JP2004050963A - 自動二輪車用タイヤ及びその使用方法 - Google Patents

自動二輪車用タイヤ及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間に亘って安定した性能を発揮し、しかも必要時には優れたグリップ性を発揮する自動二輪車用タイヤ1の提供。
【解決手段】タイヤ1のトレッド部3は、ブロックパターンが形成されたトレッド面を備えている。ブロックパターンは、ブロック15と溝13とからなる。トレッド面のランド比率は、10%以上40%以下である。トレッド部の高さHと幅Wの半分との比(H/(W/2))は、0.25以上0.40以下である。トレッド部3は、ベース層27と、このベース層27に積層された表面層29とからなる。ベース層27は、硬度が72度以上のソリッドゴムからなる。表面層29は、独立気泡を含む発泡ゴムからなる。独立気泡の平均直径は、10μm以上100μm以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車用タイヤに関し、詳細には、不整地等の走行に適した自動二輪車用タイヤに関する関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤのトレッド部は路面と接触し、かつ摺動する部分である。トレッド部は、耐久性とグリップ性とに優れていなければならない。耐久性に劣るトレッド部は早期に摩滅し、タイヤの寿命を早める。グリップ性に劣るトレッド部は、車両の走行に支障を来す。耐久性とグリップ性との両立は、タイヤにおいて重要な事項である。タイヤには、騒音が少ないことが要求されることもある。特開平8−268006号公報には、トレッド面に設けられた発泡ゴム層によって騒音が低減されたタイヤが開示されている。この公報に開示されたタイヤは、実質的には乗用車用のものである。
【0003】
ところで、不整地で行われる自動二輪車レースには、トレッド部がブロックパターンを備え、かつトレッド部の高さHと幅Wとの比(H/W)が大きなタイヤが用いられる。ブロックパターンでは、トレッド部に刻まれた溝によってトレッド面が多数のブロックに区画されている。この自動二輪車用タイヤは不整地を走行するものなので、トレッド部はこの不整地からのダメージに耐えうる耐久性が必要である。しかも、この自動二輪車用タイヤは速度を競うレースで用いられるものなので、優れたグリップ性も必要である。この自動二輪車用タイヤにとって耐久性とグリップ性との両立は、一般道用のタイヤ以上に重要な事項である。
【0004】
トレッド部に高硬度なゴムが用いられれば、その耐久性は向上する。しかし、高硬度なゴムの使用によってグリップ性が不十分となるので、速度を競うレースでは不利である。トレッド部に低硬度なゴムが用いられれば、そのグリップ性は向上する。しかし、ゴムが低硬度すぎるとレースの途中でブロックが摩滅してしまい、その後の走行に大きな支障を来す。不整地用の自動二輪車用タイヤでは、耐久性とグリップ性との両立は容易なことではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高硬度なベース層と、このベース層に積層された低硬度な表面層とからトレッド部を構成する手段も考えられる。このトレッド部では、ベース層によって耐久性が発現され、表面層によってグリップ性が発現される。
【0006】
しかしながら、このような二層構造のトレッド部においてひとたび表面層が摩滅すると、その時点からタイヤ性能が極端に変化してしまう。例えば、表面層が摩滅して硬硬度なベース層が露出すると、その後のグリップ性が大きく低下する。レースの途中でタイヤ性能が極端に変化してしまうことを防止するにはベース層と表面層との物性差を小さく設定する必要があるが、この場合はタイヤが二層構造本来の性能を発揮しえない。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、長時間に亘って安定した性能を発揮し、しかも必要時には優れたグリップ性を発揮する自動二輪車用タイヤの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためになされた発明は、
その外面がトレッド面をなすトレッド部と、このトレッド部の両端から略半径方向内向きに延びる一対のサイドウォール部と、このサイドウォール部からさらに略半径方向内向きに延びる一対のビード部と、両ビード部間に架け渡されたカーカス部とを備えており、
トレッド面のランド比率が10%以上40%以下であり、
トレッド部の幅Wの半分に対するトレッド部の高さHの比(H/(W/2))が0.25以上0.40以下である自動二輪車用タイヤであって、
