JP2004060919A - エアーシャワー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、小型で設置スペースをとらず、構造が簡素で製造及び導入コストを節減可能なエアーシャワー装置を提供する。
【解決手段】清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケース(2)の下面に吹出しノズル(3)を設けると共に、本体ケース(2)の内部に、空気取入口(4)から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズル(3)に圧送するファン(5)及びフィルター(6)を設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズル(3)を通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能とした。上記吹出しノズル(3)を、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形とした。
【選択図】 図3
【解決手段】清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケース(2)の下面に吹出しノズル(3)を設けると共に、本体ケース(2)の内部に、空気取入口(4)から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズル(3)に圧送するファン(5)及びフィルター(6)を設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズル(3)を通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能とした。上記吹出しノズル(3)を、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、清浄な環境に維持された空間への入口に設置するエアーシャワー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品や食品などの製造現場は、製品に塵埃粒子や毛髪などが混入しないように清潔に維持されなければならない。通常これらの異物は作業者に付着して持ち込まれる場合が多い。
【0003】
従来、クリーンルームなど、清浄な環境に維持された空間への入口には、作業者の着衣に付着した前記異物を除去する目的でエアーシャワー装置が設置されている。このエアーシャワー装置は、清浄空間への入口の扉を二重にすることでその間に外部から隔絶されたエアーシャワー空間を形成し、該エアーシャワー空間内に位置した入室者に対して高速な清浄空気を吹き付け、入室者の着衣に付着した塵埃粒子などを遊離させ、塵埃粒子を含んだ汚染空気は下部のリターン口より回収し、高性能フィルターで塵埃粒子などを分離され、清浄化されてエアーシャワー空間に吹出される。
【0004】
このようなエアーシャワー装置は、着衣に付着した微小粒子をも除去対象としているため、水平方向の片吹または両吹きが主流であり、側壁面に多数の吹出しノズルを配すると共に、リターン口から高性能フィルターを経て吹出しノズルに至る空気循環路を備えるため、必然的に大型で広い設置スペースを必要とし、高価である。高度な清浄環境を必要とする場合はともかく、医薬品や食品の製造現場などでそれほどの清浄度は要求されず、毛髪や比較的大きい粒子が除去できれば良いというような場合には、高価で大型のエアーシャワー装置は必ずしも最良の選択とは云えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術の上記の点に鑑みて、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、小型で設置スペースをとらず、構造が簡素で製造及び導入コストを節減可能なエアーシャワー装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケースの下面に、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する吹出しノズルを設けると共に、前記本体ケースの他側に設けた空気取入口から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズルに圧送するファン及びフィルターを前記本体ケースの内部に設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズルを通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能とした。そして上記吹出しノズルは、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形であることが好適である。また、上記吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形の吹出しノズルと、その両側に配置されたパンカーノズルとからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度であるようにしても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3に本発明第1実施形態のエアーシャワー装置1を示す。図においてエアーシャワー装置1は、本体ケース2の下面に吹出しノズル3を設けると共に、該本体ケース2の他側(正面、図3においては左側)に空気取入口4を設け、且つ、該本体ケース2の内部には前記空気取入口4から取入れた空気を清浄化して吹出しノズル3に圧送するファン5及びフィルター6を設けている。
【0008】
本体ケース2の内部は、隔壁11より上側の陰圧部12と下側の陽圧部13とに仕切られ、ファン5は陰圧部12内に設けられ吐出口を陽圧部13に接続している。ファン5としては、例えば、高静圧型のシロッコファンを用い、図示例では本体ケース2を薄型に形成するため、ファンモータ7がファン5の中央部に嵌入した構造のシロッコファンを用いている。
【0009】
フィルター6は、エアーシャワー装置1の設置環境により粗塵用フィルターまたは中性能フィルター等を用い、図示例ではフィルター6はファン5の一次側となる空気取入口4にのみ設けられているが、ファン5の二次側(陽圧部13内)にフィルターを追加して高清浄度対応型としすることもできる。また、フィルター6を他の面、例えば側面に設けることもできる。
【0010】
