JP2001038594A - 光学素子研磨方法及び光学素子研磨装置 - Google Patents

光学素子研磨方法及び光学素子研磨装置

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JP2001038594A
JP2001038594A JP11215856A JP21585699A JP2001038594A JP 2001038594 A JP2001038594 A JP 2001038594A JP 11215856 A JP11215856 A JP 11215856A JP 21585699 A JP21585699 A JP 21585699A JP 2001038594 A JP2001038594 A JP 2001038594A
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tool
optical element
ultrasonic
polishing
sludge
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JP11215856A
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English (en)
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Shinji Yokoyama
真司 横山
Koji Ishizaki
幸治 石崎
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子を研磨加工する工具の表面形状を乱
さずに、目詰まりの原因となるスラッジを除去する。 【解決手段】 光学素子2の被加工面に回転する工具1
1の表面を当接させ、加工液21を供給しながら相対運
動させることにより、工具11の表面形状を光学素子2
の被加工面に転写させる。加工液21に超音波を付与
し、超音波振動が付与された加工液21を光学素子2と
工具11との接触界面に向けて供給しながら研磨加工を
行うことにより、スラッジを研磨加工と同時に除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスレンズ等の
光学素子を研磨する研磨方法及び研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスレンズを研磨する場合、ガラスレ
ンズの光学機能面となる被加工面と工具の加工面とを接
触させ、この接触状態で相対移動することにより工具表
面の形状をレンズの被加工面に転写させて加工してい
る。この加工において、粒径が数μm以下の砥粒を用い
た研磨加工を行う場合、削り屑や工具摩耗物(総じてス
ラッジと呼ぶ)が工具表面に固着する現象が起き易い。
この現象は目詰まりといわれ、工具の加工能力の低下、
被加工面の外観不良あるいは工具寿命の低下などの問題
を引き起こす原因となる。
【0003】この問題を解決するため、様々な方法が従
来より提案されている。その一つとしては、工具の砥粒
よりも微細かつ軟質な砥粒を有するスティック砥石を用
い、スラッジが表面に固着した工具にスティック砥石を
回転させながら当てつけることが行われている。また、
スラッジが表面に固着した工具に面接触できる鋳物皿を
GCなどの砥粒を介在させた状態で押しつけて、工具表
面からスラッジを機械的に除去することもなされてい
る。さらに、スラッジが表面に固着したメタルボンドの
工具の場合には、電解作用を利用してボンド材を溶出さ
せることにより、スラッジ除去を行っている。
【0004】特開平5−162071号公報には、セラ
ミック材料などの難削材の研削加工時に、工具としての
研削砥石の加工面に固着したスラッジを超音波振動によ
り除去する装置が提案されている。図5はこの公報に記
載された装置であり、板状の被研削材61が水平方向に
往復移動する研削盤68上に取り付けられており、被研
削材61には、回転する円盤状の研削砥石62が接触し
ている。この研削砥石62の外周面は、被研削材61を
研削する砥粒面67となっている。
【0005】又、被研削材61との反対側には、超音波
ドレッシング装置66が配置されている。超音波ドレッ
シング装置66は供給口69から研削液63を砥粒面6
7に供給するものである。又、供給口69内には、超音
波発振器64により発振される超音波振動体65が配置
されている。
【0006】この装置では、回転する研削砥石62外周
面の砥粒面67により被研削材61を研削加工する際