このトレッド部はベース層とこのベース層に積層された表面層とからなり、このベース層は硬度が72度以上のソリッドゴムからなり、表面層は平均直径が10μm以上100μm以下である独立気泡を含む発泡ゴムからなることを特徴とする自動二輪車用タイヤ、
である。
【0009】
この自動二輪車用タイヤは、不整地で行われるレースに特に好適である。この種のレースでは追い抜きが困難なので、スタート直後に上位(理想的には先頭)に立つことが重要である。この自動二輪車用タイヤの表面層は柔軟なので大きな接地面積が得られ、しかも気泡によるエッジ効果も得られる。この表面層は極めて優れたグリップ性を発現する。従って、この自動二輪車用タイヤを装着した車両は、スタート直後のいわゆるスタートダッシュにおいて上位に立ちやすい。発泡ゴムからなる表面層は早期に摩滅し、ベース層が露出する。これにより、レース終了まで長時間に亘って、自動二輪車用タイヤが安定した性能を発揮する。レースの序盤で表面層の効果で上位に立ったレーサーは、ベース層の効果で順位を維持したままフィニッシュできる。
【0010】
本発明は、カーカス部がバイアス構造のカーカスプライを備えており、トレッド部の内側におけるカーカスプライの枚数が2以上に設定されている自動二輪車用タイヤにおいて、特に顕著な効果を奏する。また、本発明は、カーカス部とトレッド部との間に2以上のブレーカープライからなるブレーカー部を備えており、カーカス部がラジアル構造のカーカスプライを備えている自動二輪車用タイヤにおいても、特に顕著な効果を奏する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ1(以下単に「タイヤ」とも称される)の一部が示された断面図である。この図1において上下方向がタイヤ1の半径方向であり、左右方向がタイヤ1の軸方向である。このタイヤ1は、トレッド部3、サイドウォール部5、ビード部7、カーカス部9及びインナーライナー11を備えている。図1に示された一点鎖線Eは、タイヤ1の赤道面を表している。このタイヤ1は、赤道面Eに対してほぼ対象な形状を呈する。
【0013】
トレッド部3は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な円弧状である。トレッド部3の外面は、路面と接地するトレッド面を構成する。トレッド面は、溝13によって多数のブロック15に区画されたブロックパターンをなしている。トレッド面のランド比率は10%以上40%以下、特には15%以上35%以下である。ランド比率がこの範囲にあるブロックパターンを備えたタイヤ1は、岩場、瓦礫、軟弱知等の不整地での走行に適したものである。本明細書においてランド比率とは、溝13を除くトレッド面の面積の、溝13が無いと仮定されたときのトレッド面の面積に対する比率を意味する。
【0014】
溝13が無いと仮定されたときのトレッド面の断面形状は、赤道面Eを中心とする曲率半径が互いに異なる複数の円弧の組み合わせから構成される。通常は、赤道面近傍の円弧の曲率半径よりも、トレッド端17近傍の円弧の曲率半径の方が小さい。
【0015】
サイドウォール部5は、トレッド部3の端部から半径方向内向きに延びている。このサイドウォール部5も、架橋ゴムからなる。サイドウォール部5は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール部5は、カーカス部9の外傷を防止する。
【0016】
ビード部7は、ビードコア19と、このビードコア19から半径方向外向きに延びるビードエーペックス21とからなる。ビードコア19は環状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。ビードエーペックス21は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、架橋ゴムからなる。
【0017】
カーカス部9は、トレッド部3、サイドウォール部5及びビード部7の内周面に沿うように、両側のビード部7の間に架け渡されている。カーカス部9は、第一カーカスプライ23及び第二カーカスプライ25からなる。第一カーカスプライ23及び第二カーカスプライ25は、ビードコア19の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。
【0018】
インナーライナー11は、カーカス部9の内周面に接合されている。インナーライナー11も、架橋ゴムからなる。インナーライナー11には、空気透過性の少ないゴムが用いられる。インナーライナー11は、タイヤ1の内圧を保持する役割を果たす。
【0019】
