JP2004048503A - ノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラム - Google Patents

ノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ノードが、自律的に、状況に応じてノードを容易に探索することができるノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラムを提供する。
【解決手段】MAPを探したいMAP(k)1kが探索ノードとなり、MAP探索パケットを送信する。探索ノードとなったMAP(k)1kは、探索パケット受信ノードや周辺ノードとなったMAP(i)1i〜MAP(l)1l、MAP(n)1nから、そのノード探索パケットに対するノード通知パケットを受信する。そして、探索ノードとなったMAP(k)1kは、そのノード通知パケットに基づいて、MAPの検出をする。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノードの中から、ノードを探索するノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、あるノードが、複数のノードから構成されるグループの中から、最も近隣に存在するノードを探索する方法には、エニーキャストアドレスを利用した方法がある。エニーキャストアドレスは、複数のノードの中から最も近隣に存在するノードを選択して、アクセスを可能とするアドレスである。エニーキャストアドレスは、IPv6(Internet Protocol version 6)において導入されたものである。
【0003】
一方、IP(Internet Protocol)網では、移動ノードが移動しても、その移動ノードにパケットが届くように制御するモビリティ制御ノードが存在する。例えば、モビリティ制御ノードは、移動ノード宛のパケットの転送や、バッファリングを行う。そのため、移動ノードは、近隣にあるモビリティ制御ノードを探索する必要がある。そこで、移動ノードが接続するアクセスルータに、予め、そのアクセスルータの近隣のモビリティ制御ノードを設定しておく。そして、移動ノードは、接続したアクセスルータから、設定されているモビリティ制御ノードを広告してもらい、近隣のノードを検出するという方法が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エニーキャストアドレスを利用して、近隣のノードを探索する方法には、次のような問題点があった。エニーキャストアドレスは、IPv6において導入されたものであるため、IPv4を利用するネットワークにおいては、利用できないという問題点があった。又、エニーキャストアドレスを有効としたいネットワーク内の全ルータのルーティングテーブルに、エニーキャストアドレスのエントリを追加する設定を行う必要があった。又、エニーキャストアドレスでは、ノード間の遠近の判断基準が、ネットワークが採用しているルーティングプロトコルに依存してしまうため、ノード自身が自らの判断基準で、近隣のノードを探索することができなかった。
【0005】
更に、エニーキャストアドレスでは、グループに属するノード自身が、ノード自身を除いて最も近隣に存在するグループ内のノードを検出できないという問題点があった。又、エニーキャストアドレスでは、最も近隣のノードが、セキュリティ上や契約上の理由等、何らかの理由で利用できない場合に、それに代わる近隣のノードを検出することができないという欠点があった。即ち、状況によって、近隣のノードを発見できない場合があった。
【0006】
又、移動ノードが、アクセスルータから近隣のモビリティ制御ノードを広告してもらう方法では、アクセスルータに、予め近隣のモビリティ制御ノードを設定しておき、広告してもらうために、次のような問題点があった。アクセスルータとモビリティ制御ノードとの間には、設定による固定関係ができてしまう。そのため、モビリティ制御ノードの追加、削除、故障等、状況の変化があった場合に、適切に近隣のノードを検出できるようにするためには、固定関係を変更する必要があり、近隣の全アクセスルータの設定を変更する必要があった。
【0007】
更に、モビリティ制御ノードが設定されていないアクセスルータがあった場合、そのアクセスルータに接続した移動ノードは、モビリティ制御ノードを検出することができないという問題点があった。又、アクセスルータに多数の移動ノードが接続した場合であっても、移動ノードは、設定されたモビリティ制御ノードしか検出できない。そのため、そのモビリティ制御ノードが混雑してしまい、たとえ混雑が生じても、移動ノードは、他のモビリティ制御ノードを検出することができないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、ノードが、自律的に、状況に応じてノードを容易に探索することができるノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るノード探索方法は、ノードのアドレスを記憶する近隣ノード記憶手段を備える複数のノードを含む通信システムにおいて、ノードを探索するノード探索方法であって、ノードの探索を行うノード(以下「探索ノード」という)が、探索ノードが備えるノード記憶手段に記憶されているアドレスに、ノードを探索するためのノード探索パケットを送信するステップと、ノード探索パケットを受信したノード(以下「探索パケット受信ノード」という)又は探索パケット受信ノード以外のノード(以下「周辺ノード」という)の少なくとも1つが、探索ノードに、ノード探索パケットに対するノード通知パケットを返信するステップと、探索ノードが、返信されたノード通知パケットに基づいて、ノードを検出するステップと、探索ノードが、検出したノードに基づいて、探索ノードが備えるノード記憶手段を更新するステップとを有することを特徴とする。
【0010】
尚、周辺ノードは、探索パケット受信ノード以外のノードであるため、通信システムに含まれる探索パケット受信ノード以外の全てのノードが、周辺ノードに該当する。このような本発明に係るノード探索方法によれば、ノードを探したい探索ノード自身が、ノード探索パケットを送信することにより、自律的にノードを探索することができる。又、探索ノードは、ノード探索パケットを送信するだけで、探索パケット受信ノードや周辺ノードから、そのノード探索パケットに対するノード通知パケットを受け取ることができる。そして、探索ノードは、そのノード通知パケットに基づいて、ノードを検出することができる。よって、探索ノードは、容易に、通信システムに含まれる他のノードを検出できる。
【0011】
更に、探索ノードは、ノード探索パケット送信時の状況に応じたノード通知パケットを受け取ることができる。よって、探索ノードは、その時の状況に応じたノードを検出できる。そして、探索ノードは、ノード記憶手段を、検出したノードに基づいて更新する。そのため、探索ノードは、その時の状況に応じたノードを、動的に保持することができる。
【0012】
又、ノード記憶手段は、ノードに関するノード情報を記憶しており、探索ノードが、検出したノードに、ノード情報を調査するためのデータを送信するステップと、検出されたノードが、受信したデータに対する応答データを返信するステップと、探索ノードが、返信された応答データに基づいて、ノード記憶手段を更新するステップとを有することが好ましい。
【0013】
これによれば、探索ノードは、検出したノードに関するノード情報を把握することができる。又、探索ノードは、データ送信時の状況に応じた応答データを受け取ることにより、その時の状況に応じたノード情報を把握できる。更に、探索ノードは、ノード記憶手段を、返信された応答データに基づいて更新するため、その時の状況に応じたノード情報を、動的に保持することができる。ノード情報を調査するためのデータとしては、例えば、ping(Packet Internet Groper)要求等を用いることができ、応答データとしては、ping応答等を用いることができる。又、データは、探索ノードと検出したノードとの間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つを調査するデータであることが好ましい。
【0014】
ノード記憶手段は、ノードに関するノード情報を記憶しており、ノード通知パケットには、ノード情報が含まれており、探索ノードは、ノード記憶手段を更新するステップにおいて、返信されたノード通知パケットに基づいて、ノード記憶手段を更新することが好ましい。これによれば、探索ノードは、他のノードのノード情報を把握することができる。又、探索ノードは、ノード探索パケット送信時の状況に応じたノード通知パケットに基づいて、その時の状況に応じたノード情報を把握できる。更に、探索ノードは、ノード記憶手段を、返信されたノード通知パケットに基づいて更新するため、その時の状況に応じたノード情報を、動的に保持することができる。尚、ノード情報は、ノード通知パケットの終点オプションヘッダに格納することができる。
【0015】
ノード情報は、ノード自体に関する情報(以下「ノード自体情報」という)、又は、他のノードとの間に関する情報(以下「ノード間情報」という)の少なくとも1つであることが好ましい。更に、ノード自体情報は、ノードの処理能力、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値、信頼性等、ノード自体の特性や状態に関する情報の少なくとも1つであることが好ましい。又、ノード間情報は、他のノードとの間のパケット送信における遅延値、ホップ数、パケット送信におけるコスト、リンク容量、伝搬路情報の少なくとも1つであることが好ましい。
【0016】
これによれば、探索ノードは、応答データや、ノード通知パケットから、様々なノード自体情報や、ノード間情報を把握することができる。更に、探索ノードは、把握した様々なノード自体情報や、ノード間情報を、ノード記憶手段に保持しておくことができる。そのため、探索ノードは、様々なノード情報やノード間情報を利用することができる。例えば、ノード情報やノード間情報は、利用するノードを選択する際の判断材料や、ノード記憶手段を更新する際の判断材料等として、利用することができる。
【0017】
更に、ノード通知パケットを返信するステップにおいて、探索パケット受信ノード又は周辺ノードの少なくとも1つが、周辺ノードを経由するノード通知パケットを返信することが好ましい。これによれば、ノード通知パケットは、経由した周辺ノードに関する情報を含んだものとなり、探索ノードは、より多くのノードに関する情報を把握することができる。又、このとき、経由する周辺ノードは、探索パケット受信ノードが備えるノード記憶手段に記憶されているアドレスのノード又は周辺ノードが備えるノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードの少なくとも1つとすることができる。
【0018】
又、ノード通知パケットを返信するステップは、探索パケット受信ノード又は周辺ノードの少なくとも1つが、ノード通知パケットの返信を依頼するノード通知依頼パケットを周辺ノードに送信するステップと、ノード通知依頼パケットを受信した周辺ノードが、ノード通知パケットを探索ノードに返信するステップとを有するようにしてもよい。
【0019】
これによれば、探索パケット受信ノードが、周辺ノードに、ノード通知依頼パケットを送信することによって、探索ノードは、多くの周辺ノードから、ノード通知パケットの返信を受けることができる。よって、探索ノードは、より多くのノードに関する情報を把握することができる。又、このとき、ノード通知依頼パケットの送信先となる周辺ノードは、探索パケット受信ノードが備えるノード記憶手段に記憶されているアドレスのノード又は周辺ノードが備えるノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードの少なくとも1つとすることができる。
【0020】
更に、ノード通知パケットに基づいて、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間のノード間情報及び探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のノード間情報により、探索ノードと周辺ノードとの間のノード間情報を決定するステップを有し、ノード記憶手段を更新するステップにおいて、決定した探索ノードと周辺ノードとの間のノード間情報に基づいて、ノード記憶手段を更新することが好ましい。
【0021】
これによれば、探索ノードは、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間のノード間情報や、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のノード間情報から、周辺ノードとの間のノード間情報を、容易に把握することができる。又、ノード間で同期をとる必要もなくなる。尚、探索ノードと周辺ノードとの間のノード間情報を決定するステップにおいて用いるノード間情報は、ノード間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つであることが好ましい。
【0022】
又、ノード記憶手段は、ノードのアドレスとノード情報とを、所定の基準に従って記憶していることが好ましい。これによれば、ノードは、アドレスやノード情報を管理したり、更新したり、利用したりする作業を容易にすることができる。
【0023】
更に、ノードが、他のノードが備えるノード記憶手段への登録を要請するノード登録要請パケットを送信するステップと、ノード登録要請パケットを受信したノードが、登録要請パケットに基づいて、ノード記憶手段を更新するステップとを有することが好ましい。これによれば、ノードは、ノード登録要請パケットを送信することにより、他のノードのノード記憶手段に登録してもらうことができる。そのため、ノードは、他のノードから検出されるようにすることができる。
【0024】
例えば、ネットワークトポロジーの関係上、他のノードから離れており、そのままでは、他のノードが検出し得ないようなノードが存在する場合がある。そのようなノードであっても、ノード登録要請パケットを送信することにより、他のノードから検出されるようになる。又、たとえ近隣にノードが存在するノードであっても、ノードを探索し、ノード記憶手段を更新する課程で、一瞬でもいずれのノードのノード記憶手段にも記憶されない時があると、他のノードから検出されなくなる。ノード登録要請パケットを送信することにより、このような事態を防止することができる。又、新しく配置されたノードが、ノード登録要請パケットを送信することにより、他のノードから検出されることができる。
【0025】
又、ノード記憶手段に、予め他のノードのアドレスを少なくとも1つ設定しておくことが好ましい。これによれば、ノードは、少なくとも1つのノードにノード探索パケットを送信することができ、ノード探索を開始することができる。
【0026】
更に、ノードが、利用するノード(以下「利用ノード」という)を選択する選択基準に基づいて、ノード記憶手段を参照し、利用ノードを選択するステップを有することが好ましい。これによれば、ノードが、自律的に、ノード記憶手段から、選択基準にあった最適な利用ノードを選択することができる。
【0027】
又、本発明に係るノードは、ノードのアドレスを記憶するノード記憶手段と、ノード記憶手段に記憶されているアドレスに送信するノードを探索するためのノード探索パケットを作成する探索パケット作成手段と、他のノードと通信を行い、探索パケット作成手段が作成したノード探索パケットを送信し、その送信したノード探索パケットに対して、探索パケット受信ノード又は周辺ノードの少なくとも1つから返信されたノード通知パケットを受信する通信手段と、通信手段が受信したノード通知パケットに基づいて、ノードを検出する検出手段と、検出手段が検出したノードに基づいて、ノード記憶手段を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
このような本発明に係るノードによれば、探索パケット作成手段が、ノード記憶手段に記憶されているアドレスに送信するノード探索パケットを作成する。通信手段が、そのノード探索パケットを送信し、そのノード探索パケットに対するノード通知パケットを受信する。そして、検出手段が、ノード通知パケットに基づいて、ノード検出する。そのため、ノードは、自律的にノードを探索することができる。又、ノードは、探索パケット受信ノードや周辺ノードから、そのノード探索パケットに対するノード通知パケットを受け取ることができ、そのノード通知パケットに基づいて、ノードを検出することができる。よって、ノードは、容易に、通信システムに含まれる他のノードを検出できる。又、ノードは、ノード探索パケット送信時の状況に応じたノード通知パケットを受け取ることができる。よって、ノードは、その時の状況に応じたノードを検出できる。更に、更新手段が、ノード記憶手段を、検出したノードに基づいて更新する。そのため、ノードは、その時の状況に応じたノードを、動的に保持することができる。
【0029】
又、ノードは、検出手段が検出したノードに送信するノード情報を調査するためのデータを作成するデータ作成手段を備え、ノード記憶手段は、ノード情報を記憶しており、通信手段は、データ作成手段が作成したデータを送信し、検出したノードから返信されたデータに対する応答データを受信し、更新手段は、返信された応答データに基づいて、ノード記憶手段を更新することが好ましい。
【0030】
これによれば、データ作成手段が、検出したノードのノード情報を調査するためのデータを作成する。通信手段が、そのデータを送信し、そのデータに対する応答データを受信する。そして、更新手段が、返信された応答データに基づいて、ノード記憶手段を更新する。そのため、ノードは、検出したノードに関するノード情報を把握することができる。又、ノードは、データ送信時の状況に応じた応答データを受け取ることにより、その時の状況に応じたノード情報を把握できる。更に、ノードは、その時の状況に応じたノード情報を、動的に保持することができる。又、データは、検出したノードとの間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つを調査するデータであることが好ましい。
【0031】
又、ノード通知パケットには、ノード情報が含まれており、ノード記憶手段は、ノード情報を記憶しており、更新手段は、返信されたノード通知パケットに基づいて、ノード記憶手段を更新するようにしてもよい。これによれば、ノードは、他のノードのノード情報を把握することができる。又、ノードは、ノード探索パケット送信時の状況に応じたノード通知パケットに基づいて、その時の状況に応じたノード情報を把握できる。更に、ノードは、その時の状況に応じたノード情報を、動的に保持することができる。尚、ノード情報は、ノード探索方法と同様ものを用いることができ、ノード通知パケットの終点オプションヘッダに格納することができる。
【0032】
