JP2004061259A - 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラム - Google Patents
情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】視認した対象物に関する情報を車両の乗員に提供することができる情報提供装置等を提供すること。
【解決手段】本発明の情報提供装置は、車両の乗員の視線を検出する視線検出手段38と、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定する視認物特定手段40と、前記視認対象物に関する情報を取得し、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって前記乗員に提供する情報提供手段40とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の情報提供装置は、車両の乗員の視線を検出する視線検出手段38と、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定する視認物特定手段40と、前記視認対象物に関する情報を取得し、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって前記乗員に提供する情報提供手段40とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び、情報提供用プログラムに関し、詳細には、乗員の視線に基づいて情報提供が行われる情報提供装置、情報提供方法、及び、情報提供用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両の乗員は、車外に見える標識等からの情報を、視認によって得ていた。
【0003】
一方、従来から、車両の運転席前方に取り付けられたカメラ(アイカメラ)を用いて運転者の視線を検出し、この検出された視線を用いてエアコンのスイッチ類を操作したり(特開平6−261863号公報)、運転者の視認行動に応じて前照灯の照射方向やメータディスプレイの明るさを調整したり(特開平9−76815号公報)、運転者の視線方向によりドライバの運転操作に対する集中度合いを推定する(特開2000−211543号公報)装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような視認による情報の取得は肉眼に依存するため、対象物が遠方にある場合等には、情報を得ることが困難な場合がある。さらに、通常は、走行中の車両から対象物を視認することになるため、情報を確実に取得することが困難な場合がある。従って、車外の対象物に関する情報を車両の乗員に確実に提供することができる情報提供装置が求められていた。
【0005】
本発明者らは、このような要望を満たすような情報提供装置を開発するために、上述した運転者の視線方向や視認行動を検出する技術を適用することを試みた。
【0006】
このように、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、視認した対象物に関する情報を車両の乗員に提供することができる情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両の乗員の視線を検出する視線検出手段と、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定する視認物特定手段と、前記視認対象物に関する情報を取得し、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって前記乗員に提供する情報提供手段と、を備えていることを特徴とする情報提供装置が提供される。
【0008】
このような構成を備えた本発明によれば、乗員からの要求に応じて、乗員が視認した対象物に関する情報が提供されるので、乗員は視認では確実に取得することができない対象物に関する情報を得ることができる。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、前記乗員からの要求を受け付ける視認対象物特定スイッチを、備えている。本発明の他の好ましい態様によれば、前記視認対象物特定スイッチが音声により作動させられる。
【0010】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記情報提供手段が、前記車両が所定状態で、前記情報の提供を行う。このような構成によれば、例えば、情報提供に適していない運転状況下では、情報の提供を停止させることができる。
【0011】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記情報提供手段が、前記車両の直進時または停車時にのみ、前記情報の提供を行う。
【0012】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が標識であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該標識に関する情報を拡大表示によって提供する。このような構成によれば、標識自体または標識の表示内容を拡大表示することにより、標識の内容が確実に乗員に伝達される。
