JP2004062381A - 車車間通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交差点において車車間通信を円滑に行うことを目的とする。
【解決手段】車車間通信装置がGPS受信機を用いて自車両の走行方位を検知し、この走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択する。
【選択図】 図7
【解決手段】車車間通信装置がGPS受信機を用いて自車両の走行方位を検知し、この走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車車間通信装置に関するもので、交差点における出会い頭衝突回避に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信装置を有する車両が基地局を介さずに他の車両と行う通信、すなわち車車間通信が広く研究されている。例えば、特開2000−276696号公報には、交差点で車両同士が衝突することを回避するために車車間通信を利用する技術が開示されている。この技術では、車両が他の車両に対して自己の位置情報および現在、未来の存在確率データを通知することで、これらの車両同士が衝突する可能性が算出できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、交差点において、交差する道路上を走行する車両同士の出会い頭衝突の危険性を検出する場合、交差点近くの建造物等によってこれら車車間の直線経路による無線通信が遮られ、その結果回折する電波による通信しか行えなくなる場合がある。この場合、回折した電波しか受信できないので、信号の減衰が大きく、車両と並行(同一方向および逆方向を含む)に走行する車両からの電波に対して、交差する方向に走行する車両からの電波は受信レベルが大幅に低くなる。したがって、直交方向の車両と同一方向の車両の両方から受信する場合は、直交方向の車両からの電波を正確に受信することが困難になるという問題がある。
【0004】
また、今後車車間通信が広く普及し、多くの車両が車車間通信を行うようになると、通信の混雑度が増し、ひいては通信のコリジョン(衝突)による通信不能状態が発生し、交差点において車両同士の出会い頭衝突の回避のための通信等が不能にる場合があり、円滑な車車間通信が行えなくなる。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、交差点において車車間通信を円滑に行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、請求項1に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置である。
【0007】
これによって、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知し、チャネル選択手段がこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向に走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向に走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0008】
なお、交差点における交差する方向とは、交差点において並行しない方向のことである。また、自車両とは、当該車車間通信装置を搭載する車両のことである。また、走行方位の検知とは、走行方位の情報を外部の装置等から取得すること、および走行方位を自ら計算することを含む概念である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車車間通信装置において、走行方位検知手段は、自車両が有するカーナビゲーション装置から走行方位の情報を取得することで、自車両の走行方位を検知することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、において、走行方位検知手段は、現在と過去のGPS受信機からの位置情報を用いて、自車両の走行方位を検知することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信装置。
【0011】
なお、現在の位置情報とは、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知する時刻と厳密に同一の時刻における位置情報のみならず、車両の走行方位が変化していない程度の過去の位置情報をも含む概念である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、全方位を複数の方位領域に分け、さらにこの複数の方位領域のうち、互いに対向する方位領域同士を1つの方位領域グループとすることで分類された方位において、チャネル選択手段は、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位が、方位領域グループのいずれに属しているかに基づいて、複数の通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、複数の方位領域に分類された方位において、チャネル選択手段は、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位が、複数の方位領域のいずれに属しているかに基づいて、上記した複数あるうちの1つの通信チャネルを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置である。
【0015】
これによって、位置情報取得手段が自車両の現在位置情報を取得し、またチャネル選択手段が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用いて、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車車間通信装置において、位置情報取得手段は、自車両が有するカーナビゲーション装置から自車両の現在位置情報を取得し、チャネル選択手段は、カーナビゲーション装置が有する地図情報用をいることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、チャネル選択手段の通信チャネルの選択に基づいて、受信において使用する通信チャネルのそれぞれのキャリアセンスレベルを設定するキャリアセンスレベル設定手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を用いて、交差点と自車両との距離を算出し、この算出した距離が基準距離より短いことを判定する交差点近接判定手段と、交差点近接判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0019】
これによって、車車間通信装置は、交差点と自車両との距離が基準距離より短いことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は交差点に近い場合にのみ行えばよいので、自車両が交差点に近くないときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する、自車両が進入しようとしている交差点の情報を用い、交差点が信号機を備えていないことを判定する信号機不在判定手段と、信号機不在判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0021】
これによって、車車間通信装置は、自車両が進入しようとしている交差点が信号機を備えていないことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、交差点に信号機がある場合は出会い頭衝突の危険性が非常に小さいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、交差点に信号機があるときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0022】
また、請求項11に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する、自車両が走行している道路の属性の情報を用い、自車両が優先道路を走行していることを判定する優先道路走行判定手段と、優先道路走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0023】
これによって、車車間通信装置は、自車両が優先道路を走行していることの判定にもとづいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、非優先道路から車両が交差点に近づいていても、優先道路からの車両は停止する必要がないことから、優先道路を走行する車両がこの情報を送信し、非優先道路にある車両がこれを受信して出会い頭衝突の危険性を判定すればよいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、優先道路を走行していないときに情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0024】
また、請求項12に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行速度が基準速度より大きいことを判定する高速走行判定手段と、高速走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0025】
これによって、車車間通信装置は、自車両の走行速度が基準速度より大きいことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、一般に交差点における出会い頭衝突は、高速走行する車両によって引き起こされることが多いので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、高速走行していない車両が情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0026】
なお、この高速走行判定手段は、例えば自車両の走行速度の情報を有す得るカーナビゲーション装置から、自車両の走行速度を検知するようになっていてもよいし、また、現在と過去のGPS受信機からの位置情報を用いて自車両の側高速度を検出するようになっていてもよい。
【0027】
また、請求項13に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、交差点の位置情報および自車両の位置情報を有するカーナビゲーション装置から、自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を取得する交差点位置取得手段と、交差点位置取得手段の取得した情報に基づいて、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことを判定する先頭判定手段と、先頭判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0028】
これによって、車車間通信装置は、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、自車両と進入しようとしている交差点の間に情報を送信している他の車両があれば、この他の車両によって交差する道路の車両は出会い頭衝突の危険性を判定することができるので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、前方にかつ交差点の手前に出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両があるときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0029】
また、請求項14に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の前方に指向性を有するように自車両に取り付けられるアンテナと、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を、アンテナを介して送信する送信手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0030】
これによって、車車間通信装置は、自車両が交差点を通り過ぎると、通り過ぎた交差点方向に情報を送信しないので、交差点内における交差点における出会い頭衝突防止システムにおいて、通信の衝突によるスループットの低下が発生しない。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0031】
また、請求項15に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0032】
これによって、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知し、チャネル選択手段がこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。また、送信制御手段がチャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うことで、この情報が送信される。そして、受信手段が、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置から、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を受信すると、危険判定手段が、受信手段が受信したこの情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定し、警報手段が危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促すので、交差点における出会い頭衝突の危険性の回避の一助となる。
【0033】
また、請求項16に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、 自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0034】
これによって、位置情報取得手段が自車両の現在位置情報を取得し、またチャネル選択手段が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用いて、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、送信制御手段がチャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うことで、この情報が送信される。そして、受信手段が、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置から、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を受信すると、危険判定手段が、受信手段が受信したこの情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定し、警報手段が危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促すので、交差点における出会い頭衝突の危険性の回避の一助となる。
【0035】
また請求項17に記載の発明は、請求項15および16に記載の車車間通信装置において、送信制御手段が送信する、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報は、自車両が進入しようとしている交差点と自車両との距離に関する情報および自車両の走行速度の情報を含むことを特徴とする。
【0036】
また請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の車車間通信装置において、危険判定手段は、受信手段が受信した情報、自車両と交差点との距離、および自車両の速度に基づいて、自車両が交差点に到達した後、情報を送信した無線機を搭載する車両が交差点に到達するまでの時間に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定することを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車車間通信装置10の構成を示す図である。この車車間通信装置10は、交差点における車同士の出会い頭衝突を防ぐために、他の車両に搭載された車車間通信装置と通信を行う。すなわち、交差点に進入する車両内の車車間通信装置10が、自車両の情報を他の車両の車車間通信装置に対して無線送信し、これを受信した車車間通信装置がこの車両の情報に基づいて出会い頭衝突の危険の有無を判定する。ここで、自車両の情報とは、自車両の位置(緯度、経度)、走行方位、速度等である。
【0038】
この目的のため、車車間通信装置10と他の車車間通信装置との通信には2つのチャネルが使用される。この車車間通信の方式においては、周波数によって通信チャネルが分かれるようになっている。そして、車車間通信装置10は以下に示す通信チャネルの割り当て方法に従って、この2つのチャネルのうちのいずれかを用いて無線送信を行う。
【0039】
