JP2004063611A - コンデンサ素子およびコンデンサ素子内蔵多層配線基板 - Google Patents
コンデンサ素子およびコンデンサ素子内蔵多層配線基板 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】コンデンサ素子内蔵多層配線基板において、コンデンサ素子の引き出し電極部と絶縁層に設けられた貫通導体との間で接続不良が発生する。
【解決手段】多数の電極層1およびセラミック誘電体層2を交互に積層して成り、多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部4を有するコンデンサ素子6であって、セラミック誘電体層2は、複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】多数の電極層1およびセラミック誘電体層2を交互に積層して成り、多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部4を有するコンデンサ素子6であって、セラミック誘電体層2は、複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種AV機器や家電機器・通信機器・コンピュータやその周辺機器等の電子機器に使用されるコンデンサ素子およびそれを内蔵したコンデンサ素子内蔵多層配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、配線基板はアルミナ等のセラミック材料から成る絶縁層あるいはガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料から成る絶縁層の内部および表面に複数の配線導体を形成し、上下に位置する配線導体間を絶縁層に形成した貫通導体を介して電気的に接続して成り、この配線基板の表面に半導体素子やコンデンサ・抵抗素子等の電子素子を搭載取着するとともにこれらの電極を各配線導体に接続することによって電子機器に使用される電子装置が形成されている。
【0003】
しかしながら、近年、電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量化が要求されてきており、このような電子機器に搭載される配線基板も小型・高密度化が要求されるようになってきている。また、近年、通信速度の高速化に伴い通信機器等の電子機器類は周波数が数100MHz以上の高周波領域で使用されるようになってきており、このような高周波領域での使用に対応するため、電子素子や配線基板の低インダクタンス化も要求されるようになってきている。
【0004】
このような要求に対応するために、本出願人は特願2001−333281号において、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成るとともに、これらの電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る引き出し電極部を有するコンデンサ素子を多層配線基板の内部に形成した空洞部に内蔵することを提案している。
【0005】
このようにコンデンサ素子を多層配線基板の内部に内蔵することにより、多層配線基板の表面に搭載される電子素子の数を減らすことができ、多層配線基板を小型化することができる。また、コンデンサ素子の電極層の直上に最短距離で引き出し電極部を形成することができるので、コンデンサ素子内部で電極を引き回す必要がないため、インダクタンス成分を小さくすることが可能となり、高周波領域においても電源ノイズの小さい電気特性に優れたものとすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなコンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する場合、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層の成分である樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだして貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部との間に浸入し、貫通導体と引き出し電極部との間で接続不良が生じてしまい、配線基板の導通信頼性が低下してしまうという問題点を有していた。
【0007】
また、空洞部にはみ出してくる樹脂を避けるために、コンデンサ素子の複数の引き出し電極部をコンデンサ素子の中央部に近接させて形成した場合、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出して近接する貫通導体や引き出し電極に接触し、貫通導体間で短絡してしまうという問題点を有していた。
【0008】
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、配線基板の貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極との導通信頼性に優れたコンデンサ素子およびこれを内蔵したコンデンサ素子内蔵多層配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のコンデンサ素子は、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、セラミック誘電体層は、複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んだ溝を有していることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第2のコンデンサ素子は、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、セラミック誘電体層は、複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んだ溝を有していることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板は、有機材料から成る複数の絶縁層を積層するとともにこれら絶縁層の表面に配線導体を形成し、絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体間を絶縁層に形成された貫通導体を介して電気的に接続して成り、上下の最外層に位置する配線導体の一部が外部電気回路と接続される接続パッドとされており、絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部の内部に本発明の第1または第2のコンデンサ素子を内蔵するとともに、このコンデンサ素子の上下両主面において引き出し電極部が貫通導体を介して接続パッドに電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第1のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝を有していることから、コンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層を構成する樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだしてきたとしても、空洞部にはみだしてきた樹脂は複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝によって貫通導体と引き出し電極部との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層の貫通導体と引き出し電極部とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0013】
本発明の第2のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝を有していることから、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝によって近接する貫通導体と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0014】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板によれば、上記の本発明の第または第2のコンデンサ素子を多層配線基板内部に埋設していることから、コンデンサ素子の引き出し電極部と貫通導体との間に絶縁層の樹脂が流れ込んで断線を生じたり、近接する貫通導体間や引き出し電極間で短絡したりすることのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明のコンデンサ素子およびコンデンサ素子内蔵多層配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1に示す第1のコンデンサ素子の平面図である。また、図3は、本発明の第2のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す平面図である。さらに、図4は、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、この図では、第1のコンデンサ素子を1個内蔵した場合の例を示している。
【0016】
これらの図において、1は電極層、2はセラミック誘電体層、3は貫通孔、4は引き出し電極部、5aは複数の引き出し電極部4を取り囲んだ溝、5bは個々の引き出し電極部4を取り囲んだ溝であり、電極層1、セラミック誘電体層2、貫通孔3、引き出し電極部4および溝5aで本発明の第1のコンデンサ素子6aが構成され、電極層1、セラミック誘電体層2、貫通孔3、引き出し電極部4および溝5bで本発明の第2のコンデンサ素子6bが構成される。