吹出しノズル3は、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形をなし、下方向に向けて薄く幅広く清浄空気を吹出し可能とし、該吹出し空気流は入室者の頭部と両肩部全体に吹き当てられる。入室者の肩幅と同程度の吹出し幅としたのは、本装置が基本的に1人の入室者を対象としたもので、入室者1人分の肩幅全体に同時に気流が作用できれば良いためであるが、多少の余裕は持たせても良い。但し、過度に大型化することは本発明の意図に反するものであり、不必要な気流や発塵を誘起することにもなりかねないため、入室者の肩幅の2倍程度が許容範囲である。実施例のエアーシャワー装置1では、吹出しノズル3は、吹出し幅wを550mm、スリット幅(内寸)10mmとし、処理風量は10m3/minで、吹出し風速は33m/secに達した。
【0011】
本発明のエアーシャワー装置1は、従来のエアーシャワー装置と異なり、エアーシャワー空間を形成せず、入室者に吹き当てられた空気を回収するリターン口を備えていない。このため、吹き当てられた空気は大部分外気に拡散することになるが、上記の如く下方向に向けて高速な清浄空気を吹き付けることにより、入室者から遊離した毛髪や塵埃粒子は、空気流に沿って床面に落下し、当該入室者への再付着は防止され、且つ、吹出し空気流の範囲も必要最小限に留められ、他の入室者や物品への再付着も抑制される。
【0012】
また、吹出しノズル3上流側の陽圧部13内にイオナイザー10を付加し、吹出し空気の静電気を除去することにより、遊離した毛髪や塵埃粒子の静電気による再付着をより確実に防止できる。
【0013】
エアーシャワー装置1の起動方式としては、(1)赤外線センサー、光学センサー等の非接触の検知手段により入室者を検知することにより起動し、タイマーにより所定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に自動停止する方式、(2)エアーシャワー装置1を清浄空間への入口のドア付近に設置する場合、該ドアにリミットスイッチを付設し、ドアを開くと同時に起動し、タイマーにより所定時間経過後に自動停止する方式、(3)エアーシャワー装置1の設置位置付近の建物壁面にスイッチ(押ボタンスイッチなど)を設置し、入室者が該スイッチを操作することにより起動し、タイマーにより所定時間経過後に自動停止する方式、等がある。図示例は、本体ケース2の前面下部に光学センサー9を設ける場合を示している。
【0014】
また、センサーによる入室者の検知(1)と、ドアリミットスイッチによるドアの開閉検知(2)とを組合わせて、退室時にはエアーシャワー装置1を起動させないようにすることもできる。
【0015】
以上のように構成されたエアーシャワー装置1は、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズル3を通じて上方向から清浄空気を吹き付け可能とするため、適宜の取付け手段により清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付ける。この際、エアーシャワー装置1と取付け部位との位置関係により、以下のような種々の取付け形態を選択できる。
【0016】
図8(図3)は、本体ケース2背面を清浄空間への入口上部の壁面81に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。また、図9は、本体ケース2背面(または側面)にブラケット15を介して清浄空間への入口上部の壁面81に取り付ける場合を示している。
【0017】
そして、図10(図1)は、本体ケース2側面を清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。また、図11は、本体ケース2上面を清浄空間への入口付近の通路の天井部に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。これらの場合のようにエアーシャワー装置1をドア82から離して設置することで、退室時にはエアーシャワー装置1が起動せず、入室者と退室者が交錯しない利点がある。
【0018】
更に、図12に示すように、取付け部位の天井83が低い場合には、図1に示したエアーシャワー装置1の本体ケース2の正面が下面となるように本体ケース2を横にして用い、且つ、吹出しノズル3を正面(下面)に設けたエアーシャワー装置31を構成し、該エアーシャワー装置31の(背面)上面を清浄空間への入口付近の通路天井部83に添わせて取付け金具14等で取り付けることができる。
【0019】
また、図13に示すように、エアーシャワー装置1を両開きのドア84の上部(またはドア84付近の通路の壁面上部)に取り付ければ、通常はドア84の一方を使用し、入室者がエアーシャワーを利用できると共に、大きな物品の搬入時等には両開きのドア84を全開にできる。この際、本発明のエアーシャワー装置1は、床面に設置スペースが不要であるため、台車等がそのまま通過できる。
【0020】
次に、図4乃至図7に本発明第2実施形態のエアーシャワー装置21を示す。エアーシャワー装置21は、第1実施形態のエアーシャワー装置1と吹出しノズルの構成のみが異なり、他の構成は同様であるため、共通部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。以下、変更点について説明する。
【0021】
第2実施形態のエアーシャワー装置21の吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形をなすスリットノズル23と、その両側に配置されたパンカーノズル24、24とからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度となるようにしている。スリットノズル23は第1実施形態のエアーシャワー装置1の吹出しノズル3と同構造である。また、その両側のパンカーノズル24は、ノズル基部24aがホルダ24bに球面支持され、吹出し方向を変更可能である。
【0022】
第2実施形態のエアーシャワー装置21では、スリットノズル23の両側にパンカーノズル24を配したことにより、両側で気流が拡散し難くなると共に、毛髪などが付着し易い入室者の両肩部に確実に清浄空気を吹き当てることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のエアーシャワー装置は、上述の通り、清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケースの下面に、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する吹出しノズルを設けると共に、前記本体ケースの他側に設けた空気取入口から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズルに圧送するファン及びフィルターを前記本体ケースの内部に設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズルを通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能としたので、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、構造が簡素で、小型で床面の設置スペースが不要であり、導入コストを大幅に節減可能で、医薬品や食品の製造現場など従来のエアーシャワー装置を導入し難い環境にも容易に導入できる。
