JP3987901B2 - エアーシャワー装置及びクリーンルーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエアーシャワー装置に係り、特に半導体製造工場等におけるクリーンルームの入出口に設置されるエアーシャワー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や電子部品等の微細構造部品を生産する製造装置は、清浄な雰囲気に維持されるクリーンルームに設置される。クリーンルーム内の空気の清浄度を維持するために、クリーンルームの入出口にはエアーシャワー装置が設けられる。エアーシャワー装置は、クリーンルームに入る作業者の衣服等に付着した塵埃等を空気の吹き出し(エアーシャワー)により除去するために設けられる。
【0003】
図1は従来の一般的なエアーシャワー装置100の正面図であり、図2はエアーシャワー装置100の側面図である。また、図3はエアーシャワー装置100を上方から見た平面図である。
【0004】
エアーシャワー装置100内には、プレフィルタ101と、ターボファン102と、HEPAフィルタ等の高性能集塵フィルタ103と、エアー吹き出し口104と、入退室用ドア85a、105bを備えている。また、エアーシャワー装置100内には、作業者が入ってエアーシャワーを浴びるエアーシャワー室106が形成されている。
【0005】
エアーシャワー装置100は、例えば、半導体製造装置が設置されたクリーンルームの入り口に設置される。作業者がクリーンルームに入る際は、作業者が着ている防塵服等に付着している塵埃を落とすために、まずドア85aを通ってエアーシャワー室106に入室する。そして、塵埃を落とした後に、ドア85bからクリーンルームへと入る。
【0006】
入退室用ドア85a、105bは一般に自動ドアとなっている。したがって、クリーンルームに入室する作業者がドア85aの前に立つと、ドア85aの近傍に設置されている赤外線センサ等が作業者を検知し、ドア85aが自動的に開くようになっている。そして、作業者がエアーシャワー室106に入って一定時間が経過すると、ドア85aは自動的に閉じられる。
【0007】
作業者がエアーシャワー室106に入ると、ターボファン102が作動して、プレフィルタ101を通過した空気が、ターボファン102によって加圧され、高性能集塵フィルタ103を通過して、エアー吹き出し口104から高速の清浄な空気となって吹き出す。
【0008】
エアー吹き出し口104から吹き出した高速の清浄な空気は、作業者の防塵服等に当たって防塵服に付着した塵埃が空気の勢いにより飛ばされる。空気は再びプレフィルタ101に吸い込まれて循環する。一定時間空気が循環して防塵服に付着した塵埃が除去されると、ターボファン102が停止し、ドア85bが自動的に開かれる。したがって、作業者はドア85bを通ってクリーンルームに入室することができる。
【0009】
一般的に、上述の従来のエアーシャワー装置100は、クリーンルームの入出口に建物の一部として固定して設置される。すなわち、エアーシャワー装置100の外壁はクリーンルームを形成する建物の壁面部材やパーティションと同じ部材、例えば鉄板により形成され、クリーンルームの建物の一部として作られる。
【0010】
近年、半導体製造装置が設置されるクリーンルームの方式として、スルーザウォール(Through the Wall)方式が多く採用されている。図4はスルーザウォール(Through the Wall)方式を採用したクリーンルーム110にエアーシャワー装置100を設置した場合の構成を示す平面図である。クリーンルーム110は縦長に作られ、両側に複数の半導体製造装置115a〜115hが設置されている。各半導体製造装置115a〜115hは筐体内に収容されており、筐体の一面が開放されてクリーンルーム110の壁面に取り付けられている。したがって、クリーンルーム110側から各半導体製造装置115a〜115hを操作することができる。
【0011】
クリーンルーム110の外側は機械室116となっており、半導体製造装置を設置する場合、あるいは各半導体製造装置115a〜115hを保守点検する場合に、作業者は機械室116に入って作業を行う。
【0012】
