JP2004062092A - 色合成光学系、投射型表示光学系、投射型画像表示装置および画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各色光の検光に偏光板を用いると、熱の問題が発生する。
【解決手段】第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系において、第1の偏光方向の光を反射して、第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜Pを有し、この第1の光学膜によって第1および第2の色光を合成する第1の光学素子21と、第3の色光を検光する偏光板20と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜Dを有し、第2の光学膜によって、上記偏光板を通過した第3の色光と第1の光学素子により合成された第1および第2の色光とを合成する第2の光学素子22とを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系において、第1の偏光方向の光を反射して、第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜Pを有し、この第1の光学膜によって第1および第2の色光を合成する第1の光学素子21と、第3の色光を検光する偏光板20と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜Dを有し、第2の光学膜によって、上記偏光板を通過した第3の色光と第1の光学素子により合成された第1および第2の色光とを合成する第2の光学素子22とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3つの色光を合成する色合成光学系、およびこの色合成光学系を用いた投射型表示光学系、投射型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶プロジェクタでは、液晶表示素子を照明するランプのアーク長を極力短くすることで光の利用効率を上げたり、液晶表示素子の開口率を上げたりすることによって、投射画像の高輝度化が図られている。
【0003】
現状では0.7インチの小型の透過型液晶表示素子を使用した製品においても、
1000アンシルーメンを超える輝度を有するものがある。また、高輝度化と同時に、液晶プロジェクタの小型化も図られている。
【0004】
従来の液晶プロジェクタは、例えば特開2000−290010号公報にて提案されているような光学系を有する。すなわち、赤、緑、青に分離された光をそれぞれ変調する透過型液晶表示素子における照明光の照射側に偏光子としての入り側偏光板が、液晶表示素子によって変調された各色光を合成する色合成光学系の射出側に検光子としての出側偏光板が、それぞれ偏光方向が直交するように配置されている。液晶表示素子が黒を表示する際には、液晶表示素子を透過した光は出側偏光板に吸収されるため、黒の表示ができる。
【0005】
より詳しく説明すると、青、緑、赤の各色照明光は、各色に対応した入り側偏光板を透過した後、各色に対応した液晶表示素子に入射し変調される。そして、液晶表示素子で変調された各色画像光は、出側偏光板を透過した後、ダイクロイックプリズムによって合成され、投射レンズによってスクリーンに拡大投影される。このように、偏光板とダイクロイックプリズムによって各色画像光を合成する色合成光学系が構成されている。
【0006】
また、特開平7−306405号公報では、上記のような出側偏光板の代わりに、偏光ビームスプリッタを用い、黒表示時には液晶表示素子を透過した光が投射レンズに向かわない方向に反射させる光学系が提案されている。さらに言えば、
上記特開平7−306405号公報にて提案の光学系は、偏光子としての入り側偏光板、検光子としての出側偏光板の代わりに、偏光ビームスプリッタを用い、さらに色合成を行なうために色合成部材を別途設けた構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開2000−290010号公報にて提案されている液晶プロジェクタにおいては、例えばランプの消費電力を上げて照明光量を増加させ、液晶プロジェクタの高輝度化を図ろうとすると、黒を表示する際に、出側偏光板が吸収しなければならない光量が増加し、出側偏光板が劣化するという熱的な問題が生じる。
【0008】
この問題は、偏光板に冷却風をファンで吹きつける方法等で解決が図られてきたが、冷却風を強く偏光板に吹きつけようとすると、冷却風を吹きつける音や、ファンの騒音が増加するという問題が生じてしまう。
【0009】
一方、特開平7−306405号公報にて提案されている液晶プロジェクタでは、偏光子、検光子として偏光ビームスプリッタを用いているために、液晶プロジェクタを明るくするために照明光を増加しても、熱的な問題は生じないが、3色の色合成を検光子としての偏光ビームスプリッタとは別に設けた色合成用の偏光ビームスプリッタやダイクロイックプリズムで行なわなければならない。
【0010】
したがって、投射レンズのバックフォーカスが長くなり、これに伴い投射レンズが大きくなるため、液晶プロジェクタ全体が大型化してしまう。
【0011】
そこで、本発明は、光源であるランプの容量を上げることによって高輝度化を図っても、熱的な問題の発生や大型化を抑えることができるようにした色合成光学系、投射型表示光学系、投射型画像表示装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、それぞれ偏光光として入射した第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系において、特定の偏光方向の光を反射して他の偏光方向の光を透過する第1の光学膜を有し、この第1の光学膜によって第1および第2の色光を検光するとともに互いに合成する第1の光学素子(例えば、偏光ビームスプリッタ)と、第3の色光を検光する偏光板と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜を有し、偏光板を通過した第3の色光を、少なくとも2回反射するとともに第2の光学膜によって第1の光学素子により合成された第1および第2の色光と合成する第2の光学素子(例えば、ダイクロイックプリズム)とを設けている。
【0013】
これにより、第1および第2の色光の検光に際して多くの光が吸収されて熱的な問題が発生することがないようにすることが可能となるとともに、第2の光学素子にて合成された光を投射光学系で投射する場合に、投射光学系のバックフォーカスを短くすることが可能となる。
【0014】
特に、第1の光学素子で検光される第1および第2の色光のうち一方を、他の色光に比べてエネルギーの高い青色光としたり、白色光中に最も多く含まれる緑色光とすることにより、より確実に熱的な問題の発生を防止することが可能となる。
【0015】
なお、本発明の色合成光学系では、第1の光学素子における第2の光学素子への射出面以外の面から射出した光(不要光)が近接する部材に反射して第1 の光学素子に戻るのを防止するために光吸収部材のような反射防止手段を設けるとよい。これにより、不要光が他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないようにすることが可能となる。
【0016】
また、第1および第2の色光のうち一方をコントラストに強く影響する緑色光とし、さらにこの緑色光を、一般に検光性能が高いS偏光で検光されるようにP偏光光として第1の光学素子に入射させるようにしてもよい。これにより、明るく高いコントラストの投射画像を得ることが可能となる。
【0017】
また、第1および第2の色光のうち一方をコントラストに強く影響する緑色光とし、さらにこの緑色光を、一般に光量が多くとれるP偏光で検光されるようにS偏光光として第1の光学素子に入射させることにより、きわめて明るい投射画像を得ることが可能となる
また、第1の光学素子においてP偏光で検光される色光の光路(例えば、第1の光学素子の入射面の直前)に1/2波長板を配設し、S偏光に変換してから第1の光学素子で検光させるようにすることにより、第1の光学素子に入射するすべての色光の偏光の条件を揃えて、第1の光学素子の設計を容易にすることが可能となる。
【0018】
また、第1の光学素子に入射する緑色光の光路に偏光板を配設し、この偏光板と第1の光学素子の2段で緑色光の検光を行うことにより、より高いコントラストを得るようにしてもよい。このとき、偏光板は熱的な問題が生じない程度の低い検光性能のものでよい。
【0019】
さらに、第1の光学素子と第2の光学素子との間に偏光板を配設して、第1の光学素子から漏れてくる不要光を遮断し、より高いコントラストを得るようにしてもよい。
【0020】
また、第1の光学素子と第2の光学素子との間に波長選択性位相差板と偏光板とを配設して、より高いコントラストを得るようにしてもよい。
【0021】
そして、光源からの光を第1、第2および第3の色光に分離する色分解光学系と、第1、第2および第3の色光をそれぞれ変調する第1、第2および第3の画像表示素子と、これら第1、第2および第3の画像表示素子により変調された第1、第2および第3の色光が入射する上記色合成光学系と、この色合成光学系により合成された光を被投射面に投射する投射光学系とにより、明るい投射画像が得られ、かつ小型の投射型表示光学系又は投射型画像表示装置を実現することが可能となる。
【0022】
また、本発明の色合成光学系の別の側面として、第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系であって、第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜を有し、この第1の光学膜によって前記第1および第2の色光を合成する第1の光学素子と、前記第3の色光を検光する偏光板(偏光ビームスプリッタでも構わない)と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜を有し、前記第2の光学膜によって、前記偏光板を通過した前記第3の色光と前記第1の光学素子により合成された前記第1および第2の色光とを合成する第2の光学素子と、を有することを特徴としている。