【0017】
また、7は絶縁層、8は配線導体、9は貫通穴、9aは貫通導体、10は外部電気回路と接続される接続パッドで、主にこれらと第1のコンデンサ素子6aまたは第2のコンデンサ素子6bとで、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12が構成されている。
【0018】
なお、図1に示す第1のコンデンサ素子6aは、セラミック誘電体層2を7層積層することにより構成されている。また、本例のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12は、絶縁層7を4層積層することにより構成されているとともに、絶縁層7の少なくとも1層には第1のコンデンサ素子6aまたは第2のコンデンサ素子6bを収容する空洞部11が形成されている。
【0019】
第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bは、縦・横・高さがそれぞれ0.3〜5mmの直方体であり、図1に第1のコンデンサ素子6aの断面図で示すように、電極層1とセラミック誘電体層2とを交互に複数積層することにより形成されている。
【0020】
このようなセラミック誘電体層2の材料としては、種々の誘電体セラミック材料を用いることができ、例えば、BaTiO3やLaTiO3・CaTiO3・SrTiO3等のセラミック組成物、あるいは、BaTiO3の構成元素であるBaをCaで、TiをZrやSnで部分的に置換した固溶体等のチタン酸バリウム系材料や、鉛系ペロブスカイト型構造化合物等が挙げられる。また、電極層1を形成する材料としては、例えばPdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属やそれらの合金が用いられる。
【0021】
さらに、第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bは、多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る引き出し電極部4を有している。なお、図2および図3の平面図では、引き出し電極部4を格子状に配列した例を示している。
【0022】
本発明の第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bによれば、コンデンサ素子6a・6bを多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る引き出し電極部4を有するものとしたことから、コンデンサ素子6a・6bに端面電極や表面電極を印刷する必要がないために工程を簡単化することができるとともに、直径が数10μmという微細な引き出し電極部4を容易に形成することができ、コンデンサ素子6a・6bを小型化することができる。
【0023】
このようなコンデンサ素子6a・6bに形成される貫通孔3は、電極層1とセラミック誘電体層2とから成る積層体に、パンチングによる打ち抜き加工やUV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成され、特に微細な貫通孔3とするためには、レーザに穿設加工されることが好ましい。また、貫通孔3の径は数10μm〜数mmであり、コンデンサ素子6a・6bの大きさに合わせて適宜決められる。なお、貫通孔3は、内部に充填される導体と電極層1との電気的接続を良好にするために、打ち抜き加工やレーザ穿設加工後に超音波洗浄処理やデスミア処理等を施しても良い。
【0024】
また、貫通孔3に充填される導体としては、PdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属やそれらの合金が用いられ、特に電極層1との電気的接続を良好にするという観点からは、電極層1と同じ材質のものを含有することが好ましい。
【0025】
このような貫通孔3に充填される導体は、有機溶剤に有機バインダ樹脂を溶解させた有機ビヒクル中に金属粉末を分散させて成る導電ペーストを貫通孔3にスクリーン印刷法等の方法で充填することにより形成される。なお、ビヒクル中には、これらの他、各種分散剤・活性剤・可塑剤などが必要に応じて添加されても良い。
【0026】
また、導電ペーストに用いられる有機バインダ樹脂は、金属粉末を均質に分散させるとともに貫通孔3への埋め込みに適正な粘度とレオロジーを与える役割をもっており、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹脂・アルキッド樹脂・ロジンエステル・エチルセルロース・メチルセルロース・PVA(ポリビニルアルコール)・ポリビニルブチラート等が挙げられる。特に、金属粉末の分散性を良くするという観点からは、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
さらに、導電ペーストに用いられる有機溶剤は、有機バインダ樹脂を溶解して金属粉末粒子を分散させ、このような混合系全体をペースト状にする役割をなし、例えば、α−テルピネオールやベンジルアルコール等のアルコール系や炭化水素系・エーテル系・BCA(ブチルカルビトールアセテート)等のエステル系・ナフサ等が用いられ、特に、金属粉末の分散性を良くするという観点からは、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
【0028】
さらにまた、導電ペーストは、埋め込み・焼成後のコンデンサ磁器への接着強度を上げるために、ガラスフリットやセラミックフリットを加えたペーストとすることができる。この場合のガラスフリットやセラミックフリットとしては特に限定されるものではなく、例えば、ホウ珪酸塩系やホウ珪酸亜鉛系のガラス、あるいはチタニア・チタン酸バリウムなどのチタン系酸化物などを適宜用いることができる。
【0029】
また、本発明の第1のコンデンサ素子6aにおいては、セラミック誘電体層2の複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲む溝5aが、さらに本発明の第2のコンデンサ素子6bにおいては、セラミック誘電体層2の複数の引き出し電極部4が露出した表面に引き出し電極部4を個々に取り囲む溝5bが、UV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成されている。そして、本発明ではこのことが重要である。
【0030】
本発明の第1のコンデンサ素子6aによれば、セラミック誘電体層2が複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んだ溝5aを有していることから、第1のコンデンサ素子6aを多層配線基板12に内蔵する際、表面に配線導体8および内部に貫通導体9を形成した絶縁層7を積層するとともに、絶縁層7に設けた空洞部11に、絶縁層7に形成した貫通導体9と第1のコンデンサ素子6aの引き出し電極部4とが接続するように第1のコンデンサ素子6aを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層7を構成する樹脂が圧着の際の圧力によって第1のコンデンサ素子6aを収納した空洞部11にはみ出してきとしても、空洞部11にはみ出してきた樹脂が複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aによって貫通導体9と引き出し電極部4との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層7の貫通導体9と引き出し電極部4とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0031】
また、本発明の第2のコンデンサ素子6bによれば、セラミック誘電体層2が複数の引き出し電極部4が露出した表面に引き出し電極部4を個々に取り囲んだ溝5bを有していることから、上述の効果に加え、絶縁層7に形成した貫通導体9と第2のコンデンサ素子6bの引き出し電極部4とが接続するように第2のコンデンサ素子6bを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体9を形成する導電性ペーストが第2のコンデンサ素子6bの表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部4を個々に取り囲んで形成された溝5bによって近接する貫通導体9や引き出し電極4と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体9間や引き出し電極部4間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0032】
このような引き出し電極部4を取り囲む溝5a・5bは、その断面形状が半円や略半円状、長方形や略長方形状、あるいは三角形や略三角形状であり、溝5a・5bの深さは、溝5a・5bの深さをt1としコンデンサ素子6a・6bの厚みをt2としたときに、コンデンサ素子内蔵多層配線基板12を製作する際に、絶縁層7の樹脂や貫通導体9を構成する、後述する導電性ペーストが引き出し電極部4上へ流れ込むのを防止するという観点からはt1/t2が0.1以上であること好ましく、コンデンサ素子6a・6bの強度の観点からはt1/t2が0.3以下であることが好ましい。
【0033】
また、溝5a・5bの幅は、絶縁層7の樹脂や貫通導体9を構成する導電性ペーストが引き出し電極部4上へ流れ込むのを防止するという観点からは5μm以上であることが好ましく、絶縁層7を積層する際に、溝内にボイドが生じてしまうのを防止するという観点からは、100μm以下であることが好ましい。
【0034】
