JP2004061731A - イメージコンバイナ及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の表示画像の画質の向上を図る。
【解決手段】使用時に、光学材料で構成され眼鏡レンズに相当する板状部5が、イメージコンバイナ1の射出瞳P付近に置かれる使用者の眼の前に位置する。コンバイナ1は、板状部5の前方から板状部5の厚みを通過するように板状部5を透過する光に対して、画像表示素子2からの光を重畳させて、眼に導く。画像表示素子2からの光は、板状部5内の反射型HOE6で回折反射された後に、使用者の眼に到達する。画像表示素子2の表示部の中心から発せられた主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長と、前記表示部の所定方向の最周辺部から発せられた主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長とが、実質的に異なる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用者が外界などの前方からの光による像とこれに重畳された表示画像を見ることができるイメージコンバイナ、及びこれを用いた頭部装着式等の画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、使用者が外界の様子を観察しながらこれに重畳された表示画像をみることができる、いわゆるシースルー型の頭部装着式画像表示装置(ヘッド・マウンテッド・ディスプレイ)として、例えば、特開2000−352689号公報や特開2001−264682号公報に開示された画像表示装置が知られている。また、特開2001−264682号公報には、シースルー型の頭部装着式画像表示装置のみならず、それと実質的に同じ構成を持ちながらシースルー型として用いない(つまり、画像表示素子からの光に外界から等の他の光を重畳させることなく、画像表示素子からの光のみを使用者の眼に導びく)画像表示装置も開示され、この画像表示装置を携帯電話機のフリッパー部に内蔵する例も開示されている。
【0003】
これらの画像表示装置では、反射型ホログラム光学素子を用いることにより小型軽量化を図っている。反射型ホログラム光学素子は、波長選択性が優れ、極限られた波長領域の光のみを選択的に回折反射し得る。このため、シースルー型の画像表示装置を構成する場合、反射型ホログラム光学素子による外界等から透過する光量の損失を著しく低減させることができる。
【0004】
そして、これらの画像表示装置では、イメージコンバイナの射出瞳は使用状態における使用者の眼の瞳とほぼ一致するように形成され、前記反射型ホログラム光学素子として、当該反射型ホログラム光学素子をその作製時に露光するための2光源のうちの一方の光源(参照光源)の位置をイメージコンバイナの射出瞳の位置とほぼ一致させて作製した反射型ホログラム光学素子が用いられていた(特開2000−352689号公報の段落番号25、特開2001−264682号の段落番号37)。これらの公報には、作製時の参照光源の位置を使用者の瞳の位置に配置して作製した反射型ホログラム光学素子を用いることにより、製造状態での製造光と使用状態での観察光がほぼ一致するので、使用状態での反射型ホログラム光学素子の回折効率を最も向上させることができる旨が記載されている(特開2000−352689号公報の段落番号25、特開2001−264682号の段落番号37)。
【0005】
また、これらの画像表示装置では、小型軽量化を図るため、一般的に、画像表示素子として液晶表示素子が用いられ、それを照明する光源として小型かつ安価な光源であるLEDが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の画像表示装置では、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心と一致している場合には良好な表示画像を見ることができるできるものの、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳中心から射出瞳周辺にいくに従って表示画面がだんだん暗く、さらに表示画像が滲んだように見えてしまい、画質の点で必ずしも十分でなかった。なお、実際の使用時に、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれてしまうことは頻繁に起こり得る。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、反射型ホログラム光学素子を用いて小型軽量化を図りつつ、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の表示画像の画質の向上を図ることができる画像表示装置、及び、このような画像表示装置などに用いることができるイメージコンバイナを提供することを目的とする。
【0008】
なお、以下の説明では、ホログラム光学素子をHOEと呼ぶ場合がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
反射型HOE、とりわけ反射型体積型HOEの回折特性は、鋭い波長選択性と広い角度特性を持つことが知られている。すなわち、ブラッグ条件を満たす角度と波長で入射した再生光に対して最大の効率で所定の方向に回折光が得られるが、入射波長に対してはブラッグ条件から外れると急激に回折効率が減少する特性があり、一方、入射角がブラッグ角入射から外れる場合には緩やかに回折効率が減少する特性がある。
【0010】
この特性により、反射型HOEは、外界光の明るさを損失することなく、広い画角の画像表示が可能なイメージコンバイナに適した素子と言われてきた。
【0011】
しかしながら、これは単一波長の光で照明した場合の回折効率の値にのみ捕われた議論であって、実際にバンド幅を持った照明光で照明した場合に回折する波長特性まで研究されたものではなかった。
【0012】
本発明者は、入射角がブラッグ角入射から外れたときの反射型HOEの回折特性を調査し、入射角が変わると、最大効率で回折する波長が変化していくことを発見した。また、同様に、HOEから回折された光を異なる方向から観察すると、その回折効率が最も高い波長が変化していくことを見いだした。この点について、以下に説明する。
【0013】
反射型HOEによる回折は、ブラッグの条件式に従う方向に回折強度が最大となる。反射型HOEにおけるブラッグの条件式は、下記の数9及び数10で表わされ、数9及び数10を同時に満たす方向に回折する光の強度が最大となる。
【0014】
【数9】
1/λ(sinθ−sinθ)=1/λ(sinθ−sinθ
【0015】
【数10】
1/λ(cosθ−cosθ)=1/λ(cosθ−cosθ
【0016】
ここで、数9及び数10の左辺は反射型HOE製造時の状態を示し、λは露光波長、θはホログラム面の法線に対する露光時における物体光の入射角度、θは露光時における参照光の入射角度である。また、数9及び数10の右辺は反射型HOE使用時の状態を示し、λは回折主波長、θはホログラム面の中心から測ったホログラム面の法線に対する視線の角度、θは前記視線に対応する照明光のホログラム面への入射角度である。これを模式的に簡単に図に示すと図25のようになる。なお、図25(b)において、Pは使用者の眼の瞳の中心の位置である。光線追跡を行う場合は、位置Pから光線追跡するので、図25(b)中の光線の向きは光線追跡の場合に合わせて示しているが、実際の光線の向きは逆向きである。
【0017】
ここで、数9及び数10から、HOE製造時の条件と視線の角度θとから、回折強度を持つ波長λと、照明光の入射角度θを求めると、下記の数11及び数12に示す通りとなる。
【0018】
【数11】
λ=−[(sinθ−sinθ)sinθ+(cosθ−cosθ)cosθ]×2/[(sinθ−sinθ+(cosθ−cosθ]×λ
【0019】
【数12】
θ=arcsin{λ/λ×(sinθ−sinθ)+sinθ
【0020】
ただし、ブラッグ条件からずれた場合の回折光強度は、0ではなく、そのズレ量に従って低下する。その減り方は、位相型体積型ホログラム材料の厚みや屈折率変化量によって変わり、厚みが厚いほど、また屈折率変化が大きいほど、急激に低下する。つまり波長選択性が鋭くなり、数10に示す式の回折の寄与が大きくなる。
【0021】
したがって、実際には、数11の波長λは回折強度が最大となる波長であり、更に回折光はその近傍にバンド幅を持った波長帯の光も回折する。そこで、ブラッグ条件式を満たす数11のλを回折主波長と呼ぶことにする。
【0022】
ここで、露光波長λ=476nm、参照光入射角θ=30゜、物体光入射角θ=150゜、反射型HOEは空気中にあるとして、視線の角度θを変えて回折主波長λと視線に対応する照明光入射角θのふるまいを調べた。それぞれの角度は反射型HOEの法線の正の向きから反時計回りに測った。その結果を、下記の表1に示す。表1からわかるように、視線の角度θが±5度変化すると回折主波長λは約±9nmシフトする。
【0023】
【表1】
Figure 2004061731