【0013】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が信号であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該信号に関する情報を拡大表示によって提供する。このような構成によれば、信号自体等を拡大表示することにより、信号による表示内容が確実に乗員に伝達される。
【0014】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が車両に取付けられたミラーであると特定されたときには、前記情報提供手段は、前記車両の後方の画像を提供する。このような構成によれば、乗員がルームミラー等によって車両の後方の情報を得ようとしているときに、車載カメラ等による車両後方の画像が提供されるので、車両運行の安全性が向上する。
【0015】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物に関する情報の表示が、通常の表示に優先して実行される。本発明の他の好ましい態様によれば、前記視認対象物が車載機器であるときには、前記情報提供手段は、該機器の操作を音声入力モードに切り替える。
【0016】
本発明の別の態様によれば、車両の乗員の視線を検出し、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供することを特徴とする情報提供方法が提供される。
【0017】
本発明の更に別の態様によれば、車両の乗員に情報を提供する情報提供用プログラムであって、車両の乗員の視線を検出し、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、 前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供するようにコンピュータを作動させる、ことを特徴とする情報提供用プログラムが提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の情報提供装置の一実施形態である経緯路誘導装置を示す基本構成図である。
【0019】
図1において、符号1は、車両用の経路誘導装置(ナビゲーション装置)を示している。車両の外部に、情報センタ2が設けられており、この情報センタ2は、ホストコンピュータ4と、地図情報等を格納する地図情報等データベース6と、各種コンテンツが格納された各種コンテンツデータベース8とを備えている。地図情報には、道路に関する道路データ、道路上の道路標識等の表示内容などに関する標識データ、道路周辺の建物などに関する建物データ等が含まれている。
【0020】
経路誘導装置1は、各地域に設置された通信局10を経由して、インターネット12に接続可能であり、地図情報を含む種々の情報を情報センタ2から受信できるように構成されている。
【0021】
なお、経路誘導装置1は、経路誘導のための地図情報を格納したDVD−ROMを備えているため、情報センタ2から地図情報を受信しない場合でも、経路誘導や建物に関する情報提供を行なうことができる。情報センタ2から地図情報を受信した場合には、最新の地図情報に基づいて、より正確な経路誘導等が可能となる。
【0022】
経路誘導装置1は、入力されたデータや乗員の操作に基づき、車両を目的地まで経路案内(経路誘導)するためのCPU14と、地図情報等の各種の情報を情報センタ2からインターネット12及び通信局10を経由して受信し、且つ、情報を車両側から情報センタ2に送信するための送受信装置16を備えている。この送受信装置16は、例えば、自動車電話や携帯電話である。
【0023】
経路誘導装置1は、更に、情報センタ2から受信した地図情報等を記憶するHDD記憶装置18と、地図情報等の種々の情報を表示するディスプレイ20と、情報センタ2からの地図情報とは別に車両側で独自に準備した地図情報を格納するDVD−ROM22、乗員が目的地の設定や情報センタ2に地図情報等をリクエストするための操作スイッチ24と、情報センタ2から情報が受信できないときにその旨を警告する警報装置26を備えている。
【0024】
経路誘導装置1は、車両の現在位置を検出するGPS受信機28、車速センサ30及びジャイロセンサ32を備えている。GPS受信機28は、衛星から電波を受信して車両の現在位置を検出し、車速センサ30は移動距離を求めるために車両の速度を検出し、ジャイロセンサ32は車両の移動方向を検出する。経路誘導装置1は、これらの各センサ28、30、32の検出結果から、常時、車両の現在の位置および向きを正確に算出するように構成されている。
【0025】
また、経路誘導装置1は、情報センタ2、又は、他の交通情報センタ(図示せず)から渋滞情報等を入手するためのVICS受信機34を備えている。
【0026】
本実施形態の経路誘導装置1は、運転者の視線を検出し、必要に応じて視線を所定の方向に誘導する視線誘導を行いながら、経路誘導を行うナビゲーション装置である。さらに、経路誘導装置1は、運転者から要求に応じて、運転者の視線が向けられている信号、標識、建物などの対象物を特定(推定)し、これら視認対象物に関する情報を、音声あるいはディスプレイへの表示によって、運転者に提供する機能を有する。
【0027】
このような機能を実行するため、経路誘導装置1は、CCDカメラ36、アイカメラ38、及び、視認情報提供装置40を備えている。
【0028】
CCDカメラ36は、車両の上部に取付けられ、車両の周囲方向360度を撮影することができるように構成されている。また、CCDカメラ36は、ズーム機能を有し、所定の対象物の拡大画像を撮影することもできる。CCDカメラは、車両の左前および右後、または、右前および左後の対角線上に取付けられた一対のCCDカメラによって構成されても良い。
