JP2004055305A - 吊下げ式照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放電灯点灯用であってこれを筐体10内に収納する器具本体1と、天井から吊下げられる可撓性の線状材2と、この線状材の下端に連結される係止部材とを備えた。天井と対向する筐体10の壁面100には、この壁面100の中心を当該器具本体1の重心が移動する方向へ横切るように、係止部材よりも小さい線状材挿通孔101がこれよりも小さいスリット102を介して互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔101の端でこれらとその線状材挿通孔101よりも小さいスリット103を介して互いに連通した状態で係止部材よりも大きい係止部材挿通孔104が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井面から吊り下げられる吊下げ式照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は従来の吊下げ式照明器具の外観図、図16は同吊下げ式照明器具の一部拡大図、図17は同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。ただし、図15には、吊下げ式照明器具が2組図示されている。
【0003】
図15〜図17に示す従来の吊下げ式照明器具は、器具本体1Xがワイヤなどの線状材2およびこの下端に連結される係止部材3を介して天井から吊り下げられるようになっている。
【0004】
この構成では、器具本体1Xの幅方向に1本の線状材2しか使用されていないために、器具本体1Xが傾く場合があり、この場合、バランサ9を器具本体1Xの内部に固定するなどして、傾きが無いように調整していた。
【0005】
あるいは、図18に示すように、線状材2および係止部材3を幅方向に2組用いて器具本体1Yを天井から吊り下げたり、図19に示すように、二股の線状材2Aおよびこの両端に連結される係止部材3を幅方向に1組用いて器具本体1Yを天井から吊り下げることにより、傾きが無いようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図18,図19に示す従来の吊下げ式照明器具では、幅方向における線状材の本数が多いために、全体としての本数が勢い多くなり、見栄えが悪くなるという問題があった。
【0007】
また、図17に示す吊下げ式照明器具では、バランサ9を用いて傾きが無いように調整する作業がかなり手間であった。なお、図16における線状材2の下端に連結された係止部材3の係止構造では、その係止部材3を係止する専用の構造になっているために、他の吊具を共用することができない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、傾き調整が容易な吊下げ式照明器具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面には、この壁面の中心を当該器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の吊下げ式照明器具において、前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でく字状に屈曲し、このく字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の吊下げ式照明器具において、前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でU字状に屈曲し、このU字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれかに記載の吊下げ式照明器具において、前記筐体の壁面には少なくとも1つのねじ挿通孔が穿設されている一方、前記板材には前記ねじ挿通孔に対応するねじ孔が穿設され、前記板材は、前記ねじ挿通孔にねじを挿通して前記ねじ孔で螺着することにより前記筐体にねじ止めされることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の吊下げ式照明器具において、前記ねじ挿通孔は長円状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の吊下げ式照明器具において、前記放電灯は直管形の蛍光灯であり、前記筐体は、前記放電灯の軸方向に沿って伸びる形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の吊下げ式照明器具において、前記線状材は、前記筐体の幅方向に各1本設けられ、前記筐体の軸方向に複数本設けられることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面には、この壁面の中心を当該連結吊部材に連結された器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図、図2は同吊下げ式照明器具の線状材および係止部材を示す図、図3は同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。
【0020】
第1実施形態の吊下げ式照明器具は、図1〜図3に示すように、放電灯点灯用の器具本体1と、図外の天井から吊下げられる可撓性の線状材(例えばワイヤ)2と、この線状材2の下端に連結される球状の係止部材3とを備えている。
【0021】
器具本体1は、一の方向(図3では紙面に対して垂直方向)に伸びる断面コ字状の筐体10を備え、放電灯としての直管形の蛍光灯11、反射板12および安定器(図示せず)などを筐体10内に収納している。
【0022】