【0024】
ここで、数11を回折主波長λと露光波長λの比(相対回折主波長)λ/λに書き直すと、下記の数13に示す通りとなる。
【0025】
【数13】
λ/λ=−[(sinθ−sinθ)sinθ+(cosθ−cosθ)cosθ]×2/[(sinθ−sinθ+(cosθ−cosθ
【0026】
露光の角度をパラメータにして、視線の角度θの露光時における参照光の入射角θに対する(θ−θ)を変えたときの数13に示す相対回折主波長λ/λの値の変化をグラフにしたのが図26である。図26からわかるように、角度差(θ−θ)が0から離れるに従い、相対回折主波長λ/λの値も1から離れていく。したがって、視線の角度θと露光時の参照光の入射角θとの差(θ−θ)が大きいほど、波長シフトは大きいことがわかる。なお、説明の便宜上、この現象を「波長シフト現象」と呼ぶ。
【0027】
前記従来の画像表示装置では、製造時の露光用の参照光源の位置をイメージコンバイナの射出瞳の位置と一致させて製造した反射型ホログラム光学素子が用いられている。すなわち、露光時の参照光源の位置が再生系の瞳位置に定義されている。したがって、再生時の主光線については、全画角に渡って、露光時の参照光の入射角と視線の角度との差が実質的にゼロとなるのに対し、イメージコンバイナの射出瞳内においてその中心からずれた位置を通る光線(マージナル光線)については、視線の角度θと参照光の入射角θとに差が生じる。このため、再生時のマージナル光線には前記波長シフト現象によって波長シフトが起こる。
【0028】
また、前述の、前記従来の画像表示装置において使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳中心から射出瞳周辺にいくに従って表示画面が暗くなる原因は、瞳周辺に行くに従い波長シフトが大きくなることから、入射照明光のバンド幅と回折強度の波長特性とを掛け合わせた結果としての強度が、瞳周辺に行くに従い下がっているためであり、画像が滲んだように見える原因は、瞳周辺に行くに従い、回折波長が変化しているために横色収差が生じているためであることが、判明した。
【0029】
本発明者は、特開2000−352689号公報及び特開2001−264682号公報に記載されているいくつかの実施例の画像表示装置について、観察者(使用者)の瞳から画像表示素子(液晶表示素子などの画像形成部材)へ向かって光線追跡を行うことにより、前記回折波長変化及びそれによる横色収差の量を具体的に求めた。以下にその結果について述べる。
【0030】
特開2000−352689号公報に記載の実施例3の場合、製造時の露光用の参照光源の位置をイメージコンバイナの射出瞳の位置と一致させて作製した反射型ホログラム光学素子が用いられていることから、主光線すなわち瞳の中央から像面の各点へ向かう光線に関してはブラッグ条件を満たす。このため、露光波長と同じ波長532nmの光はすべての画角に渡って高い回折効率で反射回折するが、瞳座標y=1.5(y軸は紙面内上向きにとる)から入射する光線の回折効率は527nmのとき最大となる。逆に、瞳座標y=−1.5の位置から入射する光線の回折効率は537nmのとき最大となる。すなわち、瞳の周辺に行くに従って回折波長は±5nmシフトしていることがわかる。ここで、瞳座標とは、瞳面内の位置座標であり、瞳の中心を原点とし、その単位をミリメートルとした。
【0031】
ここで照明光源に532nm付近に発光ピークを持つ緑色のLEDを用いた場合、例えばその発光特性が半値全幅で20nm程度とすると、532nmの発光強度を1として、527nmの発光強度は0.5、537nmの発光強度は0.5である。
【0032】
したがって、瞳座標y=±1.5の位置では、たとえ反射型HOEの回折効率が90%以上の高効率だったとしても、回折波長が±5nmシフトしているために照明光の強度が中心に比べて0.5になってしまい、観察像が暗くなってしまっている。
【0033】
また、横色収差を計算すると、波長532nmで瞳中心から画角0°で入射する光線の像面上でのy座標y=0.0に対して、波長527nmで瞳座標y=1.5から入射する光線の像面上での高さはy=−0.10、波長537nmで瞳座標y=−1.5から入射する光線の像面上での高さはy=0.12、であり0.1mm以上の横色収差を生じている。
【0034】
像面すなわち映像形成部材上に、仮に1/4インチ(4.8×3.6mm)のQVGA(320×240画素)の液晶表示装置を置くとすると、1画素の大きさは0.015mm角であり、上記の倍率色収差量は7画素ないし8画素分に相当する大きな値である。
【0035】
すなわち、この波長シフトによる色収差によって、瞳周辺に行くに従い像が滲んだようになっていたのである。
【0036】
本発明者は、このような従来の画像表示装置における前記不都合の原因究明の結果に基づき更に研究を進め、露光時の参照光源の位置と再生系の瞳位置とを同一にして作製された反射型HOEに代えて、露光時の参照光源の位置を再生虚像の位置(この位置は、通常、イメージコンバイナの射出瞳から1m〜無限遠の位置)の方に移動させて作製された反射型HOEを、用いることを検討した。
【0037】
露光時の参照光源の位置を再生虚像の位置の方に移動させて作製された反射型HOEを用いると、同じ画角の光線であれば、イメージコンバイナの射出瞳内のいずれの位置を通る光線であっても、主光線であるかマージナル光線であるかに拘わらず、視線の角度θと参照光の入射角θとの差(θ−θ)が従来に比べて小さくなる。ゆえに、画角中心の光線は、主光線及びマージナル光線の両方とも全明るさに渡って等しく露光波長が回折主波長とほぼ等しくなる。
【0038】
したがって、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれても表示画面が暗くなったり表示画像が滲んだように見えることがなくなり、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の画質は前記従来の画像表示装置に比べて大きく向上する。したがって、使用者の使い勝手が大幅に向上する。
【0039】
ところで、画像表示手段の表示部の中心から発せられ、反射型ホログラム光学素子により回折後、所定の位置を通過したときの回折効率が前記各波長領域で最大となる波長をλoとし、画像表示手段の表示部の周辺部から発せられ、反射型ホログラム光学素子により回折後、先に述べた所定の位置と同じ位置を通過する光の回折効率が各波長領域で最大となる波長をλyとし、更に画像表示手段の表示部の周辺部から発せられ、反射型ホログラム光学素子により回折後、所定の位置とは異なる位置でかつ反射型ホログラム光学素子に対する視線の方向は表示部中心から発せられ反射型ホログラム光学素子により回折後所定の位置を通過した光の伝搬方向と同じ方向で伝搬する光の回折効率が各波長領域で最大となる波長をλzとした場合、上述の本発明では、λoとλzとをほぼ同一波長にすることで、射出瞳面内で使用者の眼の瞳の位置が変わっても、ほぼ同じ画質を得ることとしている。そうなると、λyとλoとは回折後の光の射出角が互いに異なる条件となっているため、異なる値を示す。
【0040】
ゆえに、露光時の参照光源の位置を再生系の瞳位置から再生虚像の位置の方向へずらした位置に移動して作製した反射型HOEにおいて、上述の波長λoと上述の波長λyとが、異なるように設定されておれば、使用者の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合でも、画質が劣化しない。
【0041】
このとき、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の画質をある程度以上向上させようとする場合には、下記の数14及び数15のうちのいずれかの式を満たすことが好ましい。
【0042】
【数14】
1.013<λy/λo
【0043】
【数15】
λy/λo<0.98
【0044】
そして、照明光源の発光スペクトル幅に対して画角による波長シフト量があまりに大きくなると、画面内の一部で光量低下が起きるおそれがある。そこで、これを防止するため、照明光源の発光スペクトル幅と画角による波長シフトを勘案し、発光スペクトル幅が狭い場合には、参照光源を虚像付近から瞳付近の方向へ近付け、波長シフト量を制御することが好ましい。具体的には、画像表示手段から発する光が1つの波長領域の成分のみ又は離散的な複数の波長領域の成分を持つ場合、前記1つの波長領域における半値全幅又は前記複数の波長領域のいずれかの領域における半値全幅をFWHMとしたとき、下記の数16を満たすことが好ましい。
【0045】
【数16】
0.2<|(λy−λo)/FWHM|
【0046】
なお、数16の左辺の「0.2」とは、波長λyを中心にした回折波長領域のスペクトル半値幅と、波長λoを中心にした回折波長領域のスペクトル半値幅とを考慮した結果、光源のスペクトルの半値全幅内に、各波長領域の半値幅分のスペクトルも入るように考慮した結果に基づく。
【0047】
以上は参照光源の距離に関する検討であるが、さらに本発明者は参照光源の入射角についても検討し、以下の検討結果を得た。すなわち、参照光源の入射角を適切に設定することで、露光光源と照明光源の波長のずれを補正し、常に画面中心に明るさの中心を合わせることができるということである。