【0029】
アイカメラ38は、キャビン内の上部位置に取付けられ、運転者の瞳孔等を撮影することにより、運転者の視線の方向、及び、注視対象物までの距離を検出することができるように構成されている。ここで、アイカメラには、例えば、EOG法、光電素子式EOG(P−EOG)法、角膜反射法、第1・第4プルキンエ像検出法、コンタクトレンズ法、サーチコイル法、赤外線眼底カメラ法等の種々の技術が適用される。
【0030】
視認情報提供装置40は、コンピュータを備え、アイカメラ38の検出結果を基準に、運転者の視線(視線の方向及び/又は注視対象物までの距離)を検出し、車両の現在の位置および向きと運転者の視線とを、地図データと照合させ、運転者が何を視認しているかを特定(推定)し、この視認対象物に関する情報を、記憶装置に記憶されている地図データ又はCCDカメラ36の画像から取得し、これら対象物に関する情報を、音声あるいはディスプレイ20への表示によって、運転者に提供するように構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の経路誘導装置1が搭載された車両の運転席周囲を示す図面である。
【0032】
運転席の近傍のAピラーには、スピーカ42が取付けられており、このスピーカ42により、運転者への音声ガイダンス、通知等が行われる。さらに、フロントガラス44上には、OHD装置により、ディスプレイ20の表示内容と同じ内容が補助表示20aとして表示される。更に、ステアリングホイール46には、視線確認スイッチ48とが取付けられている。視線確認スイッチ48は、運転者が、視認対象物を視認情報提供装置40に認知させる、即ち、視認している対象物に関する情報を欲するときに押すスイッチである。尚、本実施形態の経路誘導装置1は、マイク(図示せず)への、例えば「あれ何。」という音声入力により、視線確認スイッチ48を押したときと同じ処理が行われるように構成されている。また、本実施形態の車両には、音声入力モードに切り換え可能な、AV機器および空調装置が備えられている。
【0033】
次に、視認情報提供装置40による視認対象物に関する情報提供の際に実行される処理の内容を図3のフローチャートに沿って説明する。この視認情報の提供は、通常の経路誘導に付加して行われる
まず、ステップS1で、視線確認スイッチ48が押されているか否かが判定される。ステップS1でNOのときには、ステップS2でマイクに、「あれ何。」という、視認対象物の情報を求める運転者からの音声入力が行われているか否かが判定される。
【0034】
ステップS1またはステップS2でYESのときには、ステップS3に進み、運転者が何を視認しているかが推定される。即ち、まず、アイカメラ38の撮影結果から検出された運転者の視線(方向と注視対象物までの距離)と、車両の現在の位置及び方向とを、地図情報とを照合させて、運転者が視認している対象物を特定する。
【0035】
次いで、ステップS4で、視認対象物が信号または標識であるか否かが判定される。ステップS4でYESのときにはステップS5に進み、視認対象物の信号または標識をCCDカメラ36で撮影させ、その画像情報を取得する。このとき、CCDカメラ36のズーム機能で拡大した画像を得るのが好ましい。
【0036】
ステップS4でNOのときにはステップS6に進み、視認対象物がルームミラーまたはドアミラーであるか否かが判定される。ステップS6でYESのときには、運転者が車両後方の情報を必要としている考えられるので、ステップS7に進み、車両の後方の画像をCCDカメラ36で撮影させ、その画像情報を取得する。
【0037】
ステップS6でNOのときにはステップS8に進み、視認対象物が建物であるか否かが判定される。ステップS8でYESのときには、視認されている建物に関する情報(名前等)を記憶装置に記憶されている地図情報から読み出して、その情報を取得する。
【0038】
ステップS5、ステップS7またはステップS9の処理画が終了すると、ステップS10に進み、車両が駐停車状態または直進状態にあるか否かが判定される。ステップS10でYESのときには、ステップS11に進み、取得されている情報を運転者に提供する。情報の提供は、ディスプレイ20上の通常の経路表示画面を、信号の画像、標識の画像、後方画像または建物名を拡大表示する画面に切り換えることによって実行される。また、このような画面表示と同時に、又は、これに代えて信号、標識の内容または建物名を音声ガイダンスとして、運転者に通知する構成でも良い。ステップS10でNOのときには、車両が停車または直進状態になるまで、取得された情報を保留する。
【0039】
ステップS8でNOのときには、ステップS13に進み、運転者が車載のAV機器を視認したか否かが判定される。ステップS13でYESのときには、ステップS14に進み、車載のAV機器を音声入力モードに切り換える。
【0040】
ステップS13でNOのときには、ステップS15に進み、運転者が車載の空調機器操作部を視認したか否かが判定される。ステップS15でYESのときには、ステップS16に進み、車載の空調機器を音声入力モードに切り換える。
【0041】
更に、ステップS15でNOのときには、ステップS17で、視認対象物を特定できなかったので、再度、目的物を視認せよとの警告を、ディスプレイ上でまたは音声ガイダンスで実行する。
