JP2004063628A - 導電パターン形成方法、導電パターン形成基板、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程を簡略化すること。
【解決手段】ITO膜6aを下ガラス基板2上に形成し、感光性樹脂からなるACFレジスト膜7をITO膜6aに対してレジストし、ACFレジスト膜7を所定のマスクを用いて露光・現像する。次に、このレジストパターンに従い、前記ITO膜6aをエッチングにより除去する。これにより、配線パターン6上にACFレジスト膜7が形成された状態になり、このレジストは剥離する必要がない。このため、製造工程が簡略化される。
【選択図】 図3
【解決手段】ITO膜6aを下ガラス基板2上に形成し、感光性樹脂からなるACFレジスト膜7をITO膜6aに対してレジストし、ACFレジスト膜7を所定のマスクを用いて露光・現像する。次に、このレジストパターンに従い、前記ITO膜6aをエッチングにより除去する。これにより、配線パターン6上にACFレジスト膜7が形成された状態になり、このレジストは剥離する必要がない。このため、製造工程が簡略化される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、製造工程を簡略化できる配線パターン形成方法、基板および異方導電性レジスト材、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の液晶表示パネルにおけるドライバICの実装形態の一例を示す説明図である。従来の液晶表示パネル500において、ガラス基板501の実装領域にドライバIC502をCOG(Chip On Glass)実装する場合、ガラス基板501とドライバIC502との間にACF(異方導電性フィルム:Anisotoropic Conductive Film)503を介在させ、圧着加熱するようにしている。ACF503は、絶縁性のエポキシ系熱硬化型樹脂の内部に2μm程度の多数の金属粒子506を混入した構成であり、このACF503を圧着することで前記金属粒子同士が接触し、ガラス基板501の配線パターン504とドライバIC502のバンプ505との間で電気的な導通が図られる。
【0003】
図12は、ガラス基板上に形成した配線パターン形成方法を示すフローチャートである。配線パターン504は、透明なITO(Indium Thin Oxide)膜により構成される。まずITO膜を蒸着したガラス基板501を洗浄し(ステップS1)、その後、ITO膜の表面にレジストをスピンコートにより塗布する(ステップS2)。続いて、このレジストを高温加熱して硬化させると共に(ステップS3)、所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外光を照射することで露光を行なう(ステップS4)。これにより、紫外線の照射された部分のみが軟化し、それ以外は硬いままとなる。この軟化したレジストは、現像液により除去される(ステップS5)。
【0004】
次に、現像後のガラス基板501を再び高温で焼き(ステップS6)、ウエットエッチングまたはドライエッチング工程にてレジストされていない部分のITO膜を除去する(ステップS7)。そして、エッチング後のレジストは剥離液によって除去され(ステップS8)、この結果、ガラス基板501上に所定のITO膜からなる配線パターン504が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶表示パネル500では、ガラス基板501上の配線パターン504を形成する工程を経て、当該ガラス基板501とドライバIC502との間にACF503を介在させて圧着するようにしているので、製造工程が複雑になるという問題点がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造工程を簡略化できる配線パターン形成方法、基板および異方導電性レジスト材、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による配線パターン形成方法は、導電膜を基板に形成する工程と、導電性粒子が混入された絶縁膜を、前記導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記導電膜の部分をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記工程により形成した絶縁膜のパターンは、導電性粒子が混入し且つ導電膜上に形成されることになるので、例えば通常の配線パターン上に異方導電性膜を貼り付けたものと同じ機能を備えることになる。そして、この発明では、絶縁膜自体が導電膜をエッチングする際のレジストとなっているので、前記非形成領域の導電膜をエッチングした後に当該レジスト(絶縁膜)を除去する必要がなく、製造工程を簡略化できる。前記基板は、例えば液晶表示パネルの下ガラス基板や、電子部品をACF接続するプリント基板等が該当する。
【0009】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、第1の導電膜を基板に形成する工程と、前記第1の導電膜上に前記第1の導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電性膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記第2の導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第1の導電膜の部分および前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記工程で形成したパターンは、第1の導電膜の上にシート抵抗値の低い第2の導電膜を形成した状態となり、これら第1及び第2の導電膜はいずれもエッチングの際に絶縁膜で形成したレジストにより所定パターンに形成される。また、このレジスト膜として作用する絶縁膜は、第1及び第2の導電膜上に同パターンに積層されることになるが、除去の必要がない。このため、製造工程を簡略化できると共に当該絶縁膜を介して接続される電子部品と導電膜との間の接触抵抗が改善される。
【0011】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、前記絶縁膜は感光性を有し、前記絶縁膜は選択的に露光された後に現像されることによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする。
【0012】
絶縁膜を感光性の材料により構成し、選択的に露光し現像することで当該絶縁膜を所定パターンに形成するようにすれば、複雑で微細なパターンを容易に形成できる。
【0013】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、前記絶縁膜は液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする。
【0014】
この方法は、絶縁膜を簡単なパターンに形成する場合に特に有用である。即ち、露光、現像工程等が不要であるため、生産性が良くなる。例えば絶縁膜形成材料を吐出するものとしては、インクジェット装置が好適である。
