JP2004059696A - 親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子およびその合成方法 - Google Patents

親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子およびその合成方法 Download PDF

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長井 勝利
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Abstract

【課題】機能性微粒子を製造するための素材として有用な反応性微粒子、および該微粒子の製造法の提供
【解決手段】末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーの存在下に反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーおよび微粒子形成性の付加重合性不飽和基を有するモノマーを分散重合して末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンに対する対カチオンから成る親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法、および該方法を応用して得られた親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水基と反応性のエポキシ基を表面に有する反応性高分子微粒子、特に、末端にアニオン性電荷を有するノニオン性のポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンと対をなすカチオンを有する親水基を持つ反応性乳化剤を用いて、反応性のエポキシ基を持つ付加重合性モノマーの共存する条件でスチレン(核形成モノマー)およびスチレン誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を分散重合することにより得られる表面に前記反応性のエポキシ基と前記反応性乳化剤の親水性基を有する高分子微粒子に関する。該微粒子は、該表面に親水基を有することにより、前記反応性のエポキシ基との反応により抗体、酵素などの機能性セグメントを導入する際または疎水性の反応性化合物と反応させる際、前記反応性のエポキシ基に前記機能性セグメントを有する基、または疎水性の反応性化合物が特異的に結合して高性能の機能性が付与された微粒子、または高精度の反応生成物を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な素材の微粒子の開発が行われ、前記微粒子表面を高機能、高性能、高付加価値を付与するように修飾した製品を得るためのベース材料として量産されている。特にミクロンオーダーの単分散粒子は、各種分析用カラム充填材、液晶ディスプレー用スペーサー、複写機・プリンター用トナー、診断薬担体、ドラッグキャリヤー担体など様々な用途に活用されている。今後、更に機能性を高めた粒子を得るための基礎材料としてさらに用途の拡大が期待されている。高分子を素材とする微粒子に新しい機能を付与する方法の1つとして、粒子表面に存在する種々の官能基を利用して、機能性の基を導入する方法が利用される。このような方法に利用される表面に官能基を持つミクロンサイズの反応性高分子微粒子を合成する方法は、シード重合法による粒子表面への反応基の導入による方法が一般的であった。この方法は、例えば、分散重合法で作製されたミクロンサイズのポリスチレン微粒子の存在下で、スチレンとクロロメチルスチレン、あるいはジビニルベンゼンのシード分散共重合を行い、粒子表面にクロロメチル基やビニル基などの反応基を導入してミクロンサイズの単分散反応性高分子微粒子を得るものである。
【0003】
また、対応する官能基を持つモノマーと共重合させて、ワンステップで前記官能基を有する単分散反応性高分子微粒子を合成する方法としては、前記官能基を持つモノマーの存在下で分散共重合させることが考えられる。しかしながら、分散重合ではポリマーの析出状態が粒子径やその単分散性に大きく影響を及ぼすために反応溶媒に対する溶解性の大きく異なる反応性基を有する極性モノマーとの分散共重合により反応性基を有するミクロンサイズの単分散粒子を合成することは難しいのではないかと考えられていたため、あまり研究されてこなかった。このような中で、Tseng等は分散共重合により、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基のような機能性基を少量含む単分散ポリスチレン粒子を合成している〔文献1;C.M.Tseng,Y.Y.Lu,M.S.EI−Aasser,J.W.Vanderhoff,J.Polym.Sci.:Part A:Polym.Chem.,24,2995(1986)〕。また、W.YangやJ.Huらは分散共重合によりスチレン/グリシジルメタクリレートとスチレン/アクリルアミドコポリマーの単分散の微粒子を合成している〔文献2;W.Yang,D.Yang,J.Hu,C.Wang,S.Fu,J.Polym.Sci.:Part A:Polym.Chem.,39,555(2001)〕。さらにスチレンとアクリル酸、メタクリル酸のような水溶性モノマーやメタクリル酸メチル、メタクリル酸のような親水性モノマーなどのビニルモノマーとの分散共重合について研究している。しかしこのようにして得られた反応性微粒子の特性、例えばカルボキシル基の反応特異性などについての特性の評価がされていない。