図2は、車両の全走行方位360°をその方位によって4つの方位領域に分けた様子を示す図である。この図に基づいて、2つの通信チャネルの割り当ての方法を説明する。4つの方位領域とは、北東向きから南東向きまでの東領域(E領域)、南東向きから南西向きまでの南領域(S領域)、南西向きから北西向きまでの西領域(W領域)、および北西向きから北東向きまでの北領域(N領域)である。例えば、図2中の矢印で示された方向は、北北東向きとなっているので、N領域に属する。
【0040】
この4つの方位領域のうち、互いに対向する方位領域同士を1つの方位領域グループとすることで、全走行方位を2つの方位領域グループに分類する。互いに対向する方位領域とは、この場合においてはN領域とS領域、およびE領域とW領域である。すなわち、N領域とS領域(NSグループ)、およびE領域とW領域(EWグループ)が2つの方位領域グループとなる。
【0041】
各方位領域グループには、上記した2つの通信チャネルのうちのどちらかが割り当てられる。ここでは、EWグループにCh.1(周波数f1)、NSグループにCh.2(周波数f2)が割り当てられる。このような割り当てによって、走行方位がEWグループ内に属している車両の車車間通信装置はCh.1で無線送信を行い、走行方位がNSグループ内に属している車両の車車間通信装置はCh.2で無線送信を行う。
【0042】
図3に、ある交差点27の周辺における、車車間通信装置10を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す。この交差点27では、南北方向の道路と、東西方向への道路とが交差する。北から南へ走行する車両20、21の走行方位はS領域に属し、南から北へ走行する車両26の走行方位はN領域に属し、西から東へ走行する車両24、25の走行方位はE領域に属し、東から西へ走行する車両22、23の走行方位はW領域に属する。したがって、走行方位がEWグループに属する車両22、23、24、25はCh.1で無線送信を行い、走行方位がNSグループに属する車両20、21、26はCh.2で無線送信を行う。すなわち、図中左右方向の道路上の車両はCh.1で送信し、上下方向の道路上の車両はCh.2で送信するので、互いに交差する道路上の車両は異なるチャネルで無線送信を行う。
【0043】
ここで、車車間通信装置10が、図3の車両26に搭載されて車車間通信を行う場合を考える。一般に、車両26がE領域やW領域(EWグループ)の車両から無線受信を行う場合、交差点周辺の建造物等が障害となり、電波を直線経路で受信することができず、回折、反射等によって減衰した電波のみを受信することになる。その一方、S領域やN領域(NSグループ)の車両から無線受信を行う場合は、電波を直線経路で受信することになる。したがって、同じ距離だけ離れた車両から同じ出力で送出された電波であっても、車両26における受信時には、NSグループからの電波の方がレベルが大きい。
【0044】
したがって、もしNSグループからの信号とEWグループからの信号を同じチャネルで受信すると、信号レベルの弱いEWグループからの信号を受信することが困難になる。本実施形態では、上記したように、これら異なる方向からの信号は異なるチャネルで送信されるようになっているので、交差する道路からの信号の受信ができるようになる。
【0045】
またこのとき、Ch.1の信号とCh.2の信号のキャリアセンスレベルを同じにすると、Ch.1から信号を受けることのできる距離範囲に比べて、Ch.2から信号を受けることのできる距離範囲が大きくなってしまう。キャリアセンスレベルとは、受信した信号を受信データとして取り扱うために、その信号が有していなければならない最低のレベルのことである。図4に、車両AにおいてCh.1とCh.2のキャリアセンスレベルが同じであった場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す。この図の様にCh.2の通信可能領域が広がり、通信可能エリア内の車両の数が多くなることで、Ch.2において通信の衝突によるスループットの低下の発生する可能性が高くなる。これを回避するために、本実施形態の車車間通信装置10では、自車両の走行方位に基づいて、使用する通信チャネル毎にキャリアセンスレベルを変えることができるようになっている。例えば図4の例においては、Ch.2のチャネルのキャリアセンスレベルの値を高くし、受信が可能となる閾値を上げることで、Ch.2から信号を受けることのできる距離範囲を短くする。図5に、このようにした後の車両Aの受信可能領域を示す。
【0046】
また、出会い頭衝突は一般に、交差する道路上の車両同士が、互いの進入路への視界が交差点付近の構造物等によって遮られることで、互いの車両の存在を認識せずに交差点に進入してしまうことで発生する。例えば、図3において東西方向の道路が優先道路、南北方向の道路が非優先道路であり、車両26が交差点27の手前で一旦停止した場合を考える。このとき、車両24が優先道路を東向きに走行して交差点27に進入してくることを車両26の運転者が気づかず、そのまま再発進してしまうと、出会い頭衝突の危険性が高い。
【0047】
本実施形態では、このように非優先道路等から交差点に進入し、交差点手前で一旦停止する車両の運転者に、交差する道路を走行する車両が近くにあることによる出会い頭衝突の危険を認識できるようにする。具体的には、優先道路等を走行する車両に搭載された車車間通信装置10が、上記した2つのチャネルのうち1つを使用して自車両の情報を送信する。そして、非優先道路等で一旦停止した車両に搭載された車車間通信装置10は当該チャネルで当該情報を受信し、交差する道路からの車両が近くにいると判定し、警報を発することで自車両の運転者に危険を報知する。
【0048】
このような通信のための車車間通信装置10は、アンテナ1、アンテナ共用器2、送信部3、受信部4、送受信制御部5、情報処理部6、および警報装置8を有している。
【0049】
アンテナ1は、自車両の前方方向に指向性を有するようになっている。図6に、交差点27を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両Aからアンテナ1を介して送信される電波の到達領域を示す。この到達領域は、図中で強調表示した領域のように、車両Aの後方の交差点には入らない。
【0050】
送信部3はD/A変換器31、34、アップコンバータ32、35、およびBPF33、36を有している。この送信部3においては、送受信制御部5からD/A変換器31に入力された信号は、D/A変換器31でアナログ信号に変換され、アップコンバータ32でCh.1の周波数f1の信号にアップコンバートされ、BPF33で不要な周波数成分を除去された後、アンテナ共用器2を介してアンテナ1に出力される。また送受信制御部5からD/A変換器34に入力された信号は、D/A変換器34でアナログ信号に変換され、アップコンバータ35でCh.2の周波数f2の信号にアップコンバートされ、BPF36で不要な周波数成分を除去された後、アンテナ共用器2を介してアンテナ1に出力される。
【0051】
受信部4は、BPF37、39、44、ダウンコンバータ38、43、A/D変換器40、45、電力電圧変換器41、46、および比較器42、47を有している。
【0052】
電力電圧変換器41および46はログアンプを有し、入力された信号の電力レベルに電圧レベルが比例する信号を出力する回路である。
【0053】
比較器42および47は、送受信制御部5からの入力電圧によって設定された値と、入力された信号の電圧レベルとを比較し、この電圧レベルの方が高ければ送受信制御部5に信号を出力するものである。これの設定値が変わることによって、後述するように無線受信の各チャネル毎のキャリアセンスレベルが変化する。なお、本実施形態においては、この設定値として高レベル値、低レベル値(高レベル値>低レベル値)の2種類が用いられる。
【0054】
この受信部4においては、アンテナ1およびアンテナ共用器2によって受信された無線信号が、BPF37で不要な周波数成分を除去され、分配されてダウンコンバータ38およびダウンコンバータ43に出力される。
【0055】
ダウンコンバータ38では、入力された信号は周波数f1の信号をベースバンド信号に戻すようダウンコンバートされ、BPF39で不要な周波数成分を除去されてA/D変換器40および電力電圧変換器41に出力される。A/D変換器40では、入力された信号がデジタル信号に変換されて、送受信制御部5に出力される。電力電圧変換器41では、入力された信号の電力レベルに比例する電圧レベルの信号が比較器42に出力され、比較器42では入力された電圧レベルが設定値より高ければ、送受信制御部5に信号が出力される。
【0056】
ダウンコンバータ43では、入力された信号は周波数f2の信号をベースバンド信号に戻すようダウンコンバートされてBPF44に出力される。BPF44からA/D変換器45および比較器47までの信号の流れは、上記したBPF39からA/D変換器40および比較器42までの信号の流れと同様である。
【0057】
送受信制御部5は、DSPを有し、送信部3、受信部4、および情報処理部6とデジタルデータおよび制御信号のやりとりを行うデジタル処理装置である。この送受信制御部5は、情報処理部6から入力された無線送信のためのデータを、D/A変換器31、またはD/A変換器34のいずれかに出力する。いずれに出力するかは、情報処理部6から入力される制御命令によって決まる。また送受信制御部5は、比較器42から信号の入力があると、A/D変換器40からの入力を受け付け、また、比較器47から信号の入力があると、A/D変換器45からの入力を受け付ける。また送受信制御部5は、情報処理部6からの制御命令に基づき比較器42、47に電圧を入力することで設定値をセットする。
【0058】
警報装置8は、情報処理部6から制御信号を受信することによって音声等の警報を発し、車内の運転者に注意を促す。
【0059】
情報処理部6は、図示しないCPU、ROM、およびRAMを含み、CPUがROMに記録されたソフトウェアを読み出して実行することにより作動を行うようになっている。この情報処理部6には、自車両の位置を計測するGPS受信機11からこの位置情報の定期的な入力があり、また送受信制御部5から受信データが入力され、また情報処理部6から送受信制御部5には送信のためのデータを出力するようになっている。また情報処理部6から送受信制御部5および警報装置8に対しては制御信号が出力されるようになっている。またROMには、図2に示した方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係、後述する基準速度、および基準距離、前述した高レベル値および低レベル値の値、および車両のID等の情報があらかじめ記録されている。なお、車両のIDとは、車両を区別するための識別子であり、本実施形態においては車両が搭載する車車間通信装置10のシリアル番号である。また、このIDは車体番号、車内の電話番号等であってもよい。
【0060】
以上のような構成の車車間通信装置10において、Ch.1で送信される信号は情報処理部6、送受信制御部5、D/A変換器31、アップコンバータ32、BPF33、アンテナ共用器2、アンテナ1の経路を介して送信され、Ch.2で送信される信号は情報処理部6、送受信制御部5、D/A変換器34、アップコンバータ35、BPF36、アンテナ共用器2、アンテナ1の経路を介して送信される。また、どのチャネルで送信するかは情報処理部6から送受信制御部5への制御命令によって決まる。
【0061】
また、車車間通信装置10において、アンテナ1が受信したCh.1の信号は、受信したベースバンド信号の電力レベルが比較器42の設定値より高ければ、アンテナ1、アンテナ共用器2、BPF37、ダウンコンバータ38、BPF39、A/D変換器40、送受信制御部5、情報処理部6の経路で受信される。また、アンテナ1が受信したCh.2の信号は、受信したベースバンド信号の電力レベルが比較器42の設定値より高ければ、アンテナ1、アンテナ共用器2、BPF37、ダウンコンバータ43、BPF44、A/D変換器45、送受信制御部5、情報処理部6の経路で受信される。また上記した比較器42および比較器47の設定値は、送受信制御部5からの電圧信号により決まる。
【0062】
図7、図8、および図9は、情報処理部6のCPUの処理を示すフローチャートである。このCPUは、これらの図に示した3つのプロセスを並列的に実行する。これらのプロセスは車車間通信装置10が作動開始することによって始まり、車車間通信装置10が作動停止することによって終了する。
図7に示すプロセスは、主に自車両の走行方位を検出して送信チャネルを決定するための処理群である。以下このプロセスについて説明する。
【0063】
このプロセスが始まると、CPUはGPS受信機11から位置情報の入力を待ち、位置情報の入力があるとそれを受信する(ステップ410)。次に、RAMにアクセスし、このRAMに以前にGPS受信機11から取得した位置情報が記録されているかを判定する(ステップ420)。記録されていなければ、現在の位置情報と現在時刻の情報をRAMに記録し(ステップ480)、再度位置情報の入力を受信し(ステップ410)、その後ステップ420に戻る。この場合は、既にRAMに前回の位置情報が記録されているので、ステップ420の判定は肯定となる。
【0064】
ステップ420の判定が肯定の場合、処理はステップ440に進み、CPUは、このRAMの位置情報、すなわち前回取得した位置情報と、直前のステップ410で受信した位置情報とを比較し、この前回の位置情報から現在の位置情報への位置の変移の方位を自車両の走行方位とする。またRAMの時刻情報、すなわち前回取得した時刻情報と、現在の時刻とから時間経過量を算出し、この時間経過量で上記した変移の大きさを除算し、それを自車両の走行速度とする。
【0065】
次に、このステップ440に続き、検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択する。すなわち、ROMから方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係等の情報を読み出し、検出した走行方位がどの方位領域グループに属しているかを決定し(ステップ450)、その方位領域グループに対応する通信チャネルを無線送信のチャネルとして選択する(ステップ460)。
【0066】
そして、ステップ440で検出した走行方位、走行速度、およびステップ460で選択した無線送信のチャネルの情報をRAMに記録する(ステップ470)。そして、ステップ410で取得した位置情報と現在時刻とを記録し(ステップ480)、処理はステップ410に戻る。
【0067】
このステップ410〜480のループ処理によって、情報処理部6はRAMに記録された位置、時刻、走行方位、走行速度、無線送信チャネルの情報を逐次更新する。
【0068】
図8に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのものである。このプロセスの処理が始まると、CPUはROMから基準速度を読み出し、またRAMに記録されている自車両の走行速度を読み出し、自車両の速度が基準速度以上であるかを判定する(ステップ610)。この基準速度は、交差点内の通信の混雑を低減して、通信の衝突を回避するために、基準速度以上の速度で走行する車両のみが自車両の情報を発信させることを目的に設定される速度である。この方法は、高速で走る危険車両が出会い頭衝突事故に繋がる場合が多いという事実に基づいている。
【0069】
走行速度が基準速度より小さい場合、処理は再びステップ610の判定を繰り返す。
【0070】
走行速度が基準速度以上である場合、処理はステップ620に進み、CPUはRAMに記録されている位置、時刻、走行方位、走行速度、およびROMに記録されている車両のIDを無線送信データとして作成する。この無線送信データは、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報である。
【0071】
そして、この無線送信データを送受信制御部5に出力し、またRAMに記録された無線送信のチャネルを使用して無線送信データを送信するよう送受信制御部5に制御命令を出力する(ステップ630)。これによって、送受信制御部5は無線送信データを制御命令に従っていずれかのチャネルから送信する。
【0072】
ステップ630の後、処理はステップ610に戻る。このようなステップ610〜630の処理のループによって、車車間通信装置10の搭載車両の速度が基準速度より大きい場合には、逐次車両の情報が2つのチャネルのうち選択された1つによって送信される。
【0073】
図9に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するための処理である。このプロセスによる処理が始まると、CPUは、RAMから無線送信のチャネルを読み出し、またROMから高レベル値と低レベル値を読み出し、比較器42または比較器47のうちこのチャネルに対応する方の設定値を高レベル値とし、他方の設定値を低レベル値とするよう要求する制御命令を送受信制御部5に出力する(ステップ505)。送受信制御部5はこれに従って比較器42および比較器47の設定値をセットする。これによって受信部4において現在の無線送信のチャネルの受信におけるキャリアセンスレベルが高くなり、他方のチャネルのキャリアセンスレベルが低くなる。したがって、車車間通信装置10は、走行方位が自車両と同じ方位領域グループに属する他の車両からの信号は高レベル値より高いレベルの信号でないと受信しなくなるので、通信の衝突によるスループット低下を抑えることができる。
【0074】
ステップ505の後、CPUはRAMに記録されている送信チャネルでない方のチャネルにおいて、他の車両の車車間通信装置からの当該車両情報(位置、走行方位、速度)の着信を待ち、着信があるとそれを受信する(ステップ510)。なお、この受信するチャネルは、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルである。このチャネルは、自車両の走行方位、およびROMに記録された方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係に基づいて検知することができる。