なお、溝5aは、図2に平面図で示すように第1のコンデンサ素子6a上面の引き出し電極部4を1つの溝5で取り囲むように形成されていることが必要であるが、溝5aの内側の領域で引き出し電極4間にさらに溝を形成してもよい。
【0035】
このようなコンデンサ素子6a・6bは、次に述べる方法により製作される。まず、周知のシート成形法により作成されたセラミック誘電体層2と成る、例えばBaTiO3誘電体セラミックグリーンシート表面に、周知のペースト作成法により作成したNi金属ペーストをスクリーン印刷法により所定形状と成るように印刷して未焼成電極層を形成し、続いてこれらを所定順序に積層し、圧着して積層体を得る。そして、この積層体にレーザにより所定の位置に複数の貫通孔3を形成後、超音波洗浄により貫通孔3を水洗し、この貫通孔3に例えばNi金属粉末とアクリル樹脂とα−テルピネオールとから成る導電ペーストをスクリーン印刷法により充填する。しかる後、これらを800〜1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0036】
なお貫通孔3に充填された導体は、焼成後有機バインダ樹脂や溶剤が除去され、引き出し電極部4と成る。
さらに、絶縁層2の表面に露出した複数の引き出し電極部4を取り囲む溝5aを、UV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成することにより、本発明の第1のコンデンサ素子6aが完成し、絶縁層2の表面に露出した個々の引き出し電極部4を取り囲む溝5bをUV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成することにより、本発明の第2のコンデンサ素子6bが完成する。
【0037】
次に、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を図4および図5に基づいて詳細に説明する。なお、図5は、図4のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を製作するための工程毎の断面図である。
【0038】
まず、図5(a)に断面図で示すように、絶縁層7と成る未硬化の前駆体シートを準備し、この前駆体シートにレーザ加工により所望の個所に直径が17〜150μm程度の貫通穴9を穿設する。
【0039】
このような絶縁層7と成る未硬化の前駆体シートは、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂・液晶ポリマー樹脂等の有機樹脂材料から成り、機械的強度を向上させるためのシラン系やチタネート系等のカップリング剤、熱安定性を改善するための酸化防止剤や耐光性を改善するための紫外線吸収剤等の光安定剤、難燃性を改善するためのハロゲン系もしくはリン酸系の難燃性剤、アンチモン系化合物やホウ酸亜鉛・メタホウ酸バリウム・酸化ジルコニウム等の難燃助剤、潤滑性を改善するための高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル・高級脂肪酸金属塩・フルオロカーボン系界面活性剤等の滑剤、熱膨張係数を調整するためおよび/または機械的強度を向上させるための酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化チタン・酸化バリウム・酸化ストロンチウム・酸化ジルコニウム・酸化カルシウム・ゼオライト・窒化珪素・窒化アルミニウム・炭化珪素・ホウ酸アルミニウム・スズ酸バリウム・ジルコン酸バリウム・ジルコン酸ストロンチウム等の充填材、あるいは繊維状ガラスを布状に織り込んだガラスクロス等や耐熱性有機樹脂繊維から成る不織布等の基材を含有させてもよい。
【0040】
このような前駆体シートは、例えば、絶縁材料として熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末との複合材料を用いる場合、以下の方法によって製作される。まず、前述した無機絶縁粉末に熱硬化性樹脂を無機絶縁粉末量が17〜80体積%となるように溶媒とともに加えた混合物を得、この混合物を混練機(ニーダ)や3本ロール等の手段によって混合してペーストを製作する。そして、このペーストを圧延法や押し出し法・射出法・ドクターブレード法などのシート成形法を採用してシート状に成形した後、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度に加熱して乾燥することにより絶縁層7となる前駆体シートが製作される。なお、ペーストは、好適には、熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末の複合材料に、トルエン・酢酸ブチル・メチルエチルケトン・メタノール・メチルセロソルブアセテート・イソプロピルアルコール・メチルイソブチルケトン・ジメチルホルムアミド等の溶媒を添加してなる所定の粘度を有する流動体であり、その粘度は、シート成形法にもよるが100〜3000ポイズが好ましい。
【0041】
次に、図5(b)に断面図で示すように、貫通穴9内に銅・銀・金・半田等から成る導電性ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等を採用して充填し、貫通導体9aを形成する。
【0042】
次に、図5(c)に断面図で示すように、前駆体シートの表面と裏面とに被着する配線導体8を準備する。そして、図5(d)に断面図で示すように、配線導体8を前駆体シートの表面および裏面に、必要な配線導体8と貫通導体9aとが電気的に接続するように重ね合わせて転写する。なお、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12においては、最外層に位置する絶縁層7の表面に、配線導体8の一部を用いて形成した外部電気回路(図示せず)と電気的に接続する接続パッド10が形成されている。
【0043】
なお、本実施例では、配線導体8の形成を転写法によって行なっており、このような配線導体8は、次に述べる方法により形成される。まず、離型シート等の支持体14の表面にめっき法などによって製作され、銅・金・銀・アルミニウム等から選ばれる1種または2種以上の合金からなる厚さ1〜35μmの電解金属箔を接着し、その表面に所望の配線パターンの鏡像パターンとなるようにレジスト層を形成した後、エッチング・レジスト除去によって所定の配線パターンの鏡像の配線導体8を形成する。次に、配線導体8の絶縁層7と成る前駆体シートの表面および裏面への被着は、配線導体8が形成された支持体14を前駆体シートの表面および裏面へ重ね合わせ、しかる後、圧力が0.5〜10MPa、温度が60〜150℃の条件で加圧加熱した後、支持体14を剥がすことにより、図5(e)に断面図に示すように配線導体8が絶縁層7の前駆体シートに被着される。なお、この時、貫通導体9aは、完全に硬化していない未硬化状態としておくことが重要である。
【0044】
なお、支持体14としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート・ポリイミド・ポリフェニレンサルファイド・塩化ビニル・ポリプロピレン等公知のものが使用できる。支持体14の厚みは10〜100μmが適当であり、望ましくは25〜50μmが良い。支持体14の厚みが10μm未満であると支持体14の変形や折れ曲がりにより形成した配線導体8が断線し易くなり、厚みが100μmを超えると支持体14の柔軟性がなくなって、前駆体シートからの支持体14の剥離が困難となる傾向がある。また、支持体14表面に電解金属箔を形成するために、アクリル系やゴム系・シリコン系・エポキシ系等公知の接着剤を使用してもよい。
【0045】
そして、図5(f)に断面図で示すように、上記(a)〜(f)の工程を経て製作した絶縁層7と成る複数の前駆体シートと、コンデンサ素子6a・6bとを準備し、次に、コンデンサ素子6a・6bの引き出し電極部4と貫通導体9aとの位置合わせを行ないコンデンサ素子6a・6bを載置するとともに前駆体シートを積層し、温度が150〜300℃、圧力が0.5〜10MPaの条件で30分〜24時間ホットプレスして前駆体シートおよび導電性ペーストを完全硬化させることによって、図5(g)に断面図で示す、コンデンサ素子6a・6bの上下両主面において引き出し電極部4が貫通導体9aを介して接続パッド10に電気的に接続されたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12が完成する。
【0046】
なお、コンデンサ素6a・6bを収容する空洞部11は、前駆体シートを積層する前に、前駆体シートのコンデンサ素子6a・6bが収容される個所にレーザ法やパンチング法により穿設しておけばよい。
【0047】
本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、第1のコンデンサ素子6aのセラミック誘電体層2が、複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aを有していることから、第1のコンデンサ素子6aを多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体8および内部に貫通導体9aを形成した絶縁層7を積層するとともに、絶縁層7に設けた空洞部11に、絶縁層7に形成した貫通導体9aと第1のコンデンサ素子6aの引き出し電極部4とが接続するように第1のコンデンサ素子6aを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層7を構成する樹脂が圧着の際の圧力によって第1のコンデンサ素子6aを収納した空洞部11にはみ出してきとしても、空洞部11にはみ出してきた樹脂が引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aによって貫通導体9aと引き出し電極部4との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層7の貫通導体9aと引き出し電極部4とを良好に接続することが可能でき、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12とすることができる。
