JP2004058372A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録速度を犠牲にすることなく、任意にインクリフレッシュできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【解決手段】記録動作中に吐出周波数を一時的に変更して、通常モードからリフレッシュ吐出モードへ切り替える。リフレッシュ吐出モード中に吐出されたリフレッシュ用インク液滴は偏向されて回収手段により回収される。一方、リフレッシュ吐出モード中に吐出された複数の記録用インク液滴は偏向されて記録媒体に着弾する。このとき、複数の記録用インク液滴の偏向量を段階的に変えることにより、記録媒体上にはリフレッシュ用吐出をしたことによるドット抜けが現れることがなく、所定の間隔で通常の記録を行うことができる。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オンデマンド方式インクジェット記録装置に係り、特にインクリフレッシュ可能なライン走査型高速インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、全てのノズルが常にインク吐出を行う連続式インクジェット記録装置と、必要なときにだけインク吐出を行うオンデマンド式インクジェット記録装置が提案されている。また、インクジェット記録装置では水を主成分とする水性インクが広く用いられている。しかしながら、オンデマンド式インクジェット記録装置で水溶性インクを使用すると、記録中のインク非吐出時にノズル近傍においてインクが蒸発、凝集してしまい、インク吐出が不安定になるだけでなく、ひいてはノズルが目詰まり起こしインク吐出が不能になってしてしまうことがある。
【0003】
この問題点を解決するため、特開昭57−61576号では、インク揺動による目詰まり防止方法が提案されている。インク非吐出時にインク液滴を吐出させるのに必要な駆動エネルギーよりも小さなエネルギーで圧電素子を駆動すれば、ノズル近傍におけるインクが揺動されて凝集しにくくなり、インク消費を伴うことなく目詰まりを起きおきにくくすることができるのである。しかしながら、インク揺動だけではインクの蒸発を防止することはできないため、インクはいずれ高粘度化して、ビーム曲がり等の吐出不良や吐出不能の原因になってしまう。
【0004】
特開平9−29996号はこの点を考慮し、インク揺動に加えてインクリフレッシュを行うことを提案している。インクリフレッシュでは、記録動作を一時中断し、記録ヘッドを印字領域から退避した所定位置へ移動させ、実際にインク吐出を行う。ここでは、ノズル近傍で凝集しかけているインクが排出されて新しいインクがノズルへ供給されるため、吐出能力維持効果は当然にインク揺動より高い。
【0005】
一方、ノズルを記録用紙幅いっぱいにアレイ状に並べて形成されたヘッドを備える、いわゆるライン走査型インクジェット記録装置が従来より提案されている。ライン走査型インクジェット記録装置では、ヘッドを用紙幅方向に往復移動させることなく記録用紙を連続搬送しながら記録を行うため、高速記録が可能である。しかしながら、このようなインクジェット記録装置において前記インクリフレッシュを行うためには、用紙搬送を一時停止させるための機構が複雑なってしまう。また、記録動作を一時中断して記録ヘッドを退避するには相当な時間を要するため、実質的な記録速度が低下してしまう。
【0006】
そこで、特開2002−36566号では、記録動作の一時中断も記録ヘッドの退避も行わずにインクリフレッシュできるオンデマンド偏向型インクジェット記録装置が提案されている。具体的には、連続する128個〜1024個程度のノズルを1グループとし、グループ内全てのノズルが記録を行わない時刻に、グループ内全てのノズルについて一斉にインクリフレッシュを行う。このときに吐出されるインクリフレッシュ用インク液滴は荷電電界で荷電され、偏向電界により偏向され、記録用紙に到達することなくインク回収手段によって回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記構成では、たった1個のノズルでも記録を行う場合には、同一グループ内の何れのノズルについてもインクリフレッシュを行うことができない。従って、用紙搬送方向に延びる線を記録する場合等は、長時間に亘ってインクリフレッシュを行うことができない。この期間ずっと記録を行わなかったノズルは、従来と同様にインク凝集を原因とする吐出不良や吐出不能に陥ってしまう。これを防ぐ方法としては、記録を行うための記録用吐出時間とは別個にインクリフレッシュを専用に行うインクリフレッシュ用吐出時間を設けることが提案されている。一般には、記録用吐出時間の間にインクリフレッシュ用インク吐出時間を設ける時分割方式が採用されている。インク消費量の低減のためにはインクリフレッシュの回数は少ないほうが良く、通常の環境条件(温度/湿度)では10〜20Hz程度で十分な効果が得られることが実験的に明らかにされている。しかしながら、時分割方式によるインクリフレッシュは、低速の記録装置においては問題なく適用できるが、前記ライン走査型インクジェット記録装置等の高速記録装置においては適用が困難である。
【0008】
つまり、一般にインクジェット記録装置を用いて高速で記録するためには、インクの吐出周波数fを高く設定する方法が採られる。インク吐出は圧電素子に電圧駆動信号を印加することにより行われるが、この電圧駆動信号には時間幅があるため、周波数には上限がある。例えば、図1(a)に示すように、駆動信号の時間幅が約80μsであれば、実際には10kHz以上で駆動することは不可能であり、この場合の最大吐出周波数fm(Hz)は10kHzとなる。
