JP2004063827A - 吸着装置、真空処理装置及び吸着方法 - Google Patents

吸着装置、真空処理装置及び吸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通電停止後の残留吸着力が小さい吸着装置を提供する。
【解決手段】本発明の吸着装置10は、電極部15a、15bと、接触部17とを有しており、接触部17は吸着対象物である基板と同じ材質で構成されているので、基板の接触面を接触部17に接触させると、同じ物質同士が接触したことになるので、接触部17が摩擦により帯電したとしてもその帯電量が非常に小さい。従って、電極部15a、15bの通電を停止した後の残留吸着力が非常に小さく、基板を吸着装置10から容易に持ち上げることができ、また、同じ吸着装置10に新たな基板を吸着させたときの吸着力の再現性も非常に高い。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電吸着装置に関し、特に、ガラス基板やプラスチック基板を吸着する静電吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8と、図9の符号121は従来技術の吸着装置を示している。この吸着装置121は、セラミックのような絶縁材料が板状に形成された支持体125と、グラファイトのような導電材料で構成された第一、第二の電極部126、127とを有している。
【0003】
第一、第二の電極部126、127の平面図を図8に示す。第一、第二の電極部126、127は細長に形成され、所定間隔を空けて交互に並べられた状態で支持体125表面に配置されている。
【0004】
第一の電極部126の一端は、第一の電極部126に対して垂直配置された細長の接続端子123にそれぞれ接続されており、結果として、全ての第一の電極部126が互いに接続されている。同様に、第二の電極部127も細長の接続端子124によって互いに接続されている。
【0005】
図9は図8のX−X切断線断面図に相当する。支持体125の第一、第二の電極部126、127が形成された側の面には、シリコーンゴムのような絶縁材料の膜からなり、後述する基板が接触する接触部130が形成されており、第一、第二の電極部126、127の表面及び側面はこの接触部130に覆われている。
【0006】
この吸着装置121に、例えば、吸着対象物としてガラス基板を保持させるには、吸着装置121とガラス基板とを真空雰囲気に置き、該真空雰囲気中でガラス基板を吸着装置121の接触部130表面に接触させる。
【0007】
第一、第二の電極部126、127はそれぞれ静電チャック電源122に接続されており、静電チャック電源122を起動し、第一、第二の電極部126、127に対し、それぞれ正負の電圧を印加すると、ガラス基板は吸着装置121の表面方向に静電吸着力を受け、ガラス基板の裏面全面が吸着装置121表面に吸着され、結果として基板が吸着装置121に保持される。
【0008】
このような吸着装置121は、基板に薄膜、あるいはデバイスを形成する工程で、基板を保持、搬送するために広く用いられている。
ところで、ガラス基板を接触部130表面に接触させるときや、ガラス基板を接触部130表面から離すときに、ガラス基板と接触部130との間に摩擦が生じ、該摩擦によって接触部130とガラス基板が正負に帯電する。
【0009】
接触部130とガラス基板が帯電した状態では、電極部126、127への電圧印加を停止した後であっても吸着力が残り、ガラス基板を吸着装置121から離すことが困難であり、また、接触部130が帯電した状態で新たな基板を吸着すると、吸着力の再現性が低いという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、吸着力の再現性が高く、かつ、残留吸着力が発生しない吸着装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は吸着装置の接触部に着目し、その構成材料について検討を行った結果、接触部の構成材料をシリコーンゴムからガラスに代えて吸着装置を作製し、該吸着装置にガラス基板を吸着させたところ、接触部の帯電量が非常に小さくなることがわかった。
摩擦により物質が帯電する性質をあらわず指標として、下記表1に示すような帯電列が知られている。
【0012】
【表1】
Figure 2004063827
【0013】
帯電列は、正(+)に帯電しやすい物質と、負(−)に帯電しやすい物質の序列を示すものであり、上記表1では正(+)に帯電しやすいものを上側に示し、負(−)に帯電しやすいものを下側に示している。