【0024】
そして、上記吹出しノズルは、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形であるか、または、吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形の吹出しノズルと、その両側に配置されたパンカーノズルとからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度であるようにしたので、小型且つ簡素な構造でありながら、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、吹出し空気流の範囲も必要最小限に留められ、他の入室者や物品への再付着も抑制され、不必要な発塵を誘起することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す正面図である。
【図2】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す底面図である。
【図3】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す側面図である。
【図4】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す正面図である。
【図5】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す底面図である。
【図6】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す側面図である。
【図7】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す要部縦断面図である。
【図8】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口上部に取付けた例を示す側面図である。
【図9】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口上部にブラケットを介して取付けた例を示す側面図である。
【図10】(a)は本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口付近の通路側面に取付けた例を示す正面図、(b)は同平面図である。
【図11】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を通路天井部に取付けた例を示す側面図である。
【図12】本発明第1実施形態の変更例のエアーシャワー装置を通路天井部に取付けた例を示す側面図である。
【図13】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を両開きドアの入口上部に取付けた例を示す正面図である。
【符号の説明】
1,21 エアーシャワー装置
2 本体ケース
3 吹出しノズル
4 空気取入口
5 ファン
6 フィルター
7 ファンモータ
8 受電箱
9 光学センサー
10 イオナイザー
11 隔壁
12 陰圧部
13 陽圧部
14 取付け金具
15 ブラケット
23 スリットノズル
24 パンカーノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、清浄な環境に維持された空間への入口に設置するエアーシャワー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品や食品などの製造現場は、製品に塵埃粒子や毛髪などが混入しないように清潔に維持されなければならない。通常これらの異物は作業者に付着して持ち込まれる場合が多い。
【0003】
従来、クリーンルームなど、清浄な環境に維持された空間への入口には、作業者の着衣に付着した前記異物を除去する目的でエアーシャワー装置が設置されている。このエアーシャワー装置は、清浄空間への入口の扉を二重にすることでその間に外部から隔絶されたエアーシャワー空間を形成し、該エアーシャワー空間内に位置した入室者に対して高速な清浄空気を吹き付け、入室者の着衣に付着した塵埃粒子などを遊離させ、塵埃粒子を含んだ汚染空気は下部のリターン口より回収し、高性能フィルターで塵埃粒子などを分離され、清浄化されてエアーシャワー空間に吹出される。
【0004】
このようなエアーシャワー装置は、着衣に付着した微小粒子をも除去対象としているため、水平方向の片吹または両吹きが主流であり、側壁面に多数の吹出しノズルを配すると共に、リターン口から高性能フィルターを経て吹出しノズルに至る空気循環路を備えるため、必然的に大型で広い設置スペースを必要とし、高価である。高度な清浄環境を必要とする場合はともかく、医薬品や食品の製造現場などでそれほどの清浄度は要求されず、毛髪や比較的大きい粒子が除去できれば良いというような場合には、高価で大型のエアーシャワー装置は必ずしも最良の選択とは云えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術の上記の点に鑑みて、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、小型で設置スペースをとらず、構造が簡素で製造及び導入コストを節減可能なエアーシャワー装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケースの下面に、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する吹出しノズルを設けると共に、前記本体ケースの他側に設けた空気取入口から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズルに圧送するファン及びフィルターを前記本体ケースの内部に設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズルを通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能とした。そして上記吹出しノズルは、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形であることが好適である。また、上記吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形の吹出しノズルと、その両側に配置されたパンカーノズルとからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度であるようにしても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3に本発明第1実施形態のエアーシャワー装置1を示す。図においてエアーシャワー装置1は、本体ケース2の下面に吹出しノズル3を設けると共に、該本体ケース2の他側(正面、図3においては左側)に空気取入口4を設け、且つ、該本体ケース2の内部には前記空気取入口4から取入れた空気を清浄化して吹出しノズル3に圧送するファン5及びフィルター6を設けている。