半導体ウェハ等の非処理体や半導体製造装置115a〜115に直接接触するクリーンルーム110内の空気は、非常に高い清浄度(例えばクラス1程度)に維持される。一方、機械室116の空気は、被処理体や半導体製造装置115a〜115hの内部に直接接触することはないので、機械室116内の空気の清浄度は、クリーンルーム110内の空気より低い清浄度(例えばクラス500〜クラス1000程度)に維持される。また、クリーンルーム110内は、機械室116より僅かに高い圧力(陽圧)に維持されており、機械室116の空気がクリーンルーム110に入り込まないようになっている。
【0013】
上述のような構成のクリーンルーム110において、クリーンルーム110内の空気を汚染しないように、作業者がクリーンルーム110に入る際は、必ずエアーシャワー装置100を通って入室する必要がある。
【0014】
なお、図4に示すクリーンルームの構成において、機械室116及びエアーシャワー装置100が設置される領域も、広い意味ではクリーンルーム内であるということができる。この場合、クリーンルーム110は、清浄度の高い空間に相当し、シャワールーム装置100は、清浄度の高い空間と清浄度の低い空間との間に設けられることとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示すクリーンルーム110に新たに半導体製造装置を設置する場合、あるいは半導体製造装置115a〜115hを保守点検する場合、作業者は機械室116とクリーンルーム110との間を往復することがある。すなわち、クリーンルーム110から機械室116へと移動し、また機械室116からクリーンルームへと移動することを何度も繰り返さなければならない場合がある。このような場合、作業者はクリーンルームへの入退室ごとにエアーシャワー装置100を通らなければならない。したがって、例えば保守点検作業が行われている半導体製造装置115a〜115hとエアーシャワー装置100とが離れている場合には、作業者の移動に時間がかかり、保守点検作業等が非効率的となる。
【0016】
ここで、図4に示すように、クリーンルーム110には、機械室116に直接通じるドア117,118が設けられることがある。ドア117,118は、保守点検時あるいは非常時に作業者が迅速に機械室116に出ることができるように設けられるものであり、作業者一人が通ることができる程度の大きさである。このドアを利用して保守点検時にクリーンルーム110から機械室116に出ることはできる。すなわち、クリーンルーム110内は、機械室よりも圧力が高めに設定されているので、ドア117,118を開けたとしても、機械室116の空気はクリーンルーム110には入らない。そして、作業者はクリーンルーム110から機械室116へと出て行くだけなので、クリーンルーム110内の空気が汚染されることはない。
【0017】
ところが、作業者が機械室116からドア117,118を通ってクリーンルーム110に入ることは、クリーンルーム110内の空気を汚染することとなる。すなわち、機械室116内の空気はクリーンルーム内の空気より清浄度が低く、作業者の防塵服等にはある程度の塵埃が付着している。したがって、作業者がドア117,118を通って直接クリーンルーム内に入ると、防塵服に付着した塵埃をクリーンルーム110内に持ち込むこととなり、クリーンルーム110内の空気がこの塵埃により汚染されてしまう。
【0018】
したがって、作業者がドア117,118を通って機械室116に出たとしても、クリーンルーム110に戻るときには、やはりエアーシャワー装置110を通る必要がある。
【0019】
そこで、エアーシャワー装置100をクリーンルーム110の外側の数箇所に設けることが考えられるが、この場合、クリーンルーム110の周囲に配置される半導体製造装置の設置場所の一部にエアーシャワー装置100を設置することとなり、一つのクリーンルーム110に対して設置できる半導体製造装置の数が減少してしまう。これにより、一つのクリーンルーム内で行うべき処理工程で必要な半導体製造装置を設置できなくなるおそれがある。また、エアーシャワー装置110のコストがクリーンルームの建設費用に加算されるため、クリーンルームの建設費用が上昇してしまう。