【0004】
一方、半田宏らのグループは、V−50〔2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride〕を開始剤として、スチレン(ST)とグリシジルメタクリレート(GMA)および架橋剤であるジビニルベンゼン(DVB)の3者をソープフリーで乳化共重合して、表面にスチレンが露出している疎水性のビーズを製造する工程、および前記製造のビーズをGMAのみの追加重合をして、ビーズ表面を完全にポリ(GMA)で被覆する工程から成る2段階法によりサブミクロンオーダーで、表面への付着による非特異的吸着の少ない、反応特異性が向上したビーズを製造する技術が提案されている。そして、前記反応特異性の向上はビーズ表面が完全にポリ(GMA)により被覆されていることによるものと推測している(文献2;微粒子・粉体の最先端技術;川口春馬監修、株式会社シーエムシー、2000年11月1日発行、186頁)。
【0005】
また、本発明者は、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成する付加重合性不飽和基を有するモノマーの存在下で極性基を持った付加重合性不飽和基を有するモノマーを極性基を持たないモノマーと共重合すると、量論的に極性基を持ったモノマーが得られることを見出し、発表している。そして、その際形成された微粒子表面に前記親水基が存在することを開示している(文献3;微粒子・粉体の最先端技術;川口春馬監修、株式会社シーエムシー、2000年11月1日発行、23〜33頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、基本的には、微粒子表面に機能性を付与する修飾処理、特に疎水性の試薬による前記処理において、高い反応特異性を有する微粒子を提供することであり、更に前記微粒子を一段法により得る方法を提供することである。本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討する中で、前記反応性乳化剤の存在下においては、極性基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーを疎水性モノマーと共重合する際において、反応溶媒に対する溶解性が異なるにもかかわらず前記極性基が合成される微粒子の表面に定量的に導入さることを利用し、微粒子表面に疎水性部分が現れないようにすれば、機能性基の導入の際、疎水的な非特異的吸着が起こらないようにすることができるのではないかと考えた。
そこで、前記末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーの存在下に反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーおよび微粒子形成性の付加重合性不飽和基を有するモノマーを分散重合したところ、微粒子表面が前記親水基により親水性にされ、かつ前記反応性のエポキシ基を持つ反応性高分子微粒子が得られることを発見し、前記課題を解決することができた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子である。好ましくは、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基及び反応性のエポキシ基は前記親水基及び反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーをスチレンおよびスチレン誘導体から選択される少なくとも1種と前記親水基を有するモノマーを立体安定剤として分散重合により得られたものであることを特徴とする前記反応性高分子微粒子であり、より好ましくは、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成する付加重合性不飽和基を有するモノマーが一般式1の化合物であることを特徴とする前記反応性高分子微粒子であり、
【0008】
【化4】
Figure 2004059696
【0009】
(nは、5〜50の整数、mは3以上の整数)
【0010】
【化5】
Figure 2004059696
【0011】
(nは、5〜50の整数、mは3以上の整数、ZはNaまたはNHである。)
【0012】
【化6】
Figure 2004059696
【0013】
(ZはNaまたはNH、nは、5〜50の整数である。)
一層好ましくは、反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーはメタクリル酸グリシジルまたは/およびアクリル酸グリシジルであることを特徴とする前記各反応性高分子微粒子である。より一層好ましくは、反応性高分子微粒子のサイズが0.5μm〜10μmのミクロンサイズの単分散であることを特徴とする前記各反応性高分子微粒子である。
【0014】