このタイヤ1では、トレッド部3の幅Wの半分に対するトレッド部3の高さHの比(H/(W/2))は、0.25以上0.40以下に設定されている。比(H/(W/2))がこの範囲であるタイヤ1は、不整地での走行に適している。この観点から、比(H/(W/2))は、0.20以上0.30以下が好ましい。トレッド部3の幅Wとは、左右のトレッド端17同士の間の、タイヤ軸方向距離を意味する。トレッド部3の高さHとは、トレッド面の上にありかつ赤道面Eの上にある点から、トレッド端17までの、タイヤ半径方向距離を意味する。トレッド端17とは、タイヤ1の半径方向断面において、タイヤ最大幅及びタイヤプロファイルを形成する半径30mm以上の円弧が交わる点を意味する。
【0020】
トレッド部3の幅W及び高さHは、タイヤ1が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるように空気が充填された状態で測定される。本明細書において正規リムとは、タイヤ1が依拠する規格を含む規格体系において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格を含む規格体系において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS PRESSURE」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
【0021】
図2は、図1のタイヤ1のトレッド部3の一部が示された断面図である。この図には、ブロック15の近傍が示されている。トレッド部3は、ベース層27と、このベース層27に積層された表面層29とからなる。
【0022】
図2(a)に示されるように、使用前のタイヤ1ではブロック15の上面は表面層29に覆われている。表面層29は、独立気泡を含む発泡ゴムからなる。この表面層29は極めて柔軟なので、路面の形状に追従しやすく、接地面積が大きくなる。柔軟な表面層29は、タイヤ1のグリップ性向上に寄与する。表面層29では気泡が露出しているので、この表面層29の表面には多数の微小エッジが存在している。このエッジ効果によっても、タイヤ1のグリップ性が向上する。グリップ性の向上は、砂が存在するハード路面や、コンクリート製の路面において特に顕著である。
【0023】
発泡ゴムは脆弱なので表面層29は早期に摩滅するが、レース開始からしばらくは表面層29が接地する。このタイヤ1を装着した自動二輪車は、タイヤ1のグリップ性が優れているためレース序盤で上位に立つことができる。レースの途中で表面層29の上面が摩滅すると、図2(b)に示されるようにベース層27の一部が露出する。
【0024】
表面層29の気泡は、独立気泡である。独立気泡とされることにより、表面層29が接地によって受けるせん断力に対する十分な引き裂き抗力が得られる。独立気泡とされることにより、表面層29の極端に早い摩滅が防止される。気泡の平均直径は、10μm以上100μm以下に設定される。平均が上記範囲未満であると、タイヤ1のグリップ性が不十分となることがある。この観点から、平均直径は15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。平均直径が上記範囲を超えると、表面層29の強度が極端に低くなることがある。この観点から、平均直径は85μm以下がより好ましく、70μm以下が特に好ましい。平均直径は、表面層29の断面から無作為に決定された100mmの正方形の内部に含まれる気泡の断面円の直径が測定され、これらの値が平均されることで算出される。
【0025】
表面層29の基材ゴムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が好適である。気泡は通常、ゴム組成物中の発泡剤が発泡することによって形成される。用いられうる発泡剤としては熱分解型発泡剤、低沸点型発泡剤等が挙げられ、特に熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤の具体例としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びトリアゾール化合物が挙げられる。熱分解型発泡剤が用いられる場合、その配合量は、基材ゴム100部(パーツ バイ ウエイト)に対して0.2部以上30部以下、特には0.5部以上15部以下が好ましい。ゴム組成物には、硫黄等の架橋剤が配合される。ゴム組成物にはまた、架橋助剤、発泡助剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、加工助剤等が、必要に応じ適量添加される。
【0026】
表面層29の発泡倍率(気泡が存在する場合の密度に対する気泡が存在しない場合の密度の比)は、3倍以上20倍以下が好ましい。発泡倍率が上記範囲未満であると、タイヤ1のグリップ性が不十分となることがある。この観点から、発泡倍率は5倍以上が特に好ましい。発泡倍率が上記範囲を超えると、表面層29の強度が極端に低くなることがある。この観点から、発泡倍率は10倍以下が特に好ましい。