【0014】
帯電列上で近い位置にある物質同士を摩擦した場合は帯電量が少なく、離れた位置にある物質同士を摩擦した場合は帯電量が大きくなることが知られており、同じ物質同士を摩擦した場合は帯電量が非常に小さくなることが考えられる。
従って、吸着装置の基板と接触する部分を、該基板と同じ物質で構成すれば、吸着装置の帯電量が小さくなると推測される。
【0015】
かかる知見にもとづいてなされた請求項1記載の発明は、電極部と、接触部とを有し、吸着対象物の一面を接触面とし、該接触面を前記接触部に接触させ、前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が前記接触部に吸着されるように構成された吸着装置であって、前記接触部は、前記接触面に露出する物質と同じ種類の物質で構成された吸着装置である。
請求項2記載の発明は請求項1記載の吸着装置であって、前記接触面に露出する物質は、ポリカーボネートと、ポリエチレンテレフタレートと、ガラスのうちのいずれか1種類の物質からなる吸着装置である。
請求項3記載の発明は、支持体と、電極部と、接触部とを有し、前記支持体は、金属材料が板状に形成された支持基板と、絶縁材料が膜状に形成された絶縁膜とを有し、前記絶縁膜は前記支持基板上に配置され、前記電極部は前記絶縁膜上に配置され、前記接触部はシート状に形成された絶縁材料で構成され、前記電極部の表面と密着するように配置され、吸着対象物を前記接触部に接触させた状態で前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が吸着されるように構成された吸着装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の吸着装置であって、前記電極部は前記支持基板上で引き回され、前記接触部は前記電極部間に配置された接着剤によって前記支持体に貼付された吸着装置である。
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4のいずれか1項記載の吸着装置であって、前記接触部は、前記接触面に露出する物質と同じ種類の物質で構成された吸着装置である。
請求項6記載の発明は、絶縁材料からなる絶縁板と、電極部とを有し、前記絶縁板の一面には凹部が形成され、前記絶縁板の前記凹部間に位置する凸部の先端部分で接触部が構成され、前記電極部は前記凹部内の前記接触部よりも低い位置に配置され、吸着対象物を前記接触部に接触させた状態で前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が前記接触部に吸着されるように構成された吸着装置であって、前記絶縁板は、ガラスと、ポリカーボネートと、ポリエチレンテレフタレートのうち、いずれか1種類の物質で構成された吸着装置である。
請求項7記載の発明は、真空槽と、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の吸着装置とを有し、前記吸着装置は前記真空槽内に配置され、前記吸着対象物は前記真空槽内で前記吸着装置に吸着されるように構成された真空処理装置である。
請求項8記載の発明は、吸着対象物の一面を接触面とし、前記接触面を吸着装置の接触部表面に接触させた状態で、前記吸着装置の電極に電圧を印加し、前記吸着対象物を吸着する吸着方法であって、前記接触面に、前記接触部を構成する物質と同じ物質が露出する前記吸着対象物を吸着する吸着方法である。
【0016】
本発明は上記のように構成されており、真空処理装置では、通常、同種類の吸着対象物を1枚ずつ逐次吸着装置に吸着して、真空槽内で成膜等の処理が行われる。
従って、吸着対象物の接触面に露出する物質は予め分かっているので、その物質と同じ物質で接触部を構成することで、接触部の帯電量を抑えることができる。
【0017】
吸着装置に、冷却手段や加熱手段のような温度制御手段を内蔵させる、又は、吸着装置の近傍に温度制御手段を配置し、吸着対象物を吸着装置に吸着した状態で、温度制御手段によって吸着装置を加熱又は冷却すれば、吸着対象物を効率良く加熱又は冷却することができる。
【0018】
吸着対象物がガラス基板であって、その表面にITO(インジウム錫酸化物)薄膜を形成し、液晶表示装置のパネルを作製する場合や、吸着対象物がポリカーボネート基板であって、その表面に金属薄膜を形成してコンパクトディスク等の記録媒体を作成する場合、基板の裏面にはITO薄膜や金属薄膜が形成されず、基板自身が露出していることが多い。
