JP2004056674A - 電源制御装置、自動取引処理装置、リモート電源制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】端末電源13から主電源aが供給される端末制御部11と、管理装置からの電源制御指令に基づいて主電源aをON/OFF制御するリモート電源制御部12とのそれぞれに共通のIPアドレスを持たせるとともに、端末制御部11のインターフェイス15とリモート電源制御部12のインターフェイス16とを主電源aのON/OFF状態に応じて切り換え、主電源aがONのときはインターフェイス15をLAN3へ接続し、主電源aがOFFのときはインターフェイス16をLAN3へ接続する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回線を介して管理装置と接続されたATM(現金自動預金支払機)などの端末装置におけるリモート電源制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、複数の端末装置と1台の管理装置とをLAN(local Area Network)を介して接続したシステムを示す図である。100は複数の端末装置、200は各端末装置100を管理する管理装置、300は端末装置100と管理装置200とを接続するLANである。このようなLANシステムにおいて、各端末装置100における電源のON/OFF制御を管理装置200から遠隔的に行うための方式として、従来から図7や図8に示すものが用いられている。
【0003】
図7は、リモート電源制御用の専用装置を用いた例である。図において、50は電源制御の対象となる端末装置、51は端末装置50に対して設けられたLANインターフェイス、52は端末装置50の電源を制御するリモート電源制御装置、53はリモート電源制御装置52に対して設けられたLANインターフェイス、54は管理装置に接続されるLANである。LANインターフェイス51は、端末装置50と管理装置との間で授受されるコマンドやデータ等を送受信するためのインターフェイスであり、LANインターフェイス53は、管理装置から電源制御指令を受信するためのインターフェイスである。管理装置からLAN54およびLANインターフェイス53を経由して送信されてきた電源制御指令を受け取ったリモート電源制御装置52は、この指令に基づいて端末装置50の電源をON/OFF制御する。
【0004】
図8は、端末装置のLANコントローラ自身がリモート電源制御機能を備えている例である。このようなシステムは、たとえば特開2000−92092号公報に記載されている。図において、60は電源制御の対象となる端末装置、61は端末装置60の動作を制御する端末制御部、62は端末制御部61へ電源を供給する端末電源、63は端末電源62の電源ON/OFFを制御する電源制御部、64はLAN通信を制御する機能のほかにリモート電源制御機能を備えたLANコントローラ、65はLANコントローラ64に接続されるLANである。管理装置からLAN65を経由して送信されてきた電源制御指令はLANコントローラ64で受信され、LANコントローラ64はこの指令に基づいて電源制御部63へリモート電源制御信号を出力する。電源制御部63はこの信号を受けて端末電源62を電源制御信号によりON/OFF制御する。この結果、端末電源62のON時には主電源が端末制御部61に供給され、端末電源62のOFF時には待機電源が端末制御部61に供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなLANシステムにおいて、通信プロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)を用いる場合は、ネットワーク上の各端末装置を識別するためにIPアドレス(論理アドレス)が端末ごとに割り当てられる。この場合、図7の方式では、LANシステムにリモート電源制御装置52が追加されるために、端末装置50とは別に、このリモート電源制御装置52に対してIPアドレスを割り当てる必要がある。この結果、LANシステムに影響を与えるとともに、場合によってはネットワークの大幅な変更も必要となる。また、リモート電源制御装置52をLAN54に接続しなければならないことから、ケーブルや場合によってはハブ等を追加する必要があり、LANの変更・保守に対する費用が発生する。
【0006】