本発明の第2は、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーの存在下に反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーおよび微粒子形成性の付加重合性不飽和基を有するモノマーを分散重合して末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法である。好ましくは、末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンに対する対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーが上記一般式1〜3の化合物であることを特徴とする前記親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法であり、より好ましくは、反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーはメタクリル酸グリシジルまたは/およびアクリル酸グリシジルであることを特徴とする前記各親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法であり、一層好ましくは、反応溶媒が炭素数1〜3のアルコールと水の均一混合溶媒であることを特徴とする前記各反応性高分子微粒子を製造する方法である。
【0015】
【本発明の実施の態様】
本発明の図1の模式図で示される表面に親水性基およびエポキシ基を持った反応性微粒子の合成を説明する。
A.微粒子の核を形成するモノマーは、スチレンおよびα−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体などを挙げることができる。基本的には公知のミクロンサイズの微粒子形成に用いられるエチレン性重合不飽和基を有するモノマーを用いることができる。
【0016】
B.本発明の反応性の微粒子を分散重合により安定に生成させ、かつ、表面に親水基を導入するのに用いられるモノマーとしては請求項に記載のものを好ましい化合物として挙げることができる。特に一般式1のものが好ましい。
この化合物の使用によって、形成される微粒子の表面に配置される親水基と反応性のエポキシ基を制御された立体配置とすることができる。
C.本発明の反応性の微粒子を分散重合により安定に生成させ反応溶媒としては、水を一成分とし、基本的には水と混和し、反応成分を溶解する溶媒を用いることができるが、炭素数3以下のアルコールを特に好ましいものとして挙げることができる。溶媒は生成する粒子の粒径に影響する重要なパラメーターである。例えば、アルコールと水の混合割合は9:1〜5:5とすることができ、アルコールの割合の粒径に及ぼす特性は、アルコールが多いほど粒径は大きくなる。
【0017】
D.重合における温度は、40〜80℃の範囲が重合の進行および粒子生成の観点から好ましく、温度は反応性微粒子の製造において収率および粒径に影響を及ぼす。
E.重合開始剤としては、実施例で挙げたアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)に代えて、過酸化ベンゾイル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド〕を用いることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この例示により本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0019】
使用試薬の説明;
1.アクアロンHS−n(n=10、20);第一工業製薬(株)製をそのまま使用した。
2.スチレン(ST):市販品(和光純薬工業(株)製特級品)を1N−NaOH水溶液で3回洗浄し、さらにイオン交換水で3回洗浄した。これに水素化カルシウムで一晩脱水後、無水硫酸ナトリウムで3日間脱水後、減圧蒸留して生成したものを使用した。
3.グリシジルメタクリレート(GMA);市販品〔和光純薬工業(株)製特級品〕を1N−NaOH水溶液で3回洗浄し、亜硫酸ナトリウムで3回洗浄し、飽和食塩水で3回洗浄し、さらにイオン交換水で3回洗浄した。これに水素化カルシウムで一晩脱水後、無水硫酸ナトリウムで3日間脱水後、減圧蒸留して精製したものを使用した。
4.2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):市販品〔和光純薬工業(株)製特級品〕をそのまま使用した。
5.エタノール(EtOH):市販品〔関東化学(株)製一級品〕エタノール100mLに対してマグネシウム5g、四塩化炭素数滴加え、モレキュラーシーブス3Aを加え、2時間還流後、常圧蒸留して精製したものを使用した。
6.メタノール(MeOH):市販品〔純正化学工業(株)製一級品〕メタノール100mLに対してマグネシウム5g、四塩化炭素数滴加え、モレキュラーシーブス3Aを加え、2時間還流後、常圧蒸留して精製したものを使用した。
7.イオン交換水:オルガノ(株)製純水製造装置により得られた電気伝導度0.2μS/cm以下の超純水を更にミリポア(Millipore)社製イオン交換水製造装置に通したものを使用した。
8.DAB−Am−8 ポリプロピレンイミン オクタアミン デンドリマー(DAB−Am−8):市販品〔アルドリッチ(Aldrich)社製〕をそのまま使用した。
9.DAB−Am−64 ポリプロピレンイミン テトラヘキサコンタアミン デンドリマー(DAB−Am−64):市販品〔アルドリッチ(Aldrich)社製〕をそのまま使用した。