又、ノードは、ノード記憶手段を参照して、ノード通知パケットを作成する通知パケット作成手段を備え、通信手段は、通知パケット作成手段が作成したノード通知パケットを送信することが好ましい。これによれば、ノードは、ノード記憶手段に記憶している情報を基に、ノード通知パケットを作成して、他のノードに送信することができる。そのため、ノードは、探索パケット受信ノードや周辺ノードとなり、他のノードに、ノード自身が把握している情報を提供することができる。
【0033】
更に、通知パケット作成手段は、周辺ノードを経由するノード通知パケットを作成することが好ましい。これによれば、ノード通知パケットは、経由するノードに関する情報を含んだものとなる。そのため、ノードは、ノード記憶手段に記憶しているノードに関するより多くの情報を、他のノードに提供することができる。このとき、経由する周辺ノードは、ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードとすることができる。又、通知パケット作成手段は、通信手段が、ノード探索パケット、ノード通知パケット又はノード通知パケットの返信を依頼するノード通知依頼パケットの少なくとも1つを受信した際に、ノード通知パケットを作成することが好ましい。
【0034】
又、ノードは、ノード通知パケットの返信を、周辺ノードに依頼するノード通知依頼パケットを作成する依頼パケット作成手段を備え、通信手段は、パケット作成手段が作成したノード通知依頼パケットを送信するようにしてもよい。これによれば、ノードが、ノード記憶手段に記憶しているノードに、ノード通知パケットの返信を依頼することができる。そのため、ノード探索パケットを送信したノードは、多くのノードから、ノード通知パケットの返信を受けることができ、より多くのノードに関する情報を把握することができる。このとき、ノード通知依頼パケットの送信先となる周辺ノードは、ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードとすることができる。又、依頼パケット作成手段は、通信手段が、ノード探索パケット、ノード通知パケット又はノード通知依頼パケットの少なくとも1つを受信した際に、ノード通知依頼パケットを作成することが好ましい。
【0035】
更に、ノードは、ノード通知パケットに基づいて、探索パケット受信ノードとの間のノード間情報及び探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のノード間情報により、周辺ノードとの間のノード情報を決定する決定手段を備え、更新手段は、決定手段が決定した周辺ノードとの間のノード間情報に基づいて、ノード記憶手段を更新することが好ましい。これによれば、ノードは、探索パケット受信ノードとの間のノード間情報や、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のノード間情報から、周辺ノードとの間のノード間情報を、容易に把握することができる。又、ノード間で同期をとる必要もなくなる。尚、周辺ノードとの間のノード間情報を決定するステップにおいて用いるノード間情報は、ノード間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つであることが好ましい。
【0036】
又、ノードは、他のノードが備えるノード記憶手段への登録を要請するノード登録要請パケットを作成する要請パケット作成手段を備え、通信手段は、要請パケット作成手段が作成したノード登録要請パケットを送信することが好ましい。これによれば、ノードは、ノード登録要請パケットを送信することにより、他のノードのノード記憶手段に登録してもらうことができる。そのため、ノードは、他のノードから検出されるようにすることができる。又、更新手段は、通信手段が、ノード登録要請パケットを受信した際に、そのノード登録要請パケットに基づいて、ノード記憶手段を更新することが好ましい。
【0037】
又、ノード記憶手段は、予め他のノードのアドレスを少なくとも1つ記憶していることが好ましい。これによれば、ノードは、少なくとも1つのノードにノード探索パケットを送信することができ、ノード探索を開始することができる。
【0038】
又、ノードは、利用ノードを選択する選択基準を保持する選択基準保持手段と、選択基準保持手段に保持された選択基準に基づいて、ノード記憶手段を参照し、利用ノードを選択する選択手段とを備えることが好ましい。これによれば、ノードが、自律的に、ノード記憶手段から、選択基準にあった最適な利用ノードを選択することができる。尚、ノード探索方法の場合と同様に、ノード記憶手段は、ノードのアドレスとノード情報とを、所定の基準に従って記憶していることが好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
次に、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0040】
〔通信システム〕
(通信システムの全体構成)
通信システムは、HMIP(Hierarchical Mobile IPv6)と呼ばれるモビリティ制御方式を利用している。HMIPは、Mobile IPv6を拡張したものである。HMIPは、移動ノード(Mobile Node、以下「MN」という)のホームアドレス宛に送信されたパケットを、ホームエージェント(Home Agent、以下「HA」という)と、モビリティ・アンカー・ポイント(Mobility Anchor Point、以下「MAP」という)と呼ばれるノードを経由して、MNに転送するというモビリティ制御方式である。
【0041】
図1は、通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、通信システムは、複数のMAP(a)1a〜MAP(n)1nと、複数のMN(a)2a,MN(b)2bという、複数のノードから構成される。複数のMAP(a)1a〜MAP(n)1nは、グループを形成する。各MAP(a)1a〜MAP(n)1nは、他のMAPを探索することにより、自身の近隣のMAP(以下「近隣MAP」という)を把握している。MAP(a)1a〜MAP(n)1nは、MN(a)2a,MN(b)2bから、ホームアドレスと気付アドレスの登録を受け付ける。そして、MAP(a)1a〜MAP(n)1nは、MN(a)2a,MN(b)2bのホームアドレス宛に送信されたパケットを、HAを介して受信し、そのパケットのバッファリングや、気付アドレスへの転送を行う。
【0042】
MN(a)2a,MN(b)2bは、MAPを探索し、近隣MAPを把握している。そして、MN(a)2a,MN(b)2bは、利用する近隣MAPを選択して、その近隣MAPに、ホームアドレスと気付アドレスの登録を行う。又、MN(a)2a,MN(b)2bは、HAに、ホームアドレスと利用する近隣MAPのアドレスの登録を行う。尚、MAP(a)1a〜MAP(n)1nやMN(a)2a,MN(b)2bは複数あるため、以下の説明において、括弧内のアルファベットを、MAPやMNを区別するためのMAP記号、MN記号として利用する。
【0043】
ここで、ノード間の遠近(遠い、近い)を判断する判断基準には、様々なものがある。よって、近隣MAPとは、近隣(近く)のMAPをいうが、判断基準によって異なってくる。例えば、ノード間の遠近の判断基準には、ノード間のパケット送信における遅延値が小さい方が近い、ノード間のホップ数が小さい方が近い、ノード間のパケット送信におけるコストが小さい方が近い、ノード間のリンク容量が大きい方が近い、ノード間の伝搬路状況が良好な方が近い、ノードの処理能力が大きい方が近い、ノードのトラフィック量が小さい方が近い、接続しているノード数が少ない方が近い、ノードの送信電力値が小さい方が近い等、様々なものがある。又、判断条件は、これらの条件のパラメータを複数組み合わせることもできる。尚、遠近を判断する判断基準は、ノードにとって、適切なものを用いることができる。又、遠近の判断基準は、通信システムが採用しているルーティングプロトコルによっては、様々なものを用いることができる。
【0044】
又、ノード間の遠近の判断基準に様々なものがある結果、ノード間の遠近の判断に必要な情報(以下「遠近判断情報」という)にも、様々なものがある。例えば、遠近判断情報には、ノード間のパケット送信における遅延値、ノード間のホップ数、ノード間のパケット送信におけるコスト、ノード間のリンク容量、ノード間の伝搬路情報、ノードの処理能力、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値、信頼性等がある。本実施形態では、ノード間の遠近を判断する判断基準として、ノード間のパケット送信における遅延値が小さい方が近いという判断基準を用いる。又、遠近判断情報として、ノード間のパケット送信における遅延値を用いる。
【0045】
(MAPの構成)
次に、MAP(a)1a〜MAP(n)1nの構成について、図2に示すMAP1のブロック図を用いて説明する。図2に示すように、MAP1は、アプリケーション部11と、TCP/UDP(Transmission Control Protocol/UserData gram  Protocol)部12と、IPレイヤ部13と、モビリティ制御部14と、NMDP(Neighbor MAP Discovery Protocol)部15と、近隣MAPテーブル16と、第2テーブル17と、リンクレイヤ部18と、インターフェース19とから構成される。
【0046】
アプリケーション部11は、様々なアプリケーションを搭載している。アプリケーション部11は、TCP/UDP部12と接続している。アプリケーション部11は、TCP/UDP部12にデータを提供したり、TCP/UDP部12からデータを取得したりする。TCP/UDP部12は、TCP/UDPレベルの制御を行う。TCP/UDP部12は、アプリケーション部11、IPレイヤ部13と接続している。TCP/UDP部12は、アプリケーション部11から取得したデータに、TCP/UDPヘッダを付加して、IPレイヤ部13に提供する。又、TCP/UDP部12は、IPレイヤ部13から取得したデータのTCP/UDPヘッダを外して、アプリケーション部11の適切なアプリケーションに提供する。
【0047】
IPレイヤ部13は、IPレベルの制御を行う。IPレイヤ部13は、TCP/UDP部12、モビリティ制御部14、NMDP部15と接続している。IPレイヤ部13は、TCP/UDP部12から取得したTCP/UDPヘッダが付加されたデータに、IPヘッダを付加して、リンクレイヤ部18に提供する。又、IPレイヤ部13は、リンクレイヤ部18から取得したデータのIPヘッダを外して、TCP/UDP部12に提供する。
【0048】
又、IPレイヤ部13は、MNからMAPへのバインディングアップデートパケット(Binding Update Packet、ホームアドレスと気付アドレスの登録を要求するパケット)等のモビリティ制御のためのパケットや、MNのホームアドレス宛のパケットを、リンクレイヤ部18から取得した場合には、それらをモビリティ制御部14に提供する。又、IPレイヤ部13は、モビリティ制御部14から、MAPからMNへのバインディングアップデート応答パケット(Binding Update Packet ACK、ホームアドレスと気付アドレスの登録要求に対する応答)等のモビリティ制御のためのパケットや、MNの気付アドレス宛のパケットを取得し、リンクレイヤ部18に提供する。
【0049】
又、IPレイヤ部13は、MAPの探索に関わるパケットを、リンクレイヤ部18から取得した場合には、それらをMNDP部15に提供する。又、IPレイヤ部13は、MNDP部15から、MAPの探索に関わるパケットを取得し、リンクレイヤ部18に提供する。
【0050】
ここで、MAPの探索に関わるパケットには、MAP探索のためのMAP探索パケット(ノード探索パケットに相当する)、MAP探索パケットに対して返信されるMAP通知パケット(ノード通知パケットに相当する)、MAP通知パケットの返信を依頼するMAP通知依頼パケット(ノード通知依頼パケットに相当する)、他のノードへの登録を要請する近隣MAP登録要請パケット(ノード登録要請パケットに相当する)、近隣MAP登録要請パケットに対して返信される近隣MAP登録確認パケット等がある。
【0051】
モビリティ制御部14は、モビリティ制御を行う。即ち、モビリティ制御部14は、HMIPにおいてMAP1が行うモビリティ制御に関する処理を行う。又、モビリティ制御部14は、IPレイヤ部13と接続している。具体的には、モビリティ制御部14は、モビリティ制御に必要なパケットの作成や処理を行う。例えば、モビリティ制御部14は、IPレイヤ部13から取得したバインディングアップデートパケットを処理して、MNのホームアドレスと気付アドレスを取得する。又、モビリティ制御部14は、バインディングアップデートパケットに対するバインディングアップデート応答パケットを作成し、IPレイヤ部13に提供する。
【0052】
又、モビリティ制御部14は、バインディングアップデートパケットから取得したMNのホームアドレスと気付アドレスを対応付けて管理するバインディング管理を行う。又、モビリティ制御部14は、MN宛のパケットのデカプセル化や、カプセル化等を行う。例えば、モビリティ制御部14は、IPレイヤ部13から取得したMNのホームアドレス宛のパケットを、そのホームアドレスに対応する気付アドレスでカプセル化して、IPレイヤ部13に提供する。
【0053】
NMDP部15は、MAP探索の制御を行う。即ち、NMDP部15は、MAP1が行うMAP探索に関する処理を行う。又、NMDP部15は、IPレイヤ部13、近隣MAPテーブル16、第2テーブル17と接続している。具体的には、NMDP部15は、MAPの探索に関わるパケットの作成や処理を行う。例えば、NMDP部15は、IPレイヤ部13から取得したMAP探索パケット、MAP通知パケット、MAP通知依頼パケット、近隣MAP登録要請パケット、近隣MAP登録確認パケット等を処理して、これらのパケットに含まれる情報を取得する。
【0054】
又、NMDP部15は、近隣MAPテーブル16や第2テーブル17を参照し、MAP探索パケット、MAP通知パケット、MAP通知依頼パケット、近隣MAP登録要請パケット、近隣MAP登録確認パケット等のMAP探索に関わるパケットを作成して、IPレイヤ部13に提供する。即ち、NMDP部15は、MAP探索パケットを作成する探索パケット作成手段、MAP通知パケットを作成する通知パケット作成手段、MAP通知依頼パケットを作成する依頼パケット作成手段、近隣MAP登録要請パケットを作成する要請パケット作成手段、近隣MAP登録確認パケットを作成する確認パケット作成手段等として機能する。
【0055】
又、NMDP部15は、MAPの探索に関わるパケットから取得した情報や近隣MAPテーブル16、第2テーブル17等に基づいて、MAPの検出、他のMAPとの間のノード間情報の決定、近隣MAPテーブル16や第2テーブル17の更新等を行う。即ち、NMDP部15は、MAPの検出を行う検出手段や、他のMAPとの間のノード間情報の決定を行う決定手段、近隣MAPテーブル16や第2テーブル17の更新を行う更新手段として機能する。
【0056】
近隣MAPテーブル16は、ノードのアドレスを記憶するノード記憶手段である。近隣MAPテーブル16は、原則として、複数の近隣MAPに関する情報を記憶している。又、近隣MAPテーブル16は、近隣MAPに関する情報の生存時間等も記憶している。又、近隣MAPテーブル16は、NMDP部15と接続している。以下、図3に示す図1におけるMAP(k)1kが持つ近隣MAPテーブル16kを例にとって、近隣MAPテーブル16を説明する。図3に示すように、近隣MAPテーブル16kには、予め定められた一定数(以下「最大ノード登録数」という)の近隣MAPに関する情報が保持されている。近隣MAPテーブル16では、最大ノード登録数は、5に設定されている。このように、最大ノード登録数を設定することにより、MAP1の記憶容量の圧迫を防止できる。又、近隣MAPテーブル16kでは、近隣MAPとして、MAP(k)1k自身も含んでいる。これによれば、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)1k自身を、近隣MAPテーブル16kから外すという例外処理を行う必要がなく、簡便である。但し、MAP1の記憶容量の圧迫を防止するために、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)1k自身は、近隣MAPテーブル16kに登録しないように設定してもよい。
【0057】
図3に示すように、近隣MAPテーブル16kは、各近隣MAPについて、IPアドレス、遅延値(単位はmsec:ミリ秒)、処理能力、生存時間(単位はsec:秒)、シーケンスナンバ1、強制登録生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ2を記憶している。図3においては、説明を簡単にするために、IPアドレスとしてMAP記号を用いる。以下、IPアドレスは、MAP記号、MN記号を用いて表すこととする。
【0058】
遅延値は、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)1k自身と各近隣MAPとの間の片道伝送遅延値である。このように、近隣MAPテーブル16kは、ノード間情報であり、遠近判断情報として利用できる遅延値を記憶している。近隣MAPテーブル16kは、原則として、遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを、遅延値の小さい順番に記憶するという基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶している。そのため、MAP1は、記憶している情報を管理したり、更新したり、利用したりする作業を容易にすることができる。
【0059】
処理能力は、各近隣MAPのMAPとしての処理能力である。又、処理能力は、MAP自体の特性を表すノード情報である。処理能力は、4段階に分けられた処理能力の高さ、最高(「00」で表す)、高い(「01」で表す)、中程度(「10」で表す)、低い(「01」で表す)によって示される。MAPの処理能力の高さは、MAPの処理速度、MAPに接続し、そのMAPを利用しているMNの数、MAPの記憶容量やCPU速度等のハードウェアスペック等を基準に判断する。
【0060】
生存時間は、各近隣MAPに関する情報の近隣MAPテーブル16k内の生存時間である。生存時間は、NMDP部15によって、毎秒デクリメント(減少)される。生存時間が0に到達すると、その近隣MAPに関する情報は、原則として、NMDP部15によって、近隣MAPテーブル16kから消去される。強制登録生存時間は、各近隣MAPに関する情報を、近隣MAPテーブル16k内に、強制的に登録しておくことができる生存時間である。そのため、近隣MAPテーブル16kは、強制登録生存時間が0でない近隣MAPに関する情報を、その遅延値や生存時間の値に関係なく、記憶し続ける。即ち、強制登録生存時間が0でない近隣MAPに関する情報は、生存時間が0になっても、遅延値が大きくなっても、例外的にNMDP部15によって消去されない。尚、強制登録生存時間も、NMDP部15によって、毎秒デクリメント(減少)される。そして、強制登録生存時間が0に到達した以降は、その近隣MAPに関する情報は、例外的に扱われなくなる。又、強制登録生存時間は、初期設定において、0に設定される。