【0027】
表面層29の厚み(使用前タイヤにおける厚み)は、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。厚みが上記範囲未満であると、表面層29の摩滅が極端に早くなることがある。この観点から、厚みは2.5mm以上が特に好ましい。厚みが上記範囲を超えると、表面層29の摩滅が極端に遅くなることがある。この観点から、厚みは3.0mm以下が特に好ましい。厚みは、ブロック15の接地面中心において測定される。
【0028】
ベース層27は、ソリッドゴム(実質的に気泡を含まないゴム)からなる。ベース層27の硬度は72度以上であり、表面層29の硬度よりも高い。従って、表面層29が摩滅してベース層27が露出した後もブロック15が消滅しにくく、タイヤ1が長時間に亘って安定した性能を発揮する。換言すれば、ベース層27はタイヤ1の耐久性に寄与する。この観点から、硬度は74度以上が特に好ましい。ベース層27の硬度が高すぎると、表面層29が摩滅した後のタイヤ1のグリップ性が不十分となるので、硬度は80度以下が好ましい。硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠し、デュロメーターA型によって測定される。測定は、23℃の環境下で行われる。
【0029】
ベース層27の基材ゴムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が好適である。20質量%以上、特には40質量部以上50質量%以下の天然ゴムと、他のゴムとが併用されてもよい。
【0030】
ベース層27と表面層29とを積層する手段は特には制限されないが、共押出法(二層押出法)が好適である。共押出法では、ベース層用のゴム組成物と表面層用ゴム組成物とが同時に押し出されつつ、積層される。表面層ゴム組成物の押出幅は、通常はベース層ゴム組成物の押出幅の50%以上とされる。通常は、両者の押出速度は同一とされる。ベース層用ゴム組成物の押出ボリュームに対する表面層用ゴム組成物の押出ボリュームは、通常は20%以下である。こうして得られた積層体を含む予備成形体が金型内で加熱され、ゴムが架橋反応を起こしてタイヤ1が得られる。加熱時には発泡剤が反応し、表面層29に気泡が形成される。
【0031】
第一カーカスプライ23及び第二カーカスプライ25は、いずれも、赤道面Eと斜めに交差するコードを備えたバイアス構造である。コードの赤道面に対する傾斜角度は、通常は15°以上40°以下である。トレッド部3が二層構造とされることによってグリップ性と耐久性とが両立されるという効果は、バイアス構造のカーカスプライを2枚以上備えたタイヤ1において特に顕著である。このタイヤ1では、トレッド部3の接地面にかかるせん断力に対して一様のカーカス剛性が発揮され、安定したグリップ力が得られる。
【0032】
このタイヤ1では、ベース層27とカーカス部9との間にアンダートレッド層が形成されていない。換言すれば、ベース層27のゴムとカーカス部9のトッピングゴムとが直接に接合している。トレッド部3が二層構造とされることによってグリップ性と耐久性とが両立されるという効果は、このような構造のタイヤ1において特に顕著である。このタイヤ1では、高硬度のベース層27が表面層29を内側から支えるので、表面層29が十分な耐せん断力を得て優れたグリップ性が発揮される。
【0033】
カーカス部とトレッド部との間に2以上のブレーカープライからなるブレーカー部を備えており、カーカス部がラジアル構造(コードと赤道面Eとがほぼ直交する構造)のカーカスプライを備えているタイヤにおいても、トレッド部3が二層構造とされることによってグリップ性と耐久性とが両立されるという効果が顕著である。ラジアル構造のタイヤでは、バイアス構造のタイヤに比べてコーナリングフォースが発生しにくい。トレッド部3が二層構造とされることにより、ラジアル構造のタイヤであっても、十分なコーナリングフォースが得られる。また、このタイヤにおいて、ベース層27とブレーカー部のトッピングゴムとが直接に接合されることで、トレッド部3が二層構造とされることによってグリップ性と耐久性とが両立されるという効果が顕著となる。ベース層27とブレーカー部のトッピングゴムとが直接に接合されること、換言すればアンダートレッド部が省略されることで、力の吸収が防止される。
【0034】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0035】
[実施例1]
