JP2004050384A - 研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工液として水または水とアルコールの混合液を使用することが可能であり、したがって、強アルカリ水溶液を使用することに伴う諸問題を解消した研磨装置を提供する。
【解決手段】砥粒が疎水性材料によって結合されて形成された固定砥粒砥石11を使用する研磨装置であって、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として砥石表面に供給する加工液供給装置21を備えている。研磨面とされる砥石11表面11aに、多数の凹み部31が設けられている。加工液供給装置21は、加工液を霧状にする霧状化部としての超音波振動子34を有している。
【選択図】 図2
【解決手段】砥粒が疎水性材料によって結合されて形成された固定砥粒砥石11を使用する研磨装置であって、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として砥石表面に供給する加工液供給装置21を備えている。研磨面とされる砥石11表面11aに、多数の凹み部31が設けられている。加工液供給装置21は、加工液を霧状にする霧状化部としての超音波振動子34を有している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウェハ、ガラス基板、電子材料ウェハなどの外周部を加工する際に使用される研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハの製造は、図6に示すようなプロセスで行われており、円板状とされたウェハの外周部の角部を面取りする工程、面取り部を含む外周部を研磨する工程、外周部を鏡面仕上げする工程および各工程前後に行われる洗浄工程などが必要とされている。
【0003】
研磨の際の加工液としては、強アルカリ水溶液などが使用されており、また、研磨装置は、1枚1枚バッチ式で加工するものとされて、研磨後の洗浄は、洗浄装置を使用する別の工程で行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加工液として使用されている強アルカリ水溶液は、環境保護や安全性の点から好ましくなく、また、産廃処理を必要とすることから、経済面で高くつくという問題もあった。そこで、加工液として水を使用することが考えられるが、研磨を行う砥石としては、例えば、ダイヤモンド砥粒とフッ素樹脂からなる固定砥粒砥石(FD砥石)が好ましく、フッ素樹脂が疎水性を有しているため、水を加工液として使用することが難しいという問題がある。
【0005】
また、研磨後の洗浄が洗浄装置を使用する別の工程で行われていることから、ウェハ加工装置が大きくかつコストが高いものとなっていた。
【0006】
この発明の目的は、加工液として水または水とアルコールの混合液を使用することが可能であり、したがって、強アルカリ水溶液を使用することに伴う上記問題を解消した研磨装置を提供することにある。
【0007】
また、この発明の他の目的は、ウェハ加工装置をコンパクトにしてコストも下げることができる研磨装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による研磨装置は、砥粒が疎水性材料によって結合されて形成された固定砥粒砥石を使用する研磨装置であって、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として砥石表面に供給する加工液供給装置を備えており、研磨面とされる砥石表面に、多数の凹み部が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明の研磨装置によると、研磨面の多数の凹み部がそれぞれ加工液を保持することから、加工液は研磨面に長く滞留して研磨の潤滑液としての機能を発揮することができ、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として使用しても、砥石面の目詰まりやワークの焼き付けなどが生じない研磨を行うことができる。これにより、強アルカリ水溶液を加工液として使用することに伴う問題が全て解消される。
【0010】
凹み部は、凹み部作成用の治具を用いることにより形成される。砥石の研磨面は、加工時間とともに摩耗による減耗や研磨能力の低下を生じることから、研磨面のドレッシングが必要であり、このドレッシング後においても、治具を用いた凹み部形成作業が行われる。