一方、図8の方式はマジックパケット(登録商標)方式と呼ばれるもので、ハードウエアに固有のMAC(Media Access Control)アドレス(物理アドレス)を用いて端末を指定するものである。図8の場合は、LANコントローラ64自身がリモート電源制御機能を備えているため、上記の問題は解消できるが、本方式では、停電等により主電源および待機電源がともに切断されてLANコントローラ64への電源供給が一旦途切れると、その後に停電が復旧して待機電源が再投入されても、LANコントローラ64が主電源をONさせるためのリモート電源制御信号を出力する機能を備えていないために、電源制御部63が作動せず主電源がONされないのが普通である。このため、LANコントローラ64に対して再設定を行い、手動で主電源を再投入する必要があるが、ATMのような自動機においては、停電復旧後にリモート制御で主電源を確実にONできるようなしくみが要求される。
【0007】
また、図8の方式では、端末を特定するアドレスとしてLANコントローラ64のMACアドレスを用いることになるため、MACアドレスの管理の問題が生じる。すなわち、MACアドレスは機器固有の物理アドレスであって、ハードウエアに固定されたアドレスであるから、LANコントローラ64が故障等により交換された場合は、MACアドレスも変更されることになる。したがって、交換後においても端末装置60を正確に識別するためには、何らかの方法によりMACアドレスの変更を管理するしくみを別途構築する必要が生じる。また、IPベースで通信を行なうシステムでは、端末を特定するアドレスはIPアドレスであってMACアドレスではないことから、IPアドレスは必ず管理されているがMACアドレスは管理されているとは限らない。したがって、この意味でも図8の場合はMACアドレスを管理するしくみが必要となる。
【0008】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。本発明の第1の課題は、管理装置側からみた場合に単一のインターフェイスにより通信と電源制御の両方を行えるようにして、電源制御のための新たなアドレスの割当てやこれに伴うシステム変更を不要にするとともに、ケーブル等の追加も不要としたローコストで運用が容易な電源制御装置を提供することにある。
【0009】
本発明の第2の課題は、停電等が復旧して待機電源の供給が再開された場合に、リモート制御により主電源を確実にONできるようにした電源制御装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第3の課題は、IPアドレスによって端末装置を特定することでMACアドレスの管理を不要とし、端末装置のハードウエアを交換した場合でも、システム側での対応が不要である電源制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、端末電源から電源が供給される端末制御部と、管理装置からの電源制御指令に基づいて上記電源をON/OFF制御するリモート電源制御部とのそれぞれに共通の通信設定情報を持たせるとともに、端末制御部の第1のインターフェイスとリモート電源制御部の第2のインターフェイスとを電源のON/OFF状態に応じて切り換え、一方のインターフェイスを通信回線へ接続するようにしている。
【0012】
このようにすることで、端末制御部は第1のインターフェイスを介して管理装置との間で通常の通信を行い、リモート電源制御部は第2のインターフェイスを介して管理装置から電源制御指令を受けとって電源をON/OFF制御する。そして、いずれのインターフェイスが通信回線と接続された場合であっても、通信設定情報(アドレス)が共通であるために、管理装置側からみれば1つのインターフェイスが設けられているのと同じ結果となり、単一のインターフェイスにより端末装置に対する通信と電源制御の両方を行うことができる。したがって、電源制御用の新たなアドレスの割当てやこれに伴うシステム変更が不要となり、ケーブルやハブ等の追加も不要となって、前記第1の課題が解決される。
【0013】
また、本発明では、端末電源から端末制御部へ主電源を供給する一方、端末電源からリモート電源制御部へ待機電源を供給し、主電源がONのときは端末制御部の第1のインターフェイスを通信回線へ接続し、主電源がOFFのときはリモート電源制御部の第2のインターフェイスを通信回線へ接続するようにしている。
【0014】
このようにすることで、主電源がOFFで待機電源のみが投入されている状態においては、リモート電源制御部は常に通信回線に接続されて管理装置から電源制御指令を受け付けることが可能な体制にあるため、停電等が復旧して待機電源のみが投入された場合に、管理装置からの電源制御指令によりリモート電源制御部が主電源を確実にONさせることができ、前記第2の課題が解決される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態においては、端末制御部およびリモート電源制御部のそれぞれに、共通の通信設定情報が設定される設定手段が設けられ、一方の設定手段に設定された通信設定情報を他方の設定手段へ転送することにより、両制御部が共通の通信設定情報を保有する。これによると、一方の設定手段に通信設定情報を設定すれば、それと同じ通信設定情報を他方の設定手段に自動的に設定することができる。この場合、同一の通信設定情報が2つ存在することになるが、前述のように、インターフェイスの切り換えによっていずれか一方のインターフェイスのみが通信回線に接続されるため、システム上は同一の通信設定情報を持ったデバイスが競合することはなく、通信に支障は生じない。