図1に示された構造を備えた自動二輪車用のタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、110/90−19である。トレッド面はブロックパターンを備えており、そのランド比率Lは22%である。トレッド部の高さHと幅Wの半分との比(H/(W/2))は、0.25である。トレッド部は硬度が75度であるソリッドゴムからなるベース層と、平均直径が47μmである独立気泡を含む発泡ゴムからなる表面層とを備えている。表面層の厚みは約3mmである。
【0036】
[実施例2及び5並びに比較例1及び3]
気泡の平均直径を下記の表1に示されるように変更した他は実施例1と同様にして、実施例2及び5並びに比較例1及び3のタイヤを得た。
【0037】
[実施例3及び4並びに比較例2]
ベース層の硬度を下記の表1に示されるように変更した他は実施例1と同様にして、実施例3及び4並びに比較例2のタイヤを得た。
【0038】
[比較例4]
硬度が70度であるソリッドゴムから表面層を形成した他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。
【0039】
[比較例5]
硬度が70度であるソリッドゴムの単一層からなるトレッド部を形成した他は実施例1と同様にして、比較例5のタイヤを得た。
【0040】
[実用試験]
自動二輪車(ホンダ社の商品名「CR250(’01モデル)」)にタイヤを装着し、不整地のレース場を20周させた。そして、スタート地点から50m地点までの走行に要した時間と、2周目以降の平均ラップタイムと、スタート地点からゴール地点までの走行に要したトータル時間とを測定した。この結果が、下記の表1に示されている。
【0041】
【表1】
Figure 2004050963
【0042】
表1に示された実施例1、2及び5並びに比較例1及び3の対比より、平均直径が10μm以上100μm以下である気泡が好ましいことが解る。表1に示された実施例1、3及び4並びに比較例2の対比より、硬度が72度以上であるベース層が好ましいことが解る。この評価結果より、本発明の優位性は明らかである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明の自動二輪車用タイヤは長時間に亘って安定した性能を発揮し、しかも必要時には優れたグリップ性を発揮する。このタイヤを装着した自動二輪車によって不整地でのレースに参加したレーサーは、スタートダッシュで上位に立つことができ、その後もこの上位を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの一部が示された断面図である。
【図2】図2は、図1のタイヤのトレッド部の一部が示された断面図である。
【符号の説明】
1・・・自動二輪車用タイヤ
3・・・トレッド部
5・・・サイドウォール部
7・・・ビード部
9・・・カーカス部
11・・・インナーライナー
13・・・溝
15・・・ブロック
17・・・トレッド端
19・・・ビードコア
21・・・ビードエーペックス
23・・・第一カーカスプライ
25・・・第二カーカスプライ
27・・・ベース層
29・・・表面層

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッド部と、このトレッド部の両端から略半径方向内向きに延びる一対のサイドウォール部と、このサイドウォール部からさらに略半径方向内向きに延びる一対のビード部と、両ビード部間に架け渡されたカーカス部とを備えており、
    トレッド面のランド比率が10%以上40%以下であり、
    トレッド部の幅Wの半分に対するトレッド部の高さHの比(H/(W/2))が0.25以上0.40以下である自動二輪車用タイヤであって、
    このトレッド部はベース層とこのベース層に積層された表面層とからなり、このベース層は硬度が72度以上のソリッドゴムからなり、表面層は平均直径が10μm以上100μm以下である独立気泡を含む発泡ゴムからなることを特徴とする自動二輪車用タイヤ。
  2. 上記カーカス部がバイアス構造のカーカスプライを備えており、トレッド部の内側におけるカーカスプライの枚数が2以上に設定されている請求項1に記載の自動二輪車用タイヤ。
  3. 上記カーカス部とトレッド部との間に2以上のブレーカープライからなるブレーカー部を備えており、カーカス部がラジアル構造のカーカスプライを備えている請求項1に記載の自動二輪車用タイヤ。
  4. 上記請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動二輪車用タイヤを不整地で行われるレースに出場する自動二輪車に装着し、レース開始直後の段階では表面層を接地させて自動二輪車を走行させつつこの表面層を徐々に摩滅させ、レース途中からベース層を接地させて自動二輪車を走行させる自動二輪車用タイヤの使用方法。
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