【0015】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、電子部品を実装する領域にレジストを設け、当該実装領域以外の前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の導電パターン形成方法。
【0016】
このように、絶縁膜が邪魔な場合、例えば前記実装領域以外は電子部品を導電膜のパターンに半田付けするとき等、実装領域をレジストして絶縁膜を当該実装領域のみ残し、他は除去できる。
【0017】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、電子部品を実装する領域以外を、絶縁膜剥離液に浸漬し、当該領域以外の部分に形成された前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
即ち、この発明では、レジスト剥離液に、絶縁膜が必要ない部分を浸漬することで、当該部分の絶縁膜を選択的に除去できる。これにより、別途、レジストを形成し除去する工程が不要になるので、製造工程をより簡略化できる。
【0019】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、基板上に第1の導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記基板上及び前記配線パターン上にレジストを部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
このようにすれば、基板の一部(例えば端部)の配線パターン上に別の導電膜(金メッキなど)、絶縁膜を形成できる。これにより、当該基板の一部にて接続を行なうことができる。
【0021】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、前記レジストに、配線パターンを露出する開口部を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0022】
開口部の形成は、最後にレジスト上に別のレジストを設けて、剥離液により除去するようにしても良いし、絶縁膜に開口部を抜いたマスクを設け、当該ぜっつ円膜の形成、除去工程において除去するようにしても良い。このようにして配線パターンを露出しておけば、電子部品を半田付けできる。
【0023】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、基板上に導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記配線パターンが露出する開口部を有するレジストを前記基板上及び前記配線パターン上に部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、開口部に露出する配線パターンの導電膜上に別の導電膜、および絶縁膜を形成できる。このため、開口部に加圧導電に適した電子部品を実装できる。
【0025】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、基板上に、所定のパターンに形成された導電膜と、前記導電膜上に略同一の形状にて積層され、且つ導電粒子を含む絶縁膜とを備えてことを特徴とする。
【0026】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、上記構成において、更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電膜が介在することを特徴とする。
【0027】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、上記構成において、更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜を保護するための第2の導電膜が介在することを特徴とする。
【0028】
つぎの発明による電気光学装置は、上記の導電パターン形成基板と、前記基板に支持される電気光学物質を備えることを特徴とする。つぎの発明による電子機器は、上記の導電パターン形成基板を用いて接続を行なうことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、当業者により置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示パネルを示す側面図である。図2は、図1に示した液晶表示パネルの平面図である。この液晶表示パネル100は、上ガラス基板1と下ガラス基板2との間に液晶3を封入し、下ガラス基板2にドライバIC4の実装領域5を有する。実装領域5には、ITO膜からなる配線パターン6が形成されており、この配線パターン6上には当該配線パターン6と同じパターンを有するACFレジスト膜7が形成されている。このACFレジスト膜7は、熱硬化性および感光性の樹脂材に多数のNiや半田等の金属粒子を混入したものであり、通常のACFにレジスト機能を加えたものである。ACFレジスト膜7の上には、ドライバIC4が載せられ、ACFレジスト膜7による圧着でドライバIC4のバンプ8と配線パターン6とが電気的に導通する。
【0031】
ACFレジスト膜の例としては、2μm程度のNiの微粒子を熱硬化型のエポキシ樹脂に混入したものを挙げることができる。レジスト材として用いるから、実際は液状のエポキシ樹脂にNi微粒子が混入したものとなる。
【0032】
次に、この液晶表示パネル100の製造過程を説明する。図3は、液晶表示パネルの製造過程を示す説明図である。まず下ガラス基板2上にITO膜6aを蒸着し、洗浄した後、スピンコート法によりACFレジスト膜7を塗布する(同図(a))。続いてプリベーク工程を経て、ACFレジスト膜7を所定のパターンのマスクにより露光する。そして、現像液により軟化したACFレジスト膜7を除去し(同図(b))、高温で加熱する。続いて、エッチングにより露出したITO膜6aを除去し(同図(c),(c−2))、所定の配線パターン6を得る。次に、ドライバIC4の実装領域5にレジスト9を施し(同図(d),(d−2))、表示領域10のACFレジスト膜7を除去し(同図(e))、その後、当該レジスト9を取り除く(同図(f))。これにより、ドライバIC4の実装領域5の配線パターン6上にACFレジスト膜7が積層された状態になる。続いて、配線パターン6上にACFレジスト膜7を積層した状態で、この上にドライバIC4を載せて加圧しながら加熱する。これにより、ACFレジスト膜7が軟化して金属粒子同士が接触し、引き続き加熱することでACFレジスト膜7が硬化し、ドライバIC4が下ガラス基板2に圧着される。ドライバIC4のバンプ8と下ガラス基板2の配線パターン6とは、ACFレジスト膜7により電気的に導通する。
【0033】
以上の液晶表示パネル100によれば、ACFをレジストとして用い、そのまま配線パターン6上に残して用いるため、ACFを配線パターン6上に別体として貼り付ける工程が不要であるため、液晶表示パネル100の製造が容易になる。また、ACFレジスト膜7を一部剥離させる場合、下ガラス基板2の表示領域10のみをレジスト剥離液に浸漬し(同図(g))、選択的にレジスト剥離を行なうようにすれば、上記のように剥離工程で更にレジスト9を設け且つ除去する必要がない。このようにすれば、更に製造工程を簡略化できる。更に、この液晶表示パネル100では、従来のようにACFをべたで用いることなく、配線パターン6上に当該配線パターン6と同じ形状を以って上下導通が図られている。即ち、隣接する導通部分の間にはACF(金属粒子)が存在しないので、この間で金属粒子同士が接触し難くなり、それ故に隣接する配線パターン6同士が短絡し難くなる。このため、配線パターン6のピッチを狭くすることができる。