【0016】
また、本発明では、通信回線がLANからなり、通信設定情報がLANを介して管理装置と通信を行なうためのIPアドレスを含み、管理装置は同一のIPアドレスにより端末制御部およびリモート電源制御部と通信を行なうようにしている。
【0017】
このようにすることで、MACアドレスを用いずにIPアドレスによって端末装置を特定することができるので、MACアドレスを別途管理する必要がなくなる。また、MACアドレスの管理が不要となることで、端末装置のハードウエアを交換した場合でも、システム側での対応が不要となり、前記第3の課題が解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をATM(現金自動預金支払機)の電源制御に適用した場合の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るリモート電源制御システムの一例を示した図である。1は端末装置を構成する複数のATM、2は各ATM1を管理する管理装置としてのリモートサーバ、3はATM1とリモートサーバ2とを接続する通信回線としてのLANである。ATM1は銀行等のフロアに設置され、リモートサーバ2は銀行等の管理室に設置されている。
【0019】
図2は、それぞれのATM1に内蔵されている電源制御装置の構成を示したブロック図である。図において、電源制御装置は、端末制御部11と、リモート電源制御部12と、端末電源13と、通信路切換部14と、インターフェイス15,16とから構成される。この電源制御装置は、リモートサーバ2からLAN3を介して送信される電源制御指令に基づいて、ATM1の電源制御を行なう。
【0020】
端末制御部11は、ATM1の各種機能を実現するための動作を制御する制御部であって、CPUやメモリ等から構成される。リモート電源制御部12は、リモートサーバ2からLAN3を経由して送られてくる電源制御指令に基づいてATM1の電源をON/OFF制御する制御部であって、CPUやメモリ等から構成される。端末電源13は、端末制御部11に主電源aを供給するとともに、リモート電源制御部12および通信路切換部14に待機電源bを供給する電源部である。主電源aはリモート電源制御部12からのリモート電源制御信号c、または端末制御部11からの電源制御信号dに応じてON/OFFされるのに対し、待機電源bは端末電源13が商用電源に接続されている限り、主電源aのON/OFFにかかわらず常時供給される。また、端末電源13は、主電源aがON状態かOFF状態かを示す主電源ON/OFF情報eを通信路切換部14に出力する。
【0021】
端末電源13が商用電源(AC100V)に接続されると、待機電源bが投入され、ATM1は待機状態となる。この待機状態でATM1の電源スイッチ(図示省略)が入ると、端末制御部11がこれを検知して主電源のONを指示する電源制御信号dを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号dを受けて主電源aを投入し、主電源aが端末制御部11に供給されてATM1は稼働状態となる。また、ATM1の待機状態でリモートサーバ2からLAN3を経由して電源ONの指令が送られてくると、リモート電源制御部12は主電源のONを指示するリモート電源制御信号cを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号cを受けて主電源aを投入し、主電源aが端末制御部11に供給されてATM1は稼働状態となる。
【0022】
一方、ATM1の稼働状態において、ATM1の電源スイッチが切られると、端末制御部11がこれを検知して主電源のOFFを指示する電源制御信号dを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号dを受けて主電源aを切断し、主電源aはOFFとなって待機電源bのみがリモート電源制御部12および通信路切換部14に供給され、ATM1は待機状態となる。また、ATM1の稼働状態でリモートサーバ2からLAN3を経由して電源OFFの指令が送られてくると、リモート電源制御部12は主電源のOFFを指示するリモート電源制御信号cを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号cを受けて主電源aを切断し、主電源aはOFFとなって待機電源bのみがリモート電源制御部12および通信路切換部14に供給され、ATM1は待機状態となる。