【0009】
このときの用紙搬送速度Vpは、数1のように表わせる。
Vp = f / R ・・・・・・ (数1)
fは吐出周波数、Rは用紙搬送方向における解像度(dot/inch)である。例えば、解像度R=300dpiの画像を最大吐出周波数fm=10kHzで記録する場合、用紙搬送最高速度Vpmは、33.3(inch/s)となる。
【0010】
しかしながら、最大吐出周波数fmや、これに近い高吐出周波数で高速記録する場合には、図1(a)に示すように駆動信号の間隔が短く、インクリフレッシュ用の駆動信号を出力するための時間が確保できない。従って、時分割方式のインクリフレッシュを行うためには、駆動信号の間隔を広げざるを得ない。
【0011】
一方、通常は記録解像度は一定であるし、用紙搬送速度も一定であるので、駆動信号の間隔も常に一定である。したがって、ある特定の時刻においてのみ駆動信号の間隔を広げることはできず、インクリフレッシュの頻度に関わらず、図1(b)に示すように全ての間隔を広げなければならない。その結果、実際の吐出周波数fは最大吐出周波数fm=10kHzの半分以下、つまり5kHz以下に低下してしまう。
【0012】
当然、記録速度Vpは低下し、数1より
Vp=f/R=16.7 inch/s ・・・・・・ (数2)
となり、用紙搬送速度も1/2以下に落ちてしまう。これは、高速記録装置では極めて大きな問題である。
【0013】
そこで本発明は、記録速度を犠牲にすることなく、任意にインクリフレッシュできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、インク液滴を吐出する複数のノズルと、複数のノズルから記録用インク液滴を吐出させるための記録用吐出信号を生成する記録用吐出信号生成手段と、複数のノズルに共通の吐出周波数を一時的に変更する吐出周波数変更手段と、吐出周波数が一時的に変更されている期間に複数のノズルからリフレッシュ用インク液滴を吐出させるためのリフレッシュ用吐出信号を出力するリフレッシュ用吐出信号生成手段と、複数のノズルから吐出されたリフレッシュ用インク液滴を偏向するための電界を生成する電界生成手段と、リフレッシュ用インク液滴を回収するインク回収手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0015】
かかる構成によれば、吐出周波数変更手段が吐出周波数を一時的に変更すると、リフレッシュ用インク液滴の吐出時間が確保される。リフレッシュ用吐出信号作成手段がリフレッシュ用吐出信号を発生すると、複数のノズルからリフレッシュ用インク液滴が吐出される。吐出されたリフレッシュ用インク液滴は当初記録媒体に向かって飛翔するが、電界によって偏向され、記録媒体には着弾することなくインク回収手段によって回収される。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、前記記録用吐出信号は、記録用アナログ信号と記録用デジタル信号を有し、前記リフレッシュ用吐出信号は、リフレッシュ用アナログ信号とリフレッシュ用デジタル信号を有し、当該リフレッシュ用デジタル信号は前記記録用デジタル信号よりも電圧値が低いことを特徴とする。これにより、リフレッシュ用インク液滴の質量は、記録用インク液滴よりも小さくなる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1若しくは2記載のインクジェット記録装置において、前記吐出周波数が一時的に変更されている期間に吐出された少なくとも1の記録用インク液滴は、前記電界生成手段により生成された電界により偏向されて記録媒体に着弾することを特徴とする。このように偏向された少なくとも1の記録用インク液滴は、対応のノズル孔の法線からずれた位置に着弾する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3記載のインクジェット記録装置において、前記電界生成手段は、電極と、当該電極へ共通電界信号を印加する印加手段とを備え、当該共通電界信号の電圧値はリフレッシュ用インク液滴の吐出後から連続的にまたは段階的に下がっていくことを特徴とする。
【0019】
電界生成手段により生成される電界は、電極に印加されている共通電界信号の電圧値により決まり、インク液滴の偏向量は電界の大きさにより決まるため、共通電界信号の電圧値をリフレッシュ用インク液滴の吐出後から連続的にまたは段階的に下げていけば、リフレッシュ用インク液滴の吐出後に吐出されたインク液滴の偏向量は徐々に小さくなる。従って、対応するノズル孔に対するインク液滴の着弾地点のずれの大きさが徐々に小さくなる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4記載のインクジェット記録装置において、前記吐出周波数変更手段は任意のタイミングで前記吐出周波数を一時的に変更することを特徴とする。任意のタイミングは、時間経過、記録履歴、環境条件、ノズルの経時条件、インク条件等を総合的に判断して決定するのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるインクジェット記録装置を添付の図面を参照して説明する。
【0022】