に、被削材61との反対側の超音波ドレッシング装置6
6を駆動する。そして、超音波発振器64により超音波
振動体65を発振して研削液63に超音波振動を印加
し、研削砥石62の外周面に固着したスラッジを超音波
振動が印加された研削液63によって除去して砥粒面6
7の目詰まりを解消するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スティ
ック砥石や鋳物皿によるスラッジの除去では、手作業と
なるために作業性に劣るほか、手の感覚に頼った作業と
なるために工具の表面形状を乱す問題がある。また、レ
ンズの被加工面の加工中にインプロセスで工具表面のド
レッシングを行うことが難しく、研磨加工を停止させた
状態での作業が必要となり、効率が悪いものとなってい
る。
【0008】電解作用によるスラッジ除去では、電解作
用を必要とするためにメタルボンドの工具に限定され、
非導電性のレジンボンドやビトリファイドボンドなどの
ボンド材を用いた工具には適用できない不便さがある。
また、原理上ボンド材を溶解させるために工具の表面形
状を乱すのみならず、工具の寿命が低下する問題を有し
ている。
【0009】一方、図5に示すような研削液に超音波振
動を与える方法では、このような問題は発生しない。し
かしながら、このような場合であっても、粒径が数μm
以下の微細な砥粒を用いた工具によって、ガラスレンズ
のような光学機能面を研磨加工するときには、工具の目
詰まりが発生して、工具表面がスラッジによって覆われ
る。この場合に、超音波ドレッシング装置66が流動状
態の研削液63に印加できる超音波の周波数が1MHz
を越えるため、強度(振幅)が小さくなって工具表面か
らのスラッジの除去能力がなくなる。このため、目詰ま
りを解消することが困難となっている。
【0010】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、工具の表面形状を乱さず、工
具のボンド材の種類に制約を受けず、また、スラッジの
除去が容易で目詰まりを解消でき、工具の長寿命化を図
ることが可能な光学素子研磨方法及び光学素子研磨装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の研磨方法は、光学素子の被加工面
に回転する工具の表面を当接させ、加工液を供給しなが
ら相対運動させることにより、工具の表面形状を光学素
子の被加工面に転写させる光学素子研磨方法において、
超音波振動が付与された加工液を光学素子と工具との接
触界面に向けて供給しながら研磨加工を行うことを特徴
とする。
【0012】この発明では、加工液に超音波振動を付与
することによって、加工液にはキャビテーション現象が
生じている。このキャビテーション現象が生じている加
工液を工具と光学素子の接触界面に向けて供給すること
により、加工液に接している工具表面に付着しているス
ラッジが除去されると共に、光学素子にも振動が伝わる
ために光学素子表面に付着するスラッジも除去されて、
研磨加工が可能となる。
【0013】このような発明では、スラッジの除去が容
易で目詰まりを解消でき、工具の長寿命化を図ることこ
とができ、しかも工具の表面形状を乱さず、工具のボン
ド材の種類に制約を受けることなく研磨加工を行うこと
ができる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記加工液に発振周波数が100kHz〜10
MHzの範囲の超音波振動を付与することを特徴とす
る。
【0015】この発明では、加工液に付与する発振周波
数を100kHz〜10MHzとするため、研磨加工に
よって発生するスラッジに効率良く振動を伝えることが
でき、スラッジの除去を確実に行うことができる。
【0016】請求項3の発明の光学素子研磨装置は、光
学素子の被加工面と回転する工具の表面とを当接させ、
加工液を供給しながら相対運動させることにより、工具
の表面形状を光学素子の被加工面に転写させる光学素子
研磨装置において、前記加工液に超音波振動を与える超
音波発振手段と、超音波振動した加工液を光学素子と工
具との接触界面に向けて供給するノズルとを設けている
ことを特徴とする。
【0017】この発明では、超音波発振手段が加工液に
超音波振動を与え、ノズルは超音波振動が付与された加
工液を工具と光学素子との接触界面に供給する。これに
より、キャビテーション現象を生じている加工液による
工具表面のスラッジの除去及び光学素子に付着するスラ
ッジの除去を行うことが可能となる。このような発明で
は、スラッジの除去が容易で目詰まりを解消でき、工具