【0048】
露光光源の波長と照明光源の波長とは一致することが望ましいが、通常は露光光源としてレーザーが用いられるとともに照明光源としてLEDが用いられ、レーザーとLEDでは発光手段が異なるため、両者の波長は必ずしも一致しない。そこで多少のズレがある場合には参照光源の角度を調節することにより画角中心の回折主波長と照明光源の主波長を一致させ、画角端での減光を中心振り分けにバランスさせることができることがわかった。
【0049】
その方法は、参照光と再生入射光の角度差による波長シフトという性質を積極的に使い、画角中心の光線の回折主波長を、露光波長ではなく、照明光源の主波長に一致するように参照光源の入射角を上記のそれからずらすことにより、再生系の画角中心光線の回折主波長を露光波長からずらすことができる。その量は前記の数11及び数12から逆算すればよい。すなわち、回折主波長が照明光源の主波長に一致するように入射角度差を計算することが可能である。
【0050】
具体的には、前記反射型ホログラム光学素子をその作製時に露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から前記反射型ホログラム光学素子の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1とし、前記画像表示手段の前記表示部の中心から発して当該イメージコンバイナの射出瞳の中心へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数17を満たせば、画角端での減光を中心振り分けに近い状態でバランスさせることができる。
【0051】
【数17】
0.8°<|θ1−θ2|
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるイメージコンバイナ及び画像表示装置について、図面を参照して説明する。
【0053】
[第1の実施の形態]
【0054】
図1は、本発明の第1の実施形態による画像表示装置の構成及びその光線(画像表示素子2からの光線のみ)の概略の経路を示す図である。
【0055】
ここでは図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。すなわち、図1の紙面内の左右方向をZ軸とし、そのZ座標値の大きくなる向きは右と定義する。図1の紙面内の上下方向をY軸とし、Y座標値の大きくなる向きは上と定義する。図1の紙面に垂直な方向をX軸とし、右手系、すなわち、図1の紙面から奥の方向をX座標値が大きくなる向きと定義する。なお、Y軸方向は、実際の上下方向と一致していても良いし、その他の適宜方向であってもよい。これらの定義は後述する図9および図16についても、同様である。
【0056】
本実施の形態による画像表示装置は、イメージコンバイナ1と、画像表示素子2とを備えている。
【0057】
本実施の形態では、画像表示素子2として透過型LCDが用いられている。画像表示素子2は、その背後から、LED3及び放物面鏡等の反射鏡4からなる光源により光源光が照射され、光源光を空間光変調して表示画像を示す光を透過させる。なお、画像表示素子2として、反射型LCD等の他の素子を用いても良いし、エレクトロルミネッセンス発光素子を用いても良いことは、言うまでもない。
【0058】
本実施の形態では、LED3として3色LEDが用いられている。図27は、LED3の発光スペクトルを示す。図27において、ラインLRはLED3の赤色発光部の発光スペクトルを示し、ラインLGはLED3の緑色発光部の発光スペクトルを示し、ラインLBはLED3の青色発光部の発光スペクトルを示している。図27からわかるように、LED3が発する光は、R(Red)の波長領域、G(Green)の波長領域及びB(Blue)の波長領域の各波長領域においてそれぞれピーク波長を有し、各ピーク波長の前後に渡る各波長領域においてそれぞれ強度を有している。このLED3のR波長領域におけるピーク波長についてのスペクトル強度の半値全幅FWHMrは23nm、G波長領域におけるピーク波長についての半値全幅FWHMgは60.8nm、B波長領域におけるピーク波長についての半値全幅FWHMbは29nmである。これらの点は、後述する各実施の形態についても同様である。
【0059】
なお、本実施の形態では、反射型HOE6がG波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されているので、LED3として、図27中のG波長領域の成分のみを発光するG用の単色LEDを用いてもよい。
【0060】
イメージコンバイナ1は、ガラスやプラスチック等の光学材料で、上部を除いて平行平板状に構成された板状部5を備えている。もっとも、板状部5は、例えば使用者の視力矯正用光学的パワーを有していても良い。その場合には、例えば板状部5のZ軸方向の両面5a、5bのうちの少なくとも一方の面は、曲面で構成される。これらの点は、後述する各実施の形態についても同様である。また、本実施の形態では、板状部5の上部は図中右側に突出しており、この上部の上面5cがアナモルフィック非球面とされている。なお、板状部5は、図1中の下方にも延びているが、その図示は省略している。
【0061】
板状部5は、フレーム等の支持部材(図示せず)を介して、眼鏡レンズと同様に、使用者の頭部に装着されて、使用者の眼(図示せず)の前に位置する。図1において、Pは、イメージコンバイナ1の、画像表示素子2からの光に対する射出瞳を示し、P0は射出瞳Pの中心を示す。この射出瞳Pが使用者の眼の瞳とほぼ一致するように、イメージコンバイナ1が使用者に装着される。図1では、Z軸方向が板状部5の厚み方向と一致している。板状部5の眼側の面5a及び反対側の面5bは、XY平面と平行となっている。なお、図面には示していないが、LED3、反射鏡4及び画像表示素子2も、前記支持部材により支持されている。これにより、画像表示素子2は、使用者が外界を観察するのを妨げないとともに、使用者が当該画像表示装置を装着するときに邪魔にならないように、板状部5に対して図中紙面内の斜め右上方に配置されている。
【0062】
もっとも、画像表示素子2を他の適当な箇所に配置し、リレー光学系によって図1中の画像表示素子2の位置に表示画像を導いてもよいし、また、スキャン光学系を用いてこの位置に画像を形成してもよい。この点は、後述する各実施の形態についても同様である。
【0063】
なお、図1において、点A1,A2は、画像表示素子2の表示部の図中紙面内での両端の位置をそれぞれ示す。また、点A0は、当該表示部の中心を示す。
【0064】
イメージコンバイナ1は、板状部5の前方から板状部5の厚みdを通過するように(すなわち、面5bから入射して面5aから射出するように)板状部5を透過する光(以下、「外界光」という。)に対して、画像表示素子2からの光を重畳させて、使用者の眼に導くように構成されている。
【0065】
本実施の形態では、板状部5における使用者の眼と対向する位置付近において、板状部5の内部に、反射型ホログラム光学素子(反射型HOE)6が設けられている。本実施の形態では、反射型HOE6は、図1に示すように、面5a,5bに対して所定角度傾けられている。
【0066】
例えば、反射型HOE6を板状部5と同じ材質の小片に接着させて作製し、その後その小片を板状部5を形成する型枠の中に配置し、板状部5の材質を溶かした状態で型枠の中に流し込み、その後固めることによって、反射型HOE6を板状部5の内部に設けることができる。
【0067】
本実施の形態では、反射型HOE6は、画像表示素子2からの光のうち、図27に示すG波長帯域に含まれる成分の光のみを選択的に反射させる。一方、反射型HOE6は、外界光(図示せず)のほとんどの波長域の光を偏向させることなく透過させる。なお、反射型HOE6としては、外界光を極力妨げることがないように、波長選択性の高いものを用いることが好ましい。
【0068】
反射型HOE6は、図1に示すように、画像表示素子2からの光のうち図27に示すG波長帯域に含まれる成分の光のみを選択的に観察者の瞳の方向へ反射させる特性を有しているとともに、所定の結像作用を持つように光学的パワーを有している。反射型HOE6は、平面状のものでもよいし、曲面状のものでもよい。反射型HOE6として曲面状のものを用いる場合、その曲面の曲率中心が使用者の眼側にあるように配置すると、画角が大きい場合に、反射型HOE6の発生する画角による収差変動量が小さくなり、好ましい。
【0069】
反射型HOE6を構成するためのホログラム感光材料としては、例えば、フォトポリマー、フォトレジスト、フォトクロミック、フォトダイクロミック、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチン、ダイクロメートゼラチン、プラスチック、強誘電体、磁気光学材料、電気光学材料、非晶質半導体、フォトリフラクチィブ材料等が用いられる。そして、公知の手法に従い、製造用の光学系にて2つの光源からの光を前記材料に同時に照射することによって、反射型HOE6を作製することができる。
【0070】