【0023】
ここで、前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面から射出した光が、前記第1の光学素子の外部で反射することにより前記第1 の光学素子に戻る事を防止する反射防止手段を有するように構成してもよい。また、
前記反射防止手段は光吸収部材であるように構成してもよい。また、前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面には、反射防止膜が設けるように構成してもよい。また、前記第1および第2の色光のうち一方が青色光、他方が緑色光であり、前記第3の色光が赤色光であるように構成してもよい。
【0024】
また、前記緑色光の画像光がS偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間に1/2波長板と偏光板とを有するように構成してもよい。
【0025】
また、前記緑色光の画像光がP偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合うように構成してもよい。
【0026】
また、前記第1の色光及び前記第2の色光の光路のうち一方の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に、1/2波長板が配設されているように構成してもよい。
【0027】
また、前記第1の色光の光路が、前記第1の光学膜で反射して前記第2の光学素子に入射するように構成されており、前記第1の色光が第1の光学素子に入射する前の光路上に1/2波長板が配設されているように構成してもよい。
【0028】
また、前記第1の色光の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0029】
また、前記第1の色光の光路上に配設された偏光板は、前記第1の色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に配置されているように構成してもよい。
【0030】
また、前記第1の色光及び前記第2の色光のうち一方が緑色光であって、前記緑色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0031】
また、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に波長選択性位相差板が配設されているように構成してもよい。また、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0032】
ここで、前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合うように構成してもよい。
【0033】
また、前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間には、1/2波長板のみが配設されているように構成してもよい。
【0034】
また、前記第1の光学素子は、第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜と、画像光が前記 第1の偏光方向の光である前記第1の色光の入射面と、画像光は前記第2の偏光 方向の色光である前記第2の光の入射面と、前記第2の光学素子への第1出射面 と、不要光を出射させる第2出射面とを有しており、前記第2の光学素子は、前 記第11出射面から出射した光が入射する入射面と、第3の色光が入射する入射 面と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜 と、前記第1、2、3の色光を合成した光を出射させる第3出射面とを有してお り、ここで、前記第1の光学膜において、前記第1の色光の反射光と前記第2の 色光の透過光とを合成し、前記第2の光学膜において、前記第1、2の色光を合 成した光と前記第3の色光を合成するように構成してもよい。
【0035】
また、前記第3の色光は、前記第2光学素子内で全反射した後、前記第2の光学膜で反射されることにより、前記第1、2の色光と合成するように構成してもよい。
【0036】
また、本発明の投射型画像表示装置は、光源からの光を前記第1、第2および第3の色光に分離する色分解光学系と、前記第1、第2および第3の色光をそれぞれ変調する第1、第2および第3の画像表示素子と、これら第1、第2および第3の画像表示素子により変調された前記第1、第2および第3の色光が入射する請求項1から18いずれか1項に記載の色合成光学系と、この色合成光学系により合成された光を被投射面に投射する投射光学系とを有することを特徴としている。
【0037】
また、本発明の画像表示システムは、前述の投射型画像表示装置と、この投射型画像表示装置に対して前記第1、第2および第3の画像表示素子に原画を形成させるための画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。
【0039】
図1において、1は超高圧水銀ランプ等の光源である。2は放物面形状(楕円面形状であっても構わない)の反射面を有するリフレクタであり、図には放物面ミラーを示している。
【0040】
光源1から射出された光束はリフレクター2で反射されて略平行光に変換され、
第1フライアイレンズ3に入射する。第1フライアイレンズ3は、正の屈折力を有する矩形のレンズ(凸レンズ)を複数個、平板上に配置して構成されたものである。
【0041】
4は第1フライアイレンズ3から射出された光束が入射する第2フライアイレンズであり、正の屈折力を有する矩形のレンズ(平凸レンズ)を複数個、平板上に配置して構成されている。第1フライアイレンズ3によって第2フライアイ4の各レンズのほぼ中心部に光源像が形成される。
【0042】
5は偏光変換素子アレイであり、偏光変換素子毎に入射する無偏光(ランダム偏光)の光を特定の偏光方向を有する直線偏光光として射出させる。各偏光変換素子から射出する偏光光の偏光方向は互いに一致している。
【0043】
偏光変換素子アレイ5に入射した光は、不図示の偏光分離層5BにてP波が透過し、S波が反射することによってP波とS波に分離される。P波はλ/2位相板5Aにより位相変換され、S波と偏光軸の方向が揃えられる。これにより、偏光変換素子アレイ5から射出される光束はすべて同一方向の偏光軸を有した偏光光となる。
【0044】
偏光変換素子アレイ5から射出された光束は、第1正レンズ6により偏向され、
後述する色分解光学系でR(赤),G(緑),B(青)の3色の光成分に色分解され、RGBの各色別に設けられた透過型液晶表示パネルPr,Pg,Pbの表示部上に照射される。
【0045】
透過型液晶表示パネルPr,Pg,Pbは、光を透過させる際に、液晶表示パネルが有する画素のうち特定の画素に入射した偏光光の偏光方向を90°旋回させる作用を有する。つまり、S偏光で入射した入射光の一部をP偏光に変換する働きを有する。ここでこのような表示パネルは、例えばTN型液晶表示素子により構成されている。
【0046】
本実施形態では、第1正レンズ6から射出された光束のうち、青反射ダイクロイックミラー8により反射された青色光成分は、高反射ミラー9、第2正レンズ15および青用の入り側偏光板16を介して透過型液晶表示パネルPbの表示部にS偏光状態で集光される。 そして、青色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0047】
青反射ダイクロイックミラー8を透過した緑色および赤色の光成分のうちの緑色光成分は、緑反射ダイクロイックミラー10により反射され、第3正レンズ17および緑用の入り側偏光板18を介して透過型液晶表示パネルPgの表示部にS偏光状態で集光される。 そして、緑色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0048】
さらに、緑反射ダイクロイックミラー10を透過した赤色光成分は、第4正レンズ11、高反射ミラー12、第5正レンズ13、高反射ミラー14、第6正レンズ19および赤用の入り側偏光板26を介して透過型液晶表示パネルPrの表示部に集光される。
【0049】
そして、赤色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0050】
ここで、前述のように、各色用の液晶表示パネルに入射させる光は、必ずしもS偏光である必要は無く、P偏光を入射させるようにしても構わない。
【0051】
第4正レンズ11と第5正レンズ13は、赤色チャンネルのみ他の色チャンネルより光路が長いため、ほぼ等倍結像するリレーレンズの役目を果たしている。
【0052】
各透過型液晶表示パネルには、駆動回路50が接続されており、駆動回路50には、パーソナルコンピュータ、ビデオ、テレビ、DVDプレーヤ等の画像情報供給装置60からの画像情報が供給される。駆動回路50は、供給された画像情報に基づいて各透過型液晶表示パネルに原画を表示させるための信号を出力する。
各透過型液晶表示パネルに入射した光は、表示された原画に応じて変調される。これらは以下の実施形態でも同様である。このように、本実施形態は、この第1実施形態に限らずパーソナルコンピュータ等の画像情報供給装置と組み合わせることによって、画像表示システムを構成することができる。
【0053】
青用の透過型液晶表示パネルPbで変調された青色光成分は、1/2波長板30で偏光方向を90°変換された後、偏光ビームスプリッタ(第1の光学素子)21を構成するプリズム21aに入射する。この偏光ビームスプリッタ21は、互いに同一の三角柱形状を有する2つのプリズム21a,21bを接合し、接合面にS偏光光を反射してP偏光光を透過させる偏光分離膜(第1の光学膜)Pを形成して構成されている。プリズム21aに入射した青色光成分のうち、画像光であるS偏光成分が選択的に偏光分離膜Pによって反射されることによって検光される。
【0054】