の長寿命化を図ることができ、しかも工具の表面形状を
乱さず、工具のボンド材の種類に制約を受けることなく
研磨加工を行うことができる。
【0018】請求項4の発明は、請求項3記載の発明で
あって、前記加工液は砥粒を含まない液体であり、前記
工具の表面に溝が設けられていることを特徴とする。
【0019】加工液が砥粒を含まないため、加工液に付
与される超音波振動のロスをなくすことができる。ま
た、工具の表面に溝を設けることによって光学素子と工
具が当接している超音波を付与されにくい部分にも超音
波を伝えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1の光学素子研磨装置であり、光学素子とし
てのガラスレンズ2に凹球面を加工している状態を示し
ている。図2は図1における要部を示す。光学素子研磨
装置は図1に示すように、上軸部1と、下軸部10と、
加工液供給部20とを備えている。
【0021】上軸部1は、平凹ガラスレンズ2の平面側
を保持して固定するホルダー3と、ホルダー3を傾動自
在かつ回転自在に保持する軸体4とを備えている。軸体
4は下端部に球体を備えており、この球体がホルダー3
の上面に形成された半球状凹部に挿入されることによ
り、ホルダー3を傾動自在かつ回転自在に保持してい
る。
【0022】又、上軸部1は、レンズ2の被加工面とな
る凹球面の曲率中心Oを揺動中心位置として軸体4を円
弧状に揺動させるように軸体4の上方側を保持する揺動
機構部(図示省略)と、軸体4の上端部側からレンズ2
の加工時に加工圧を付与するための荷重Wを与える加圧
機構部(図示省略)とをさらに備えている。
【0023】下軸部10は、台金12と、台金12を回
転させるモーター13とを備えている。台金12の上端
からは軸部12aが上方に延びており、この軸部12a
に固定砥粒工具11が固定されている。固定砥粒工具1
1は、レンズ2の凹球面を研磨加工する加工面となるよ
うに、酸化セリウム(平均粒径1μm)を樹脂で結合
し、その表面の形状が所望の曲率半径の凸面となるよう
に成形されている。台金12はその下端部の軸部12b
と、モーター13の回転軸との間にプーリー15が掛け
渡されることにより矢印方向に回転する。
【0024】固定砥粒工具11の凸面の表面には、図2
(a)及び(b)に示すように溝11Aが形成されてい
る。溝11Aは凸面の頂部に形成されるものであり、工
具11の回転中心軸線上を通って交叉していると共に、
凸面上で台金12との接触部にまで達している。この場
合、台金12の上端の軸部12aの径は、固定砥粒工具
11の径よりも小さくなっており、これにより、溝11
A内からの加工液やスラッジの排出を良好に行うことが
できる。
【0025】加工液供給部20は、ガラスレンズ2の凹
球面を固定砥粒工具11によって研磨加工する際に、工
具11とガラスレンズ2との摺接などによって発生する
熱を除去する冷却作用と、この加工部(加工界面)に発
生するスラッジを流出させるための加工液となる水21
を貯留するタンク22と、タンク22から水21を加工
部(加工界面)へ供給するためのポンプ23と、先端に
向けて細くなる円筒形状の超音波ノズル25とを備えて
いる。超音波ノズル25の内部には、同ノズル25の先
端の開口部に発振面を向けるように発振器24が設けら
れており、この発振子24は超音波発振器26によって
その作動が制御される。
【0026】この実施の形態において、超音波ノズル2
5の先端と、ガラスレンズ2の凹球面及び工具11表面
とが接触するときの最外周部位即ち接触界面間での距離
は、30mmに設定されている。また超音波ノズル25
の先端は、工具11上で揺動するガラスレンズに干渉し
ない位置に配設されており、その先端は接触界面に向け
られている。発振周波数は400KHzである。また、
水21は、砥粒などの固形物を含んでいない。
【0027】図3は超音波ノズル25の内部を示す。超
音波ノズル25は、撥水性を有するフッ素樹脂(例えば
テトラフルオロエチレン)からなる中空管形状のハウジ
ング111と、ハウジング111の大径側の底部に配置
された積層セラミックス板からなる発振子24と、ハウ
ジング111の大径側の側面に設けられた加工液接続部
115とを有している。発振子24はコード114によ
り超音波発振器26に接続されて出力が制御される。
【0028】中空管形状のハウジング111は、加工液
の吐出口116が形成される小径部と、前記大径部と、
小径部と大径部とを接続する傾斜状のテーパ部とからな
り、それらの内壁にはアルミナからなる平滑なセラミッ