画像表示素子2の表示部上の任意の点を通過した光は、板状部5の上部の上面5cから板状部5内に入射して、板状部5の面5aの領域R1に臨界角より大きい入射角で入射し、領域R1で全反射される。この光は、板状部5の面5bの領域R2に臨界角より大きい入射角で入射し、領域R2で全反射される。さらに板状部5の面5aの領域R3に臨界角より大きい入射角で入射し、領域R3で全反射した後、反射型HOE6に入射する。このとき、この光は、反射型HOE6により、波長選択性(本実施の形態ではG光選択性)を持つ反射回折作用、及び結像作用を受ける。その後、この光は、板状部5の面5aの領域R4から板状部5外へ射出される。この時、画像表示素子2の同一箇所から出た光は、射出瞳Pから所定距離(本実施の形態では、1m。この距離は後述する他の実施の形態も同様。例えば、無限遠としてもよい。)に拡大虚像を形成するように射出瞳Pに置かれた使用者の眼の瞳に入射する。
【0071】
画像表示素子2から発し反射型HOE6で回折反射された後に使用者の眼に到達する光は、LED3の発光スペクトル特性と反射型HOE6の波長選択性とに応じて、G光の成分のみを持つ。ここで、画像表示素子2から発し反射型HOE6で回折反射された後に使用者の眼に到達するG光(図27中のG波長領域の光)のうちの、画像表示素子2の任意の点から発して射出瞳Pの中心P0に到達する光線を、ここではG波長領域に関する主光線と呼ぶ。
【0072】
本実施の形態では、画像表示素子2の表示部の中心から発せられたG波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλogとし、画像表示素子2の表示部の図1中のY方向の最周辺部から発せられたG波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλygとしたときに、下記の数18及び数19のうちのいずれかの式を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の画質を向上させることができる。
【0073】
【数18】
1.013<λyg/λog
【0074】
【数19】
λyg/λog<0.98
【0075】
また、本実施の形態では、下記の数20を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、LED3の発光スペクトルのGの波長領域幅に対して画角による波長シフト量が抑えられ、画面内の一部で光量低下が起きるおそれがなくなる。
【0076】
【数20】
0.2<|(λyg−λog)/FWHMg|
【0077】
さらに、本実施の形態では、反射型HOE6をその作製時にG波長領域に対応して露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から反射型HOE6の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1gとし、画像表示素子2の表示部の中心から発して射出瞳Pの中心P0へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数21を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、画角端での減光を中心振り分けに近い状態でバランスさせることができる。
【0078】
【数21】
0.8°<|θ1g−θ2|
【0079】
ここで、第1の実施の形態の具体例について、図1を参照して説明する。この具体例の設計に際し、設計プログラムとして、当該技術分野において著名な米国のOptical Research Associates製のcode V(商品名)を用いた。このとき、画像表示素子2の表示部の中心A0から発して、射出瞳Pの中心P0を通過する光線の経路を、この光学装置全体の光軸と定義する。本具体例では、光軸は1本の直線ではなく、互いに傾いた線分を連結した形状となっている。これらの点は、後述する各実施の形態の具体例についても同様である。
【0080】
この具体例の光学的な諸量は、下記の通りである。
【0081】
射出瞳Pの径は3mmである。図中紙面内上方向の視野角度は5°である。図中紙面内下方向の視野角度は−5°である。紙面奥行き方向の視野角は±6.75゜である。図中紙面内での画面サイズ(点A1と点A2との間の長さ)は3.6mmである。紙面奥行き方向の画面サイズは4.8mmである。板状部5の厚さdは3.5mmである。使用波長は約480nm〜約540nmの波長幅である。板状部5の波長587.56nm(d線)に対する屈折率はnd=1.596229で、アッベ数はνd=40.4である。
【0082】
HOE6の定義については露光に用いる2光束を定義することによりホログラムを一義的に定義する。2光束の定義は各光源の位置と、各光源からの出射ビームが収束(VIR)か発散(REA)のどちらかで定義する。第1の点光源(HV1)の座標を(HX1,HY1,HZ1)、第2の点光源の座標を(HX2,HY2,HZ2)とする。この座標は、図2に示すように、HOE面が光軸と交わる点を原点とし、光軸方向にZ軸、HOE面内で紙面上方向をY軸、紙面の奥行き方向をX軸としており、図1に関連して定義した座標とは異なる。
【0083】
また、ホログラムを記録する乳剤は厚み20μm、屈折率1.493、屈折率変調は0.03のものを使用している。露光波長は532nmで、乳剤の収縮率を3.3%と仮定している。収縮による再生光の波長変動は比例関係にあるので波長も3.3%短くなり、再生の中心波長は512nmである。HOE6の面は、その中心が面5aから図1中のZ軸に沿って1.7mm右側にありY軸と同じ方向から紙面上時計周りに30°回転した方向である平面である。HOE6は結像性能を最適にするために位相関数成分を持っている。
【0084】
ここで位相関数について説明すると、位相関数は、HOE6の純粋な各2個の点光源により定義される以外の非球面的な位相変換量を定義するもので、光学設計プログラムcode Vにおいては、X,Y軸成分の多項式係数などを用いて指定することができる。
【0085】
また、この具体例の光線追跡のための諸量を、下記の表2に提示する。光学面の順序(面番号の順序)は使用者の眼の瞳面(=イメージコンバイナ1の射出瞳Pの面)から画像表示素子2への順である。なお表1において、各面番号に対応する図1中の参照符号を括弧書きの「符号」として示している。この点は、後述する表についても同様である。
【0086】
【表2】
Figure 2004061731
【0087】
表2で用いた位相関数の定義は、HOEをXY座標面上の位置と指定した点に入射する光線の受ける光路差を、使用する波長で規格化した値で表すもので、m,nを整数とするとき、一般形の下記の数22で表される多項式の係数を指定することで決められる。ただし、この係数は65個まで指定可能であって、順にC1,C2,C3,・・・,C65と呼び、係数の順番をjという整数で表すときに、X座標及びY座標の次数を示す整数m,nとの間に下記の数23という関係が成り立つように対応付ける。すなわち、本例では、位相関数は、下記の数24の多項式で定義されている。このような位相関数の定義は、後述する表についても同様である。
【0088】
【数22】
Figure 2004061731
【0089】
【数23】
Figure 2004061731
【0090】
【数24】
Figure 2004061731
【0091】
ここで用いたアナモルフィック非球面5cの定義は、曲面5cの光軸をZ座標軸としたときの曲面5c上の点(x,y)でのZ軸座標値、すなわちサグ量を下記の数25で示すように表すことで定義する。
【0092】
【数25】
Figure 2004061731
【0093】
数25において、CUXはX軸方向の曲率半径、CUYはY軸方向の曲率半径、KXはX軸方向の円錐定数、KYはY軸方向の円錐定数、ARはZ軸の周りに回転対称な4次の非球面係数、BRはZ軸の周りに回転対称な6次の非球面係数、CRはZ軸の周りに回転対称な8次の非球面係数、DRはZ軸の周りに回転対称な10次の非球面係数、APは回転非対称な4次の非球面係数、BPは回転非対称な6次の非球面係数、CPは回転非対称な8次の非球面係数、DPは回転非対称な10次の非球面係数である。
【0094】
また、本具体例における各光学面の位置関係として、第1面(面番号1=図1中の符号P)の中心P0を原点(X,Y,Z)=(0,0,0)とした各光学面の中心の絶対位置とX軸の周りの回転量(反時計周りを正として測った値)を、下記の表3に示す。
【0095】
【表3】
Figure 2004061731
【0096】
本具体例のHOE6の第1光源の位置は、HX1:0,HY1:0.214385×10+08,HZ1:0.155769×10+08より、図2中のyz座標の第1象現で、原点からの距離2.65×10mm、z軸負の方向から測った角度は54度である。ただし、HV1がVIRであるため収束光であり、実際はその逆の方向から入射する。そして、HOE6の2光源は空気中に定義されるため、再生時のHOE6が媒質中にある場合は、距離と角度を屈折率換算して比較する。
【0097】