【0011】
加工液は、水だけでもよいが、水にアルコールを混合することが好ましく、これにより、加工面への親水性および浸透性が向上し、より良好な研磨が可能となる。
【0012】
この研磨装置を使用した研磨は、例えば、グラインダーでウェハの形を作るベベリング加工の後で行われてもよく、また、ベベリング加工に代えて行ってもよく、エッチング後洗浄とエッジポリッシングとの間に行ってもよい。
【0013】
加工液供給装置は、加工液を霧状にする霧状化部を有していることが好ましい。加工液は、霧状にすることなく供給してももちろんよいが、霧状となった加工液は、研磨面の凹み部に保持されやすくなり、加工液の量を減少することができるとともに、加工液の作用をより確実に発揮することができ、また、冷却効果ももたらすことができる。
【0014】
加工液を霧状にするには、水槽内に置かれた圧電セラミックスの振動子が超音波を放射することにより、水面から細かな霧状液滴が発生する現象を利用したものでもよく、また、サイホン圧縮式などのエアーを利用したものなどでもよい。
【0015】
研磨装置には、研磨により生じた加工屑を洗浄・回収するための洗浄・回収装置がさらに設けられていることがあり、この場合に、洗浄・回収装置は、砥石配置位置から所定間隔をおいた位置に設けられたジェット洗浄部を有していることが好ましい。このようにすると、ワークを真空チャックなどで保持して砥石による研磨を行った後、引き続きジェット洗浄を行うことによって研磨により生じた加工屑を洗い落とすことができる。したがって、研磨工程後の洗浄工程に必要な洗浄装置を省略することができ、ウェハ加工装置をコンパクトにしかつコストも下げることができる。
【0016】
上記の各研磨装置において、砥石は、中心部に貫通孔を有しかつ中空回転軸の端部に取り付けられており、回転軸内を通過した加工液が砥石の貫通孔から砥石表面に供給されるようになされていることが好ましい。このようにすると、砥石回転に伴う遠心力および風によって、加工液が砥石中央から外周に向かって流れ、砥石表面にむらなく加工液を供給することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0018】
図1から図3までは、この発明の研磨装置の第1実施形態を示している。
【0019】
図1に示すように、この発明の研磨装置(1)は、円形または方形の薄板状ワーク(W)の外周部を所定形状に研磨する装置であって、ワーク(W)を垂直状に保持するワーク保持手段としての真空チャック(3)と、水平基台(2)上に支持された垂直軸(4)に垂直軸回りに揺動可能に取り付けられた可動支持台(5)と、可動支持台(5)に支持された外周R部研磨装置(6)と、水平基台(2)上に固定された固定支持台(7)に取り付けられた1対のチャンファ部研磨装置(8)(8)と、可動支持台(5)に設けられて外周R部研磨装置(6)を砥石軸方向に移動させる移動手段(9)と、可動支持台(5)に設けられて外周R部研磨装置(6)を砥石軸方向のワーク(W)に接近する向きに付勢するコイルばねを有する付勢手段(10)とを備えている。
【0020】
外周R部研磨装置(6)は、表面が研磨面(11a)とされている円盤状砥石(11)、この砥石(11)が先端部に取り付けられた水平な砥石軸(12)、砥石軸(12)を回転させる回転駆動部(図示略)、および回転駆動部を内蔵したケース(16)などからなる。
【0021】
また、チャンファ部(面取り部)研磨装置(8)は、外周R部研磨装置(6)と同じ構成とされており、表面が研磨面(17a)とされている円盤状砥石(17)を有しており、チャンファ部研磨装置(8)を支持する固定支持台(7)にも、研磨装置(8)を砥石軸方向に移動させる移動手段および研磨装置(8)を砥石軸方向のワーク(W)に接近する向きに付勢する付勢手段が設けられている。
【0022】
各研磨装置(6)(8)の砥石(11)(17)は、砥粒を弾性材料で保持した砥石(弾性砥石)、例えば、ダイヤモンド砥粒とフッ素樹脂からなる固定砥粒砥石(FD砥石)とされている。
【0023】
この研磨装置(1)によると、チャンファ部研磨装置(8)を移動手段によって移動させてその円盤状砥石(17)表面の研磨面(17a)をワーク(W)の表面チャンファ部および裏面チャンファ部に当てることによってチャンファ部が研磨され、外周R部研磨装置(6)を移動手段(9)によって砥石軸方向のワーク(W)に近づく向きに移動させるとともに、可動支持台(5)を垂直軸(4)の回りに揺動させることにより、円盤状砥石(11)表面の研磨面(11a)によってワーク(W)の外周R部が研磨される。この際、ワーク(W)の外周面に砥石(11)が外方から当てられる各研磨装置(6)(8)は、砥石(11)がワーク外周部にばねの弾性力によって接するように付勢手段(10)によって付勢されるので、ワーク外周部をある範囲の力で押し付けながらその外周面に沿って研磨することができ、ワーク(W)の真円度が十分でない場合でも、ワーク(W)が割れることなく研磨が施される。