10.フルオレスカミン:市販品〔東京化成工業(株)製〕をそのまま使用した。
【0020】
【実施例】
実施例1
一括仕込み法(バッチ法)のよる合成;
基本条件;
窒素導入用キャピラリー、還流冷却管およびメカニカルスターラーを取り付けた100mLの三口フラスコに、エタノール/水混合溶媒(水の割合が30%)40mL、精製スチレン(ST)、精製グリシジルメタクリレート(GMA)、反応性乳化剤HS−10(n=10)、および重合開始剤2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を入れ、15分間窒素でバブリングを行い、撹拌速度200回転/分で撹拌しながら、70℃で24時間分散重合を行った。重合後、100メッシュのふるいで凝集物を分離しラテックスを得る。
分離したラテックスには未反応物を含んでいるため、孔径0.1μmのフィルターで濾過を行った後、メタノールに分散させ、濾過を行った。これを3回繰り返した後、真空乾燥して精製ラテックスを得た。
【0021】
ラテックス粒子の粒径は、走査電子顕微鏡〔SEM:日本電子(株)製JSM−5310〕を用いて測定した。
測定のために、試料にイオンスパッタリング装置(JEOL JFC−1100)を用い、1.2kV,6mAの条件で金スパッタリング行い、金膜厚を50〜60Åとした。SEMによる粒子の粒径の測定は、3500倍で前記処理ラテックス粒子を撮影し、その約100個の粒子を実際に測定し、数平均粒子径Dn、体積平均粒子径Dv、および変動係数Cvを求めた。
【0022】
A)前記基本条件の下に、STの仕込量を40mmolとした時のGMA濃度に対する収率、粒子径、変動係数の関係を表1に示す。
GMAの仕込量を0.8mmol〜1.0mmolに増加させると、粒径が1.3μm〜1.37μmに増加し、変動係数は2.2%〜3%に増大したが、単分散粒子がえられた。GMAの仕込量が1.3mmolの時、粒子が凝集した。
【0023】
【表1】
Figure 2004059696
【0024】
B)前記基本条件の下に、STの仕込量を60mmolとした時のGMA濃度に対する収率、粒子径、変動係数の関係を表2に示す。
GMAの濃度の増加により、粒径も増加し、変動係数も増大し、やや多分散な粒子となった。このことは、ST単独重合系の場合と異なり、共重合系では析出する臨界鎖長が長鎖になり、核形成期間が長くなることによるものと推測された。ただ、ST濃度を増加させることにより、添加できるGMAも増加した。
【0025】
【表2】
Figure 2004059696
【0026】
C)前記基本条件の下に、STの仕込量60mmolで、HS−10の仕込量をSTに対して4重量%とした系でのGMA濃度に対する収率。粒子径、変動係数の関係を表3に示す。図2にHS−10の仕込量をSTに対して4重量%および5重量%とした場合における粒子径、変動係数の関係を示す。GMA濃度に対する粒子径の関係は同じ傾向を示した。
【0027】
【表3】
Figure 2004059696
【0028】
実施例2
後添加法(セミバッチ法)による合成;
実施例1と同様の反応容器に、エタノール/水混合溶媒(水の割合30%)40mL、精製スチレン(ST)60mmol(6.24g)、精製グリシジルメタクリレート(GMA)1mmol(0.14g)、反応性乳化剤HS−10(n=10)0.39mmol(0.312g)、および重合開始剤AIBNを3mmol(0.492g)を入れ、15分間窒素でバブリングを行い、撹拌速度200回転/分で撹拌しながら、70℃で分散重合を行った。重合開始後2時間後に、表4に示す量のGMAとエタノール/水混合溶媒(水の割合30%)を5mLを滴下して加え、全体で24時間重合を行った。重合後、100メッシュのふるいで凝集物を分離しラテックスを得た。
分離したラテックスには未反応物を含んでいるため、孔径0.1μmのフィルターで濾過を行った後、メタノールに分散させ、濾過を行った。これを3回繰り返した後、真空乾燥して精製ラテックスを得た。
ラッテクスの粒径は実施例1と同様に測定した。数平均粒子径Dn、体積平均粒径Dv、および変動係数Cvを表4に示す。
【0029】
【表4】
Figure 2004059696
【0030】
参考例1;前記実施例で合成した微粒子表面のエポキシ基の確認と定量。
前記合成微粒子を0.5gを1mMのアミノ基を8つ持つデンドリマーであるDAB−Am−8 ポリプロピレンイミン オクタアミン デンドリマー(DAB−Am−8)(アルドリッチ(Aldrich)社製)を溶解させたメタノール溶液10mLに分散させて撹拌し、25℃で、24時間反応させた。この時エポキシ基に対して前記デンドリマーの量が大過剰になるように加えた。反応後メタノールで洗浄、濾過を3回繰り返し、未反応のデンドリマーを取り除き、真空乾燥した。
【0031】