ここで、青用の透過型液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21との間には1/2波長板30のみが配置されており、偏光板は配置されていない。この第1実施形態においては、青用の透過型液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21との間には1/2波長板30しか配置していない。
【0055】
また、緑用の透過型液晶表示パネルPgで変調された緑色光成分は、偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21bに入射する。そして、P偏光成分のみが偏光分離膜Pを透過することによって検光される。こうして偏光分離膜Pによって反射された青色のS偏光成分と偏光分離膜Pを透過した緑色のP偏光成分とが合成され、偏光ビームスプリッタ21から射出する。
【0056】
さらに、赤用の透過型液晶表示パネルPrで変調された赤色光成分は、赤用の出側偏光板20で検光された後、ダイクロイックプリズム(第2の光学素子)23を構成するプリズム23aに入射する。このダイクロイックプリズム23は、互い大きさの異なる三角柱形状を有する2つのプリズム23a,23bを接合し、
接合面に赤色光成分を反射して青および緑色光成分を透過させるダイクロイック膜(第2の光学膜)Dを形成して構成されている。プリズム23aに入射した赤色光成分は、ダイクロイック膜Dでの反射を含めて2回反射するとともに、ダイクロイック膜Dを透過した青および緑色光成分と合成されてダイクロイックプリズム23から射出する。
【0057】
なお、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ21とダイクロイックプリズム23とにより色合成プリズム(色合成光学系)22が構成されている。
【0058】
こうして色合成プリズム22で合成され射出した3色の画像光は、投写レンズ25によって不図示のスクリーンに投射され、フルカラー画像を表示する。
【0059】
ここで、上述した色合成プリズム22の構成について、図2を用いてさらに詳しく説明する。
【0060】
色合成プリズム22は、上述したように偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21a,21bと、ダイクロイックプリズム23を構成するプリズム23a,23bとにより構成されている。
【0061】
プリズム21aは、青色光成分の入射面となる透過面21a3と、S偏光光を反射してP偏光光を透過させる偏光分離膜Pが蒸着形成された偏光分離面21a2と、青および緑色光成分の射出面となる透過面21a1とを有する。プリズム21aの透過面21a3から入射した青色光成分のうちS偏光成分は、偏光分離膜Pによって反射されることによって検光され、透過面21a1から射出する。
【0062】
プリズム21bは、緑色光成分の入射面となる透過面21b2と、プリズム21aの偏光分離面21a2に接合される透過面21b1と、透過面(非光学有効面)21b3とを有する。プリズム21bに透過面21b2から入射し、透過面21b1から射出した緑色光成分のうちP偏光成分は偏光分離膜Pを透過することによって検光され、さらにプリズム21aを透過して射出する。こうして偏光分離膜Pによって反射された青色のS偏光成分と、偏光分離膜Pを透過した緑色のP偏光成分とが合成される。
【0063】
なお、プリズム21,22は、偏光状態を保ったまま光が透過することが望ましく、材料としては低光弾性ガラスを用いるのがよい。
【0064】
プリズム23aは、射出面となる透過面であり、かつ入射する赤色光成分に対して全反射条件を満たす内面反射面でもある面23a1と、赤色光成分を反射して青および緑色光成分を透過させるダイクロイック膜Dが蒸着形成されたダイクロイック面23a2と、赤色光成分の入射面となる透過面23a3とを有する。
【0065】
また、プリズム23bは、プリズム23aのダイクロイック面23a2に接合される透過面23b1と、プリズム21aから射出した青および緑色光成分の入射面となる透過面23b2と、非光学有効面23b3とを有する。
【0066】
プリズム23aの透過面23a3から入射した赤色光成分は、まず面23a1で全反射し、次にダイクロイック膜Dで反射する。そしてこの際、プリズム23bおよびダイクロイック膜Dを透過してきた青および緑色光成分と合成され、今度は面23a1を透過してプリズム23a(色合成プリズム22)から射出する。
【0067】
なお、透過面21a3,21b2,23a3および面23a1には、空気とガラスの界面で生ずる表面反射光による光量損失を防ぐため、反射防止コートを形成することが望ましい。
【0068】
また、プリズム21bの透過面21b3にも、偏光分離膜Pで検光された不要な光が透過面21b3での表面反射で光路に戻り、コントラストを低下させるのを防止するために、反射防止コートを形成することが望ましい。
【0069】
ここで、本実施形態では、青色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置して、非光学有効面21b3から射出した不要光を吸収するようにしている。また、光吸収部材40は、緑色光成分に対しても同様の効果を奏している。ここでは、緑色光成分のうち偏光分離膜Pで反射してプリズム21bの透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要なS偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、透過面(非光学有効面)21b3に対向するように配置された、前述の光吸収部材40を用いて、透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要光を吸収するようにしている。
【0070】
従来の光学系では、高い検光性能を有する偏光板によって不要な光を吸収していた(これが熱の発生原因となっていた)が、本実施形態では、そのような偏光板を青色光成分の光路に設けていないので、光吸収部材40を設けるのが望ましい。
【0071】
なお、光吸収部材40としてはブラックアルマイト処理をした上に黒色塗装を施したアルミ板を用いることができる。さらに、このアルミ板を光路に対して傾けて配置することによって不要な光を効果的にプリズム21に戻らないようにすることができる。
【0072】
また、プリズム23bの非光学有効面23b3は、プリズム23bでの内面反射によるゴースト発生を防ぐため、研磨面ではなく、砂ズリ面とするのがよく、さらに黒色の塗料を塗布するのがよい。
【0073】
また、プリズム23aのダイクロイック面23a2に形成されているダイクロイック膜Dは、プリズム23bの透過面23b1に形成してもよい。プリズム23bのほうがプリズム23aよりも小さいので、ダイクロイック膜Dを蒸着するときに、蒸着チャンバ内に多くのプリズムを入れることができ、製造コストを安くすることができる。
【0074】
また、プリズム21aの偏光分離面21a2に形成されている偏光分離膜Pは、プリズム21bの透過面21b1に形成してもよい。
【0075】
以上のように構成することにより、波長が短いためにエネルギーの高い青光及び白色光の中に多く含まれる緑光を偏光ビームスプリッタ21で検光することが可能であり、強い照明光を入射すると熱によって劣化してしまう出側偏光板を青色および緑色光成分の光路に設ける必要がなくなる。これにより、高い検光性能を有する(すなわち、遮断する光量が多い)出側偏光板を廃止することができ、液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)による投射画像を明るくすることができる。
【0076】
さらに、一般的な偏光ビームスプリッタは、特に角度のついた光に対してはS偏光に対する反射率のほうがP偏光に対する透過率よりも高い。このため、S偏光で検光した(S偏光が不要光で、S偏光を偏光ビームスプリッタで反射させて、被投影面に投影される光路上から外す)方が、P偏光で検光する(P偏光が不要光で、P偏光を偏光ビームスプリッタで透過させて、被投影面に投影される光路上から外す)よりも、検光子としての性能が高い。この点、本実施形態においては視感度が高く、コントラストに強く影響する緑色光成分をS偏光で検光する(S検光する)構成になっているため、投射画像に高いコントラストを得ることができる。
【0077】
ここで、緑色用液晶表示パネルPgとプリズム(第1光学素子)の間及び青色用液晶表示パネルPbとプリズム(第1光学素子)の間のいずれか一方にのみ、偏光板(その他特定の偏光方向の光以外を遮光する手段、もしくは偏光ビームスプリッタ等の特定の偏光光と他の偏光光とを分離する手段でもよい)を配置するようにしてもよい。偏光板を配置すると、偏光板と偏光ビームスプリッタとで二重に検光することができるため、偏光板を配置した光路を通る色光の偏光純度を向上させることができる。ただし、この第1実施形態においては、比視感度の高い緑色光に関しては、偏光ビームスプリッタにおける検光性能が十分に高いため、偏光板は配置していない。また、青色光に関しては、青色光の波長が短いためエネルギーが高く、高温になると性能が劣化してしまうという理由から、偏光板は配置していない。勿論上記の問題が解決されれば、青色光の光路上に偏光板を配置しても構わない。
【0078】
また、出側偏光板が比較的熱による障害を受けにくい赤色光成分に関しては、出側偏光板20を設けるとともに、プリズム23a内で全反射させた後に、ダイクロイック膜Dで色合成を行なっている(2回反射している)ため、投射レンズ25のバックフォーカスを短くすることができ、液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)を小型化することができる。
【0079】
(第2実施形態)
図3には、本発明の第2実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。なお、本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と同じであり、共通する構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して説明に代える。