図2に示すように、本実施の形態によるインクジェット記録装置1は、記録ヘッド501と、記録ヘッド501を搭載する用紙搬送系601とを備える。記録ヘッド501は、複数のノズルモジュール401と、対応するノズルモジュール401に接続された複数の圧電素子ドライバ402とを備える。カラー印刷の場合には、色別に複数個の記録ヘッド501を必要とするが、ここでは説明を簡単にするため、記録ヘッド501は1個だけ備えられているものとする。一方、用紙搬送系601は、図3に示すように、ガイド603と、搬送用駆動ローラ604と、ロータリエンコーダ605と、図示しない搬送機構を有する。搬送機構は、連続記録用紙602をガイド603に沿って用紙搬送方向Yに搬送して記録ヘッド501の直下に導き、搬送用駆動ローラ604を介して排紙する。ロータリエンコーダ605は搬送用駆動ローラ604に取り付けられており、連続記録用紙602の用紙搬送方向位置に応じて用紙位置パルス108(図2)を出力する。また、搬送用駆動ローラ604には図示しない駆動用モータも取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、インクジェット記録装置1は更に、バッファメモリ102、CPU等のデータ処理装置103、吐出データメモリ105、用紙制御装置106、アナログ駆動信号発生装置110、デジタル吐出信号発生装置111とを備える。また、インクジェット記録装置1には図示しないコンピュータシステムが接続されていて、ユーザはこのコンピュータシステムを用いて記録すべき文書を作成する。文書はいろいろな種類のページ記述言語で記述されるが、最終的にはインクジェット記録装置1の仕様(解像度等)に合わせたビットマップデータ101に展開されてインクジェット記録装置1へ出力される。本実施の形態におけるビットマップデータ101は、論理1が記録、論理0が非記録のモノクロ1ビットのデータである。なお、カラーやマルチビットのビットマップデータの場合であっても、従来の拡張方法を適用すればインクジェット記録装置1は容易にこれらを拡張できるので、この点についての説明は省略する。
【0024】
記録が開始すると、ビットマップデータ101は、1ジョブ分(複数ページ分)ずつバッファメモリ102へ順次入力され、バッファメモリ102はこれを一時格納する。データ処理装置103は、バッファメモリ102へのビットマップデータ101の格納中あるいは格納終了後、バッファメモリ102に一時格納されたビットマップデータ101をインクジェット記録装置1の吐出仕様に合わせた吐出データ104へ順次変換し、吐出データメモリ105へ格納する。吐出データメモリ105への格納が終了すると、用紙制御装置106は稼働指示107を用紙搬送系601へ出力して用紙搬送の開始を指示すると共に、ロータリエンコーダ605からの用紙位置パルス108の受信を開始する。本実施の形態では、用紙位置パルス108は1、500パルス/インチ(約17μm毎)で出力される。連続記録用紙602が適当な記録位置に達すると、用紙制御装置106はインクジェット記録装置1の解像度に合わせた用紙位置同期信号109を発生する。ここではインクジェット記録装置1の解像度を300dpiとする。従って、通常は、用紙位置パルス108が5回出力される毎に、つまり連続記録用紙602が1/300インチ進む度に、用紙位置同期信号109が1回発生する。このように発生した用紙位置同期信号109は、アナログ駆動信号発生装置110及びデジタル吐出信号発生装置111へ送られると共に、ラッチクロックL−CLKとして圧電素子ドライバ402へ送られる(図4)。
【0025】
ここで、後述するようにインクジェット記録装置1の最大吐出周波数fmは10kHzであるが、通常の吐出周波数fを8kHzに設定する。数1より用紙搬送速度Vpは
Vp = f/R = 26.7 inch/s ・・・・・・(数3)
である。但し、インクの吐出タイミングはエンコーダ605からの用紙位置パルス108に基づいて決定されるため、速度Vpに変動があると吐出周波数fも若干変動する。
【0026】
アナログ駆動信号発生装置110は、各ノズルモジュール401に対応するアナログ駆動信号406を作り、これを用紙位置同期信号109に同期して各圧電素子ドライバ402に供給する。デジタル吐出信号発生装置111は用紙位置同期信号109に同期して、シフトクロックS−CLK(図4)を吐出データメモリ105と圧電素子ドライバ402に送る。デジタル吐出信号発生装置111は更に吐出データメモリ105から吐出データ104を読み出し、これを増幅して記録用吐出データ407を作成し、各圧電素子ドライバ402に供給する。
【0027】
次に、記録ヘッド501のノズルモジュール401について図6を参照して説明する。図6はノズルモジュール401の断面図である。図6に示すように、ノズルモジュール401には、128個のノズル300(図6には1つだけ示す)と、各ノズル300にインクを供給する共通インク供給路308が形成されていて、オリフィスプレート312と、加圧室プレート311と、リストリクタプレート310と、圧電素子固定基板306とを備える。各ノズル300は、オリフィスプレート312に形成されたノズル孔301と、加圧室プレート311により形成された加圧室302と、リストリクタプレート310により形成されたリストリクタ307とを有する。リストリクタ307は、共通インク供給路308と加圧室302とを連結し、加圧室302へのインク流量を制御するものである。
【0028】
ノズル300には更に振動板303と、圧電素子304と、支持板313が備えられている。振動板303と圧電素子304は、シリコン接着剤等の弾性材料309により連結されていて、圧電素子304は一対の信号入力端子305を有する。圧電素子304は、信号入力端子305に電圧が印加されると伸縮し、印加されなければ変形しないよう形成されている。支持板313は振動板303を補強するものである。