クスコート112が設けられ、発振子24による超音波
振動を減衰させることなく、吐出口116から吐出され
る加工液に超音波振動が伝えられるようになっている。
なお、テーパ部の内壁は30°の角度となっている。発
振子24から発せられる超音波振動はハウジング111
の長手方向の軸線117と平行な方向の振動であるが、
内壁にテーパ部を設けることにより、テーパ部で振動の
反射を起こすことができ、これにより、振動の方向を軸
線117と垂直な方向の振動と重畳させて強度(振幅)
を増幅させることができる。
【0029】この超音波ノズル25では、加工液供給部
20から供給される加工液(水)は加工液接続部115
から矢印方向に供給される。この場合、ハウジング11
1の大径部における内部は2層(2重構造)になってお
り、加工液接続部115から供給された加工液は、大径
部の外側管状部と内側管状部との間で一旦、発振子24
の方向へと導かれた後、内側管状部、テーパ部および小
径部を介して先端の吐出口116から吐出される。この
ように構成することにより、加工液に発振子24からの
超音波振動を効率良く付与することができる。
【0030】この実施の形態では、まず、所望の曲率半
径を有する固定砥粒工具11の表面に、ホルダー3に保
持されたガラスレンズ2の凹球面を載置した後、軸体4
を介して荷重Wで当接させる。加工開始と同時に、上軸
部1の揺動機構部の作動による上軸部1の揺動と、下軸
部10のモータ13の回転による台金12及び固定砥粒
工具11の回転と、加工液供給部20からの水21の供
給が開始される。
【0031】水21は、タンク22からポンプ23によ
り汲み上げられ、超音波ノズル25の吐出口116から
レンズ2と固定砥粒工具11の接触界面(即ち、両者が
接触するときの最外周部位)に供給される。このとき、
超音波発振器26により発振子24に出力が与えられ、
発振子24が振動を開始する。本実施の形態では超音波
発振器26の出力は40Wとした。
【0032】発振子24の発振により、上述したように
振動方向が重畳した超音波振動が水21に付与される。
重畳した超音波振動は超音波ノズル25の先端から50
mmの範囲までは水21に伝わっており、しかも、超音
波ノズル25の先端から接触界面までの距離を30mm
と設定しているため、接触界面の位置がガラスレンズ2
の揺動によって変化しても、超音波振動が付与された水
21を接触界面に充分に供給することができる。このよ
うにして、400KHzの振動が付与された水21を接
触界面に供給しながら研磨加工が行われる。
【0033】超音波振動が付与された水の作用を図2に
より説明する。図2はガラスレンズ2の凹球面を凸面の
表面を有した固定砥粒工具11によって研磨加工してい
る状態の加工界面の縦断面である。重畳した超音波振動
が付与された水21は固定砥粒工具11のA部分(ガラ
スレンズ2の凹球面と接触していない露出部分)に直接
供給される。超音波振動によって水21にはキャビテー
ション現象が生じているため、キャビテーションの衝撃
作用によりA部表面に付着したガラス屑や固定砥粒工具
11の屑(スラッジ)がA部表面から取り除かれる。
【0034】また、固定砥粒工具11のB部分(ガラス
レンズ2の被加工面となる凹球面と接触している接触部
分)には水21が直接供給されることはないが、固定砥
粒工具11の表面には溝11Aが形成されているため、
その溝11Aを伝わって超音波振動が付与された水21
がガラスレンズ2と固定砥粒工具11の加工界面(接触
面)に供給される。又、固定砥粒工具11はモーター1
3によって回転しているため、溝11Aはガラスレンズ
2の凹球面に対して位置が連続的に変化する。このた
め、溝11A内を流動する水21によってガラスレンズ
2の凹球面部分にも振動が伝わり、ガラスレンズ2の表
面に付着しているスラッジを流出させることができる。
【0035】このとき、水21に付与される超音波振動
の周波数は400kHzの高周波であるため、ガラスレ
ンズ2の凹球面と工具11の表面とが接触するときの最
外周部位である接触界面を通過する工具11の溝11A
を介して加工界面(接触面)に水21の振動が浸透す
る。このため、工具11に付着したスラッジに強い振動
を与えられ、工具11のB部分からもスラッジが除去さ
れ、溝11Aを介してスラッジを流出することができ
る。水21は砥粒などの固形物を含んでいないため、水
21に付与される超音波振動のロスを生じない。これら
の作用によって、研磨加工でガラスレンズ2の被加工面
および工具11の加工面に発生する熱や、荷重によって
レンズ面または固定砥粒工具11表面に固着したスラッ