【0024】
図2は、上記外周R部研磨装置(6)において使用するのに適した砥石(11)(チャンファ部研磨装置(8)の砥石(17)も同じ)および加工液供給装置(21)を示している。
【0025】
砥石(11)は、図3に拡大して示す多数の加工液保持用凹み部(31)を表面(11a)に有している。砥石(11)の中央部には、貫通孔(32)が設けられている。砥石軸(12)は、中空状とされており、その端部が砥石(11)の貫通孔(32)縁部に接続され、その端部開口が貫通孔(32)に臨まされている。
【0026】
加工液供給装置(21)は、加工液タンク(33)と、加工液タンク(33)底部に設けらて超音波振動によって加工液を霧状にする霧状化部としての超音波振動子((34)と、霧状となった加工液を中空状砥石軸(12)内に供給する配管(35)とを備えている。
【0027】
加工液としては、水または水とアルコールの混合液が使用可能であり、研磨面(11a)の凹み部(31)が加工液を保持することから、加工液は研磨面(11a)に長く滞留して研磨の潤滑液としての機能を発揮することができる。
【0028】
また、加工液を霧状とすることにより、液状のものに比べて加工液が活性化し、親水性の乏しいFD砥石(11)の表面に活性水粒子が保持される。実際に研磨を行ったところ、加工液の量を霧状としない場合の約10分の1にしても、同等の鏡面加工性を得ることができた。加工液としては、水だけでもよいが、水とアルコールとの混合液とすることにより、より親水性が増し、また、浸透性もよくなって、より研磨がしやすくなる。水だけに比べて、水にアルコールを10〜20wt%混合させた混合液では、加工性をより向上させることができ、より良好な鏡面加工を得ることができる。
【0029】
なお、加工液は必ずしも霧状とする必要はない。加工液を霧状にせずに供給する場合には、図4に示すように、砥石(11)に、中央の貫通(32)孔から砥石外周面に至り加工液の排出通路となる複数の切り込み(41)を設けるようにすることが好ましい。
【0030】
図5は、図1および図2に示した研磨装置をウェハ加工装置中に設置するに際しての好ましい実施形態を示している。
【0031】
同図において、研磨装置は、第1および第2の真空チャック(ワーク保持手段)(52)(53)が中心軸(54)を介して配置されており中心軸(54)回りに回転するチャック支持盤(51)と、チャック支持盤(51)に対向するように設けられたワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)と、研磨により生じた加工屑を洗浄・回収するための洗浄・回収装置(57)とを備えている。
【0032】
チャック支持盤(51)は、第1の真空チャック(52)が上に、第2の真空チャック(53)が下になる第1の位置と、真空チャック(52)(53)がこの逆に並ぶ第2の位置とに停止させられるようになされており、ワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)は、これに対応して、上下に並ぶように配置されている。
【0033】
ワーク着脱部(55)では、ワーク(W)を第1の真空チャック(52)に保持させるセッティング作業が行われ、研磨加工部(56)では、上述の研磨装置(図示は外周R部研磨装置(6))を使用して加工液を水または水とアルコールの混合液とした研磨が行われる。
【0034】
洗浄・回収装置(57)は、砥石(11)配置位置から所定間隔(例えば、90°)をおいた位置に設けられたジェット洗浄部(58)、水タンク(59)、フィルター(60)および水循環ポンプ(61)を有しており、ワーク(W)の研磨中または直後に、ジェット洗浄部(58)から洗浄液を噴き出してジェット洗浄を行うことにより、研磨によって生じた加工屑が洗い落とされる。加工液を霧状にした場合には、加工屑は、ウェハ(W)外周部に留まっており、ウェハ(W)外周部に洗浄液を噴射することにより容易に除去することができ、加工屑によってウェハ(W)に傷が付くことが確実に防止される。そして、回収された洗浄液は、加工屑をフィルター(60)によって除去された後、再度加工液として循環使用される。