【0019】
以上は本発明のうち、第一の発明について説明したが、以下にそれとは異なる第二の発明について説明する。
従来は吸着装置の支持体はセラミックによって構成されており、セラミックを焼成する際に、支持体の寸法及び形状に狂いが生じることがあった。第二の発明の吸着装置は、金属材料の支持基板と、絶縁膜とで支持体が構成されており、その製造に焼成工程がないので、支持体の寸法及び形状に狂いが生じない。
【0020】
また、電極部の表面に接着剤が付着しないように接着剤を配置すれば、支持体に貼付された接触部は電極部の表面に密着するので、電極部の表面から接触部表面までの距離を小さくすることができる。
【0021】
本発明第三の発明は、凹部が形成された絶縁板の、該凹部内に、接触部よりも低い位置まで導電材料を配置することで電極部が形成されている。
この吸着装置に吸着対象物を載せると、吸着対象物は接触部に接触するが、電極部には接触しないので、導電材料からなる吸着対象物を吸着することができる。
また、接触面に絶縁材料が露出する吸着対象物を吸着する場合には、絶縁板を吸着対象物と同じ物質で構成しておけば、摩擦による帯電量が小さい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1は本発明の一実施形態の真空処理装置であるスパッタリング装置を示しており、図3の符号5はその真空処理装置1で成膜処理される基板を示している。基板5は、例えば、石英ガラスのような板状の絶縁基板である。
【0023】
図2の符号10はこの基板5を吸着するのに用いられる、本発明第一例の吸着装置を示している。
この吸着装置10は、支持体11と、接触部17と、接着剤16と、それぞれ複数本の第一、第二の電極部15a、15bとを有している。
【0024】
支持体11はアルミニウム等の金属材料が板状に形成された支持基板12と、シリコーンゴムのような絶縁材料が膜状に形成された絶縁膜13とを有しており、絶縁膜13は支持基板12の表面に配置されている。
【0025】
第一、第二の電極部15a、15bは、絶縁膜13の表面に配置された一定膜厚の銅薄膜がパターニングされて形成されており、第一、第二の電極部15a、15bは、図8に示した従来の吸着装置の電極と同様に、所定間隔を空けて交互に並べられている。
【0026】
ここでは、膜厚17μmの銅箔がウェットエッチングによってパターニングされ、幅0.2mmの細長の電極部15a、15bが、0.2mmの間隔で形成されている。
【0027】
接触部17は上述した基板5と同じ石英ガラスがシート状に形成されて構成されている。支持体11の電極部15a、15bが配置された面には接着剤16が塗布されており、接触部17は接着剤16によって支持体11に貼り合わされている。
【0028】
ここでは、接着剤16は第一、第二の電極部15a、15b間の隙間を充填するように塗布されており、第一、第二の電極部15a、15bの表面には接着剤16が付着していないので、接触部17は第一、第二の電極部15a、15bの表面に密着している。また、この接着剤16は絶縁性なので、第一、第二の電極部15a、15bは互いに絶縁されている。
【0029】
真空処理装置1は真空槽2を有している。真空槽2内の底壁側には台9が配置されている。上述した吸着装置10は、支持基板12側の面が台9の表面に密着して配置され、接触部17表面が真空槽2の天井側に向けられている。
真空槽2内の天井側にはターゲット3が配置されている。ターゲット3は板状に形成されたスパッタリング材料で構成され、その表面が接触部17の表面に向けられている。
【0030】
真空槽2に接続された真空排気系8によって真空槽2内に所定圧力の真空雰囲気を形成した後、その真空雰囲気を維持した状態で、上述した基板5を真空槽2内へ搬入する。この基板5の片面を接触面22とし、該基板5を吸着装置10に載せ、その接触面22を接触部17の表面に接触させる。
【0031】
第一、第二の電極部15a、15bは真空槽2外に配置された静電チャック電源7に接続されており、静電チャック電源7を起動し、第一、第二の電極部15a、15bに正負の電圧をそれぞれ印加すると、静電吸着力によって基板5が吸着装置10に吸着され、基板5の接触面22が接触部17表面に強く密着する。
【0032】
台9の内部には、加熱手段であるヒータが設けられており、該ヒータによって台9は予め所定温度まで昇温し、熱伝導により静電吸着装置10も昇温している。従って、吸着装置10に密着した基板5も、熱伝導により昇温する。
【0033】
