JP6490750B2 - 観察装置、及び冷却機構 - Google Patents
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Description
CCDカメラ等に内蔵された電子回路部品は耐熱性に劣るため、カメラの冷却効率を高めるために種々の冷却方法が開発されている。特許文献1には、カメラの冷却効率を高めるため、カメラに近接した位置からカメラに対して直接冷却ガスを吹き付けて局所的に冷却する局所冷却手段を備えた炉内観察装置が記載されている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、カメラ部品を効率良く冷却して、設置方法の如何に関わらずに電気炉、コークス炉などの高温雰囲気炉内の状態、又は高温の観察対象物の状態を、長時間連続して観察することができる観察装置、及びその冷却機構を提供することを目的としている。
請求項2に記載の発明は、前記撮影部は、前記撮影部の基端側から注入した第三系統の冷却ガスにより、前記カメラを外部から冷却する第三の冷却手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記イメージセンサを構成する各受光素子はボロメータであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、撮影部に収容したカメラにより高温物体を撮影する観察装置であって、前記カメラは、前記撮影部の先端部に形成された監視窓を介して入射した光像を受光して電気信号に変換するイメージセンサを実装したエンジンユニットを備え、前記撮影部は、第二系統の冷却ガスにより前記エンジンユニットのうち前記イメージセンサの受光面以外の部位を冷却する第二の冷却手段を備え、前記イメージセンサを構成する各受光素子はボロメータであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記撮影部は同軸状に配置された複数の筒状部材を備え、前記各筒状部材間に形成された円筒状空間の少なくとも1つに、前記撮影部の基端側から先端側に向けて冷却水を注入して前記撮影部を冷却することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記第一の冷却手段は、前記イメージセンサが受光する前記高温物体の光像の経路を回避した位置から前記受光面に向けて冷却ガスを吹き付けることを特徴とする。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本発明の第一の実施形態に係る観察装置について説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る観察装置を示す概略構成図である。
本発明の第一の実施形態に係る観察装置100は、炉内温度が1000℃以上になる炉101の観察窓102に密着するか、観察対象物である高温物体に近接して配置され、観察対象物としての高温物体の状態を撮影する撮影部120と、撮影部120に冷却水及び冷却ガスを供給する給水給気装置103と、撮影部120を制御するコントロール装置106とを備えている。
給水給気装置103は、撮影部120に供給する冷却水、及び冷却ガスの流量を制御する手段であり、本例には給水給気装置103としてバルブスタンドを示している。バルブスタンドには、冷却ガスの圧力源であるコンプレッサ104、104とは別にバルブ、計器その他の付属品が装着され一体に構成されている。ここで、冷却ガスには、空気の他、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス等、冷却用途に利用可能な気体一般を含むものである。また、冷却水には水道水、工業用水等を用いることができるが、他の冷却用の液体を用いてもよい。
コントロール装置106は、中継電源ボックス107とカメラコントロール用PC(Personal Computer)110を備える。
中継電源ボックス107は、撮影部120に電源を供給すると共に、撮影部120とカメラコントロール用PC110との間で送受信される電気信号を中継する手段である。また、中継電源ボックス107は、撮影部120から出力された映像信号をモニタ装置111に出力して表示させる。
中継電源ボックス107は、筐体108と、筐体108の前面に配置されて操作スイッチや表示手段等を備えた操作パネル109と、筐体108内に配置され、撮影部120から出力される温度信号を処理して警報音などを発生する警報回路と、警報回路の出力内容などを処理して表示信号などを生成する表示回路と、撮影部120から出力される映像信号を取り込んで、所定形式の映像信号に処理してモニタ装置111に出力する画像処理回路等を備えている。
カメラコントロール用PC110は、操作内容に応じた制御命令を、中継電源ボックス107を介して撮影部120に出力して、撮影部120の動作を制御する。