【0023】
端末制御部11に対してはインターフェイス15(第1のインターフェイス)が設けられ、リモート電源制御部12に対してはインターフェイス16(第2のインターフェイス)が設けられている。これらのインターフェイス15,16は通信路切換部14に接続されている。通信路切換部14は、主電源aのON/OFF状態、すなわち端末電源13からの主電源ON/OFF情報eに応じてインターフェイス15とインターフェイス16とを切り換える切換手段であって、この切換により一方のインターフェイスをLAN3へ接続する。
【0024】
17は通信設定情報が設定される端末制御部11のメモリである。通信設定情報は、IPアドレス、MACアドレスおよびその他のパラメータからなる。また、MACアドレスは前述のようにハードウエア固有のものであり、メモリ17に予め設定されている。18はメモリ17から転送された通信設定情報が格納されるリモート電源制御部12のメモリである。これらのメモリ17,18は、本発明における設定手段を構成する。
【0025】
次に、以上の構成からなる電源制御装置において、端末制御部11とリモート電源制御部12とに通信設定情報を設定する手順について述べる。図3は、この手順を示したフローチャートである。まず、ATM1の電源を手動で投入した後、端末制御部11において、LANインターフェイス15の通信設定情報の設定値を入力する(ステップS1)。具体的には、通信設定情報として、IPアドレスのほか、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ等の各種パラメータを入力する。この入力は、図示しない入力部においてキーを用いて行われる。入力された通信設定情報は、端末制御部11のメモリ17に格納された後、リモート電源制御部12のメモリ18に転送される(ステップS2)。このとき、端末制御部11のメモリ17にはMACアドレスが予め格納されているため、MACアドレスもIPアドレス等とともに一緒に転送される。
【0026】
リモート電源制御部12では、端末制御部11から通信設定情報を受信したか否かを監視し(ステップS3)、通信設定情報を受信すれば、これをメモリ18に格納してLAN設定処理を実行する(ステップS4)。そして、設定が完了すれば(ステップS5)、設定完了の通知を端末制御部11へ送信して(ステップS6)、LANの設定を完了する(ステップS7)。また、端末制御部11では、リモート電源制御部12から設定完了通知を受信したか否かを監視し(ステップS8)、設定完了通知を受信すれば、LANの設定が完了したものと判断して処理を終了する(ステップS9)。
【0027】
以上からわかるように、本実施形態では、端末制御部11において設定するのは、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ等のパラメータであり、一般的なLANインターフェイスの設定と全く同じ要領で通信設定情報を設定することができる。そして、端末制御部11のメモリ17に設定した通信設定情報はリモート電源制御部12のメモリ18へ転送されるので、端末制御部11と同じ通信設定情報がリモート電源制御部12にも自動的に設定される。この結果、端末制御部11とリモート電源制御部12とは、LAN3を介してリモートサーバ2と通信を行なうための共通のIPアドレスを保有することになる。この場合、同一のIPアドレスが2つ存在することになるが、通信路切換部14によりインターフェイス15,16を切り換えて、いずれか一方のインターフェイスのみがLAN3へ接続されるようになっているので、システム上は同一のIPアドレスを持ったデバイスが競合することはなく、通信に支障は生じない。こうして、LANの設定が完了すれば、LAN3を経由したリモートサーバ2によるリモート電源制御が可能となる。
【0028】
次に、リモート電源制御の動作について説明する。図4はこの動作を示したフローチャートである。最初に、商用電源が投入されると(ステップS11)、リモート電源制御部12と通信路切換部14へ待機電源bが供給される(ステップS12)。このとき、主電源aはOFF状態にある。通信路切換部14へ待機電源bが供給されることにより、通信路切換部14は、初期状態として通信路をリモート電源制御部12側のインターフェイス16へ接続する(ステップS13)。これによって、リモート電源制御部12はLAN3を介してリモートサーバ2から電源制御指令を受信できる状態となる。この電源制御指令は、前述した共通のIPアドレスを宛先とする電文である。
【0029】