【0034】
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に係る液晶表示パネルを示す側面図である。この液晶表示パネル200は、上記実施の形態1の液晶表示パネル100と略同一の構成であるが、ITO膜6aとACFレジスト膜7との間に金や錫等からなる金属膜201を設けた点が異なる。その他の構成は実施の形態1の液晶表示パネル100と同様であるから、その説明を省略する。
【0035】
図5は、この液晶表示パネルの製造工程を示す説明図である。上記同様に、下ガラス基板2上に、ITO膜6a、金属膜201を形成し、その上にACFレジスト膜7を形成する(同図(a))。次に、このACFレジスト膜7を所定のマスクにより露光し、パターン化する(同図(b))。次に、ACFレジスト膜7により露出した金属膜201をエッチングにより除去し(同図(c))、引き続きACFレジスト膜7により露出したITO膜6aをエッチングにより除去する(同図(d))。これにより、ITO膜6aの配線パターン6上に金属膜201およびACFレジスト膜7が形成される。表示領域10のACFレジスト膜7は、上記同様にドライバIC4の実装領域5に更にレジスト9を設け、ウエット剥離或いはドライ剥離により除去される。また、実装領域5にレジスト9を設けることなく、ガラス基板2の表示領域10のみを剥離液に浸漬して除去するようにしても良い。続いて、ACFレジスト膜7の上にドライバIC4を載せて加圧しながら加熱すると、ACFレジスト膜7が軟化して金属粒子同士が接触すると共に、温度上昇によりACFレジスト膜7が硬化し、ドライバIC4が下ガラス基板2に圧着される。ドライバIC4のバンプ8と下ガラス基板2の配線パターン6とは、ACFレジスト膜7により電気的に導通する。
【0036】
以上の液晶表示パネル200によれば、ITO膜6aとACFレジスト膜7との間に金属膜201を設けることで接触抵抗の低減を図ることがあるが、そのような構成でも、ACFをレジストとして用い、そのまま配線パターン6上に残して用いるため、ACFを配線パターン6上に別体として貼り付ける工程が不要である。このため、液晶表示パネル200の製造が容易になる。また、ACFレジスト膜7を一部剥離させる場合、下ガラス基板2の表示領域10のみをレジスト剥離液に浸漬し、選択的にレジスト剥離を行なうようにすれば、上記のように剥離工程で更にレジスト9を設け且つ除去する必要がない。このようにすれば、更に製造工程を簡略化できる。
【0037】
なお、上記実施の形態2では、ITO膜6aの上に金属膜201を形成しているが、反対に金属膜201を下ガラス基板2上に形成し、この上にITO膜6aを形成するようにしても良い。
【0038】
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3に係るFPC(Flexible Printed Circuit)を示す断面図である。図7は、図6に示したFPCの平面図である。このFPC300は、フィルム301の全面に銅箔からなる配線パターン302を有し、その配線パターン302の両端を残してソルダーレジスト膜303によりレジストし、当該両端の配線パターン302の上に金メッキ304、ACFレジスト膜305を積層した構成である。
【0039】
図8は、このFPCの製造工程を示す説明図である。まず配線パターン302が形成されたフィルム301の上面に両端を残してソルダーレジスト膜303を形成する(同図(a))。ソルダーレジスト膜303は、塗布によって形成できる。次に、フィルム301の両端に金メッキ304を施す(同図(b))。金メッキ304は、無電解メッキ工程により行い、フィルム301の両端に略同時にメッキ層を形成するには、図9に例示するように、フィルム301を湾曲させてメッキ槽350に浸漬させるのが好ましい。このようにすれば、全面に金メッキ304を施す必要がないので、経済的である。
【0040】
続いて、フィルム301の上面にACFレジスト膜305を塗布する(同図(c))。この場合、全面に塗布しても良いし、図示しないが金メッキ304の上面にのみ塗布しても良い。次に、所定のマスクパターンにより露光し、ACFレジスト膜305を配線パターン302に対応させて残す(同図(d),(e))。そして、エッチングにより露出している金メッキ304を除去する。これにより、配線パターン302上に、金メッキ304、ACFレジスト膜305が積層された状態となる(同図(f))。
【0041】
このようにして製造したFPC300は、両端部で回路基板同士を接続できる。具体的には、液晶表示パネルの電極パターンと、プリント板(PCB)の電極パターンとの間に渡し、それぞれの電極パターンにACF接続することで両者を接続できる。また、この実施の形態3では、FPC300の両端にACFレジスト膜305を形成したが、一端のみにACFレジスト膜305を形成しても良い(図示省略)。その際の他端は、ソルダーレジスト膜303を除去して銅箔の配線パターン302を接続対象に半田付けすることになる。
【0042】
また、図10に示すように、ソルダーレジスト膜303にドライバIC等の電子部品を実装するための開口部310を設けても良い。ソルダーレジスト膜303を除去した開口部310には、電子部品と接続する配線パターン311が露出する。この配線パターン311に、電子部品を半田付けする。また、この開口部310に露出する配線パターン311上にACFレジスト膜を形成しても良い。このACFレジスト膜は、図8に示したフィルム301の上面に形成され、配線パターン311の形状をしたマスクにより露光すれば、当該配線パターン311上にACFレジスト膜が残る。この場合は、ICチップ等のACF接続部品の実装に好適である。
【0043】
なお、上記実施の形態1〜3では、ACFレジスト膜を感光性樹脂で形成し、露光および現像の工程を経て所定のパターンを形成するようにしたが、ACFレジスト膜のパターン形成方法はこれに限定されない。例えば液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することにより、直に所定パターンを形成するようにしても良い。そのような場合は、公知のインクジェットプリンターを用い、インクの代わりに当該ACFレジスト材を吐出するのが好ましい。また、ディスペンサーヘッドを所定パターンに沿って移動させ、ACFレジスト材を塗布するようにしても良い(図示省略)。
【0044】
また、上記液晶表示パネル100を用いて電子機器を構成すれば、その製造工程を簡略化できる。また、上記FPC300を用いて電子機器を構成しても、製造工程を簡略化できる。電子機器には、液晶テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、プロジェクター等が含まれる。
【0045】