撮影部120は、電気炉、コークス炉、焼却炉等、炉内温度が1000℃以上になる各種の炉101の内部を外部から観察する観察窓102に近接(又は密着)して配置されて炉内にある観察対象物Xの状態を撮影する。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る観察装置の撮影部の構成を一部断面にて示した模式図である。撮影部120は、カメラを収容するカメラ収容部121と、カメラ収容部121よりも先端側(観察対象物側)に配置されたパージフード151とを備える。
カメラ収容部121は、円筒状の第一外筒123と、第一外筒123の内側に同軸状に配置された第一内筒125とを備える。
カメラ収容部121の基端部側(軸方向一端側)にはリアパネル127が、カメラ収容部121の先端部側(軸方向他端側)にはシャッターフランジ129が配置されている。
リアパネル127は、第一内筒125内に冷却ガスを導入する第一給気口131、第二給気口133、及び、カメラ収容部121内に収容したカメラ170に駆動用の電源電圧を供給したりカメラ170からの映像信号や第一内筒125内に収容した熱電対からの温度信号等を外部に出力する複合ケーブルC1を接続する為のケーブルコネクタ135を備えている。シャッターフランジ129には外部から光像を取り込む第一監視窓137が貫通形成されており、第一監視窓137には第一内筒125の内外空間を連通させる隙間を有した状態にて、耐熱ガラスからなる熱線カットフィルタ139が配置されている。熱線カットフィルタ139は、カメラで受光する光の成分を透過させ、カメラに悪影響を与える熱線成分の透過を禁止する光学素子である。
撮影部120のカメラ収容部121の下部には、撮影部120を台座等に設置する取付治具145が固定されている。
パージフード151は、カメラ収容部121よりも先端側に位置する撮影部120内を冷却しながら、外部からの塵埃及び高温ガスの流入を防止する。
パージフード151は、円筒状の第二外筒153と、第二外筒153の内側に同軸状に配置された第二内筒155と、第二外筒153及び第二内筒155の先端に配置され第二監視窓157が形成されたフランジ部159を備える。
第二外筒153と第二内筒155との間に形成される円筒状の空間S2の基端はシャッターフランジ129によって、先端はフランジ部159によって閉止されている。第二外筒153の基端部には第二給水口161が、先端部には第二排水口163が形成されており、空間S2には第二給水口161冷却水が導入され、冷却水は空間S2内を移動して第二排水口163から排出される。本観察装置100の使用時において、空間S2は水密的な空間となる。空間S2を単一の空間としてもよいが、空間S2内部を螺旋状に複数の空間に仕切ってスパイラル流路を形成してもよい。
第二外筒153の適所には、第二内筒155に形成された連通口165を通じて第二内筒155の中空空間内に冷却ガスを導入する第三給気口167が形成されている。
カメラ170は、支持部材によりカメラ収容部121の最も中心の空間である第一内筒125内に固定・収容されている。
カメラ170は、イメージセンサ171(撮像素子)を実装すると共にイメージセンサ171の各画素から出力される電気信号を読み出す読出回路が形成されたセンサ基板173、読出回路により読み出された電気信号を処理する処理回路が実装された処理基板、及び処理回路によって処理された電気信号を出力し又は外部からの制御信号を入力するカメラケーブルC4が接続される入出力基板等を含むエンジンユニット175と、エンジンユニット175を収容するケース177と、イメージセンサと対向して配置されたレンズ群179と、必要に応じてレンズ群の前(レンズ群よりも観察対象物側)に配置される光学フィルタ181と、を備える。なお、イメージセンサ171の図中左側(観察対象物側)の面が、観察対象物の光像を受光する受光面である。
カメラ170の内部には、イメージセンサ171部分の温度を計測し、計測結果を補償導線C5を介して出力する熱電対183が配置されている。エンジンユニット175と接続するカメラケーブルC4、及び熱電対183と接続する補償導線C5は、リアパネル127のケーブルコネクタ135と接続されている。
ここで、ボロメータは、観察対象物から放射される赤外線エネルギーを素子の温度上昇による電気抵抗の変化に基づいて観測する手段である。本態様に係るイメージセンサは微細なボロメータを二次元に配置したマイクロボロメータであり、各画素に対応する各受光素子が夫々ボロメータである。マイクロボロメータは、赤外線エネルギーを温度変化として捉えるため、周囲温度の変化に非常に敏感である。このため、マイクロボロメータを冷却しながら赤外線画像を得る場合、各受光素子間での冷却ムラがあると、各受光素子の電気抵抗が観察対象物の温度分布と異なることとなり、映像が不鮮明となったりカメラ映像が乱れるといった問題を生ずる。従って、精細な映像を得るためには、各受光素子間での冷却ムラが発生しないように、マイクロボロメータの全体を均一に冷却する必要がある。
