JP2004060860A - ころ軸受、ころ軸受用ころ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ころ端面外周縁部と軌道輪つば部とが接触するころ軸受において、ころがスキューしてもころとつばとの接触部応力が小さくなるようにする。
【解決手段】ころ端面34が接線となるような円弧を母線とする曲面39でころ30の外径面32ところ端面34とを接続した。ころ端面34と曲面39とを総形砥石を用いて同時研削する。
【選択図】 図1
【解決手段】ころ端面34が接線となるような円弧を母線とする曲面39でころ30の外径面32ところ端面34とを接続した。ころ端面34と曲面39とを総形砥石を用いて同時研削する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車、工作機械等に用いられるころ軸受に関し、より詳しくは、ころ軸受用ころ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒ころ軸受が回転運動を行う場合、図7に示すように、円筒ころ30の中心軸と内輪10および外輪(図示省略)の中心軸が非平行つまり角度θをなした状態のまま円筒ころ30が回転する、いわゆるスキューが発生することが避けられない。このとき、スキューしている円筒ころ30はその自転方向に向かって進もうとするため、円筒ころ30にアキシャル荷重を負荷していない場合であっても、円筒ころ30はつば14に力を及ぼしている。
【0003】
このようなスキューが発生した場合、ころ端面34と軌道輪(ここでは内輪10)のつば14の内側面との接触部は、図7に示すように、ころ端面34と面取り36の境界部(ころ端面外周縁部)38とつば14の先端周縁部となっている場合が多い。このとき、円筒ころ30側のエッジ部とつば14側のエッジ部で接触するため、エッジロードが大きくなり、ころ端面外周縁部38とつば14先端部の双方に著しい摩耗、発熱を発生するだけでなく、潤滑不良などの悪条件が重なると円筒ころ軸受の焼付きに至るおそれがある。
【0004】
このため、たとえば特開平7−12133号公報に記載されているように、ころ端面外周縁部38をころ端面34から面取り36まで連続した曲率半径r(図8)で滑らかにつなげ、エッジロードを下げることなども提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この場合であってもスキューしている円筒ころ30と軌道輪(内輪10)のつば14の接触状態は、曲率半径rが非常に小さい曲線、つまり、エッジ部同士の接触であることには変わりがなく、接触部の面圧は依然、高いレベルであると言える。そのため、依然として油膜切れが発生しやすく、摩耗や潤滑不良により温度上昇も高くなるという問題点がある。
【0006】
また、面取りは通常鍛造や旋削によって加工されているため、ころ端面外周縁部38の真円度形状は鍛造または旋削の精度によって決定される。鍛造または旋削精度ではころ端面外周縁部38の真円度形状が悪いため、円筒ころ30がスキューしてころ端面外周縁部38とつば14とが接触して自転している状態では円筒ころ30に振動が起こり、円筒ころ30の姿勢が不安定になっていることが考えられる。円筒ころ30の姿勢が不安定になると、ころ端面34とつば14に摩耗が起こる(特開2001−82464号公報参照)。
【0007】
この発明は、ころ端面外周部と軌道輪つば部とが接触するころ軸受において、ころがスキューしてもころとつばの接触部応力を小さくできるようにすることで、それによって油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ころの外径面ところ端面とを、ころ端面が接線となる円弧(接線R)を母線とした曲面で接続することによって、課題を解決するものである。このような構成を採用することにより、ころの外径面ところ端面との境界部のエッジ形状が緩和され、ころがスキューし、つば先端部と接触する場合であっても、接触部の応力を低減させることが可能となる。
【0009】
また、ころ端面が接線となる円弧を母線とした曲面は、当該曲面ところ端面とに総形砥石を用いて同時研削を施すことで形成することができる。かかる加工を研削によって行うことで、ころ端面外周縁部の真円度形状を向上させ、ころの姿勢を安定させることが可能となる。このとき、研削を施すのは、上記曲面全体であっても、ころ端面近傍の一部であってもよい。ころ端面近傍の一部を研削する場合、研削前の素材に設けた面取り(通常、鍛造または旋削による)と研削による曲面を円弧で連続させ、円弧の途中に不連続部分を設けた形状としてもよい。
【0010】
このようにして、接触部の応力低減ところ姿勢の安定化ができるため、油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することが可能となる。
【0011】
外径面の端部にクラウニング部を有するころの場合、クラウニング部が上記曲面に対して接線をなす形状とすることができる。そのような形状は、たとえば、上記曲面とクラウニング部を総形砥石を用いて同時研削することによって実現する。このとき、研削は、上記曲面の全体であってもクラウニング部近傍の一部であってもよい。また、上記曲面ところ端面とクラウニング部を総形砥石を用いて同時研削することもできる。あるいは、上記曲面ところ端面とを総形砥石を用いて同時研削した後、上記曲面とクラウニング部とを総形砥石を用いて同時研削するようにしてもよい。このとき、上記曲面の円弧の途中に不連続部分を少なくとも1箇所設けた形状とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、円筒ころ軸受を例にとって、この発明の実施の形態を説明する。
【0013】