【0075】
そして、この受信した信号と、RAM中の自車の位置情報を解析し、車両情報を送信した車両と自車との距離を算出する(ステップ520)。
【0076】
次に、RAM中の自車の走行速度を読み出し、自車が停止していると言える程度の低い速度(例えば時速0.2km以下)にあるか、すなわち自車が停止しているかを判定する(ステップ525)。停止していないなら、処理はステップ505に戻る。
【0077】
停止しているなら、ステップ520で算出した相対距離とROMに記録されている基準距離とを比較し、基準距離の方が大きいか否かを判定する(ステップ530)。この基準距離は、自車両が走行を再開すると衝突の危険性が発生する程度に2車両が接近しているか否かの閾値となる値で、例えば本実施形態では30mに設定される。したがって、このステップ530は、2車両間で出会い頭衝突が発生する危険性があるか否かを判定するものである。
【0078】
危険性がある場合は、CPUは警報装置8を制御して警報を鳴らし、車内の運転者に注意を促すことで危険を通知する(ステップ540)。危険性がない場合は、処理はステップ505に戻る。
【0079】
このようなステップ505〜540のループにより、車車間通信装置10を搭載した車両は他の車両からの情報に基づいて、出会い頭衝突の危険性の検知を行う。
【0080】
上記したような作動によって、優先道路等を基準速度以上で走行している車両が搭載する車車間通信装置10は、図8のステップ630において、図7のステップ460で決定したチャネルから自車の位置情報等を送信する。そして非優先道路等において交差点手前で停止する車両が搭載する車車間通信装置10は、図9のステップ520〜540の作動で、交差する方向のチャネルから位置情報を受信し、この位置情報から自車と相手車両との距離を算出し、出会い頭衝突の危険があると判定すると、警報を発して車内の運転者に注意を促す。
【0081】
このような出会い頭衝突回避のシステムにおいて、情報処理部6がステップ440で自車両の走行方位を検知し、またステップ460でこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置10は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向、すなわち異なる方位領域グループに属する走行方位の車両からの送信の通信チャネルと、並行する方向を走行する車両、すなわち同じ方位領域グループに属するからの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、並行する方向からの送信信号によって邪魔されることなく、交差する方向からの車両の情報を受信することができるようになるので、交差する方向からの車両との出会い頭衝突の回避の一助となる。
【0082】
また、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0083】
また、車車間通信装置10が、自車両の速度が基準速度より大きいときにのみ自車の情報を送信するようになっているので、高速で走行する車両によって引き起こされることが多い出会い頭衝突回避システムにおいて、交差点における通信量が減り、通信の衝突によるスループットの低下を抑えることができる。
【0084】
また、アンテナ1が、自車両の前方方向に指向性を有するようになっている。それゆえ、車車間通信装置10は自車両の前方にのみ無線信号を送信する。したがって、交差点を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両からの無線信号は交差点に到達せず、交差点に進入しようとしている車両によって引き起こされる出会い頭衝突回避システムにおいて、交差点における通信量が減り、通信の衝突によるスループットの低下が抑えられる。
【0085】
なお、車車間通信装置10は図9の出会い頭衝突回避のための受信処理は一方のチャネルでのみ行うが、その他の通信の受信は両方のチャネルで行ってもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、情報処理部6のCPUは、GPS受信機11の位置情報に基づいて自車両の走行方位を決定するが、図示しないカーナビゲーション装置(以下カーナビと記す)から車両の走行方位の情報を取得することで自車両の走行方位を決定してもよい。
【0087】
(第2実施形態)
図10に、本発明の第2実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示し、図1の車車間通信装置10と同様の要素には同一の符号を付す。車車間通信装置15は、車車間通信装置10に、ダウンコンバータ48、BPF49、A/D変換器50、電力電圧変換器51、比較器52、ダウンコンバータ53、BPF54、A/D変換器55、電力電圧変換器56、比較器57、D/A変換器58、アップコンバータ59、BPF60、D/A変換器61、アップコンバータ62、およびBPF63が追加されている。これによって、送信部3が4つの周波数の送信系統を有し、受信部4が4つの受信系統を有するようになる。これによって、車車間通信装置15は4つの通信チャネルを用いて通信をすることができる。
【0088】
車車間通信装置15は、図2のように4つの方位領域に分類された方位において、車車間通信装置15の自車両の走行方位が、この4つの方位領域のいずれに属しているかに基づいて、4つの通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようになっている。チャネルと方位領域との対応としては、E領域にはCh.1、N領域にはCh.2、W領域にはCh.3、S領域にはCh.4を、それぞれ割り当てるようになっている。
【0089】
図11に、東西方向の道路と南北方向の道路が交差する交差点28の周辺における、車車間通信装置15を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す。北から南へ走行する車両の走行方位はS領域に属しているのでCh.4で無線送信を行う。南から北へ走行する車両の走行方位はN領域に属しているのでCh.2で無線送信を行う。西から東へ走行する車両の走行方位はE領域に属しているのでCh.1で無線送信を行う。東から西へ走行する車両の走行方位はW領域に属しているのでCh.3で無線送信を行う。
【0090】
このような車車間通信装置15の作動については、上記のように4チャネルを用いて通信を行う点以外は、車車間通信装置10と同様である。ただし、図7のステップ450における自車両の走行方位領域の決定処理では、方位領域グループではなく、N、S、W、Eのどの方位領域に走行方位が属しているかを決定する。またステップ505の比較器の設定処理では、RAMに記録された送信チャネルと、ROMに記録された方位領域とチャネルの割り当ての関係を用い、送信チャネルと、その送信チャネルの方位領域と対向する方位領域のチャネルの比較器を高レベル値に設定し、他のチャネルの比較器を低レベル値に設定する。
【0091】
以上のように、4つの方位領域に分類された方位において、情報処理部6のCPUが、自車両の走行方位が4つの方位領域のいずれに属しているかに基づいて、4つの通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようになっているので、第1実施形態の効果に加え、通信チャネル数が増えることで、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0092】
また、車車間通信装置15がn個(nは5以上の自然数)のチャネルに対応するの送信系統と受信系統を有し、n個の方位領域に分類された方位において、CPUは、検知した自車両の走行方位が、このn個の方位領域のいずれに属しているかに基づいて、n個の通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようにしてもよい。例えば、n=8であってもよい。
【0093】
図12に、n=8における方位領域の分類の方法を示す。車両の全走行方位360°は、それぞれ45°の広がりを持ったN領域、NE領域、E領域、SE領域、S領域、SW領域、W領域およびNW領域に分けられる。そしてこれらの領域にはそれぞれ固有の送信チャネルが割り当てられる。
【0094】
このように走行方位が分類されていると、例えば図13に示す五叉路の交差点29においては、交差するそれぞれの道路から進入する車両に別々の無線送信チャネルが割り当てられる。このようになっていることで、より詳細なチャネルの割り当てが可能になる。
【0095】
(第3実施形態)
図14に、本発明の第3実施形態に係る車車間通信装置18の構成を示し、図10の車車間通信装置15と同様の要素には同一の符号を付す。車車間通信装置18は、車車間通信装置15におけるGPS受信機11に代わってカーナビ12が情報処理部6に接続されている。また、車車間通信装置18のアンテナ1は特定の指向性を有しないアンテナである。なお、図14においては送信系統および受信系統はそれぞれ4つであるが、これは必要に応じてm個(mは2以上の任意の自然数)あると読み替えることができるとする。
【0096】
カーナビ12は、図示しないGPS受信機、ジャイロ、車速センサ等を有し、これらによって自車両の位置、走行方位、速度等の情報、すなわち走行情報を算出する。またカーナビ12は、道路および道路の属性(道路が優先道路か否か等)、交差点の情報(位置、交差点に信号があるかないか等)、および道路周辺の構造物の位置情報を備えた地図情報を有している。
【0097】
さらにこの地図情報は、交差点チャネル情報を有している。交差点チャネル情報とは、各交差点において、その交差点に進入する道路毎にどの通信チャネルで送信を行うかを指定する情報である。図15に、交差点チャネル情報の概念図を示す。図15中の交差点に進入する道路は5つあり、それらの5つの道路にはそれぞれCh.1からCh.5までの通信チャネルが割り当てられる。交差点チャネル情報は、このような割り当てを、複数の交差点について有している。
【0098】
以上のことから、この地図情報は、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有すると言える。
【0099】
カーナビ12は、情報処理部6のCPUからの制御信号に応じて、これら自車両の位置、走行方位、速度の情報、および地図情報をこのCPUに出力する。
【0100】
本実施形態においては、優先道路を走行する車両が地図情報によって割り当てられたチャネルで自車の位置情報、速度情報等の情報を送信し、非優先道路を走行して交差点に近づいている車両の搭載する車車間通信装置18がこの情報を受信し、さらに受信した情報に基づいて双方の車両の出会い頭衝突の危険性を判定し、危険性がある場合は警報を発して自車両内の運転者に注意を促す。
【0101】
以上のような構成の車車間通信装置18の出会い頭衝突回避のための作動を、図16、図17、および図18に示す情報処理部6のCPUの処理に基づいて説明する。なお、これらの処理において、図7〜9と同様のものについては説明を簡略化または省略する。このCPUは、車車間通信装置18の電源が投入される等の、車車間通信装置18の起動によって各処理を開始し、これらの図に示した3つのプロセスの処理を並列的に実行する。
【0102】
図16に示すプロセスは、送信チャネルを決定するためのものである。処理が開始されると、CPUはカーナビ12を制御し、このカーナビ12から自車両の位置、走行方位、および走行速度等の情報、並びに交差点チャネル情報や交差点等の位置情報を含んだ地図情報を受信し、これらの情報をRAMに記録する(ステップ710)。そして、CPUは受信した自車両の位置、および地図情報から、自車両が次にどの道路からどの交差点に進入しようとしているかを検出する。そして、この検出した情報と、受信した交差点チャネル情報から、無線送信に使用する送信チャネルを特定し、そのチャネルをRAMに記録する(ステップ730)。記録した後、処理はステップ710に戻る。
【0103】
このステップ710および730のループ処理によって、情報処理部6はRAMに記録された位置、走行方位、走行速度、無線送信チャネル等の情報、および地図情報を逐次更新する。
【0104】
図17に示すプロセスは、車車間通信装置18が他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのものである。このプロセスの処理が始まると、CPUはRAMに記録されている自車両の位置情報と地図情報を用いて、搭載車用が基準の距離より交差点に近いか否かを判定する(ステップ910)。この基準の距離はあらかじめROMに記録されており、CPUはこの記録された値を読み込んで基準の距離として用いる。
【0105】
基準の距離より近いと、次に地図情報から当該交差点に信号機があるか否かを判定する(ステップ920)。信号機がなければ、次に地図情報から自車両が優先道路にあるか否かを判定する(ステップ930)。優先道路であれば、次にROMに記録された基準速度とRAMに記録された自車両の速度の情報から、この速度が基準速度以上であるか否かを判定する(ステップ940)。基準速度以上であるなら、次にRAMに記録された無線送信のチャネルと同じチャネルから出会い頭衝突の危険性を判定させるための信号を受信しているか否かを判定する(ステップ942)。受信していないなら処理はステップ950に進む。受信しているなら、次にこの受信した信号に車両の位置情報が含まれていれば、この位置情報と、RAMに記録された自車両と当該交差点の位置情報とを比較し、交差点と自車両の間にこの受信した位置情報があるか否かを判定する。すなわち、情報を送信している車両として、交差点への進入の先頭となっている他の車両があると判定する(ステップ945)。肯定であると判定すると処理はステップ910に戻る。否定であると判定すると処理はステップ950に進み、CPUはRAMに記録されている位置、走行方位、走行速度、ROMに記録されている車両のID、および自車両の交差点までの距離を無線送信データとして作成する。この無線送信データは、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報である。なお、自車両の交差点までの距離については、RAMから読み出した位置情報および地図情報から算出する。ただし、この送信データを受信する他の車車間通信装置が、交差点の位置情報を有している場合は、無線送信データに必ずしも自車両の交差点までの距離を含める必要はない。この場合は、自車両の位置情報が、自車両が進入しようとしている交差点と自車両との距離に関する情報に相当するものになる。
【0106】
そして、この無線送信データを送受信制御部5に出力し、またRAMに記録された無線送信のチャネルを使用して無線送信データを送信するよう送受信制御部5に制御命令を出力する(ステップ960)。これによって、送受信制御部5は無線送信データを制御命令に従っていずれかのチャネルから送信する。そして処理はステップ910に戻る。また、ステップ910において交差点から基準の距離より遠い、ステップ920にて交差点に信号機がある、ステップ930にて優先道路を走行していない、およびステップ940において自車両の速度が基準速度未満である、の条件がいずれか1つでも満たされていれば、処理はステップ910の判定処理に戻る。
【0107】
このようなステップ910〜960の処理のループによって、車車間通信装置18の自車両の状態や道路、交差点の状態に基づいて逐次車両の情報が2つのチャネルのうち選択された1つによって送信される。
【0108】
なお、ステップ910の判定処理によって、自車両が交差付近を走行中の場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は交差点に近い場合にのみ行えばよいからである。さらに、このように交差点付近を走行中でない車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0109】
また、ステップ920の判定処理において、自車両が進入する交差点に信号機がない場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、信号機がある場合は出会い頭衝突の危険性が非常に小さいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は信号機のない場合に行えばよいからである。さらに、このように信号機のある交差点に進入する車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0110】
また、ステップ930の判定処理によって、自車両が優先道路を走行中の場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、非優先道路から車両が交差点に近づいていても、優先道路からの車両は停止する必要がないため、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は優先道路にいる場合にのみ行えばよいからである。さらに、このように優先道路を走行中でない車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0111】