また、電気光学装置としては、有機エレクロトルミネッセンス装置、無機エレクロトルミネッセンス装置、電気泳動ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、電界放出ディスプレイ装置(フィールドエミッションディスプレイ装置)、LED表示装置(ライトエミッティングダイオードディスプレイ装置)等にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の配線パターン形成方法では、導電膜を基板に形成する工程と、導電性粒子が混入された絶縁膜を、前記導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記導電膜の部分をエッチングする工程とを含む。また、この発明の導電パターン形成基板では、基板上に、所定のパターンに形成された導電膜と、前記導電膜上に略同一の形状にて積層され、且つ導電粒子を含む絶縁膜とを備えている。このため、製造工程を簡略化できる。
【0047】
また、この発明の配線パターン形成方法では、第1の導電膜を基板に形成する工程と、前記第1の導電膜上に前記第1の導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電性膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記第2の導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第1の導電膜の部分および前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングする工程とを含む。また、この発明の導電パターン形成基板では、導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電膜が介在させている。このため、製造工程を簡略化できると共に当該絶縁膜を介して接続される電子部品と導電膜との間の接触抵抗が改善される。
【0048】
また、この発明の配線パターン形成方法では、上記絶縁膜が感光性を有し、当該絶縁膜が選択的に露光された後に現像されることによって所定のパターンに形成されるので、複雑で微細なパターンを容易に形成できる。
【0049】
また、この発明の配線パターン形成方法では、上記絶縁膜は液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することによって所定のパターンに形成されているので、露光、現像工程等が不要で、生産性が良い。
【0050】
また、この発明の配線パターン形成方法では、電子部品を実装する領域にレジストを設け、当該実装領域以外の前記絶縁膜を除去する工程を含むので、必要部分に絶縁膜を残すことができる。
【0051】
また、この発明の配線パターン形成方法では、電子部品を実装する領域以外を、絶縁膜剥離液に浸漬し、当該領域以外の部分に形成された前記絶縁膜を除去する工程を含むので、簡単な工程で特定部分の異方導電性レジスト膜を除去できる。
【0052】
また、この発明の配線パターン形成方法では、基板上に第1の導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記基板上及び前記配線パターン上にレジストを部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むので、配線パターンの形成工程を簡略化できる。
【0053】
また、この発明の配線パターン形成方法では、更に、前記レジストに、配線パターンを露出する開口部を形成する工程を含むので、半田付け電子部品を実装できる。
【0054】
また、この発明の配線パターン形成方法では、基板上に導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記配線パターンが露出する開口部を有するレジストを前記基板上及び前記配線パターン上に部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むので、開口部に加圧導電に適した電子部品を実装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示パネルを示す側面図である。
【図2】図1に示した液晶表示パネルの平面図である。
【図3】液晶表示パネルの製造過程を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る液晶表示パネルを示す側面図である。
【図5】液晶表示パネルの製造工程を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るFPCを示す断面図である。
【図7】図6に示したFPCの平面図である。
【図8】FPCの製造工程を示す説明図である。
【図9】金メッキの形成手法を示す説明図である。
【図10】図6のFPCの変形例を示す平面図である。
【図11】従来の液晶表示パネルにおけるドライバICの実装形態の一例を示す説明図である。
【図12】ガラス基板上に形成した配線パターン形成方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 液晶表示パネル
1 上ガラス基板
2 下ガラス基板
3 液晶
4 ドライバIC
5 実装領域
6 配線パターン
7 ACFレジスト膜
8 バンプ
【発明の属する技術分野】
この発明は、製造工程を簡略化できる配線パターン形成方法、基板および異方導電性レジスト材、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の液晶表示パネルにおけるドライバICの実装形態の一例を示す説明図である。従来の液晶表示パネル500において、ガラス基板501の実装領域にドライバIC502をCOG(Chip On Glass)実装する場合、ガラス基板501とドライバIC502との間にACF(異方導電性フィルム:Anisotoropic Conductive Film)503を介在させ、圧着加熱するようにしている。ACF503は、絶縁性のエポキシ系熱硬化型樹脂の内部に2μm程度の多数の金属粒子506を混入した構成であり、このACF503を圧着することで前記金属粒子同士が接触し、ガラス基板501の配線パターン504とドライバIC502のバンプ505との間で電気的な導通が図られる。
【0003】
図12は、ガラス基板上に形成した配線パターン形成方法を示すフローチャートである。配線パターン504は、透明なITO(Indium Thin Oxide)膜により構成される。まずITO膜を蒸着したガラス基板501を洗浄し(ステップS1)、その後、ITO膜の表面にレジストをスピンコートにより塗布する(ステップS2)。続いて、このレジストを高温加熱して硬化させると共に(ステップS3)、所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外光を照射することで露光を行なう(ステップS4)。これにより、紫外線の照射された部分のみが軟化し、それ以外は硬いままとなる。この軟化したレジストは、現像液により除去される(ステップS5)。
【0004】