【0042】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
【0043】
上記実施形態では、情報提供は、標識に関する情報をCCDカメラから得る構成であったが、標識に関する情報を記憶装置に記憶されている地図情報から取得する構成でもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、情報提供を、視線確認スイッチ視認48および音声入力の何れからでも実行する構成であったが、いずれか一方からのみで情報提供が行われる構成でも良い。
【0045】
さらに、上記実施形態では、運転者の視線のみを対象としたが、他の乗員の視線も検出し、これらに基づいて情報提供を行う構成でも良い。
【0046】
さらに、上記実施形態は、本発明の情報提供装置を経路誘導装置に組み込んだ例であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、視認した対象物に関する情報を車両の乗員に提供することができる情報提供装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の経路誘導装置の一実施形態を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の経路誘導装置が搭載された車両の運転席周囲を示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態の経路誘導装置で行われる視認対象物の情報提供の際に実行される処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:経路誘導装置(ナビゲーション装置)
18:HDD記憶装置
22:DVD−ROM
38:アイカメラ
40:視認情報提供装置
48:視線確認スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び、情報提供用プログラムに関し、詳細には、乗員の視線に基づいて情報提供が行われる情報提供装置、情報提供方法、及び、情報提供用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両の乗員は、車外に見える標識等からの情報を、視認によって得ていた。
【0003】
一方、従来から、車両の運転席前方に取り付けられたカメラ(アイカメラ)を用いて運転者の視線を検出し、この検出された視線を用いてエアコンのスイッチ類を操作したり(特開平6−261863号公報)、運転者の視認行動に応じて前照灯の照射方向やメータディスプレイの明るさを調整したり(特開平9−76815号公報)、運転者の視線方向によりドライバの運転操作に対する集中度合いを推定する(特開2000−211543号公報)装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような視認による情報の取得は肉眼に依存するため、対象物が遠方にある場合等には、情報を得ることが困難な場合がある。さらに、通常は、走行中の車両から対象物を視認することになるため、情報を確実に取得することが困難な場合がある。従って、車外の対象物に関する情報を車両の乗員に確実に提供することができる情報提供装置が求められていた。
【0005】
本発明者らは、このような要望を満たすような情報提供装置を開発するために、上述した運転者の視線方向や視認行動を検出する技術を適用することを試みた。
【0006】
このように、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、視認した対象物に関する情報を車両の乗員に提供することができる情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両の乗員の視線を検出する視線検出手段と、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定する視認物特定手段と、前記視認対象物に関する情報を取得し、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって前記乗員に提供する情報提供手段と、を備えていることを特徴とする情報提供装置が提供される。
【0008】
このような構成を備えた本発明によれば、乗員からの要求に応じて、乗員が視認した対象物に関する情報が提供されるので、乗員は視認では確実に取得することができない対象物に関する情報を得ることができる。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、前記乗員からの要求を受け付ける視認対象物特定スイッチを、備えている。本発明の他の好ましい態様によれば、前記視認対象物特定スイッチが音声により作動させられる。
【0010】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記情報提供手段が、前記車両が所定状態で、前記情報の提供を行う。このような構成によれば、例えば、情報提供に適していない運転状況下では、情報の提供を停止させることができる。
【0011】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記情報提供手段が、前記車両の直進時または停車時にのみ、前記情報の提供を行う。