【0029】
振動板303、リストリクタプレート310、加圧室プレート311、支持板313は、例えばステンレス材から作られ、オリフィスプレート312はニッケル材から作られている。また、圧電素子固定基板306は、セラミックス、ポリイミドなどの絶縁物から作られている。
【0030】
かかる構成において、図示しないインクタンクから供給されたインクは、共通インク供給路308を介して各リストリクタ307に分配され、加圧室302及びオリフィス301へ供給される。信号入力端子305に電圧が印加されると圧電素子304が変形し、加圧室302内のインクの一部がノズル孔301から吐出される。なお、本実施の形態では導電性のインクを使用する。
【0031】
図4に示すように、128個のノズル300は一列に等間隔に並べられている。ノズル孔301中心のピッチ(ノズル密度)は75ノズル/インチ(npi)で等間隔である。こように構成されたノズルモジュール401は図7に示すように、用紙搬送方向Yに4個ずつ並べて配置されている。このように配置することにより、用紙幅方向Xにおける各ノズルモジュール401のノズルピッチは75npiと低いが、記録ヘッド501全体のノズルピッチが300npiに上がり、解像度300dpiの画像を記録できる。
【0032】
次に、圧電素子ドライバ402について説明する。圧電素子ドライバ402は公知の圧電素子ドライバであり、図4に示すように、128個のアナログスイッチ403と、ラッチ404と、シフトレジスタ405を内蔵している。シフトレジスタ405には、用紙制御装置106からのシフトクロックS−CLKと、デジタル吐出信号発生装置111からの記録用吐出データ407が入力される。記録用吐出データ407は、128個それぞれのノズル孔301に対応する128bitシリアルデータである。ここでは論理1の時“吐出”、論理0の時“非吐出”と定義する。ラッチ404には、シフトレジスタ405からの128bitパラレルデータと、用紙制御装置106からのラッチクロックL−CLKが入力される。
【0033】
各アナログスイッチ403のスイッチ端子403aにはラッチ404からの出力が入力され、入力端子403bにはアナログ駆動信号406が入力される。アナログスイッチ403は、スイッチ端子403aに論理1が印加されているときは、入力端子403bのアナログ駆動信号406をそのまま出力端子403cに出力し、論理0が印加されているときは出力端子403cを開放する。アナログスイッチ403の出力端子403cは、対応するノズル301の一方の信号入力端子305に接続されている。なお、他方の信号入力端子305は接地されている。つまり、アナログ駆動信号406は、対応するノズルモジュール401の128個全てのノズル300に共通で使用される信号であり、128個の圧電素子304を駆動するものである。アナログ駆動信号406としては種々の駆動波形を使用できるが、本実施の形態では図5に示す電圧24Vで時間幅Tw=約80μsの台形波形を使用する。
【0034】
ここで、圧電素子ドライバ402の基本的な動作を図5に示すタイミングチャート参照して説明する。用紙位置同期信号109が発生すると、ラッチクロックL−CLKが発生する。すると、前回のサイクルでシフトレジスタ405に格納された記録用吐出データ407が一括してラッチ404へ格納され、対応するアナログスイッチ403のスイッチ端子403aに出力される。同時にアナログ駆動信号406がアナログスイッチ403の入力端子403bに入力される。この結果、記録用吐出データ407が論理1になっているノズル300からはインク粒子が吐出され、論理0になっているノズル300からは吐出されない。次に、シフトクロックS−CLKに同期して記録用吐出データ407が順次シフトレジスタ405へ格納され、128個揃ったところでサイクルが完了し、次の用紙位置同期信号109が発生するのを待つ。つまり、記録用吐出データ407の内容は、次のサイクルにおける吐出状態を表すものである。
【0035】
高速で記録するためには、前述したように一般にインク吐出周波数fを上げて高周波で記録する方法が取られるが、アナログ駆動信号406には時間幅Twがあるため、ラッチクロックL−CLKの間隔を一定以下にすることができない。本実施の形態では、アナログ駆動信号406の時間幅Twは約80μsであるので、実際には10kHz以上で駆動することは不可能であり、最大吐出周波数fmは10kHzとなる。
【0036】
インクジェット記録装置1は更に、電界形成手段とインク回収手段とを備える。電界形成手段はインク液滴を荷電及び偏向するための電界を生成する複数ノズル300に共通の手段であり、図2に示す共通電界形成装置112と、共通電界形成高圧電源114と、用紙背面電極805とを備える。共通電界形成装置112は、用紙位置同期信号109に同期して共通電界形成高圧電源114へ共通電界信号113を供給する。共通電界形成高圧電源114は入力された共通電界信号113の電圧に応じて用紙背面電極805の電圧を設定する。通常は、共通電界信号113は供給されず、用紙背面電極805の電位は0Vに保たれている。一方、共通電界形成手段は、記録ヘッド501側に戻ってきたインク液滴を回収するものであり、図8及び図9に示されるインク回収電極801と、金属メッシュ802と、ビニール管803とを備える。
【0037】