カメラ170のエンジンユニット175とレンズ群179との間には、センサ基板173の前面(観察対象物側の面)を冷却する冷却器201が配置されている。冷却器201の構成については後述する。
観察装置100における冷却機構、及びその冷却動作について図1〜図3に基づいて説明する。図3は、本発明の第一の実施形態に係る冷却機構を説明する模式図である。
給水給気装置103(図1)から供給される冷却水(例えば水道水)は、まず、第一給水口141から空間S1内に導入され、空間S1内を流れる過程でカメラ収容部121を冷却した後、第一排水口143から排出される。第一排水口143から排出された冷却水は、第二給水口161から空間S2に導入され、空間S2内を流れる過程でパージフード151を冷却した後、第二排水口163から排出される。
エアクーラ105は、渦動理論の原理(ボルテックスチューブの原理)を応用したガス冷却装置である。エアクーラ105は、コンプレッサ104、104から供給された圧縮ガスをチューブ内で高速回転させることにより、圧縮ガスを低温ガスと高温ガスとに分離し、低温ガスをチューブの軸方向一端部から各給気口133、131、167に供給し、高温ガスをチューブの軸方向他端部から排気する。
カメラ170を内部から冷却する冷却機構として撮影部120は、第一給気口131から導入した冷却ガスをカメラ170側に導くガスチューブ191、ガスチューブ191内の冷却ガスを第一系統の冷却ガスと第二系統の冷却ガスに分岐する分岐器192、第一系統の冷却ガスをイメージセンサ171の前方(イメージセンサ171よりも図2中左側)に導く第一ガスチューブ193、第一系統の冷却ガスをイメージセンサ171の受光面(又は、イメージセンサ171を実装したセンサ基板173の前面)に吹き付けてイメージセンサ171を前方より冷却する冷却器201、第二系統の冷却ガスをエンジンユニット175の後方(エンジンユニット175よりも図2中右側)に導く第二ガスチューブ195、ケース177の後端に配置され、第二ガスチューブ195を流れる第二系統の冷却ガスをケース177内に導入する導入口197とを備える。
図4(a)は冷却器の構成例を示す概略斜視図であり、(b)は一部拡大断面図である。
冷却器201は、イメージセンサに入射する観察対象物の光像を通過させる開口部203を有したフランジ状の本体205と、本体205に形成されたガス流路207内に冷却ガスを導入する吸入口209と、ガス流路207内を流れる冷却ガスをイメージセンサに向けて噴射する複数の噴射口211とを備える。
吸入口209には第一ガスチューブ193が接続され、ガス流路207内には吸入口209から第一系統の冷却ガスが導入される。夫々の噴射口211から噴射される冷却ガスはイメージセンサ171の外縁側から中心側に向かうように吹き付けられ、イメージセンサ171の前面の全体を均一に冷却する。
本例において、第一給気口131、ガスチューブ191、分岐器192、第一ガスチューブ193、及び冷却器201は、イメージセンサ171の受光面(センサ基板173の前面)を冷却する第一の冷却手段として機能する。
このように、冷却ガスによりイメージセンサ171を搭載したセンサ基板173を前後両面から冷却することにより、イメージセンサ171の冷却効率を高め、イメージセンサ171の温度を一定の範囲内に維持することができる。また、イメージセンサ171の前面の全体を均一に冷却することができるので、イメージセンサ171を構成する各受光素子としてボロメータを採用した場合であっても、各受光素子の感度を各受光素子間で均一に維持することができ、精細な赤外線画像(映像)を得ることができる。
パージフード151の第三給気口167からは、第四系統の冷却ガスが第二内筒155内に導入され、第二内筒155の中空部内を冷却する。第四系統の冷却ガスは、第一監視窓137を介してカメラ収容部121から排出された冷却ガスと共に、第二監視窓157から撮影部120の外部に排出される。
以上のように本実施形態によれば、撮影部に内蔵したカメラを撮影部内において内外から冷却するので、撮影部を長時間高温の観察対象物に近接配置しても、内蔵したカメラの温度を一定の温度範囲内に維持することができ、長時間連続して観察対象物を監視する場合であっても、熱によるカメラの故障を防止することができる。
また、イメージセンサを前後両面から冷却するので、イメージセンサの温度上昇を防止すると共に、イメージセンサの全体を均一な温度に維持することができるので、長時間連続して観察対象物を監視する場合であっても、精細な赤外線画像(映像)を得ることができる。