【0012】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が標識であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該標識に関する情報を拡大表示によって提供する。このような構成によれば、標識自体または標識の表示内容を拡大表示することにより、標識の内容が確実に乗員に伝達される。
【0013】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が信号であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該信号に関する情報を拡大表示によって提供する。このような構成によれば、信号自体等を拡大表示することにより、信号による表示内容が確実に乗員に伝達される。
【0014】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物が車両に取付けられたミラーであると特定されたときには、前記情報提供手段は、前記車両の後方の画像を提供する。このような構成によれば、乗員がルームミラー等によって車両の後方の情報を得ようとしているときに、車載カメラ等による車両後方の画像が提供されるので、車両運行の安全性が向上する。
【0015】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記視認対象物に関する情報の表示が、通常の表示に優先して実行される。本発明の他の好ましい態様によれば、前記視認対象物が車載機器であるときには、前記情報提供手段は、該機器の操作を音声入力モードに切り替える。
【0016】
本発明の別の態様によれば、車両の乗員の視線を検出し、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供することを特徴とする情報提供方法が提供される。
【0017】
本発明の更に別の態様によれば、車両の乗員に情報を提供する情報提供用プログラムであって、車両の乗員の視線を検出し、前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、 前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供するようにコンピュータを作動させる、ことを特徴とする情報提供用プログラムが提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の情報提供装置の一実施形態である経緯路誘導装置を示す基本構成図である。
【0019】
図1において、符号1は、車両用の経路誘導装置(ナビゲーション装置)を示している。車両の外部に、情報センタ2が設けられており、この情報センタ2は、ホストコンピュータ4と、地図情報等を格納する地図情報等データベース6と、各種コンテンツが格納された各種コンテンツデータベース8とを備えている。地図情報には、道路に関する道路データ、道路上の道路標識等の表示内容などに関する標識データ、道路周辺の建物などに関する建物データ等が含まれている。
【0020】
経路誘導装置1は、各地域に設置された通信局10を経由して、インターネット12に接続可能であり、地図情報を含む種々の情報を情報センタ2から受信できるように構成されている。
【0021】
なお、経路誘導装置1は、経路誘導のための地図情報を格納したDVD−ROMを備えているため、情報センタ2から地図情報を受信しない場合でも、経路誘導や建物に関する情報提供を行なうことができる。情報センタ2から地図情報を受信した場合には、最新の地図情報に基づいて、より正確な経路誘導等が可能となる。
【0022】
経路誘導装置1は、入力されたデータや乗員の操作に基づき、車両を目的地まで経路案内(経路誘導)するためのCPU14と、地図情報等の各種の情報を情報センタ2からインターネット12及び通信局10を経由して受信し、且つ、情報を車両側から情報センタ2に送信するための送受信装置16を備えている。この送受信装置16は、例えば、自動車電話や携帯電話である。
【0023】
経路誘導装置1は、更に、情報センタ2から受信した地図情報等を記憶するHDD記憶装置18と、地図情報等の種々の情報を表示するディスプレイ20と、情報センタ2からの地図情報とは別に車両側で独自に準備した地図情報を格納するDVD−ROM22、乗員が目的地の設定や情報センタ2に地図情報等をリクエストするための操作スイッチ24と、情報センタ2から情報が受信できないときにその旨を警告する警報装置26を備えている。
【0024】
経路誘導装置1は、車両の現在位置を検出するGPS受信機28、車速センサ30及びジャイロセンサ32を備えている。GPS受信機28は、衛星から電波を受信して車両の現在位置を検出し、車速センサ30は移動距離を求めるために車両の速度を検出し、ジャイロセンサ32は車両の移動方向を検出する。経路誘導装置1は、これらの各センサ28、30、32の検出結果から、常時、車両の現在の位置および向きを正確に算出するように構成されている。
【0025】
また、経路誘導装置1は、情報センタ2、又は、他の交通情報センタ(図示せず)から渋滞情報等を入手するためのVICS受信機34を備えている。
【0026】
本実施形態の経路誘導装置1は、運転者の視線を検出し、必要に応じて視線を所定の方向に誘導する視線誘導を行いながら、経路誘導を行うナビゲーション装置である。さらに、経路誘導装置1は、運転者から要求に応じて、運転者の視線が向けられている信号、標識、建物などの対象物を特定(推定)し、これら視認対象物に関する情報を、音声あるいはディスプレイへの表示によって、運転者に提供する機能を有する。