【0035】
研磨加工部(56)において、研磨および洗浄が終了すると、チャック支持盤(51)は、180°回転して第2の位置に停止させられ、上側のワーク着脱部(55)において、処理後のワーク(W)が処理前のワーク(W)に交換され、下側の研磨加工部(56)において、新しいワーク(W)に対して研磨・洗浄処理が施される。なお、チャック支持盤(51)の停止位置を図示した位置から90°ずらすとともに、ワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)が左右に並ぶようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による研磨装置の全体を示す正面図である。
【図2】この発明による研磨装置の第1実施形態を示す概略図である。
【図3】砥石の一部拡大断面図である。
【図4】砥石の変形例を示す斜視図である。
【図5】研磨装置が使用されるワークの加工装置を示す概略図である。
【図6】この研磨装置が使用される一例であるウェハ加工工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
(1) 研磨装置
(6) 外周R部研磨装置
(7) 固定支持台
(8) チャンファ部研磨装置
(11) 砥石
(11a) 砥石表面(研磨面)
(12) 中空回転軸
(21) 加工液供給装置
(31) 凹み部
(32) 貫通孔
(34) 超音波振動子(霧状化部)
(57) 洗浄・回収装置
(58) ジェット洗浄部
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウェハ、ガラス基板、電子材料ウェハなどの外周部を加工する際に使用される研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハの製造は、図6に示すようなプロセスで行われており、円板状とされたウェハの外周部の角部を面取りする工程、面取り部を含む外周部を研磨する工程、外周部を鏡面仕上げする工程および各工程前後に行われる洗浄工程などが必要とされている。
【0003】
研磨の際の加工液としては、強アルカリ水溶液などが使用されており、また、研磨装置は、1枚1枚バッチ式で加工するものとされて、研磨後の洗浄は、洗浄装置を使用する別の工程で行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加工液として使用されている強アルカリ水溶液は、環境保護や安全性の点から好ましくなく、また、産廃処理を必要とすることから、経済面で高くつくという問題もあった。そこで、加工液として水を使用することが考えられるが、研磨を行う砥石としては、例えば、ダイヤモンド砥粒とフッ素樹脂からなる固定砥粒砥石(FD砥石)が好ましく、フッ素樹脂が疎水性を有しているため、水を加工液として使用することが難しいという問題がある。
【0005】
また、研磨後の洗浄が洗浄装置を使用する別の工程で行われていることから、ウェハ加工装置が大きくかつコストが高いものとなっていた。
【0006】
この発明の目的は、加工液として水または水とアルコールの混合液を使用することが可能であり、したがって、強アルカリ水溶液を使用することに伴う上記問題を解消した研磨装置を提供することにある。
【0007】
また、この発明の他の目的は、ウェハ加工装置をコンパクトにしてコストも下げることができる研磨装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による研磨装置は、砥粒が疎水性材料によって結合されて形成された固定砥粒砥石を使用する研磨装置であって、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として砥石表面に供給する加工液供給装置を備えており、研磨面とされる砥石表面に、多数の凹み部が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明の研磨装置によると、研磨面の多数の凹み部がそれぞれ加工液を保持することから、加工液は研磨面に長く滞留して研磨の潤滑液としての機能を発揮することができ、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として使用しても、砥石面の目詰まりやワークの焼き付けなどが生じない研磨を行うことができる。これにより、強アルカリ水溶液を加工液として使用することに伴う問題が全て解消される。
【0010】