【0061】
シーケンスナンバ1は、各近隣MAPに関する遅延値、処理能力、生存時間を、更新する基準となったMAP通知パケットのシーケンスナンバである。シーケンスナンバ2は、各近隣MAPに関する強制登録制損時間を更新する基準となった近隣MAP登録要請パケットのシーケンスナンバである。
【0062】
第2テーブル17は、ノード自身の情報を記憶するノード記憶手段である。即ち、第2テーブル17は、MAP1自身に関する情報や、MAP1がMAP探索や近隣MAPテーブル16の更新を行うために必要な情報を記憶している。又、第2テーブル17は、NMDP部15と接続している。以下、図3に示す図1におけるMAP(k)1kが持つ第2テーブル17kを例にとって、第2テーブル17を説明する。図3に示すように、第2テーブル17kは、シーケンスナンバ3、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ4、強制登録初期生存時間(単位はsec)、強制登録要請送信タイマの時間(単位はsec)、処理能力、タイマの時間(単位はsec)、平滑化係数αを記憶している。
【0063】
シーケンスナンバ3は、MAP(k)1kが最後に送信したMAP探索パケットのシーケンスナンバである。シーケンスナンバ3は、NMDP部15によって、MAP探索パケットを作成する際に、インクリメント(増加)される。初期生存時間は、近隣MAPテーブル16kの生存時間を更新する際に、設定する生存時間である。探索生存時間は、MAPの探索を開始する基準となる時間である。近隣MAPテーブル16kの生存時間が、第2テーブル17kの探索生存時間に達すると、NMDP部15によってその近隣MAPに対するMAP探索が開始される。
【0064】
シーケンスナンバ4は、MAP(k)1kが最後に送信した近隣MAP登録要請パケットのシーケンスナンバである。シーケンスナンバ4は、NMDP部15によって、近隣MAP登録要請パケットを作成する際に、インクリメント(増加)される。強制登録初期生存時間は、他のMAPの近隣MAPテーブル16内に強制的に登録しておいてもらう強制登録生存時間の初期値である。強制登録要請送信タイマの時間は、他のMAPへの登録の要請を開始する基準となる時間である。強制登録要請送信タイマの時間は、NMDP部15によって、毎秒デクリメントされる。強制登録要請送信タイマの時間が0に達すると、NMDP部15によって、他のMAPへの登録の要請が開始される。
【0065】
処理能力は、MAPk(1k)自身のMAPとしての処理能力である。処理能力は、近隣MAPテーブル17kと同様に、4段階に分けられた処理能力の高さによって示される。タイマの時間は、MAPk(1k)が遅延値を計測するためのタイマの時間である。遅延値計測の精度を向上させるために、タイマの時間は、NMDP部15によって、ミリ秒単位で更新されることが好ましい。平滑化係数αは、遅延値を決定する際に、計測した遅延値と以前の遅延値との平滑化を図るために用いる。平滑化係数は、0以上1以下の任意の値を設定することができる。本実施形態では、平滑化係数αは、0.5に設定されている。
【0066】
図2に戻り、リンクレイヤ部18は、データリンクレベルの制御を行う。リンクレイヤ部18は、IPレイヤ部13と、インターフェース19と接続している。リンクレイヤ部18は、IPレイヤ部13から取得したIPヘッダが付加されたデータに、データリンクレベルのヘッダを付加して、インターフェース部19に提供する。又、リンクレイヤ部18は、インターフェースから取得したデータのデータリンクレベルのヘッダを外して、IPレイヤ部13に提供する。
【0067】
インターフェース19は、他のノードと通信を行う通信手段である。インターフェース19は、他のMAPやMN、HAと通信を行う。具体的には、インターフェース19は、リンクレイヤ部18から取得したモビリティ制御に関するパケット、MN宛のパケット、MAP探索に関するパケットを、他のMAPやMNに送信する。又、インターフェース19は、他のMAPやMN、HAから受信したモビリティ制御に関するパケット、MN宛のパケット、MAP探索に関するパケットを、リンクレイヤ部18に提供する。
【0068】
(MNの構成)
次に、MN(a)2a,MN(b)2bの構成について、図4に示すMN2のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、MN2は、アプリケーション部21と、TCP/UDP部22と、IPレイヤ部23と、モビリティ制御部24と、NMDP部25と、近隣MAPテーブル26と、第2テーブル27と、リンクレイヤ部28と、インターフェース29と、MAP選択ポリシー保持部30とから構成される。
【0069】
アプリケーション部21は、MAP2のアプリケーション部11とほぼ同様である。但し、アプリケーション部21は、MAP選択ポリシー保持部30と接続している。そして、アプリケーション部21は、MAP選択ポリシーの設定を行う。ここで、MAP選択ポリシーとは、MN2が利用するMAPを選択する選択基準である。アプリケーション部21は、MN2が利用する上で最も適するMAPが選択されるように、MAP選択ポリシーを設定する。MAP選択ポリシーは、利用するアプリケーションや状況等に応じて、自由に設定することができる。
【0070】
例えば、MAP選択ポリシーは、MAPの信頼性、処理能力、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値、遠近の程度(遠近の判断基準によって、遠近の程度の判断基準も異なってくる)、MN2とのパケット送信における遅延値、MN2との間のホップ数、MN2とのパケット送信におけるコスト、MN2との間のリンク容量、MN2との間の伝搬路情報等のパラメータについて定めることができる。又、MAP選択ポリシーは、これらのパラメータのうち単独のパラメータについて定めてもよく、複数のパラメータを組み合わせて定めてもよい。又、これらのパラメータの程度も、自由に定めることができる。アプリケーション部21は、定めたMAP選択ポリシーを、MAP選択ポリシー保持部30に格納して、設定する。又、アプリケーション部21は、新たにMAP選択ポリシーを定めた場合には、MAP選択ポリシー保持部30に格納されているMAP選択ポリシーを更新して、再設定する。尚、MAP選択ポリシーは、ユーザやシステム設計者等により設定されるようにしてもよい。
【0071】
MAP選択ポリシー保持部30は、利用ノードを選択する選択基準を保持する選択基準保持手段である。MAP選択ポリシー保持部30は、MN2が利用するMAPを選択する選択基準であるMAP選択ポリシーを保持する。又、MAP選択ポリシー保持部30は、アプリケーション部21、NMDP部25と接続している。そして、MAP選択ポリシー保持部30は、アプリケーション部21により設定されたMAP選択ポリシーを保持する。尚、MAP選択ポリシー保持部30は、ユーザやシステム設計者等により設定されたMAP選択ポリシーを、予め保持しておいてもよい。本実施形態では、MAP選択ポリシー保持部30には、処理能力が、高い「01」以上のMAPのうち、最も近隣にあるもの(ノード間のパケット送信における遅延値が最も小さいもの)というMAP選択ポリシーが保持されている。
【0072】
又、TCP/UDP部22は、MAP2のTCP/UDP部12と実質的に同様である。又、IPレイヤ部23も、MAP2のIPレイヤ部13とほぼ同様である。但し、IPレイヤ部23は、MAPからのバインディングアップデートACKパケット、HAからのバインディングアップデート応答パケット(ホームアドレスと利用する近隣MAPのアドレスの登録要求に対する応答)等のモビリティ制御のためのパケットや、MNの気付アドレス宛のパケットを、リンクレイヤ部28から取得し、それらをモビリティ制御部24に提供する。又、IPレイヤ部23は、モビリティ制御部24から、MAPへのバインディングアップデートパケット、HAへのバインディングアップデートパケット(ホームアドレスと利用する近隣MAPのアドレスの登録を要求するパケット)等のモビリティ制御のためのパケットや、MN宛のパケットを取得し、リンクレイヤ部28に提供する。又、IPレイヤ部23は、MAP通知パケット等のMAPの探索に関わるパケットを、リンクレイヤ部28から取得し、MNDP部25に提供する。又、IPレイヤ部23は、MNDP部25から、MAP探索パケット等のMAPの探索に関わるパケットを取得し、リンクレイヤ部28に提供する。
【0073】
モビリティ制御部24は、モビリティ制御を行う。即ち、モビリティ制御部24は、HMIPにおいてMN2が行うモビリティ制御に関する処理を行う。又、モビリティ制御部24は、IPレイヤ部23、NMDP部25と接続している。具体的には、モビリティ制御部24は、モビリティ制御に必要なパケットの作成や処理を行う。例えば、モビリティ制御部24は、IPレイヤ部23から取得したMAPやHAからのバインディングアップデートACKパケットを処理し、MAP1へのホームアドレスと気付アドレスの登録の完了を把握する。
【0074】
又、モビリティ制御部24は、MAPやHAへのバインディングアップデートパケットを作成し、IPレイヤ部23に提供する。ここで、モビリティ制御部24は、NMDP部25から、利用に最も適する近隣MAPのアドレスの通知を受ける。そのため、モビリティ制御部24は、NMDP部25から通知された近隣MAPに、ホームアドレスと、気付アドレスの登録を行うバインディングアップデートパケットを作成する。又、モビリティ制御部24は、HAに、ホームアドレスと、NMDP部25から通知された近隣MAPのアドレスの登録を行うバインディングアップデートパケットを作成する。又、モビリティ制御部24は、MN宛のパケットのデカプセル化や、カプセル化等を行う。例えば、モビリティ制御部24は、IPレイヤ部23から取得したMN2の気付アドレス宛のパケットをデカプセル化して、IPレイヤ部23に提供する。
【0075】
NMDP部25は、MAP探索の制御を行う。即ち、NMDP部25は、MN2が行うMAP探索に関する処理を行う。又、NMDP部25は、IPレイヤ部23、モビリティ制御部24、近隣MAPテーブル26、第2テーブル27、MAP選択ポリシー保持部30と接続している。
【0076】
具体的には、NMDP部25は、MAPの探索に関わるパケットの作成や処理を行う。例えば、NMDP部25は、IPレイヤ部23から取得したMAP通知パケット等を処理して、パケットに含まれる情報を取得する。又、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26や第2テーブル27を参照して、MAP探索パケットを作成する。そして、NMDP部25は、作成したMAP探索パケットを、IPレイヤ部23に提供する。即ち、NMDP部25は、探索パケット作成手段として機能する。
【0077】
又、NMDP部25は、MAP探索パケットから取得した情報や近隣MAPテーブル26等に基づいて、MAPの検出、MN2とMAPとの間のノード間情報の決定、近隣MAPテーブル26や第2テーブル27の更新等を行う。即ち、NMDP部25は、MAPの検出を行う検出手段や、MAPとの間のノード情報の決定を行う決定手段、近隣MAPテーブル26や第2テーブル27の更新を行う更新手段として機能する。
【0078】
又、NMDP部25は、利用ノードを選択する選択手段としても機能する。NMDP部25は、NM2が利用するために最も適するMAPを選択する。NMDP部25は、MAP選択ポリシー保持部30に保持されたMAP選択ポリシーに基づいて、近隣MAPテーブル26を参照し、最適な近隣MAPを選択する。即ち、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26が記憶している情報に、MAP選択ポリシー保持部30に保持されているMAP選択ポリシーを照らし合わせて、最適な近隣MAPを選択する。NMDP部25は、選択した近隣MAPのアドレスを、モビリティ制御部24に通知する。
【0079】
近隣MAPテーブル26は、近隣ノード記憶手段であり、複数の近隣MAPに関する情報を記憶している。又、近隣MAPテーブル26は、近隣MAPに関する情報の生存時間等も記憶している。又、近隣MAPテーブル26は、NMDP部25と接続している。以下、図5に示す図1におけるMN(a)2aが持つ近隣MAPテーブル26aを例にとって、近隣MAPテーブル26を説明する。図5に示すように、近隣MAPテーブル26aには、最大ノード登録数の近隣MAPに関する情報が保持されている。近隣MAPテーブル26では、最大ノード登録数は、5に設定されている。このように、最大ノード登録数を設定することにより、MN2の記憶容量の圧迫を防止できる。
【0080】
図5に示すように、近隣MAPテーブル26aは、各近隣MAPについて、IPアドレス、遅延値(単位はmsec)、処理能力、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶している。遅延値は、MN2と各近隣MAPとの間の片道伝送遅延値である。近隣MAPテーブル26aは、遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを、遅延値の小さい順番に記憶するという基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶している。そのため、MN2は、記憶している情報を管理したり、更新したりする作業を容易にすることができる。
【0081】
処理能力、生存時間、シーケンスナンバ1は、MAP(k)1kの近隣MAPテーブル16kとほぼ同様である。但し、生存時間が0に到達すると、その近隣MAPに関する情報は、NMDP部25によって、例外なく近隣MAPテーブル26aから消去される。
【0082】
第2テーブル27は、MN2がMAP探索や近隣MAPテーブル26の更新を行うために必要な情報を記憶している。又、第2テーブル27は、NMDP部25と接続している。以下、図5に示す図1におけるMN(a)2aが持つ第2テーブル27aを例にとって、第2テーブル27を説明する。図5に示すように、第2テーブル27aは、シーケンスナンバ3、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、タイマの時間(単位はsec)、平滑化係数βを記憶している。これらは、MAP(k)1kの第2テーブル17kとほぼ同様である。
【0083】
但し、第2テーブル27aにおいては、第2テーブル17kに比べて、初期生存時間は、短く設定され、それに伴い探索生存時間も短く設定されることが好ましい。これによれば、MN2は、高頻度にMAP探索を行うことができる。そのため、MN2は、移動に伴い変化する近隣MAPに関する情報を、高頻度にアップデートすることができ、移動に応じたMAPに関する情報を、適切に把握することができる。更に、第2テーブル27aの平滑化係数βは、第2テーブル17kの平滑化係数αに比べて、小さく設定されることが好ましい。これによれば、MN2は、移動に伴い変化する近隣MAPとの間の遅延値を、適切に把握することができる。平滑化係数βは、0に設定されている。
【0084】
尚、MN2は、MAPから登録の要請を受けることがないため、近隣MAPテーブル27aは、図3に示す近隣MAPテーブル16kの強制登録生存時間、シーケンスナンバ2のフィールを持たず、第2テーブル27bも、図3に示す第2テーブル17kのシーケンスナンバ4、強制登録初期生存時間、強制登録要請送信タイマのフィールドを持たない。又、MN2は、自身の処理能力をMAPや他のMNに通知する必要もないため、第2テーブル27bは、処理能力のフィールドを持たない。図4に戻り、リンクレイヤ部28、インターフェース29は、MAP1のリンクレイヤ部18、インターフェース部19とほぼ同様である。但し、インターフェース29は、他のMAPやHAと通信を行う。
【0085】
〔ノード探索方法〕
次に、上記通信システムにおいて、ノード(MAP)を探索するノード探索方法について説明する。
【0086】
(MAPによるMAPの探索)
図6〜図11、図3を用いて、MAPによるMAPの探索について説明する。図6では、図1に示した通信システムにおけるMN(a)2a,MN(b)2bの記載を省略している。又、図6では、MAP(a)1a〜MAP(n)1nが備えている近隣MAPテーブル16a〜16nを、各MAP(a)1a〜MAP(n)1nとともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、近隣MAPテーブル16a〜16nを備えているMAP(a)1a〜MAP(n)1nと、各近隣MAPとの遅延値(小数点以下の記載を省略)のみを記載している。図6に示すように、各MAP(a)1a〜MAP(n)1nには、近隣MAPテーブル16a〜16nが形成されている。
【0087】
MAP(k)1kが備える近隣MAPテーブル16kが、図3に示す状態になっている場合を例にとって説明する。図3に示す第2テーブル17kの探索生存時間は、60(sec)に設定されている。又、図3に示す近隣MAPテーブル16kに近隣MAPとして登録されているMAP(n)1nの生存時間は、現在61(sec)であり、毎秒デクリメントされる。そして、1秒後に、近隣MAPテーブル16kのMAP(n)1nの生存時間が探索生存時間である60(sec)に達し、生存時間と探索生存時間が一致すると、MAP(k)1kは、MAP(n)1nに対して、MAPの探索を開始する。
【0088】
1.MAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケットの送受信
まず、図6に示すように、MAP(k)1kは、MAP(n)1nに、MAP探索パケットを送信し、それをMAP(n)1nが受信する(図6中実線の矢印で示す)。よって、ここでは、MAP(k)1kが探索ノードとなり、MAP(n)1nが探索パケット受信ノードとなる。具体的には、MAP(k)1kのNMDP部15が、図7に示すMAP探索パケット3を作成し、インターフェース19が送信する。
【0089】
図7に示すように、MAP探索パケット3は、IPv6ヘッダ31と、終点オプションヘッダ32とから構成される。IPv6ヘッダ31には、IPのバージョンを示すバージョン、MAP探索パケット3の送信元を示す始点アドレス、MAP探索パケット3の宛先を示す終点アドレス等が格納されている。尚、ここでは、本発明に関連するものだけを説明するが、IPv6ヘッダには、他にも様々な情報が格納されている。終点オプションヘッダ32は、IPv6のオプションの拡張ヘッダの1つである。終点オプションヘッダ32は、パケットの種類を示すタイプ、MAP探索パケット3を管理するシーケンスナンバ、MAP探索を開始する時刻(MAP探索パケット3を送信する時刻)を示す探索開始時刻、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間のパケット送信における遅延値が格納されている。