また、ステップ942および945の判定処理によって、自車両と当該交差点の間に出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する車両がない場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、自車両と進入しようとしている交差点の間に情報を送信している他の車両があれば、その車両によって交差する道路の車車間通信装置18は出会い頭衝突の危険性を判定することができるので、情報を送信する必要がないからである。さらに、このように交差点手前前方に情報を送信する車両があれば、自車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0112】
図18に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するためのものである。このプロセスによる処理が始まると、CPUは、RAMから無線送信のチャネルを読み出し、またROMから高レベル値と低レベル値を読み出し、比較器のうち現在の送信チャネルおよび並行する道路の送信チャネルに対応するものの設定値を高レベル値とし、他の設定値を低レベル値とするよう要求する制御命令を送受信制御部5に出力する(ステップ810)。
【0113】
次に、RAMに記録されている送信チャネル以外のチャネルにおいて、他の車両の車車間通信装置からの当該車両情報(位置、走行方位、速度)の着信を待ち、着信があるとそれを受信する(ステップ820)。なお、この受信するチャネルは、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルである。このチャネルは、自車両の位置情報および交差点チャネル情報に基づいて検知することができる。
【0114】
そして、この受信した信号と、RAM中の情報を解析し、この2車両間で出会い頭衝突の危険性を解析する(ステップ830)。この解析の処理については後述する。そして、2車両間で衝突の危険性があるか否かを判定する(ステップ840)。危険性がある場合は、CPUは警報装置8を制御して警報を鳴らし、車内の運転者に注意を促すことで危険を通知する(ステップ850)。危険性がない場合は、処理はステップ810に戻る。
【0115】
このようなステップ810〜850のループにより、車車間通信装置18を搭載した車両は他の車両からの情報に基づいて、出会い頭衝突の危険性の検知を行う。
【0116】
ここで、図19を用いてステップ830における危険性の解析について説明する。この危険性の解析は、概略的に言えば、受信した情報、自車両と交差点との距離、および自車両の速度に基づいて、自車両が交差点に到達した後、情報を送信した無線機を搭載する車両が交差点に到達するまでの時間に基づいた解析である。図19中左側の交差点の図は、時刻t0(秒)におけるある交差点に、非優先道路から進入しようとする車両A、および優先道路から進入しようとする車両Bを表している。この時点で、車両Aの速度はVs、交差点までの距離はLsであるとする。また、車両Bの速度はVe、交差点までの距離はLeであるとする。
【0117】
この時点で、車両Aの車車間通信装置18のCPUが、車両Bからの信号をCh.3で受信して情報を取得し、この情報および自車両Aの情報をもとに車両Bと自車両Aとの出会い頭衝突の危険度を算出する。
【0118】
まずCPUは、RAMから自車両Aの速度Vsを取得する。またRAMから車両Aの位置情報および地図情報を取得し、これらから車両Aの交差点までの距離Lsを算出する。そして、この速度Vsと距離Lsから車両Aが交差点に到達するまでの予想時間Ts(秒)を算出する。この予想到達時間Tsは、車両Aが速度Vsのまま等速運動で交差点に進入した場合の到達時間(Ls/Vs)としてもよいし、車両Aがちょうど交差点で停止するよう等加速度でブレーキをかけてた場合の到達時間(2Ls/Vs)であるとしてもよい。また、情報処理部6のROMが、一般的なドライバーにおける、現速度および交差点までの距離と交差点までの到達時間との関係を示す対応表を予め有しており、CPUがこれを読み出して用いることで、VsとLsからTsを得るようになっていてもよい。
【0119】
またCPUは、車両Bから受信した車両Bの速度Ve、交差点までの距離Leから、時刻t0のTs秒後における車両Bの交差点からの距離Le−VeTsを算出する。なおこのとき、車両Bは優先道路を走行しているということで、等速運動を行うと仮定されている。図19右側に、当該交差点における、この時刻t0+Tsにおける車両A、Bの位置を示す。またCPUは、時刻t0+Tsの時点で、あと何秒で車両Bが交差点に到達するか、すなわち時間(Le−VeTs)/Veを算出する。そしてこの時間が閾値αKより小さいとき、出会い頭衝突の危険性があるとする。ここで、Kは2秒であるとし、係数αは1とする。この場合、車両Aが交差点に到達してから車両Bが交差点に進入するまで2秒未満である場合が危険有りということになる。なお、αは、車両A、Bのドライバーの年齢と運転適性、道路の渋滞状況、その地点の過去の事故発生率により変更することができるようにしてもよい。そのようにする場合は、車両A、Bのドライバーの年齢と運転適性については、あらかじめそれぞれの車両の車車間通信装置18内のROMに記録されたものを読み出し、道路の渋滞状況については、渋滞情報センターとの無線通信によって取得し、過去の事故発生率については、あらかじめ事故発生率の情報を有している地図情報から取得する。
【0120】
上記したような作動によって、優先道路において信号機のない交差点付近を基準速度以上で走行している車両が搭載する車車間通信装置18は、図17のステップ960において、図16のステップ730で決定したチャネルから自車の位置情報等を送信する。そして非優先道路において交差点に近づいている車両が搭載する車車間通信装置18は、図18のステップ820〜850の作動で、交差する方向のチャネルから位置情報を受信し、この位置情報から自車と相手車両との距離を算出し、出会い頭衝突の危険があると判定すると、警報を発して車内の運転者に注意を促す。
【0121】
以上のような車車間通信装置18において、CPUがカーナビ12から自車両の現在位置情報および交差点チャネル情報を取得し、それを用いて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置18は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、並行する方向からの送信信号によって邪魔されることなく、交差する方向からの車両の情報を受信することができるようになるので、交差する方向からの車両との出会い頭衝突の回避の一助となる。
【0122】
また、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0123】
なお、本発明の各実施形態においては、無線通信装置は交差する道路における車両の存在、非存在に関わらず、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するが、必ずしもこのようになっている必要はない、例えば、優先道路と非優先道路が区別されている交差点において、非優先道路の車車間通信装置が定期的に、あるいは交差点で停止したときに、出会い頭衝突のための情報を要求する信号を送出し、この優先道路側の車車間通信装置の情報処理部6のCPUは、この要求信号を受信することに基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うようになっていてもよい。このようなCPUの作動は、例えば、図17のステップ930の直後に、交差する道路の送信チャネルから上記した要求信号を受信したか否かの判定を行い、受信した場合はステップ940に進み、受信していない場合はステップ910に戻るようになっていれば実現可能である。
【0124】
また、本発明の第1および第2実施形態では、図7のステップ410〜440のCPUの処理が、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段を構成する。
【0125】
また、図7のステップ450および460のCPUの処理が、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段を構成する。
【0126】
また第3実施形態では、図16のステップ710が自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段を構成する。また、図16のステップ730が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段を構成する。
【0127】
また、図17のステップ910の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を用いて交差点と自車両との距離を算出し、この算出した距離が基準距離より短いことを判定する交差点近接判定手段を更新する。
【0128】
また、ステップ920の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する、自車両が進入しようとしている交差点の情報を用い、交差点が信号機を備えていないことを判定する信号機不在判定手段を構成する。
【0129】
また、ステップ930の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する、自車両が走行している道路の属性の情報を用い、自車両が優先道路を走行していることを判定する優先道路走行判定手段を構成する。
【0130】
また、ステップ940の判定処理、およびステップ610の判定処理のそれぞれが、自車両の走行速度が基準速度より大きいことを判定する高速走行判定手段を構成する。
【0131】
また、ステップ942およびステップ945の処理が、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことを判定する先頭判定手段を構成する。
【0132】
また、ステップ960の処理、およびステップ620の処理が、送信手段を構成する。
【0133】
また、ステップ530の判定処理、およびステップ840の判定処理のそれぞれが、危険判定手段を構成する。
【0134】
また、ステップ540の警報鳴動処理、およびステップ850の警報鳴動処理のそれぞれが、警報手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車車間通信装置10の構成を示す図である
【図2】車両の全走行方位360°をその方位によって4つの方位領域に分けた様子を示す図である。
【図3】ある交差点27の周辺における、車車間通信装置10を搭載した車両に対するチャネルの割り当ての一例を示す図である。
【図4】Ch.1とCh.2のキャリアセンスレベルが同じであった場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す図である。
【図5】Ch.2のキャリアセンスレベルを下げた場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す図である。
【図6】交差点27を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両Aからアンテナ1を介して送信される電波の到達領域を示す図である。
【図7】主に自車両の走行方位を検出して送信チャネルを決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図8】車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図9】車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するための処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示す図である。
【図11】交差点28の周辺における、車車間通信装置15を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す図である。
【図12】n=8における方位領域の分類の方法を示す図である。
【図13】五叉路の交差点29におけるチャネルの割り当てを示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示す図である。
【図15】交差点チャネル情報の概念図を示す図である。
【図16】送信チャネルを決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図17】他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図18】他の車両の情報を受信し、出会い頭衝突の危険があるかを判定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図19】ステップ830における危険性の解析について説明する図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…アンテナ共用器、3…送信部、4…受信部、
5…送受信制御部、6…情報処理部6、8…警報装置、
1015、18…車車間通信装置、11…GPS受信機、
12…カーナビ、20〜26…車両、27〜29…交差点、
31、34、58、61…D/A変換器、
32、35、59、62…アップコンバータ、
33、36、37、60、63、…BPF、
38、43、48、53…ダウンコンバータ、
40、45、50、55…A/D変換器、
41、46、51、56…電力電圧変換器、
42、47、52、57…比較器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車車間通信装置に関するもので、交差点における出会い頭衝突回避に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信装置を有する車両が基地局を介さずに他の車両と行う通信、すなわち車車間通信が広く研究されている。例えば、特開2000−276696号公報には、交差点で車両同士が衝突することを回避するために車車間通信を利用する技術が開示されている。この技術では、車両が他の車両に対して自己の位置情報および現在、未来の存在確率データを通知することで、これらの車両同士が衝突する可能性が算出できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、交差点において、交差する道路上を走行する車両同士の出会い頭衝突の危険性を検出する場合、交差点近くの建造物等によってこれら車車間の直線経路による無線通信が遮られ、その結果回折する電波による通信しか行えなくなる場合がある。この場合、回折した電波しか受信できないので、信号の減衰が大きく、車両と並行(同一方向および逆方向を含む)に走行する車両からの電波に対して、交差する方向に走行する車両からの電波は受信レベルが大幅に低くなる。したがって、直交方向の車両と同一方向の車両の両方から受信する場合は、直交方向の車両からの電波を正確に受信することが困難になるという問題がある。
【0004】
また、今後車車間通信が広く普及し、多くの車両が車車間通信を行うようになると、通信の混雑度が増し、ひいては通信のコリジョン(衝突)による通信不能状態が発生し、交差点において車両同士の出会い頭衝突の回避のための通信等が不能にる場合があり、円滑な車車間通信が行えなくなる。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、交差点において車車間通信を円滑に行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、請求項1に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置である。
【0007】
これによって、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知し、チャネル選択手段がこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向に走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向に走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0008】
なお、交差点における交差する方向とは、交差点において並行しない方向のことである。また、自車両とは、当該車車間通信装置を搭載する車両のことである。また、走行方位の検知とは、走行方位の情報を外部の装置等から取得すること、および走行方位を自ら計算することを含む概念である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車車間通信装置において、走行方位検知手段は、自車両が有するカーナビゲーション装置から走行方位の情報を取得することで、自車両の走行方位を検知することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、において、走行方位検知手段は、現在と過去のGPS受信機からの位置情報を用いて、自車両の走行方位を検知することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信装置。
【0011】
