる。そして、オペレータは、遮蔽部材252が撮影窓211を遮蔽する位置まで遮蔽部材252を変位させ、その位置を遮蔽位置として位置設定する。
【0057】
以上のように、遮蔽部材252及び位置決め機構250を用いて、観察対象の観察を行わないときは、撮像部200の撮影窓211を遮蔽し、観察対象の観察や監視を行う時には、撮影窓211の遮蔽を解除するので、真空雰囲気内での処理工程に起因する屑や塵等の汚染物が、観察を行っていない際の撮影窓211に付着することを妨げることができる。従って、撮影窓211の清掃を定期的に行わなくても、観察対象を充分に観察することができる。
【0058】
以上、図示の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施例では、オペレータが、真空チャンバ内で撮像部200の位置を手動で設定するように構成しているが、真空チャンバの外から撮像部200の位置を設定する、すなわち遠隔操作できるようにしても良い。そのための手段としては、撮像部200と第一の中空管状体302をボールジョイント(自在継手)で連結すると共に、2つの中空管状体302及び306の内部に通した駆動ワイヤの一端(この場合、真空チャンバ内に位置する端部)を撮像部200に連結し、この駆動ワイヤの他端(この場合、真空チャンバの外に位置する端部)を、オペレータが操作可能な操作端末に接続する。操作時には、オペレータは、操作端末を操作して第一の中空管状体302内を通る駆動ワイヤを介して撮像部200を移動させることにより、撮像部200を目的のウエハ20近傍の位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略図である。
【図2】真空雰囲気内観察装置の真空チャンバに収容されている部材を示す図である。
【図3】真空雰囲気内観察装置の撮像部を示す図である。
【図4】真空雰囲気内観察装置の可動調整機構を示す図である。
【符号の説明】
10…真空チャンバ、11…仕切壁、12…貫通孔、20…ウエハ、22…載置板、24…クランプ、100…真空雰囲気内観察装置、110…冷却媒体供給機構、112,230…冷却媒体流路、114…三方向電磁弁、116…冷却媒体入口、120…内部伝送路、140…出力端子、142…外部伝送路、150…画像処理装置、152…入力端子、160,184…画像出力装置、172…ハードディスク・レコーダ、174,196…コンピュータ端末、182…ビデオ・レコーダ、192…送信機、194…受信機、200…撮像部、210…筐体、211…撮影窓、212…フロントガラス、214,260…O−リング、220…冷却媒体供給口、238…供電線、239…被覆カバー、240…撮像カメラ、242…カメラレンズ、244…照明部、246…撮像回路、250…位置決め機構、251…ワイヤ、252…遮蔽部材、254…回転軸、256…軸受部、258…摘み、300…可動調整機構、302…第一の中空管状体、304…メタルガスケット型配管継手、306…第二の中空管状体、310…気密シール手段、312…第一の気密結合部、314…第二の気密結合部、1320…第一の貫通孔、2320…第二の貫通孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空雰囲気内の観察装置に関し、特に半導体製造工程等に用いられる真空チャンバ内の被処理物の製造状況、真空チャンバの形状の欠陥、或いは被処理物の搬送機構の状況等を観察する手段として好適な観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空雰囲気、例えば、プラズマパネル製造工程や半導体製造工程等における真空チャンバにおいて、オペレータ(或いは自動観察の場合、コンピュータ)は、真空チャンバ内部の被処理物の位置や成膜状況、更には真空チャンバの形状の欠陥の有無を確認しなければならない場合が多くある。そのような場合、従来は、真空チャンバの側壁に設けた監視窓(サイトガラス)を通して、オペレータが真空チャンバ内部の目視観察を行ったり、ビデオカメラを監視窓に近接させて真空チャンバの内部を撮影したりすることで観察していた。
【0003】
例えば、被処理物が、半導体素子を形成するウエハである場合、近年の生産性向上からウエハの径は増大の一途を辿っている。具体的にはウエハの径は約300mmと大きくなっており、これに伴って真空チャンバの装置規模も増大している。このため、オペレータが、真空チャンバの外から前述の監視窓を通して内部の状況を隅無く観察したりビデオカメラ等で撮影したりすることは、この真空チャンバの装置規模の増大から困難になってきている。また、近年の半導体素子構成の微細化を受けて、ウエハ上の素子集積度も増大しているので、オペレータが監視窓からウエハの細部を充分に観察することも困難になっている。