【0020】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、クリーンルームの壁面等に簡単に取り付けることができる小型で簡単な構造のシャワールーム装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項1記載の発明は、クリーンルームに取り付けられるエアーシャワー室と、該エアーシャワー室に清浄な空気を吹き出しながら前記エアーシャワー室内の空気を循環させるエアーシャワー発生機構と、前記エアーシャワー室と外部との間に設けられた開閉可能な第1の入出口と、該入出口が設けられた面以外の面に設けられ、前記エアーシャワー室と連通して外部に開放された第2の入出口とを有するエアーシャワー装置であって、前記クリーンルームとは別個の移動可能な構造体であることを特徴とするものである。
【0023】
請求項1記載の発明によれば、エアーシャワー装置は建屋に作り付けで固定して設置されるものではなく、移動可能な構造体として形成される。したがって、建屋に既設の開閉ドアに対してエアーシャワー装置を容易に設置することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエアーシャワー装置であって、前記エアーシャワー室は、骨組み構造体に取り付けられた壁面部材により画成され、前記第1の入出口は前記壁面部材に形成された開閉ドアであり、前記第2の入出口は前記壁面部材が設けられない面であることを特徴とするものである。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、エアーシャワー装置は簡単な構造であり、容易に移動して既存の開閉ドアに対して設置することができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のエアーシャワー装置であって、前記エアーシャワー発生機構は、前記エアーシャワー室の空気を吸い込んで、加圧して送り出す送風機と、該送風機の吸い込み側に設けられた塵埃除去用プレフィルタと、前記送風機の吹き出し側に設けられた高性能塵埃除去フィルタと、前記エアーシャワー室に向けて空気を吹き出すノズルと、前記高性能塵埃除去フィルタを通過した空気を前記ノズルに導く空気通路とを含むことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明によれば、エアーシャワー室の空気をフィルタを通過させて清浄化しながら循環してエアーシャワー室に吹き出すことができるため、外部から清浄な空気を供給する必要がなく、送風機に電力を供給するだけでエアーシャワーを発生することができる。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のエアーシャワー装置であって、
前記骨組み構造体はパイプ材により構成され、前記空気通路は前記骨組み構造体の一部であるパイプ材により形成されることを特徴とするものである。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、空気通路を骨組み構造体の一部であるパイプ材により形成することで、空気通路を別個に設ける必要がなくなり、エアーシャワー装置の構造をより簡素化することができる。
【0029】
請求項5記載の発明は、クリーンルームであって、所定の高い清浄度に維持される第1の空間と、該第1の空間より低い清浄度に維持される第2の空間と、前記第1の空間と前記第2の空間との間に設けられた開閉ドアと、前記第2の空間内において前記開閉ドアに対して設置された、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置とを有することを特徴とするものである。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、第1の空間と第2の空間との間に設けられた既設のドアに対してエアーシャワー装置を容易に設置することができ、作業者は第2の空間からエアーシャワー装置が設置された既設のドアを通って第1の空間に入ることができる。これにより保守点検作業等を効率的に行うことができる。
【0031】
図5は本発明の一実施の形態によるエアーシャワー装置10の正面図であり、図6はエアーシャワー装置10の側面図である。また、図7はエアーシャワー装置10を上から見た平面図である。さらに、図8は、スルーザウォール方式を採用したクリーンルームにエアーシャワー装置10を設置した場合の構成を示す平面図である。
【0032】