【0090】
ここで、タイプは、上記のように、パケットの種類を示す。よって、タイプによって、パケットが、MAP探索パケットであるか、MAP通知依頼パケットであるか、MAP通知パケットであるか、近隣MAP登録要請パケットであるか、近隣MAP登録確認パケットであるかを示すことができ、判断できる。本実施形態では、タイプ31が、MAP探索パケット3を示す。
【0091】
MAP(k)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ31の始点アドレスに、MAP(k)のIPアドレス「k」を、終点アドレスに、MAP(n)のIPアドレス「n」を設定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ32のタイプに、「31」を設定する。又、MAP(k)のNMDP部は、終点オプションヘッダ32のシーケンスナンバに、図3に示す第2テーブル17kのシーケンスナンバ3の値「1653」に1を加算した「1654」を設定する。このとき、MAP(k)のNMDP部15は、第2テーブル17kのシーケンスナンバ3の値も「1654」に更新する。
【0092】
又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ32の探索開始時刻に、第2テーブル17kのタイマのMAP探索パケット3作成時の時間「112.5265」(図3に示す「111.5265」の状態から1秒後にMAP探索は開始されている)をコピーして、設定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ32の遅延値に、探索ノードであるMAP(k)と、探索パケット受信ノードであるMAP(n)との間の遅延値を、図3に示す近隣MAPテーブル16kのMAP(n)との遅延値「7.3」をコピーして、設定する。このようにして、MAP(k)のMNDP部15は、MAP探索パケット3を作成し、探索パケット作成手段として機能する。
【0093】
次に、図6に示すように、MAP探索パケット3を受信したMAP(n)1nが、MAP(n)1nの近隣MAPテーブル16nが記憶している全ての近隣MAP、即ち、MAP(n)1n、MAP(i)1i、MAP(k)1k、MAP(l)1l、MAP(j)1jに対して、MAP通知依頼パケットを送信する(図6中一点鎖線の矢印で示す)。このように、探索パケット受信ノードとなったMAP(n)1nは、MAP(n)1n自身以外のMAP(i)1i〜MAP(l)1lに、MAP通知依頼パケットを送信する。よって、ここでは、MAP(i)1i〜MAP(l)1lが周辺ノードとなる。
【0094】
尚、MAP(n)1nは、上記したように、近隣MAPテーブル16nに記憶されている全ての近隣MAPに対して、一律にMAP通知依頼パケットを送信する。これによれば、探索パケット受信ノードであるMAP(n)1nの動作を簡単にできる。しかし、この場合には、MAP(n)1n自身や、MAP探索パケット3の送信元であるMAP(k)1kに対しても、MAP通知依頼パケットを送信してしまう。そのため、MAP(n)1nは、探索ノードであるMAP(k)1kや探索パケット受信ノードであるMAP(n)1nを、MAP通知依頼パケットの送信先から例外的に外すようにしてもよい。これによれば、余計なパケットの送信を防止することができる。
【0095】
具体的には、MAP(n)1nのNMDP部15が、MAP通知依頼パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)1iと、MAP(j)1jへのMAP通知依頼パケットの送信を例にとって説明する。図8(a)は、MAP(i)に送信するMAP通知依頼パケット4iを示し、図8(b)は、MAP(j)に送信するMAP通知依頼パケット4jを示す。
【0096】
図8に示すように、MAP通知依頼パケット4i,4jは、IPv6ヘッダ41i,41jと、終点オプションヘッダ42i,42jとから構成される。IPv6ヘッダ41i,41jには、IPのバージョンを示すバージョン、MAP通知依頼パケット4i,4jの送信元を示す始点アドレス、MAP通知依頼パケット4i,4jの宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ42i,42jには、タイプ、探索ノードを示す探索元アドレス、MAP通知依頼パケット4i,4jを管理するシーケンスナンバ、探索開始時刻、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間のパケット送信における遅延値1、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のパケット送信における遅延値2が格納されている。
【0097】
図8(a)に示すように、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ41iの始点アドレスに、MAP(n)のIPアドレス「n」を、終点アドレスに、MAP(i)のIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iのタイプに、「32」を設定する。本実施形態では、タイプ32が、MAP通知依頼パケットを示す。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの探索元アドレスに、受信した図7に示すMAP探索パケット3の始点アドレスであるMAP(k)のIPアドレス「k」をコピーして、設定する。
【0098】
又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iのシーケンスナンバ、探索開始時刻に、受信した図7に示すMAP探索パケット3のシーケンスナンバの値「1654」、探索開始時刻の値「112.5265」をコピーして設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの遅延値1に、探索ノードであるMAP(k)と、探索パケット受信ノードであるMAP(n)との間の遅延値を、図7に示すMAP探索パケット3の遅延値「7.3」をコピーして、設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの遅延値2に、探索パケット受信ノードであるMAP(n)と、周辺ノードであるMAP(i)との間の遅延値を、図6に示す近隣MAPテーブル16nのMAP(i)との遅延値「6.3」(図6では、小数点以下が省略されている)をコピーして、設定する。このようにして、MAP(n)のMNDP部15は、MAP通知依頼パケット4iを作成し、依頼パケット作成手段として機能する。
【0099】
同様にして、MAP(n)のNMDP部15は、図8(b)に示すMAP(j)へのMAP通知依頼パケット4jを作成する。但し、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ41jの終点アドレスに、MAP(j)のIPアドレス「j」を設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42jの遅延値2に、図6に示す近隣MAPテーブル16nのMAP(j)との遅延値「8.3」(図6では、小数点以下が省略されている)をコピーして、設定する。
【0100】
次に、図6に示すように、MAP通知依頼パケットを受信したMAP(i)1i〜MAP(l)1l,MAP(n)1nが、MAP(k)1kに対して、MAP通知パケットを送信する(図6中点線の矢印で示す)。このように、周辺ノードとなったMAP(i)1i〜MAP(l)1l、探索パケット受信ノードとなったMAP(n)1nは、探索ノードであるMAP(k)1kに、MAP通知パケットを返信する。尚、上記したように、MAP(n)1nが、近隣MAPテーブル16nに記憶されている全ての近隣MAPに対して、一律にMAP通知依頼パケットを送信したため、探索ノードであるMAP(k)1kも、MAP通知依頼パケットを受信してしまう。そのため、MAP(k)1kも、MAP通知パケットの送信を行う。
【0101】
具体的には、MAP(i)1i〜MAP(l)1l,MAP(n)1nのNMDP部15が、MAP通知パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)1iと、MAP(j)1jからのMAP通知パケットの返信を例にとって説明する。図9(a)は、MAP(i)1iから返信されるMAP通知パケット5iを示し、図9(b)は、MAP(j)1jから返信されるMAP通知パケット5jを示す。
【0102】
図9に示すように、MAP通知パケット5i,5jは、IPv6ヘッダ51i,51jと、終点オプションヘッダ52i,52jとから構成される。IPv6ヘッダ51i,51jには、IPのバージョンを示すバージョン、MAP通知パケット5i,5jの送信元を示す始点アドレス、MAP通知パケット5i,5jの宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ52i,52jには、タイプ、MAP通知パケット5i,5jを管理するシーケンスナンバ、探索開始時刻、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間のパケット送信における遅延値1、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間のパケット送信における遅延値2と、周辺ノードの処理能力が格納されている。
【0103】
図9(a)に示すように、MAP(i)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ51iの始点アドレスに、MAP(i)のIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(i)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ51iの終点アドレスに、受信した図8(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの探索元アドレスであるMAP(k)のIPアドレス「k」をコピーして、設定する。又、MAP(i)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iのタイプに、「33」を設定する。本実施形態では、タイプ33が、MAP通知パケットを示す。
【0104】
又、MAP(i)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iのシーケンスナンバ、探索開始時刻に、受信した図8(a)に示すMAP通知依頼パケット4iのシーケンスナンバの値「1654」、探索開始時刻の値「112.5265」をコピーして設定する。又、MAP(i)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの遅延値1に、探索ノードであるMAP(k)と、探索パケット受信ノードであるMAP(n)との間の遅延値を、図8(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの遅延値1「7.3」をコピーして、設定する。又、MAP(i)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの遅延値2に、探索パケット受信ノードであるMAP(n)と、周辺ノードであるMAP(i)との間の遅延値を、図8(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの遅延値2「6.3」をコピーして、設定する。
【0105】
又、MAP(i)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの処理能力に、周辺ノードであるMAP(i)自身の処理能力を、MAP(i)が備える第2テーブルの処理能力「01」(高い)をコピーして、設定する。このようにして、MAP(i)のMNDP部15は、MAP通知パケット5iを作成し、通知パケット作成手段として機能する。
【0106】
同様にして、MAP(j)のNMDP部15は、図9(b)に示すMAP(j)からのMAP通知パケット5jを作成する。但し、MAP(j)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ51jの終点アドレスに、MAP(j)のIPアドレス「j」を設定する。又、MAP(j)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52jの遅延値2に、図8(b)に示すMAP通知依頼パケット4jの遅延値2「8.3」をコピーして、設定する。又、MAP(j)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ52jの処理能力に、MAP(j)が備える第2テーブルの処理能力「01」(高い)をコピーして、設定する。
【0107】
2.ノード間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新
次に、MAP通知パケットを受信した探索ノードであるMAP(k)1kは、返信されたMAP通知に基づいて、ノード間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新を行う。以下、MAP(i)1iと、MAP(j)1jから返信されたMAP通知パケットを例にとって説明する。図10は、MAP(k)1kが、MAP(i)1iから返信されたMAP通知パケット5iを受信した時の近隣MAPテーブル16k、第2テーブル17kの状態を示す。又、図11は、MAP(k)1kが、MAP(j)1jから返信されたMAP通知パケット5jを受信した時の近隣MAPテーブル16k、第2テーブル17kの状態を示す。尚、図10、図11に示す近隣MAPテーブル16k、第2テーブル17kでは、図3に示したMAP探索を開始する直前の状態から、既に更新されている箇所もある。
【0108】
まず、MAP(k)が、MAP(i)から返信されたMAP通知パケット5iを受信した場合を説明する。探索ノードであるMAP(k)は、MAP通知パケット5iを受信すると、まず、探索ノードであるMAP(k)と、周辺ノードであるMAP(i)との間の遅延値を計測する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5i受信時の第2テーブル17k(図10)のタイマの時間を参照し、MAP通知パケット5iの到着時刻「112.5465」を取得する。次に、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット5i(図9(a))から、探索開始時刻「112.5265」、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間の遅延値1「7.3」、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間の遅延値2「6.3」を取得する。
【0109】
そして、MAP(k)のNMDP部15は、到着時刻から、探索開始時刻、遅延値1、遅延値2を減じる計算を行い、MAP(k)と、MAP(i)との間の遅延値を求める。計算結果は、112.5465―(112.5265+0.0073+0.0063)=0.0064となった。このように、MAP(k)において新たに計測されたMAP(i)との間の遅延値は、0.0064(sec)、即ち、6.4(msec)となった。
【0110】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5i(図9(a))の始点アドレス「i」が、近隣MAPテーブル16k(図10)のIPアドレスにあるか否かを検索する。MAP(k)のNMDP部15は、新たに受信したMAP通知パケット5iの始点アドレス「i」が、近隣MAPテーブル16kに存在すれば、MAP通知パケット5iの送信元であるMAP(i)は、既に検出しているMAPであると判断する。そのため、この場合、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5iを、既に近隣MAPとして登録しているMAP(i)に関する情報の更新に利用すると判断する。図10の場合、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16kのIPアドレスに、始点アドレス「i」があるため、MAP通知パケット5iを、MAP(i)に関する情報の更新に利用すると判断する。
【0111】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット5iに基づく、近隣MAPテーブル16kの既存のMAP(i)に関する情報の更新を実行すべきか否かを判断する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット5iのシーケンスナンバ「1654」と、MAP通知パケット5i受信時の近隣MAPテーブル16k(図10)のMAP(i)についてのシーケンスナンバ1「1650」とを比較する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバが大きい場合には、そのMAP通知パケット5iに基づく情報は、最新の情報であり、情報の更新を実行すると判断する。図10の場合、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバの方が大きいため、情報の更新を実行すると判断する。
【0112】
一方、MAP(k)が、前回近隣MAPテーブル16kを更新した時に用いたMAP通知パケットに対応するMAP探索パケットよりも、以前に送信したMAP探索パケットに対するMAP通知パケットが、何らかの理由で遅れてMAP(k)に到着する場合がある。そのため、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル16kのMAP(i)についてのシーケンスナンバ1よりも小さい場合には、そのMAP通知パケット5iに含まれる情報は、最新の情報や適切な情報ではない可能性がある。よって、この場合には、MAP(k)のNMDP部15は、情報の更新を実行しないと判断する。
【0113】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16kのMAP(i)に関する情報の更新を実行する。まず、MAP(k)のNMDP部15は、計測した遅延値の平滑化を行う。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、図10に示すMAP通知パケット5i受信時の近隣MAPテーブル16k、第2テーブル17kを参照し、MAP(i)についての既存の遅延値「6.8」、平滑化係数α「0.5」を取得する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、以下に示す(1)式に、上記の計測した遅延値、既存の遅延値、平滑化係数αを代入して、遅延値の平滑化を行う。代入結果は、(2)式に示すようになった。