ジが容易に除去される。
【0036】このような実施の形態よれば、ガラスレン
ズ2の凹球面と固定砥粒工具11の表面とが接触し相対
移動することにより研磨加工が行われる際の接触界面に
向けて、超音波振動が付与された水21を供給すること
により、直接水が吹きかかる工具11の加工面やレンズ
2の被加工面の周囲のみならず、レンズ2の被加工面に
伝えられる振動、工具11の加工面に形成した溝11A
の作用及び強い振動を付与する周波数の高周波の浸透力
によって、レンズ2と工具11の加工界面(接触面)に
も水21を介して超音波振動を与えることができる。こ
のため、スラッジが工具11表面やレンズ面に固着せ
ず、固着しても直ちに除去することができる。しかも、
この除去作用を研磨加工中に行うことができるため、イ
ンプロセスでのスラッジ固着防止を行うことができる。
【0037】さらに、スラッジが工具11の表面に固着
しない、あるいは固着しても直ちに除去できるため、工
具11の表面状態を常に良好状態に保つことができ、こ
れにより、安定した研磨加工能力が得られる。しかも、
工具11の表面の砥粒が常に発刃した状態でレンズ2を
加工可能であるため、加工能力も向上する。さらに、ス
ラッジを工具11とレンズ2の加工界面(接触面)に巻
き込まないように流出して除去しているため、スラッジ
に起因したガラスレンズ2の外観不良をなくすことがで
きる。
【0038】(実施の形態2)図4は実施の形態2のガ
ラスレンズの平面の研磨加工中の状態を示し、実施の形
態1と同一の要素は同一の符号を付して対応させてあ
る。この実施の形態では、工具としてダイヤモンドペレ
ット51を、加工液として水溶性研磨液を用いて平面研
磨するものである。又、ガラスレンズ2は平凸形状とな
っており、その凸面側がホルダ3に保持されている。加
工液52としては、水溶性研磨液が使用されるが、砥粒
等の固形物を含んでいないままで用いられる。
【0039】この実施の形態の上軸部1は、ガラスレン
ズ2の凸面側を保持して固定するホルダー3と、ホルダ
ー3の上面の半球状凹部と係合して、ホルダー3を傾動
自在かつ回転自在に保持する軸体4と、軸体4を水平方
向に往復移動させるために軸体4の上方側を保持する揺
動機構部(図示省略)と、軸体4の上端部側からガラス
レンズ2の加工時に加工圧を付与するための荷重Wを与
える加圧機構部(図示省略)とを備えている。
【0040】下軸部10は、ダイヤモンドペレット51
が上面に固着された段差を有する円柱状の台金12と、
台金12の下側の軸部12bにプーリー15を介して連
結されて台金12を回転させるモーター13とからな
る。ダイヤモンドペレット51は0.5μmのダイヤモ
ンド砥粒をフェノール樹脂で結合させることにより形成
されている。このダイヤモンドペレット51の加工面に
は、台金12の回転中心軸線を通り、かつ直交する向き
に溝51Aが形成されている。なお、ダイヤモンドペレ
ット51の形状は円盤形状や多角柱形状であってもよ
く、溝51Aは複数でもよい。
【0041】加工液供給部20はガラスレンズ2の平面
をダイヤモンドペレット51を研磨加工する際に、ペレ
ット51とレンズ2との摺接によって加工部に発生する
熱を効率的に除去する冷却作用を行うと共に、加工部
(加工界面)に発生するスラッジを流出させるための加
工液となる水溶性研磨液(主成分:エチレングリコー
ル)52を貯留するタンク22と、タンク22から水溶
性研磨液52を加工部へ供給するためのポンプ23と、
先端に向けて細くなった円筒形状となっている超音波ノ
ズル25とを備えている。超音波ノズル25の内部に
は、ノズル先端の開口部に発振面を向けるように発振子
24が設けられており、この発振子24が超音波発振器
26によって制御されている。超音波ノズル25の構成
は、実施の形態1と同じである。また、超音波ノズル2
5の先端と、ダイヤモンドペレット51の外周部との距
離は30mmに設定されており、超音波ノズル25の先
端は、水平移動するガラスレンズ2に干渉しないよう
に、ダイヤモンドペレット51の上面とガラスレンズ2
の平面とが接触する接触界面に向けて配置されている。
【0042】この実施の形態における超音波の発振周波
数は1MHzである。又、この実施の形態では、研磨加
工時間の前半は接触界面に向けて水溶性研磨液52のみ
を供給し、後半は水溶性研磨液52に超音波振動を与え
るように制御する。
【0043】この実施の形態の作動は、台金12を回転
するとともに、ガラスレンズ2に加工圧を加えて水平方
向に往復移動し、水溶性研磨液52を供給しながらレン
ズの平面研磨加工を行う。又、超音波発振を研磨加工時