次に、現像後のガラス基板501を再び高温で焼き(ステップS6)、ウエットエッチングまたはドライエッチング工程にてレジストされていない部分のITO膜を除去する(ステップS7)。そして、エッチング後のレジストは剥離液によって除去され(ステップS8)、この結果、ガラス基板501上に所定のITO膜からなる配線パターン504が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶表示パネル500では、ガラス基板501上の配線パターン504を形成する工程を経て、当該ガラス基板501とドライバIC502との間にACF503を介在させて圧着するようにしているので、製造工程が複雑になるという問題点がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造工程を簡略化できる配線パターン形成方法、基板および異方導電性レジスト材、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による配線パターン形成方法は、導電膜を基板に形成する工程と、導電性粒子が混入された絶縁膜を、前記導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記導電膜の部分をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記工程により形成した絶縁膜のパターンは、導電性粒子が混入し且つ導電膜上に形成されることになるので、例えば通常の配線パターン上に異方導電性膜を貼り付けたものと同じ機能を備えることになる。そして、この発明では、絶縁膜自体が導電膜をエッチングする際のレジストとなっているので、前記非形成領域の導電膜をエッチングした後に当該レジスト(絶縁膜)を除去する必要がなく、製造工程を簡略化できる。前記基板は、例えば液晶表示パネルの下ガラス基板や、電子部品をACF接続するプリント基板等が該当する。
【0009】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、第1の導電膜を基板に形成する工程と、前記第1の導電膜上に前記第1の導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電性膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記第2の導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第1の導電膜の部分および前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記工程で形成したパターンは、第1の導電膜の上にシート抵抗値の低い第2の導電膜を形成した状態となり、これら第1及び第2の導電膜はいずれもエッチングの際に絶縁膜で形成したレジストにより所定パターンに形成される。また、このレジスト膜として作用する絶縁膜は、第1及び第2の導電膜上に同パターンに積層されることになるが、除去の必要がない。このため、製造工程を簡略化できると共に当該絶縁膜を介して接続される電子部品と導電膜との間の接触抵抗が改善される。
【0011】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、前記絶縁膜は感光性を有し、前記絶縁膜は選択的に露光された後に現像されることによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする。
【0012】
絶縁膜を感光性の材料により構成し、選択的に露光し現像することで当該絶縁膜を所定パターンに形成するようにすれば、複雑で微細なパターンを容易に形成できる。
【0013】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、前記絶縁膜は液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする。
【0014】
この方法は、絶縁膜を簡単なパターンに形成する場合に特に有用である。即ち、露光、現像工程等が不要であるため、生産性が良くなる。例えば絶縁膜形成材料を吐出するものとしては、インクジェット装置が好適である。
【0015】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、電子部品を実装する領域にレジストを設け、当該実装領域以外の前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の導電パターン形成方法。
【0016】
このように、絶縁膜が邪魔な場合、例えば前記実装領域以外は電子部品を導電膜のパターンに半田付けするとき等、実装領域をレジストして絶縁膜を当該実装領域のみ残し、他は除去できる。
【0017】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、電子部品を実装する領域以外を、絶縁膜剥離液に浸漬し、当該領域以外の部分に形成された前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
即ち、この発明では、レジスト剥離液に、絶縁膜が必要ない部分を浸漬することで、当該部分の絶縁膜を選択的に除去できる。これにより、別途、レジストを形成し除去する工程が不要になるので、製造工程をより簡略化できる。
【0019】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、基板上に第1の導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記基板上及び前記配線パターン上にレジストを部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
このようにすれば、基板の一部(例えば端部)の配線パターン上に別の導電膜(金メッキなど)、絶縁膜を形成できる。これにより、当該基板の一部にて接続を行なうことができる。
【0021】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、更に、前記レジストに、配線パターンを露出する開口部を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0022】
開口部の形成は、最後にレジスト上に別のレジストを設けて、剥離液により除去するようにしても良いし、絶縁膜に開口部を抜いたマスクを設け、当該ぜっつ円膜の形成、除去工程において除去するようにしても良い。このようにして配線パターンを露出しておけば、電子部品を半田付けできる。
【0023】
つぎの発明による配線パターン形成方法は、上記構成において、基板上に導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記配線パターンが露出する開口部を有するレジストを前記基板上及び前記配線パターン上に部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、開口部に露出する配線パターンの導電膜上に別の導電膜、および絶縁膜を形成できる。このため、開口部に加圧導電に適した電子部品を実装できる。
【0025】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、基板上に、所定のパターンに形成された導電膜と、前記導電膜上に略同一の形状にて積層され、且つ導電粒子を含む絶縁膜とを備えてことを特徴とする。
【0026】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、上記構成において、更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電膜が介在することを特徴とする。
【0027】
つぎの発明による導電パターン形成基板は、上記構成において、更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜を保護するための第2の導電膜が介在することを特徴とする。
【0028】