ここで、筐体10が蛍光灯11の軸方向に沿って伸びる形状に形成されているため、下端に係止部材3が連結される線状材2は、筐体10の幅方向に各1本設けられ、筐体10の軸方向に複数本設けられる。
【0023】
そして、第1実施形態の特徴として、天井と対向する筐体10の壁面100には、この壁面100の中心を当該器具本体1の重心が移動する方向へ横切るように、係止部材3よりも小さい円状の線状材挿通孔101がこれよりも小さいスリット102を介して互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら複数の線状材挿通孔101の端でこれらとその線状材挿通孔101よりも小さいスリット103を介して互いに連通した状態で係止部材3よりも大きい円状の係止部材挿通孔104が設けられている。
【0024】
このように連通する線状材挿通孔101を設けることにより、球状の係止部材3を中央の線状材挿通孔101に嵌合したときに、図3(a)に示すように傾きの無い状態になったとすれば、係止部材3を片側にずれた線状材挿通孔101に嵌合したとき、器具本体1の重心が移動して図3(b)または図3(c)の傾いた状態になるので、吊下げ式照明器具の設置状態に応じて、係止部材3を嵌合させる線状材挿通孔101を選択することにより、器具本体1を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。つまり、器具本体1が傾いた場合、器具本体1の中心より傾き方向にある線状材挿通孔101に係止部材3を嵌合すれば、線状材2が筐体10の幅方向に1本であっても、傾きの無い状態に調整することができる。この機構は、幅方向が短く重心位置が傾きやすい照明器具に有用である。
【0025】
また、器具本体1に係止部材挿通孔104を設けることにより、天井から吊り下げられた線状材2の下端の係止部材3をその係止部材挿通孔104に挿通し、これに連通する線状材挿通孔101に係止することができるので、吊下げ式照明器具を天井から吊り下げた状態にするまでの作業性が非常に良くなる。
【0026】
さらに、複数の線状材挿通孔101をこれらよりも小さいスリット102で連通することにより、球状の係止部材3が傾きの調整時に選択した線状材挿通孔101に嵌合するようになるので、調整した傾きの状態を保持することができる。
【0027】
なお、第1実施形態では、係止部材は、球状になっているが、これに限らず、例えば上に凸の半球状でもよい。この構造でも、調整した傾きの状態を保持することができる。
【0028】
また、第1実施形態では、複数の線状材挿通孔101および係止部材挿通孔104は、スリット102,103を介して互いに連通する構造になっているが、これに限らず、複数の線状材挿通孔101の各一部が重なり合うことで連通し、これら複数の線状材挿通孔101の端と係止部材挿通孔104の一部が重なり合うことで連通する構造でもよい。
【0029】
(第2実施形態)
図4は本発明に係る第2実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図、図5は同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。
【0030】
第2実施形態の吊下げ式照明器具は、図4に示すように、線状材2と、係止部材3(図では後述の板材4で隠れている)とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、放電灯収納用の器具本体1Aと、この器具本体1Aの内部に収納される板材4とを備えている。
【0031】
器具本体1Aは、第1実施形態の器具本体1との相違点として、筐体10に代えて筐体10Aを備えている。天井と対向する筐体10Aの壁面100Aの中心には、係止部材3よりも大きく板材4よりも小さい円状の係止部材挿通孔104Aが設けられている。
【0032】
他方、板材4には、係止部材3よりも小さい円状の線状材挿通孔41と、この線状材挿通孔41とこれよりも小さいスリット42を介して互いに連通した状態で係止部材3よりも大きい円状の係止部材挿通孔43とが設けられている。
【0033】
このように筐体10Aに係止部材挿通孔104Aを設けるとともに、線状材挿通孔41、スリット42および係止部材挿通孔43が形成された板材4を設けることにより、天井から吊り下げられた線状材2の下端の係止部材3を係止部材挿通孔104A,43に挿通し、係止部材3を線状材挿通孔41に係止することができるので、図5(a)に示すように、吊下げ式照明器具を天井から吊り下げた状態にするまでの作業性が非常に良くなる。
【0034】
また、図5(b)に示すように、線状材挿通孔41の中心が係止部材挿通孔104Aの中心と一致したときに、器具本体1Aが傾きの無い状態になったとすれば、図5(c),(d)に示すように、線状材挿通孔41の中心を係止部材挿通孔104Aの中心からずらせたとき、器具本体1Aが重心の移動で傾いた状態になるので、吊下げ式照明器具の設置状態に応じて、無段階で、器具本体1Aを傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0035】
また、図5(b)〜(d)に示す位置関係にある場合、係止部材3が係止部材挿通孔43から抜けるのを防止することができ、抜止め防止用部材を別に設ける必要がなくなる。
【0036】
さらに、筐体10Aの壁面100Aの中心に係止部材挿通孔104Aを設けることにより、従来から使用されている図6に示すようなパイプ5を係止部材挿通孔104Aに挿通することができるので、複数種類の吊具で器具本体1Aを吊り下げることができる。
【0037】
(第3実施形態)
図7は本発明に係る第3実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【0038】