本発明の一実施の形態によるエアーシャワー装置10は、骨組み構造体11と壁面部材11Aとにより構成された簡単な構造の箱型の構造体として形成され、内部にエアーシャワー室17が形成される。エアーシャワー装置10には、高性能塵埃除去フィルタとしてのHEPAフィルタ12と、送風機13と、塵埃除去用プレフィルタ15とよりなるエアーシャワー発生機構が設けられ、エアーシャワー室17においてエアーシャワーを発生することができる。また、エアーシャワー装置10の前面の外壁には、ドア18が設けられ、ドア18の近傍に操作スイッチ16と動作表示灯19とが設けられる。
【0033】
本実施の形態によるエアーシャワー装置10は、小型化され簡素化された構造を有しているが、エアーシャワー発生機構の送風機13、HEPAフィルタ12等は、従来のエアーシャワー装置と同等な性能を有するものを用いるため、エアーシャワーによる清浄化性能は、従来のエアーシャワー装置と同等な性能を有する。
【0034】
ここで、図8に示すように、エアーシャワー装置10が、クリーンルーム110のドア117又は118の外側に設置された場合について説明する。なお、エアーシャワー装置10のドア18が設けられた面の反対側の面は、開放されており、エアーシャワー装置10は、この開放された面がクリーンルーム110のドア117又は118に配置されるように設置される。
【0035】
機械室116内の作業者は、通常のエアーシャワー装置100を通らずに、エアーシャワー装置10を通ってクリーンルーム110に入ることができる。エアーシャワー装置10のエアーシャワー室7に入る際、作業者は、まず前面のドア18の近傍に配置された操作スイッチ16を操作する。これにより、エアーシャワー発生機構がスタンバイ状態(待機状態)となる。そして、作業者はドア18を手動で開けて、エアーシャワー室17に入る。作業者がドア18を閉めると、送風機13が作動を開始する。このとき、動作表示灯16が点灯して、エアーシャワー装置10が運転中であることを表示する。
【0036】
送風機13が作動すると、エアーシャワー室17の空気は、プレフィルタ15を通過して送風機13に吸い込まれ、送風機13で加圧された後、HEPAフィルタ12に供給される。HEPAフィルタ12を通過して清浄化された空気は、骨組み構造体11の一部により形成された空気吹き出し部14に導入され、空気吹き出し部14に設けられた複数のノズル14aからエアーシャワー室17に向けて吹き出される。したがって、ノズル14aからエアーシャワー室17に向けて吹き出された清浄化された空気により、作業者の防塵服等に付着した塵埃は除去される。ノズル14から吹き出された空気は、再びプレフィルタ15を通過して送風機13に吸い込まれ、HEPAフィルタを通過して清浄化されてノズルから吹き出される。このように、エアーシャワー室に吹き出される空気はプレフィルタ15とHEPAフィルタ12とに清浄化されながら循環するので、外部から清浄な空気を供給する必要なはない。
【0037】
送風機13は一定時間(例えば20秒)作動した後、自動的に停止する。送風機13が停止して、エアーシャワーが停止した後、作業者はドア18の反対側にあるクリーンルーム110のドア117又は118を開いて、クリーンルーム110に入ることができる。この際、クリーンルーム117又は118をエアーシャワー装置10側(すなわち機械室116側)から開いても、クリーンルーム110は機械室116に対して陽圧となっているので、エアーシャワー室17内の空気(機械室116の空気)がクリーンルーム110に入ることはない。また、作業者の防塵服等はエアーシャワー装置10によるエアーシャワーにより清浄化されているので、作業者がクリーンルーム110に入ってもクリーンルーム110の空気を汚染することはない。
【0038】
クリーンルーム110内の作業者が機械室116に出る際は、作業者は、ドア117又は118を開けてエアーシャワー装置10内に入り、ドア117又は118を閉めた後、エアーシャワー装置10のドア18を開けて機械室116に出る。この時、清浄度の高いクリーンルーム110から清浄度の低い機械室116へと出るだけなのでエアーシャワーを浴びる必要はなく、したがって、送風機3を作動させる必要はない。また、クリーンルーム117又は118を開いても、クリーンルーム110はエアーシャワー装置10(機械室116)に対して陽圧となっているので、エアーシャワー室17内の空気がクリーンルーム110に入ることはない。
【0039】
上述のように、エアーシャワー装置10は、骨組み構造体11と壁面部材11Aとにより構成された簡単な構造の箱型の構造体として形成されている。また、プレフィルタ15はパイプ部材よりなる骨組み構造体11の中に配置されるため、特別にプレフィルタ5を設置する部分を設ける必要はない。さらに、空気吹き出し部14も、パイプ部材よりなる骨組み構造体11の一部を利用して設けられているので、特別に空気通路及び空気吹き出し用ノズルを設けるための部材を配置する必要はない。