凹み部は、凹み部作成用の治具を用いることにより形成される。砥石の研磨面は、加工時間とともに摩耗による減耗や研磨能力の低下を生じることから、研磨面のドレッシングが必要であり、このドレッシング後においても、治具を用いた凹み部形成作業が行われる。
【0011】
加工液は、水だけでもよいが、水にアルコールを混合することが好ましく、これにより、加工面への親水性および浸透性が向上し、より良好な研磨が可能となる。
【0012】
この研磨装置を使用した研磨は、例えば、グラインダーでウェハの形を作るベベリング加工の後で行われてもよく、また、ベベリング加工に代えて行ってもよく、エッチング後洗浄とエッジポリッシングとの間に行ってもよい。
【0013】
加工液供給装置は、加工液を霧状にする霧状化部を有していることが好ましい。加工液は、霧状にすることなく供給してももちろんよいが、霧状となった加工液は、研磨面の凹み部に保持されやすくなり、加工液の量を減少することができるとともに、加工液の作用をより確実に発揮することができ、また、冷却効果ももたらすことができる。
【0014】
加工液を霧状にするには、水槽内に置かれた圧電セラミックスの振動子が超音波を放射することにより、水面から細かな霧状液滴が発生する現象を利用したものでもよく、また、サイホン圧縮式などのエアーを利用したものなどでもよい。
【0015】
研磨装置には、研磨により生じた加工屑を洗浄・回収するための洗浄・回収装置がさらに設けられていることがあり、この場合に、洗浄・回収装置は、砥石配置位置から所定間隔をおいた位置に設けられたジェット洗浄部を有していることが好ましい。このようにすると、ワークを真空チャックなどで保持して砥石による研磨を行った後、引き続きジェット洗浄を行うことによって研磨により生じた加工屑を洗い落とすことができる。したがって、研磨工程後の洗浄工程に必要な洗浄装置を省略することができ、ウェハ加工装置をコンパクトにしかつコストも下げることができる。
【0016】
上記の各研磨装置において、砥石は、中心部に貫通孔を有しかつ中空回転軸の端部に取り付けられており、回転軸内を通過した加工液が砥石の貫通孔から砥石表面に供給されるようになされていることが好ましい。このようにすると、砥石回転に伴う遠心力および風によって、加工液が砥石中央から外周に向かって流れ、砥石表面にむらなく加工液を供給することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0018】
図1から図3までは、この発明の研磨装置の第1実施形態を示している。
【0019】
図1に示すように、この発明の研磨装置(1)は、円形または方形の薄板状ワーク(W)の外周部を所定形状に研磨する装置であって、ワーク(W)を垂直状に保持するワーク保持手段としての真空チャック(3)と、水平基台(2)上に支持された垂直軸(4)に垂直軸回りに揺動可能に取り付けられた可動支持台(5)と、可動支持台(5)に支持された外周R部研磨装置(6)と、水平基台(2)上に固定された固定支持台(7)に取り付けられた1対のチャンファ部研磨装置(8)(8)と、可動支持台(5)に設けられて外周R部研磨装置(6)を砥石軸方向に移動させる移動手段(9)と、可動支持台(5)に設けられて外周R部研磨装置(6)を砥石軸方向のワーク(W)に接近する向きに付勢するコイルばねを有する付勢手段(10)とを備えている。
【0020】
外周R部研磨装置(6)は、表面が研磨面(11a)とされている円盤状砥石(11)、この砥石(11)が先端部に取り付けられた水平な砥石軸(12)、砥石軸(12)を回転させる回転駆動部(図示略)、および回転駆動部を内蔵したケース(16)などからなる。
【0021】
また、チャンファ部(面取り部)研磨装置(8)は、外周R部研磨装置(6)と同じ構成とされており、表面が研磨面(17a)とされている円盤状砥石(17)を有しており、チャンファ部研磨装置(8)を支持する固定支持台(7)にも、研磨装置(8)を砥石軸方向に移動させる移動手段および研磨装置(8)を砥石軸方向のワーク(W)に接近する向きに付勢する付勢手段が設けられている。
【0022】
各研磨装置(6)(8)の砥石(11)(17)は、砥粒を弾性材料で保持した砥石(弾性砥石)、例えば、ダイヤモンド砥粒とフッ素樹脂からなる固定砥粒砥石(FD砥石)とされている。
【0023】