吸着装置10には不図示のセンサーが取り付けられており、このセンサーが基板5の温度を測定し、ヒータの通電量を制御することで基板5が温度制御される。
ターゲット3は真空槽2外に配置されたスパッタ電源6に接続されており、真空槽2内にアルゴンガス(Ar)のようなスパッタガスを所定量導入しながら、真空槽2内の真空雰囲気を維持した状態で、スパッタ電源6を起動してターゲット3に直流電圧を印加すると、ターゲット3がスパッタされ、温度制御された基板5の表面に薄膜が成長する。
【0034】
その薄膜が所定膜厚まで成長したところで、スパッタリングを停止して、成膜工程を終了する。
上述したように、接触部17は基板5と同じ石英ガラスで構成されているので、吸着装置10に基板5を吸着させた状態では、同じ物質同士が接触したことになる。
【0035】
従って、接触部17及び基板5の帯電量は小さいので、成膜終了後に、第一、第二の電極部15a、15bへの通電を停止すれば、基板5への吸着力が解除され、成膜後の基板5を吸着装置10から容易に持ち上げることができる。
【0036】
上述した吸着装置10にガラス基板5を吸着させた後、電極部15a、15bへの通電を停止し、0秒〜60秒後にガラス基板5を吸着装置10から持ち上げた。基板5を吸着装置10から持ち上げるときに、基板5を接触部17の表面から離すのに要した力を測定し、その力を残留吸着力とした。
【0037】
また、比較例として、接触部17を構成する物質をシリコーンゴムに変えた以外は上記実施例と同じ構成の吸着装置を作製し、第一例の吸着装置10と同じ条件で残留吸着力を測定した。
【0038】
通電停止からの経過時間と、残留吸着力との関係を図4に示す。
図4の縦軸は残留吸着力(単位:gf/cm)を、横軸は通電停止後からの経過時間(単位:秒)をそれぞれ示しており、符号Lは本発明第一例の吸着装置10の残留吸着力と経過時間との関係を示し、符号Lは比較例の残留吸着力と経過時間との関係を示している。
【0039】
図4から明かなように、本発明の吸着装置10と、比較例の吸着装置は、通電中(経過時間0秒)の吸着力は略等しいが、本発明の吸着装置10では、5秒後に2gf/cm以下まで吸着力が下がったのに対し、比較例は5秒後の吸着力が約5gf/cmと高く、60秒後の吸着力も約4gf/cmと高いままであった。
これらのことから、接触部17を基板5と同じ物質で構成すれば、残留吸着力が低くなることが確認された。
【0040】
以上は、接触部17が電極部15a、15b間に充填された接着剤16で貼付された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、支持体11の端部のみに接着剤を塗布し、該接着剤によって接触部17を支持体11に貼付することもできる。
【0041】
以上は、シート状の接触部17が支持体11に貼付された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図5の符号20は本発明第二例の吸着装置を示している。この吸着装置20は、支持体11の表面に第一、第二の電極部15a、15bが配置されている点が第一例の吸着装置10と同じであるが、第一例の吸着装置10ではシート状の接触部17が接着剤16を介して貼付されているのに対し、この吸着装置20は接着剤を有しておらず、接触部27は支持体11の電極部15a、15bが配置された面に直接形成されている。
【0042】
具体的には、接触部27はコーティングや蒸着等の成膜方法によって形成されており、第一、第二の電極部15a、15bの表面及び側面と、第一、第二の電極部15a、15b間に位置する支持体11表面はこの接触部27によって覆われている。
この接触部27も、吸着対象物である基板5と同じ物質で構成されているので、基板5と接触部27との摩擦によって生じる帯電量は小さい。
【0043】
以上は、電極部15a、15bの表面及び側面と、電極部15a、15b間に位置する支持体11の表面が接触部27で覆われた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図6の符号30は、本発明第三例の吸着装置を示している。この吸着装置30の接触部以外の構成は、上述した第二例の吸着装置20と同じ構成であり、同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
この吸着装置30の接触部は上述した基板5と同じ物質で構成され、第一、第二の電極部15a、15bの表面のみにそれぞれ形成されている。図6の符号37aは第一の電極部15a表面に形成された第一の接触部を示し、図6の符号37bは第二の電極部15b表面に形成された第二の接触部を示している。