【0040】
骨組み構造体11としては、軽量化のために例えばアルミ製の角パイプを使用することが好ましいが、角パイプに限らず丸パイプでもよい。また、上述の実施の形態では、骨組み構造体11をパイプ材により構成することにより、吹き出し空気の通路とノズルとをパイプ材を利用して形成することとしているが、吹き出し空気の通路とノズルとを独立した部材により形成することとしてもよい。この場合、骨組み構造体11にパイプ材を用いる必要なく、チャンネル型部材、L型、H型部材等を用いることができる。
【0041】
また、空気吹き出し用ノズルの位置は、骨組み構造体11の位置に限定されることはなく、空気吹き出し用ノズルを形成する部材を別個に設けた場合は、エアーシャワー室17内の任意の位置に配置することができる。
【0042】
上述のように、エアーシャワー装置10は非常に簡素化され、小型軽量化された構造であるため、簡単に移動が可能である。従って、クリーンルームを建設した後に、エアーシャワー装置10を任意の場所に設置することができる。エアーシャワー装置10の移動をさらに容易にするために、エアーシャワー装置10の底部にキャスタ20を設けることとしてもよい。
【0043】
エアーシャワー装置10は、例えば図8に示すようにクリーンルーム110のドア118及び119の両方に常設してもよく、また、移動が容易なことから、使用するドアの場所に必要なときに移動して設置することとしてもよい。エアーシャワー装置10を設置する際には、電力供給ラインを接続するだけであり、電力供給ラインを接続離脱可能なコネクタとしておけば、電力供給ラインの接続も容易となる。
【0044】
また、骨組み構造体11に対して取り付けられる壁面部材11Aは、鋼板やアルミ板等が用いられるが、これに限ることなく、骨組み構造体11だけで十分な強度を有するものであれば、例えば厚手のビニールシート等を張り付けることとしてもよい。この場合、図6の符号21で示すように、ビニールシートにファスナを設けることにより、エアーシャワー装置10を開閉することができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態によるエアーシャワー装置10は、クリーンルームの外側の任意の位置に配置することができるため、クリーンルームの既設のドアの部分に設置することにより、作業者はどのドアからでも自由にクリーンルームに出入りすることが可能となり、クリーンルームに設置された半導体製造装置の保守点検作業等を効率的に行うことができる。
【0046】
また、本実施の形態によるエアーシャワー装置10は小型であるので、クリーンルームの既存のドアとほぼ同等な幅とすることができ、半導体製造装置を設置する場所を占有することはない。したがって、エアーシャワー装置10を設置しても、設置する前と同じ数の半導体製造装置をクリーンルームに設置することができる。
【0047】
さらに、エアーシャワー装置10は簡素化された構造であり、従来の据え付け型のエアーシャワー装置に比べて製造コストが低いため、複数のエアーシャワー装置をクリーンルームに設置しても、クリーンルーム全体の建設コストを著しく増大することはない。
【0048】
なお、図8に示すクリーンルームの構成において、機械室116及び既存のエアーシャワー装置100が設置される領域も、広い意味ではクリーンルーム内であるということができる。この場合、クリーンルーム110は、清浄度の高い空間に相当し、機械室116は清浄度の低い空間に相当する。そして、本実施の形態によるシャワールーム装置10は、清浄度の低い空間において清浄度の高い空間との間のドアに対して設けられることとなる。
【0049】
以上のように、本明細書は以下の発明を開示する。
【0050】
(付記1) エアーシャワー室と、
該エアーシャワー室に清浄な空気を吹き出すエアーシャワー発生機構と、
前記エアーシャワー室と外部との間に設けられた開閉可能な第1の入出口と、
該入出口が設けられた面以外の面に設けられ、前記エアーシャワー室と連通して外部に開放された第2の入出口と
を有するエアーシャワー装置であって、
設置される建屋とは別個の移動可能な構造体であることを特徴とするエアーシャワー装置。
【0051】
(付記2) 付記1記載のエアーシャワー装置であって、