【0114】
既存の遅延値×α+計測した遅延値×(1―α)  (1)
6.8×0.5+6.4×(1―0.5)=6.6 (2)
このように平滑化された遅延値は、6.6(sec)となった。MAP(k)のNMDP部15は、このように、探索ノードであるMAP(k)と、周辺ノードであるMAP(i)との間の遅延値を計測したり、平滑化したりすることによって遅延値を決定し、ノード間情報を決定する決定手段として機能する。尚、遅延値の平滑化は、必ずしも行う必要はない。
【0115】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5i(図9(a))から、処理能力「01」(高い)、シーケンスナンバ「1654」を取得する。又、MAP(k)のNMDP部15は、第2テーブル17k(図10)から初期生存時間「900」を取得する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16k(図10)のMAP(i)に関する既存の遅延値「6.8」を、決定した遅延値「6.6」に、既存の処理能力「01」(高い)を、取得した処理能力「01」(高い)に、既存の生存時間「122」を、取得した初期生存時間「900」に、既存のシーケンスナンバ1「1650」を、取得したシーケンスナンバ「1654」に、それぞれ更新して、最新の情報とする。
【0116】
このような更新を行った結果、近隣MAPテーブル16kのMAP(i)に関する情報は、図11に示す近隣MAPテーブル16kのMAP(i)に関する情報のようになり、最新の情報となる。このようにして、MAP(k)1kのNMDP部15は、近隣MAPテーブル16kを更新し、更新手段として機能する。
【0117】
次に、MAP(k)が、MAP(j)から返信されたMAP通知パケット5jを受信した場合を説明する。探索ノードであるMAP(k)は、MAP通知パケット5jを受信すると、まず、探索ノードであるMAP(k)と、周辺ノードであるMAP(j)との間の遅延値を計測する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5j受信時の第2テーブル17k(図11)のタイマの時間を参照し、MAP通知パケット5jの到着時刻「112.5554」を取得する。次に、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット5j(図9(b))から、探索開始時刻「112.5265」、探索ノードと探索パケット受信ノードとの間の遅延値1「7.3」、探索パケット受信ノードと周辺ノードとの間の遅延値2「8.3」を取得する。
【0118】
そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5iの場合と同様の計算を行い、MAP(k)と、MAP(j)との間の遅延値を求める。計算結果は、112.5554―(112.5265+0.0073+0.0083)=0.0133となった。このように、MAP(k)において新たに計測されたMAP(j)との間の遅延値は、0.0133(sec)、即ち、13.3(msec)となった。
【0119】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5j(図9(b))の始点アドレス「j」が、近隣MAPテーブル16k(図11)のIPアドレスにあるか否かを検索する。MAP(k)のNMDP部15は、新たに受信したMAP通知パケット5jの始点アドレス「j」が、近隣MAPテーブル16kに存在しなければ、MAP通知パケット5jの送信元であるMAP(j)は、新たに検出したMAPであると判断する。即ち、MAP(j)は、近隣MAPテーブル16kに、MAP(k)の近隣MAPとして新規に登録される可能性があると判断する。図11の場合、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16kのIPアドレスに、始点アドレス「j」がないため、MAP(j)は、新たに検出したMAPであると判断する。
【0120】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、検出したMAP(j)を、MAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル16kに新規に登録するか否かを判断する。まず、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5jに基づいて計測したMAP(j)の遅延値が、MAP通知パケット5j受信時の近隣MAPテーブル16k(図11)に記憶さている近隣MAPのいずれかの遅延値よりも小さいか否かを比較する。このとき、近隣MAPテーブル16kは、遅延値の小さい順に近隣MAPに関する情報を記憶しているため、NMDP部15は、近隣MAPテーブル16kの中で遅延値の最も大きい最後の近隣MAPの遅延値との比較から開始すればよい。
【0121】
MAP(j)の遅延値が、近隣MAPテーブル16k(図11)のいずれの遅延値よりも大きい場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)を、MAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル16kに新規に登録することはしないと判断する。図11の場合、MAP(k)のNMDP部15は、計測したMAP(j)の遅延値「13.3」が、近隣MAPテーブル16kのいずれの遅延値よりも大きいため、MAP(j)を、近隣MAPテーブル16kに新規に登録することはしないと判断する。この場合、MAP(k)は、MAP通知パケット5jに基づく、近隣MAPテーブル16kの更新を行わない。
【0122】
一方、MAP(j)の遅延値が、MAP通知パケット5j受信時の近隣MAPテーブル16kのいずれかの遅延値よりも小さい場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5j受信時の近隣MAPテーブル16kの中で、MAP(j)の遅延値よりも大きい遅延値を持つ近隣MAPの強制登録生存時間が、0であるか否かを判断する。
【0123】
MAP(j)の遅延値よりも大きい遅延値を持つ全ての近隣MAPの強制登録時間が0でない場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)を、MAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル16kに新規に登録することはしないと判断する。この場合、MAP(k)は、MAP通知パケット5jに基づく、近隣MAPテーブル16kの更新を行わない。
【0124】
一方、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)の遅延値よりも大きい遅延値を持つ近隣MAPで、強制登録時間が0の近隣MAPがある場合には、MAP(j)を、MAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル16kに新規に登録すると判断する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)の近隣MAPテーブル16kへの登録を実行する。
【0125】
まず、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)の遅延値よりも大きい遅延値を持つ近隣MAPで、強制登録時間が0の近隣MAPの中で、最も遅延値の大きい近隣MAPに関する情報を消去する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5jに基づいて、近隣MAPテーブル16kを更新する。これにより、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)を、新たなMAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル16kに登録する。
【0126】
具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)は新規に登録されるMAPであるため、計測した遅延値をそのまま、近隣MAPテーブル16kに格納する遅延値と決定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット5jから、始点アドレス、処理能力、シーケンスナンバを取得し、第2テーブル17kから初期生存時間を取得する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16kが遅延値の小さい順番に近隣MAPに関する情報を記憶するという基準に従う位置に、MAP(j)に関する情報を格納する。又、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(j)に関する情報として、決定した遅延値、取得した始点アドレス、処理能力、初期生存時間、シーケンスナンバ、強制登録生存時間の初期値0を、近隣MAPテーブル16kに格納する。
【0127】
このようにして、新たに検出したMAP(j)を、MAP(k)の近隣MAPとして近隣MAPテーブル16kに登録することができる。又、近隣MAPテーブル16kは、強制登録生存時間が0でない近隣MAPを例外とし、遅延値の小さい順に上位一定数の近隣MAPを、近隣MAPテーブル16kに記憶することができる。
【0128】
MAP(k)1kのNMDP部15は、このようにして、ノード通知パケット6jに基づいて、新たなMAPを検出し、検出手段として機能する。又、MAP(k)1kのNMDP部15は、決定した遅延値や、新たに検出したMAPに基づいて、近隣MAPテーブル16kを更新し、更新手段として機能する。
【0129】
3.近隣MAPの消去
図6では、MAP(k)1kが送信したMAP探索パケットに対して、探索パケット受信ノードであるMAP(n)1nから、MAP通知パケットが返信されている。しかし、MAP(n)1nが、故障により機能不全に陥った場合や、撤去された場合には、MAP(k)1kが送信したMAP探索パケットに対して、MAP(n)1nから、MAP通知パケットの返信がされてくることはない。
【0130】
ここで、上述した通り、MAP探索は、図3に示した近隣MAPテーブル16kのMAP(n)についての生存時間のように、近隣MAPに関する情報の生存時間が、短くなってきたときに開始される。又、生存時間は、毎秒デクリメントされる。そして、MAP(n)1nからのMAP通知パケットの返信がない場合には、近隣MAPテーブル16kのMAP(n)についての情報は更新されず、生存時間も更新されない。その結果、近隣MAPテーブル16kのMAP(n)の情報の生存時間は、0に到達してしまう。この場合、MAP(k)1kのNMDP部15は、MAP(n)に関する情報を、原則として、近隣MAPテーブル16kから消去する。
【0131】
又、上記したように、MAP(n)1nから返信されたMAP通知パケットのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル16kのMAP(n)のシーケンスナンバ1よりも小さい場合にも、MAP通知パケットに基づく、情報の更新がされず、生存時間も更新されない。よって、この場合も同様に、近隣MAPテーブル16kのMAP(n)の情報の生存時間が0に到達し、MAP(k)1kのNMDP部15は、MAP(n)に関する情報を、原則として、近隣MAPテーブル16kから消去する。
【0132】
但し、いずれの場合にも、例外として、MAP(n)の情報の強制登録生存時間が0でないには、たとえ、MAP(n)の情報の生存時間が0に到達した場合であっても、MAP(k)1kのNMDP部15は、MAP(n)の情報を消去しない。
【0133】
(登録要請)
次に、図12〜図14、図3を用いて、MAPによる他のMAPの近隣MAPテーブルへの登録の要請について説明する。MAP(k)が備える近隣MAPテーブル16kが、図3に示す状態になっている場合を例にとって説明する。図3に示す第2テーブル17kの強制登録要請送信タイマの時間が、1163から毎秒デクリメントされ、0に達すると、MAP(k)は、他のMAPへの登録の要請を開始する。
【0134】
まず、MAP(k)は、近隣MAPテーブル16k中で、MAP(k)自身を除いて、最も近隣の(最も遅延値の小さい)MAP(f)に、近隣MAP登録要請パケットを送信する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15が、図12に示す近隣MAP登録要請パケット6を作成し、インターフェース19が送信する。尚、MAP(k)は、最も近隣のMAPに限らず、近隣MAPテーブル16k中で、比較的遅延値の小さいMAP(i)等に、近隣MAP登録要請パケットを送信してもよい。又、MAP(k)は、近隣MAPテーブル16k中の複数のMAPに、近隣MAP登録要請パケットを送信し、複数のMAPに登録されるようにしてもよい。
【0135】
図12に示すように、近隣MAP登録要請パケット6は、IPv6ヘッダ61と、終点オプションヘッダ62とから構成される。IPv6ヘッダ61には、IPのバージョンを示すバージョン、近隣MAP登録要請パケット6の送信元を示す始点アドレス、近隣MAP登録要請パケット6の宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ62には、タイプ、ACK要求フラグ(A―flag)、近隣MAP登録要請パケット6を管理するシーケンスナンバ、強制登録生存時間が格納されている。
【0136】
MAP(k)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ61の始点アドレスに、MAP(k)のIPアドレス「k」を、終点アドレスに、MAP(f)のIPアドレス「f」を設定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ62のタイプに、「35」を設定する。本実施形態では、タイプ35が、近隣MAP登録要請パケットを示す。
【0137】
又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ62のACK要求フラグ(A―flag)をセット(set)する。ACK要求フラグは、近隣MAP登録要請パケットに対する近隣MAP登録確認パケットの返信の要求の有無を示す。近隣MAP登録確認パケットとは、近隣MAP登録要請パケット6を送信したMAP(k)が、近隣MAP登録要請パケットに対する近隣MAPテーブルへの登録が完了したことを確認するためのパケットである。ACK要求フラグがセットされた状態は、近隣MAP登録確認パケットの返信を要求していることを示す。
【0138】
又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ62のシーケンスナンバに、図3に示す第2テーブル17kのシーケンスナンバ4の値「2232」に1を加算した「2233」を設定する。このとき、MAP(k)のNMDP部15は、第2テーブル17kのシーケンスナンバ4の値も「2233」に更新する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ62の強制登録生存時間に、第2テーブル17kの強制登録初期生存時間「1800」をコピーして、設定する。このようにして、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6を作成し、要請パケット作成手段として機能する。
【0139】
次に、MAP(k)から、近隣MAP登録要請パケット6を受信したMAP(f)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6の始点アドレス「k」が、図13に示す近隣MAPテーブル16fのIPアドレスにあるか否かを検索する。図13は、MAP(f)が備える近隣MAPテーブル16f、第2テーブル17fを示している。MAP(f)のNMDP部15は、受信した近隣近隣MAP登録要請パケット6の始点アドレス「k」が、近隣MAPテーブル16fに存在すれば、近隣MAP登録要請パケット6を、既にMAP(f)の近隣MAPとして登録されているMAP(k)に関する情報の更新に利用すると判断する。図13の場合、MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16fのIPアドレスに、始点アドレス「k」があるため、近隣MAP登録要請パケット6を、MAP(k)に関する情報の更新に利用すると判断する。
【0140】
次に、MAP(f)のNMDP部15は、受信した近隣MAP登録要請パケット6に基づく、近隣MAPテーブル16fの既存のMAP(k)に関する情報の更新を実行すべきか否かを判断する。具体的には、MAP(f)のNMDP部15は、受信した近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバ「2233」と、近隣MAP登録要請パケット6受信時の近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についてのシーケンスナンバ2とを比較する。
【0141】
そして、MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバが大きい場合には、その近隣MAP登録要請パケット6に基づく情報の更新を実行すると判断する。一方、MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についてのシーケンスナンバ2よりも小さい場合には、その近隣MAP登録要請パケット6に基づく情報の更新を実行しないと判断する。
【0142】
MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバが大きく、情報の更新を実行すると判断した場合、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)に関する情報の更新を実行する。MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAP登録要請パケット6から、強制登録生存時間「1800」、シーケンスナンバ「2233」を取得する。そして、MAP(f)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)に関する既存の強制登録生存時間を、取得した「1800」に、既存のシーケンスナンバ2を、取得したシーケンスナンバ「2233」に、それぞれ更新する。このような更新を行った結果、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)に関する情報は、図13中、丸で囲んだ部分のようになる。