蛍光分光法を用いて、微粒子表面のエポキシ基とデンドリマーとの反応による一級アミノ基をフルオレスカミンとの反応により確認と定量を行った。フルオレスカミンは一級アミノ基と反応し、蛍光物質を生成するので、アミノ化微粒子とフルオレスカミンとの反応での生成物の蛍光スペクトルを励起波長390nmで測定した。アミノ化粒子のフルオレスカミンとの反応前と反応後の蛍光スペクトルを図3に示す。蛍光波長480nmでのピークが増大しており、微粒子のエポキシ基がデンドリマーとの反応によって、アミノ化されていることを確認した。次いで、所定濃度に調製したDAB−Am−8・フルオレスカミン/メタノール溶液を作製して、蛍光波長480nmでの蛍光強度について検量線を作成し、この検量線を用いてアミノ化微粒子上のアミノ基の定量を行った。これにより得られたアミノ基数から、エポキシ基1個に対してデンドリマー1分子反応すると仮定して粒子1個当たりのエポキシ基数を算出した。以上により本発明の微粒子は、その表面に高濃度のエポキシ基が存在することを確認した。
【0032】
参考例3
図4に、得られた反応性微粒子をDAB−Am−64 ポリプロピレンイミン テトラヘキサコンタアミン デンドリマー(DAB−Am−64)でアミノ化した粒子をフルオレスカミンと反応させた生成物の蛍光強度を、DAB−Am−8を用いた場合と対比して示した。デンドリマーのアミノ基数に対応して、アミノ基が多い前者のアミノ化粒子の方が蛍光強度が大きくなっている。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の反応性微粒子は性能の良い、機能性微粒子を製造するための素材として有用であり、本発明の反応性微粒子の合成法は前記精度の良い反応性微粒子の合成法として有用である、という優れた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応性微粒子の模式図
【図2】HS−10の仕込量をSTに対して4重量%および5重量%とした場合における、GMA濃度に対する粒子径の関係
【図3】アミノ化微粒子のフルオレスカミンとの反応前後の蛍光スペクトル強度と波長の関係
【図4】得られた反応性微粒子をDAB−Am−64またはDAB−Am−8でアミノ化した粒子をフルオレスカミンと反応させた生成物の蛍光強度

Claims (9)

  1. 末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子。
  2. 末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基及び反応性のエポキシ基は前記親水基及び反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーをスチレンおよびスチレン誘導体から選択される少なくとも1種と前記親水基を有するモノマーを立体安定剤として分散重合して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の反応性高分子微粒子。
  3. 末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成する付加重合性不飽和基を有するモノマーが一般式1〜3の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の反応性高分子微粒子。
    Figure 2004059696
    (nは、5〜50の整数、mは3以上の整数、ZはNaまたはNH
    Figure 2004059696
    (nは、5〜50の整数、mは3以上の整数、ZはNaまたはNHである。)
    Figure 2004059696
    (ZはNaまたはNH、nは、5〜50の整数である。)
  4. 反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーがメタクリル酸グリシジルまたは/およびアクリル酸グリシジルであることを特徴とする請求項2または3に記載の反応性高分子微粒子。
  5. 反応性高分子微粒子のサイズが0.5μm〜10μmのミクロンサイズの単分散であることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載の反応性高分子微粒子。
  6. 末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーの存在下に反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーおよび微粒子形成性の付加重合性不飽和基を有するモノマーを分散重合して末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンに対する対カチオンから成る親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法。
  7. 末端にアニオン性基を有するポリエチレンオキシド鎖と前記アニオンの対カチオンから成る親水基を有する反応性乳化剤を構成するモノマーが上記一般式1の化合物であることを特徴とする請求項5に記載の親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法。
  8. 反応性のエポキシ基を有する付加重合性不飽和基を有するモノマーはメタクリル酸グリシジルまたは/およびアクリル酸グリシジルであることを特徴とする請求項5または6に記載の親水基と反応性のエポキシ基を表面に持つ反応性高分子微粒子を製造する方法。
  9. 反応溶媒が炭素数1〜3のアルコールと水の均一混合溶媒であることを特徴とする請求項6、7または8に記載の反応性高分子微粒子を製造する方法。
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