JP2004058728A - タイヤ/ホイール組立体 - Google Patents

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Mitsuo Ikeda
池田 三雄
Takashi Uehara
上原 剛史
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】周方向溝を有する空気入りタイヤを使用したタイヤ/ホイール組立体において、耐久性を向上することが可能なタイヤ/ホイール組立体を提供する。
【解決手段】トレッド面2Aにタイヤ周方向に延在する周方向溝2Bを設けた空気入りタイヤ2をリム1に装着し、空気入りタイヤ2の空洞部2Yに、ランフラット走行時に空気入りタイヤ2の内面2aを支持する環状の支持面6aを外周側に設けたランフラット用中子3を配置したタイヤ/ホイール組立体であり、環状の支持面6の両エッジeをホイール径方向に見て周方向溝2Bと一致しないようにホイール回転中心軸方向にずらしている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランフラット用中子を装着したタイヤ/ホイール組立体に関し、さらに詳しくは、耐久性を改善するようにしたタイヤ/ホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行中に空気入りタイヤがパンクした場合でも、数百km程度の緊急走行を可能にするようにする技術が市場の要請から多数提案されている。これら多数の提案のうち、リム組みされた空気入りタイヤの空洞部内側のリム上に、T字やI字状などに形成した金属や樹脂などの剛性材からなる環状のランフラット用中子を装着し、その中子の外周側支持面によってパンクしたタイヤの内面を支持することによりランフラット走行を可能にする技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、このようなランフラット用中子を装着したタイヤ/ホイール組立体において、トレッドパターンの異なる空気入りタイヤを用いてタイヤが破壊するまでのランフラット走行距離をそれぞれ調べてみると、トレッドパターンによってその走行距離が大きく相違し、特にトレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤを用いたタイヤ/ホイール組立体におけるランフラット走行時の距離が短く、耐久性が低いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、トレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤを使用したタイヤ/ホイール組立体において、耐久性を向上することが可能なタイヤ/ホイール組立体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ/ホイール組立体は、トレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤをホイールのリムに装着し、該空気入りタイヤの空洞部に、ランフラット走行時に前記空気入りタイヤの内面を支持する環状の支持面を外周側に設けたランフラット用中子を配置したタイヤ/ホイール組立体において、前記環状の支持面の両エッジをホイール径方向に見て前記周方向溝と一致しないようにホイール回転中心軸方向にずらしたことを特徴とする。
【0006】
上述した本発明によれば、ランフラット走行時に両エッジがトレッド部の厚肉部分に当接した状態で支持面が空気入りタイヤの内面を支持するので、周方向溝における破壊の発生を抑制して耐久性を向上することが可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体(車輪)の要部を示す子午線断面図であり、1はホイール外周のリム、2は空気入りタイヤ、3はランフラット用中子である。
【0008】
空気入りタイヤ2は、トレッド面2Aにタイヤ周方向に沿ってストレート状に延在する複数の周方向溝2Bが設けられ、これら周方向溝2B間にリブ2Rが区分形成されている。リム1、空気入りタイヤ2、ランフラット用中子3は、図示しないホイールの回転中心軸を中心として共軸に環状に形成され、リム1に装着した空気入りタイヤ2の空洞部2Yにランフラット用中子3を配置した構成になっている。
【0009】
ランフラット用中子3は、円筒状のベース部4と、このベース部4の外周面4a上に突設した環状のリング部5と、このリング部5の外周側に環状に配設した支持部6とからなる断面I字状の環状体に構成され、金属、合成樹脂、繊維補強樹脂などの剛性材から一体的に形成されている。
【0010】
支持部6の外周面がランフラット走行時に空気入りタイヤ2の内面2aを支持する支持面6aになっている。この環状の支持面6aは、ランフラット走行時に支持する空気入りタイヤ2の内面2aと略同一形状に形成されている。
【0011】
支持面6aの両エッジe,eは、ホイール径方向に見て周方向溝2Bと一致しないようにホイール回転中心軸方向(図の左右方向)にずらした構成になっている。上記ランフラット用中子3は、中子支持体7を介してリム1に固定するようにしている。
【0012】
本発明者らは、トレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤを用いたタイヤ/ホイール組立体において、ランフラット走行時の空気入りタイヤの破壊状態を観察すると、いずれも周方向溝に沿って破壊が発生し、ランフラット走行を不能にしていた。
【0013】
そこで、周方向溝とランフラット用中子の関係を調べてみると、タイヤを支持する支持面のエッジがホイール径方向に見た際にトレッド部で最も厚さが薄くなる部分である周方向溝と重なり、ランフラット走行時にそのエッジによりトレッド部の薄肉部分に高い応力集中を招くため、タイヤ破壊が早まり、ランフラット走行距離を短くする原因になっていることがわかった。
【0014】
このような知見に基づき、本発明では、上述したように環状の支持面6aの両エッジe,eをホイール径方向に見て周方向溝2Bと一致しないようにホイール回転中心軸方向にずらしたのである。これにより、ランフラット走行時に支持面6aの両エッジe,eがトレッド部2Dのリブ2Rの部分(厚肉部分)に当接するようになるので、周方向溝2Bでの破壊を抑制し、耐久性を向上することができる。
【0015】