【0027】
このような機能を実行するため、経路誘導装置1は、CCDカメラ36、アイカメラ38、及び、視認情報提供装置40を備えている。
【0028】
CCDカメラ36は、車両の上部に取付けられ、車両の周囲方向360度を撮影することができるように構成されている。また、CCDカメラ36は、ズーム機能を有し、所定の対象物の拡大画像を撮影することもできる。CCDカメラは、車両の左前および右後、または、右前および左後の対角線上に取付けられた一対のCCDカメラによって構成されても良い。
【0029】
アイカメラ38は、キャビン内の上部位置に取付けられ、運転者の瞳孔等を撮影することにより、運転者の視線の方向、及び、注視対象物までの距離を検出することができるように構成されている。ここで、アイカメラには、例えば、EOG法、光電素子式EOG(P−EOG)法、角膜反射法、第1・第4プルキンエ像検出法、コンタクトレンズ法、サーチコイル法、赤外線眼底カメラ法等の種々の技術が適用される。
【0030】
視認情報提供装置40は、コンピュータを備え、アイカメラ38の検出結果を基準に、運転者の視線(視線の方向及び/又は注視対象物までの距離)を検出し、車両の現在の位置および向きと運転者の視線とを、地図データと照合させ、運転者が何を視認しているかを特定(推定)し、この視認対象物に関する情報を、記憶装置に記憶されている地図データ又はCCDカメラ36の画像から取得し、これら対象物に関する情報を、音声あるいはディスプレイ20への表示によって、運転者に提供するように構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の経路誘導装置1が搭載された車両の運転席周囲を示す図面である。
【0032】
運転席の近傍のAピラーには、スピーカ42が取付けられており、このスピーカ42により、運転者への音声ガイダンス、通知等が行われる。さらに、フロントガラス44上には、OHD装置により、ディスプレイ20の表示内容と同じ内容が補助表示20aとして表示される。更に、ステアリングホイール46には、視線確認スイッチ48とが取付けられている。視線確認スイッチ48は、運転者が、視認対象物を視認情報提供装置40に認知させる、即ち、視認している対象物に関する情報を欲するときに押すスイッチである。尚、本実施形態の経路誘導装置1は、マイク(図示せず)への、例えば「あれ何。」という音声入力により、視線確認スイッチ48を押したときと同じ処理が行われるように構成されている。また、本実施形態の車両には、音声入力モードに切り換え可能な、AV機器および空調装置が備えられている。
【0033】
次に、視認情報提供装置40による視認対象物に関する情報提供の際に実行される処理の内容を図3のフローチャートに沿って説明する。この視認情報の提供は、通常の経路誘導に付加して行われる
まず、ステップS1で、視線確認スイッチ48が押されているか否かが判定される。ステップS1でNOのときには、ステップS2でマイクに、「あれ何。」という、視認対象物の情報を求める運転者からの音声入力が行われているか否かが判定される。
【0034】
ステップS1またはステップS2でYESのときには、ステップS3に進み、運転者が何を視認しているかが推定される。即ち、まず、アイカメラ38の撮影結果から検出された運転者の視線(方向と注視対象物までの距離)と、車両の現在の位置及び方向とを、地図情報とを照合させて、運転者が視認している対象物を特定する。
【0035】
次いで、ステップS4で、視認対象物が信号または標識であるか否かが判定される。ステップS4でYESのときにはステップS5に進み、視認対象物の信号または標識をCCDカメラ36で撮影させ、その画像情報を取得する。このとき、CCDカメラ36のズーム機能で拡大した画像を得るのが好ましい。
【0036】
ステップS4でNOのときにはステップS6に進み、視認対象物がルームミラーまたはドアミラーであるか否かが判定される。ステップS6でYESのときには、運転者が車両後方の情報を必要としている考えられるので、ステップS7に進み、車両の後方の画像をCCDカメラ36で撮影させ、その画像情報を取得する。
【0037】
ステップS6でNOのときにはステップS8に進み、視認対象物が建物であるか否かが判定される。ステップS8でYESのときには、視認されている建物に関する情報(名前等)を記憶装置に記憶されている地図情報から読み出して、その情報を取得する。
【0038】
ステップS5、ステップS7またはステップS9の処理画が終了すると、ステップS10に進み、車両が駐停車状態または直進状態にあるか否かが判定される。ステップS10でYESのときには、ステップS11に進み、取得されている情報を運転者に提供する。情報の提供は、ディスプレイ20上の通常の経路表示画面を、信号の画像、標識の画像、後方画像または建物名を拡大表示する画面に切り換えることによって実行される。また、このような画面表示と同時に、又は、これに代えて信号、標識の内容または建物名を音声ガイダンスとして、運転者に通知する構成でも良い。ステップS10でNOのときには、車両が停車または直進状態になるまで、取得された情報を保留する。
【0039】
ステップS8でNOのときには、ステップS13に進み、運転者が車載のAV機器を視認したか否かが判定される。ステップS13でYESのときには、ステップS14に進み、車載のAV機器を音声入力モードに切り換える。
【0040】