【0004】
そこで、オペレータが上記のような観察対象の細部を充分に観察するために、真空チャンバ内に撮像装置を設け、この撮像装置によって観察対象を撮影し、その撮影画像から観察対象を観察することが考えられる。そのための手段として、例えば、真空雰囲気内を監視するための監視カメラ装置を用いることが考えられる(特許文献1参照)。この監視カメラ装置は、真空雰囲気内部に撮像装置を設け、この撮像装置に連結した駆動ワイヤをオペレータが操作することで、真空雰囲気内の任意箇所を自由に観察できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−341565号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の半導体製造工程等で用いられている真空チャンバ内部の被処理物やプロセスガス供給口の細部を観察するために、上記のような監視カメラ装置を用いる場合、これを被処理物に接近させて配置すると、被処理物の加工処理によって生成した屑や塵が、撮像部に付着したりこれを傷つけたりして、撮影の妨げとなる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、真空雰囲気内、例えば真空チャンバ内部を細部まで観察できると共に、被処理物の加工処理等によって生じる屑その他の不要物により観察が妨げられるのを防止できる真空雰囲気内観察装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空雰囲気内観察装置は、真空雰囲気内にある観察対象に対面する撮影窓を有し、該撮影窓を通して前記観察対象を撮影してその画像を出力する撮像手段と、前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置との間を移動可能な遮蔽部材と、該遮蔽部材を前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とのいずれかに設定する位置決め機構とを具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明の実施態様では、前記撮像手段は、その撮影環境の温度を所定値以下に保持する温度調節手段を備える。この温度調節手段は、例えば、空気又は窒素を前記撮影環境に供給することにより、前記温度を保持する。より詳細には、前記撮影環境の温度を検知する温度センサを有し、その検知温度に応じて空気又は窒素の供給量を制御するように構成する。
【0010】
別の実施態様では、前記撮像手段は、前記画像をディジタル信号又はアナログ信号として出力する。この場合、ディジタル信号又はアナログ信号は、通信回線又はLANを介して、画像観察者側に送信される。
【0011】
【作用及び効果】
本発明によれば、撮像手段により、その撮影窓を通して観察対象を撮影してその画像を出力する。その画像から真空雰囲気内の観察対象の状況がわかる。この撮影時には、位置決め機構により、遮蔽部材は撮像手段の撮影窓を遮蔽しない位置に設定される。一方、上記の撮影時以外は、遮蔽部材を撮像手段の撮影窓を遮蔽する位置に設定しておく。これにより、真空雰囲気内において、例えば前述の半導体製造のための加工処理が行われる際に発生する塵等が、撮像手段に向かって飛散しても、遮蔽部材がそれを遮り、撮影窓が汚れたり傷ついたりするのを防止する。
【0012】
勿論、本発明は、半導体製造に限らず真空雰囲気内での加工処理や作業によって生じた汚染物等が撮影窓に付着することにより、真空雰囲気内の観察の妨げとなるのを防止し、常に適正な観察を可能にするものとして好適である。
【0013】
本発明の実施態様によれば、撮像手段は撮像環境の温度を調節する手段を備えているので、製造加工処理等で生じた熱が撮像手段の動作に悪影響を及ぼすような事態になるのを防止し、最適な環境温度を常に維持し続けることが可能になる。
【0014】
温度調節手段において、空気や窒素のような気体を用いると、撮像環境における温度調節を安価に実施することができる。
【0015】
また、本発明の別の実施態様によれば、温度センサを用いて撮像環境における温度を検知するので、その検知結果に応じて、上述した空気や窒素の、撮像環境への供給流量を制御する。従って、撮像環境の温度調節を簡便に行うことができる。
【0016】