図2は、本発明のタイヤ/ホイール組立体の他の例を示し、上述した図1のタイヤ/ホイール組立体において、ランフラット走行時に空気入りタイヤ2の内面2aを支持する支持部6を、ベース部4の外周面の両側2箇所に設けたものである。ベース部4の内周側にゴムや弾性樹脂などの弾性材から構成した左右の弾性リング10,10が突設され、この弾性リング10,10を中子支持体としてリム1に嵌合固定するようになっている。このような支持部6を複数有するランフラット用中子3であっても、支持面6aの各エッジeを上記のようにすることで、同様の効果を得ることができる。
【0016】
本発明において、周方向溝2B,2B間に位置する支持面6aの各エッジeの位置としては、周方向溝2Bの開口端2B1間のホイール回転軸方向長さ(タイヤ幅方向におけるリブ幅)Lの1/4以上開口端2B1からホイール回転中心軸方向において離間させるようにするのが、耐久性をより効果的に改善する上で好ましい。望ましくは、開口端2B1間の中央部(リブ2Rの中央部)に位置させるのがよい。
【0017】
また、図2に示す最外側の両周方向溝2Bよりタイヤ外側に位置する支持面6aのエッジeの位置は、最外側の周方向溝2Bのタイヤ外側の開口端2B1とトレッド面2Aの接地端Qとの間のホイール回転軸方向長さMの1/4以上上記開口端2B1からタイヤ外側に離間させるのがよい。望ましくは、最外側の周方向溝2Bのタイヤ外側の開口端2B1とトレッド面2Aの接地端Qとの間の中央部に位置させるのがよい。
【0018】
なお、ここで言う接地端Qとは、タイヤ/ホイール組立体に空気圧を200kPa充填し、JATMA(JATMA YEAR BOOK 2001)に記載される最大負荷能力の80%の荷重を加えた状態におけるトレッド面2Aの接地端である。
【0019】
上記各エッジeの位置は、パンクしてエアが抜けたランフラット走行状態になった際に、周方向溝2Bがホイール回転中心軸方向における位置変化をほとんど起こさずにタイヤが縮径した状態になるため、パンク前のエア充填状態にあるタイヤの状態で決められるが、ランフラット走行状態になったタイヤを基準にしてもよい。
【0020】
上記実施形態では、周方向溝2Bがストレート状の例を示したが、図3に示すように、ジグザグ状の溝であってもよい。その場合も、支持面6aの各エッジeの位置を上記のようにホイール回転軸方向長さL,Mの1/4以上開口端2B1から離間させるのがよい。なお、このように周方向2Bがジグザグ状の場合には、ジグザグ状に延在する左右の開口端2B1のジグザグ幅中心位置Aを、頂線x,xの位置を決めるための開口端位置とする。
【0021】
また、上記実施形態では、トレッド面2Aに周方向溝2Bにより区分されたリブ2Rを設けた空気入りタイヤ2を例示したが、周方向溝と横溝によりブロックを区画形成したブロックパターンを有する空気入りタイヤであっても、上述したランフラット用中子3を用いることにより同様の効果を得ることができる。
【0022】
上述したランフラット用中子3は、中子支持体7や弾性リング10によりリム1に固定するものに限定されず、リム1に直接固定するものであってもよく、またリム1に取り付けたスライド台座上に設置されるものであってもよく、外周側に空気入りタイヤ2の内面2aを支持する環状の支持面6aを有し、その両側にエッジeを備えたランフラット用中子であればよい。
【0023】
【実施例】
タイヤサイズを205/55R16、リムサイズを16×6 1/2JJで共通にし、ランフラット用中子の支持面の各エッジを周方向溝間の略中央に位置させた図1に示す構成の本発明のタイヤ/ホイール組立体(実施例)と、本発明のタイヤ/ホイール組立体において、支持面の各エッジを周方向溝に一致させた従来のタイヤ/ホイール組立体(従来例)をそれぞれ作製した。
【0024】
両試験タイヤ/ホイール組立体を以下に示す測定方法により、耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐久性
各試験タイヤ/ホイール組立体を空気圧0kPa の状態で排気量2.5リットルの乗用車の前右輪に装着し、時速90kmでテストコースを走行した際に、走行不能になった距離を測定し、その結果を従来のタイヤ/ホイール組立体を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、耐久性が優れている。
【0025】
なお、後右輪以外は、上記と同じサイズのタイヤとリムを使用し、その空気圧は200kPa にした。
【0026】
【表1】
Figure 2004058728
表1から、本発明のタイヤ/ホイール組立体は、耐久性を改善できることがわかる。
【0027】
【発明の効果】
上述したように本発明は、支持面の両エッジをホイール径方向に見て周方向溝と一致しないようにホイール回転中心軸方向にずらしたので、トレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤを使用したタイヤ/ホイール組立体の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を示す子午線断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を示す子午線断面図である。
【図3】本発明のタイヤ/ホイール組立体に使用される空気入りタイヤの周方向溝の他の例を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1(ホイールの)リム      2 空気入りタイヤ
2A トレッド面        2B 周方向溝
2B1 開口端         2Y 空洞部
3 ランフラット用中子     6 支持部
6a 支持面          L,M ホイール回転中心軸方向長さ
e エッジ

Claims (2)

  1. トレッド面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を設けた空気入りタイヤをホイールのリムに装着し、該空気入りタイヤの空洞部に、ランフラット走行時に前記空気入りタイヤの内面を支持する環状の支持面を外周側に設けたランフラット用中子を配置したタイヤ/ホイール組立体において、前記環状の支持面の両エッジをホイール径方向に見て前記周方向溝と一致しないようにホイール回転中心軸方向にずらしたタイヤ/ホイール組立体。
  2. 前記空気入りタイヤはトレッド面に複数の周方向溝を有し、該周方向溝間に位置する前記支持面のエッジを前記周方向溝の開口端間のホイール回転軸方向長さLの1/4以上前記開口端からホイール回転中心軸方向において離間させた請求項1に記載のタイヤ/ホイール組立体。
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