間の後半のみに行って水溶性研磨液52に超音波振動を
付与する以外は、実施の形態1と同様である。
【0044】この実施の形態によれば、実施の形態1と
同様の効果が得られるだけでなく、超音波振動を加工時
間の後半のみに与えることにより、発振子24を高寿命
化することができる。なお、本実施の形態では、加工時
間の後半のみ超音波振動を与えたが、同様の効果を得る
ために、連続して加工液を供給しながら、研磨加工中に
間欠的に超音波発振のON/OFFを行って発振振動子
の作動時間を減少させるようにしてもよい。
【0045】以上の各実施の形態では、光学素子として
のガラスレンズをホルダに固定する手段として、接着剤
を用いても良く、これに限らずガラスレンズの外周面を
狭持するチャック爪を有した嵌め込み式のチャックを用
いてレンズを保持してもよい。また、各実施の形態では
ガラスレンズを研磨加工しているが、これに限らずプリ
ズムやミラーなどの光学的機能面を有する光学素子に対
しても同様に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、加工液に超音
波振動によってキャビテーション現象を付与し、この加
工液を工具と光学素子の接触界面に向けて供給するた
め、工具表面に付着しているスラッジを除去できると共
に、光学素子にも振動が伝わるために光学素子表面に付
着するスラッジも除去できる。従って、スラッジの除去
が容易で目詰まりを解消でき、工具の長寿命化を図るこ
とことができ、しかも工具の表面形状を乱さず、工具の
ボンド材の種類に制約を受けることなく研磨加工を行う
ことができる。
【0047】請求項2の発明によれば、研磨加工によっ
て発生するスラッジに効率良く振動を伝えることがで
き、スラッジの除去を確実に行うことができる。
【0048】請求項3の発明によれば、キャビテーショ
ン現象を生じている加工液による工具表面のスラッジの
除去及び光学素子に付着するスラッジの除去を行うこと
ができ、スラッジの除去が容易で目詰まりを解消でき、
工具の長寿命化を図ることができ、さらには工具の表面
形状を乱さず、工具のボンド材の種類に制約を受けるこ
となく研磨加工を行うことができる。
【0049】請求項4の発明によれば、加工液が砥粒を
含まないため、加工液に付与される超音波振動のロスを
なくすことができると共に、溝によって光学素子と工具
が当接している超音波を付与されにくい部分にも超音波
を伝えることができ、従って、より効果的に工具表面や
光学素子の光学機能面にスラッジが付着することを防止
でき、しかも付着したスラッジを容易に排除することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における加工状態の側面
図である。
【図2】(a)は図1の要部の側面図、(b)は工具の
平面図である。
【図3】超音波ノズルの部分破断側面図である。
【図4】実施の形態2の加工状態の側面図である。
【図5】従来装置の断面図である。
【符号の説明】
2 ガラスレンズ 21 加工液 22 超音波発振器 24 発振器 25 超音波ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子の被加工面に回転する工具の表
    面を当接させ、加工液を供給しながら相対運動させるこ
    とにより、工具の表面形状を光学素子の被加工面に転写
    させる光学素子研磨方法において、超音波振動が付与さ
    れた加工液を光学素子と工具との接触界面に向けて供給
    しながら研磨加工を行うことを特徴とする光学素子研磨
    方法。
  2. 【請求項2】 前記加工液に発振周波数が100kHz
    〜10MHzの範囲の超音波振動を付与することを特徴
    とする請求項1記載の光学素子研磨方法。
  3. 【請求項3】 光学素子の被加工面と回転する工具の表
    面とを当接させ、加工液を供給しながら相対運動させる
    ことにより、工具の表面形状を光学素子の被加工面に転
    写させる光学素子研磨装置において、前記加工液に超音
    波振動を与える超音波発振手段と、超音波振動した加工
    液を光学素子と工具との接触界面に向けて供給するノズ
    ルとを設けていることを特徴とする光学素子研磨装置。
  4. 【請求項4】 前記加工液は砥粒を含まない流体であ
    り、前記工具の表面に溝が設けられていることを特徴と
    する請求項3記載の光学素子研磨装置。
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