【0143】
次に、近隣MAP登録要請パケット6を受信したMAP(f)は、受信した近隣MAP登録要請パケット6に、ACK要求フラグ(A―flag)がセット(set)されており、その近隣MAP登録要請パケット6に基づく情報の更新を実行した場合には、近隣MAP登録確認パケットを、登録要請元のMAP(k)に送信する。具体的には、MAP(f)のNMDP部15が、図14に示す近隣MAP登録確認パケット7を作成し、インターフェース19が送信する。
【0144】
図14に示すように、近隣MAP登録確認パケット7は、IPv6ヘッダ71と、終点オプションヘッダ72とから構成される。IPv6ヘッダ71には、IPのバージョンを示すバージョン、近隣MAP登録確認パケット7の送信元を示す始点アドレス、近隣MAP登録確認パケット7の宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ72には、タイプ、近隣MAP登録確認パケット7を管理するシーケンスナンバが格納されている。
【0145】
図14に示すように、MAP(f)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ71の始点アドレスに、MAP(f)のIPアドレス「f」を設定する。又、MAP(f)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ71の終点アドレスに、受信した図12に示す近隣MAP登録要請パケット6の始点アドレスであるMAP(k)のIPアドレス「k」をコピーして、設定する。
【0146】
又、MAP(f)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ72のタイプに、「36」を設定する。本実施形態では、タイプ36が、近隣MAP登録確認パケットを示す。又、MAP(f)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ72のシーケンスナンバに、受信した図12に示す近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバの値「2233」をコピーして設定する。このようにして、MAP(f)のMNDP部15は、近隣MAP登録確認パケット7を作成し、確認パケット作成手段として機能する。
【0147】
MAP(k)は、MAP(f)から近隣MAP登録確認パケット7を受信した場合には、自らが送信した近隣MAP登録要請パケット6に対する近隣MAPテーブルへの登録が完了したことを確認する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、受信した近隣MAP登録確認パケット7のシーケンスナンバ「2233」と、MAP確認パケット7受信時の近隣MAPテーブル16kのシーケンスナンバ4とが一致するか否かを判断する。両者が一致する場合には、MAP(k)のNMDP部15は、自らが送信した近隣MAP登録要請パケット6に対する近隣MAP登録確認パケット7が到着したことを確認でき、近隣MAPテーブルへの登録が完了したことを確認できる。尚、MAP(k)のNMDP部15は、この近隣MAPテーブルへの登録が完了したことの確認後に、強制登録要請送信タイマを、初期値に戻す。
【0148】
一方、MAP(k)は、近隣MAP登録要請パケット6送信後、所定時間内に、MAP(f)からの近隣MAP登録確認パケット7が受信できない場合や、近隣MAP登録確認パケット7受信したが、そのシーケンスナンバと近隣MAPテーブル16kのシーケンスナンバ4とが一致しない場合には、近隣MAPテーブルへの登録が完了したことを確認できない。そのため、MAP(k)は、近隣MAP登録要請パケット6を再送する。尚、所定時間内か否かについては、例えば、強制登録要請送信タイマの時間で判断できる。
【0149】
このようにして、MAP(k)は、図13に示すように、MAP(f)の近隣MAPテーブル16fに近隣MAPとして登録してもらうことができる。そして、強制登録生存時間が0にならない限り、MAP(k)の情報は、近隣MAPテーブル16fにおいて、遅延値や生存時間に関係なく、例外的に維持され続ける。そのため、MAP(k)は、他のMAPから常に検出されるようにすることができ、他のMAPから検出されなくなることを防止できる。同様にして、各MAPが、近隣MAP登録要請パケット6を送信し合うことにより、いずれかのMAPの近隣MAPテーブルに登録され、お互いに検出し合うことができる。
【0150】
例えば、ネットワークトポロジーの関係上、他のMAPから離れており、そのままでは、他のMAPが検出し得ないようなMAPが存在する場合がある。そのようなMAPであっても、近隣MAP登録要請パケットを送信することにより、他のMAPから検出されるようになる。又、たとえ近隣にMAPが存在するMAPであっても、MAPを探索し、近隣MAPテーブルを更新する課程で、一瞬でもいずれのMAPの近隣MAPテーブルにも記憶されない時があると、他のMAPから検出されなくなる。近隣ノード登録要請パケットを送信することにより、このような事態を防止することができる。
【0151】
又、上記したように、MAP(k)は、第2テーブル17kの強制登録要請送信タイマの時間が0になる毎に定期的に、近隣MAP登録要請パケット6をMAP(f)に送信する。そのため、MAP(f)は、MAP(k)から定期的に近隣MAP登録要請パケットを受信し、強制登録生存時間を更新する。よって、MAP(k)の強制登録生存時間は0にならず、MAP(k)の情報は、近隣MAPテーブル16fにおいて、例外的に維持され続ける。
【0152】
しかし、MAP(k)が、故障により機能不全に陥った場合や、撤去された場合には、MAP(f)は、MAP(k)からの近隣MAP登録要請パケットを受信しなくなる。又、強制登録生存時間は、毎秒デクリメントされる。そのため、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についての強制登録生存時間は、更新されなくなる。その結果、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についての強制登録生存時間は0に到達し、それ以降、MAP(k)に関する情報は例外的に扱われなくなる。よって、MAP(f)は、故障により機能不全に陥ったり撤去されたりしたMAP(k)に関する情報を、維持し続けることを防止できる。
【0153】
同様に、上記したように、MAP(k)から送信された近隣MAP登録要請パケット6のシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についてのシーケンスナンバ2よりも小さい場合にも、近隣MAP登録要請パケット6に基づく、強制登録生存時間の更新は行われない。よって、この場合も同様に、近隣MAPテーブル16fのMAP(k)についての強制登録生存時間が0に到達し、それ以降は、MAP(k)に関する情報は例外的に扱われなくなる。
【0154】
又、既に他のMAPから登録要請を受けているMAPは、新たに、他のMAPから近隣MAP登録要請パケット6を受信した場合には、その新たに登録を要請してきたMAPを近隣MAPテーブルに登録せず、近隣MAP登録確認パケット7を送信しないようにしてもよい。これによれば、近隣MAPテーブルが、強制登録生存時間が0でないMAPばかりになってしまい、遅延値の小さい本来の近隣MAPの登録数が少なくなってしまうことを防止できる。但し、処理能力や記憶容量が高く、近隣MAPテーブルの最大近隣ノード登録数を大きくできるMAPであれば、多数のMAPから登録要請を受けてもよい。
【0155】
又、MAP(k)は、近隣MAP登録要請パケット6を、所定回数再送しても、MAP(f)から、近隣MAP登録確認パケット7を受信できない場合には、MAP(f)に故障や撤去、或いは、上述のように既に他のMAPから登録要請を受けている等、何らかの問題がある可能性が高い。そのため、MAP(k)は、MAP(f)以外のMAPに、近隣MAP登録要請パケット6を送信するようにしてもよい。
【0156】
又、ネットワークトポロジーの関係上、他のMAPから離れており、そのままでは、他のMAPが検出し得ないようなMAPに関する情報等を、近隣MAPテーブルから消去させないために、登録先の近隣MAPテーブルにおいて、そのMAPに関する情報の強制登録生存時間を非常に大きくしたり、そのMAPに関する情報の消去禁止を示すフィールドを設定したりすることができる。このような近隣MAPテーブルは、近隣MAP登録要請パケット6に含まれる強制登録生存時間を非常に大きくしたり、近隣MAP登録要請パケット6に、MAPに関する情報の消去禁止を要求するフラグをセットしたりすることや、予め設定しておくことにより、実現できる。
【0157】
(新たなMAPの配置)
次に、図6、図15〜図18を用いて、新たなMAPの配置について説明する。図6に示す状態の通信システムに、新たにMAP(o)を配置する場合を説明する。図15に示すように、MAP(o)1oを配置する。このとき、新たに配置するMAP(o)1oが備える近隣MAPテーブル16oには、予めMAP(o)1o自身と、MAP(o)1o以外の他のMAP(e)1eのIPアドレスと遅延値を設定しておく。
【0158】
MAP(o)1oは、近隣MAPテーブル16oのMAP(e)についての生存時間が探索生存時間に到達すると、図15に示すように、MAP(e)1eに対して、MAP探索パケットを送信する(図15中実線の矢印で示す)。次に、MAP探索パケットを受信したMAP(e)1eは、図15に示すように、MAP(e)1eの近隣MAPテーブル16eが記憶している全ての近隣MAP、即ち、MAP(e)1e、MAP(l)1l、MAP(d)1d、MAP(n)1n、MAP(k)1kに対して、MAP通知依頼パケットを送信する(図15中一点鎖線の矢印で示す)。次に、MAP通知依頼パケットを受信したMAP(e)1e、MAP(l)1l、MAP(d)1d、MAP(n)1n、MAP(k)1kは、図15に示すように、MAP(o)1oに対して、MAP通知パケットを返信する(図15中点線の矢印で示す)。
【0159】
その結果、MAP(o)1oは、受信したMAP通知パケットに基づいて、予め設定されていたMAP(e)1e以外の新たなMAPを検出し、近隣MAPテーブル16oを更新する。そして、MAP(o)1oは、遅延値の小さい順に上位5つの近隣MAPに関する情報を、近隣MAPテーブル16oに登録する。その結果、図16に示すように、MAP(o)、MAP(k)、MAP(n)、MAP(l)、MAP(e)に関する情報が近隣MAPテーブル16oに登録される。
【0160】
時間が経過し、近隣MAPテーブル16oのMAP(k)についての生存時間が探索生存時間に到達すると、MAP(o)1oは、図16に示すように、MAP(k)1kに対して、MAP探索パケットを送信する(図16中実線の矢印で示す)。次に、MAP探索パケットを受信したMAP(k)1kは、図16に示すように、MAP(k)1kの近隣MAPテーブル16kが記憶している全ての近隣MAP、即ち、MAP(k)1k、MAP(f)1f、MAP(i)1i、MAP(n)1n、MAP(g)1gに対して、MAP通知依頼パケットを送信する(図16中一点鎖線の矢印で示す)。次に、MAP通知依頼パケットを受信したMAP(k)1k、MAP(f)1f、MAP(i)1i、MAP(n)1n、MAP(g)1gは、図16に示すように、MAP(o)1oに対して、MAP通知パケットを返信する(図16中点線の矢印で示す)。
【0161】
その結果、MAP(o)1oは、受信したMAP通知パケットに基づいて、新たなMAPを検出し、既存の近隣MAPに関する最新の情報を取得して、近隣MAPテーブル16oを更新する。このとき、MAP(o)1oは、遅延値の小さい順に上位5つの近隣MAPに関する情報が登録されるように、遅延値の大きいMAP(l)、MAP(e)に関する情報を消去し、遅延値の小さいMAP(g)、MAP(i)に関する情報を新規に登録する。その結果、図17に示すように、より遅延値が小さく近隣に存在するMAP(o)、MAP(g)、MAP(i)、MAP(k)、MAP(n)に関する情報が近隣MAPテーブル16oに登録される。
【0162】
又、MAP(o)1oは、第2テーブルの強制登録要請送信タイマの時間が、0に達すると、図17に示すように、近隣MAPテーブル16o中で、MAP(o)自身を除いて、最も近隣の(最も遅延値の小さい)MAP(g)に、近隣MAP登録要請パケットを送信する(図17中二重線の矢印で示す)。そして、MAP(g)1gは、受信した近隣MAP登録要請パケットに基づいて、近隣MAPテーブル16gを更新する。
【0163】
具体的には、MAP(g)1gのNMDP部15が、近隣MAP登録要請パケットの始点アドレス「o」が、近隣MAP登録要請パケット受信時の近隣MAPテーブル16g(図16)のIPアドレスにあるか否かを検索する。MAP(g)1gのNMDP部15は、近隣MAPテーブル16g(図16)のIPアドレスに「o」がないため、MAP(o)を新たに登録要請をしてきたMAPであると判断する。次に、MAP(g)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル16g中(図16)で、最も遅延値の大きいMAP(k)に関する情報を消去する(但し、MAP(k)についての強制登録生存時間は0であるとする)。そして、MAP(g)1gのNMDP部15は、図17に示すように、MAP(o)に関する情報を、近隣MAPテーブル16gに新規に登録する(図17中、丸で囲んだ部分)。
【0164】
このようにして、MAP(g)1gの近隣MAPテーブル16gに、MAP(o)に関する情報が登録される。その後、図17に示すように、MAP(h)1hやMAP(c)1cが、MAP(g)1gに対して、MAP探索パケットを送信する(図17中実線の矢印で示す)。そして、MAP探索パケットを受信したMAP(g)1gが、図17に示すように、MAP(g)1gの近隣MAPテーブル16gに記憶されているMAP(o)1oに対して、MAP通知依頼パケットを送信する(図17中一点鎖線の矢印で示す)。次に、MAP通知依頼パケットを受信したMAP(o)1oが、図17に示すように、MAP(h)1hやMAP(c)1cに対して、MAP通知パケットを返信する(図17中点線の矢印で示す)。その結果、MAP(h)1hやMAP(c)1c等、登録要請を行ったMAP(g)1g以外のMAP(o)1o周辺のMAPにも、MAP(o)1oの存在が知られることとなる。
【0165】
以降、MAP同士のMAP探索が繰り返されることにより、最終的には、新たに配置されたMAP(o)1oも含めたMAP(a)1a〜MAP(o)1oのグループは、図18に示すように、定常的な近隣MAPテーブル16a〜16oを備えた安定状態に落ち着く。
【0166】
このように、通信システムに新たに配置するMAP(o)1oが備える近隣MAPテーブル16oに、予め他のMAP(e)1eのアドレスを少なくとも1つ設定しておくだけで、MAP(o)1oは、少なくとも1つのMAP(e)1eにMAP探索パケットを送信して、MAP探索を開始することができる。その結果、新たに配置されたMAP(o)1oは、最初に設定されたMAP(e)1e以外の新しいMAPを検出することができる。又、MAP(o)1oは、MAP探索を繰り返すことにより、より遅延値の小さい、近隣のMAPに関する情報を、近隣MAPテーブル16oに保持することができる。
【0167】
更に、新たに配置されたMAP(o)1oが、MAP(o)1oの近隣MAPであるMAP(g)1gに、近隣MAP登録要請パケットを送信することにより、MAP(g)1gに自分の存在を知らせることができる。そして、MAP(g)1gの近隣MAPテーブル16gに登録してもらうことができる。そのため、MAP(o)1oは、近隣の他のMAP(h)1hやMAP(c)1cからも検出されるようにできる。従って、通信システムに、新たなMAPを容易に配置することができる。
【0168】
(MNによるMAPの探索)
次に、図19、図5を用いて、MNによるMAPの探索について説明する。図19は、図1に示した通信システムに、上記したように、MAP(o)1oを新たに配置した後の通信システムを示している。又、図19では、MN(a)2a、MN(b)2bが備えている近隣MAPテーブル26a,26bを、各MN(a)2a、MN(b)2bとともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、MN(a)2a、MN(b)2bと各近隣MAPとの遅延値(小数点以下の記載を省略)のみを記載している。
【0169】
1.MAPの探索
まず、MN(b)2bが、図19中矢印Dで示す移動経路上を移動しながら、MAPを探索する様子を説明する。MN(b)2bは、MAPによるMAP探索の場合と同様にして、MAPを探索する。即ち、MN(b)2bのNMDP部25が、MAP探索パケットを作成する探索パケット作成手段として機能し、MAP通知パケットに基づいてMAPの検出を行う検出手段として機能し、MAP通知パケットに基づいて遅延値(ノード間情報)の決定を行う決定手段として機能し、MAP通知パケットに基づいて近隣MAPテーブル26bの更新を行う更新手段として機能して、MAP探索を行う。
【0170】
MN(b)2bが、図19中矢印Aで示す位置にいるときに、MN(b)2bの近隣MAPテーブル26bのいずれかのMAPに関する情報についての生存時間が探索生存時間に到達すると、MN(b)2bは、MAP探索を開始する。MN(b)2bのNMDP部25は、そのMAPに対して、MAP探索パケットを送信する。次に、MN(b)2bのNMDP部25は、周辺ノードとなったMAPから返信されたMAP探索パケットに対するMAP通知パケットを受信する。次に、MN(b)2bのNMDP部25は、受信したMAP通知パケットに基づいて、新たなMAPを検出し、既存の近隣MAPに関する最新の情報を取得して、近隣MAPテーブル26bを更新する。
【0171】
その結果、図19に示すように、図19中矢印Aで示す位置にいるMN(b)2bとの間の遅延値が小さい近隣MAP、MAP(o)1o、MAP(g)1g、MAP(i)1i、MAP(k)1k、MAP(h)1hに関する情報が、近隣MAPテーブル26bに登録される。
【0172】
図5を用いて、MNが備える第2テーブルについて説明した際に記載した通り、MNの初期生存時間、探索生存時間は短く設定されている。そのため、MN(b)2bが、図19中矢印Aで示す位置から矢印Bで示す位置を経由して、矢印Cで示す位置まで、矢印Dで示す移動経路上を進む間、近隣MAPテーブル26bの各MAPに関する情報についての生存時間が、次々に探索生存時間に到達し、MN(b)2bは、MAP探索を繰り返し行う。
【0173】
その結果、図19に示すように、図19中矢印Bで示す位置では、矢印Bで示す位置にいるMN(b)2bとの間の遅延値が小さい近隣MAP、MAP(k)1k、MAP(i)1i、MAP(o)1o、MAP(n)1n、MAP(h)1hに関する情報が、近隣MAPテーブル26bに登録される。又、図19中矢印Cで示す位置では、矢印Cで示す位置にいるMN(b)2bとの間の遅延値が小さい近隣MAP、MAP(n)1n、MAP(k)1k、MAP(i)1i、MAP(l)1l、MAP(e)1eに関する情報が、近隣MAPテーブル26bに登録される。