まず、図1に従って円筒ころ軸受の基本構成を説明する。ここで、図1(a)は外輪にのみつばがある場合(NU形)、図1(b)は内輪にのみつばがある場合(N形)を示している。図1(c)は円筒ころの拡大図、図1(d)は円筒ころの一部をさらに拡大した図である。円筒ころ軸受は、外周面に内輪軌道12を有する内輪10、内周面に外輪軌道22を有する外輪20、内輪軌道12と外輪軌道22との間に転動自在に組み込まれた複数の円筒ころ30、円筒ころ30を等間隔に保持した状態で、内輪軌道12と外輪軌道22との間に回転自在に設けられた保持器40を主要な構成要素としている。
【0014】
内輪軌道12の両端部(図1(b))または外輪軌道22の両端部(図1(a))には一対のつば14または24を形成してある。これらのつば14または24どうしの間隔は、円筒ころ30の軸方向にわたる寸法(ころ長さ)よりもわずかに大きい。したがって、各円筒ころ30は一対のつば14または24により軸方向両側からはさまれ、軸方向への変位を防止される。
【0015】
各円筒ころ30は、転動面32と軸方向両側のころ端面34とを有し、転動面32ところ端面34とは曲面39でなめらかに連続している。曲面39の母線はころ端面を接線とする、曲率半径Rの円弧である。曲面39ところ端面34との境界部がころ端面外周縁部に相当し、符号38で指してある。このような円筒ころ30の輪郭は、図2に示すように、ころ端面34と曲面39全体を総形砥石52を用いた同時研削によって加工することで実現する。さらに、ころ端面34の粗さを向上させるために、ころ端面34に超仕上げ加工を施してもよい。このとき、厳密に言えばころ端面34は曲面39に対して接線ではなくなるが、超仕上げ加工時に境界部に「だれ」が起こるため問題とならない。
【0016】
図3に示す実施の形態は、ころ端面34と曲面39の一部のみを、総形砥石54を用いて同時研削によって加工する。このようにすると研削部の面積が減るため、研削工数が削減できる。このとき、研削前の素材に設けた面取り(通常、鍛造または旋削による)と研削による面取り(曲面39の加工)を途中で連続させ、面取りの円弧の途中に不連続部分35が設けられた形状としてもよく、不連続部分35のエッジはつば14または24と接触しないため問題ない。
【0017】
図4に示す実施の形態は、ころ外径面の端部にクラウニング部37を有する場合であって、ころ端面34と曲面39全体、さらにクラウニング部37を同時加工する。クラウニング37部も曲面39に対して接線をなしている。これにより、曲面39とクラウニング部37との境界部に発生するエッジ応力も低減する。
【0018】
図5に示すように、ころ端面34と曲面39の一部を総形砥石58を用いて同時研削した後、図6に示すように、曲面39の残りの一部とクラウニング部37を総形砥石59を用いて同時研削する。このとき、曲面39の円弧の途中に不連続部分35を少なくとも1箇所以上設けた面取り形状とする。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、ころ端面外周縁部と軌道輪つば部とが接触するころ軸受において、ころがスキューしてもころとつばの接触部応力を小さくでき、したがって、それによって油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは円筒ころ軸受(NU形)の断面図、bは円筒ころ軸受(N形)の断面図、cはa,bにおける円筒ころの拡大図、dはcの円筒ころの部分拡大図である。
【図2】実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図3】別の実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図4】さらに別の実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図5】さらに別の実施の形態における第一工程を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図6】図5に示す第一工程に続く第二工程を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図7】円筒ころ軸受の外輪を取り除いた状態の部分斜視図である。
【図8】従来の円筒ころの部分拡大図である。
【符号の説明】
10 内輪
12 内輪軌道
14 つば
20 外輪
22 外輪軌道
24 つば
30 ころ
32 転動面(外径面)
34 ころ端面
35 不連続部分
37 クラウニング部
38 ころ端面外周縁部
39 曲面
40 保持器
52,54,56,58,59 総形砥石
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車、工作機械等に用いられるころ軸受に関し、より詳しくは、ころ軸受用ころ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒ころ軸受が回転運動を行う場合、図7に示すように、円筒ころ30の中心軸と内輪10および外輪(図示省略)の中心軸が非平行つまり角度θをなした状態のまま円筒ころ30が回転する、いわゆるスキューが発生することが避けられない。このとき、スキューしている円筒ころ30はその自転方向に向かって進もうとするため、円筒ころ30にアキシャル荷重を負荷していない場合であっても、円筒ころ30はつば14に力を及ぼしている。
【0003】
このようなスキューが発生した場合、ころ端面34と軌道輪(ここでは内輪10)のつば14の内側面との接触部は、図7に示すように、ころ端面34と面取り36の境界部(ころ端面外周縁部)38とつば14の先端周縁部となっている場合が多い。このとき、円筒ころ30側のエッジ部とつば14側のエッジ部で接触するため、エッジロードが大きくなり、ころ端面外周縁部38とつば14先端部の双方に著しい摩耗、発熱を発生するだけでなく、潤滑不良などの悪条件が重なると円筒ころ軸受の焼付きに至るおそれがある。