更に、本発明の別の実施態様によれば、撮像手段が出力する画像の信号は、ディジタル信号又はアナログ信号であるので、例えばディジタル画像をパソコンのモニタに画面表示させることが容易にできる。また、アナログ信号を用いて画像を表示するための表示装置に、前記画像の信号をD/A変換しないで入力することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例の真空雰囲気内観察装置の構成を示す概観図である。図2は、真空チャンバ10内に収容された真空雰囲気内観察装置100の構成を具体的に示す図である。尚、図において断面を示すハッチングを一部省略してある。
【0018】
真空雰囲気内観察装置100は、ウエハ20を撮影する撮像部200と、この撮像部200を支持する可動調整機構300と、後述のように撮像部200の撮影窓に屑等が付着するのを防止する遮蔽部材252の位置を設定するための位置決め機構250と、撮像部200で撮影した画像をNTSC信号(アナログビデオ信号)又はディジタル信号として、外部に送出するための出力端子140に接続した内部伝送路120とを備えている。その画像信号は、出力端子140に接続した外部伝送路(電話回線ケーブル又はLAN)142を介して、画像処理装置150に伝送される。詳細は後述する。
【0019】
この真空雰囲気内観察装置100は、観察対象としての被処理物が搬入される真空チャンバ10の内部を観察するために用いられる。この真空チャンバ10を形成している仕切壁11の正面部分には、本実施例の撮像部200を支持する可動調整機構300を通すための貫通孔12が設けられている。この貫通孔12は、被処理物の観察位置に応じて適当な位置に設けられる。
【0020】
真空チャンバ10内部で処理される被処理物は、例えばウエハ20であり、真空チャンバ10内には、これを載置する載置板22が設けられている。また、載置板22上にウエハ20を係止するための係止手段として、クランプ24が設けられている。尚、係止手段としては、クランプ24の代わりに、環状の基板ホルダをウエハ20の周縁に被せて、この基板ホルダと載置板22を適当な止め具で係止するようにしてもよい。
【0021】
この真空雰囲気内観察装置100は、温度調節手段の構成要素として、冷却媒体(例えば、圧縮空気、窒素又は他の気体)を供給する冷却媒体供給機構110、冷却媒体が流れる冷却媒体流路112、真空チャンバ10内で使用される撮像部200に冷却媒体を送り込む冷却媒体入口116、及び上記冷却媒体供給機構110と冷却媒体入口116との間の冷却媒体流路112に設けた、流量制御用スピードコントローラ付きの三方向電磁弁114を備えている。
【0022】
位置決め機構250は、製造処理工程に起因する屑や塵等から撮影窓を遮断する遮蔽部材252を動かす駆動部として、図2に示すように、真空チャンバ10の外側に設けられた回転可能な摘み258と、その回転を伝達するワイヤ251と、この先端に連結し遮蔽部材252を回動させる回転軸254と、ワイヤ251と回転軸254の連結部分を回転自在に支持する軸受部256とを備えている。
【0023】
摘み258は、ネジ状に形成されており、真空雰囲気が仕切壁11の外部雰囲気に影響されないようにするため、摘み258の周縁と後述する第二の気密結合部314とは、2個のO−リング260を用いてシールされている。
【0024】
画像処理装置150は、前述の外部伝送路142を介して真空雰囲気内観察装置100の出力端子140に接続される入力端子152を有する。この入力端子152は、画像出力装置(モニタ)160、画像記録装置(例えばハードディスク・レコーダ)172、ビデオ・レコーダ182、及び送信機192にそれぞれ接続されている。ハードディスク・レコーダ172は、端末装置としてのコンピュータ端末174に接続され、ビデオ・レコーダ182は、画像出力装置(モニタ)184に接続され、送信機192は、無線網を介して受信機194に接続されている。そして、受信機194は、例えば画像出力装置(モニタ)又はコンピュータ端末196に接続されている。
【0025】
真空雰囲気内観察装置100の構造において真空チャンバ10に収容される部分の構成は、主に撮像部200、位置決め機構250、及び可動調整機構300から成る(図2)。
【0026】
撮像部200は、実際に観察対象を撮影して画像信号を生成し出力する機能を有する。この撮像部200は、遮蔽部材252と回転軸254を介して連結した、位置決め機構250の軸受部256が一体に取り付けられている。
【0027】