つぎの発明による電気光学装置は、上記の導電パターン形成基板と、前記基板に支持される電気光学物質を備えることを特徴とする。つぎの発明による電子機器は、上記の導電パターン形成基板を用いて接続を行なうことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、当業者により置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示パネルを示す側面図である。図2は、図1に示した液晶表示パネルの平面図である。この液晶表示パネル100は、上ガラス基板1と下ガラス基板2との間に液晶3を封入し、下ガラス基板2にドライバIC4の実装領域5を有する。実装領域5には、ITO膜からなる配線パターン6が形成されており、この配線パターン6上には当該配線パターン6と同じパターンを有するACFレジスト膜7が形成されている。このACFレジスト膜7は、熱硬化性および感光性の樹脂材に多数のNiや半田等の金属粒子を混入したものであり、通常のACFにレジスト機能を加えたものである。ACFレジスト膜7の上には、ドライバIC4が載せられ、ACFレジスト膜7による圧着でドライバIC4のバンプ8と配線パターン6とが電気的に導通する。
【0031】
ACFレジスト膜の例としては、2μm程度のNiの微粒子を熱硬化型のエポキシ樹脂に混入したものを挙げることができる。レジスト材として用いるから、実際は液状のエポキシ樹脂にNi微粒子が混入したものとなる。
【0032】
次に、この液晶表示パネル100の製造過程を説明する。図3は、液晶表示パネルの製造過程を示す説明図である。まず下ガラス基板2上にITO膜6aを蒸着し、洗浄した後、スピンコート法によりACFレジスト膜7を塗布する(同図(a))。続いてプリベーク工程を経て、ACFレジスト膜7を所定のパターンのマスクにより露光する。そして、現像液により軟化したACFレジスト膜7を除去し(同図(b))、高温で加熱する。続いて、エッチングにより露出したITO膜6aを除去し(同図(c),(c−2))、所定の配線パターン6を得る。次に、ドライバIC4の実装領域5にレジスト9を施し(同図(d),(d−2))、表示領域10のACFレジスト膜7を除去し(同図(e))、その後、当該レジスト9を取り除く(同図(f))。これにより、ドライバIC4の実装領域5の配線パターン6上にACFレジスト膜7が積層された状態になる。続いて、配線パターン6上にACFレジスト膜7を積層した状態で、この上にドライバIC4を載せて加圧しながら加熱する。これにより、ACFレジスト膜7が軟化して金属粒子同士が接触し、引き続き加熱することでACFレジスト膜7が硬化し、ドライバIC4が下ガラス基板2に圧着される。ドライバIC4のバンプ8と下ガラス基板2の配線パターン6とは、ACFレジスト膜7により電気的に導通する。
【0033】
以上の液晶表示パネル100によれば、ACFをレジストとして用い、そのまま配線パターン6上に残して用いるため、ACFを配線パターン6上に別体として貼り付ける工程が不要であるため、液晶表示パネル100の製造が容易になる。また、ACFレジスト膜7を一部剥離させる場合、下ガラス基板2の表示領域10のみをレジスト剥離液に浸漬し(同図(g))、選択的にレジスト剥離を行なうようにすれば、上記のように剥離工程で更にレジスト9を設け且つ除去する必要がない。このようにすれば、更に製造工程を簡略化できる。更に、この液晶表示パネル100では、従来のようにACFをべたで用いることなく、配線パターン6上に当該配線パターン6と同じ形状を以って上下導通が図られている。即ち、隣接する導通部分の間にはACF(金属粒子)が存在しないので、この間で金属粒子同士が接触し難くなり、それ故に隣接する配線パターン6同士が短絡し難くなる。このため、配線パターン6のピッチを狭くすることができる。
【0034】
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に係る液晶表示パネルを示す側面図である。この液晶表示パネル200は、上記実施の形態1の液晶表示パネル100と略同一の構成であるが、ITO膜6aとACFレジスト膜7との間に金や錫等からなる金属膜201を設けた点が異なる。その他の構成は実施の形態1の液晶表示パネル100と同様であるから、その説明を省略する。
【0035】
図5は、この液晶表示パネルの製造工程を示す説明図である。上記同様に、下ガラス基板2上に、ITO膜6a、金属膜201を形成し、その上にACFレジスト膜7を形成する(同図(a))。次に、このACFレジスト膜7を所定のマスクにより露光し、パターン化する(同図(b))。次に、ACFレジスト膜7により露出した金属膜201をエッチングにより除去し(同図(c))、引き続きACFレジスト膜7により露出したITO膜6aをエッチングにより除去する(同図(d))。これにより、ITO膜6aの配線パターン6上に金属膜201およびACFレジスト膜7が形成される。表示領域10のACFレジスト膜7は、上記同様にドライバIC4の実装領域5に更にレジスト9を設け、ウエット剥離或いはドライ剥離により除去される。また、実装領域5にレジスト9を設けることなく、ガラス基板2の表示領域10のみを剥離液に浸漬して除去するようにしても良い。続いて、ACFレジスト膜7の上にドライバIC4を載せて加圧しながら加熱すると、ACFレジスト膜7が軟化して金属粒子同士が接触すると共に、温度上昇によりACFレジスト膜7が硬化し、ドライバIC4が下ガラス基板2に圧着される。ドライバIC4のバンプ8と下ガラス基板2の配線パターン6とは、ACFレジスト膜7により電気的に導通する。
【0036】
以上の液晶表示パネル200によれば、ITO膜6aとACFレジスト膜7との間に金属膜201を設けることで接触抵抗の低減を図ることがあるが、そのような構成でも、ACFをレジストとして用い、そのまま配線パターン6上に残して用いるため、ACFを配線パターン6上に別体として貼り付ける工程が不要である。このため、液晶表示パネル200の製造が容易になる。また、ACFレジスト膜7を一部剥離させる場合、下ガラス基板2の表示領域10のみをレジスト剥離液に浸漬し、選択的にレジスト剥離を行なうようにすれば、上記のように剥離工程で更にレジスト9を設け且つ除去する必要がない。このようにすれば、更に製造工程を簡略化できる。
【0037】
なお、上記実施の形態2では、ITO膜6aの上に金属膜201を形成しているが、反対に金属膜201を下ガラス基板2上に形成し、この上にITO膜6aを形成するようにしても良い。
【0038】
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3に係るFPC(Flexible Printed Circuit)を示す断面図である。図7は、図6に示したFPCの平面図である。このFPC300は、フィルム301の全面に銅箔からなる配線パターン302を有し、その配線パターン302の両端を残してソルダーレジスト膜303によりレジストし、当該両端の配線パターン302の上に金メッキ304、ACFレジスト膜305を積層した構成である。
【0039】
図8は、このFPCの製造工程を示す説明図である。まず配線パターン302が形成されたフィルム301の上面に両端を残してソルダーレジスト膜303を形成する(同図(a))。ソルダーレジスト膜303は、塗布によって形成できる。次に、フィルム301の両端に金メッキ304を施す(同図(b))。金メッキ304は、無電解メッキ工程により行い、フィルム301の両端に略同時にメッキ層を形成するには、図9に例示するように、フィルム301を湾曲させてメッキ槽350に浸漬させるのが好ましい。このようにすれば、全面に金メッキ304を施す必要がないので、経済的である。