図8に示すように、インク回収電極801は1枚の電極であり、オリフィスプレート312のノズル面301Aにノズル列と平行に貼り付けられている。ノズル列(ノズル孔301)とインク回収電極801の間隔D1は約0.3mmであり、インク回収電極801は全128個のノズル300に対し同じ位置関係を有する。金属メッシュ802はインク回収電極801の表面801Aに張り付けられていて、その両端802Aはインク回収電極801から外側にはみ出している。ビニール管803はインク回収電極801からはみ出た金属メッシュ802の両端802Aに取り付けられていて、図示しない吸引ポンプに接続されている。なお、インク回収電極801及びオリフィスプレート312は電気的に接地されている。
【0038】
図9に示すように、用紙背面電極805は連続記録用紙602の背面に設けられており、電気的に絶縁されている。用紙背面電極805もノズル列方向に伸びた1枚の電極であり、全128個のノズル300に対し同じ位置関係を有する。本実施の形態では、ノズル面301A(ノズル孔301)から連続記録用紙602までの距離D2=1.5mm、インク回収電極801厚みD3=0.4mmである。
【0039】
図2に示すように、インクジェット記録装置1は更にリフレッシュ信号生成手段120を備える。リフレッシュ信号生成手段120は、リフレッシュの要否を判断し、リフレッシュが必要と判断した場合にはリフレッシュ信号121を出力し、吐出モードを通常モードからリフレッシュ吐出モードへ切り替える。また、リフレッシュ信号生成手段120には後述するリフレッシュ用吐出データ901が保存されている。
【0040】
リフレッシュ吐出モードへの切替えは、印字信号とは非同期の任意のタイミングで可能であり、以下の条件を複合して判断する。
1)一定時間毎:従来のように10〜20Hz程度の一定時間間隔で切り替える。
2)記録履歴:ノズル300の過去の吐出頻度が少ないほど切替周期を短くする。
3)環境条件:低温低湿時にはノズル300でのインク乾燥が速くなるので切替周期を短くする。
4)経時条件:ノズル300が古いほど切替周期を短くする。
5)インク条件:乾燥しやすいタイプのインクを使用している場合には切替周期を短くする。
【0041】
リフレッシュが必要と判断すると、リフレッシュ信号生成手段120はリフレッシュ信号121を生成し、これを用紙制御装置106、アナログ駆動信号発生装置110、デジタル吐出信号発生装置111、及び共通電界形成装置112へ出力する。リフレッシュ信号121を受信した用紙制御装置106、アナログ駆動信号発生装置110、デジタル吐出信号発生装置111、及び共通電界形成装置112は、図10に示すようにそれぞれ次の動作を行う。
【0042】
まず、用紙制御装置106は、用紙位置同期信号109の発生周波数を一時的に変更する。具体的には、通常吐出モードでは用紙位置パルス108が5回発生する毎に用紙位置同期信号109を1回発生させるが、一定距離の間だけ(本例では解像度300dpiで4ドット分の距離だけ連続記録用紙602を搬送する間だけ)、用紙位置パルス108が4回発生する毎に用紙位置同期信号109を1回発生させる。換言すると、通常吐出モードでは、解像度300dpiで1ドット分だけ連続記録用紙602を搬送する毎に用紙位置同期信号109を1回発生させるので、解像度300dpiで4ドット分の距離だけ搬送する間には、用紙位置同期信号109は4回発生する。これに対しリフレッシュ吐出モードでは、解像度300dpiで4ドット分の距離だけ搬送する間に用紙位置同期信号109を5回発生させる。つまり、用紙位置同期信号109は、解像度375dpiで1ドット分の距離だけ搬送する毎に1回発生する。
【0043】
具体的な動作を図10のタイミングチャートを参照して説明する。リフレッシュ信号121が発生すると、吐出モードは次の用紙位置同期信号109からリフレッシュ吐出モードに切り変わる。これにより用紙位置同期信号109の間隔は1/300インチから1/375インチに短縮される。用紙位置同期信号109が1/375インチ毎に5回発生すると通常吐出モードにもどり、用紙位置同期信号109の間隔は1/300インチにもどる。この5発の用紙位置同期信号109を各々順に109−1、109−2、109−3、109−4、109−5とする。
【0044】
一方、デジタル吐出信号発生装置111は、用紙位置同期信号109−1に同期してリフレッシュ信号生成手段120からリフレッシュ用吐出データ901を読み出し、これを圧電素子ドライバ402に送る。それ以後は、用紙位置同期信号109−2から109−5のそれぞれに同期して、吐出データメモリ105から読み出した記録用吐出データ407を圧電素子ドライバ402に送る。その後は通常吐出モードに戻り、吐出データメモリ105から読み出した記録用吐出データ407だけを300dpiの用紙位置同期信号109に同期して送る。
【0045】
アナログ駆動信号発生装置110は、用紙位置同期信号109−1に同期してアナログ駆動信号406を生成し出力した後、アナログ駆動信号406の波形を一時的に変更してリフレッシュ用駆動信号904を生成し、用紙位置同期信号109−2に同期してこれを出力する。その後は用紙位置同期信号109−3〜109−5に同期してアナログ駆動信号406を生成、出力し、通常吐出モードへ戻る。本実施の形態では、アナログ駆動信号406の電圧値を下げることによりリフレッシュ用駆動信号904を生成している。
【0046】