第3実施形態の吊下げ式照明器具は、図7に示すように、線状材2と、係止部材3(図では後述の板材4Aで隠れている)とを第2実施形態と同様に備えているほか、第2実施形態との相違点として、放電灯収納用の器具本体1Bと、この器具本体1Bの内部に収納される板材4Aとを備えている。
【0039】
器具本体1Bは、第2実施形態の器具本体1Aとの相違点として、筐体10Aに代えて筐体10Bを備えている。この筐体10Bの壁面100Bには、係止部材挿通孔104Aが筐体10Aと同様に設けられているほか、係止部材挿通孔104Aと筐体10Bの幅方向における一の縁部との間に、筐体10Bの幅方向に伸びる長円状のねじ挿通孔105がさらに設けられている。
【0040】
他方、板材4Aには、第2実施形態の板材4との相違点として、ねじ挿通孔105に対応するねじ孔44がさらに設けられている。
【0041】
このように長円状のねじ挿通孔105を筐体10Bにさらに設けるとともに、ねじ孔44を板材4Aにさらに設けることにより、ねじ挿通孔105にねじ6の足部を挿通してねじ孔44に螺着すれば、板材4Aを筐体10Bにねじ止めすることができ、無段階で調整した傾きの状態を保持することができる。また、ねじ挿通孔105を長円状にすることで、ねじ挿通孔105およびねじ孔44を一対設けるだけで、板材4Aを傾き調整可能にスライド自在とすることができる。
【0042】
(第4実施形態)
図8は本発明に係る第4実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【0043】
第4実施形態の吊下げ式照明器具は、図8に示すように、線状材2と、係止部材3(図では後述の板材4Bで隠れている)とを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として、放電灯収納用の器具本体1Cと、この器具本体1Cの内部に収納される板材4Bとを備えている。
【0044】
器具本体1Cは、第3実施形態の器具本体1Bとの相違点として、筐体10Bに代えて筐体10Cを備えている。この筐体10Cの壁面100Cには、係止部材挿通孔104Aおよびねじ挿通孔105が筐体10Bと同様に設けられているほか、係止部材挿通孔104Aを挟んでねじ挿通孔105と対向する位置に、矩形状の挿入孔106がさらに設けられている。
【0045】
他方、板材4Bには、第3実施形態の板材4Aとの相違点として、線状材挿通孔41、スリット42および係止部材挿通孔43を挟んでねじ孔44と対向する縁部に、上記挿入孔106に挿入される回転防止爪45が突設されている。この回転防止爪45の幅方向の寸法は、挿入孔106の長手方向の寸法よりも若干小さめに設定される。
【0046】
このように挿入孔106を筐体10Cにさらに設けるとともに、回転防止爪45を板材4Bにさらに設けることにより、板材4Bを筐体10Cにねじ止めする際に、筐体10Cに対して板材4Bが回転するのを防止することができ、板材4Bの筐体10Cへの固定作業が容易となる。
【0047】
(第5実施形態)
図9は本発明に係る第5実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図、図10は同吊下げ式照明器具の線状材および板材を示す斜視図である。
【0048】
第5実施形態の吊下げ式照明器具は、器具本体1Bと、線状材2と、係止部材3とを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として、図9に示すように、器具本体1Bの内部に収納される板材4Cを備えている。
【0049】
板材4Cは、第3実施形態の板材4Aとの相違点として、図10に示すように、線状材挿通孔41の位置で上に凸のく字状に屈曲し、このく字状の当該板材部分で筐体10Bの壁面100Bに設けられた係止部材挿通孔104Aに填り込む構造になっている。
【0050】
ただし、器具本体1Bの筐体10Bに設けられる係止部材挿通孔104Aは、図9(a)に示すように角状に形成される。また、板材4Cのく字状の部分は、その他の部分よりも寸法が短くなっている。
【0051】
このようにく字状の板材部分を筐体10Bの角状の係止部材挿通孔104Aに填り込む構造にすることにより、位置決めが容易となるとともに、筐体10Bに対して板材4Cが回転するのを防止することができ(スライドしすぎの防止およびがたつき低減も可能)、板材4Cの筐体10Bへの固定作業が容易となる。また、係止部材3がく字状の板材部分で強固に保持されるようになる。
【0052】
(第6実施形態)
図11は本発明に係る第6実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図、図12は同吊下げ式照明器具の線状材および板材を示す斜視図である。
【0053】
第6実施形態の吊下げ式照明器具は、器具本体1Bと、線状材2と、係止部材3とを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として、図11に示すように、器具本体1Bの内部に収納される板材4Dを備えている。
【0054】
ただし、器具本体1Bの筐体10Bに設けられる係止部材挿通孔104Aは、図11(a)に示すように角状に形成される。
【0055】
板材4Dは、第3実施形態の板材4Aとの相違点として、図12に示すように、線状材挿通孔41の位置で上に凸のU字状に屈曲し、このU字状の当該板材部分で筐体10Bの壁面100Bに設けられた角状の係止部材挿通孔104Aに填り込む構造になっている。
【0056】
このようにU字状の板材部分を筐体10Bの角状の係止部材挿通孔104Aに填り込む構造にすることにより、位置決めが容易となるとともに、筐体10Bに対して板材4Dが回転するのを防止することができ、板材4Dの筐体10Bへの固定作業が容易となる。また、係止部材3がU字状の板材部分で強固に保持されるようになる。さらに、U字状の屈曲部分に指先を引っ掛けて板材4Aをスライドさせることができるので、施工時に線状材2に張力がかかっている場合でもそれを容易にスライドすることができる。