可動調整機構300は、第一及び第二の中空管状体302,306と、メタルガスケット型配管継手304を備えている。第一及び第二の中空管状体302,306の内部には、前述の内部伝送路120、撮像部200の撮影環境の温度調節(詳細は後述する)を行うために用いられる冷却媒体を流す冷却媒体流路230、撮像部200に電力を供給する供電線238、及びこの供電線238を被覆する被覆カバー239が収容されている。
【0028】
第一の中空管状体302の一端には撮像部200が結合して支持されており、第一の中空管状体302の他端は、メタルガスケット型配管継手304を介して第二の中空管状体306の一端に着脱可能に結合されている。第二の中空管状体306の他端は、真空チャンバ10の仕切壁11の貫通孔12を介して、後述する第二の気密結合部314に気密結合されている。
【0029】
図3は、撮像部200、遮蔽部材252、及び位置決め機構250の細部を示す。図1及び図2と同様、断面を示すハッチングが一部省略されている。
【0030】
撮像部200は、内部に撮像カメラ240を保持する筐体210と、この筐体210内部の環境温度を調節するため、前述の温度調節手段の構成要素としての冷却媒体供給口220及び冷却媒体流路230とを有している。
【0031】
この筐体210は、撮影窓211を構成するフロントガラス212を有している。筐体210とフロントガラス212との接続には、真空雰囲気と仕切壁11の外部雰囲気、すなわち大気との圧力差を考慮して、O−リング214を用いている。
【0032】
撮像カメラ240は、基本的に三つの要素、すなわちカメラレンズ242、照明部244、及び撮像回路246を備えている。
【0033】
照明部244は、観察対象に光を当てて、観察対象を明るくする。白色LEDを用いても良いし、赤外線源でも良い。
【0034】
撮像回路246は、図示しないサンプリング回路、A/D及びD/A変換回路、画像変換回路を有している。そのサンプリング回路は、観察対象の画像を時系列的にサンプリングし、それぞれの画像を所望の個数の画素に標本化する機能を有する。
【0035】
A/D変換回路は、サンプリングされた画像をアナログからディジタル信号に変換する、すなわち、得られた画像に起因するアナログ信号を「0」及び「1」の2値化ディジタル信号に変換する機能を有する。D/A変換回路は、このディジタル信号をアナログビデオ信号に変換する変換回路である。上述したディジタル信号又はアナログ信号は、画像変換回路に入力されて、画像処理され、そして画像信号が出力される。
【0036】
撮像回路246は、ディジタル信号に変換した画像信号、又はD/A変換したアナログ画像信号をNTSC信号(アナログビデオ信号)として前述の内部伝送路120に送出する。
【0037】
この撮像カメラ240の撮像回路246は、サンプリング回路、A/D変換回路、D/A変換回路、画像変換回路、及び照明部244に外部から電力を供給するための供電線238が接続されている。
【0038】
上述した内部伝送路120、冷却媒体流路230、及び供電線238は、筐体210の側壁に設けられた貫通孔を通って、第一及び第二の管状体302,306内部に延びている。
【0039】
次に、遮蔽部材252は、撮影窓211を覆う板状体の遮蔽板で構成されている。この遮蔽板は、前述の摘み258を回すことで、ワイヤ251及び回転軸254を介して回動する(図2及び図3)。
【0040】
図4は、真空チャンバ10の仕切壁11を通って支持される可動調整機構300の部分を示す。
【0041】
可動調整機構300は、内部伝送路120、冷却媒体流路230、及び供電線238を内部に収納した第一及び第二の中空管状体302,306をメタルガスケット型配管継手304を介して具備している。この第二の中空管状体306は、気密シール手段310を介して真空チャンバ10の仕切壁11に取り付けられている。
【0042】
気密シール手段310は、着脱自在な一対の気密結合部312,314を有している。その第一の気密結合部312は、真空チャンバ10の側壁に設置される。第二の気密結合部314は、真空チャンバ10の仕切壁11の外側で第一の気密結合部312に密着するように形成される。
【0043】
図示の例では、第一の気密結合部312は、平らな環状のメタルガスケットを閉じ込めて信頼性の高いシールを作るナイフエッジ型メタルシールフランジ(コンフラットフランジ)から成り、第二の気密結合部314も同様の形状である。この第二の気密結合部314には、真空チャンバ10内から仕切壁11の外部大気側に第二の中空管状体306を延出するための第一の貫通孔1320が形成されている。また、第二の気密結合部314には、ワイヤ251及び摘み258を連結するための孔として第二の貫通孔2320が形成されている。