共通電界形成装置112は通常吐出モードでは共通電界信号113を出力しないが、リフレッシュ信号121を受信すると、リフレッシュ吐出用駆動信号904の生成後、所定時間経過後に共通電界信号113を発生する。この共通電界信号113の電圧値は次のように変化する。まず、リフレッシュ吐出用駆動信号904の立ち上がり時刻から時間ts1(50〜80μs)後の時刻T1を中心とした10μs間は負に保たれ、時刻T2までの次の時間ts2は一定正電圧に保たれる。時刻T2を過ぎると電圧値は徐々に下がり、時刻T3には0Vまで落ちる。時刻T3は、用紙位置同期信号109−5に同期したアナログ駆動信号406の立ち上がり時刻から時間ts3後の時刻である。その結果、用紙背面電極805の電圧は、共通電界信号113が発生した後の初めの10μsは−1.5kVの負電圧Vcmに保たれ、時刻T2までは1.5kVの正電圧Vcpに保たれ、徐々に電圧が下がり、時刻T3には0Vに戻る。なお、負電圧Vcmは−1.5kVに限定されず、例えば−1.0kV〜−1.5kVであればよい。同様に、正電圧Vcpは1.5kVに限定されず、例えば1.0kV〜1.5kVであればよい。
【0047】
前述したように、オリフィスプレート312及びインク回収電極801は接地されているので、用紙背面電極805に電圧がかかると、その電圧に応じてオリフィスプレート312及びインク回収電極801と用紙背面電極805の間に電界が発生する。
【0048】
以下、このようなリフレッシュ吐出モード期間中に吐出されたインク滴の飛行現象について説明する。用紙位置同期信号109−2に同期して発生したインクリフレッシュ用アナログ駆動信号904は、圧電素子ドライバ402を介して圧電素子304に印加される。その結果、図9に示すインクリフレッシュ用インク液滴806がノズル孔301から吐出される。当初、インクリフレッシュ用インク液滴806はノズル孔301内の図示しないメニスカスに繋がったまま伸びて出てくるが、インク液滴806の長さがある程度になるとノズル孔301付近でくびれて切断され、メニスカスから分離する。この切断する瞬間の時刻が、リフレッシュ用駆動信号904の立ち上がり時刻から時間ts1後の時刻T1(図10)である。インク液滴切断時刻T1は、インク液滴速度や環境変化によってもあまり変動しないで安定していることが知られている。
【0049】
インク液滴切断時刻T1を中心とした10μsは用紙背面電極805に−1.5kVの負電圧Vcmが掛かっているので、この間は図9に示す電界E1が発生し、これによりインク液滴806内の電荷が即座に分極される。電界E1の方向は回収電極801の側面の影響で図9において少し左側を向くが、ノズル面301A付近における電界E1はほとんど下向きなので、切断されたインク液滴806は正に荷電する。その後、用紙背面電極805には1.5kVの正電圧Vcpが掛かかり、これにより電界E2が発生する。電界E2の方向はほとんど上向きなので、連続記録用紙602に向かって飛翔中の正に荷電されたインク液滴806はどんどん減速し、そのうち速度方向が逆転し記録ヘッド501方向へ戻される。回収電極801の側面の影響で電界E2は図9において少し右側を向いているので、インク液滴806はノズル孔301へは戻らず、インク回収電極801上の金属メッシュ802に捕獲される。捕獲されたインクは毛細現象でビニール管803まで浸透して行き、排出される。簡単な近似によると、インク液滴806がUターンする位置は次の数4より求められる。
l=m×v /(2×q×E) ・・・・・・(数4)
ここで、lは垂直方向Vにおけるノズル孔301からインク液滴のUターン地点までの最大距離、
mはインク液滴の質量、
はインク液滴の飛翔速度、
qはインク液滴の荷電量、
Eは電界E2の垂直方向Vの成分である。
【0050】
数4より、インクリフレッシュ用インク液滴806を連続記録用紙602に着地させないためには、飛翔速度vを小さくする必要があることが分かる。本実施の形態では、記録用インク液滴の飛翔速度vを7m/s〜8m/sとする一方、インクリフレッシュ用インク液滴806の飛翔速度vを4.0m/sと設定する。これは、前記したように、リフレッシュ用駆動信号904の電圧値を通常のアナログ駆動信号406の電圧値よりも小さくすることにより達成される。インクリフレッシュ用インク液滴806の飛翔速度vを4.0m/sにすれば、最大距離l=1.0mmとなり、ノズル孔301から連続記録用紙602までの距離D1=1.5mmよりも短いので、インクリフレッシュ用インク液滴806は連続記録用紙602に到達する前にUターンし、連続記録用紙602には着地しない。ここで、インクリフレッシュ用インク液滴806が吐出されてからUターンして金属メッシュ802により回収されるまでは100μs〜1ms程かかるので、その間は共通電界信号113を正の電圧Vcpに保つ必要がある。時間ts2に共通電界信号113が一定の負電圧に保たれているのはこのためである。
【0051】
次に用紙位置同期信号109−3、109−4,109−5が発生し、これらに同期したアナログ駆動信号406が発生すると、記録用インク液滴が順次吐出される。ここでは、用紙位置同期信号109−3、109−4、109−5で吐出される記録用インク液滴を、それぞれ記録用インク液滴806−3、806−4、806−5と呼ぶこととし(図11)、以下順に説明する。
【0052】
まず記録用インク液滴806−3は、インクリフレッシュ用インク液滴806の場合と同様に、ある程度の長さになると切断が起こり、メニスカスから分離する。これが時刻T2(図10)である。切断時刻T2の時点では用紙背面電極805に正電圧Vcpがかかっているので、電界E2により記録用インク液滴806−3は負に荷電される。負に帯電された記録用インク液滴806−3は電界E2により加速されながら飛翔する。ここで、電界E2は図9において少し右側を向いているので、記録用インク液滴806−3は図9において左方向に偏向され、やがて連続記録用紙602に着弾する。そのため図11に示すように、記録用インク液滴806−3の連続記録用紙602上の着弾地点aは、ノズル301の法線Cから左側、つまり用紙搬送方向Y上流側にずれた位置となる。