【0004】
このため、たとえば特開平7−12133号公報に記載されているように、ころ端面外周縁部38をころ端面34から面取り36まで連続した曲率半径r(図8)で滑らかにつなげ、エッジロードを下げることなども提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この場合であってもスキューしている円筒ころ30と軌道輪(内輪10)のつば14の接触状態は、曲率半径rが非常に小さい曲線、つまり、エッジ部同士の接触であることには変わりがなく、接触部の面圧は依然、高いレベルであると言える。そのため、依然として油膜切れが発生しやすく、摩耗や潤滑不良により温度上昇も高くなるという問題点がある。
【0006】
また、面取りは通常鍛造や旋削によって加工されているため、ころ端面外周縁部38の真円度形状は鍛造または旋削の精度によって決定される。鍛造または旋削精度ではころ端面外周縁部38の真円度形状が悪いため、円筒ころ30がスキューしてころ端面外周縁部38とつば14とが接触して自転している状態では円筒ころ30に振動が起こり、円筒ころ30の姿勢が不安定になっていることが考えられる。円筒ころ30の姿勢が不安定になると、ころ端面34とつば14に摩耗が起こる(特開2001−82464号公報参照)。
【0007】
この発明は、ころ端面外周部と軌道輪つば部とが接触するころ軸受において、ころがスキューしてもころとつばの接触部応力を小さくできるようにすることで、それによって油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ころの外径面ところ端面とを、ころ端面が接線となる円弧(接線R)を母線とした曲面で接続することによって、課題を解決するものである。このような構成を採用することにより、ころの外径面ところ端面との境界部のエッジ形状が緩和され、ころがスキューし、つば先端部と接触する場合であっても、接触部の応力を低減させることが可能となる。
【0009】
また、ころ端面が接線となる円弧を母線とした曲面は、当該曲面ところ端面とに総形砥石を用いて同時研削を施すことで形成することができる。かかる加工を研削によって行うことで、ころ端面外周縁部の真円度形状を向上させ、ころの姿勢を安定させることが可能となる。このとき、研削を施すのは、上記曲面全体であっても、ころ端面近傍の一部であってもよい。ころ端面近傍の一部を研削する場合、研削前の素材に設けた面取り(通常、鍛造または旋削による)と研削による曲面を円弧で連続させ、円弧の途中に不連続部分を設けた形状としてもよい。
【0010】
このようにして、接触部の応力低減ところ姿勢の安定化ができるため、油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することが可能となる。
【0011】
外径面の端部にクラウニング部を有するころの場合、クラウニング部が上記曲面に対して接線をなす形状とすることができる。そのような形状は、たとえば、上記曲面とクラウニング部を総形砥石を用いて同時研削することによって実現する。このとき、研削は、上記曲面の全体であってもクラウニング部近傍の一部であってもよい。また、上記曲面ところ端面とクラウニング部を総形砥石を用いて同時研削することもできる。あるいは、上記曲面ところ端面とを総形砥石を用いて同時研削した後、上記曲面とクラウニング部とを総形砥石を用いて同時研削するようにしてもよい。このとき、上記曲面の円弧の途中に不連続部分を少なくとも1箇所設けた形状とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、円筒ころ軸受を例にとって、この発明の実施の形態を説明する。
【0013】
まず、図1に従って円筒ころ軸受の基本構成を説明する。ここで、図1(a)は外輪にのみつばがある場合(NU形)、図1(b)は内輪にのみつばがある場合(N形)を示している。図1(c)は円筒ころの拡大図、図1(d)は円筒ころの一部をさらに拡大した図である。円筒ころ軸受は、外周面に内輪軌道12を有する内輪10、内周面に外輪軌道22を有する外輪20、内輪軌道12と外輪軌道22との間に転動自在に組み込まれた複数の円筒ころ30、円筒ころ30を等間隔に保持した状態で、内輪軌道12と外輪軌道22との間に回転自在に設けられた保持器40を主要な構成要素としている。
【0014】
内輪軌道12の両端部(図1(b))または外輪軌道22の両端部(図1(a))には一対のつば14または24を形成してある。これらのつば14または24どうしの間隔は、円筒ころ30の軸方向にわたる寸法(ころ長さ)よりもわずかに大きい。したがって、各円筒ころ30は一対のつば14または24により軸方向両側からはさまれ、軸方向への変位を防止される。
【0015】
各円筒ころ30は、転動面32と軸方向両側のころ端面34とを有し、転動面32ところ端面34とは曲面39でなめらかに連続している。曲面39の母線はころ端面を接線とする、曲率半径Rの円弧である。曲面39ところ端面34との境界部がころ端面外周縁部に相当し、符号38で指してある。このような円筒ころ30の輪郭は、図2に示すように、ころ端面34と曲面39全体を総形砥石52を用いた同時研削によって加工することで実現する。さらに、ころ端面34の粗さを向上させるために、ころ端面34に超仕上げ加工を施してもよい。このとき、厳密に言えばころ端面34は曲面39に対して接線ではなくなるが、超仕上げ加工時に境界部に「だれ」が起こるため問題とならない。
【0016】