なお、現在の位置情報とは、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知する時刻と厳密に同一の時刻における位置情報のみならず、車両の走行方位が変化していない程度の過去の位置情報をも含む概念である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、全方位を複数の方位領域に分け、さらにこの複数の方位領域のうち、互いに対向する方位領域同士を1つの方位領域グループとすることで分類された方位において、チャネル選択手段は、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位が、方位領域グループのいずれに属しているかに基づいて、複数の通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、複数の方位領域に分類された方位において、チャネル選択手段は、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位が、複数の方位領域のいずれに属しているかに基づいて、上記した複数あるうちの1つの通信チャネルを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置である。
【0015】
これによって、位置情報取得手段が自車両の現在位置情報を取得し、またチャネル選択手段が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用いて、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車車間通信装置において、位置情報取得手段は、自車両が有するカーナビゲーション装置から自車両の現在位置情報を取得し、チャネル選択手段は、カーナビゲーション装置が有する地図情報用をいることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車車間通信装置において、チャネル選択手段の通信チャネルの選択に基づいて、受信において使用する通信チャネルのそれぞれのキャリアセンスレベルを設定するキャリアセンスレベル設定手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を用いて、交差点と自車両との距離を算出し、この算出した距離が基準距離より短いことを判定する交差点近接判定手段と、交差点近接判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0019】
これによって、車車間通信装置は、交差点と自車両との距離が基準距離より短いことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は交差点に近い場合にのみ行えばよいので、自車両が交差点に近くないときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する、自車両が進入しようとしている交差点の情報を用い、交差点が信号機を備えていないことを判定する信号機不在判定手段と、信号機不在判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0021】
これによって、車車間通信装置は、自車両が進入しようとしている交差点が信号機を備えていないことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、交差点に信号機がある場合は出会い頭衝突の危険性が非常に小さいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、交差点に信号機があるときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0022】
また、請求項11に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、カーナビゲーション装置が有する、自車両が走行している道路の属性の情報を用い、自車両が優先道路を走行していることを判定する優先道路走行判定手段と、優先道路走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0023】
これによって、車車間通信装置は、自車両が優先道路を走行していることの判定にもとづいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、非優先道路から車両が交差点に近づいていても、優先道路からの車両は停止する必要がないことから、優先道路を走行する車両がこの情報を送信し、非優先道路にある車両がこれを受信して出会い頭衝突の危険性を判定すればよいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、優先道路を走行していないときに情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0024】
また、請求項12に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行速度が基準速度より大きいことを判定する高速走行判定手段と、高速走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0025】
これによって、車車間通信装置は、自車両の走行速度が基準速度より大きいことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、一般に交差点における出会い頭衝突は、高速走行する車両によって引き起こされることが多いので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、高速走行していない車両が情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0026】
なお、この高速走行判定手段は、例えば自車両の走行速度の情報を有す得るカーナビゲーション装置から、自車両の走行速度を検知するようになっていてもよいし、また、現在と過去のGPS受信機からの位置情報を用いて自車両の側高速度を検出するようになっていてもよい。
【0027】
また、請求項13に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、交差点の位置情報および自車両の位置情報を有するカーナビゲーション装置から、自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を取得する交差点位置取得手段と、交差点位置取得手段の取得した情報に基づいて、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことを判定する先頭判定手段と、先頭判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0028】
これによって、車車間通信装置は、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことの判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う。したがって、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、自車両と進入しようとしている交差点の間に情報を送信している他の車両があれば、この他の車両によって交差する道路の車両は出会い頭衝突の危険性を判定することができるので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、前方にかつ交差点の手前に出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両があるときにこの情報を送信しないことは、この発明が交差点の出会い頭衝突を回避するための一助となることを妨げない。
【0029】
また、請求項14に記載の発明は、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の前方に指向性を有するように自車両に取り付けられるアンテナと、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を、アンテナを介して送信する送信手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0030】
これによって、車車間通信装置は、自車両が交差点を通り過ぎると、通り過ぎた交差点方向に情報を送信しないので、交差点内における交差点における出会い頭衝突防止システムにおいて、通信の衝突によるスループットの低下が発生しない。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0031】
また、請求項15に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0032】
これによって、走行方位検知手段が自車両の走行方位を検知し、チャネル選択手段がこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。また、送信制御手段がチャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うことで、この情報が送信される。そして、受信手段が、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置から、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を受信すると、危険判定手段が、受信手段が受信したこの情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定し、警報手段が危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促すので、交差点における出会い頭衝突の危険性の回避の一助となる。
【0033】
また、請求項16に記載の発明は、複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、 自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置である。
【0034】
これによって、位置情報取得手段が自車両の現在位置情報を取得し、またチャネル選択手段が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用いて、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。また、送信制御手段がチャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うことで、この情報が送信される。そして、受信手段が、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置から、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を受信すると、危険判定手段が、受信手段が受信したこの情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定し、警報手段が危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促すので、交差点における出会い頭衝突の危険性の回避の一助となる。
【0035】
また請求項17に記載の発明は、請求項15および16に記載の車車間通信装置において、送信制御手段が送信する、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報は、自車両が進入しようとしている交差点と自車両との距離に関する情報および自車両の走行速度の情報を含むことを特徴とする。
【0036】
また請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の車車間通信装置において、危険判定手段は、受信手段が受信した情報、自車両と交差点との距離、および自車両の速度に基づいて、自車両が交差点に到達した後、情報を送信した無線機を搭載する車両が交差点に到達するまでの時間に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定することを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車車間通信装置10の構成を示す図である。この車車間通信装置10は、交差点における車同士の出会い頭衝突を防ぐために、他の車両に搭載された車車間通信装置と通信を行う。すなわち、交差点に進入する車両内の車車間通信装置10が、自車両の情報を他の車両の車車間通信装置に対して無線送信し、これを受信した車車間通信装置がこの車両の情報に基づいて出会い頭衝突の危険の有無を判定する。ここで、自車両の情報とは、自車両の位置(緯度、経度)、走行方位、速度等である。
【0038】
この目的のため、車車間通信装置10と他の車車間通信装置との通信には2つのチャネルが使用される。この車車間通信の方式においては、周波数によって通信チャネルが分かれるようになっている。そして、車車間通信装置10は以下に示す通信チャネルの割り当て方法に従って、この2つのチャネルのうちのいずれかを用いて無線送信を行う。
【0039】
図2は、車両の全走行方位360°をその方位によって4つの方位領域に分けた様子を示す図である。この図に基づいて、2つの通信チャネルの割り当ての方法を説明する。4つの方位領域とは、北東向きから南東向きまでの東領域(E領域)、南東向きから南西向きまでの南領域(S領域)、南西向きから北西向きまでの西領域(W領域)、および北西向きから北東向きまでの北領域(N領域)である。例えば、図2中の矢印で示された方向は、北北東向きとなっているので、N領域に属する。
【0040】
この4つの方位領域のうち、互いに対向する方位領域同士を1つの方位領域グループとすることで、全走行方位を2つの方位領域グループに分類する。互いに対向する方位領域とは、この場合においてはN領域とS領域、およびE領域とW領域である。すなわち、N領域とS領域(NSグループ)、およびE領域とW領域(EWグループ)が2つの方位領域グループとなる。
【0041】
各方位領域グループには、上記した2つの通信チャネルのうちのどちらかが割り当てられる。ここでは、EWグループにCh.1(周波数f1)、NSグループにCh.2(周波数f2)が割り当てられる。このような割り当てによって、走行方位がEWグループ内に属している車両の車車間通信装置はCh.1で無線送信を行い、走行方位がNSグループ内に属している車両の車車間通信装置はCh.2で無線送信を行う。
【0042】
図3に、ある交差点27の周辺における、車車間通信装置10を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す。この交差点27では、南北方向の道路と、東西方向への道路とが交差する。北から南へ走行する車両20、21の走行方位はS領域に属し、南から北へ走行する車両26の走行方位はN領域に属し、西から東へ走行する車両24、25の走行方位はE領域に属し、東から西へ走行する車両22、23の走行方位はW領域に属する。したがって、走行方位がEWグループに属する車両22、23、24、25はCh.1で無線送信を行い、走行方位がNSグループに属する車両20、21、26はCh.2で無線送信を行う。すなわち、図中左右方向の道路上の車両はCh.1で送信し、上下方向の道路上の車両はCh.2で送信するので、互いに交差する道路上の車両は異なるチャネルで無線送信を行う。
【0043】
ここで、車車間通信装置10が、図3の車両26に搭載されて車車間通信を行う場合を考える。一般に、車両26がE領域やW領域(EWグループ)の車両から無線受信を行う場合、交差点周辺の建造物等が障害となり、電波を直線経路で受信することができず、回折、反射等によって減衰した電波のみを受信することになる。その一方、S領域やN領域(NSグループ)の車両から無線受信を行う場合は、電波を直線経路で受信することになる。したがって、同じ距離だけ離れた車両から同じ出力で送出された電波であっても、車両26における受信時には、NSグループからの電波の方がレベルが大きい。
【0044】
したがって、もしNSグループからの信号とEWグループからの信号を同じチャネルで受信すると、信号レベルの弱いEWグループからの信号を受信することが困難になる。本実施形態では、上記したように、これら異なる方向からの信号は異なるチャネルで送信されるようになっているので、交差する道路からの信号の受信ができるようになる。
【0045】
またこのとき、Ch.1の信号とCh.2の信号のキャリアセンスレベルを同じにすると、Ch.1から信号を受けることのできる距離範囲に比べて、Ch.2から信号を受けることのできる距離範囲が大きくなってしまう。キャリアセンスレベルとは、受信した信号を受信データとして取り扱うために、その信号が有していなければならない最低のレベルのことである。図4に、車両AにおいてCh.1とCh.2のキャリアセンスレベルが同じであった場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す。この図の様にCh.2の通信可能領域が広がり、通信可能エリア内の車両の数が多くなることで、Ch.2において通信の衝突によるスループットの低下の発生する可能性が高くなる。これを回避するために、本実施形態の車車間通信装置10では、自車両の走行方位に基づいて、使用する通信チャネル毎にキャリアセンスレベルを変えることができるようになっている。例えば図4の例においては、Ch.2のチャネルのキャリアセンスレベルの値を高くし、受信が可能となる閾値を上げることで、Ch.2から信号を受けることのできる距離範囲を短くする。図5に、このようにした後の車両Aの受信可能領域を示す。
【0046】