リモートサーバ2からLAN3を経由して電源ONを指示する電源制御指令が送信されてくると、この指令は通信路切換部14からインターフェイス16を介してリモート電源制御部12に送られ、リモート電源制御部12はこの指令を受けて主電源のONを指示するリモート電源制御信号cを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号cを受けて主電源aを投入し、主電源aが端末制御部11に供給されてATM1は稼働状態となる。こうして主電源aがON状態になると(ステップS14)、図5に示したように、端末電源13から通信路切換部14へ主電源ON情報eが出力され、通信路切換部14はこの情報eを受け取ると、通信路をリモート電源制御部12側から端末制御部11側へ切り換える(ステップS15)。これにより、リモート電源制御部12のインターフェイス16へ接続されていた通信路は、端末制御部11のインターフェイス15へ接続される。この結果、主電源aが供給されて稼働状態となった端末制御部11は、LAN3を介してリモートサーバ2との交信が可能となり、ATM1とリモートサーバ2との間でコマンドや取引データの送受信が行われる。このとき、リモートサーバ2からATM1へは、前述のIPアドレスを宛先として送信が行われる。
【0030】
次に、リモートサーバ2からLAN3を経由して電源OFFを指示する電源制御指令が送信されてくると、この指令は通信路切換部14からインターフェイス16を介してリモート電源制御部12に送られ、リモート電源制御部12はこの指令を受けて主電源のOFFを指示するリモート電源制御信号cを端末電源13へ出力する。端末電源13はこの信号cを受けて主電源aを切断し、主電源aが端末制御部11に供給されなくなってATM1は待機状態となる。一方、待機電源bのリモート電源制御部12および通信路切換部14への供給は継続される。こうして主電源aがOFF状態になると(ステップS16)、図6に示したように、端末電源13から通信路切換部14へ主電源OFF情報eが出力され、通信路切換部14はこの情報eを受け取ると、通信路を端末制御部11側からリモート電源制御部12側へ切り換える(ステップS17)。これにより、端末制御部11のインターフェイス15へ接続されていた通信路は、リモート電源制御部12のインターフェイス16へ接続される。この結果、リモート電源制御部12はLAN3を介してリモートサーバ2から電源制御指令を受信できる状態となる。
【0031】
その後、ステップS14に戻って、リモート電源制御部12がリモートサーバ2から電源ON指令を受信すると、主電源aをONにしてATM1を稼働状態とし、以降は上述した動作を反覆する。なお、以上では、リモートサーバ2からの電源制御指令を受け取ったリモート電源制御部12が出力するリモート電源制御信号cに基づいて、端末電源13が主電源aのON/OFFを行う場合について説明したが、ATM1の電源スイッチ(図示省略)を係員が手動で入切する場合も、端末制御部11から出力される電源制御信号dに基づいて、図4の手順に従った動作が行われる。
【0032】
以上のように、上記実施形態においては、端末制御部11とリモート電源制御部12とのそれぞれに共通のIPアドレスを持たせて、それぞれの制御部のインターフェイスを主電源aのON/OFF状態に応じて切り換え、主電源aがONのときは端末制御部11のインターフェイス15をLAN3へ接続し、主電源aがOFFのときはリモート電源制御部12のインターフェイス16をLAN3へ接続するようにしている。したがって、いずれのインターフェイスがLAN3と接続された場合であっても、IPアドレスが同一であるために、リモートサーバ2側からみれば1つのインターフェイスが設けられているのと同じ結果となり、単一のインターフェイスによりATM1に対する通信(端末制御部11との通信)と電源制御(リモート電源制御部12に対する制御)の両方を行うことができる。したがって、電源制御用の新たなアドレスの割当てやこれに伴うシステム変更、およびケーブルやハブ等の追加が不要となる。
【0033】
また、主電源aがOFFで待機電源bのみが投入されている状態においては、リモート電源制御部12は常にLAN3に接続されてリモートサーバ2から電源制御指令を受け付けることが可能な体制にあるため、停電が発生して主電源aと待機電源bがともに切断された後、停電が復旧して待機電源bのみが投入された場合に、リモートサーバ2からの電源制御指令によりリモート電源制御部12が主電源aを確実にONさせることができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、端末制御部11で設定した通信設定情報をリモート電源制御部12へ転送することにより、端末制御部11とリモート電源制御部12とが共通の通信設定情報を保有するようにしているので、通信設定情報は1回設定するだけで済む。なお、ここでは通信設定情報を最初に端末制御部11に設定する場合を例に挙げたが、最初にリモート電源制御部12に通信設定情報を設定して、これを端末制御部11へ転送するようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記実施形態では、リモートサーバ2が同一のIPアドレスにより端末制御部11およびリモート電源制御部12と通信を行なうようになっているので、MACアドレスを用いずにIPアドレスによって端末装置(ATM)を特定することができ、MACアドレスを別途管理する必要がなくなる。また、MACアドレスの管理が不要となることで、端末制御部11やリモート電源制御部12のハードウエアを交換した場合でも、システム側での対応が不要となる。