【0080】
本実施形態では、第1正レンズ6から射出した光束のうち、緑反射ダイクロイックミラー80により反射した緑色光成分は、高反射ミラー9、第2正レンズ15および緑用の入り側偏光板160を介して緑用の透過型液晶表示パネルPgの表示部にS偏光状態で集光される。
【0081】
緑反射ダイクロイックミラー80を透過した青色および赤色の光成分のうちの青色光成分は、青反射ダイクロイックミラー100により反射され、第3正レンズ17および青用の入り側偏光板180を介して青用の透過型液晶表示パネルPbの表示部にS偏光状態で集光される。
【0082】
青反射ダイクロイックミラー100を透過した赤色光成分は、第4正レンズ11、高反射ミラー12、第5正レンズ13、高反射ミラー14、第6正レンズ19および赤用の入り側偏光板26を介して赤用の透過型液晶表示パネルPrの表示部に集光される。第4正レンズ11と第5正レンズ13は、赤色チャンネルのみ他の色チャンネルより光路が長いため、ほぼ等倍結像するリレーレンズの役目を果たしている。
【0083】
緑用の透過型液晶表示パネルPgで変調された青色光成分は、1/2波長板32で偏光方向を90°変換された後、緑用の出側偏光板31を透過し、色合成プリズム22のうち偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21aに入射する。ここで、緑用の出側偏光板31は、他の偏光板に比べて検光性能が低く、透過率が高い。したがって、緑色光成分を検光することによる偏光板31での熱の発生はそれほど問題とならない。
【0084】
また、青用の透過型液晶表示パネルPbで変調された青色光成分は、偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21bに入射する。尚、この第2実施形態では、青色光の光路上においては、青色用液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21とは隣り合っており、光学素子は配置していない。
【0085】
さらに、赤用の透過型液晶表示パネルPrで変調された光は、赤用の出側偏光板20を介して、色合成プリズム22のうちダイクロイックプリズム23を構成するプリズム23aに入射する。色合成プリズム22によって色合成された3つの色光成分は、投写レンズ25によって不図示のスクリーンに投射される。
【0086】
ここで、上記実施形態でも説明したように、一般的な偏光ビームスプリッタは、特に角度のついた光に対してはS偏光に対する反射率のほうがP偏光に対する透過率よりも高く、S偏光で検光した方が検光子としての性能が高い。この点、本実施形態では、比視感度が高く明るさに強く影響する緑色光成分を、1/2波長板32を透過型液晶表示パネルPgと偏光ビームスプリッタ21との間に配置することによって、S偏光で偏光ビームスプリッタ21に入射させ、偏光分離面Pで反射させて投射するため、明るい画像を投射可能な液晶プロジェクタを実現できる。
【0087】
さらに、比視感度の高い緑色用液晶表示パネルPgの出射側に偏光板31を設けることによってP偏光で検光されるために低下する検光性能を補うことができるので、投射画像における高いコントラストと明るさのバランスをとることができる。
【0088】
勿論、緑用の出側偏光板31は設けなくても、偏光ビームスプリッタ21の特性次第では十分に高いコントラストが得られるので、緑用の出側偏光板31は必ずしも必要な訳では無く、特に設けなくても構わない。
【0089】
また、本実施形態では、緑色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの非光学有効面21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置している。
【0090】
(第3実施形態)
図4には、本発明の第3実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。なお、本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と同じであり、共通する構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して説明に代える。
【0091】
本実施形態では、偏光ビームスプリッタ21のプリズム21aとダイクロイックプリズム23のプリズム23bとの間に、色選択性位相差板34と偏光板35とを設けている。色選択性位相差板34は、青色光のみの偏光状態を90°変化させる作用を有するものであり、カラーリンク社からカラーセレクトと言う商品名で販売されているものを用いることができる。偏光板35はP偏光を透過させ、S偏光を吸収する。
【0092】
このような構成にすることにより、S検光に対して検光性能の劣るP検光された青色光成分に混ざったP偏光光が、色選択性位相差板34によってS偏光光に変換され、偏光板35に吸収されることで、投射画像について高いコントラストを得ることができる。
【0093】
また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、青色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの非光学有効面21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置している。
【0094】
なお、上記各実施形態においては、特開2001−290010号公報にて提案された照明光学系を用いた場合について説明したが、例えば、光軸直交断面において互いに直交する2方向のうち1方向にのみ照明光束を圧縮して照明する方式を、偏光ビームスプリッタの偏光分離方向を含む方向に照明光を圧縮するかたちで用いると、偏光ビームスプリッタの入射角度によって検光性能が劣化するという問題を軽減することができ、より高いコントラストを得ることができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1および第2の色光の検光に際して、高い検光性能を有する偏光板を用いる場合のように多くの光が吸収されて熱的な問題が発生することがないようにすることができるとともに、第2の光学素子にて合成された光を投射光学系で投射する場合に、投射光学系のバックフォーカスを短くすることができる。したがって、本発明を用いれば、明るい投射画像が得られ、かつ大がかりな冷却も不要で、小型の色合成光学系、投射型表示光学系および投射型画像表示装置を実現することができる。
【0096】
また、第1の光学素子(プリズム)から射出した不要光が光路中に反射して戻ることを防止する、例えば光を吸収する光吸収部材のような反射防止手段を設ければ、不要光が他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【図2】図1に示した投射型表示光学系を構成する色合成プリズムの説明図。
【図3】本発明の第2実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【図4】本発明の第3実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【符号の説明】
1 光源
2 リフレクター
3 第1のフライアイレンズ
4 第2のフライアイレンズ
5 偏光変換素子
6 凸レンズ
7 ミラー
8 ダイクロイックミラー
9 ミラー
10 ダイクロイックミラー
21 偏光ビームスプリッタ
22 色合成プリズム
23 ダイクロイックプリズム
P 偏光分離膜
D ダイクロイック膜
Pr,Pg,Pb 透過型液晶表示パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、3つの色光を合成する色合成光学系、およびこの色合成光学系を用いた投射型表示光学系、投射型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶プロジェクタでは、液晶表示素子を照明するランプのアーク長を極力短くすることで光の利用効率を上げたり、液晶表示素子の開口率を上げたりすることによって、投射画像の高輝度化が図られている。
【0003】
現状では0.7インチの小型の透過型液晶表示素子を使用した製品においても、
1000アンシルーメンを超える輝度を有するものがある。また、高輝度化と同時に、液晶プロジェクタの小型化も図られている。
【0004】
従来の液晶プロジェクタは、例えば特開2000−290010号公報にて提案されているような光学系を有する。すなわち、赤、緑、青に分離された光をそれぞれ変調する透過型液晶表示素子における照明光の照射側に偏光子としての入り側偏光板が、液晶表示素子によって変調された各色光を合成する色合成光学系の射出側に検光子としての出側偏光板が、それぞれ偏光方向が直交するように配置されている。液晶表示素子が黒を表示する際には、液晶表示素子を透過した光は出側偏光板に吸収されるため、黒の表示ができる。
【0005】
より詳しく説明すると、青、緑、赤の各色照明光は、各色に対応した入り側偏光板を透過した後、各色に対応した液晶表示素子に入射し変調される。そして、液晶表示素子で変調された各色画像光は、出側偏光板を透過した後、ダイクロイックプリズムによって合成され、投射レンズによってスクリーンに拡大投影される。このように、偏光板とダイクロイックプリズムによって各色画像光を合成する色合成光学系が構成されている。
【0006】
また、特開平7−306405号公報では、上記のような出側偏光板の代わりに、偏光ビームスプリッタを用い、黒表示時には液晶表示素子を透過した光が投射レンズに向かわない方向に反射させる光学系が提案されている。さらに言えば、
上記特開平7−306405号公報にて提案の光学系は、偏光子としての入り側偏光板、検光子としての出側偏光板の代わりに、偏光ビームスプリッタを用い、さらに色合成を行なうために色合成部材を別途設けた構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開2000−290010号公報にて提案されている液晶プロジェクタにおいては、例えばランプの消費電力を上げて照明光量を増加させ、液晶プロジェクタの高輝度化を図ろうとすると、黒を表示する際に、出側偏光板が吸収しなければならない光量が増加し、出側偏光板が劣化するという熱的な問題が生じる。