また、出会い頭衝突は一般に、交差する道路上の車両同士が、互いの進入路への視界が交差点付近の構造物等によって遮られることで、互いの車両の存在を認識せずに交差点に進入してしまうことで発生する。例えば、図3において東西方向の道路が優先道路、南北方向の道路が非優先道路であり、車両26が交差点27の手前で一旦停止した場合を考える。このとき、車両24が優先道路を東向きに走行して交差点27に進入してくることを車両26の運転者が気づかず、そのまま再発進してしまうと、出会い頭衝突の危険性が高い。
【0047】
本実施形態では、このように非優先道路等から交差点に進入し、交差点手前で一旦停止する車両の運転者に、交差する道路を走行する車両が近くにあることによる出会い頭衝突の危険を認識できるようにする。具体的には、優先道路等を走行する車両に搭載された車車間通信装置10が、上記した2つのチャネルのうち1つを使用して自車両の情報を送信する。そして、非優先道路等で一旦停止した車両に搭載された車車間通信装置10は当該チャネルで当該情報を受信し、交差する道路からの車両が近くにいると判定し、警報を発することで自車両の運転者に危険を報知する。
【0048】
このような通信のための車車間通信装置10は、アンテナ1、アンテナ共用器2、送信部3、受信部4、送受信制御部5、情報処理部6、および警報装置8を有している。
【0049】
アンテナ1は、自車両の前方方向に指向性を有するようになっている。図6に、交差点27を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両Aからアンテナ1を介して送信される電波の到達領域を示す。この到達領域は、図中で強調表示した領域のように、車両Aの後方の交差点には入らない。
【0050】
送信部3はD/A変換器31、34、アップコンバータ32、35、およびBPF33、36を有している。この送信部3においては、送受信制御部5からD/A変換器31に入力された信号は、D/A変換器31でアナログ信号に変換され、アップコンバータ32でCh.1の周波数f1の信号にアップコンバートされ、BPF33で不要な周波数成分を除去された後、アンテナ共用器2を介してアンテナ1に出力される。また送受信制御部5からD/A変換器34に入力された信号は、D/A変換器34でアナログ信号に変換され、アップコンバータ35でCh.2の周波数f2の信号にアップコンバートされ、BPF36で不要な周波数成分を除去された後、アンテナ共用器2を介してアンテナ1に出力される。
【0051】
受信部4は、BPF37、39、44、ダウンコンバータ38、43、A/D変換器40、45、電力電圧変換器41、46、および比較器42、47を有している。
【0052】
電力電圧変換器41および46はログアンプを有し、入力された信号の電力レベルに電圧レベルが比例する信号を出力する回路である。
【0053】
比較器42および47は、送受信制御部5からの入力電圧によって設定された値と、入力された信号の電圧レベルとを比較し、この電圧レベルの方が高ければ送受信制御部5に信号を出力するものである。これの設定値が変わることによって、後述するように無線受信の各チャネル毎のキャリアセンスレベルが変化する。なお、本実施形態においては、この設定値として高レベル値、低レベル値(高レベル値>低レベル値)の2種類が用いられる。
【0054】
この受信部4においては、アンテナ1およびアンテナ共用器2によって受信された無線信号が、BPF37で不要な周波数成分を除去され、分配されてダウンコンバータ38およびダウンコンバータ43に出力される。
【0055】
ダウンコンバータ38では、入力された信号は周波数f1の信号をベースバンド信号に戻すようダウンコンバートされ、BPF39で不要な周波数成分を除去されてA/D変換器40および電力電圧変換器41に出力される。A/D変換器40では、入力された信号がデジタル信号に変換されて、送受信制御部5に出力される。電力電圧変換器41では、入力された信号の電力レベルに比例する電圧レベルの信号が比較器42に出力され、比較器42では入力された電圧レベルが設定値より高ければ、送受信制御部5に信号が出力される。
【0056】
ダウンコンバータ43では、入力された信号は周波数f2の信号をベースバンド信号に戻すようダウンコンバートされてBPF44に出力される。BPF44からA/D変換器45および比較器47までの信号の流れは、上記したBPF39からA/D変換器40および比較器42までの信号の流れと同様である。
【0057】
送受信制御部5は、DSPを有し、送信部3、受信部4、および情報処理部6とデジタルデータおよび制御信号のやりとりを行うデジタル処理装置である。この送受信制御部5は、情報処理部6から入力された無線送信のためのデータを、D/A変換器31、またはD/A変換器34のいずれかに出力する。いずれに出力するかは、情報処理部6から入力される制御命令によって決まる。また送受信制御部5は、比較器42から信号の入力があると、A/D変換器40からの入力を受け付け、また、比較器47から信号の入力があると、A/D変換器45からの入力を受け付ける。また送受信制御部5は、情報処理部6からの制御命令に基づき比較器42、47に電圧を入力することで設定値をセットする。
【0058】
警報装置8は、情報処理部6から制御信号を受信することによって音声等の警報を発し、車内の運転者に注意を促す。
【0059】
情報処理部6は、図示しないCPU、ROM、およびRAMを含み、CPUがROMに記録されたソフトウェアを読み出して実行することにより作動を行うようになっている。この情報処理部6には、自車両の位置を計測するGPS受信機11からこの位置情報の定期的な入力があり、また送受信制御部5から受信データが入力され、また情報処理部6から送受信制御部5には送信のためのデータを出力するようになっている。また情報処理部6から送受信制御部5および警報装置8に対しては制御信号が出力されるようになっている。またROMには、図2に示した方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係、後述する基準速度、および基準距離、前述した高レベル値および低レベル値の値、および車両のID等の情報があらかじめ記録されている。なお、車両のIDとは、車両を区別するための識別子であり、本実施形態においては車両が搭載する車車間通信装置10のシリアル番号である。また、このIDは車体番号、車内の電話番号等であってもよい。
【0060】
以上のような構成の車車間通信装置10において、Ch.1で送信される信号は情報処理部6、送受信制御部5、D/A変換器31、アップコンバータ32、BPF33、アンテナ共用器2、アンテナ1の経路を介して送信され、Ch.2で送信される信号は情報処理部6、送受信制御部5、D/A変換器34、アップコンバータ35、BPF36、アンテナ共用器2、アンテナ1の経路を介して送信される。また、どのチャネルで送信するかは情報処理部6から送受信制御部5への制御命令によって決まる。
【0061】
また、車車間通信装置10において、アンテナ1が受信したCh.1の信号は、受信したベースバンド信号の電力レベルが比較器42の設定値より高ければ、アンテナ1、アンテナ共用器2、BPF37、ダウンコンバータ38、BPF39、A/D変換器40、送受信制御部5、情報処理部6の経路で受信される。また、アンテナ1が受信したCh.2の信号は、受信したベースバンド信号の電力レベルが比較器42の設定値より高ければ、アンテナ1、アンテナ共用器2、BPF37、ダウンコンバータ43、BPF44、A/D変換器45、送受信制御部5、情報処理部6の経路で受信される。また上記した比較器42および比較器47の設定値は、送受信制御部5からの電圧信号により決まる。
【0062】
図7、図8、および図9は、情報処理部6のCPUの処理を示すフローチャートである。このCPUは、これらの図に示した3つのプロセスを並列的に実行する。これらのプロセスは車車間通信装置10が作動開始することによって始まり、車車間通信装置10が作動停止することによって終了する。
図7に示すプロセスは、主に自車両の走行方位を検出して送信チャネルを決定するための処理群である。以下このプロセスについて説明する。
【0063】
このプロセスが始まると、CPUはGPS受信機11から位置情報の入力を待ち、位置情報の入力があるとそれを受信する(ステップ410)。次に、RAMにアクセスし、このRAMに以前にGPS受信機11から取得した位置情報が記録されているかを判定する(ステップ420)。記録されていなければ、現在の位置情報と現在時刻の情報をRAMに記録し(ステップ480)、再度位置情報の入力を受信し(ステップ410)、その後ステップ420に戻る。この場合は、既にRAMに前回の位置情報が記録されているので、ステップ420の判定は肯定となる。
【0064】
ステップ420の判定が肯定の場合、処理はステップ440に進み、CPUは、このRAMの位置情報、すなわち前回取得した位置情報と、直前のステップ410で受信した位置情報とを比較し、この前回の位置情報から現在の位置情報への位置の変移の方位を自車両の走行方位とする。またRAMの時刻情報、すなわち前回取得した時刻情報と、現在の時刻とから時間経過量を算出し、この時間経過量で上記した変移の大きさを除算し、それを自車両の走行速度とする。
【0065】
次に、このステップ440に続き、検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択する。すなわち、ROMから方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係等の情報を読み出し、検出した走行方位がどの方位領域グループに属しているかを決定し(ステップ450)、その方位領域グループに対応する通信チャネルを無線送信のチャネルとして選択する(ステップ460)。
【0066】
そして、ステップ440で検出した走行方位、走行速度、およびステップ460で選択した無線送信のチャネルの情報をRAMに記録する(ステップ470)。そして、ステップ410で取得した位置情報と現在時刻とを記録し(ステップ480)、処理はステップ410に戻る。
【0067】
このステップ410〜480のループ処理によって、情報処理部6はRAMに記録された位置、時刻、走行方位、走行速度、無線送信チャネルの情報を逐次更新する。
【0068】
図8に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのものである。このプロセスの処理が始まると、CPUはROMから基準速度を読み出し、またRAMに記録されている自車両の走行速度を読み出し、自車両の速度が基準速度以上であるかを判定する(ステップ610)。この基準速度は、交差点内の通信の混雑を低減して、通信の衝突を回避するために、基準速度以上の速度で走行する車両のみが自車両の情報を発信させることを目的に設定される速度である。この方法は、高速で走る危険車両が出会い頭衝突事故に繋がる場合が多いという事実に基づいている。
【0069】
走行速度が基準速度より小さい場合、処理は再びステップ610の判定を繰り返す。
【0070】
走行速度が基準速度以上である場合、処理はステップ620に進み、CPUはRAMに記録されている位置、時刻、走行方位、走行速度、およびROMに記録されている車両のIDを無線送信データとして作成する。この無線送信データは、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報である。
【0071】
そして、この無線送信データを送受信制御部5に出力し、またRAMに記録された無線送信のチャネルを使用して無線送信データを送信するよう送受信制御部5に制御命令を出力する(ステップ630)。これによって、送受信制御部5は無線送信データを制御命令に従っていずれかのチャネルから送信する。
【0072】
ステップ630の後、処理はステップ610に戻る。このようなステップ610〜630の処理のループによって、車車間通信装置10の搭載車両の速度が基準速度より大きい場合には、逐次車両の情報が2つのチャネルのうち選択された1つによって送信される。
【0073】
図9に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するための処理である。このプロセスによる処理が始まると、CPUは、RAMから無線送信のチャネルを読み出し、またROMから高レベル値と低レベル値を読み出し、比較器42または比較器47のうちこのチャネルに対応する方の設定値を高レベル値とし、他方の設定値を低レベル値とするよう要求する制御命令を送受信制御部5に出力する(ステップ505)。送受信制御部5はこれに従って比較器42および比較器47の設定値をセットする。これによって受信部4において現在の無線送信のチャネルの受信におけるキャリアセンスレベルが高くなり、他方のチャネルのキャリアセンスレベルが低くなる。したがって、車車間通信装置10は、走行方位が自車両と同じ方位領域グループに属する他の車両からの信号は高レベル値より高いレベルの信号でないと受信しなくなるので、通信の衝突によるスループット低下を抑えることができる。
【0074】
ステップ505の後、CPUはRAMに記録されている送信チャネルでない方のチャネルにおいて、他の車両の車車間通信装置からの当該車両情報(位置、走行方位、速度)の着信を待ち、着信があるとそれを受信する(ステップ510)。なお、この受信するチャネルは、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルである。このチャネルは、自車両の走行方位、およびROMに記録された方位領域および方位領域グループとチャネルの割り当ての関係に基づいて検知することができる。
【0075】
そして、この受信した信号と、RAM中の自車の位置情報を解析し、車両情報を送信した車両と自車との距離を算出する(ステップ520)。
【0076】
次に、RAM中の自車の走行速度を読み出し、自車が停止していると言える程度の低い速度(例えば時速0.2km以下)にあるか、すなわち自車が停止しているかを判定する(ステップ525)。停止していないなら、処理はステップ505に戻る。
【0077】
停止しているなら、ステップ520で算出した相対距離とROMに記録されている基準距離とを比較し、基準距離の方が大きいか否かを判定する(ステップ530)。この基準距離は、自車両が走行を再開すると衝突の危険性が発生する程度に2車両が接近しているか否かの閾値となる値で、例えば本実施形態では30mに設定される。したがって、このステップ530は、2車両間で出会い頭衝突が発生する危険性があるか否かを判定するものである。
【0078】
危険性がある場合は、CPUは警報装置8を制御して警報を鳴らし、車内の運転者に注意を促すことで危険を通知する(ステップ540)。危険性がない場合は、処理はステップ505に戻る。
【0079】
このようなステップ505〜540のループにより、車車間通信装置10を搭載した車両は他の車両からの情報に基づいて、出会い頭衝突の危険性の検知を行う。
【0080】
上記したような作動によって、優先道路等を基準速度以上で走行している車両が搭載する車車間通信装置10は、図8のステップ630において、図7のステップ460で決定したチャネルから自車の位置情報等を送信する。そして非優先道路等において交差点手前で停止する車両が搭載する車車間通信装置10は、図9のステップ520〜540の作動で、交差する方向のチャネルから位置情報を受信し、この位置情報から自車と相手車両との距離を算出し、出会い頭衝突の危険があると判定すると、警報を発して車内の運転者に注意を促す。
【0081】
このような出会い頭衝突回避のシステムにおいて、情報処理部6がステップ440で自車両の走行方位を検知し、またステップ460でこの走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置10は自車両の走行方位によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向、すなわち異なる方位領域グループに属する走行方位の車両からの送信の通信チャネルと、並行する方向を走行する車両、すなわち同じ方位領域グループに属するからの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、並行する方向からの送信信号によって邪魔されることなく、交差する方向からの車両の情報を受信することができるようになるので、交差する方向からの車両との出会い頭衝突の回避の一助となる。
【0082】
また、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0083】
また、車車間通信装置10が、自車両の速度が基準速度より大きいときにのみ自車の情報を送信するようになっているので、高速で走行する車両によって引き起こされることが多い出会い頭衝突回避システムにおいて、交差点における通信量が減り、通信の衝突によるスループットの低下を抑えることができる。
【0084】
また、アンテナ1が、自車両の前方方向に指向性を有するようになっている。それゆえ、車車間通信装置10は自車両の前方にのみ無線信号を送信する。したがって、交差点を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両からの無線信号は交差点に到達せず、交差点に進入しようとしている車両によって引き起こされる出会い頭衝突回避システムにおいて、交差点における通信量が減り、通信の衝突によるスループットの低下が抑えられる。
【0085】
なお、車車間通信装置10は図9の出会い頭衝突回避のための受信処理は一方のチャネルでのみ行うが、その他の通信の受信は両方のチャネルで行ってもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、情報処理部6のCPUは、GPS受信機11の位置情報に基づいて自車両の走行方位を決定するが、図示しないカーナビゲーション装置(以下カーナビと記す)から車両の走行方位の情報を取得することで自車両の走行方位を決定してもよい。