【0053】
記録用インク液滴806−4も記録用インク液滴806−3と同様に、荷電、加速、偏向されて、法線Cから左側にずれた着弾地点bに着弾する。しかしながら、共通電界信号113の正電圧Vcpは時刻T2以降徐々に下がっていくため、記録用インク液滴806−4の加速度及び偏向量は記録用インク液滴806−3の場合よりも小さく、着弾地点bのずれの大きさは着弾地点aと比較して小さい。記録用インク液滴806−5の場合は更に加速度及び偏向量が小さく、時刻T3に着弾地点cに着弾する。なお、正電圧Vcpは連続して低下する必要はなく、記録用インク液滴の吐出毎に段階的に低下しても効果は変わらない。
【0054】
次に、本実施の形態における一連の動作について図11を参照して説明する。図11は、吐出されたインク液滴が偏向して連続記録用紙602に着弾する様子を示している。図11では、記録ヘッド501は紙面左側から右側に、連続記録用紙602に対して相対的に移動する。つまり、図11に示すのは、異なる時間帯における単一のノズル孔301の相対位置である。なお、記録ヘッド501の移動方向の速度成分は考慮しない。
【0055】
図11において、初めは通常吐出モードで記録が行われている。このとき、用紙位置同期信号109は解像度300dpiのタイミングで発生し、これに応じて記録用インク液滴が吐出される。このとき共通電界信号113は発生していないので、記録用インク液滴は偏向されずに連続記録用紙602へ向かって直進する。次にリフレッシュ信号121が発生するとリフレッシュ吐出モードへ切り替わる。リフレッシュ信号121発生後の5発の用紙位置同期信号109−1〜109−5は375dpiのタイミングで発生する。
【0056】
用紙位置同期信号109−1で吐出される記録用インク液滴806−1は荷電されないので、吐出直後に電界E1が発生してもインク液滴806−1は偏向されず、連続記録用紙602に向かって直進する。用紙位置同期信号109−2で吐出されたリフレッシュ用インク液滴806−2は電界E1により正に荷電され、正の偏向電界E2の作用を受けてUターンし、インク回収電極801に捕獲される。吐出されてから回収までには100μs〜1msかかるが、その間はずっと正の偏向電界E2が維持されている。リフレッシュ用インク液滴806−2が飛行中、つまり、正の偏向電界E2が維持されている間に3発の記録用インク液滴806−3、803−4、803−5が吐出され、前述のように変更されて連続記録用紙602上に着弾する。
【0057】
この結果、用紙位置同期信号109−3〜109−5に同期して吐出した記録用インク液滴806−3、806−4、806−5は連続記録用紙602上のa点、b点、c点にそれぞれ着弾する。その結果、インク液滴の着弾地点の間隔は通常吐出モードの場合とリフレッシュ吐出モードの場合で均一になり、インクリフレッシュを行わなかった場合と同様に解像度300dpiのドットを記録することができる。リフレッシュ吐出モードによるインク吐出が完了すると、自動的に通常吐出モードに戻る。
【0058】
以上より、本実施の形態によれば、最大吐出周波数fm=10kHzの80%の速度である8kHzで記録しながら、任意のタイミングでインクリフレッシュを行うことができる。
【0059】
本発明によるインクジェット記録装置は前述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、前記 本実施の形態ではれば、本実施の形態では、300dpiで4ドット分の距離を搬送する間に375dpiで5発の用紙位置同期信号109を発生したが、例えば、300dpiで9ドット分の距離を搬送する間に、333dpiで10発の用紙位置同期信号109を発生するようにすれば、fm=10kHzの90%の速度である9kHzで記録できる。
【0060】
また、前述の実施の形態ではリフレッシュ吐出モード時に全てのノズルからリフレッシュ用液滴を吐出するようにしたが、必要に応じて任意のノズルのみから吐出するようにしても良い。つまり、リフレッシュの必要性は、記録用インク液滴の吐出条件によってノズル毎に異なる。そこで特にノズル数が多いインクジェット記録装置では、必要なノズルからのみだけリフレッシュ用液滴を吐出することによってインクの浪費を防げる。この場合、リフレッシュ信号生成手段は、リフレッシュが必要なノズルからのみインク液滴が吐出されるようにリフレッシュ信号を生成すれば良い。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載のインクジェット記録装置によれば、吐出周波数を一時的に変更することによってリフレッシュ用吐出時間を確保しているので、吐出速度を最大吐出速度から数%落とすだけでリフレッシュできる時分割リフレッシュ方式が適用でき、常に安定吐出可能なインクジェット記録装置を提供することができる。また、リフレッシュ用インク液滴は偏向されてインク回収手段により回収されるので、リフレッシュを行う毎に記録動作を停止させたり記録ヘッドを退避させるための複雑な機構が不要となる。
【0062】
請求項2に記載のインクジェット記録装置によれば、リフレッシュ用インク液滴は記録用インク液滴よりも小さな質量を有するため、リフレッシュ用インク液滴を確実にインク回収手段により回収することができる。
【0063】