【0008】
この問題は、偏光板に冷却風をファンで吹きつける方法等で解決が図られてきたが、冷却風を強く偏光板に吹きつけようとすると、冷却風を吹きつける音や、ファンの騒音が増加するという問題が生じてしまう。
【0009】
一方、特開平7−306405号公報にて提案されている液晶プロジェクタでは、偏光子、検光子として偏光ビームスプリッタを用いているために、液晶プロジェクタを明るくするために照明光を増加しても、熱的な問題は生じないが、3色の色合成を検光子としての偏光ビームスプリッタとは別に設けた色合成用の偏光ビームスプリッタやダイクロイックプリズムで行なわなければならない。
【0010】
したがって、投射レンズのバックフォーカスが長くなり、これに伴い投射レンズが大きくなるため、液晶プロジェクタ全体が大型化してしまう。
【0011】
そこで、本発明は、光源であるランプの容量を上げることによって高輝度化を図っても、熱的な問題の発生や大型化を抑えることができるようにした色合成光学系、投射型表示光学系、投射型画像表示装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、それぞれ偏光光として入射した第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系において、特定の偏光方向の光を反射して他の偏光方向の光を透過する第1の光学膜を有し、この第1の光学膜によって第1および第2の色光を検光するとともに互いに合成する第1の光学素子(例えば、偏光ビームスプリッタ)と、第3の色光を検光する偏光板と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜を有し、偏光板を通過した第3の色光を、少なくとも2回反射するとともに第2の光学膜によって第1の光学素子により合成された第1および第2の色光と合成する第2の光学素子(例えば、ダイクロイックプリズム)とを設けている。
【0013】
これにより、第1および第2の色光の検光に際して多くの光が吸収されて熱的な問題が発生することがないようにすることが可能となるとともに、第2の光学素子にて合成された光を投射光学系で投射する場合に、投射光学系のバックフォーカスを短くすることが可能となる。
【0014】
特に、第1の光学素子で検光される第1および第2の色光のうち一方を、他の色光に比べてエネルギーの高い青色光としたり、白色光中に最も多く含まれる緑色光とすることにより、より確実に熱的な問題の発生を防止することが可能となる。
【0015】
なお、本発明の色合成光学系では、第1の光学素子における第2の光学素子への射出面以外の面から射出した光(不要光)が近接する部材に反射して第1 の光学素子に戻るのを防止するために光吸収部材のような反射防止手段を設けるとよい。これにより、不要光が他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないようにすることが可能となる。
【0016】
また、第1および第2の色光のうち一方をコントラストに強く影響する緑色光とし、さらにこの緑色光を、一般に検光性能が高いS偏光で検光されるようにP偏光光として第1の光学素子に入射させるようにしてもよい。これにより、明るく高いコントラストの投射画像を得ることが可能となる。
【0017】
また、第1および第2の色光のうち一方をコントラストに強く影響する緑色光とし、さらにこの緑色光を、一般に光量が多くとれるP偏光で検光されるようにS偏光光として第1の光学素子に入射させることにより、きわめて明るい投射画像を得ることが可能となる
また、第1の光学素子においてP偏光で検光される色光の光路(例えば、第1の光学素子の入射面の直前)に1/2波長板を配設し、S偏光に変換してから第1の光学素子で検光させるようにすることにより、第1の光学素子に入射するすべての色光の偏光の条件を揃えて、第1の光学素子の設計を容易にすることが可能となる。
【0018】
また、第1の光学素子に入射する緑色光の光路に偏光板を配設し、この偏光板と第1の光学素子の2段で緑色光の検光を行うことにより、より高いコントラストを得るようにしてもよい。このとき、偏光板は熱的な問題が生じない程度の低い検光性能のものでよい。
【0019】
さらに、第1の光学素子と第2の光学素子との間に偏光板を配設して、第1の光学素子から漏れてくる不要光を遮断し、より高いコントラストを得るようにしてもよい。
【0020】
また、第1の光学素子と第2の光学素子との間に波長選択性位相差板と偏光板とを配設して、より高いコントラストを得るようにしてもよい。
【0021】
そして、光源からの光を第1、第2および第3の色光に分離する色分解光学系と、第1、第2および第3の色光をそれぞれ変調する第1、第2および第3の画像表示素子と、これら第1、第2および第3の画像表示素子により変調された第1、第2および第3の色光が入射する上記色合成光学系と、この色合成光学系により合成された光を被投射面に投射する投射光学系とにより、明るい投射画像が得られ、かつ小型の投射型表示光学系又は投射型画像表示装置を実現することが可能となる。
【0022】
また、本発明の色合成光学系の別の側面として、第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系であって、第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜を有し、この第1の光学膜によって前記第1および第2の色光を合成する第1の光学素子と、前記第3の色光を検光する偏光板(偏光ビームスプリッタでも構わない)と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜を有し、前記第2の光学膜によって、前記偏光板を通過した前記第3の色光と前記第1の光学素子により合成された前記第1および第2の色光とを合成する第2の光学素子と、を有することを特徴としている。
【0023】
ここで、前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面から射出した光が、前記第1の光学素子の外部で反射することにより前記第1 の光学素子に戻る事を防止する反射防止手段を有するように構成してもよい。また、
前記反射防止手段は光吸収部材であるように構成してもよい。また、前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面には、反射防止膜が設けるように構成してもよい。また、前記第1および第2の色光のうち一方が青色光、他方が緑色光であり、前記第3の色光が赤色光であるように構成してもよい。
【0024】
また、前記緑色光の画像光がS偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間に1/2波長板と偏光板とを有するように構成してもよい。
【0025】
また、前記緑色光の画像光がP偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合うように構成してもよい。
【0026】
また、前記第1の色光及び前記第2の色光の光路のうち一方の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に、1/2波長板が配設されているように構成してもよい。
【0027】
また、前記第1の色光の光路が、前記第1の光学膜で反射して前記第2の光学素子に入射するように構成されており、前記第1の色光が第1の光学素子に入射する前の光路上に1/2波長板が配設されているように構成してもよい。
【0028】
また、前記第1の色光の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0029】
また、前記第1の色光の光路上に配設された偏光板は、前記第1の色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に配置されているように構成してもよい。
【0030】
また、前記第1の色光及び前記第2の色光のうち一方が緑色光であって、前記緑色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0031】
また、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に波長選択性位相差板が配設されているように構成してもよい。また、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に偏光板が配設されているように構成してもよい。
【0032】
ここで、前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合うように構成してもよい。
【0033】
また、前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間には、1/2波長板のみが配設されているように構成してもよい。
【0034】
また、前記第1の光学素子は、第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜と、画像光が前記 第1の偏光方向の光である前記第1の色光の入射面と、画像光は前記第2の偏光 方向の色光である前記第2の光の入射面と、前記第2の光学素子への第1出射面 と、不要光を出射させる第2出射面とを有しており、前記第2の光学素子は、前 記第11出射面から出射した光が入射する入射面と、第3の色光が入射する入射 面と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜 と、前記第1、2、3の色光を合成した光を出射させる第3出射面とを有してお り、ここで、前記第1の光学膜において、前記第1の色光の反射光と前記第2の 色光の透過光とを合成し、前記第2の光学膜において、前記第1、2の色光を合 成した光と前記第3の色光を合成するように構成してもよい。
【0035】