【0048】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、コンデンサ素子6として第2のコンデンサ素子6bを内蔵した場合、上記第1のコンデンサ素子6aを内蔵した場合の効果に加え、絶縁層7に形成した貫通導体9と第2のコンデンサ素子6bの引き出し電極部4とが接続するように第2のコンデンサ素子6bを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体9を形成する導電性ペーストが第2のコンデンサ素子6bの表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部4を個々に取り囲んで形成された溝5bによって近接する貫通導体9や引き出し電極4と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体9間や引き出し電極部4間で短絡することのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12とすることができる。
【0049】
かくして、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、上記構成のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12の上面に形成した配線導体2の一部から成る接続パッド10の上に形成された半田等の導体バンプ(図示せず)を介して半導体素子等の電子部品(図示せず)に電気的に接続することにより、配線密度が高く電気特性に優れるとともに接続信頼性に優れた小型の混成集積回路とすることができる。
【0050】
なお、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では4層の絶縁層7を積層することによってコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を作製したが、2層や3層あるいは5層以上の絶縁層7を積層してコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を積層してもよい。また、上述の実施例ではコンデンサ素子6を含む絶縁層7を1層としたが、2層(連続層を含む)以上としてもよい。
【0051】
【実施例】
次に本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板を、以下の試料を製作して評価した。
(実施例)
先ず、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂に平均粒径が0.6μmの球状溶融シリカを加え、これに溶剤としてトルエン、さらに有機樹脂の硬化を促進させるための触媒を添加し、1時間混合してワニスを調整した。次に、厚みが50μmの液晶ポリマー層を用意し、この表面を、真空プラズマ装置を用いて、電圧を27kV、雰囲気をO2およびCF4(ガス流量がそれぞれ80cm3/分)とし、片面15分×2回の条件でプラズマ処理して、トリアリルイソシアヌレートとの接触角が35°で、かつ表面エネルギーが60mJ/m2、中心線表面粗さRaが0.14μmとなるようにし、この液晶ポリマー層の上面に上記ワニスをドクターブレード法により塗布し、熱硬化性ポリフェニレンエーテル被覆層を成形した。そして、この液晶ポリマー層の下面にも同様に熱硬化性ポリフェニレンエーテル被覆層を成形し絶縁層を製作した。
【0052】
次に、この絶縁層の一部に、UV−YAGレーザによりコンデンサ素子を内蔵するための空洞部を形成した。
さらに、この絶縁層に、UV−YAGレーザにより直径50μmの貫通穴を形成し、この貫通穴に銅粉末と有機バインダを含有する導体ペーストをスクリーン印刷により埋め込むことにより貫通導体を形成した。
【0053】
次に、厚みが12μmで、回路状に形成した銅箔が付いた支持体と、貫通導体が形成された絶縁層とを位置合わせして真空積層機により3MPaの圧力で30秒加圧した後、支持体を剥離して配線導体を絶縁層上に埋設した。
さらに、空洞部と貫通導体が形成された絶縁層を2枚重ね合わせ、この空洞部に複数の引き出し電極部の周囲にUV−YAGレーザにより、幅が50μmで所定の深さの溝を形成したセラミック誘電体層と電極層とを積層して成るコンデンサ素子を埋設した。
【0054】
最後に、貫通穴内にコンデンサ素子が埋設された絶縁層を配線導体が形成された絶縁層で挟み重ね合わせ、3MPaの圧力下で200℃の温度で5時間加熱処理して完全硬化させて多層配線基板を得た。
【0055】
なお、接続性の評価は、コンデンサ素子内蔵多層配線基板を260℃の半田浴に20秒間浸漬し、これを数回繰り返した後、コンデンサ素子内蔵多層配線基板の外観観察とコンデンサ素子の容量測定を行なうことにより評価した。表1に接続性の評価結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1からは、コンデンサ素子の引き出し電極部を取り囲む上面側と下面側の溝の深さをそれぞれ同じ深さt1とし、コンデンサ素子の厚みをt2としたとき、t1/t2が0、すなわち溝のない場合(試料No.1)には半田浸漬5回で膨れが発生、接続不良が発生した。また、t1/t2が0.08の場合(試料No.2)には、半田浸漬10回で膨れがみられたが、接続は良好であった。
【0058】
これに対して、t1/t2が0.1〜0.4であるコンデンサ素子内蔵多層配線基板(No3〜6)では、半田浴への浸漬を10回繰り返した後の導通検査においても、接続不良が生じることはなく、導通は確保されており接続性において優れていることが確認された。
【0059】
【発明の効果】
本発明の第1のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝を有していることから、コンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層を構成する樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだしてきたとしても、空洞部にはみだしてきた樹脂は複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝によって貫通導体と引き出し電極部との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層の貫通導体と引き出し電極部とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0060】
本発明の第2のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝を有していることから、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝によって近接する貫通導体や引き出し電極と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体間や引き出し電極部間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0061】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板によれば、上記の第1または第2のコンデンサ素子を多層配線基板内部に埋設していることから、コンデンサ素子の引き出し電極部と貫通導体との間に絶縁層の樹脂が流れ込んで断線を生じたり、近接する貫通導体間や引き出し電極間で短絡したりすることのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す第1のコンデンサ素子の平面図である。
【図3】本発明の第2のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】(a)〜(g)は、それぞれ本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・電極層
2・・・・・・・・・セラミック誘電体層
3・・・・・・・・・貫通孔
4・・・・・・・・・引き出し電極部
5・・・・・・・・・溝
5a・・・・・・・・複数の引き出し電極部を取り囲んだ溝
5b・・・・・・・・個々の引き出し電極部を取り囲んだ溝
6・・・・・・・・・コンデンサ素子
6a・・・・・・・・第1のコンデンサ素子
6b・・・・・・・・第2のコンデンサ素子
7・・・・・・・・・絶縁層
8・・・・・・・・・配線導体
9・・・・・・・・・貫通導体
10・・・・・・・・・接続パッド
11・・・・・・・・・空洞部
12・・・・・・・・・コンデンサ素子内蔵多層配線基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種AV機器や家電機器・通信機器・コンピュータやその周辺機器等の電子機器に使用されるコンデンサ素子およびそれを内蔵したコンデンサ素子内蔵多層配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、配線基板はアルミナ等のセラミック材料から成る絶縁層あるいはガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料から成る絶縁層の内部および表面に複数の配線導体を形成し、上下に位置する配線導体間を絶縁層に形成した貫通導体を介して電気的に接続して成り、この配線基板の表面に半導体素子やコンデンサ・抵抗素子等の電子素子を搭載取着するとともにこれらの電極を各配線導体に接続することによって電子機器に使用される電子装置が形成されている。