図3に示す実施の形態は、ころ端面34と曲面39の一部のみを、総形砥石54を用いて同時研削によって加工する。このようにすると研削部の面積が減るため、研削工数が削減できる。このとき、研削前の素材に設けた面取り(通常、鍛造または旋削による)と研削による面取り(曲面39の加工)を途中で連続させ、面取りの円弧の途中に不連続部分35が設けられた形状としてもよく、不連続部分35のエッジはつば14または24と接触しないため問題ない。
【0017】
図4に示す実施の形態は、ころ外径面の端部にクラウニング部37を有する場合であって、ころ端面34と曲面39全体、さらにクラウニング部37を同時加工する。クラウニング37部も曲面39に対して接線をなしている。これにより、曲面39とクラウニング部37との境界部に発生するエッジ応力も低減する。
【0018】
図5に示すように、ころ端面34と曲面39の一部を総形砥石58を用いて同時研削した後、図6に示すように、曲面39の残りの一部とクラウニング部37を総形砥石59を用いて同時研削する。このとき、曲面39の円弧の途中に不連続部分35を少なくとも1箇所以上設けた面取り形状とする。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、ころ端面外周縁部と軌道輪つば部とが接触するころ軸受において、ころがスキューしてもころとつばの接触部応力を小さくでき、したがって、それによって油膜切れが発生せず、温度上昇が低く摩耗が発生しないころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは円筒ころ軸受(NU形)の断面図、bは円筒ころ軸受(N形)の断面図、cはa,bにおける円筒ころの拡大図、dはcの円筒ころの部分拡大図である。
【図2】実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図3】別の実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図4】さらに別の実施の形態を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図5】さらに別の実施の形態における第一工程を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図6】図5に示す第一工程に続く第二工程を示すころ端面と総形砥石の部分断面図である。
【図7】円筒ころ軸受の外輪を取り除いた状態の部分斜視図である。
【図8】従来の円筒ころの部分拡大図である。
【符号の説明】
10 内輪
12 内輪軌道
14 つば
20 外輪
22 外輪軌道
24 つば
30 ころ
32 転動面(外径面)
34 ころ端面
35 不連続部分
37 クラウニング部
38 ころ端面外周縁部
39 曲面
40 保持器
52,54,56,58,59 総形砥石
Claims (7)
- ころ端面を接線とする円弧を母線とする曲面でころ端面と転動面とをつないだことを特徴とするころ軸受用ころ。
- 転動面の端部にクラウニング部を有し、前記クラウニング部が前記曲面に対して接線をなすことを特徴とする請求項1に記載のころ軸受用ころ。
- 請求項1または2に記載されたころを用いたころ軸受。
- ころ端面を接線とする円弧を母線とする曲面でころ端面と転動面とをつないだころ軸受用ころの製造方法であって、前記曲面ところ端面とを総形砥石を用いて同時研削することを特徴とするころ軸受用ころの製造方法。
- 転動面の端部にクラウニング部を有し、前記クラウニング部が前記曲面に対して接線をなすころ軸受用ころの製造方法であって、前記曲面とクラウニング部とを総形砥石を用いて同時研削することを特徴とするころ軸受用ころの製造方法。
- 前記曲面ところ端面とクラウニング部とを総形砥石を用いて同時研削することを特徴とする請求項5に記載のころ軸受用ころの製造方法。
- 前記曲面ところ端面とを総形砥石を用いて同時研削した後、前記曲面とクラウニング部とを総形砥石を用いて同時研削することを特徴とする請求項5に記載のころ軸受用ころの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223449A JP2004060860A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ころ軸受、ころ軸受用ころ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223449A JP2004060860A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ころ軸受、ころ軸受用ころ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004060860A true JP2004060860A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31943197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002223449A Pending JP2004060860A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ころ軸受、ころ軸受用ころ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004060860A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006035620A1 (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Ntn Corporation | 円筒ころ軸受 |
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