【0087】
(第2実施形態)
図10に、本発明の第2実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示し、図1の車車間通信装置10と同様の要素には同一の符号を付す。車車間通信装置15は、車車間通信装置10に、ダウンコンバータ48、BPF49、A/D変換器50、電力電圧変換器51、比較器52、ダウンコンバータ53、BPF54、A/D変換器55、電力電圧変換器56、比較器57、D/A変換器58、アップコンバータ59、BPF60、D/A変換器61、アップコンバータ62、およびBPF63が追加されている。これによって、送信部3が4つの周波数の送信系統を有し、受信部4が4つの受信系統を有するようになる。これによって、車車間通信装置15は4つの通信チャネルを用いて通信をすることができる。
【0088】
車車間通信装置15は、図2のように4つの方位領域に分類された方位において、車車間通信装置15の自車両の走行方位が、この4つの方位領域のいずれに属しているかに基づいて、4つの通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようになっている。チャネルと方位領域との対応としては、E領域にはCh.1、N領域にはCh.2、W領域にはCh.3、S領域にはCh.4を、それぞれ割り当てるようになっている。
【0089】
図11に、東西方向の道路と南北方向の道路が交差する交差点28の周辺における、車車間通信装置15を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す。北から南へ走行する車両の走行方位はS領域に属しているのでCh.4で無線送信を行う。南から北へ走行する車両の走行方位はN領域に属しているのでCh.2で無線送信を行う。西から東へ走行する車両の走行方位はE領域に属しているのでCh.1で無線送信を行う。東から西へ走行する車両の走行方位はW領域に属しているのでCh.3で無線送信を行う。
【0090】
このような車車間通信装置15の作動については、上記のように4チャネルを用いて通信を行う点以外は、車車間通信装置10と同様である。ただし、図7のステップ450における自車両の走行方位領域の決定処理では、方位領域グループではなく、N、S、W、Eのどの方位領域に走行方位が属しているかを決定する。またステップ505の比較器の設定処理では、RAMに記録された送信チャネルと、ROMに記録された方位領域とチャネルの割り当ての関係を用い、送信チャネルと、その送信チャネルの方位領域と対向する方位領域のチャネルの比較器を高レベル値に設定し、他のチャネルの比較器を低レベル値に設定する。
【0091】
以上のように、4つの方位領域に分類された方位において、情報処理部6のCPUが、自車両の走行方位が4つの方位領域のいずれに属しているかに基づいて、4つの通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようになっているので、第1実施形態の効果に加え、通信チャネル数が増えることで、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0092】
また、車車間通信装置15がn個(nは5以上の自然数)のチャネルに対応するの送信系統と受信系統を有し、n個の方位領域に分類された方位において、CPUは、検知した自車両の走行方位が、このn個の方位領域のいずれに属しているかに基づいて、n個の通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択するようにしてもよい。例えば、n=8であってもよい。
【0093】
図12に、n=8における方位領域の分類の方法を示す。車両の全走行方位360°は、それぞれ45°の広がりを持ったN領域、NE領域、E領域、SE領域、S領域、SW領域、W領域およびNW領域に分けられる。そしてこれらの領域にはそれぞれ固有の送信チャネルが割り当てられる。
【0094】
このように走行方位が分類されていると、例えば図13に示す五叉路の交差点29においては、交差するそれぞれの道路から進入する車両に別々の無線送信チャネルが割り当てられる。このようになっていることで、より詳細なチャネルの割り当てが可能になる。
【0095】
(第3実施形態)
図14に、本発明の第3実施形態に係る車車間通信装置18の構成を示し、図10の車車間通信装置15と同様の要素には同一の符号を付す。車車間通信装置18は、車車間通信装置15におけるGPS受信機11に代わってカーナビ12が情報処理部6に接続されている。また、車車間通信装置18のアンテナ1は特定の指向性を有しないアンテナである。なお、図14においては送信系統および受信系統はそれぞれ4つであるが、これは必要に応じてm個(mは2以上の任意の自然数)あると読み替えることができるとする。
【0096】
カーナビ12は、図示しないGPS受信機、ジャイロ、車速センサ等を有し、これらによって自車両の位置、走行方位、速度等の情報、すなわち走行情報を算出する。またカーナビ12は、道路および道路の属性(道路が優先道路か否か等)、交差点の情報(位置、交差点に信号があるかないか等)、および道路周辺の構造物の位置情報を備えた地図情報を有している。
【0097】
さらにこの地図情報は、交差点チャネル情報を有している。交差点チャネル情報とは、各交差点において、その交差点に進入する道路毎にどの通信チャネルで送信を行うかを指定する情報である。図15に、交差点チャネル情報の概念図を示す。図15中の交差点に進入する道路は5つあり、それらの5つの道路にはそれぞれCh.1からCh.5までの通信チャネルが割り当てられる。交差点チャネル情報は、このような割り当てを、複数の交差点について有している。
【0098】
以上のことから、この地図情報は、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有すると言える。
【0099】
カーナビ12は、情報処理部6のCPUからの制御信号に応じて、これら自車両の位置、走行方位、速度の情報、および地図情報をこのCPUに出力する。
【0100】
本実施形態においては、優先道路を走行する車両が地図情報によって割り当てられたチャネルで自車の位置情報、速度情報等の情報を送信し、非優先道路を走行して交差点に近づいている車両の搭載する車車間通信装置18がこの情報を受信し、さらに受信した情報に基づいて双方の車両の出会い頭衝突の危険性を判定し、危険性がある場合は警報を発して自車両内の運転者に注意を促す。
【0101】
以上のような構成の車車間通信装置18の出会い頭衝突回避のための作動を、図16、図17、および図18に示す情報処理部6のCPUの処理に基づいて説明する。なお、これらの処理において、図7〜9と同様のものについては説明を簡略化または省略する。このCPUは、車車間通信装置18の電源が投入される等の、車車間通信装置18の起動によって各処理を開始し、これらの図に示した3つのプロセスの処理を並列的に実行する。
【0102】
図16に示すプロセスは、送信チャネルを決定するためのものである。処理が開始されると、CPUはカーナビ12を制御し、このカーナビ12から自車両の位置、走行方位、および走行速度等の情報、並びに交差点チャネル情報や交差点等の位置情報を含んだ地図情報を受信し、これらの情報をRAMに記録する(ステップ710)。そして、CPUは受信した自車両の位置、および地図情報から、自車両が次にどの道路からどの交差点に進入しようとしているかを検出する。そして、この検出した情報と、受信した交差点チャネル情報から、無線送信に使用する送信チャネルを特定し、そのチャネルをRAMに記録する(ステップ730)。記録した後、処理はステップ710に戻る。
【0103】
このステップ710および730のループ処理によって、情報処理部6はRAMに記録された位置、走行方位、走行速度、無線送信チャネル等の情報、および地図情報を逐次更新する。
【0104】
図17に示すプロセスは、車車間通信装置18が他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのものである。このプロセスの処理が始まると、CPUはRAMに記録されている自車両の位置情報と地図情報を用いて、搭載車用が基準の距離より交差点に近いか否かを判定する(ステップ910)。この基準の距離はあらかじめROMに記録されており、CPUはこの記録された値を読み込んで基準の距離として用いる。
【0105】
基準の距離より近いと、次に地図情報から当該交差点に信号機があるか否かを判定する(ステップ920)。信号機がなければ、次に地図情報から自車両が優先道路にあるか否かを判定する(ステップ930)。優先道路であれば、次にROMに記録された基準速度とRAMに記録された自車両の速度の情報から、この速度が基準速度以上であるか否かを判定する(ステップ940)。基準速度以上であるなら、次にRAMに記録された無線送信のチャネルと同じチャネルから出会い頭衝突の危険性を判定させるための信号を受信しているか否かを判定する(ステップ942)。受信していないなら処理はステップ950に進む。受信しているなら、次にこの受信した信号に車両の位置情報が含まれていれば、この位置情報と、RAMに記録された自車両と当該交差点の位置情報とを比較し、交差点と自車両の間にこの受信した位置情報があるか否かを判定する。すなわち、情報を送信している車両として、交差点への進入の先頭となっている他の車両があると判定する(ステップ945)。肯定であると判定すると処理はステップ910に戻る。否定であると判定すると処理はステップ950に進み、CPUはRAMに記録されている位置、走行方位、走行速度、ROMに記録されている車両のID、および自車両の交差点までの距離を無線送信データとして作成する。この無線送信データは、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報である。なお、自車両の交差点までの距離については、RAMから読み出した位置情報および地図情報から算出する。ただし、この送信データを受信する他の車車間通信装置が、交差点の位置情報を有している場合は、無線送信データに必ずしも自車両の交差点までの距離を含める必要はない。この場合は、自車両の位置情報が、自車両が進入しようとしている交差点と自車両との距離に関する情報に相当するものになる。
【0106】
そして、この無線送信データを送受信制御部5に出力し、またRAMに記録された無線送信のチャネルを使用して無線送信データを送信するよう送受信制御部5に制御命令を出力する(ステップ960)。これによって、送受信制御部5は無線送信データを制御命令に従っていずれかのチャネルから送信する。そして処理はステップ910に戻る。また、ステップ910において交差点から基準の距離より遠い、ステップ920にて交差点に信号機がある、ステップ930にて優先道路を走行していない、およびステップ940において自車両の速度が基準速度未満である、の条件がいずれか1つでも満たされていれば、処理はステップ910の判定処理に戻る。
【0107】
このようなステップ910〜960の処理のループによって、車車間通信装置18の自車両の状態や道路、交差点の状態に基づいて逐次車両の情報が2つのチャネルのうち選択された1つによって送信される。
【0108】
なお、ステップ910の判定処理によって、自車両が交差付近を走行中の場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は交差点に近い場合にのみ行えばよいからである。さらに、このように交差点付近を走行中でない車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0109】
また、ステップ920の判定処理において、自車両が進入する交差点に信号機がない場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、信号機がある場合は出会い頭衝突の危険性が非常に小さいので、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は信号機のない場合に行えばよいからである。さらに、このように信号機のある交差点に進入する車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0110】
また、ステップ930の判定処理によって、自車両が優先道路を走行中の場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、非優先道路から車両が交差点に近づいていても、優先道路からの車両は停止する必要がないため、交差点の出会い頭衝突を回避するためには、情報送信は優先道路にいる場合にのみ行えばよいからである。さらに、このように優先道路を走行中でない車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0111】
また、ステップ942および945の判定処理によって、自車両と当該交差点の間に出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する車両がない場合に限り車車間通信装置18は情報を送信する。これは、自車両と進入しようとしている交差点の間に情報を送信している他の車両があれば、その車両によって交差する道路の車車間通信装置18は出会い頭衝突の危険性を判定することができるので、情報を送信する必要がないからである。さらに、このように交差点手前前方に情報を送信する車両があれば、自車両は情報を送信しないので、通信の衝突によるスループットの低下を抑えられる。
【0112】
図18に示すプロセスは、車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するためのものである。このプロセスによる処理が始まると、CPUは、RAMから無線送信のチャネルを読み出し、またROMから高レベル値と低レベル値を読み出し、比較器のうち現在の送信チャネルおよび並行する道路の送信チャネルに対応するものの設定値を高レベル値とし、他の設定値を低レベル値とするよう要求する制御命令を送受信制御部5に出力する(ステップ810)。
【0113】
次に、RAMに記録されている送信チャネル以外のチャネルにおいて、他の車両の車車間通信装置からの当該車両情報(位置、走行方位、速度)の着信を待ち、着信があるとそれを受信する(ステップ820)。なお、この受信するチャネルは、自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルである。このチャネルは、自車両の位置情報および交差点チャネル情報に基づいて検知することができる。
【0114】
そして、この受信した信号と、RAM中の情報を解析し、この2車両間で出会い頭衝突の危険性を解析する(ステップ830)。この解析の処理については後述する。そして、2車両間で衝突の危険性があるか否かを判定する(ステップ840)。危険性がある場合は、CPUは警報装置8を制御して警報を鳴らし、車内の運転者に注意を促すことで危険を通知する(ステップ850)。危険性がない場合は、処理はステップ810に戻る。
【0115】
このようなステップ810〜850のループにより、車車間通信装置18を搭載した車両は他の車両からの情報に基づいて、出会い頭衝突の危険性の検知を行う。
【0116】
ここで、図19を用いてステップ830における危険性の解析について説明する。この危険性の解析は、概略的に言えば、受信した情報、自車両と交差点との距離、および自車両の速度に基づいて、自車両が交差点に到達した後、情報を送信した無線機を搭載する車両が交差点に到達するまでの時間に基づいた解析である。図19中左側の交差点の図は、時刻t0(秒)におけるある交差点に、非優先道路から進入しようとする車両A、および優先道路から進入しようとする車両Bを表している。この時点で、車両Aの速度はVs、交差点までの距離はLsであるとする。また、車両Bの速度はVe、交差点までの距離はLeであるとする。
【0117】
この時点で、車両Aの車車間通信装置18のCPUが、車両Bからの信号をCh.3で受信して情報を取得し、この情報および自車両Aの情報をもとに車両Bと自車両Aとの出会い頭衝突の危険度を算出する。
【0118】
まずCPUは、RAMから自車両Aの速度Vsを取得する。またRAMから車両Aの位置情報および地図情報を取得し、これらから車両Aの交差点までの距離Lsを算出する。そして、この速度Vsと距離Lsから車両Aが交差点に到達するまでの予想時間Ts(秒)を算出する。この予想到達時間Tsは、車両Aが速度Vsのまま等速運動で交差点に進入した場合の到達時間(Ls/Vs)としてもよいし、車両Aがちょうど交差点で停止するよう等加速度でブレーキをかけてた場合の到達時間(2Ls/Vs)であるとしてもよい。また、情報処理部6のROMが、一般的なドライバーにおける、現速度および交差点までの距離と交差点までの到達時間との関係を示す対応表を予め有しており、CPUがこれを読み出して用いることで、VsとLsからTsを得るようになっていてもよい。
【0119】
またCPUは、車両Bから受信した車両Bの速度Ve、交差点までの距離Leから、時刻t0のTs秒後における車両Bの交差点からの距離Le−VeTsを算出する。なおこのとき、車両Bは優先道路を走行しているということで、等速運動を行うと仮定されている。図19右側に、当該交差点における、この時刻t0+Tsにおける車両A、Bの位置を示す。またCPUは、時刻t0+Tsの時点で、あと何秒で車両Bが交差点に到達するか、すなわち時間(Le−VeTs)/Veを算出する。そしてこの時間が閾値αKより小さいとき、出会い頭衝突の危険性があるとする。ここで、Kは2秒であるとし、係数αは1とする。この場合、車両Aが交差点に到達してから車両Bが交差点に進入するまで2秒未満である場合が危険有りということになる。なお、αは、車両A、Bのドライバーの年齢と運転適性、道路の渋滞状況、その地点の過去の事故発生率により変更することができるようにしてもよい。そのようにする場合は、車両A、Bのドライバーの年齢と運転適性については、あらかじめそれぞれの車両の車車間通信装置18内のROMに記録されたものを読み出し、道路の渋滞状況については、渋滞情報センターとの無線通信によって取得し、過去の事故発生率については、あらかじめ事故発生率の情報を有している地図情報から取得する。