本実施形態においては、イメージセンサを実装したセンサ基板を、前面と後面の双方から冷却して冷却効率を向上させているが、カメラの内部で発熱するエンジンユニット全体を前方と後方から冷却することにより、エンジンユニットの動作を保証するようにしてもよい。
本実施形態には、筒状の撮影部の軸方向端面に監視窓を設けているが、筒状の撮影部の外周部の適所に監視窓を設けてもよい。
本発明の第二の実施形態に係る観察装置について説明する。本実施形態に係る観察装置は、炉内温度が1000℃以上になるコークス炉等の内部に撮影部を挿入して、その内部にある観察対象物を観察するものである。
給水給気装置4は、冷却ガス源(図示は省略する)から撮影装置3に供給される2系統の冷却ガス(例えば、空気、或は窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスなど)の各流量を計測して、計測結果をコントロール装置5に供給する2つのフロースイッチ6、7と、水槽タンク8から撮影装置3に供給される4系統の冷却水(例えば、工業用水など)の各流量を計測して、計測結果をコントロール装置5に供給する1つのフロースイッチ9とを備えており、冷却ガス源から撮影装置3に供給される2系統の冷却ガスの流量を夫々計測して、計測結果をコントロール装置5に供給するとともに、水槽タンク8から撮影装置3に供給される第一〜第四系統の各冷却水の流量を計測して、計測結果をコントロール装置5に供給する。なお、本明細書中において冷却ガスとは、通常の空気の他に、N2 、AXガス等々の冷却用のガス(気体)一般を含むものである。
CCDカメラ34の内部構成は、図2に示したカメラ170の構成と同様である。チューブ191を流れる冷却ガスは、図2及び図3に示したように、更に分岐器192によって第一ガスチューブ193を流れる第一系統の冷却ガスと、第二ガスチューブ195を流れる第二系統の冷却ガスとに分岐される。第一系統の冷却ガスはイメージセンサ171を前面から冷却し、第二系統の冷却ガスはイメージセンサ171を後面から冷却した後、CCDカメラ34の外部に放出され、第三系統の冷却ガスと合流する。第一、第二系統の冷却ガスは、最終的に第三系統の冷却ガスと共に監視窓31を介して、外筒21の周囲に放出される。
そして、給水給気装置4によって撮影装置3に冷却ガス、冷却水が供給されている状態で、図13に示す如く撮影装置3の撮影部10がコークス炉2内に挿入されて、冷却部11に設けられているフランジ52がコークス炉2の上部に固定され、この状態でこのコークス炉2内の状態が撮影され、これによって得られた映像信号がコントロール装置5に伝送されて、外部のモニタ装置に供給される。この画像は、監視窓直近に設置されるビデオカメラによりこれまでのリレーレンズ系や光ファイバー方式と比較して、大幅な高解像、高鮮明な画像データとして供給されるものである。
なお、本実施形態については、CCDイメージセンサを用いたCCDカメラの例により説明したが、カメラに用いるイメージセンサには、可視光像を撮像するCMOSイメージセンサのほか、その他の波長域の光像を撮像するイメージセンサ、例えば赤外線像を撮像するボロメータ等を用いることができる。なお、可視光像以外の光像を撮影する場合、ミラー33と熱線カットフィルタ66には、イメージセンサで受光する光の成分に応じた光学素子を用いる。例えば、イメージセンサとしてボロメータを用いる場合、ミラー33にはボロメータにて受光する光の成分を反射する光学素子を用い、熱線カットフィルタ66には、ボロメータにて受光する光の成分を透過させ、それ以外の熱線成分の透過を禁止する光学素子を用いる。
また、第一の実施形態と第二の実施形態に記載した各構成は、矛盾が生じない限り、夫々他の実施形態に適用して実施することが可能である。
図16(a)、(b)は、図15に示す撮影部をロータリーキルン炉にセットしてこのロータリーキルン炉内を撮影しているときの一例を示す模式図である。図16(a)はロータリーキルン炉を側方から観察した様子を示す透視図であり、(b)は(a)の右方向から観察した様子を示す図である。
ロータリーキルン炉300は回転式の高温焼成装置であり、軸線を中心として円筒状の回転炉301を回転させることにより、回転炉301の内部で原料302を攪拌・移動させながら加熱する装置である。
ロータリーキルン炉300内には、給水給気装置4(図5)によって冷却ガス、冷却水が供給されている状態の撮影装置3の撮影部10bを挿入する。冷却部11に設けられているフランジ52をロータリーキルン炉300の軸方向の一端面304に固定し、この状態でロータリーキルン炉300内の状態を撮影する。撮影により得られた映像信号が、コントロール装置5に伝送されて、外部のモニタ装置に供給される。
ここで、本例に示すロータリーキルン炉300は、軸方向の一端部に、回転炉301内に伸びるバーナー303を備えたいわゆる内熱式のロータリーキルン炉である。そのため、可視光(CCDカメラ)による撮影では、燃料(重油やガス等)を燃焼させたときに発生する火炎Fにより、原料302の状態を観察できない。