【0003】
しかしながら、近年、電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量化が要求されてきており、このような電子機器に搭載される配線基板も小型・高密度化が要求されるようになってきている。また、近年、通信速度の高速化に伴い通信機器等の電子機器類は周波数が数100MHz以上の高周波領域で使用されるようになってきており、このような高周波領域での使用に対応するため、電子素子や配線基板の低インダクタンス化も要求されるようになってきている。
【0004】
このような要求に対応するために、本出願人は特願2001−333281号において、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成るとともに、これらの電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る引き出し電極部を有するコンデンサ素子を多層配線基板の内部に形成した空洞部に内蔵することを提案している。
【0005】
このようにコンデンサ素子を多層配線基板の内部に内蔵することにより、多層配線基板の表面に搭載される電子素子の数を減らすことができ、多層配線基板を小型化することができる。また、コンデンサ素子の電極層の直上に最短距離で引き出し電極部を形成することができるので、コンデンサ素子内部で電極を引き回す必要がないため、インダクタンス成分を小さくすることが可能となり、高周波領域においても電源ノイズの小さい電気特性に優れたものとすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなコンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する場合、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層の成分である樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだして貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部との間に浸入し、貫通導体と引き出し電極部との間で接続不良が生じてしまい、配線基板の導通信頼性が低下してしまうという問題点を有していた。
【0007】
また、空洞部にはみ出してくる樹脂を避けるために、コンデンサ素子の複数の引き出し電極部をコンデンサ素子の中央部に近接させて形成した場合、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出して近接する貫通導体や引き出し電極に接触し、貫通導体間で短絡してしまうという問題点を有していた。
【0008】
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、配線基板の貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極との導通信頼性に優れたコンデンサ素子およびこれを内蔵したコンデンサ素子内蔵多層配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のコンデンサ素子は、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、セラミック誘電体層は、複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んだ溝を有していることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第2のコンデンサ素子は、多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、セラミック誘電体層は、複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んだ溝を有していることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板は、有機材料から成る複数の絶縁層を積層するとともにこれら絶縁層の表面に配線導体を形成し、絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体間を絶縁層に形成された貫通導体を介して電気的に接続して成り、上下の最外層に位置する配線導体の一部が外部電気回路と接続される接続パッドとされており、絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部の内部に本発明の第1または第2のコンデンサ素子を内蔵するとともに、このコンデンサ素子の上下両主面において引き出し電極部が貫通導体を介して接続パッドに電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第1のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝を有していることから、コンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層を構成する樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだしてきたとしても、空洞部にはみだしてきた樹脂は複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝によって貫通導体と引き出し電極部との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層の貫通導体と引き出し電極部とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0013】
本発明の第2のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝を有していることから、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝によって近接する貫通導体と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0014】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板によれば、上記の本発明の第または第2のコンデンサ素子を多層配線基板内部に埋設していることから、コンデンサ素子の引き出し電極部と貫通導体との間に絶縁層の樹脂が流れ込んで断線を生じたり、近接する貫通導体間や引き出し電極間で短絡したりすることのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明のコンデンサ素子およびコンデンサ素子内蔵多層配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1に示す第1のコンデンサ素子の平面図である。また、図3は、本発明の第2のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す平面図である。さらに、図4は、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、この図では、第1のコンデンサ素子を1個内蔵した場合の例を示している。
【0016】
これらの図において、1は電極層、2はセラミック誘電体層、3は貫通孔、4は引き出し電極部、5aは複数の引き出し電極部4を取り囲んだ溝、5bは個々の引き出し電極部4を取り囲んだ溝であり、電極層1、セラミック誘電体層2、貫通孔3、引き出し電極部4および溝5aで本発明の第1のコンデンサ素子6aが構成され、電極層1、セラミック誘電体層2、貫通孔3、引き出し電極部4および溝5bで本発明の第2のコンデンサ素子6bが構成される。
【0017】
また、7は絶縁層、8は配線導体、9は貫通穴、9aは貫通導体、10は外部電気回路と接続される接続パッドで、主にこれらと第1のコンデンサ素子6aまたは第2のコンデンサ素子6bとで、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12が構成されている。
【0018】
なお、図1に示す第1のコンデンサ素子6aは、セラミック誘電体層2を7層積層することにより構成されている。また、本例のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12は、絶縁層7を4層積層することにより構成されているとともに、絶縁層7の少なくとも1層には第1のコンデンサ素子6aまたは第2のコンデンサ素子6bを収容する空洞部11が形成されている。
【0019】
第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bは、縦・横・高さがそれぞれ0.3〜5mmの直方体であり、図1に第1のコンデンサ素子6aの断面図で示すように、電極層1とセラミック誘電体層2とを交互に複数積層することにより形成されている。
【0020】
このようなセラミック誘電体層2の材料としては、種々の誘電体セラミック材料を用いることができ、例えば、BaTiO3やLaTiO3・CaTiO3・SrTiO3等のセラミック組成物、あるいは、BaTiO3の構成元素であるBaをCaで、TiをZrやSnで部分的に置換した固溶体等のチタン酸バリウム系材料や、鉛系ペロブスカイト型構造化合物等が挙げられる。また、電極層1を形成する材料としては、例えばPdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属やそれらの合金が用いられる。