【0040】
続いて、フィルム301の上面にACFレジスト膜305を塗布する(同図(c))。この場合、全面に塗布しても良いし、図示しないが金メッキ304の上面にのみ塗布しても良い。次に、所定のマスクパターンにより露光し、ACFレジスト膜305を配線パターン302に対応させて残す(同図(d),(e))。そして、エッチングにより露出している金メッキ304を除去する。これにより、配線パターン302上に、金メッキ304、ACFレジスト膜305が積層された状態となる(同図(f))。
【0041】
このようにして製造したFPC300は、両端部で回路基板同士を接続できる。具体的には、液晶表示パネルの電極パターンと、プリント板(PCB)の電極パターンとの間に渡し、それぞれの電極パターンにACF接続することで両者を接続できる。また、この実施の形態3では、FPC300の両端にACFレジスト膜305を形成したが、一端のみにACFレジスト膜305を形成しても良い(図示省略)。その際の他端は、ソルダーレジスト膜303を除去して銅箔の配線パターン302を接続対象に半田付けすることになる。
【0042】
また、図10に示すように、ソルダーレジスト膜303にドライバIC等の電子部品を実装するための開口部310を設けても良い。ソルダーレジスト膜303を除去した開口部310には、電子部品と接続する配線パターン311が露出する。この配線パターン311に、電子部品を半田付けする。また、この開口部310に露出する配線パターン311上にACFレジスト膜を形成しても良い。このACFレジスト膜は、図8に示したフィルム301の上面に形成され、配線パターン311の形状をしたマスクにより露光すれば、当該配線パターン311上にACFレジスト膜が残る。この場合は、ICチップ等のACF接続部品の実装に好適である。
【0043】
なお、上記実施の形態1〜3では、ACFレジスト膜を感光性樹脂で形成し、露光および現像の工程を経て所定のパターンを形成するようにしたが、ACFレジスト膜のパターン形成方法はこれに限定されない。例えば液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することにより、直に所定パターンを形成するようにしても良い。そのような場合は、公知のインクジェットプリンターを用い、インクの代わりに当該ACFレジスト材を吐出するのが好ましい。また、ディスペンサーヘッドを所定パターンに沿って移動させ、ACFレジスト材を塗布するようにしても良い(図示省略)。
【0044】
また、上記液晶表示パネル100を用いて電子機器を構成すれば、その製造工程を簡略化できる。また、上記FPC300を用いて電子機器を構成しても、製造工程を簡略化できる。電子機器には、液晶テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、プロジェクター等が含まれる。
【0045】
また、電気光学装置としては、有機エレクロトルミネッセンス装置、無機エレクロトルミネッセンス装置、電気泳動ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、電界放出ディスプレイ装置(フィールドエミッションディスプレイ装置)、LED表示装置(ライトエミッティングダイオードディスプレイ装置)等にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の配線パターン形成方法では、導電膜を基板に形成する工程と、導電性粒子が混入された絶縁膜を、前記導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記導電膜の部分をエッチングする工程とを含む。また、この発明の導電パターン形成基板では、基板上に、所定のパターンに形成された導電膜と、前記導電膜上に略同一の形状にて積層され、且つ導電粒子を含む絶縁膜とを備えている。このため、製造工程を簡略化できる。
【0047】
また、この発明の配線パターン形成方法では、第1の導電膜を基板に形成する工程と、前記第1の導電膜上に前記第1の導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電性膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記第2の導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第1の導電膜の部分および前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングする工程とを含む。また、この発明の導電パターン形成基板では、導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電膜が介在させている。このため、製造工程を簡略化できると共に当該絶縁膜を介して接続される電子部品と導電膜との間の接触抵抗が改善される。
【0048】
また、この発明の配線パターン形成方法では、上記絶縁膜が感光性を有し、当該絶縁膜が選択的に露光された後に現像されることによって所定のパターンに形成されるので、複雑で微細なパターンを容易に形成できる。
【0049】
また、この発明の配線パターン形成方法では、上記絶縁膜は液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することによって所定のパターンに形成されているので、露光、現像工程等が不要で、生産性が良い。
【0050】
また、この発明の配線パターン形成方法では、電子部品を実装する領域にレジストを設け、当該実装領域以外の前記絶縁膜を除去する工程を含むので、必要部分に絶縁膜を残すことができる。
【0051】
また、この発明の配線パターン形成方法では、電子部品を実装する領域以外を、絶縁膜剥離液に浸漬し、当該領域以外の部分に形成された前記絶縁膜を除去する工程を含むので、簡単な工程で特定部分の異方導電性レジスト膜を除去できる。
【0052】
また、この発明の配線パターン形成方法では、基板上に第1の導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記基板上及び前記配線パターン上にレジストを部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むので、配線パターンの形成工程を簡略化できる。
【0053】
また、この発明の配線パターン形成方法では、更に、前記レジストに、配線パターンを露出する開口部を形成する工程を含むので、半田付け電子部品を実装できる。
【0054】
また、この発明の配線パターン形成方法では、基板上に導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、前記配線パターンが露出する開口部を有するレジストを前記基板上及び前記配線パターン上に部分的に形成する工程と、前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程とを含むので、開口部に加圧導電に適した電子部品を実装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示パネルを示す側面図である。
【図2】図1に示した液晶表示パネルの平面図である。