この研磨装置(1)によると、チャンファ部研磨装置(8)を移動手段によって移動させてその円盤状砥石(17)表面の研磨面(17a)をワーク(W)の表面チャンファ部および裏面チャンファ部に当てることによってチャンファ部が研磨され、外周R部研磨装置(6)を移動手段(9)によって砥石軸方向のワーク(W)に近づく向きに移動させるとともに、可動支持台(5)を垂直軸(4)の回りに揺動させることにより、円盤状砥石(11)表面の研磨面(11a)によってワーク(W)の外周R部が研磨される。この際、ワーク(W)の外周面に砥石(11)が外方から当てられる各研磨装置(6)(8)は、砥石(11)がワーク外周部にばねの弾性力によって接するように付勢手段(10)によって付勢されるので、ワーク外周部をある範囲の力で押し付けながらその外周面に沿って研磨することができ、ワーク(W)の真円度が十分でない場合でも、ワーク(W)が割れることなく研磨が施される。
【0024】
図2は、上記外周R部研磨装置(6)において使用するのに適した砥石(11)(チャンファ部研磨装置(8)の砥石(17)も同じ)および加工液供給装置(21)を示している。
【0025】
砥石(11)は、図3に拡大して示す多数の加工液保持用凹み部(31)を表面(11a)に有している。砥石(11)の中央部には、貫通孔(32)が設けられている。砥石軸(12)は、中空状とされており、その端部が砥石(11)の貫通孔(32)縁部に接続され、その端部開口が貫通孔(32)に臨まされている。
【0026】
加工液供給装置(21)は、加工液タンク(33)と、加工液タンク(33)底部に設けらて超音波振動によって加工液を霧状にする霧状化部としての超音波振動子((34)と、霧状となった加工液を中空状砥石軸(12)内に供給する配管(35)とを備えている。
【0027】
加工液としては、水または水とアルコールの混合液が使用可能であり、研磨面(11a)の凹み部(31)が加工液を保持することから、加工液は研磨面(11a)に長く滞留して研磨の潤滑液としての機能を発揮することができる。
【0028】
また、加工液を霧状とすることにより、液状のものに比べて加工液が活性化し、親水性の乏しいFD砥石(11)の表面に活性水粒子が保持される。実際に研磨を行ったところ、加工液の量を霧状としない場合の約10分の1にしても、同等の鏡面加工性を得ることができた。加工液としては、水だけでもよいが、水とアルコールとの混合液とすることにより、より親水性が増し、また、浸透性もよくなって、より研磨がしやすくなる。水だけに比べて、水にアルコールを10〜20wt%混合させた混合液では、加工性をより向上させることができ、より良好な鏡面加工を得ることができる。
【0029】
なお、加工液は必ずしも霧状とする必要はない。加工液を霧状にせずに供給する場合には、図4に示すように、砥石(11)に、中央の貫通(32)孔から砥石外周面に至り加工液の排出通路となる複数の切り込み(41)を設けるようにすることが好ましい。
【0030】
図5は、図1および図2に示した研磨装置をウェハ加工装置中に設置するに際しての好ましい実施形態を示している。
【0031】
同図において、研磨装置は、第1および第2の真空チャック(ワーク保持手段)(52)(53)が中心軸(54)を介して配置されており中心軸(54)回りに回転するチャック支持盤(51)と、チャック支持盤(51)に対向するように設けられたワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)と、研磨により生じた加工屑を洗浄・回収するための洗浄・回収装置(57)とを備えている。
【0032】
チャック支持盤(51)は、第1の真空チャック(52)が上に、第2の真空チャック(53)が下になる第1の位置と、真空チャック(52)(53)がこの逆に並ぶ第2の位置とに停止させられるようになされており、ワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)は、これに対応して、上下に並ぶように配置されている。
【0033】
ワーク着脱部(55)では、ワーク(W)を第1の真空チャック(52)に保持させるセッティング作業が行われ、研磨加工部(56)では、上述の研磨装置(図示は外周R部研磨装置(6))を使用して加工液を水または水とアルコールの混合液とした研磨が行われる。
【0034】
洗浄・回収装置(57)は、砥石(11)配置位置から所定間隔(例えば、90°)をおいた位置に設けられたジェット洗浄部(58)、水タンク(59)、フィルター(60)および水循環ポンプ(61)を有しており、ワーク(W)の研磨中または直後に、ジェット洗浄部(58)から洗浄液を噴き出してジェット洗浄を行うことにより、研磨によって生じた加工屑が洗い落とされる。加工液を霧状にした場合には、加工屑は、ウェハ(W)外周部に留まっており、ウェハ(W)外周部に洗浄液を噴射することにより容易に除去することができ、加工屑によってウェハ(W)に傷が付くことが確実に防止される。そして、回収された洗浄液は、加工屑をフィルター(60)によって除去された後、再度加工液として循環使用される。