請求項3に記載のインクジェット記録装置によれば、吐出周波数が一時的に変更されている期間に吐出された少なくとも1の記録用インク液滴は対応のノズル孔の法線からずれた位置に着弾するので、記録媒体上にはリフレッシュ用吐出をしたことによるドット抜けが現れることがなく、所定の間隔で通常の記録を行うことができる。
【0064】
請求項4に記載のインクジェット記録装置によれば、リフレッシュ用インク液滴の吐出後に吐出されたインク液滴は、偏向量に応じて着弾地点のずれの大きさが徐々に小さくなるので、記録媒体上にはリフレッシュ用吐出をしたことによるドット抜けが現れることがなく、所定の間隔で従来通りの記録を行うことができる。
【0065】
請求項5に記載のインクジェット記録装置によれば、吐出周波数を任意のタイミングで一時的に変更できるので、リフレッシュの実行タイミングを、記録信号に同期させることなく、時間経過、記録履歴、環境条件、ノズルの経時条件、インク条件等を総合的に判断して決定することができる、より適切なタイミングでリフレッシュを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、駆動信号を最大吐出周波数で出力した場合のタイミングチャート。(b)は、時分割方式でインクリフレッシュを行う場合の最大吐出周波数を示すタイミングチャート。
【図2】本発明の実施の形態による液滴吐出装置としてのインクジェット記録装置のブロック図。
【図3】本発明の実施の形態によるインクジェット記録装置の記録ヘッド及び用紙搬送系を示す概略平面図。
【図4】図3に示す記録ヘッドが備えるヘッドモジュール及び圧電素子ドライバを示す概略ブロック図
【図5】図4に示す圧電素子ドライバの基本的なタイミングチャート。
【図6】図4に示すヘッドモジュールの断面図。
【図7】ヘッドモジュールの配列を示す概略平面図。
【図8】ヘッドモジュールを示す斜視図。
【図9】吐出されたリフレッシュ用インク液滴が偏向して回収される様子を示す説明図。
【図10】本実施の形態による圧電素子ドライバのタイミングチャート。
【図11】本実施の形態における通常吐出モード及びインクリフレッシュ吐出モードにおける吐出インク液滴の飛翔状態を示す説明図。
【符号の説明】
101…ビットマップデータ、102…バッファメモリ、103…データ処理装置、104…吐出データ、105…吐出データメモリ、106…用紙制御装置、107…稼働指示、108…用紙位置パルス、109…用紙位置同期信号、110…アナログ駆動信号発生装置、111…デジタル吐出信号発生装置、112…共通電界形成装置、113…共通電界信号、114…共通電界形成高圧電源、120…リフレッシュ信号生成手段、301…ノズル孔、302…加圧室、303…振動板、304…圧電素子、305…信号入力端子、306…圧電素子固定基板、307…リストリクタ、309…弾性材料、310…リストリクタプレート、311…加圧室プレート、312…オリフィスプレート、313…支持板、401…ノズルモジュール、402…圧電素子ドライバ、403…アナログスイッチ、404…ラッチ、405…シフトレジスタ、406…アナログ駆動信号、407…記録用吐出データ、501…記録ヘッド、601…用紙搬送系、602…連続記録用紙、603…ガイド、604…搬送用駆動ローラ、605…ロータリエンコーダ、801…インク回収電極、802…金属メッシュ、803…ビニール管、805…用紙背面電極、806…インク液滴、901…インクリフレッシュ用吐出データ、リフレッシュ用駆動信号…904

Claims (5)

  1. インク液滴を吐出する複数のノズルと、
    複数のノズルから記録用インク液滴を吐出させるための記録用吐出信号を生成する記録用吐出信号生成手段と、
    複数のノズルに共通の吐出周波数を一時的に変更する吐出周波数変更手段と、
    吐出周波数が一時的に変更されている期間に複数のノズルからリフレッシュ用インク液滴を吐出させるためのリフレッシュ用吐出信号を生成するリフレッシュ用吐出信号生成手段と、
    複数のノズルから吐出されたリフレッシュ用インク液滴を偏向するための電界を生成する電界生成手段と、
    リフレッシュ用インク液滴を回収するインク回収手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録用吐出信号は、記録用アナログ信号と記録用デジタル信号を有し、前記リフレッシュ用吐出信号は、リフレッシュ用アナログ信号とリフレッシュ用デジタル信号を有し、当該リフレッシュ用デジタル信号は前記記録用デジタル信号よりも電圧値が低いことを特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出周波数が一時的に変更されている期間に吐出された少なくとも1の記録用インク液滴は、前記電界生成手段により生成された電界により偏向されて記録媒体に着弾することを特徴とする、請求項1若しくは2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記電界生成手段は、電極と、当該電極へ共通電界信号を印加する印加手段とを備え、当該共通電界信号の電圧値はリフレッシュ用インク液滴の吐出後から連続的にまたは段階的に下がっていくことを特徴とする、請求項1乃至3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記吐出周波数変更手段は任意のタイミングで前記吐出周波数を一時的に変更することを特徴とする、請求項1乃至4記載のインクジェット記録装置。
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