このように本発明の第二の実施形態に係る観察装置によれば、カメラのイメージセンサにボロメータを用いることにより、撮影装置の撮影部を火炎Fが存在する炉内(ロータリーキルン炉内、火力発電所内のボイラ内、焼却炉内等)に挿入した状態で、火炎Fの影響を受けずに炉内の状態を観察することができる。
<第一の実施態様>
本態様は、撮影部10、10a、10b、120に収容したカメラ34、67、170により高温物体(観察対象物X)を撮影する観察装置1、100であって、カメラは、撮影部の先端部に形成された監視窓31、65、137を介して入射した光像を受光して電気信号に変換するイメージセンサ171を実装したエンジンユニット175を備え、撮影部は、第一系統の冷却ガスによりイメージセンサの受光面を冷却する第一の冷却手段(193、201)と、第二系統の冷却ガスによりエンジンユニットの他部位を冷却する第二の冷却手段(195、197)と、を備えることを特徴とする。
カメラには、可視光像を撮像するCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、赤外線画像を撮像するボロメータ、その他の波長域の光を受光するイメージセンサ等を搭載することができ、本態様に示される冷却機構は何れのカメラにも適用できる。第一の冷却手段と第二の冷却手段は、カメラ内部のエンジンユニットを冷却する手段である。即ち、第一の冷却手段と第二の冷却手段は、撮影部内に配置されたカメラを内部から冷却する手段である。
本態様によれば、カメラを内部から冷却するので、カメラを効率良く、且つ強力に冷却することができる。特に、第一の冷却手段はイメージセンサの受光面を冷却するので、イメージセンサの全体を均一に冷却することが可能となり、各受光素子から出力される電気信号の乱れを抑制することが可能となる。本態様によれば、高温雰囲気炉内の状態、又は高温の観察対象物の状態を、24時間連続して安定的に観察することが可能となる。
本態様は、撮影部10、10a、10b、120に収容したカメラ34、67、170により高温物体(観察対象物X)の状態を撮影する観察装置1、100であって、カメラは、撮影部の先端部に形成された監視窓31、65、137を介して入射した光像を受光して電気信号に変換するイメージセンサ171を備え、撮影部は、第一系統の冷却ガスによりイメージセンサの受光面を冷却する第一の冷却手段(193、201)と、撮影部の基端側から注入した第三系統の冷却ガスにより、カメラを外部から冷却する第三の冷却手段(133)と、を備えることを特徴とする。
カメラには、可視光像を撮像するCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、赤外線画像を撮像するボロメータ、その他の波長域の光を受光するイメージセンサ等を搭載することができ、本態様に示される冷却機構は何れのカメラにも適用できる。第一の冷却手段は、カメラ内部のイメージセンサを冷却する手段である。即ち、第一の冷却手段は、撮影部内に配置されたカメラを内部から冷却する手段である。
本態様によれば、カメラを内外から冷却するので、カメラを効率良く、且つ強力に冷却することができる。特に、第一の冷却手段はイメージセンサの受光面を冷却するので、イメージセンサの全体を均一に冷却することが可能となり、各受光素子から出力される電気信号の乱れを抑制することが可能となる。本態様によれば、高温雰囲気炉内の状態、又は高温の観察対象物の状態を、24時間連続して安定的に観察することが可能となる。
本態様に係る観察装置1、100において、各冷却ガスは監視窓31、65、137から撮影部10、10a、10b、120の外部に放出されることを特徴とする。
本態様によれば、冷却ガスにより撮影部の各部を効率よく冷却しながら、高温雰囲気空間内又は高温の観察対象物からの輻射熱蓄熱や、周囲の温度差による対流熱による悪影響を防止することができる。
本態様に係る観察装置1、100において、イメージセンサ171を構成する各受光素子はボロメータであることを特徴とする。
マイクロボロメータは、赤外線エネルギーを温度変化として捉えるため、周囲温度の変化に非常に敏感である。このため、マイクロボロメータを冷却しながら赤外線画像を得る場合、各受光素子間での冷却ムラがあると、各受光素子の電気抵抗が観察対象物の温度分布と異なることとなり、映像が不鮮明となったりカメラ映像が乱れるといった問題を生ずる。
観察装置は、第一の実施態様に記載したように、第一系統の冷却ガスを用いてイメージセンサの受光面を冷却する第一の冷却手段(193、201)を備えているので、各受光素子間の冷却ムラが発生しないようにイメージセンサの全体を均一に冷却することができる。従って、イメージセンサとしてボロメータ方式の撮像素子を用いた場合であっても、映像が不鮮明となったりカメラ映像が乱れるといったことなく、観察対象物を長時間連続して観察することができる。