この例の場合、距離はほぼ無限遠のため換算しなくてもよい。この光源距離は再生虚像と射出瞳の間の虚像に近い距離のため、射出瞳内の各位置での回折主波長が一定である。その代わりに、画角によって回折主波長がシフトする。
【0098】
一方、角度の方は、第1光源のHOE法線に対する入射角度が空気中で54°である。ここで、再生時の光軸上の光は屈折率約1.6の媒質中を入射角30°で入射するため、空気中に換算すると53.1°である。したがって、露光光のHOE6に対する入射角θ1gと、再生光のHOE6に対する入射角θ2とは、0.9°ずれていることになる。これにより、画角0°の回折主波長は、収縮のみ考慮した再生中心波長512nmより少しずれ、光源の緑色発光スペクトルのピーク波長516nmに近づいている。
【0099】
本具体例について回折効率を計算すると、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)で各瞳座標Py−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率主波長は、下記の表4に示す通りとなっている。ここで、瞳座標Pyは、図1中の紙面内における射出瞳P内でのY軸方向の位置座標であり、Py=0mmの位置は射出瞳Pの中心P0を示す。なお、瞳座標Py=0mmを通る光線は、いずれの画角の光線であっても主光線である。
【0100】
【表4】
Figure 2004061731
【0101】
さらに、本具体例の光学系の結像性能を表すための横収差図を、図3及び図4に示す。図3及び図4において、画角ごとに回折主波長±10nmの光線の横収差図を一つの図に同時に示してある。図3及び図4から、画角内全域に渡り色収差が少なく、結像性能が優れていることがわかる。
【0102】
そして、本具体例のHOE6の回折効率の波長特性を図5及び図6に示す。図5は、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)の主光線(Py=0mm)の回折効率の波長特性を示している。図6は、画角(X,Y)=(0゜,0゜)で各瞳座標−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率の波長特性を示している。図6では、各瞳座標に関する波長特性は一致しており重なっている。図5には画角によって回折主波長がシフトしている様子が示され、図6には瞳座標によっては回折主波長がシフトしていない様子が示されている。
【0103】
図5及び図6には、LED3の図27に示す各波長領域のうち、対応するG波長領域の発光スペクトルも重ね描きしてある。実際に、観察者の眼に届く光量(明るさ)は、この2種類のグラフの積(回折効率とG波長領域の発光スペクトルとの積)になる。画面内の明るさ分布を図7に示し、瞳面内の明るさ分布を図8に示す。図7中の各プロット点は、図5中の各画角の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。図8中の各プロット点は、図6中の各瞳座標の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。なお、図7及び図8の縦軸は明るさを示し、最も明るいものを1として規格化してある。
【0104】
本具体例では、画角−5°および+5°の回折主波長λygと画角中心の回折主波長λogとの比λyg/λogは、それぞれ1.026、0.968であり、0.98以下、1.013以上となっており、前述した数18、数19の条件を満たしている。その結果、図8に示すように、瞳面内の強度がフラットになっている。
【0105】
また、画角中心と周辺の回折主波長の差|λyg−λog|は、それぞれ13.16、16.48であり、本具体例で使用した光源の半値全幅FWHMgは60.8nmであるから、数20の右辺の値を算出すると、画角−5°および+5°でそれぞれ0.22、0.27であり、数20の条件を満たしている。その結果、図7及び図8に示すように、瞳面内も画面内もバランスの取れた明るさとなっている。
【0106】
また、参照光源の角度θ1gと光線追跡の光軸入射角θ2との差は0.9°であり、数21の条件を満たしている。
【0107】
[第2の実施の形態]
【0108】
図9は、本発明の第2の実施の形態による画像表示装置の構成およびその光線(画像表示素子2からの光線のみ)の経路を示す図である。図9において、図1中の要素と同一または対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、図9において光源を構成するLED3及び反射鏡4は省略している。
【0109】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と基本的に異なる所は、前記第1の実施の形態では、反射型HOE6がG波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されていたのに対し、本実施の形態では、反射型HOE6がB波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されている点である。
【0110】
なお、本実施の形態では、反射型HOE6がB波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されているので、LED3として、図27中のB波長領域の成分のみを発光するB用の単色LEDを用いてもよい。
【0111】
ここで、画像表示素子2から発し反射型HOE6で回折反射された後に使用者の眼に到達するB光(図27中のB波長領域の光)のうちの、画像表示素子2の任意の点から発して射出瞳Pの中心P0に到達する光線を、ここではB波長領域に関する主光線と呼ぶ。
【0112】
本実施の形態では、画像表示素子2の表示部の中心から発せられたB波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλobとし、画像表示素子2の表示部の図9中のY方向の最周辺部から発せられたB波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλybとしたときに、下記の数26及び数27のうちのいずれかの式を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の画質を向上させることができる。
【0113】
【数26】
1.013<λyb/λob
【0114】
【数27】
λyb/λob<0.98
【0115】
また、本実施の形態では、下記の数28を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、LED3の発光スペクトルのBの波長領域幅に対して画角による波長シフト量が抑えられ、画面内の一部で光量低下が起きるおそれがなくなる。
【0116】
【数28】
0.2<|(λyb−λob)/FWHMb|
【0117】
さらに、本実施の形態では、反射型HOE6をその作製時にB波長領域に対応して露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から反射型HOE6の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1bとし、画像表示素子2の表示部の中心から発して射出瞳Pの中心P0へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数29を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、画角端での減光を中心振り分けに近い状態でバランスさせることができる。
【0118】
【数29】
0.8°<|θ1b−θ2|
【0119】
ここで、本実施の形態の具体例について、図9を参照して説明する。この具体例の光学的な諸量は、下記の通りである。
【0120】
本具体例では、HOE6の露光波長は、476nmとされている。射出瞳Pの径は3mmである。図中紙面内上方向の視野角度は5°である。図中紙面内下方向の視野角度は−5°である。紙面奥行き方向の視野角は±6.75゜である。図中紙面内での画面サイズ(点A1と点A2との間の長さ)は3.6mmである。紙面奥行き方向の画面サイズは4.8mmである。板状部5の厚さdは3.5mmである。板状部5は、前記第1の実施の形態の具体例と同じ材質を用いている。
【0121】
また、この具体例の光線追跡のための諸量を、下記の表5に提示する。光学面の順序(面番号の順序)は、使用者の眼の瞳の面(=イメージコンバイナ1の射出瞳Pの面)から画像表示素子2への順である。
【0122】
【表5】
Figure 2004061731
【0123】
また、本具体例における各光学面の位置関係として、第1面(面番号1=図9中の符号P)の中心を原点(X,Y,Z)=(0,0,0)とした各光学面の中心の絶対位置とX軸の周りの回転量(反時計周りを正として測った値)を、下記の表6に示す。
【0124】
【表6】
Figure 2004061731
【0125】