【0120】
上記したような作動によって、優先道路において信号機のない交差点付近を基準速度以上で走行している車両が搭載する車車間通信装置18は、図17のステップ960において、図16のステップ730で決定したチャネルから自車の位置情報等を送信する。そして非優先道路において交差点に近づいている車両が搭載する車車間通信装置18は、図18のステップ820〜850の作動で、交差する方向のチャネルから位置情報を受信し、この位置情報から自車と相手車両との距離を算出し、出会い頭衝突の危険があると判定すると、警報を発して車内の運転者に注意を促す。
【0121】
以上のような車車間通信装置18において、CPUがカーナビ12から自車両の現在位置情報および交差点チャネル情報を取得し、それを用いて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するので、車車間通信装置18は自車両の走行する道路によって送信の通信チャネルが変わる。したがって、交差点において、交差する方向を走行する車両からの送信の通信チャネルと、同じ方向を走行する車両からの送信の通信チャネルとが異なるようになり、交差点における車車間通信において、並行する方向からの送信信号によって邪魔されることなく、交差する方向からの車両の情報を受信することができるようになるので、交差する方向からの車両との出会い頭衝突の回避の一助となる。
【0122】
また、交差点における車車間通信において、交差する方向からの通信が受信できるようになる。ひいては、交差点において車車間通信を円滑に行うことができる。
【0123】
なお、本発明の各実施形態においては、無線通信装置は交差する道路における車両の存在、非存在に関わらず、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するが、必ずしもこのようになっている必要はない、例えば、優先道路と非優先道路が区別されている交差点において、非優先道路の車車間通信装置が定期的に、あるいは交差点で停止したときに、出会い頭衝突のための情報を要求する信号を送出し、この優先道路側の車車間通信装置の情報処理部6のCPUは、この要求信号を受信することに基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行うようになっていてもよい。このようなCPUの作動は、例えば、図17のステップ930の直後に、交差する道路の送信チャネルから上記した要求信号を受信したか否かの判定を行い、受信した場合はステップ940に進み、受信していない場合はステップ910に戻るようになっていれば実現可能である。
【0124】
また、本発明の第1および第2実施形態では、図7のステップ410〜440のCPUの処理が、自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段を構成する。
【0125】
また、図7のステップ450および460のCPUの処理が、走行方位検知手段が検知した自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段を構成する。
【0126】
また第3実施形態では、図16のステップ710が自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段を構成する。また、図16のステップ730が、位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、位置情報取得手段が取得した自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段を構成する。
【0127】
また、図17のステップ910の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および自車両の位置情報を用いて交差点と自車両との距離を算出し、この算出した距離が基準距離より短いことを判定する交差点近接判定手段を更新する。
【0128】
また、ステップ920の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する、自車両が進入しようとしている交差点の情報を用い、交差点が信号機を備えていないことを判定する信号機不在判定手段を構成する。
【0129】
また、ステップ930の判定処理が、カーナビゲーション装置が有する、自車両が走行している道路の属性の情報を用い、自車両が優先道路を走行していることを判定する優先道路走行判定手段を構成する。
【0130】
また、ステップ940の判定処理、およびステップ610の判定処理のそれぞれが、自車両の走行速度が基準速度より大きいことを判定する高速走行判定手段を構成する。
【0131】
また、ステップ942およびステップ945の処理が、自車両と交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことを判定する先頭判定手段を構成する。
【0132】
また、ステップ960の処理、およびステップ620の処理が、送信手段を構成する。
【0133】
また、ステップ530の判定処理、およびステップ840の判定処理のそれぞれが、危険判定手段を構成する。
【0134】
また、ステップ540の警報鳴動処理、およびステップ850の警報鳴動処理のそれぞれが、警報手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車車間通信装置10の構成を示す図である
【図2】車両の全走行方位360°をその方位によって4つの方位領域に分けた様子を示す図である。
【図3】ある交差点27の周辺における、車車間通信装置10を搭載した車両に対するチャネルの割り当ての一例を示す図である。
【図4】Ch.1とCh.2のキャリアセンスレベルが同じであった場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す図である。
【図5】Ch.2のキャリアセンスレベルを下げた場合の、車両Aに搭載された車車間通信装置10が受信できる領域を示す図である。
【図6】交差点27を通過した直後の車車間通信装置10を搭載する車両Aからアンテナ1を介して送信される電波の到達領域を示す図である。
【図7】主に自車両の走行方位を検出して送信チャネルを決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図8】車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図9】車車間通信装置10が他の車両に搭載された車車間通信装置から当該車両の情報を受信し、それに基づいて出会い頭衝突の危険があるかを判定するための処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示す図である。
【図11】交差点28の周辺における、車車間通信装置15を搭載した車両に対する上記チャネルの割り当ての一例を示す図である。
【図12】n=8における方位領域の分類の方法を示す図である。
【図13】五叉路の交差点29におけるチャネルの割り当てを示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る車車間通信装置15の構成を示す図である。
【図15】交差点チャネル情報の概念図を示す図である。
【図16】送信チャネルを決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図17】他の車両に搭載された車車間通信装置に自車両の位置、速度、走行方位等を送信するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図18】他の車両の情報を受信し、出会い頭衝突の危険があるかを判定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図19】ステップ830における危険性の解析について説明する図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…アンテナ共用器、3…送信部、4…受信部、
5…送受信制御部、6…情報処理部6、8…警報装置、
1015、18…車車間通信装置、11…GPS受信機、
12…カーナビ、20〜26…車両、27〜29…交差点、
31、34、58、61…D/A変換器、
32、35、59、62…アップコンバータ、
33、36、37、60、63、…BPF、
38、43、48、53…ダウンコンバータ、
40、45、50、55…A/D変換器、
41、46、51、56…電力電圧変換器、
42、47、52、57…比較器。
Claims (18)
- 複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、
前記走行方位検知手段が検知した前記自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置。 - 前記走行方位検知手段は、前記自車両が有するカーナビゲーション装置から前記走行方位の情報を取得することで、前記自車両の走行方位を検知することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信装置。
- 前記走行方位検知手段は、現在と過去のGPS受信機からの位置情報を用いて、前記自車両の走行方位を検知することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信装置。
- 全方位を複数の方位領域に分け、さらにこの複数の方位領域のうち、互いに対向する方位領域同士を1つの方位領域グループとすることで分類された方位において、
前記チャネル選択手段は、前記走行方位検知手段が検知した前記自車両の走行方位が、前記方位領域グループのいずれに属しているかに基づいて、複数の通信チャネルのうちから1つを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置。 - 複数の方位領域に分類された方位において、
前記チャネル選択手段は、前記走行方位検知手段が検知した前記自車両の走行方位が、前記複数の方位領域のいずれに属しているかに基づいて、前記複数あるうちの1つの通信チャネルを、無線信号の送信に使用する通信チャネルとして選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信装置。 - 複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、前記位置情報取得手段が取得した前記自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、を備えたことを特徴とする車車間通信装置。 - 前記位置情報取得手段は、前記自車両が有するカーナビゲーション装置から自車両の現在位置情報を取得し、
前記チャネル選択手段は、前記カーナビゲーション装置が有する前記地図情報を用いることを特徴とする請求項6に記載の車車間通信装置。 - 前記チャネル選択手段の通信チャネルの選択に基づいて、受信において使用する通信チャネルのそれぞれのキャリアセンスレベルを設定するキャリアセンスレベル設定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車車間通信装置。
- 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
カーナビゲーション装置が有する自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および前記自車両の位置情報を用いて、前記交差点と前記自車両との距離を算出し、この算出した前記距離が基準距離より短いことを判定する交差点近接判定手段と、
前記交差点近接判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置。 - 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
カーナビゲーション装置が有する、自車両が進入しようとしている交差点の情報を用い、前記交差点が信号機を備えていないことを判定する信号機不在判定手段と、
前記信号機不在判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置。 - 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
カーナビゲーション装置が有する、自車両が走行している道路の属性の情報を用い、前記自車両が優先道路を走行していることを判定する優先道路走行判定手段と、
前記優先道路走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置。 - 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の走行速度が基準速度より大きいことを判定する高速走行判定手段と、
前記高速走行判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置。 - 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
交差点の位置情報および自車両の位置情報を有するカーナビゲーション装置から、前記自車両が進入しようとしている交差点の位置情報および前記自車両の位置情報を取得する交差点位置取得手段と、
前記交差点位置取得手段の取得した情報に基づいて、自車両と前記交差点との間に、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信する他の車両がないことを判定する先頭判定手段と、
前記先頭判定手段の判定に基づいて、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、を備えた車車間通信装置。 - 車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の前方に指向性を有するように自車両に取り付けられるアンテナと、
他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を、前記アンテナを介して送信する送信手段と、を備えた車車間通信装置。 - 複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の走行方位を検知する走行方位検知手段と、
前記走行方位検知手段が検知した前記自車両の走行方位に基づいて、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、
前記チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、
自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、
前記危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置。 - 複数の通信チャネルを用い、車車間で無線通信を行う車車間通信装置であって、
自車両の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
位置と、道路と、その道路において送信のために使用する通信チャネルとの対応を有する地図情報を用い、前記位置情報取得手段が取得した前記自車両の現在位置から、無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、
前記チャネル選択手段の選択した通信チャネルを用い、他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報の送信制御を行う送信制御手段と、
自車両と交差する方向に走行する車両の車車間通信装置が他車両の車車間通信装置に交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報を送信するチャネルから、前記情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記情報に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定する危険判定手段と、
前記危険判定手段の判定に基づき、自車両の運転者に注意を促す警報手段と、を備えた車車間通信装置。 - 前記送信制御手段が送信する、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定させるための情報は、自車両が進入しようとしている交差点と自車両との距離に関する情報および自車両の走行速度の情報を含むことを特徴とする請求項15および16に記載の車車間通信装置。
- 前記危険判定手段は、前記受信手段が受信した前記情報、自車両と前記交差点との距離、および自車両の速度に基づいて、自車両が前記交差点に到達した後、前記情報を送信した無線機を搭載する車両が前記交差点に到達するまでの時間に基づいて、交差点における出会い頭衝突の危険性を判定することを特徴とする請求項17に記載の車車間通信装置。
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