【0057】
なお、上記各実施形態では、器具本体をこの筐体部分で傾き調整可能に天井から吊り下げる構成になっているが、これに限らず、図13に示すように、器具本体1Dを他の器具本体1Dに連結する場合、上記各実施形態と同様に、器具本体1Dを傾き調整可能に天井から吊り下げる機構を、両器具本体1Dを連結するための連結吊金具に持たせるようにしてもよい。
【0058】
例えば、図14に示すように、第6実施形態と同様に、天井と対向する連結吊金具7の壁面70の中心に、係止部材3よりも大きく板材4Dよりも小さい角状の係止部材挿通孔71および長円状のねじ挿通孔72を設ければ、第6実施形態と同様の効果が得られる。なお、図13中の73は、器具本体1Dのねじ挿入孔107に挿入されたねじ8を螺着するためのねじ孔である。
【0059】
あるいは、第1実施形態と同様に、天井と対向する連結吊金具の壁面に、この壁面の中心を当該連結吊金具に連結された器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、係止部材3よりも小さい線状材挿通孔を互いに連通した状態で複数設けるとともに、これら複数の線状材挿通孔と互いに連通した状態で係止部材よりも大きい係止部材挿通孔を設ければ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面には、この壁面の中心を当該器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられているので、天井から吊り下げられた線状材の下端の係止部材を、係止部材挿通孔に挿通し、吊下げ式照明器具の設置状態に応じて、複数の線状材挿通孔のいずれかに嵌合することにより、容易に器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0061】
請求項2記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられているので、天井から吊り下げられた線状材の下端の係止部材を、筐体の係止部材挿通孔および板材の係止部材挿通孔に挿通し、板材の線状材挿通孔に係止することができ、容易に器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0062】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の吊下げ式照明器具において、前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でく字状に屈曲し、このく字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むので、筐体に対して板材が回転するのを防止することができるほか、係止部材をく字状の板材部分で強固に保持することができる。
【0063】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の吊下げ式照明器具において、前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でU字状に屈曲し、このU字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むので、筐体に対して板材が回転するのを防止することができるほか、係止部材をU字状の板材部分で強固に保持することができる。
【0064】
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれかに記載の吊下げ式照明器具において、前記筐体の壁面には少なくとも1つのねじ挿通孔が穿設されている一方、前記板材には前記ねじ挿通孔に対応するねじ孔が穿設され、前記板材は、前記ねじ挿通孔にねじを挿通して前記ねじ孔で螺着することにより前記筐体にねじ止めされるので、調整した傾きの状態を強固に保持することができる。
【0065】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の吊下げ式照明器具において、前記ねじ挿通孔は長円状に形成されているので、板材を傾き調整可能にスライド自在とすることができる。
【0066】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の吊下げ式照明器具において、前記放電灯は直管形の蛍光灯であり、前記筐体は、前記放電灯の軸方向に沿って伸びる形状に形成されているのであり、この構成でも、容易に器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0067】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の吊下げ式照明器具において、前記線状材は、前記筐体の幅方向に各1本設けられ、前記筐体の軸方向に複数本設けられるので、容易にしかも見栄え良く器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0068】
請求項9記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面には、この壁面の中心を当該連結吊部材に連結された器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられているので、容易に器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【0069】
請求項10記載の発明の吊下げ式照明器具は、放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられているので、容易に器具本体を傾きの無い状態で吊り下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図2】同吊下げ式照明器具の線状材および係止部材を示す図である。