本具体例のHOE6の第1光源の位置は、HX1:0,HY1:−.243820×10+02,HZ1:−.165512×10+02より、図2のyz座標の第3象現で、原点からの距離26.469mm、z軸負の方向から測った角度は55.8度である。そして、HV1がREAであるため発散光である。第1の実施の形態と同様にHOE6の2光源は空気中に定義されるため、再生時のHOE6が媒質中にある場合は、距離と角度を屈折率換算して比較する。
【0126】
HOE6の面は瞳面から14.7mmの距離であるが、このうち1.7mmは屈折率約1.6の媒質中であるので、空気換算長は1.06mmとなり、HOE6から瞳面までの空気換算距離は14.06mmとなる。したがって、この例の光源距離は虚像と瞳の間で、瞳の約2倍の距離である。
【0127】
一方、角度の方は、第1光源のHOE6の法線に対する入射角度が空気中で55.8°である。ここで再生時の光軸上の光は屈折率約1.6の媒質中を入射角30°で入射するため、空気中に換算すると53.1°である。したがって、露光光のHOE6に対する入射角θ1bと、再生光のHOE6に対する入射角θ2とは、2.7°ずれていることになる。これにより、画角0°の回折主波長は、露光波長476nmから、乳剤の収縮(3.3%と仮定)により460.3nmにシフトするが、第1光源の角度ずれによりそこから更に少しずれ、光源の青色発光スペクトルのピーク波長463nmに近づいている。
【0128】
本具体例について回折効率を計算すると、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)で各瞳座標Py−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率主波長は、下記の表7に示す通りとなっている。ここで、瞳座標Pyは、図9中の紙面内における射出瞳P内でのY軸方向の位置座標であり、Py=0mmの位置は射出瞳Pの中心P0を示す。なお、瞳座標Py=0mmを通る光線は、いずれの画角の光線であっても主光線である。
【0129】
【表7】
Figure 2004061731
【0130】
さらに、本具体例の光学系の結像性能を表すための横収差図を、図10及び図11に示す。図10及び図11において、画角ごとに回折主波長±10nmの光線の横収差図を一つの図に同時に示してある。図10及び図11から、画角内全域に渡り色収差が少なく、結像性能が優れていることがわかる。
【0131】
本具体例で使用した3つの波長領域を持つLED3(図9では図示せず)は、第1の実施の形態で用いたものと同じであり、図27に示す発光スペクトルを持つものである。
【0132】
そして、本具体例のHOE6の回折効率の波長特性を図12及び図13に示す。図12は、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)の主光線(Py=0mm)の回折効率の波長特性を示している。図13は、画角(X,Y)=(0゜,0゜)で各瞳座標−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率の波長特性を示している。図12には画角によって回折主波長がシフトしている様子が示され、図13には瞳座標によって回折主波長がシフトしている様子が示されている。この具体例では、光源距離が第1実施の形態に比べて瞳の近くにあるため、瞳面内の回折波長シフトも生じている。
【0133】
図12及び図13には、LED3の図27に示す各波長領域のうち、対応するB波長領域の発光スペクトルも重ね描きしてある。実際に、観察者の眼に届く光量(明るさ)は、この2種類のグラフの積(回折効率とB波長領域の発光スペクトルとの積)になる。画面内の明るさ分布を図14に示し、瞳面内の明るさ分布を図15に示す。図14中の各プロット点は、図12中の各画角の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。図15中の各プロット点は、図13中の各瞳座標の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。なお、図14及び図15の縦軸は明るさを示し、最も明るいものを1として規格化してある。
【0134】
本具体例では、画角−5°および+5°の回折主波長λybと画角中心の回折主波長λobとの比λyb/λobは、それぞれ1.028、0.965であり、0.98以下、1.013以上となっており、前述した数26、数27の条件を満たしている。その結果、図15に示すように、瞳面内の強度がフラットに近くなっている。
【0135】
また、画角中心と周辺の回折主波長の差|λyb−λob|は、それぞれ13.2、16.5であり、本具体例で使用した光源の半値全幅FWHMbは29nmであるから、数28の右辺の値を算出すると、画角−5°および+5°でそれぞれ0.46、0.57であり、数28の条件を満たしている。その結果、図14及び図15に示すように、瞳面内も画面内もバランスの取れた明るさとなっている。
【0136】
また、参照光源の角度θ1gと光線追跡の光軸入射角θ2との差は2.7°であり、数29の条件を満たしている。
【0137】
[第3の実施の形態]
【0138】
図16は本発明の第3の実施の形態による画像表示装置の構成およびその光線(画像表示素子2からの光線のみ)の経路を示す図である。図16において、図1中の要素と同一または対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、図16において光源を構成するLED3及び反射鏡4は省略している。
【0139】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と基本的に異なる所は、前記第1の実施の形態では、反射型HOE6がG波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されていたのに対し、本実施の形態では、反射型HOE6がR波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されている点である。
【0140】
なお、本実施の形態では、反射型HOE6がR波長帯域の成分のみを選択的に回折反射するように構成されているので、LED3として、図27中のR波長領域の成分のみを発光するR用の単色LEDを用いてもよい。
【0141】
ここで、画像表示素子2から発し反射型HOE6で回折反射された後に使用者の眼に到達するR光(図27中のR波長領域の光)のうちの、画像表示素子2の任意の点から発して射出瞳Pの中心P0に到達する光線を、ここではR波長領域に関する主光線と呼ぶ。
【0142】
本実施の形態では、画像表示素子2の表示部の中心から発せられたR波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλorとし、画像表示素子2の表示部の図16中のY方向の最周辺部から発せられたR波長領域に関する主光線が反射型HOE6で回折反射される際に回折効率が最大となる波長をλyrとしたときに、下記の数30及び数31のうちのいずれかの式を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の画質を向上させることができる。
【0143】
【数30】
1.013<λyr/λor
【0144】
【数31】
λyr/λor<0.98
【0145】
また、本実施の形態では、下記の数32を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、LED3の発光スペクトルのRの波長領域幅に対して画角による波長シフト量が抑えられ、画面内の一部で光量低下が起きるおそれがなくなる。
【0146】
【数32】
0.2<|(λyr−λor)/FWHMr|
【0147】
さらに、本実施の形態では、反射型HOE6をその作製時にR波長領域に対応して露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から反射型HOE6の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1rとし、画像表示素子2の表示部の中心から発して射出瞳Pの中心P0へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数33を満たしている。したがって、本実施の形態によれば、既に説明した内容からわかるように、画角端での減光を中心振り分けに近い状態でバランスさせることができる。
【0148】
【数33】
0.8°<|θ1r−θ2|
【0149】
ここで、本実施の形態の具体例について、図16を参照して説明する。この具体例の光学的な諸量は、下記の通りである。
【0150】
本具体例では、HOE6の露光波長は、647nmとされている。射出瞳Pの径は3mmである。図中紙面内上方向の視野角度は5°である。図中紙面内下方向の視野角度は−5°である。紙面奥行き方向の視野角は±6.75゜である。図中紙面内での画面サイズ(点A1と点A2との間の長さ)は3.6mmである。紙面奥行き方向の画面サイズは4.8mmである。板状部5の厚さdは3.5mmである。板状部5は、前記第1の実施の形態の具体例と同じ材質を用いている。