また、前記第3の色光は、前記第2光学素子内で全反射した後、前記第2の光学膜で反射されることにより、前記第1、2の色光と合成するように構成してもよい。
【0036】
また、本発明の投射型画像表示装置は、光源からの光を前記第1、第2および第3の色光に分離する色分解光学系と、前記第1、第2および第3の色光をそれぞれ変調する第1、第2および第3の画像表示素子と、これら第1、第2および第3の画像表示素子により変調された前記第1、第2および第3の色光が入射する請求項1から18いずれか1項に記載の色合成光学系と、この色合成光学系により合成された光を被投射面に投射する投射光学系とを有することを特徴としている。
【0037】
また、本発明の画像表示システムは、前述の投射型画像表示装置と、この投射型画像表示装置に対して前記第1、第2および第3の画像表示素子に原画を形成させるための画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。
【0039】
図1において、1は超高圧水銀ランプ等の光源である。2は放物面形状(楕円面形状であっても構わない)の反射面を有するリフレクタであり、図には放物面ミラーを示している。
【0040】
光源1から射出された光束はリフレクター2で反射されて略平行光に変換され、
第1フライアイレンズ3に入射する。第1フライアイレンズ3は、正の屈折力を有する矩形のレンズ(凸レンズ)を複数個、平板上に配置して構成されたものである。
【0041】
4は第1フライアイレンズ3から射出された光束が入射する第2フライアイレンズであり、正の屈折力を有する矩形のレンズ(平凸レンズ)を複数個、平板上に配置して構成されている。第1フライアイレンズ3によって第2フライアイ4の各レンズのほぼ中心部に光源像が形成される。
【0042】
5は偏光変換素子アレイであり、偏光変換素子毎に入射する無偏光(ランダム偏光)の光を特定の偏光方向を有する直線偏光光として射出させる。各偏光変換素子から射出する偏光光の偏光方向は互いに一致している。
【0043】
偏光変換素子アレイ5に入射した光は、不図示の偏光分離層5BにてP波が透過し、S波が反射することによってP波とS波に分離される。P波はλ/2位相板5Aにより位相変換され、S波と偏光軸の方向が揃えられる。これにより、偏光変換素子アレイ5から射出される光束はすべて同一方向の偏光軸を有した偏光光となる。
【0044】
偏光変換素子アレイ5から射出された光束は、第1正レンズ6により偏向され、
後述する色分解光学系でR(赤),G(緑),B(青)の3色の光成分に色分解され、RGBの各色別に設けられた透過型液晶表示パネルPr,Pg,Pbの表示部上に照射される。
【0045】
透過型液晶表示パネルPr,Pg,Pbは、光を透過させる際に、液晶表示パネルが有する画素のうち特定の画素に入射した偏光光の偏光方向を90°旋回させる作用を有する。つまり、S偏光で入射した入射光の一部をP偏光に変換する働きを有する。ここでこのような表示パネルは、例えばTN型液晶表示素子により構成されている。
【0046】
本実施形態では、第1正レンズ6から射出された光束のうち、青反射ダイクロイックミラー8により反射された青色光成分は、高反射ミラー9、第2正レンズ15および青用の入り側偏光板16を介して透過型液晶表示パネルPbの表示部にS偏光状態で集光される。 そして、青色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0047】
青反射ダイクロイックミラー8を透過した緑色および赤色の光成分のうちの緑色光成分は、緑反射ダイクロイックミラー10により反射され、第3正レンズ17および緑用の入り側偏光板18を介して透過型液晶表示パネルPgの表示部にS偏光状態で集光される。 そして、緑色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0048】
さらに、緑反射ダイクロイックミラー10を透過した赤色光成分は、第4正レンズ11、高反射ミラー12、第5正レンズ13、高反射ミラー14、第6正レンズ19および赤用の入り側偏光板26を介して透過型液晶表示パネルPrの表示部に集光される。
【0049】
そして、赤色用透過型液晶表示パネルPbが有する複数の画素のうち、スクリーン等の被投影面に投影する光(画像光)に相当する一部の画素に入射する光(S偏光)をS偏光からP偏光に変換するようにしている。
【0050】
ここで、前述のように、各色用の液晶表示パネルに入射させる光は、必ずしもS偏光である必要は無く、P偏光を入射させるようにしても構わない。
【0051】
第4正レンズ11と第5正レンズ13は、赤色チャンネルのみ他の色チャンネルより光路が長いため、ほぼ等倍結像するリレーレンズの役目を果たしている。
【0052】
各透過型液晶表示パネルには、駆動回路50が接続されており、駆動回路50には、パーソナルコンピュータ、ビデオ、テレビ、DVDプレーヤ等の画像情報供給装置60からの画像情報が供給される。駆動回路50は、供給された画像情報に基づいて各透過型液晶表示パネルに原画を表示させるための信号を出力する。
各透過型液晶表示パネルに入射した光は、表示された原画に応じて変調される。これらは以下の実施形態でも同様である。このように、本実施形態は、この第1実施形態に限らずパーソナルコンピュータ等の画像情報供給装置と組み合わせることによって、画像表示システムを構成することができる。
【0053】
青用の透過型液晶表示パネルPbで変調された青色光成分は、1/2波長板30で偏光方向を90°変換された後、偏光ビームスプリッタ(第1の光学素子)21を構成するプリズム21aに入射する。この偏光ビームスプリッタ21は、互いに同一の三角柱形状を有する2つのプリズム21a,21bを接合し、接合面にS偏光光を反射してP偏光光を透過させる偏光分離膜(第1の光学膜)Pを形成して構成されている。プリズム21aに入射した青色光成分のうち、画像光であるS偏光成分が選択的に偏光分離膜Pによって反射されることによって検光される。
【0054】
ここで、青用の透過型液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21との間には1/2波長板30のみが配置されており、偏光板は配置されていない。この第1実施形態においては、青用の透過型液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21との間には1/2波長板30しか配置していない。
【0055】
また、緑用の透過型液晶表示パネルPgで変調された緑色光成分は、偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21bに入射する。そして、P偏光成分のみが偏光分離膜Pを透過することによって検光される。こうして偏光分離膜Pによって反射された青色のS偏光成分と偏光分離膜Pを透過した緑色のP偏光成分とが合成され、偏光ビームスプリッタ21から射出する。
【0056】
さらに、赤用の透過型液晶表示パネルPrで変調された赤色光成分は、赤用の出側偏光板20で検光された後、ダイクロイックプリズム(第2の光学素子)23を構成するプリズム23aに入射する。このダイクロイックプリズム23は、互い大きさの異なる三角柱形状を有する2つのプリズム23a,23bを接合し、
接合面に赤色光成分を反射して青および緑色光成分を透過させるダイクロイック膜(第2の光学膜)Dを形成して構成されている。プリズム23aに入射した赤色光成分は、ダイクロイック膜Dでの反射を含めて2回反射するとともに、ダイクロイック膜Dを透過した青および緑色光成分と合成されてダイクロイックプリズム23から射出する。
【0057】
なお、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ21とダイクロイックプリズム23とにより色合成プリズム(色合成光学系)22が構成されている。
【0058】
こうして色合成プリズム22で合成され射出した3色の画像光は、投写レンズ25によって不図示のスクリーンに投射され、フルカラー画像を表示する。
【0059】
ここで、上述した色合成プリズム22の構成について、図2を用いてさらに詳しく説明する。
【0060】
色合成プリズム22は、上述したように偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21a,21bと、ダイクロイックプリズム23を構成するプリズム23a,23bとにより構成されている。
【0061】
プリズム21aは、青色光成分の入射面となる透過面21a3と、S偏光光を反射してP偏光光を透過させる偏光分離膜Pが蒸着形成された偏光分離面21a2と、青および緑色光成分の射出面となる透過面21a1とを有する。プリズム21aの透過面21a3から入射した青色光成分のうちS偏光成分は、偏光分離膜Pによって反射されることによって検光され、透過面21a1から射出する。
【0062】
プリズム21bは、緑色光成分の入射面となる透過面21b2と、プリズム21aの偏光分離面21a2に接合される透過面21b1と、透過面(非光学有効面)21b3とを有する。プリズム21bに透過面21b2から入射し、透過面21b1から射出した緑色光成分のうちP偏光成分は偏光分離膜Pを透過することによって検光され、さらにプリズム21aを透過して射出する。こうして偏光分離膜Pによって反射された青色のS偏光成分と、偏光分離膜Pを透過した緑色のP偏光成分とが合成される。
【0063】
なお、プリズム21,22は、偏光状態を保ったまま光が透過することが望ましく、材料としては低光弾性ガラスを用いるのがよい。
【0064】
プリズム23aは、射出面となる透過面であり、かつ入射する赤色光成分に対して全反射条件を満たす内面反射面でもある面23a1と、赤色光成分を反射して青および緑色光成分を透過させるダイクロイック膜Dが蒸着形成されたダイクロイック面23a2と、赤色光成分の入射面となる透過面23a3とを有する。
【0065】
また、プリズム23bは、プリズム23aのダイクロイック面23a2に接合される透過面23b1と、プリズム21aから射出した青および緑色光成分の入射面となる透過面23b2と、非光学有効面23b3とを有する。
【0066】