【図3】同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図5】同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。
【図6】同吊下げ式照明器具を別の吊具で吊り下げた様子を示す図である。
【図7】本発明に係る第3実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る第4実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る第5実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図10】同吊下げ式照明器具の線状材および板材を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る第6実施形態の吊下げ式照明器具の一部を示す斜視図である。
【図12】同吊下げ式照明器具の線状材および板材を示す斜視図である。
【図13】複数の吊下げ式照明器具を連結吊金具で連結した様子を示す図である。
【図14】連結吊金具に第6実施形態の筐体と同様の傾き調整機構を設けた例を示す図である。
【図15】従来の吊下げ式照明器具の外観図である。
【図16】同吊下げ式照明器具の一部拡大図である。
【図17】同吊下げ式照明器具の傾き調整の説明図である。
【図18】別の従来の吊下げ式照明器具の傾き調整を説明するための図である。
【図19】別の従来の吊下げ式照明器具の傾き調整を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D 器具本体
10,10A,10B,10C 筐体
100,100A,100B,100C 壁面
101 線状材挿通孔
102,103 スリット
104,104A 係止部材挿通孔
105 ねじ挿通孔
106 挿入孔
11 蛍光灯
2 線状材
3 係止部材
4,4A,4B,4C,4D 板材
41 線状材挿通孔
42 スリット
43 係止部材挿通孔
44 ねじ孔
7 連結吊金具
71 係止部材挿通孔
72 ねじ挿通孔
Claims (10)
- 放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面には、この壁面の中心を当該器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられていることを特徴とする吊下げ式照明器具。
- 放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材とを備え、前記天井と対向する前記筐体の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられていることを特徴とする吊下げ式照明器具。
- 前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でく字状に屈曲し、このく字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むことを特徴とする請求項2記載の吊下げ式照明器具。
- 前記板材は、前記線状材挿通孔の位置でU字状に屈曲し、このU字状の当該板材部分で前記筐体の壁面に設けられた係止部材挿通孔に填り込むことを特徴とする請求項2記載の吊下げ式照明器具。
- 前記筐体の壁面には少なくとも1つのねじ挿通孔が穿設されている一方、前記板材には前記ねじ挿通孔に対応するねじ孔が穿設され、前記板材は、前記ねじ挿通孔にねじを挿通して前記ねじ孔で螺着することにより前記筐体にねじ止めされることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の吊下げ式照明器具。
- 前記ねじ挿通孔は長円状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の吊下げ式照明器具。
- 前記放電灯は直管形の蛍光灯であり、前記筐体は、前記放電灯の軸方向に沿って伸びる形状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吊下げ式照明器具。
- 前記線状材は、前記筐体の幅方向に各1本設けられ、前記筐体の軸方向に複数本設けられることを特徴とする請求項7記載の吊下げ式照明器具。
- 放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面には、この壁面の中心を当該連結吊部材に連結された器具本体の重心が移動する方向へ横切るように、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔が互いに連通した状態で複数設けられているとともに、これら線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔が設けられていることを特徴とする吊下げ式照明器具。
- 放電灯点灯用であってこれを筐体内に収納する器具本体と、天井から吊下げられる少なくとも1本の可撓性の線状材と、この線状材の下端に連結される係止部材と、前記筐体内に収納される板材と、前記器具本体を他の器具本体に連結するための連結吊部材とを備え、前記天井と対向する前記連結吊部材の壁面の中心には、前記係止部材よりも大きく前記板材よりも小さい係止部材挿通孔が設けられ、前記板材には、前記係止部材よりも小さい線状材挿通孔と、この線状材挿通孔と互いに連通した状態で前記係止部材よりも大きい係止部材挿通孔とが設けられていることを特徴とする吊下げ式照明器具。
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