【0021】
さらに、第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bは、多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る引き出し電極部4を有している。なお、図2および図3の平面図では、引き出し電極部4を格子状に配列した例を示している。
【0022】
本発明の第1のコンデンサ素子6aおよび第2のコンデンサ素子6bによれば、コンデンサ素子6a・6bを多数の電極層1に対して垂直方向に貫通する貫通孔3に導体が充填されて成る引き出し電極部4を有するものとしたことから、コンデンサ素子6a・6bに端面電極や表面電極を印刷する必要がないために工程を簡単化することができるとともに、直径が数10μmという微細な引き出し電極部4を容易に形成することができ、コンデンサ素子6a・6bを小型化することができる。
【0023】
このようなコンデンサ素子6a・6bに形成される貫通孔3は、電極層1とセラミック誘電体層2とから成る積層体に、パンチングによる打ち抜き加工やUV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成され、特に微細な貫通孔3とするためには、レーザに穿設加工されることが好ましい。また、貫通孔3の径は数10μm〜数mmであり、コンデンサ素子6a・6bの大きさに合わせて適宜決められる。なお、貫通孔3は、内部に充填される導体と電極層1との電気的接続を良好にするために、打ち抜き加工やレーザ穿設加工後に超音波洗浄処理やデスミア処理等を施しても良い。
【0024】
また、貫通孔3に充填される導体としては、PdやAg・Pt・Ni・Cu・Pb等の金属やそれらの合金が用いられ、特に電極層1との電気的接続を良好にするという観点からは、電極層1と同じ材質のものを含有することが好ましい。
【0025】
このような貫通孔3に充填される導体は、有機溶剤に有機バインダ樹脂を溶解させた有機ビヒクル中に金属粉末を分散させて成る導電ペーストを貫通孔3にスクリーン印刷法等の方法で充填することにより形成される。なお、ビヒクル中には、これらの他、各種分散剤・活性剤・可塑剤などが必要に応じて添加されても良い。
【0026】
また、導電ペーストに用いられる有機バインダ樹脂は、金属粉末を均質に分散させるとともに貫通孔3への埋め込みに適正な粘度とレオロジーを与える役割をもっており、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹脂・アルキッド樹脂・ロジンエステル・エチルセルロース・メチルセルロース・PVA(ポリビニルアルコール)・ポリビニルブチラート等が挙げられる。特に、金属粉末の分散性を良くするという観点からは、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
さらに、導電ペーストに用いられる有機溶剤は、有機バインダ樹脂を溶解して金属粉末粒子を分散させ、このような混合系全体をペースト状にする役割をなし、例えば、α−テルピネオールやベンジルアルコール等のアルコール系や炭化水素系・エーテル系・BCA(ブチルカルビトールアセテート)等のエステル系・ナフサ等が用いられ、特に、金属粉末の分散性を良くするという観点からは、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
【0028】
さらにまた、導電ペーストは、埋め込み・焼成後のコンデンサ磁器への接着強度を上げるために、ガラスフリットやセラミックフリットを加えたペーストとすることができる。この場合のガラスフリットやセラミックフリットとしては特に限定されるものではなく、例えば、ホウ珪酸塩系やホウ珪酸亜鉛系のガラス、あるいはチタニア・チタン酸バリウムなどのチタン系酸化物などを適宜用いることができる。
【0029】
また、本発明の第1のコンデンサ素子6aにおいては、セラミック誘電体層2の複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲む溝5aが、さらに本発明の第2のコンデンサ素子6bにおいては、セラミック誘電体層2の複数の引き出し電極部4が露出した表面に引き出し電極部4を個々に取り囲む溝5bが、UV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成されている。そして、本発明ではこのことが重要である。
【0030】
本発明の第1のコンデンサ素子6aによれば、セラミック誘電体層2が複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んだ溝5aを有していることから、第1のコンデンサ素子6aを多層配線基板12に内蔵する際、表面に配線導体8および内部に貫通導体9を形成した絶縁層7を積層するとともに、絶縁層7に設けた空洞部11に、絶縁層7に形成した貫通導体9と第1のコンデンサ素子6aの引き出し電極部4とが接続するように第1のコンデンサ素子6aを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層7を構成する樹脂が圧着の際の圧力によって第1のコンデンサ素子6aを収納した空洞部11にはみ出してきとしても、空洞部11にはみ出してきた樹脂が複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aによって貫通導体9と引き出し電極部4との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層7の貫通導体9と引き出し電極部4とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0031】
また、本発明の第2のコンデンサ素子6bによれば、セラミック誘電体層2が複数の引き出し電極部4が露出した表面に引き出し電極部4を個々に取り囲んだ溝5bを有していることから、上述の効果に加え、絶縁層7に形成した貫通導体9と第2のコンデンサ素子6bの引き出し電極部4とが接続するように第2のコンデンサ素子6bを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体9を形成する導電性ペーストが第2のコンデンサ素子6bの表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部4を個々に取り囲んで形成された溝5bによって近接する貫通導体9や引き出し電極4と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体9間や引き出し電極部4間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0032】
このような引き出し電極部4を取り囲む溝5a・5bは、その断面形状が半円や略半円状、長方形や略長方形状、あるいは三角形や略三角形状であり、溝5a・5bの深さは、溝5a・5bの深さをt1としコンデンサ素子6a・6bの厚みをt2としたときに、コンデンサ素子内蔵多層配線基板12を製作する際に、絶縁層7の樹脂や貫通導体9を構成する、後述する導電性ペーストが引き出し電極部4上へ流れ込むのを防止するという観点からはt1/t2が0.1以上であること好ましく、コンデンサ素子6a・6bの強度の観点からはt1/t2が0.3以下であることが好ましい。
【0033】
また、溝5a・5bの幅は、絶縁層7の樹脂や貫通導体9を構成する導電性ペーストが引き出し電極部4上へ流れ込むのを防止するという観点からは5μm以上であることが好ましく、絶縁層7を積層する際に、溝内にボイドが生じてしまうのを防止するという観点からは、100μm以下であることが好ましい。
【0034】
なお、溝5aは、図2に平面図で示すように第1のコンデンサ素子6a上面の引き出し電極部4を1つの溝5で取り囲むように形成されていることが必要であるが、溝5aの内側の領域で引き出し電極4間にさらに溝を形成してもよい。
【0035】
このようなコンデンサ素子6a・6bは、次に述べる方法により製作される。まず、周知のシート成形法により作成されたセラミック誘電体層2と成る、例えばBaTiO3誘電体セラミックグリーンシート表面に、周知のペースト作成法により作成したNi金属ペーストをスクリーン印刷法により所定形状と成るように印刷して未焼成電極層を形成し、続いてこれらを所定順序に積層し、圧着して積層体を得る。そして、この積層体にレーザにより所定の位置に複数の貫通孔3を形成後、超音波洗浄により貫通孔3を水洗し、この貫通孔3に例えばNi金属粉末とアクリル樹脂とα−テルピネオールとから成る導電ペーストをスクリーン印刷法により充填する。しかる後、これらを800〜1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0036】
なお貫通孔3に充填された導体は、焼成後有機バインダ樹脂や溶剤が除去され、引き出し電極部4と成る。
さらに、絶縁層2の表面に露出した複数の引き出し電極部4を取り囲む溝5aを、UV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成することにより、本発明の第1のコンデンサ素子6aが完成し、絶縁層2の表面に露出した個々の引き出し電極部4を取り囲む溝5bをUV−YAGレーザやエキシマレーザ・炭酸ガスレーザ等によるレーザ穿設加工等の方法により形成することにより、本発明の第2のコンデンサ素子6bが完成する。
【0037】
次に、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を図4および図5に基づいて詳細に説明する。なお、図5は、図4のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を製作するための工程毎の断面図である。