ステップS13でNOのときには、ステップS15に進み、運転者が車載の空調機器操作部を視認したか否かが判定される。ステップS15でYESのときには、ステップS16に進み、車載の空調機器を音声入力モードに切り換える。
【0041】
更に、ステップS15でNOのときには、ステップS17で、視認対象物を特定できなかったので、再度、目的物を視認せよとの警告を、ディスプレイ上でまたは音声ガイダンスで実行する。
【0042】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
【0043】
上記実施形態では、情報提供は、標識に関する情報をCCDカメラから得る構成であったが、標識に関する情報を記憶装置に記憶されている地図情報から取得する構成でもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、情報提供を、視線確認スイッチ視認48および音声入力の何れからでも実行する構成であったが、いずれか一方からのみで情報提供が行われる構成でも良い。
【0045】
さらに、上記実施形態では、運転者の視線のみを対象としたが、他の乗員の視線も検出し、これらに基づいて情報提供を行う構成でも良い。
【0046】
さらに、上記実施形態は、本発明の情報提供装置を経路誘導装置に組み込んだ例であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、視認した対象物に関する情報を車両の乗員に提供することができる情報提供装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の経路誘導装置の一実施形態を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の経路誘導装置が搭載された車両の運転席周囲を示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態の経路誘導装置で行われる視認対象物の情報提供の際に実行される処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:経路誘導装置(ナビゲーション装置)
18:HDD記憶装置
22:DVD−ROM
38:アイカメラ
40:視認情報提供装置
48:視線確認スイッチ
Claims (12)
- 車両の乗員の視線を検出する視線検出手段と、
前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定する視認物特定手段と、
前記視認対象物に関する情報を取得し、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって前記乗員に提供する情報提供手段と、
を備えていることを特徴とする情報提供装置。 - 前記乗員からの要求を受け付ける視認対象物特定スイッチを、備えている、
請求項1に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物特定スイッチが音声により作動させられる、
請求項2に記載の情報提供装置。 - 前記情報提供手段が、前記車両が所定状態で、前記情報の提供を行う、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記情報提供手段が、前記車両の直進時または停車時にのみ、前記情報の提供を行う、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物が標識であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該標識に関する情報を拡大表示によって提供する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物が信号であると特定されたときには、前記情報提供手段は、該信号に関する情報を拡大表示によって提供する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物が車両に取付けられたミラーであると特定されたときには、前記情報提供手段は、前記車両の後方の画像を提供する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物に関する情報の表示が、通常の表示に優先して実行される、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記視認対象物が車載機器であるときには、前記情報提供手段は、該機器の操作を音声入力モードに切り替える、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 車両の乗員の視線を検出し、
前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、
前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供する、
ことを特徴とする情報提供方法。 - 車両の乗員の視線を検出し、
前記検出された視線に基づいて、前記車両の乗員が視認している視認対象物を特定し、
前記視認対象物に関する情報を取得して、前記乗員からの要求に応じて、前記視認対象物に関する情報を音声または表示によって提供するようにコンピュータを作動させる、
ことを特徴とする情報提供用プログラム。
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