プリズム23aの透過面23a3から入射した赤色光成分は、まず面23a1で全反射し、次にダイクロイック膜Dで反射する。そしてこの際、プリズム23bおよびダイクロイック膜Dを透過してきた青および緑色光成分と合成され、今度は面23a1を透過してプリズム23a(色合成プリズム22)から射出する。
【0067】
なお、透過面21a3,21b2,23a3および面23a1には、空気とガラスの界面で生ずる表面反射光による光量損失を防ぐため、反射防止コートを形成することが望ましい。
【0068】
また、プリズム21bの透過面21b3にも、偏光分離膜Pで検光された不要な光が透過面21b3での表面反射で光路に戻り、コントラストを低下させるのを防止するために、反射防止コートを形成することが望ましい。
【0069】
ここで、本実施形態では、青色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置して、非光学有効面21b3から射出した不要光を吸収するようにしている。また、光吸収部材40は、緑色光成分に対しても同様の効果を奏している。ここでは、緑色光成分のうち偏光分離膜Pで反射してプリズム21bの透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要なS偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、透過面(非光学有効面)21b3に対向するように配置された、前述の光吸収部材40を用いて、透過面(非光学有効面)21b3から射出した不要光を吸収するようにしている。
【0070】
従来の光学系では、高い検光性能を有する偏光板によって不要な光を吸収していた(これが熱の発生原因となっていた)が、本実施形態では、そのような偏光板を青色光成分の光路に設けていないので、光吸収部材40を設けるのが望ましい。
【0071】
なお、光吸収部材40としてはブラックアルマイト処理をした上に黒色塗装を施したアルミ板を用いることができる。さらに、このアルミ板を光路に対して傾けて配置することによって不要な光を効果的にプリズム21に戻らないようにすることができる。
【0072】
また、プリズム23bの非光学有効面23b3は、プリズム23bでの内面反射によるゴースト発生を防ぐため、研磨面ではなく、砂ズリ面とするのがよく、さらに黒色の塗料を塗布するのがよい。
【0073】
また、プリズム23aのダイクロイック面23a2に形成されているダイクロイック膜Dは、プリズム23bの透過面23b1に形成してもよい。プリズム23bのほうがプリズム23aよりも小さいので、ダイクロイック膜Dを蒸着するときに、蒸着チャンバ内に多くのプリズムを入れることができ、製造コストを安くすることができる。
【0074】
また、プリズム21aの偏光分離面21a2に形成されている偏光分離膜Pは、プリズム21bの透過面21b1に形成してもよい。
【0075】
以上のように構成することにより、波長が短いためにエネルギーの高い青光及び白色光の中に多く含まれる緑光を偏光ビームスプリッタ21で検光することが可能であり、強い照明光を入射すると熱によって劣化してしまう出側偏光板を青色および緑色光成分の光路に設ける必要がなくなる。これにより、高い検光性能を有する(すなわち、遮断する光量が多い)出側偏光板を廃止することができ、液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)による投射画像を明るくすることができる。
【0076】
さらに、一般的な偏光ビームスプリッタは、特に角度のついた光に対してはS偏光に対する反射率のほうがP偏光に対する透過率よりも高い。このため、S偏光で検光した(S偏光が不要光で、S偏光を偏光ビームスプリッタで反射させて、被投影面に投影される光路上から外す)方が、P偏光で検光する(P偏光が不要光で、P偏光を偏光ビームスプリッタで透過させて、被投影面に投影される光路上から外す)よりも、検光子としての性能が高い。この点、本実施形態においては視感度が高く、コントラストに強く影響する緑色光成分をS偏光で検光する(S検光する)構成になっているため、投射画像に高いコントラストを得ることができる。
【0077】
ここで、緑色用液晶表示パネルPgとプリズム(第1光学素子)の間及び青色用液晶表示パネルPbとプリズム(第1光学素子)の間のいずれか一方にのみ、偏光板(その他特定の偏光方向の光以外を遮光する手段、もしくは偏光ビームスプリッタ等の特定の偏光光と他の偏光光とを分離する手段でもよい)を配置するようにしてもよい。偏光板を配置すると、偏光板と偏光ビームスプリッタとで二重に検光することができるため、偏光板を配置した光路を通る色光の偏光純度を向上させることができる。ただし、この第1実施形態においては、比視感度の高い緑色光に関しては、偏光ビームスプリッタにおける検光性能が十分に高いため、偏光板は配置していない。また、青色光に関しては、青色光の波長が短いためエネルギーが高く、高温になると性能が劣化してしまうという理由から、偏光板は配置していない。勿論上記の問題が解決されれば、青色光の光路上に偏光板を配置しても構わない。
【0078】
また、出側偏光板が比較的熱による障害を受けにくい赤色光成分に関しては、出側偏光板20を設けるとともに、プリズム23a内で全反射させた後に、ダイクロイック膜Dで色合成を行なっている(2回反射している)ため、投射レンズ25のバックフォーカスを短くすることができ、液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)を小型化することができる。
【0079】
(第2実施形態)
図3には、本発明の第2実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。なお、本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と同じであり、共通する構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して説明に代える。
【0080】
本実施形態では、第1正レンズ6から射出した光束のうち、緑反射ダイクロイックミラー80により反射した緑色光成分は、高反射ミラー9、第2正レンズ15および緑用の入り側偏光板160を介して緑用の透過型液晶表示パネルPgの表示部にS偏光状態で集光される。
【0081】
緑反射ダイクロイックミラー80を透過した青色および赤色の光成分のうちの青色光成分は、青反射ダイクロイックミラー100により反射され、第3正レンズ17および青用の入り側偏光板180を介して青用の透過型液晶表示パネルPbの表示部にS偏光状態で集光される。
【0082】
青反射ダイクロイックミラー100を透過した赤色光成分は、第4正レンズ11、高反射ミラー12、第5正レンズ13、高反射ミラー14、第6正レンズ19および赤用の入り側偏光板26を介して赤用の透過型液晶表示パネルPrの表示部に集光される。第4正レンズ11と第5正レンズ13は、赤色チャンネルのみ他の色チャンネルより光路が長いため、ほぼ等倍結像するリレーレンズの役目を果たしている。
【0083】
緑用の透過型液晶表示パネルPgで変調された青色光成分は、1/2波長板32で偏光方向を90°変換された後、緑用の出側偏光板31を透過し、色合成プリズム22のうち偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21aに入射する。ここで、緑用の出側偏光板31は、他の偏光板に比べて検光性能が低く、透過率が高い。したがって、緑色光成分を検光することによる偏光板31での熱の発生はそれほど問題とならない。
【0084】
また、青用の透過型液晶表示パネルPbで変調された青色光成分は、偏光ビームスプリッタ21を構成するプリズム21bに入射する。尚、この第2実施形態では、青色光の光路上においては、青色用液晶表示パネルPbと偏光ビームスプリッタ21とは隣り合っており、光学素子は配置していない。
【0085】
さらに、赤用の透過型液晶表示パネルPrで変調された光は、赤用の出側偏光板20を介して、色合成プリズム22のうちダイクロイックプリズム23を構成するプリズム23aに入射する。色合成プリズム22によって色合成された3つの色光成分は、投写レンズ25によって不図示のスクリーンに投射される。
【0086】
ここで、上記実施形態でも説明したように、一般的な偏光ビームスプリッタは、特に角度のついた光に対してはS偏光に対する反射率のほうがP偏光に対する透過率よりも高く、S偏光で検光した方が検光子としての性能が高い。この点、本実施形態では、比視感度が高く明るさに強く影響する緑色光成分を、1/2波長板32を透過型液晶表示パネルPgと偏光ビームスプリッタ21との間に配置することによって、S偏光で偏光ビームスプリッタ21に入射させ、偏光分離面Pで反射させて投射するため、明るい画像を投射可能な液晶プロジェクタを実現できる。
【0087】
さらに、比視感度の高い緑色用液晶表示パネルPgの出射側に偏光板31を設けることによってP偏光で検光されるために低下する検光性能を補うことができるので、投射画像における高いコントラストと明るさのバランスをとることができる。
【0088】
勿論、緑用の出側偏光板31は設けなくても、偏光ビームスプリッタ21の特性次第では十分に高いコントラストが得られるので、緑用の出側偏光板31は必ずしも必要な訳では無く、特に設けなくても構わない。
【0089】
また、本実施形態では、緑色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの非光学有効面21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置している。
【0090】
(第3実施形態)
図4には、本発明の第3実施形態である投射型表示光学系を用いた液晶プロジェクタ(投射型画像表示装置)の概略構成を示している。なお、本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と同じであり、共通する構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して説明に代える。
【0091】