【0008】
本体ケース2の内部は、隔壁11より上側の陰圧部12と下側の陽圧部13とに仕切られ、ファン5は陰圧部12内に設けられ吐出口を陽圧部13に接続している。ファン5としては、例えば、高静圧型のシロッコファンを用い、図示例では本体ケース2を薄型に形成するため、ファンモータ7がファン5の中央部に嵌入した構造のシロッコファンを用いている。
【0009】
フィルター6は、エアーシャワー装置1の設置環境により粗塵用フィルターまたは中性能フィルター等を用い、図示例ではフィルター6はファン5の一次側となる空気取入口4にのみ設けられているが、ファン5の二次側(陽圧部13内)にフィルターを追加して高清浄度対応型としすることもできる。また、フィルター6を他の面、例えば側面に設けることもできる。
【0010】
吹出しノズル3は、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形をなし、下方向に向けて薄く幅広く清浄空気を吹出し可能とし、該吹出し空気流は入室者の頭部と両肩部全体に吹き当てられる。入室者の肩幅と同程度の吹出し幅としたのは、本装置が基本的に1人の入室者を対象としたもので、入室者1人分の肩幅全体に同時に気流が作用できれば良いためであるが、多少の余裕は持たせても良い。但し、過度に大型化することは本発明の意図に反するものであり、不必要な気流や発塵を誘起することにもなりかねないため、入室者の肩幅の2倍程度が許容範囲である。実施例のエアーシャワー装置1では、吹出しノズル3は、吹出し幅wを550mm、スリット幅(内寸)10mmとし、処理風量は10m3/minで、吹出し風速は33m/secに達した。
【0011】
本発明のエアーシャワー装置1は、従来のエアーシャワー装置と異なり、エアーシャワー空間を形成せず、入室者に吹き当てられた空気を回収するリターン口を備えていない。このため、吹き当てられた空気は大部分外気に拡散することになるが、上記の如く下方向に向けて高速な清浄空気を吹き付けることにより、入室者から遊離した毛髪や塵埃粒子は、空気流に沿って床面に落下し、当該入室者への再付着は防止され、且つ、吹出し空気流の範囲も必要最小限に留められ、他の入室者や物品への再付着も抑制される。
【0012】
また、吹出しノズル3上流側の陽圧部13内にイオナイザー10を付加し、吹出し空気の静電気を除去することにより、遊離した毛髪や塵埃粒子の静電気による再付着をより確実に防止できる。
【0013】
エアーシャワー装置1の起動方式としては、(1)赤外線センサー、光学センサー等の非接触の検知手段により入室者を検知することにより起動し、タイマーにより所定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に自動停止する方式、(2)エアーシャワー装置1を清浄空間への入口のドア付近に設置する場合、該ドアにリミットスイッチを付設し、ドアを開くと同時に起動し、タイマーにより所定時間経過後に自動停止する方式、(3)エアーシャワー装置1の設置位置付近の建物壁面にスイッチ(押ボタンスイッチなど)を設置し、入室者が該スイッチを操作することにより起動し、タイマーにより所定時間経過後に自動停止する方式、等がある。図示例は、本体ケース2の前面下部に光学センサー9を設ける場合を示している。
【0014】
また、センサーによる入室者の検知(1)と、ドアリミットスイッチによるドアの開閉検知(2)とを組合わせて、退室時にはエアーシャワー装置1を起動させないようにすることもできる。
【0015】
以上のように構成されたエアーシャワー装置1は、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズル3を通じて上方向から清浄空気を吹き付け可能とするため、適宜の取付け手段により清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付ける。この際、エアーシャワー装置1と取付け部位との位置関係により、以下のような種々の取付け形態を選択できる。
【0016】
図8(図3)は、本体ケース2背面を清浄空間への入口上部の壁面81に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。また、図9は、本体ケース2背面(または側面)にブラケット15を介して清浄空間への入口上部の壁面81に取り付ける場合を示している。
【0017】
そして、図10(図1)は、本体ケース2側面を清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。また、図11は、本体ケース2上面を清浄空間への入口付近の通路の天井部に添わせて取付け金具14等で取り付ける場合を示している。これらの場合のようにエアーシャワー装置1をドア82から離して設置することで、退室時にはエアーシャワー装置1が起動せず、入室者と退室者が交錯しない利点がある。
【0018】
更に、図12に示すように、取付け部位の天井83が低い場合には、図1に示したエアーシャワー装置1の本体ケース2の正面が下面となるように本体ケース2を横にして用い、且つ、吹出しノズル3を正面(下面)に設けたエアーシャワー装置31を構成し、該エアーシャワー装置31の(背面)上面を清浄空間への入口付近の通路天井部83に添わせて取付け金具14等で取り付けることができる。
【0019】
また、図13に示すように、エアーシャワー装置1を両開きのドア84の上部(またはドア84付近の通路の壁面上部)に取り付ければ、通常はドア84の一方を使用し、入室者がエアーシャワーを利用できると共に、大きな物品の搬入時等には両開きのドア84を全開にできる。この際、本発明のエアーシャワー装置1は、床面に設置スペースが不要であるため、台車等がそのまま通過できる。
【0020】
次に、図4乃至図7に本発明第2実施形態のエアーシャワー装置21を示す。エアーシャワー装置21は、第1実施形態のエアーシャワー装置1と吹出しノズルの構成のみが異なり、他の構成は同様であるため、共通部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。以下、変更点について説明する。
【0021】