【図3】液晶表示パネルの製造過程を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る液晶表示パネルを示す側面図である。
【図5】液晶表示パネルの製造工程を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るFPCを示す断面図である。
【図7】図6に示したFPCの平面図である。
【図8】FPCの製造工程を示す説明図である。
【図9】金メッキの形成手法を示す説明図である。
【図10】図6のFPCの変形例を示す平面図である。
【図11】従来の液晶表示パネルにおけるドライバICの実装形態の一例を示す説明図である。
【図12】ガラス基板上に形成した配線パターン形成方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 液晶表示パネル
1 上ガラス基板
2 下ガラス基板
3 液晶
4 ドライバIC
5 実装領域
6 配線パターン
7 ACFレジスト膜
8 バンプ
Claims (14)
- 導電膜を基板に形成する工程と、
導電性粒子が混入された絶縁膜を、前記導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、
前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記導電膜の部分をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする導電パターン形成方法。 - 第1の導電膜を基板に形成する工程と、
前記第1の導電膜上に前記第1の導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電性膜を形成する工程と、
導電粒子が混入された絶縁膜を、前記第2の導電膜上に所定のパターンに形成する工程と、
前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第1の導電膜の部分および前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングする工程と、
を含むことを特徴とする導電パターン形成方法。 - 前記絶縁膜は感光性を有し、前記絶縁膜は選択的に露光された後に現像されることによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電パターン形成方法。
- 前記絶縁膜は液滴状の絶縁膜形成材料を吐出することによって所定のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電パターン形成方法。
- 更に、電子部品を実装する領域にレジストを設け、当該実装領域以外の前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の導電パターン形成方法。
- 更に、電子部品を実装する領域以外を、絶縁膜剥離液に浸漬し、当該領域以外の部分に形成された前記絶縁膜を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の導電パターン形成方法。
- 基板上に第1の導電膜を含む配線パターンを形成する工程と、
前記基板上及び前記配線パターン上にレジストを部分的に形成する工程と、
前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、
導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、
前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程と、
を含むことを特徴とする導電パターン形成方法。 - 更に、前記レジストに、配線パターンを露出する開口部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の配線パターン形成方法。
- 基板上に導電膜を含む導電パターンを形成する工程と、
前記配線パターンが露出する開口部を有するレジストを前記基板上及び前記配線パターン上に部分的に形成する工程と、
前記レジストの非形成領域に当該配線パターンを保護するための第2の導電膜を形成する工程と、
導電粒子が混入された絶縁膜を、前記配線パターンの形成領域に位置するように、前記第2の導電膜上に形成する工程と、
前記絶縁膜の非形成領域に位置する前記第2の導電膜の部分をエッチングにより除去する工程と、
を含むことを特徴とする導電パターン形成方法。 - 基板上に、所定のパターンに形成された導電膜と、前記導電膜上に略同一の形状にて積層され、且つ導電粒子を含む絶縁膜とを備えてことを特徴とする導電パターン形成基板。
- 更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜よりもシート抵抗値の低い第2の導電膜が介在することを特徴とする請求項10に記載の導電パターン形成基板。
- 更に、前記導電膜と前記絶縁膜との間に、前記導電膜を保護するための第2の導電膜が介在することを特徴とする請求項10に記載の導電パターン形成基板。
- 請求項10に記載の導電パターン形成基板と、前記基板に支持される電気光学物質を備えることを特徴とする電気光学装置。
- 上記請求項10〜12のいずれか一つに記載の基板を用いて接続を行なうことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002217910A JP2004063628A (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 導電パターン形成方法、導電パターン形成基板、電気光学装置、及び電子機器 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100414404C (zh) * | 2005-09-06 | 2008-08-27 | 群康科技(深圳)有限公司 | 电路元件连接结构及液晶显示面板 |
CN100414419C (zh) * | 2005-12-16 | 2008-08-27 | 群康科技(深圳)有限公司 | 驱动元件贴附方法及贴附设备 |
KR101285299B1 (ko) | 2011-06-07 | 2013-07-11 | 주식회사 에스에너지 | 후면전극형 태양전지 모듈 및 그 제조방법 |
WO2020003869A1 (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-02 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 基板実装方法及び電子部品実装基板 |
JP2020004939A (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-09 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 基板実装方法及び電子部品実装基板 |
-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002217910A patent/JP2004063628A/ja not_active Withdrawn
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