【0044】
図2に示すように、第一及び第二の中空管状体302,306は、メタルガスケット型配管継手304を用いて連結されている。両者の連結は、第二の中空管状体306を貫通孔12に通し、この中空管状体306を気密結合する第二の気密結合部314と第一の気密結合部312とをメタルガスケットを挟んで密着固定した後、メタルガスケット型配管継手304を介して2つの中空管状体302と306を接続することによって達成される。
【0045】
以下、真空雰囲気内観察装置100を用いてチャンバの内部を観察するときの手順を説明する。
【0046】
例えば、ウエハ20を観察する目的で、ウエハ20近傍に真空雰囲気内観察装置100の撮像部200を配置する。具体的には、オペレータが、第一の中空管状体(フレキシブルチューブ)302を動かして、第一の中空管状体302に接続した撮像部200をウエハ20の近傍に位置付ける。
【0047】
このように撮像部200の位置を設定した後、オペレータは、初期設定として三方向電磁弁114が閉じていることを確認し、かつ遮蔽部材252が撮像部200の撮影窓211を遮蔽していることを確認する(図3)。
【0048】
撮像部200で観察対象を撮影する際には、オペレータは、摘み258を操作して、すなわち摘み258を時計方向に回転させる。これにより、ワイヤ251も回転し、当該ワイヤ251に接続された遮蔽部材252を回転させる。そして、オペレータは、遮蔽部材252が撮影窓211を遮蔽していない位置まで遮蔽部材252を変位させる。本装置では、この位置を遮蔽解除位置とする。
【0049】
この遮蔽解除位置においては、遮蔽を解除する方向に回転させた摘み258を停止させるストッパーを設けることが好ましい。例えば、回転軸254又はワイヤ251に突起を設け、回転軸254又はワイヤ251と共に回転した突起が筐体210に当たってそれ以上回転できなくなる位置を遮蔽解除位置とする。ストッパーとしてこのような突起を設けることにより、オペレータは、摘み258を回転させて遮蔽を解除した位置を認識できると共に、それ以上摘み258を回転させるのを防止できる。
【0050】
オペレータは、撮影窓211を遮蔽していない位置に遮蔽部材252があることを確認後、オペレータ或いは画像観察者は、撮像部200を通して観察対象の観察を行う。この観察に際しては、上述したように撮像部200からの出力信号(ディジタル信号又はNTSC信号)が、画像出力装置160に送られ観察画像が表示される。画像観察者がそれをリアルタイムで観察してもよいし、ハードディスク・レコーダ172に一旦観察画像を記録させておいて、画像観察者が、コンピュータ端末174によりその画像を編集後、編集画像を観察してもよい。
【0051】
また、ビデオ・レコーダ182によりその画像を情報記録媒体、例えばビデオテープやCD−ROMに記録して、オペレータがその画像を編集後、編集画像を観察してもよい。
【0052】
更に、観察画像を無線送信機192を用いて無線網を介して無線受信機194に送信し、遠隔場所の画像観察者にこの観察画像を送って、画像観察者がその画像をコンピュータ端末196の表示画面(ディスプレイ)に表示させて観察してもよい。
【0053】
尚、撮像部200で観察対象を撮影している時は、前述の三方向電磁弁114を開放して、冷却媒体供給機構110から送出される冷却媒体を撮像部200に供給しておく。この冷却媒体を撮像部200に供給することにより、所定値以下に撮影環境の温度を保持することができ、熱による撮像部200の故障を防止することができる。
【0054】
例えば、撮像部200内部の体積を約4000mm3とした場合に、真空チャンバ10内が350℃において、N2ガスを2.0l/min.流したとき、撮像部200は、3時間の撮影に耐えることができる。
【0055】
このガス供給量は、適宜変更することが可能である。例えば、筐体210内部に温度センサを設けておき、この温度センサが検知する温度に対応して、筐体210内部に供給する空気或いは窒素などのガスの供給量を適宜設定すると良い。
【0056】
撮像部200での撮影終了後、オペレータは、摘み258を反時計方向に回転させる。この動作を受けて、回転軸254は、前述とは逆の回転が生じて、この回転軸254に接続されている遮蔽部材252を回転させる。そして、オペレータは、遮蔽部材252が撮影窓211を遮蔽する位置まで遮蔽部材252を変位させ、その位置を遮蔽位置として位置設定する。
【0057】