【0151】
また、この具体例の光線追跡のための諸量を、下記の表8に提示する。光学面の順序(面番号の順序)は、使用者の眼の瞳の面(=イメージコンバイナ1の射出瞳Pの面)から画像表示素子2への順である。
【0152】
【表8】
Figure 2004061731
【0153】
また、本具体例における各光学面の位置関係として、第1面(面番号1=図16中の符号P)の中心を原点(X,Y,Z)=(0,0,0)とした各光学面の中心の絶対位置とX軸の周りの回転量(反時計周りを正として測った値)を、下記の表9に示す。
【0154】
【表9】
Figure 2004061731
【0155】
本具体例のHOE6の第1光源の位置は、HX1:0,HY1:−.124597×10+02,HZ1:−.841764×10+01より、図2のyz座標の第3象現で、原点からの距離15.04mm、z軸負の方向から測った角度は56度である。そして、HV1がREAであるため発散光である。第1の実施の形態と同様にHOE6の2光源は空気中に定義されるため、再生時のHOE6が媒質中にある場合は距離と角度を屈折率換算して比較する。
【0156】
HOE6の面は瞳面から14.7mmの距離であるが、このうち1.7mmは屈折率約1.6の媒質中であるので、空気換算長は1.06mmとなり、HOE6から瞳面までの空気換算距離は14.06mmとなる。従ってこの例の光源距離は虚像と瞳の間で、瞳に近い距離である。
【0157】
一方、角度の方は、第1光源のHOE6の法線に対する入射角度が空気中で56°である。ここで再生時の光軸上の光は屈折率約1.6の媒質中を入射角30°で入射するため、空気中に換算すると53.1°である。したがって、露光光のHOE6に対する入射角θ1rと、再生光のHOE6に対する入射角θ2とは、2.9°ずれていることになる。これにより、画角0°の回折主波長は、露光波長647nmから、乳剤の収縮(3.3%と仮定)により625.6nmにシフトするが、第1光源の角度ずれによりそこから更に少しずれる。
【0158】
本具体例について回折効率を計算すると、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)で各瞳座標Py−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率主波長は、下記の表10に示す通りとなっている。ここで、瞳座標Pyは、図16中の紙面内における射出瞳P内でのY軸方向の位置座標であり、Py=0mmの位置は射出瞳Pの中心P0を示す。なお、瞳座標Py=0mmを通る光線は、いずれの画角の光線であっても主光線である。
【0159】
【表10】
Figure 2004061731
【0160】
さらに、本具体例の光学系の結像性能を表すための横収差図を、図17及び図18に示す。図17及び図18において、画角ごとに回折主波長±10nmの光線の横収差図を一つの図に同時に示してある。図17及び図18から、画角内全域に渡り色収差が少なく、結像性能が優れていることがわかる。
【0161】
本具体例で使用した3つの波長領域を持つLED3(図16では図示せず)は、第1の実施の形態で用いたものと同じであり、図27に示す発光スペクトルを持つものである。
【0162】
そして、本具体例の回折効率の波長特性を図19及び図20に示す。図19は、各画角−5°、0°、+5°(Y方向の画角。X方向の画角は0゜)の主光線(Py=0mm)の回折効率の波長特性を示している。図20は、画角(X,Y)=(0゜,0゜)で各瞳座標−1.5mm、0mm、+1.5mmを通る光線の回折効率の波長特性を示している。図19には画角によって回折主波長がシフトしている様子が示され、図20には瞳座標によって回折主波長がシフトしている様子が示されている。この具体例では、光源距離が第1実施の形態に比べて瞳の近くにあるため、瞳面内の回折波長シフトも生じている。
【0163】
図19及び図20には、LED3の図27に示す各波長領域のうち、対応するR波長領域の発光スペクトルも重ね描きしてある。実際に、観察者の眼に届く光量(明るさ)は、この2種類のグラフの積(回折効率とR波長領域の発光スペクトルとの積)になる。画面内の明るさ分布を図21に示し、瞳面内の明るさ分布を図22に示す。図21中の各プロット点は、図19中の各画角の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。図22中の各プロット点は、図20中の各瞳座標の回折効率のピークと当該ピークの波長のLED3の発光強度との積に相当している。
【0164】
本具体例では、画角−5°および+5°の回折主波長λyrと画角中心の回折主波長λorとの比λyr/λorは、それぞれ1.016、0.979であり、0.98以下、1.013以上となっており、前述した数30、数31の条件を満たしている。その結果、図22に示すように、瞳面内の強度がフラットに近くなっている。
【0165】
また、画角中心と周辺の回折主波長の差|λyr−λor|は、それぞれ9.87、13.16であり、本具体例で使用した光源の半値全幅FWHMrは23nmであるから、数32の右辺の値を算出すると、画角−5°および+5°でそれぞれ0.43、0.57であり、数32の条件を満たしている。その結果、図21及び図22に示すように、瞳面内も画面内もほぼバランスの取れた明るさとなっている。
【0166】
また、参照光源の角度θ1rと光線追跡の光軸入射角θ2との差は2.9°であり、数33の条件を満たしている。
【0167】
[第4の実施の形態]
【0168】
図面には示していないが、本実施の形態の第4の実施の形態による画像表示装置は、前記第1の実施の形態の具体例による画像表示装置を次のように変形したものである。
【0169】
本実施の形態による画像表示装置が、前記第1の実施の形態の具体例による画像表示装置と異なる所は、反射型HOE6の構成のみである。本実施の形態では、反射型HOE6は、前記第1の実施の形態の具体例の反射型HOE(G用反射型HOE)、前記第2の実施の形態の具体例の反射型HOE(B用反射型HOE)、及び、前記第2の実施の形態の具体例の反射型HOE(R用反射型HOE)を、3層重ねたものである。なお、本実施の形態において用いるLED3も、前記第1の実施の形態と同じく、3つの波長領域を持つLEDであり、図27に示す発光スペクトルを持つものである。
【0170】
このLED3からの3つの波長領域の光が画像表示素子2を透過するとき、画像表示素子の1表示単位を空間的に3分割して、それぞれR,G,Bに対応するドットとし、対応する画像を表示させてもよいし、時間的に分割してたとえば1/90秒ごとにR,G,Bそれぞれに対応する画像を切り替え表示し、それとLEDの3つの波長領域の発光のタイミングを同期させても良い。そして、それぞれの波長領域の画像情報は対応するHOEの層で回折作用及び結像作用を受け、観察者の瞳に導かれたのち、加法混色されてフルカラー画像を得る。
【0171】
本実施の形態において用いられている反射型HOE6、すなわち、第1乃至第3の実施の形態の具体例の反射型HOEを重ねた構造を持つ反射型HOEの、明るさの画面内特性と瞳面内特性をそれぞれ、図23及び図24に示す。図23及び図24において、縦軸は明るさを示し、回折効率とLEDの発光強度の積で、最も明るいものを1として規格化してある。
【0172】
図23からわかるように、画面内に関しては、3色の比率がほぼ同程度であるので、画面全域に渡って良好なカラーバランスで観察可能である。また、図24からわかるように、瞳面内に関しては瞳座標Pyが正の方向でRedの減光があるが、BlueとGreenはほとんどフラットであるから観察者の眼の動きに対しても多少赤みの度合が変化するだけで、明るさが急激に減るようなことはない。
【0173】
以上、本発明の各実施の形態及びそれらの具体例について説明したが、本発明はこれらの実施の形態や具体例に限定されるものではない。
【0174】
例えば、前述した各実施の形態は、本発明によるイメージコンバイナを用いて頭部装着式の画像表示装置を構成した例であったが、前述した各実施の形態で採用されていた各イメージコンバイナ1は、カメラのファインダーや顕微鏡及び双眼鏡の接眼レンズ部に装着し得るように構成したり、あるいは、当該イメージコンバイナをカメラや顕微鏡や双眼鏡等に組み込んでもよい。
【0175】
また、前述した各実施の形態は、本発明をシースルー型の頭部装着式画像表示装置に適用した例であったが、本発明は、シースルー型ではない画像表示装置に適用することもできる。この場合、前述した各実施の形態による画像表示装置において、外界からの光がイメージコンバイナ1に入射しないように構成すればよい。この場合、イメージコンバイナ1の部分は、2つの像を重ね合わせるものではないので、イメージコンバイナとは言えず、画像表示素子2からの光を使用者の眼に導く導光部となる。この場合、イメージコンバイナ1における板状部の下側部分(HOE6から下側の部分)を除去してもよい。このようなシースルー型でない画像表示装置は、例えば、特開2001−264682号の場合と同様に携帯電話機のフリッパー部に内蔵することができる。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射型ホログラム光学素子を用いて小型軽量化を図りつつ、使用者の眼の瞳の中心がイメージコンバイナの射出瞳の中心からずれた場合の表示画像の画質の向上を図ることができる画像表示装置、及び、このような画像表示装置などに用いることができるイメージコンバイナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による画像表示装置の構成及びその光線の概略の経路を示す図である。