本態様に係る観察装置1、100において、撮影部10、10a、10b、120は同軸状に配置された複数の筒状部材(外筒、内筒)を備え、各筒状部材間に形成された円筒状空間の少なくとも1つ(空間S1、S2)に、撮影部の基端側から先端側に向けて冷却水を注入して撮影部を冷却することを特徴とする。
本態様によれば、冷却ガスに加えて冷却水を用いて撮影部を冷却するので、高温物体を長時間連続して撮影することができる。
本態様は、高温物体を撮影する観察装置1、100における冷却機構であって、第一系統の冷却ガスによりイメージセンサ171の受光面を冷却する第一の冷却手段(193、201)を備えることを特徴とする。
本態様によれば、イメージセンサの各受光素子間で冷却ムラが発生しないように、イメージセンサの全体を均一に冷却することができる。従って、イメージセンサからは安定した映像出力を得ることができる。
本態様に係る冷却機構は、第二系統の冷却ガスによりイメージセンサ171を実装したセンサ基板173を、受光面とは反対側から冷却する第二の冷却手段(195)を備えることを特徴とする。
本態様によれば、イメージセンサを前後両面から冷却するので、イメージセンサの全体を強力且つ均一に冷却することができ、安定した映像出力を得ることができる。
本態様に係る冷却機構において、第一の冷却手段(冷却器201)は、イメージセンサ171が受光する高温物体の光像の経路を回避した位置から受光面に向けて冷却ガスを吹き付けることを特徴とする。
本態様によれば、イメージセンサが受光する高温物体の光像に影響を与えることなく、イメージセンサの全体を均一に冷却することができる。
Claims (8)
- 撮影部に収容したカメラにより高温物体を撮影する観察装置であって、
前記カメラは、前記撮影部の先端部に形成された監視窓を介して入射した光像を受光して電気信号に変換するイメージセンサを実装したエンジンユニットを備え、
前記撮影部は、第一系統の冷却ガスにより前記イメージセンサの受光面を冷却する第一の冷却手段と、第二系統の冷却ガスにより前記エンジンユニットの他部位を冷却する第二の冷却手段と、を備えることを特徴とする観察装置。 - 前記撮影部は、前記撮影部の基端側から注入した第三系統の冷却ガスにより、前記カメラを外部から冷却する第三の冷却手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
- 前記各冷却ガスは前記監視窓から前記撮影部の外部に放出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の観察装置。
- 前記イメージセンサを構成する各受光素子はボロメータであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の観察装置。
- 撮影部に収容したカメラにより高温物体を撮影する観察装置であって、
前記カメラは、前記撮影部の先端部に形成された監視窓を介して入射した光像を受光して電気信号に変換するイメージセンサを実装したエンジンユニットを備え、
前記撮影部は、第二系統の冷却ガスにより前記エンジンユニットのうち前記イメージセンサの受光面以外の部位を冷却する第二の冷却手段を備え、
前記イメージセンサを構成する各受光素子はボロメータであることを特徴とする観察装置。 - 前記撮影部は同軸状に配置された複数の筒状部材を備え、
前記各筒状部材間に形成された円筒状空間の少なくとも1つに、前記撮影部の基端側から先端側に向けて冷却水を注入して前記撮影部を冷却することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の観察装置。 - 高温物体を撮影する観察装置における冷却機構であって、
第一系統の冷却ガスによりイメージセンサの受光面を冷却する第一の冷却手段と、
第二系統の冷却ガスにより、前記イメージセンサを実装したセンサ基板を、前記イメージセンサの受光面とは反対側から冷却する第二の冷却手段と、を備えることを特徴とする冷却機構。 - 前記第一の冷却手段は、前記イメージセンサが受光する前記高温物体の光像の経路を回避した位置から前記受光面に向けて冷却ガスを吹き付けることを特徴とする請求項7に記載の冷却機構。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017120551A JP6490750B2 (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | 観察装置、及び冷却機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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