【0036】
本発明は、上述した実施形態以外にも種々の形態の採用が可能である。たとえば、上記実施形態においては、端末電源13が主電源aと待機電源bの両方を供給するようにしたが、待機電源は端末電源13とは別に設けられた電源から供給されるものであってもよい。
【0037】
また、リモート電源制御部12が端末制御部11を監視し、稼働中の端末制御部11にハングアップ等の異常が発生したことをリモート電源制御部12が検知した場合に、リモート電源制御部12が通信路切換部14に対して通信路をリモート電源制御部12側へ切り換えるよう指示し、リモート電源制御部12からLAN3を介してリモートサーバ2へ異常が通報されるような機能を付加してもよい。
【0038】
また、上記の場合において、リモート電源制御部12から異常発生の通知を受けたリモートサーバ2が、リモート電源制御部12に対して電源ON/OFFを指示することにより、端末制御部11の復旧を試みることができるようなシステムとすることも可能である。
【0039】
さらに、上記実施形態においては、自動取引処理処置としてATMを例に挙げたが、本発明はこれに限らずPOS(販売時点管理装置)や自動券売機などにも適用することができる。また、これらの自動取引処理処置だけでなく、PC(パーソナルコンピュータ)やプリンタのような端末装置の電源制御装置としても実現が可能である。なお、PCやプリンタのLANインターフェイスは、リモート電源制御部を有しないのが普通であるが、これにリモート電源制御部を付加することにより、LANの変更を伴わずに本発明のIPアドレスによるリモート電源制御機能を追加することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、端末制御部とリモート電源制御部とのそれぞれに共通の通信設定情報を持たせるとともに、各制御部のインターフェイスを電源のON/OFF状態に応じて切り換えることで、管理装置側からみた場合に単一のインターフェイスで端末装置に対する通信と電源制御とを行うことができるため、アドレスの追加やシステムの変更が不要となるとともに、ケーブル等の増設も不要となって、システムをローコストで実現することができる。
【0041】
また、待機電源が投入された状態では、リモート電源制御部が常に通信回線に接続されて管理装置からの電源制御指令を受信できる体制にあるため、停電等が復旧して待機電源のみが投入された場合に、管理装置からの電源制御指令によりリモート電源制御部が主電源を確実にONさせることができる。
【0042】
さらに、IPアドレスによって端末装置を特定できるため、MACアドレスを別途管理する必要がなくなり、端末装置のハードウエアを交換した場合でも、システム側での対応が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリモート電源制御システムの一例を示した図である。
【図2】電源制御装置の構成を示したブロック図である。
【図3】通信設定情報を設定する手順を示したフローチャートである。
【図4】リモート電源制御の動作を示したフローチャートである。
【図5】通信路の切換を説明する図である。
【図6】通信路の切換を説明する図である。
【図7】従来例を示すブロック図である。
【図8】他の従来例を示すブロック図である。
【図9】LANシステムを示す図である。
【符号の説明】
1 ATM(端末装置)
2 リモートサーバ(管理装置)
3 LAN(通信回線)
11 端末制御部
12 リモート電源制御部
13 端末電源
14 通信路切換部
15 インターフェイス(第1のインターフェイス)
16 インターフェイス(第2のインターフェイス)
17 メモリ(設定手段)
18 メモリ(設定手段)
a 主電源
b 待機電源
c リモート電源制御信号
d 電源制御信号
e 主電源ON/OFF情報
Claims (6)
- 通信回線を介して管理装置と接続された複数の端末装置のそれぞれに設けられる電源制御装置であって、前記管理装置から通信回線を介して送信される電源制御指令に基づいて、端末装置の電源に対する制御を行なう電源制御装置において、