【0174】
尚、MN(b)2bが備える近隣MAPテーブル26bに、初期設定として、予め、通信システムを構成しているMAPのアドレスと、遅延値を少なくとも1つ設定しておくことが好ましい。これによれば、MN(b)2bは、少なくとも1つのMAPにMAP探索パケットを送信して、MAP探索を開始することができる。尚、設定するMAPのアドレスは、任意のMAPのものでよいが、MNのユーザが通信システムを利用する地域等を考慮して、ユーザが利用する地域のMAPのアドレス等を設定することが好ましい。
【0175】
2.MAPの選択
次に、MAPの選択について説明する。MN(a)2aが、利用するために最も適するMAPを選択する場合を例にとって説明する。上記したように、MN(a)2aは、図5に示す近隣MAPテーブル26aを備えている。又、MN(a)2aが備えるMAP選択ポリシー保持部30には、処理能力が、高い「01」以上のMAPのうち、最も近隣にあるもの(ノード間のパケット送信における遅延値が最も小さいもの)というMAP選択ポリシーが保持されている。
【0176】
そのため、MN(a)2aのNMDP部25は、図5に示す近隣MAPテーブル26aが記憶している近隣MAPに関する情報に、MAP選択ポリシー保持部30に保持されている上記MAP選択ポリシーを照らし合わせて、最適な近隣MAPを選択する。その結果、MN(a)2aのNMDP部25は、MAP(b)を、実際に利用する近隣MAPとして選択する。このようにして、MN(a)2aのNMDP部25は、選択手段として機能する。そして、MN(a)2aのNMDP部25は、選択した近隣MAP、MAP(b)のアドレスを、モビリティ制御部24に通知する。
【0177】
そして、MN(a)2aは、MAP(b)1bに、ホームアドレスと現在使用中の気付アドレスの登録を行う。又、MN(a)2aは、HAに、ホームアドレスとMAP(b)のアドレスの登録を行う。具体的には、MN(a)2aのモビリティ制御部24が、MAP(b)1bに、ホームアドレスと気付アドレスの登録を行うバインディングアップデートパケットを作成する。又、MN(a)2aのモビリティ制御部24が、HAに、ホームアドレスとMAP(b)のアドレスの登録を行うバインディングアップデートパケットを作成する。そして、MN(a)2aのインターフェース29が、それらのバインディングアップデートパケットを、MAP(b)1bやHAに送信する。このようにして、MN(a)2aは、HA、MAP(b)1bによるMN(a)2aのホームアドレス宛に送信されたパケットの転送サービスを享受することができる。
【0178】
〔ノード探索プログラム〕
上述したMAP1は、コンピュータに、上記したようなノード記憶手段、探索パケット作成手段、依頼パケット作成手段、通知パケット作成手段、要請パケット作成手段、確認パケット作成手段、通信手段、検出手段、決定手段、更新手段として機能させるノード探索プログラムを実行させることにより、実現できる。又、上述したMN2は、コンピュータに、上記したようなノード記憶手段、探索パケット作成手段、通信手段、検出手段、決定手段、更新手段、選択手段として機能させるノード探索プログラムを実行させることにより、実現できる。
【0179】
〔効果〕
このような第1の実施の形態に係る通信システム、MAP、MN、ノード探索方法、ノード探索プログラムによれば、MAPを探したいMAP(k)1k〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2b自身が探索ノードとなり、MAP探索パケット3を送信することにより、自律的にMAPを探索することができる。又、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、MAP探索パケット3を送信するだけで、探索パケット受信ノードや周辺ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oから、そのノード探索パケット3に対するノード通知パケットを受け取ることができる。
【0180】
そして、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、そのノード通知パケットに基づいて、MAPを検出できる。よって、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、他のノード(MAP)から情報をもらうことにより、容易にMAPを検出できる。
【0181】
更に、MAP通知パケットには、処理能力、遅延値等のノード自体情報やノード間情報が含まれている。よって、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、MAP通知パケットから、MAPに関するノード情報を把握することができる。
【0182】
又、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、MAP探索パケット3送信時の状況に応じたMAP通知パケットを受け取ることができる。よって、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、その時の状況に応じたMAPを検出でき、遅延値(ノード間情報)や処理能力(ノード自体情報)を把握できる。そして、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、近隣MAPテーブル16a〜16o,26a,26bを、検出したMAPやその遅延値、処理能力等に基づいて更新する。そのため、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、その時の状況に応じた最新の情報を、動的に、自律的に保持していくことができる。
【0183】
よって、MAP(a)1a〜MAP(o)1oは、新しいMAPの配置、既存のMAPの削除、故障等の状況の変化に応じた情報を、自律的に把握して、MAPを検出でき、最新の情報を保持することができる。又、MN(a)2a,MN(b)2bは、移動に応じた情報を、アクセスルータからの広告に頼らずに、自律的に把握して、そのときのMN(a)2a,MN(b)2bの位置にとって近隣のMAPを検出でき、その近隣MAPの最新情報を保持することができる。よって、このノード探索方法をMNのモビリティ制御に活かすことができる。又、MNとMAPとの中間に存在するアクセスルータ等に対する設定等を、一切必要としない。もちろん、MN(a)2a,MN(b)2bは、移動だけでなく、新しいMAPの配置、既存のMAPの削除、故障等のMAPに関する状況の変化に応じた情報を把握して、MAPを検出することもできる。
【0184】
又、このように、各MAP(a)1a〜MAP(o)1oや各MN(a)2a,MN(b)2bが、自律的にMAPを検出する自律分散制御を行っているため、耐障害性が高く、新たなMAPの配置や、MAPの削除等、MAP配置の変更も容易に行うことができる。
【0185】
又、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、自身と探索パケット受信ノードとなったMAPとの間の遅延値(ノード間情報)や、探索パケット受信ノードとなったMAPと周辺ノードとなったMAPとの間の遅延値(ノード間情報)から、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2b自身と周辺ノードとなったMAPとの間の遅延値(ノード間情報)を、容易に把握することができる。特に、MAP(a)1a〜MAP(o)1o同士や、MN(a)2a,MN(b)2bとMAP(a)1a〜MAP(o)1oとの間で、同期をとる必要がなくなる。
【0186】
又、近隣MAPテーブルは、処理能力、遅延値等のノード自体情報やノード間情報を記憶している。そのため、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、近隣MAPテーブルを参照することにより、近隣MAPに関するノード情報を把握することができる。そのため、MAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、MAPに関する様々なノード情報を、近隣MAPテーブルを更新する際の判断材料や、利用するMAPを選択する際の判断材料等として、利用することができる。
【0187】
更に、近隣MAPテーブルは、遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶している。そして、探索ノードとなるMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、自身の近隣MAPテーブルに登録されている近隣MAPにノード探索パケットを送信する。そのノード探索パケットを受信し、探索パケット受信ノードとなったMAPも、自身の近隣MAPテーブルに登録されている近隣MAPにノード通知依頼パケットを送信する。そして、ノード通知依頼パケットを受信し、周辺ノードとなったMAPが、ノード通知パケットを返信する。
【0188】
その結果、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、多くのMAPから、MAP通知パケットの返信を受けることができる。よって、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、より多くのMAPに関する情報を把握することができる。しかも、探索ノードとなったMAP(a)1a〜MAP(o)1oやMN(a)2a,MN(b)2bは、比較的近隣に存在するMAPに関する情報を得ることができ、遅延値の小さい近隣MAPを、効率よく検出することができる。
【0189】
又、MAP(a)1a〜MAP(o)1oは、NMDP部15、近隣MAPテーブル16a〜16o、インターフェース19を備える。そのため、MAP(a)1a〜MAP(o)1oは、近隣MAPテーブル16a〜16oに記憶している情報を基に、MAP通知パケットを作成して、他のMAPに送信することができる。よって、MAP(a)1a〜MAP(o)1oは、探索パケット受信ノードや周辺ノードとなり、他のMAPに、自身が把握している情報を提供することができる。又、MAP(a)1a〜MAP(o)1oは、近隣MAPテーブル16a〜16oに記憶している近隣MAPに、MAP通知パケットの返信を依頼することもできる。
【0190】
又、MN(a)2a,MN(b)2bは、NMDP部25と、MAP選択ポリシー保持部30を備える。そのため、MN(a)2a,MN(b)2bは、MAP選択ポリシーに基づいて、近隣MAPテーブル26a,26bを参照し、自律的に、近隣MAPテーブル26a,26bから、MAP選択ポリシーにあった最適な近隣MAPを選択することができる。
【0191】
更に、本実施形態では、遅延値を、MAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いている。遅延値は、MAP間のリンク容量やホップ数、MAP自身の処理能力やトラフィック量等の様々なパラメータの影響を受けて決まるものである。そのため、遅延値をMAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いることにより、より最適なMAPを選択することができる。又、本実施形態では、遠近判断情報以外の情報である処理能力を、MAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いている。そのため、遠近だけでなく、MAP自体の状態をも考慮して、より最適なMAPを選択することができる。
【0192】
更に、近隣MAPテーブルには、遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPが登録されている。よって、MN(a)2a,MN(b)2bは、エニーキャストアドレス等を用いることことなく、容易にMAP選択ポリシーにあった近隣MAPを検出することができる。
【0193】
[第2の実施の形態]
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0194】
〔通信システム〕
(通信システムの全体構成)
通信システムは、第1の実施の形態と同様に、HMIPを利用しており、複数のMAPと、複数のMNから構成される。本実施形態では、ノード間の遠近を判断する判断基準として、ノード間のホップ数が小さい方が近いという判断基準を用いる。又、遠近判断情報として、ノード間のホップ数を用いる。
【0195】
(MAPの構成)
MAPは、第1の実施の形態とほぼ同様である。但し、NMDP部15が行うMAP探索に関する処理が異なる。又、MAPが備える近隣MAPテーブル、第2テーブルが異なる。本実施形態に係るMAPが備える近隣MAPテーブル、第2テーブルを、図20に示すMAP(k)が持つ近隣MAPテーブル116k、第2テーブル117kを例にとって説明する。図20に示すように、近隣MAPテーブル116kは、各近隣MAPについて、IPアドレス、ホップ数、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1、強制登録生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ2を記憶している。又、近隣MAPテーブル116kの最大ノード登録数は、5に設定されている。
ホップ数は、近隣MAPテーブル116kを備えるMAP(k)自身と各近隣MAPとの間のホップ数である。近隣MAPテーブル16kは、原則として、ホップ数の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを、ホップ数の小さい順番に記憶するという基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶している。生存時間、シーケンスナンバ1、強制登録生存時間、シーケンスナンバ2は、第1の実施の形態と同様である。
【0196】
図20に示すように、第2テーブル17kは、シーケンスナンバ3、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ4、強制登録初期生存時間(単位はsec)、強制登録要請送信タイマの時間(単位はsec)、初期HL(Hop Limit)を記憶している。シーケンスナンバ3、初期生存時間、探索生存時間、シーケンスナンバ4、強制登録初期生存時間、強制登録要請送信タイマの時間は、第1の実施の形態と同様である。
【0197】
初期HLの値は、MAP(k)自身と他のMAPとの間のホップ数を決定するための基準値となるホップ数である。初期HLは、MAP通知パケットのHLの初期値に設定される。MAPの初期HLは、図20に示すように、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値が設定される。そのため、第2テーブル117kは、MAP(k)とMAP(g)との間のホップ数「13」を、初期HLとして記憶する。尚、初期HLは、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値ではなく、予め第2テーブル117kに一定値を設定しておいてもよい。又、初期HLは、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値に、予め設定されている一定値を加算した値を設定するようにしてもよい。
【0198】
(MNの構成)
MNは、第1の実施の形態とほぼ同様である。但し、NMDP部25が行うMAP探索に関する処理が異なる。又、MNが備える近隣MAPテーブル、第2テーブルが異なる。本実施形態に係るMNが備える近隣MAPテーブル、第2テーブルを、図21に示すMN(a)が持つ近隣MAPテーブル126a、第2テーブル127aを例にとって説明する。図21に示すように、近隣MAPテーブル126kは、各近隣MAPについて、IPアドレス、ホップ数、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶している。又、近隣MAPテーブル116kの最大ノード登録数は、5に設定されている。
【0199】
ホップ数は、MNと各近隣MAPとの間のホップ数である。近隣MAPテーブル126aは、ホップ数の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを、ホップ数の小さい順番に記憶するという基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶している。生存時間、シーケンスナンバ1は、第1の実施の形態と同様である。
【0200】
図21に示すように、第2テーブル127aは、シーケンスナンバ3、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、初期HLを記憶している。シーケンスナンバ3、初期生存時間、探索生存時間は、第1の実施の形態と同様である。又、初期生存時間は、短く設定され、それに伴い探索生存時間も短く設定されることが好ましい。これによれば、MNは、高頻度にMAP探索を行うことができる。そのため、MNは、移動に伴い変化する近隣MAPに関する情報を、高頻度にアップデートすることができ、移動に応じた近隣MAPに関する情報を、適切に把握することができる。
【0201】
又、初期HLは、MN(a)とMAPとの間のホップ数を決定するための基準値となるホップ数である。初期HLは、MAP通知パケットのHLの初期値に設定される。MNの初期HLは、図21に示すように、十分に大きな値で、一定である。これによれば、MNは、近隣MAPとの間のホップ数が、移動に伴い大きく変動した場合に、MAP通知パケットがMNに全く到着しないという事態を防止することができる。
【0202】
又、本実施形態に係るMNは、MAP選択ポリシー部30に保持されているMAP選択ポリシーも、第1の実施の形態と異なる。本実施形態では、MAP選択ポリシー保持部30には、最も近隣にあるもの(ノード間のホップ数が最も小さいもの)というMAP選択ポリシーが保持されている。
【0203】
〔ノード探索方法〕
次に、上記通信システムにおいて、ノード(MAP)を探索するノード探索方法について説明する。
【0204】
(MAPによるMAPの探索)
図22、図20を用いて、MAPによるMAPの探索について説明する。図22は、通信システムを構成する複数のMAP(a)101a〜MAP(n)101nがグループを形成している様子を示す。図22では、MNの記載を省略している。又、図22では、MAP(a)101a〜MAP(n)101nが備えている近隣MAPテーブル116a〜116nを、各MAP(a)101a〜MAP(n)101nとともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、近隣MAPテーブル116a〜116nを備えているMAP(a)101a〜MAP(n)101nと、各近隣MAPとのホップ数のみを記載している。図22に示すように、各MAP(a)101a〜MAP(n)101nには、近隣MAPテーブル116a〜116nが形成されている。