【0045】
上述したように、第一、第二の電極部15a、15bは互いに所定間隔を空けて配置されているので、第一、第二の接触部37a、37bは互いに接触せず、第一、第二の接触部37a、37bを導電性材料で構成しても、第一、第二の電極部15a、15bが短絡することがない。
【0046】
従って、第三例の吸着装置30は、接触部37a、37bがガラスのような絶縁材料で構成された場合限定されず、例えば、接触部37a、37bをシリコンのような導電材料で構成し、接触部37a、37bと同じ導電材料が接触面に露出した基板を吸着することも可能である。
【0047】
以上は、支持体11が支持基板12と絶縁膜13で構成された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アルミナやセラミックのような絶縁材料からなる単層基板や、支持基板に2層以上の膜や層が積層されたものを支持体11として用いることができる。
【0048】
また、接触部が絶縁材料で構成された場合、その絶縁材料はガラスに限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネートや、ポリエチレンテレフタレート等種々の絶縁材料を用いることができる。
【0049】
以上は、電極部15a、15bの表面が接触部17で覆われた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図7の符号40は本発明第四例の吸着装置を示している。
この吸着装置40は、ガラス板のような絶縁板41と、グラファイトのような導電材料で構成された電極部45a、45bとを有している。
【0050】
絶縁板41はその表面が膜厚方向に掘削されて複数の凹部46が形成されており、絶縁板41の表面に上述したような基板5を接触させると、凹部46間に位置する凸部の先端部分が、上述したような基板5の接触面22に接触するようになっている。
【0051】
図7の符号47は接触面22と接触する接触部を示しており、絶縁板41の残りの部分で支持体が構成されている。
電極部45a、45bは、凹部46内の接触部47よりも低い位置まで充填された導電材料で構成されており、電極部45a、45bを構成する導電材料は凹部46の外には存しておらず、接触部47の表面には、絶縁板41を構成するガラスが露出している。
【0052】
各凹部46の平面形状は細長に形成されており、凹部46は互いに所定間隔を空けて配置されている。即ち、凹部46内に配置された電極部45a、45bは互いに所定間隔を空けて並べられており、電極部45a、45bの極性は交互に分けられ、それぞれ正負の電圧が印加されるように構成されている。
【0053】
上述したように、接触部47の表面にはガラスが露出しており、ガラスからなる基板5をこの吸着装置40に載置し、該接触面を接触部47に接触させると、同じ物質同士が接触したことになるので、摩擦による接触部47の帯電量が非常に小さい。
【0054】
以上は絶縁板41がガラス板で構成された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁板としてポリカーボネート板や、ポリエチレンテレフタレート板を用いることができる。
【0055】
以上は、第一例〜第四例の吸着装置を用い、接触部と同じ物質で構成された基板を吸着する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、接触面に接触部と同じ物質が露出しているものであれば、基板表面に薄膜が積層された積層体を吸着対象物として用いることもできる。
【0056】
接触部に用いるガラスの種類は石英ガラスに限定されるものではなく、無アルカリガラス、青板ガラス等種々のガラスを用いることができる。この場合、接触部を構成するガラスと、接触面に露出するガラスの種類は同じであることが望ましい。
【0057】
以上は、電極部が銅薄膜、又は、グラファイトで構成された場合について説明したが、電極部の構成材料は特に限定されるものではなく、アルミニウムのように銅以外の金属材料や、電荷移動錯体等の有機導電体も用いることができる。
【0058】
以上は、電極部の極性を分ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、吸着装置がいずれか一方の極性の電極部のみを有する場合は、真空槽を他方の極性の電極部とし、吸着装置の電極部と真空槽に正負の電圧を印加すれば、接触部に接触させた基板を吸着することができる。