電源を供給する端末電源と、
前記端末電源から電源が供給され、端末装置の動作を制御する端末制御部と、
前記管理装置からの電源制御指令に基づいて前記電源をON/OFF制御するリモート電源制御部と、
前記端末制御部に対して設けられた第1のインターフェイスと、
前記リモート電源制御部に対して設けられた第2のインターフェイスと、
を備え、
前記端末制御部およびリモート電源制御部のそれぞれが、前記通信回線を介して前記管理装置と通信を行なうための共通の通信設定情報を保有し、
前記電源のON/OFF状態に応じて前記第1および第2のインターフェイスを切り換え、一方のインターフェイスを前記通信回線へ接続するようにしたことを特徴とする電源制御装置。 - 通信回線を介して管理装置と接続された複数の端末装置のそれぞれに設けられる電源制御装置であって、前記管理装置から通信回線を介して送信される電源制御指令に基づいて、端末装置の電源に対する制御を行なう電源制御装置において、
主電源および待機電源を供給する端末電源と、
前記端末電源から主電源が供給され、端末装置の動作を制御する端末制御部と、
前記端末電源から待機電源が供給され、前記管理装置からの電源制御指令に基づいて前記主電源をON/OFF制御するリモート電源制御部と、
前記端末制御部に対して設けられた第1のインターフェイスと、
前記リモート電源制御部に対して設けられた第2のインターフェイスと、
を備え、
前記端末制御部およびリモート電源制御部のそれぞれが、前記通信回線を介して前記管理装置と通信を行なうための共通の通信設定情報を保有し、
前記主電源のON/OFF状態に応じて前記第1および第2のインターフェイスを切り換え、主電源がONのときは第1のインターフェイスを前記通信回線へ接続し、主電源がOFFのときは第2のインターフェイスを前記通信回線へ接続することを特徴とする電源制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電源制御装置において、
前記端末制御部およびリモート電源制御部のそれぞれに、前記共通の通信設定情報が設定される設定手段を設け、一方の設定手段に設定された通信設定情報を他方の設定手段へ転送することにより、両制御部に共通の通信設定情報を保有させるようにしたことを特徴とする電源制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電源制御装置において、
前記通信回線はLANからなり、
前記通信設定情報はLANを介して前記管理装置と通信を行なうためのIPアドレスを含み、
前記管理装置は、同一のIPアドレスにより前記端末制御部およびリモート電源制御部と通信を行なうことを特徴とする電源制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電源制御装置を備えていることを特徴とする自動取引処理装置。
- 管理装置と、この管理装置に通信回線を介して接続された複数の端末装置とからなり、前記管理装置から通信回線を介して端末装置へ送信される電源制御指令に基づいて、端末装置の電源に対する制御を行なうリモート電源制御システムにおいて、
前記端末装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電源制御装置を備えていることを特徴とするリモート電源制御システム。
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JP2002214353A JP2004056674A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 電源制御装置、自動取引処理装置、リモート電源制御システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011048658A1 (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | キヤノン株式会社 | 複数の通信インターフェイスを有する情報処理装置、該情報処理装置の制御方法 |
JP2017187836A (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-12 | 富士通フロンテック株式会社 | 自動取引装置、故障通知方法および故障通知プログラム |
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2002
- 2002-07-23 JP JP2002214353A patent/JP2004056674A/ja active Pending
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