【図2】ホログラムを定義する2光源の座標系を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の具体例の横収差図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の具体例の他の横収差図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の具体例の各画角ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の具体例の各瞳座標ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の具体例の画面内の明るさを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の具体例の瞳面内の明るさを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による画像表示装置の構成及びその光線の概略の経路を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の具体例の横収差図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の具体例の他の横収差図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の具体例の各画角ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の具体例の各瞳座標ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の具体例の画面内の明るさを示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の具体例の瞳面内の明るさを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態による画像表示装置の構成及びその光線の概略の経路を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態の具体例の横収差図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態の具体例の他の横収差図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態の具体例の各画角ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態の具体例の各瞳座標ごとの回折効率と波長の関係を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態の具体例の画面内の明るさを示す図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態の具体例の瞳面内の明るさを示す図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態による画像表示装置の画面内の明るさを各色ごとに示す図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態による画像表示装置の瞳面内の明るさを各色ごとに示す図である。
【図25】ブラッグ条件の説明図である。
【図26】反射型ホログラム光学素子への入射角度の変化に対する回折主波長の変化の関係を示す図である。
【図27】本発明の第1乃至第4の実施の形態による画像表示装置の照明光源の波長特性を示す図である。
【符号の説明】
1 イメージコンバイナ
2 画像表示素子
3 LED
4 反射鏡
5 板状部
6 反射型ホログラム光学素子

Claims (9)

  1. 反射型ホログラム光学素子が設けられ、画像表示手段からの光と外界からの光を重畳させるイメージコンバイナであって、
    前記画像表示手段から発する光が1つ以上のピーク波長の各々の前後に渡る波長領域の成分を持ち、
    前記画像表示手段の表示部の中心から発せられた主光線が、前記反射型ホログラム光学素子により回折後、回折効率が前記1つ以上のピーク波長のうちの1つのピーク波長の付近の波長領域で最大となる波長をλoとし、
    前記表示部の周辺部から発せられた主光線が、前記反射型ホログラム光学素子により回折後、回折効率が前記1つのピーク波長の付近の波長領域で最大となる波長をλyとしたときに、
    前記波長λoと前記波長λyとが異なることを特徴とするイメージコンバイナ。
  2. 下記の数1及び数2のうちのいずれかの式を満たすことを特徴とする請求項1記載のイメージコンバイナ。
    Figure 2004061731
    Figure 2004061731
  3. 前記画像表示手段から発する光の前記1つのピーク波長についての半値全幅をFWHMとしたとき、下記の数3を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載のイメージコンバイナ。
    Figure 2004061731
  4. 前記反射型ホログラム光学素子をその作製時に前記1つの波長領域又は前記1つの個別波長領域に対応して露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から前記反射型ホログラム光学素子の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1とし、前記画像表示手段の前記表示部の中心から発して当該イメージコンバイナの射出瞳の中心へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数4を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のイメージコンバイナ。
    Figure 2004061731
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のイメージコンバイナと、前記画像表示手段とを備え、使用時に少なくとも前記イメージコンバイナを含む部分が使用者に装着されることを特徴とする画像表示装置。
  6. 画像表示手段と、該画像表示手段からの光を使用者の眼に導く導光部とを備えた画像表示装置であって、
    前記導光部は反射型ホログラム光学素子を有し、
    前記画像表示手段から発する光が1つ以上のピーク波長の各々の前後に渡る波長領域の成分を持ち、
    前記画像表示手段の表示部の中心から発せられた主光線が、前記反射型ホログラム光学素子により回折後、回折効率が前記1つ以上のピーク波長のうちの1つのピーク波長の付近の波長領域で最大となる波長をλoとし、
    前記表示部の周辺部から発せられた主光線が、前記反射型ホログラム光学素子により回折後、回折効率が前記1つのピーク波長の付近の波長領域で最大となる波長をλyとしたときに、
    前記波長λoと前記波長λyとが異なることを特徴とする画像表示装置。
  7. 下記の数5及び数6のうちのいずれかの式を満たすことを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
    Figure 2004061731
    Figure 2004061731
  8. 前記画像表示手段から発する光の前記1つのピーク波長についての半値全幅をFWHMとしたとき、下記の数7を満たすことを特徴とする請求項6又は7記載の画像表示装置。
    Figure 2004061731
  9. 前記反射型ホログラム光学素子をその作製時に前記1つの波長領域又は前記1つの個別波長領域に対応して露光するための2光源のうちの再生時に観察者の眼の側となる光源から前記反射型ホログラム光学素子の中心への入射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ1とし、前記画像表示手段の前記表示部の中心から発して当該イメージコンバイナの射出瞳の中心へ向かう光線の前記反射型ホログラム素子での反射角(ただし、空気中に換算した角度)をθ2としたとき、下記の数8を満たすことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の画像表示装置。
    Figure 2004061731
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