【0038】
まず、図5(a)に断面図で示すように、絶縁層7と成る未硬化の前駆体シートを準備し、この前駆体シートにレーザ加工により所望の個所に直径が17〜150μm程度の貫通穴9を穿設する。
【0039】
このような絶縁層7と成る未硬化の前駆体シートは、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂・液晶ポリマー樹脂等の有機樹脂材料から成り、機械的強度を向上させるためのシラン系やチタネート系等のカップリング剤、熱安定性を改善するための酸化防止剤や耐光性を改善するための紫外線吸収剤等の光安定剤、難燃性を改善するためのハロゲン系もしくはリン酸系の難燃性剤、アンチモン系化合物やホウ酸亜鉛・メタホウ酸バリウム・酸化ジルコニウム等の難燃助剤、潤滑性を改善するための高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル・高級脂肪酸金属塩・フルオロカーボン系界面活性剤等の滑剤、熱膨張係数を調整するためおよび/または機械的強度を向上させるための酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化チタン・酸化バリウム・酸化ストロンチウム・酸化ジルコニウム・酸化カルシウム・ゼオライト・窒化珪素・窒化アルミニウム・炭化珪素・ホウ酸アルミニウム・スズ酸バリウム・ジルコン酸バリウム・ジルコン酸ストロンチウム等の充填材、あるいは繊維状ガラスを布状に織り込んだガラスクロス等や耐熱性有機樹脂繊維から成る不織布等の基材を含有させてもよい。
【0040】
このような前駆体シートは、例えば、絶縁材料として熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末との複合材料を用いる場合、以下の方法によって製作される。まず、前述した無機絶縁粉末に熱硬化性樹脂を無機絶縁粉末量が17〜80体積%となるように溶媒とともに加えた混合物を得、この混合物を混練機(ニーダ)や3本ロール等の手段によって混合してペーストを製作する。そして、このペーストを圧延法や押し出し法・射出法・ドクターブレード法などのシート成形法を採用してシート状に成形した後、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度に加熱して乾燥することにより絶縁層7となる前駆体シートが製作される。なお、ペーストは、好適には、熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末の複合材料に、トルエン・酢酸ブチル・メチルエチルケトン・メタノール・メチルセロソルブアセテート・イソプロピルアルコール・メチルイソブチルケトン・ジメチルホルムアミド等の溶媒を添加してなる所定の粘度を有する流動体であり、その粘度は、シート成形法にもよるが100〜3000ポイズが好ましい。
【0041】
次に、図5(b)に断面図で示すように、貫通穴9内に銅・銀・金・半田等から成る導電性ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等を採用して充填し、貫通導体9aを形成する。
【0042】
次に、図5(c)に断面図で示すように、前駆体シートの表面と裏面とに被着する配線導体8を準備する。そして、図5(d)に断面図で示すように、配線導体8を前駆体シートの表面および裏面に、必要な配線導体8と貫通導体9aとが電気的に接続するように重ね合わせて転写する。なお、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12においては、最外層に位置する絶縁層7の表面に、配線導体8の一部を用いて形成した外部電気回路(図示せず)と電気的に接続する接続パッド10が形成されている。
【0043】
なお、本実施例では、配線導体8の形成を転写法によって行なっており、このような配線導体8は、次に述べる方法により形成される。まず、離型シート等の支持体14の表面にめっき法などによって製作され、銅・金・銀・アルミニウム等から選ばれる1種または2種以上の合金からなる厚さ1〜35μmの電解金属箔を接着し、その表面に所望の配線パターンの鏡像パターンとなるようにレジスト層を形成した後、エッチング・レジスト除去によって所定の配線パターンの鏡像の配線導体8を形成する。次に、配線導体8の絶縁層7と成る前駆体シートの表面および裏面への被着は、配線導体8が形成された支持体14を前駆体シートの表面および裏面へ重ね合わせ、しかる後、圧力が0.5〜10MPa、温度が60〜150℃の条件で加圧加熱した後、支持体14を剥がすことにより、図5(e)に断面図に示すように配線導体8が絶縁層7の前駆体シートに被着される。なお、この時、貫通導体9aは、完全に硬化していない未硬化状態としておくことが重要である。
【0044】
なお、支持体14としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート・ポリイミド・ポリフェニレンサルファイド・塩化ビニル・ポリプロピレン等公知のものが使用できる。支持体14の厚みは10〜100μmが適当であり、望ましくは25〜50μmが良い。支持体14の厚みが10μm未満であると支持体14の変形や折れ曲がりにより形成した配線導体8が断線し易くなり、厚みが100μmを超えると支持体14の柔軟性がなくなって、前駆体シートからの支持体14の剥離が困難となる傾向がある。また、支持体14表面に電解金属箔を形成するために、アクリル系やゴム系・シリコン系・エポキシ系等公知の接着剤を使用してもよい。
【0045】
そして、図5(f)に断面図で示すように、上記(a)〜(f)の工程を経て製作した絶縁層7と成る複数の前駆体シートと、コンデンサ素子6a・6bとを準備し、次に、コンデンサ素子6a・6bの引き出し電極部4と貫通導体9aとの位置合わせを行ないコンデンサ素子6a・6bを載置するとともに前駆体シートを積層し、温度が150〜300℃、圧力が0.5〜10MPaの条件で30分〜24時間ホットプレスして前駆体シートおよび導電性ペーストを完全硬化させることによって、図5(g)に断面図で示す、コンデンサ素子6a・6bの上下両主面において引き出し電極部4が貫通導体9aを介して接続パッド10に電気的に接続されたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12が完成する。
【0046】
なお、コンデンサ素6a・6bを収容する空洞部11は、前駆体シートを積層する前に、前駆体シートのコンデンサ素子6a・6bが収容される個所にレーザ法やパンチング法により穿設しておけばよい。
【0047】
本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、第1のコンデンサ素子6aのセラミック誘電体層2が、複数の引き出し電極部4が露出した表面に複数の引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aを有していることから、第1のコンデンサ素子6aを多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体8および内部に貫通導体9aを形成した絶縁層7を積層するとともに、絶縁層7に設けた空洞部11に、絶縁層7に形成した貫通導体9aと第1のコンデンサ素子6aの引き出し電極部4とが接続するように第1のコンデンサ素子6aを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層7を構成する樹脂が圧着の際の圧力によって第1のコンデンサ素子6aを収納した空洞部11にはみ出してきとしても、空洞部11にはみ出してきた樹脂が引き出し電極部4を取り囲んで形成された溝5aによって貫通導体9aと引き出し電極部4との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層7の貫通導体9aと引き出し電極部4とを良好に接続することが可能でき、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12とすることができる。
【0048】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、コンデンサ素子6として第2のコンデンサ素子6bを内蔵した場合、上記第1のコンデンサ素子6aを内蔵した場合の効果に加え、絶縁層7に形成した貫通導体9と第2のコンデンサ素子6bの引き出し電極部4とが接続するように第2のコンデンサ素子6bを収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体9を形成する導電性ペーストが第2のコンデンサ素子6bの表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部4を個々に取り囲んで形成された溝5bによって近接する貫通導体9や引き出し電極4と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体9間や引き出し電極部4間で短絡することのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板12とすることができる。
【0049】
かくして、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12によれば、上記構成のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12の上面に形成した配線導体2の一部から成る接続パッド10の上に形成された半田等の導体バンプ(図示せず)を介して半導体素子等の電子部品(図示せず)に電気的に接続することにより、配線密度が高く電気特性に優れるとともに接続信頼性に優れた小型の混成集積回路とすることができる。