前記エアーシャワー室は、骨組み構造体に取り付けられた壁面部材により画成され、前記第1の入出口は前記壁面部材に形成された開閉ドアであり、前記第2の入出口は前記壁面部材が設けられない面であることを特徴とするエアーシャワー装置。
【0052】
(付記3) 付記2記載のエアーシャワー装置であって、
前記エアーシャワー発生機構は、
前記エアーシャワー室の空気を吸い込んで、加圧して送り出す送風機と、
該送風機の吸い込み側に設けられた塵埃除去用プレフィルタと、
前記送風機の吹き出し側に設けられた高性能塵埃除去フィルタと、
前記エアーシャワー室に向けて空気を吹き出すノズルと、
前記高性能塵埃除去フィルタを通過した空気を前記ノズルに導く空気通路と
を含むことを特徴とするエアーシャワー装置。
(付記4) 付記3記載のエアーシャワー装置であって、
前記骨組み構造体はパイプ材により構成され、前記空気通路は前記骨組み構造体の一部であるパイプ材により形成されることを特徴とするエアーシャワー装置。
【0053】
(付記5) 付記4記載のエアーシャワー装置であって、
前記ノズルは前記骨組み構造体の一部であるパイプ材に形成されたことを特徴とするエアーシャワー装置。
【0054】
(付記6) 付記3乃至5のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置であって、
前記塵埃除去用プレフィルタは、前記骨組み構造体の一部であるパイプ材の中に配置されたことを特徴とするエアーシャワ-装置。
【0055】
(付記7) 付記3乃至6のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置であって、
底部にキャスタが設けられたことを特徴とするエアーシャワー装置。
【0056】
(付記8) 付記3乃至7のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置であって、
前記送風機の運転を開始するための操作スイッチが、前記第1の入出口の近傍に設けられたことを特徴とするエアーシャワー装置。
【0057】
(付記9) 付記3乃至8のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置であって、
前記送風機の運転状態を表示するための表示灯が、前記第1の入出口の近傍に設けられたことを特徴とするエアーシャワー装置。
【0058】
(付記10) 所定の高い清浄度に維持される第1の空間と、
該第1の空間より低い清浄度に維持される第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間との間に設けられた開閉ドアと、
前記第2の空間内において前記開閉ドアに対して設置された、請求項1乃至9記載のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置と
を有することを特徴とするクリーンルーム。
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
請求項1記載の発明によれば、エアーシャワー装置は建屋に作り付けで固定して設置されるものではなく、移動可能な構造体として形成される。したがって、建屋に既設の開閉ドアに対してエアーシャワー装置を容易に設置することができる。
【0059】
請求項2記載の発明によれば、エアーシャワー装置は簡単な構造であり、容易に移動して既存の開閉ドアに対して設置することができる。
【0060】
請求項3記載の発明によれば、エアーシャワー室の空気をフィルタを通過させて清浄化しながら循環してエアーシャワー室に吹き出すことができるため、外部から清浄な空気を供給する必要がなく、送風機に電力を供給するだけでエアーシャワーを発生することができる。
【0061】
請求項4記載の発明によれば、空気通路を骨組み構造体の一部であるパイプ材により形成することで、空気通路を別個に設ける必要がなくなり、エアーシャワー装置の構造をより簡素化することができる。
【0062】
請求項5記載の発明によれば、第1の空間と第2の空間との間に設けられた既設のドアに対してエアーシャワー装置を容易に設置することができ、作業者は第2の空間からエアーシャワー装置が設置された既設のドアを通って第1の空間に入ることができる。これにより保守点検作業等を効率的に行うことができる。
【0063】