第2実施形態のエアーシャワー装置21の吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形をなすスリットノズル23と、その両側に配置されたパンカーノズル24、24とからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度となるようにしている。スリットノズル23は第1実施形態のエアーシャワー装置1の吹出しノズル3と同構造である。また、その両側のパンカーノズル24は、ノズル基部24aがホルダ24bに球面支持され、吹出し方向を変更可能である。
【0022】
第2実施形態のエアーシャワー装置21では、スリットノズル23の両側にパンカーノズル24を配したことにより、両側で気流が拡散し難くなると共に、毛髪などが付着し易い入室者の両肩部に確実に清浄空気を吹き当てることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のエアーシャワー装置は、上述の通り、清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケースの下面に、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する吹出しノズルを設けると共に、前記本体ケースの他側に設けた空気取入口から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズルに圧送するファン及びフィルターを前記本体ケースの内部に設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズルを通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能としたので、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、構造が簡素で、小型で床面の設置スペースが不要であり、導入コストを大幅に節減可能で、医薬品や食品の製造現場など従来のエアーシャワー装置を導入し難い環境にも容易に導入できる。
【0024】
そして、上記吹出しノズルは、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形であるか、または、吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形の吹出しノズルと、その両側に配置されたパンカーノズルとからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度であるようにしたので、小型且つ簡素な構造でありながら、入室者に付着した毛髪や比較的大きい粒子を効果的に除去でき、且つ、吹出し空気流の範囲も必要最小限に留められ、他の入室者や物品への再付着も抑制され、不必要な発塵を誘起することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す正面図である。
【図2】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す底面図である。
【図3】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を示す側面図である。
【図4】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す正面図である。
【図5】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す底面図である。
【図6】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す側面図である。
【図7】本発明第2実施形態のエアーシャワー装置を示す要部縦断面図である。
【図8】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口上部に取付けた例を示す側面図である。
【図9】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口上部にブラケットを介して取付けた例を示す側面図である。
【図10】(a)は本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を入口付近の通路側面に取付けた例を示す正面図、(b)は同平面図である。
【図11】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を通路天井部に取付けた例を示す側面図である。
【図12】本発明第1実施形態の変更例のエアーシャワー装置を通路天井部に取付けた例を示す側面図である。
【図13】本発明第1実施形態のエアーシャワー装置を両開きドアの入口上部に取付けた例を示す正面図である。
【符号の説明】
1,21 エアーシャワー装置
2 本体ケース
3 吹出しノズル
4 空気取入口
5 ファン
6 フィルター
7 ファンモータ
8 受電箱
9 光学センサー
10 イオナイザー
11 隔壁
12 陰圧部
13 陽圧部
14 取付け金具
15 ブラケット
23 スリットノズル
24 パンカーノズル
Claims (3)
- 清浄空間への入口上部や、入口付近の通路の壁面上部、または、天井部に取付け可能な小型の本体ケースの下面に、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する吹出しノズルを設けると共に、前記本体ケースの他側に設けた空気取入口から取入れた空気を清浄化して前記吹出しノズルに圧送するファン及びフィルターを前記本体ケースの内部に設け、清浄空間への入室者に対し前記吹出しノズルを通じて上方向から高速な清浄空気を吹き付け可能としたことを特徴とするエアーシャワー装置。
- 吹出しノズルは、入室者の肩幅と同程度の吹出し幅を有する扁平なスリット形である請求項1記載のエアーシャワー装置。
- 吹出しノズルは、幅方向の中央に配置された扁平なスリット形の吹出しノズルと、その両側に配置されたパンカーノズルとからなり、それら全体の吹出し幅が、入室者の肩幅と同程度である請求項1記載のエアーシャワー装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007255778A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Nippon Muki Co Ltd | エアシャワー装置 |
JP2018136081A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 株式会社日立産機システム | エアシャワー装置 |
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-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216596A patent/JP2004060919A/ja active Pending
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