以上のように、遮蔽部材252及び位置決め機構250を用いて、観察対象の観察を行わないときは、撮像部200の撮影窓211を遮蔽し、観察対象の観察や監視を行う時には、撮影窓211の遮蔽を解除するので、真空雰囲気内での処理工程に起因する屑や塵等の汚染物が、観察を行っていない際の撮影窓211に付着することを妨げることができる。従って、撮影窓211の清掃を定期的に行わなくても、観察対象を充分に観察することができる。
【0058】
以上、図示の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施例では、オペレータが、真空チャンバ内で撮像部200の位置を手動で設定するように構成しているが、真空チャンバの外から撮像部200の位置を設定する、すなわち遠隔操作できるようにしても良い。そのための手段としては、撮像部200と第一の中空管状体302をボールジョイント(自在継手)で連結すると共に、2つの中空管状体302及び306の内部に通した駆動ワイヤの一端(この場合、真空チャンバ内に位置する端部)を撮像部200に連結し、この駆動ワイヤの他端(この場合、真空チャンバの外に位置する端部)を、オペレータが操作可能な操作端末に接続する。操作時には、オペレータは、操作端末を操作して第一の中空管状体302内を通る駆動ワイヤを介して撮像部200を移動させることにより、撮像部200を目的のウエハ20近傍の位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略図である。
【図2】真空雰囲気内観察装置の真空チャンバに収容されている部材を示す図である。
【図3】真空雰囲気内観察装置の撮像部を示す図である。
【図4】真空雰囲気内観察装置の可動調整機構を示す図である。
【符号の説明】
10…真空チャンバ、11…仕切壁、12…貫通孔、20…ウエハ、22…載置板、24…クランプ、100…真空雰囲気内観察装置、110…冷却媒体供給機構、112,230…冷却媒体流路、114…三方向電磁弁、116…冷却媒体入口、120…内部伝送路、140…出力端子、142…外部伝送路、150…画像処理装置、152…入力端子、160,184…画像出力装置、172…ハードディスク・レコーダ、174,196…コンピュータ端末、182…ビデオ・レコーダ、192…送信機、194…受信機、200…撮像部、210…筐体、211…撮影窓、212…フロントガラス、214,260…O−リング、220…冷却媒体供給口、238…供電線、239…被覆カバー、240…撮像カメラ、242…カメラレンズ、244…照明部、246…撮像回路、250…位置決め機構、251…ワイヤ、252…遮蔽部材、254…回転軸、256…軸受部、258…摘み、300…可動調整機構、302…第一の中空管状体、304…メタルガスケット型配管継手、306…第二の中空管状体、310…気密シール手段、312…第一の気密結合部、314…第二の気密結合部、1320…第一の貫通孔、2320…第二の貫通孔。
Claims (6)
- 真空雰囲気内にある観察対象に対面する撮影窓を有し、該撮影窓を通して前記観察対象を撮影してその画像を出力する撮像手段と、
前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置との間を移動可能な遮蔽部材と、
該遮蔽部材を、前記撮影窓を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とのいずれかに設定する位置決め構構と
を備えたことを特徴とする真空雰囲気内観察装置。 - 前記撮像手段は、その撮影環境の温度を所定値以下に保持する温度調節手段を備えることを特徴とする請求項1記載の真空雰囲気内観察装置。
- 前記温度調節手段は、前記撮影環境に空気又は窒素を供給することで前記温度を保持することを特徴とする請求項2記載の真空雰囲気内観察装置。
- 前記温度調節手段は、前記撮影環境の温度を検知する温度センサを有し、その検知温度に応じて前記空気又は窒素の供給量を制御することを特徴とする請求項3記載の真空雰囲気内観察装置。
- 前記撮像手段は、前記画像をディジタル信号又はアナログ信号で出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の真空雰囲気内観察装置。
- 前記ディジタル信号又はアナログ信号は、電話回線ケーブル又はLANを介して出力されることを特徴とする請求項5記載の真空雰囲気内観察装置。
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