付記5記載の発明によれば、ノズルを骨組み構造体の一部であるパイプ材に形成することで、ノズルを形成する部材を別個に設ける必要がなくなり、エアーシャワー装置の構造をより簡素化することができる。
【0064】
付記6記載の発明によれば、塵埃除去用プレフィルタを骨組み構造体の一部であるパイプ材内に配置することで、プレフィルタを配置するための部材を別個に設ける必要がなくなり、エアーシャワー装置の構造をより簡素化することができる。
【0065】
付記7記載の発明によれば、キャスタによりエアーシャワー装置を容易に任意の位置に移動することができる。
【0066】
付記8記載の発明によれば、作業者がエアーシャワー装置に入る際に、操作スイッチを操作して送風機をスタンバイ状態として、エアーシャワー室に入ることができる。
【0067】
付記9記載の発明によれば、エアーシャワー装置が運転中であるか否かを外部から容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的なエアーシャワー装置の正面図である。
【図2】図1に示すエアーシャワー装置の側面図である。
【図3】図1に示すエアーシャワー装置を上方から見た平面図である。
【図4】スルーザウォール方式を採用したクリーンルームに図1に示すエアーシャワー装置を設置した場合の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるエアーシャワー装置の正面図である。
【図6】図5に示すエアーシャワー装置の側面図である。
【図7】図5に示すエアーシャワー装置を上から見た平面図である。
【図8】スルーザウォール方式を採用したクリーンルームに本発明によるエアーシャワー装置を設置した場合の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10 エアーシャワー装置
11 骨組み構造体
11A 壁面
12 HEPAフィルタ
13 送風機
14 空気吹き出し部
14a ノズル
15 プレフィルタ
16 操作スイッチ
17 エアーシャワー空間
18 ドア
19 動作表示灯
20 キャスタ
21 ファスナ
110 クリーンルーム
115a〜115h 半導体製造装置
116 機械室
117,118 ドア
Claims (5)
- クリーンルームに取り付けられるエアーシャワー室と、
該エアーシャワー室に清浄な空気を吹き出しながら前記エアーシャワー室内の空気を循環させるエアーシャワー発生機構と、
前記エアーシャワー室と外部との間に設けられた開閉可能な第1の入出口と、
該入出口が設けられた面以外の面に設けられ、前記エアーシャワー室と連通して外部に開放された第2の入出口と
を有するエアーシャワー装置であって、
前記クリーンルームとは別個の移動可能な構造体であることを特徴とするエアーシャワー装置。 - 請求項1記載のエアーシャワー装置であって、
前記エアーシャワー室は、骨組み構造体に取り付けられた壁面部材により画成され、前記第1の入出口は前記壁面部材に形成された開閉ドアであり、前記第2の入出口は前記壁面部材が設けられない面であることを特徴とするエアーシャワー装置。 - 請求項2記載のエアーシャワー装置であって、
前記エアーシャワー発生機構は、
前記エアーシャワー室の空気を吸い込んで、加圧して送り出す送風機と、
該送風機の吸い込み側に設けられた塵埃除去用プレフィルタと、
前記送風機の吹き出し側に設けられた高性能塵埃除去フィルタと、
前記エアーシャワー室に向けて空気を吹き出すノズルと、
前記高性能塵埃除去フィルタを通過した空気を前記ノズルに導く空気通路と
を含むことを特徴とするエアーシャワー装置。 - 請求項3記載のエアーシャワー装置であって、
前記骨組み構造体はパイプ材により構成され、前記空気通路は前記骨組み構造体の一部であるパイプ材により形成されることを特徴とするエアーシャワー装置。 - 所定の高い清浄度に維持される第1の空間と、
該第1の空間より低い清浄度に維持される第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間との間に設けられた開閉ドアと、
前記第2の空間内において前記開閉ドアに対して設置された、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のエアーシャワー装置と
を有することを特徴とするクリーンルーム。
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