【0050】
なお、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板12は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では4層の絶縁層7を積層することによってコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を作製したが、2層や3層あるいは5層以上の絶縁層7を積層してコンデンサ素子内蔵多層配線基板12を積層してもよい。また、上述の実施例ではコンデンサ素子6を含む絶縁層7を1層としたが、2層(連続層を含む)以上としてもよい。
【0051】
【実施例】
次に本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板を、以下の試料を製作して評価した。
(実施例)
先ず、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂に平均粒径が0.6μmの球状溶融シリカを加え、これに溶剤としてトルエン、さらに有機樹脂の硬化を促進させるための触媒を添加し、1時間混合してワニスを調整した。次に、厚みが50μmの液晶ポリマー層を用意し、この表面を、真空プラズマ装置を用いて、電圧を27kV、雰囲気をO2およびCF4(ガス流量がそれぞれ80cm3/分)とし、片面15分×2回の条件でプラズマ処理して、トリアリルイソシアヌレートとの接触角が35°で、かつ表面エネルギーが60mJ/m2、中心線表面粗さRaが0.14μmとなるようにし、この液晶ポリマー層の上面に上記ワニスをドクターブレード法により塗布し、熱硬化性ポリフェニレンエーテル被覆層を成形した。そして、この液晶ポリマー層の下面にも同様に熱硬化性ポリフェニレンエーテル被覆層を成形し絶縁層を製作した。
【0052】
次に、この絶縁層の一部に、UV−YAGレーザによりコンデンサ素子を内蔵するための空洞部を形成した。
さらに、この絶縁層に、UV−YAGレーザにより直径50μmの貫通穴を形成し、この貫通穴に銅粉末と有機バインダを含有する導体ペーストをスクリーン印刷により埋め込むことにより貫通導体を形成した。
【0053】
次に、厚みが12μmで、回路状に形成した銅箔が付いた支持体と、貫通導体が形成された絶縁層とを位置合わせして真空積層機により3MPaの圧力で30秒加圧した後、支持体を剥離して配線導体を絶縁層上に埋設した。
さらに、空洞部と貫通導体が形成された絶縁層を2枚重ね合わせ、この空洞部に複数の引き出し電極部の周囲にUV−YAGレーザにより、幅が50μmで所定の深さの溝を形成したセラミック誘電体層と電極層とを積層して成るコンデンサ素子を埋設した。
【0054】
最後に、貫通穴内にコンデンサ素子が埋設された絶縁層を配線導体が形成された絶縁層で挟み重ね合わせ、3MPaの圧力下で200℃の温度で5時間加熱処理して完全硬化させて多層配線基板を得た。
【0055】
なお、接続性の評価は、コンデンサ素子内蔵多層配線基板を260℃の半田浴に20秒間浸漬し、これを数回繰り返した後、コンデンサ素子内蔵多層配線基板の外観観察とコンデンサ素子の容量測定を行なうことにより評価した。表1に接続性の評価結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1からは、コンデンサ素子の引き出し電極部を取り囲む上面側と下面側の溝の深さをそれぞれ同じ深さt1とし、コンデンサ素子の厚みをt2としたとき、t1/t2が0、すなわち溝のない場合(試料No.1)には半田浸漬5回で膨れが発生、接続不良が発生した。また、t1/t2が0.08の場合(試料No.2)には、半田浸漬10回で膨れがみられたが、接続は良好であった。
【0058】
これに対して、t1/t2が0.1〜0.4であるコンデンサ素子内蔵多層配線基板(No3〜6)では、半田浴への浸漬を10回繰り返した後の導通検査においても、接続不良が生じることはなく、導通は確保されており接続性において優れていることが確認された。
【0059】
【発明の効果】
本発明の第1のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝を有していることから、コンデンサ素子を多層配線基板に内蔵する際、表面に配線導体および内部に貫通導体を形成した絶縁層を積層するとともに、絶縁層に設けた空洞部に、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、絶縁層を構成する樹脂が圧着の際の圧力によってコンデンサ素子を収納した空洞部にはみだしてきたとしても、空洞部にはみだしてきた樹脂は複数の引き出し電極部を取り囲んで形成された溝によって貫通導体と引き出し電極部との間に浸入することが有効に防止され、その結果、絶縁層の貫通導体と引き出し電極部とを良好に接続することが可能なコンデンサ素子とすることができる。
【0060】
本発明の第2のコンデンサ素子によれば、セラミック誘電体層が複数の引き出し電極部が露出した表面に引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝を有していることから、絶縁層に形成した貫通導体とコンデンサ素子の引き出し電極部とが接続するようにコンデンサ素子を収納し、その後これらを圧着・熱硬化する過程において、貫通導体を形成する導電性ペーストがコンデンサ素子の表面にはみ出してきたとしても、導電性ペーストは引き出し電極部を個々に取り囲んで形成された溝によって近接する貫通導体や引き出し電極と接触することが有効に防止され、その結果、貫通導体間や引き出し電極部間で短絡することのないコンデンサ素子とすることができる。
【0061】
また、本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板によれば、上記の第1または第2のコンデンサ素子を多層配線基板内部に埋設していることから、コンデンサ素子の引き出し電極部と貫通導体との間に絶縁層の樹脂が流れ込んで断線を生じたり、近接する貫通導体間や引き出し電極間で短絡したりすることのない、接続信頼性に優れたコンデンサ素子内蔵多層配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す第1のコンデンサ素子の平面図である。
【図3】本発明の第2のコンデンサ素子の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】(a)〜(g)は、それぞれ本発明のコンデンサ素子内蔵多層配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・電極層
2・・・・・・・・・セラミック誘電体層
3・・・・・・・・・貫通孔
4・・・・・・・・・引き出し電極部
5・・・・・・・・・溝
5a・・・・・・・・複数の引き出し電極部を取り囲んだ溝
5b・・・・・・・・個々の引き出し電極部を取り囲んだ溝
6・・・・・・・・・コンデンサ素子
6a・・・・・・・・第1のコンデンサ素子
6b・・・・・・・・第2のコンデンサ素子
7・・・・・・・・・絶縁層
8・・・・・・・・・配線導体
9・・・・・・・・・貫通導体
10・・・・・・・・・接続パッド
11・・・・・・・・・空洞部
12・・・・・・・・・コンデンサ素子内蔵多層配線基板
Claims (3)
- 多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、前記多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、前記セラミック誘電体層は、前記複数の引き出し電極部が露出した表面に前記複数の引き出し電極部を取り囲んだ溝を有していることを特徴とするコンデンサ素子。
- 多数の電極層およびセラミック誘電体層を交互に積層して成り、前記多数の電極層に対して垂直方向に貫通する貫通孔に導体が充填されて成る複数の引き出し電極部を有するコンデンサ素子であって、前記セラミック誘電体層は、前記複数の引き出し電極部が露出した表面に前記引き出し電極部を個々に取り囲んだ溝を有していることを特徴とするコンデンサ素子。
- 有機材料から成る複数の絶縁層を積層するとともにこれら絶縁層の表面に配線導体を形成し、前記絶縁層を挟んで上下に位置する前記配線導体間を前記絶縁層に形成された貫通導体を介して電気的に接続して成り、上下の最外層に位置する前記配線導体の一部が外部電気回路と接続される接続パッドとされており、前記絶縁層の少なくとも一層に設けられた空洞部の内部に請求項1または請求項2記載のコンデンサ素子を内蔵するとともに、該コンデンサ素子の上下両主面において前記引き出し電極部が前記貫通導体を介して前記接続パッドに電気的に接続されていることを特徴とするコンデンサ素子内蔵多層配線基板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005276893A (ja) * | 2004-03-23 | 2005-10-06 | Kyocera Corp | セラミック多層配線基板の製造方法 |
JP2007150123A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 配線基板内蔵用キャパシタ、キャパシタ内蔵配線基板及びその製造方法 |
CN104754853A (zh) * | 2013-12-30 | 2015-07-01 | 富葵精密组件(深圳)有限公司 | 具有收音孔的电路板及其制作方法 |
-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002217641A patent/JP2004063611A/ja active Pending
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