【0059】
また、本発明の真空処理装置はスパッタリング装置に限定されるものではなく、真空槽内に本発明の第一例〜第四例の吸着装置を備えたものであれば、CVD装置等の成膜装置や、あるいはエッチング装置及び吸着搬送装置等も本発明の真空処理装置には含まれる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の吸着装置の接触部は、基板の接触面に露出する物質と同じ物質で構成されているので、接触面を接触部に接触させると、摩擦によって接触部が帯電したとしても、その帯電量は非常に小さい。従って、電極部に通電を停止した後の残留吸着力が小さく、基板を接触部から離す作業が容易であり、また、吸着力の再現性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の吸着装置を備えた真空処理装置の構成を説明する図
【図2】本発明の吸着装置の第一例を説明する断面図
【図3】本発明の吸着装置に吸着される基板を説明する断面図
【図4】残留吸着力と経過時間との関係を示すグラフ
【図5】本発明の第二例の吸着装置を説明する断面図
【図6】本発明の第三例の吸着装置を説明する断面図
【図7】本発明の第四例の吸着装置を説明する断面図
【図8】従来の吸着装置を説明する平面図
【図9】従来の吸着装置を説明する断面図
【符号の説明】
1……スパッタリング装置(真空処理装置)  5……基板  10、20、30、40……吸着装置  11……支持体  15a、15b、45a、45b……電極部  17、47……接触部  22……接触面  41……絶縁板
46……凹部

Claims (8)

  1. 電極部と、接触部とを有し、
    吸着対象物の一面を接触面とし、該接触面を前記接触部に接触させ、前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が前記接触部に吸着されるように構成された吸着装置であって、
    前記接触部は、前記接触面に露出する物質と同じ種類の物質で構成された吸着装置。
  2. 前記接触面に露出する物質は、ポリカーボネートと、ポリエチレンテレフタレートと、ガラスのうちのいずれか1種類の物質からなる請求項1記載の吸着装置。
  3. 支持体と、電極部と、接触部とを有し、
    前記支持体は、金属材料が板状に形成された支持基板と、絶縁材料が膜状に形成された絶縁膜とを有し、前記絶縁膜は前記支持基板上に配置され、
    前記電極部は前記絶縁膜上に配置され、
    前記接触部はシート状に形成された絶縁材料で構成され、前記電極部の表面と密着するように配置され、
    吸着対象物を前記接触部に接触させた状態で前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が吸着されるように構成された吸着装置。
  4. 前記電極部は前記支持基板上で引き回され、前記接触部は前記電極部間に配置された接着剤によって前記支持体に貼付された請求項3記載の吸着装置。
  5. 前記接触部は、前記接触面に露出する物質と同じ種類の物質で構成された請求項3又は請求項4のいずれか1項記載の吸着装置。
  6. 絶縁材料からなる絶縁板と、電極部とを有し、前記絶縁板の一面には凹部が形成され、
    前記絶縁板の前記凹部間に位置する凸部の先端部分で接触部が構成され、
    前記電極部は前記凹部内の前記接触部よりも低い位置に配置され、
    吸着対象物を前記接触部に接触させた状態で前記電極部に電圧を印加すると、前記吸着対象物が前記接触部に吸着されるように構成された吸着装置であって、前記絶縁板は、ガラスと、ポリカーボネートと、ポリエチレンテレフタレートのうち、いずれか1種類の物質で構成された吸着装置。
  7. 真空槽と、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の吸着装置とを有し、前記吸着装置は前記真空槽内に配置され、前記吸着対象物は前記真空槽内で前記吸着装置に吸着されるように構成された真空処理装置。
  8. 吸着対象物の一面を接触面とし、前記接触面を吸着装置の接触部表面に接触させた状態で、前記吸着装置の電極に電圧を印加し、前記吸着対象物を吸着する吸着方法であって、
    前記接触面に、前記接触部を構成する物質と同じ物質が露出する前記吸着対象物を吸着する吸着方法。
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