【0035】
研磨加工部(56)において、研磨および洗浄が終了すると、チャック支持盤(51)は、180°回転して第2の位置に停止させられ、上側のワーク着脱部(55)において、処理後のワーク(W)が処理前のワーク(W)に交換され、下側の研磨加工部(56)において、新しいワーク(W)に対して研磨・洗浄処理が施される。なお、チャック支持盤(51)の停止位置を図示した位置から90°ずらすとともに、ワーク着脱部(55)および研磨加工部(56)が左右に並ぶようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による研磨装置の全体を示す正面図である。
【図2】この発明による研磨装置の第1実施形態を示す概略図である。
【図3】砥石の一部拡大断面図である。
【図4】砥石の変形例を示す斜視図である。
【図5】研磨装置が使用されるワークの加工装置を示す概略図である。
【図6】この研磨装置が使用される一例であるウェハ加工工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
(1) 研磨装置
(6) 外周R部研磨装置
(7) 固定支持台
(8) チャンファ部研磨装置
(11) 砥石
(11a) 砥石表面(研磨面)
(12) 中空回転軸
(21) 加工液供給装置
(31) 凹み部
(32) 貫通孔
(34) 超音波振動子(霧状化部)
(57) 洗浄・回収装置
(58) ジェット洗浄部
Claims (4)
- 砥粒が疎水性材料によって結合されて形成された固定砥粒砥石を使用する研磨装置であって、水または水とアルコールとからなる混合液を加工液として砥石表面に供給する加工液供給装置を備えており、研磨面とされる砥石表面に、多数の凹み部が設けられていることを特徴とする研磨装置。
- 加工液供給装置は、加工液を霧状にする霧状化部を有している請求項1記載の研磨装置。
- 研磨により生じた加工屑を洗浄・回収するための洗浄・回収装置をさらに備えており、洗浄・回収装置は、砥石配置位置から所定間隔をおいた位置に設けられたジェット洗浄部を有している請求項1または2記載の研磨装置。
- 砥石は、中心部に貫通孔を有しかつ中空回転軸の端部に取り付けられており、回転軸内を通過した加工液が砥石の貫通孔から砥石表面に供給されるようになされている請求項1から3までのいずれかに記載の研磨装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002214747A JP2004050384A (ja) | 2002-07-24 | 2002-07-24 | 研磨装置 |
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Publications (1)
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JP2004050384A true JP2004050384A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31936958
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004050384A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2011105255A1 (ja) * | 2010-02-26 | 2013-06-20 | 株式会社Sumco | 半導体ウェーハの製造方法 |
CN112045527A (zh) * | 2020-09-03 | 2020-12-08 | 上海格兰克林(集团)有限公司 | 一种单螺杆空压机星轮加工设备 |
WO2021117376A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | 株式会社荏原製作所 | 基板処理装置および基板処理方法 |
-
2002
- 2002-07-24 JP JP2002214747A patent/JP2004050384A/ja active Pending
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