本実施形態では、偏光ビームスプリッタ21のプリズム21aとダイクロイックプリズム23のプリズム23bとの間に、色選択性位相差板34と偏光板35とを設けている。色選択性位相差板34は、青色光のみの偏光状態を90°変化させる作用を有するものであり、カラーリンク社からカラーセレクトと言う商品名で販売されているものを用いることができる。偏光板35はP偏光を透過させ、S偏光を吸収する。
【0092】
このような構成にすることにより、S検光に対して検光性能の劣るP検光された青色光成分に混ざったP偏光光が、色選択性位相差板34によってS偏光光に変換され、偏光板35に吸収されることで、投射画像について高いコントラストを得ることができる。
【0093】
また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、青色光成分のうち偏光分離膜Pを透過してプリズム21bの非光学有効面21b3から射出した不要なP偏光成分が、他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないように、非光学有効面21b3に対向するように光吸収部材40を配置している。
【0094】
なお、上記各実施形態においては、特開2001−290010号公報にて提案された照明光学系を用いた場合について説明したが、例えば、光軸直交断面において互いに直交する2方向のうち1方向にのみ照明光束を圧縮して照明する方式を、偏光ビームスプリッタの偏光分離方向を含む方向に照明光を圧縮するかたちで用いると、偏光ビームスプリッタの入射角度によって検光性能が劣化するという問題を軽減することができ、より高いコントラストを得ることができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1および第2の色光の検光に際して、高い検光性能を有する偏光板を用いる場合のように多くの光が吸収されて熱的な問題が発生することがないようにすることができるとともに、第2の光学素子にて合成された光を投射光学系で投射する場合に、投射光学系のバックフォーカスを短くすることができる。したがって、本発明を用いれば、明るい投射画像が得られ、かつ大がかりな冷却も不要で、小型の色合成光学系、投射型表示光学系および投射型画像表示装置を実現することができる。
【0096】
また、第1の光学素子(プリズム)から射出した不要光が光路中に反射して戻ることを防止する、例えば光を吸収する光吸収部材のような反射防止手段を設ければ、不要光が他の光路内に照射されたり他の光路内で熱の発生原因となったりしないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【図2】図1に示した投射型表示光学系を構成する色合成プリズムの説明図。
【図3】本発明の第2実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【図4】本発明の第3実施形態である投射型表示光学系を有する液晶プロジェクタの要部概略図。
【符号の説明】
1 光源
2 リフレクター
3 第1のフライアイレンズ
4 第2のフライアイレンズ
5 偏光変換素子
6 凸レンズ
7 ミラー
8 ダイクロイックミラー
9 ミラー
10 ダイクロイックミラー
21 偏光ビームスプリッタ
22 色合成プリズム
23 ダイクロイックプリズム
P 偏光分離膜
D ダイクロイック膜
Pr,Pg,Pb 透過型液晶表示パネル
Claims (20)
- 第1、第2および第3の色光を合成する色合成光学系であって、
第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜を有し、この第1の光学膜によって前記第1および第2の色光を合成する第1の光学素子と、
前記第3の色光を検光する偏光板と、
特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜を有し、前記第2の光学膜によって、前記偏光板を通過した前記第3の色光と前記第1の光学素子により合成された前記第1および第2の色光とを合成する第2の光学素子と、を有することを特徴とする色合成光学系。 - 前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面から射出した光が、前記第1の光学素子の外部で反射することにより前記第1 の光学素子に戻ることを防止する反射防止手段を有する請求項1に記載の色合成光学系。
- 前記反射防止手段は光吸収部材であることを特徴とする請求項2に記載の色合成光学系。
- 前記第1の光学素子における前記第2の光学素子への射出面以外の面には、反射防止膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1および第2の色光のうち一方が青色光、他方が緑色光であり、前記第3の色光が赤色光であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記緑色光の画像光がS偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間に1/2波長板と偏光板とを有することを特徴とする請求項5に記載の色合成光学系。
- 前記緑色光の画像光がP偏光光として前記第1の光学素子に入射しており、前記緑色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合っていることを特徴とする請求項5に記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光及び前記第2の色光の光路のうち一方の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に、1/2波長板が配設されていることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光の光路が、前記第1の光学膜で反射して前記第2の光学素子に入射するように構成されており、前記第1の色光が第1の光学素子に入射する前の光路上に1/2波長板が配設されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光の、前記第1光学素子に入射する前の光路上に偏光板が配設されていることを特徴とする請求項9記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光の光路上に配設された偏光板は、前記第1の色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に配置されていることを特徴とする請求項10記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光及び前記第2の色光のうち一方が緑色光であって、前記緑色光に対応する画像表示素子と前記第1の光学素子との間に偏光板が配設されていることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に波長選択性位相差板が配設されていることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に偏光板が配設されていることを特徴とする請求項13記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子とが隣り合っていることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の色光と前記第2の色光のうちの一方が青色光であって、該青色光用の画像表示素子と前記第1光学素子との間には、1/2波長板のみが配設されていることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 前記第1の光学素子は、第1の偏光方向の光を反射して、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光を透過する第1の光学膜と、
画像光が前記第1の偏光方向の光である前記第1の色光の入射面と、画像光は前記第2の偏光方向の色光である前記第2の光の入射面と、前記第2の光学素子への第1出射面と、不要光を出射させる第2出射面とを有しており、
前記第2の光学素子は、前記第11出射面から出射した光が入射する入射面と、
第3の色光が入射する入射面と、特定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を透過する第2の光学膜と、前記第1、2、3の色光を合成した光を出射させる第3出射面とを有しており、
前記第1の光学膜において、前記第1の色光の反射光と前記第2の色光の透過光とを合成し、前記第2の光学膜において、前記第1、2の色光を合成した光と前記第3の色光を合成することを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項に記載の色合成光学系。 - 前記第3の色光は、前記第2光学素子内で全反射した後、前記第2の光学膜で反射されることにより、前記第1、2の色光と合成されることを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項に記載の色合成光学系。
- 光源からの光を前記第1、第2および第3の色光に分離する色分解光学系と、
前記第1、第2および第3の色光をそれぞれ変調する第1、第2および第3の画像表示素子と、
これら第1、第2および第3の画像表示素子により変調された前記第1、第2および第3の色光が入射する請求項1から18いずれか1項に記載の色合成光学系と、
この色合成光学系により合成された光を被投射面に投射する投射光学系とを有することを特徴とする投射型画像表示装置。 - 請求項19に記載の投射型画像表示装置と、この投射型画像表示装置に対して前記第1、第2および第3の画像表示素子に原画を形成させるための画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴とする画像表示システム。
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