【0205】
MAP(k)101kが備える近隣MAPテーブル116kが、図20に示す状態になっている場合を例にとって説明する。図20に示す第2テーブル117kの探索生存時間は、60(sec)に設定されている。又、図20に示す近隣MAPテーブル116kに近隣MAPとして登録されているMAP(n)の生存時間は、現在61(sec)であり、毎秒デクリメントされる。そして、1秒後に、近隣MAPテーブル116kのMAP(n)の生存時間が探索生存時間である60(sec)に達すると、MAP(k)101kは、MAP(n)101nに対して、MAPの探索を開始する。
【0206】
1.MAP探索パケット、MAP通知パケットの送受信
まず、図22に示すように、MAP(k)101kは、MAP(n)101nに、MAP探索パケットを送信し、それをMAP(n)101nが受信する(図22中実線の矢印で示す)。よって、ここでは、MAP(k)101kが探索ノードとなり、MAP(n)101nが探索パケット受信ノードとなる。具体的には、MAP(k)101kのNMDP部15が、図23に示すMAP探索パケット103を作成し、インターフェース19が送信する。
【0207】
図23に示すように、MAP探索パケット103は、IPv6ヘッダ131と、終点オプションヘッダ132とから構成される。IPv6ヘッダ131には、IPのバージョンを示すバージョン、MAP探索パケット103の送信元を示す始点アドレス、MAP探索パケット103の宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ132には、タイプ、MAP探索パケット103を管理するシーケンスナンバ、初期HLが格納されている。
【0208】
MAP(k)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ131の始点アドレスに、MAP(k)のIPアドレス「k」を、終点アドレスに、MAP(n)のIPアドレス「n」を設定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ132のタイプに、「41」を設定する。本実施形態では、タイプ41が、MAP探索パケット103を示す。又、MAP(k)のNMDP部は、終点オプションヘッダ132のシーケンスナンバに、図20に示す第2テーブル117kのシーケンスナンバ3の値「1653」に1を加算した「1654」を設定する。このとき、MAP(k)のNMDP部15は、第2テーブル117kのシーケンスナンバ3の値も「1654」に更新する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ132の初期HLに、第2テーブル117kの初期HL「13」をコピーして、設定する。
【0209】
次に、図22に示すように、MAP探索パケット103を受信したMAP(n)101nが、MAP(n)101nの近隣MAPテーブル116nが記憶している全ての近隣MAP、即ち、MAP(n)101n、MAP(i)101i、MAP(k)101k、MAP(l)101l、MAP(j)101jに対して、カプセル化MAP通知パケットを送信する(図22中一点鎖線の矢印で示す)。カプセル化MAP通知パケットとは、探索パケット受信ノードであるMAP(n)101nから、探索ノードであるMAP(k)1kに返信するMAP通知パケットをカプセル化したパケットをいう。
【0210】
即ち、探索パケット受信ノードとなったMAP(n)101nは、MAP(n)101n自身に近隣するMAP(i)101i〜MAP(l)101lを宛先としたヘッダで、MAP通知パケットをカプセル化して送信する。よって、ここでは、MAP(i)101i〜MAP(l)101lが周辺ノードとなる。
【0211】
具体的には、MAP(n)101nのNMDP部15が、カプセル化MAP通知パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)101iと、MAP(j)101jへのカプセル化MAP通知パケットの送信を例にとって説明する。図24(a)は、MAP(i)に送信するカプセル化MAP通知パケット104iを示し、図24(b)は、MAP(j)に送信するMAP通知パケット104jを示す。
【0212】
図24に示すように、カプセル化MAP通知パケット104i,104jは、IPv6ヘッダ141i,141jと、MAP通知パケット105i,105jとから構成される。IPv6ヘッダ141i,141jは、探索パケット受信ノードであるMAP(n)101nから、探索ノードであるMAP(k)1kに返信するMAP通知パケット105i,105jをカプセル化するヘッダである。IPv6ヘッダ141i,141jには、IPのバージョンを示すバージョン、カプセル化MAP通知パケット104i,104jの送信元を示す始点アドレス、カプセル化MAP通知パケット104i,104jの宛先を示す終点アドレス等が格納されている。
【0213】
MAP通知パケット105i,105jは、IPv6ヘッダ151i,151jと、終点オプションヘッダ152i,152jとから構成される。IPv6ヘッダ151i,151jには、IPのバージョンを示すバージョン、HL、MAP通知パケットの送信元を示す始点アドレス、MAP通知パケットの宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ152i,152jには、タイプ、経由MAPアドレス、MAP通知パケット105i,105jを管理するシーケンスナンバ、初期HLが格納されている。ここで、経由MAPアドレスとは、MAP通知パケット105i,105jが経由する周辺ノードのアドレスである。
【0214】
図24(a)に示すように、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ141iの始点アドレスに、MAP(n)のIPアドレス「n」を、終点アドレスに、MAP(i)のIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ151iのHLに、受信した図23に示すMAP探索パケット103の初期HL「13」コピーして、設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ151iの始点アドレスに、MAP(n)のIPアドレス「n」を、終点アドレスに、MAP(k)のIPアドレス「k」を設定する。
【0215】
又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iのタイプに、「42」を設定する。本実施形態では、タイプ42が、MAP通知パケットを示す。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iの経由MAPアドレスに、MAP通知パケット105iをカプセル化して送信する宛先であるIPv6ヘッダ141iの終点アドレス「i」をコピーして、設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iのシーケンスナンバ、初期HLに、受信した図23に示すMAP探索パケット103のシーケンスナンバの値「1654」、初期HLの値「13」をコピーして設定する。
【0216】
同様にして、MAP(n)のNMDP部15は、図24(b)に示すMAP(j)へのカプセル化MAP通知パケット104jを作成する。但し、MAP(n)のNMDP部15は、IPv6ヘッダ141jの終点アドレスに、MAP(j)のIPアドレス「j」を設定する。又、MAP(n)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ152jの経由MAPアドレスに、MAP通知パケット105jをカプセル化して送信する宛先であるIPv6ヘッダ141jの終点アドレス「j」をコピーして、設定する。
【0217】
次に、図22に示すように、カプセル化MAP通知パケットを受信したMAP(i)101i〜MAP(l)101l,MAP(n)101nが、デカプセル化を行い(最外部のIPv6ヘッダをとる)、探索パケット受信ノードであるMAP(n)101nから、探索ノードであるMAP(k)1kに返信するMAP通知パケットを取り出す。そして、MAP(i)101i〜MAP(l)101l,MAP(n)101nが、MAP(k)101kに対して、取り出したMAP通知パケットを送信する(図22中点線の矢印で示す)。このようにして、探索パケット受信ノードであるMAP(n)101nは、周辺ノードであるMAP(i)1i〜MAP(l)1lを経由して、探索ノードであるMAP(k)101kに、MAP通知パケットを返信する。具体的には、MAP(i)101i〜MAP(l)101l,MAP(n)101nのIPレイヤ部13が、カプセル化MAPパケットをデカプセル化し、取り出したMAP通知パケットを、インターフェース19が送信するだけである。
【0218】
このように、探索パケット受信ノードであるMAP(n)1nが、近隣MAPテーブル16nに記憶されている近隣MAP(周辺ノード)のアドレスを宛先とするIPv6ヘッダで、MAP通知パケットをカプセル化し、トンネル転送を行うことにより、周辺ノードであるMAP(i)101i〜MAP(l)101lを経由して、MAP通知パケットを、探索ノードであるMAP(k)1kに返信することができる。尚、このようなトンネル転送以外に、IPv6のオプションの拡張ヘッダである経路制御ヘッダを用いることによっても、探索パケット受信ノードとなったMAPは、周辺ノードであるMAPを経由して、MAP通知パケットを、探索ノードであるMAPに返信することができる。
【0219】
2.ノード間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新
次に、MAP通知パケットを受信した探索ノードであるMAP(k)101kは、返信されたMAP通知に基づいて、ノード間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新を行う。以下、MAP(i)101iと、MAP(j)101jが送信するMAP通知パケットを例にとって説明する。
【0220】
まず、MAP(i)がMAP通知パケット105iを送信した場合を説明する。探索ノードであるMAP(k)は、図25に示すMAP通知パケット105iを受信する。MAP(k)は、探索ノードであるMAP(k)と、MAP通知パケット105iが経由した周辺ノードであるMAP(i)(MAP通知パケット105iに、経由MAPアドレスが記載されているMAP)との間のホップ数を決定する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット105iから、IPv6ヘッダ151iに含まれるHLの値「7」、終点オプションヘッダ152iに含まれる初期HLの値「13」を取得する。
【0221】
ここで、MAP(i)が受信したカプセル化MAP通知パケット104iから、デカプセル化(IPv6ヘッダ141iをとる)によって取り出されたMAP通知パケット105iのHLの値は、図24(a)に示すように、「13」である。これに対し、MAP(k)が受信した図25に示すMAP通知パケット105iのHLの値は「7」となっている(図25中、丸で囲んだ部分)。これは、MAP通知パケット105iが、MAP(i)からMAP(k)まで送信されてくる間に、MAP通知パケット105iのHLの値が、転送の度に1減じられたためである。
【0222】
MAP(k)のNMDP部15は、取得した初期HLの値「13」から、HLの値「7」を減じる計算を行い、MAP(k)とMAP(i)との間のホップ数を求める。計算結果は、13−7=6となった。このように、MAP(k)において新たに決定されたMAP(i)(MAP通知パケット105iに、経由MAPアドレスが記載されているMAP)との間のホップ数は、「6」となった。
【0223】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iの経由MAPアドレス「i」が、図26に示す近隣MAPテーブル116kのIPアドレスにあるか否かを検索する。図26は、MAP(k)が、図25に示すMAP通知パケット105iを受信した時のMAP(k)の近隣MAPテーブル116k、第2テーブル117kの状態を示す。尚、図26に示す近隣MAPテーブル116k、第2テーブル117kでは、図20に示したMAP探索を開始する直前の状態から、既に更新されている箇所もある。
【0224】
MAP(k)のNMDP部15は、新たに受信したMAP通知パケット105iの経由MAPアドレス「i」が、近隣MAPテーブル116kに存在すれば、MAP通知パケット105iが経由したMAP(i)は、既に検出しているMAPであると判断する。そのため、この場合、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iを、既に近隣MAPとして登録しているMAP(i)に関する情報の更新に利用すると判断する。図26の場合、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル116kのIPアドレスに、経由MAPアドレス「i」があるため、MAP通知パケット105iを、MAP(i)に関する情報の更新に利用すると判断する。
【0225】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット105iに基づく、近隣MAPテーブル116kの既存のMAP(i)に関する情報の更新を実行すべきか否かを判断する。具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、受信したMAP通知パケット105iのシーケンスナンバ「1654」と、MAP通知パケット105i受信時の近隣MAPテーブル116k(図26)のMAP(i)についてのシーケンスナンバ1「1650」とを比較する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバが大きい場合には、そのMAP通知パケット510iに基づく情報は、最新の情報であり、情報の更新を実行すると判断する。図26の場合、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバの方が大きいため、情報の更新を実行すると判断する。
【0226】
一方、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル116kのMAP(i)についてのシーケンスナンバ1よりも小さい場合には、MAP(k)のNMDP部15は、そのMAP通知パケット105iに基づく情報の更新を実行しないと判断する。
【0227】
次に、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル116kのMAP(i)に関する情報の更新を実行する。MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105i(図25)から、シーケンスナンバ「1654」を取得する。又、MAP(k)のNMDP部15は、第2テーブル117k(図26)から初期生存時間「900」を取得する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、近隣MAPテーブル116k(図26)のMAP(i)に関する既存のホップ数「6」を、決定したホップ数「6」に、既存の生存時間「122」を、取得した初期生存時間「900」に、既存のシーケンスナンバ1「1650」を、取得したシーケンスナンバ「1654」に、それぞれ更新して、最新の情報とする。
【0228】
尚、MAP(k)のNMDP部15は、新たに受信したMAP通知パケット105iの経由MAPアドレス「i」が、探索ノードであるMAP(k)の近隣MAPテーブルに存在しない場合には、MAP通知パケット105iが経由したMAP(i)は、新たに検出したMAPであると判断する。即ち、MAP(i)は、MAP(k)の近隣MAPテーブルに、MAP(k)の近隣MAPとして新規に登録される可能性があると判断する。
【0229】
この場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iに基づいて決定したMAP(k)とMAP(i)との間のホップ数が、MAP通知パケット105i受信時のMAP(k)の近隣MAPテーブルに記憶さている近隣MAPのホップ数の最大値よりも小さいか否かを比較する。そして、MAP(k)とMAP(i)との間のホップ数が、MAP(k)の近隣MAPテーブルのホップ数の最大値と等しい場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(i)を、MAP(k)の近隣MAPとして、近隣MAPテーブルに新規に登録することはしないと判断する。
【0230】
一方、MAP(i)のホップ数が、MAP通知パケット105i受信時のMAP(k)の近隣MAPテーブルのホップ数の最大値よりも小さい場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105i受信時の近隣MAPテーブルの中で、MAP(i)のホップ数よりも大きいホップ数を持つ近隣MAPの強制登録生存時間が、0であるか否かを判断する。
【0231】
MAP(i)のホップ数よりも大きいホップ数を持つ全ての近隣MAPの強制登録時間が0でない場合には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(i)を、MAP(k)の近隣MAPとして、MAP(k)の近隣MAPテーブルに新規に登録することはしないと判断する。
【0232】
一方、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(i)のホップ数よりも大きいホップ数を持つ近隣MAPで、強制登録時間が0の近隣MAPがある場合には、MAP(i)を、MAP(k)の近隣MAPとして、MAP(k)の近隣MAPテーブルに新規に登録すると判断する。まず、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(i)のホップ数よりも大きいホップ数を持つ近隣MAPで、強制登録時間が0の近隣MAPの中で、最もホップ数の大きい近隣MAPに関する情報を消去する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iに基づいて、近隣MAPテーブルを更新する。
【0233】
具体的には、MAP(k)のNMDP部15は、MAP通知パケット105iから、経由MAPアドレス、シーケンスナンバを取得し、第2テーブルから初期生存時間を取得する。そして、MAP(k)のNMDP部15は、MAP(i)に関する情報として、決定したホップ数、取得した経由MAPアドレス、初期生存時間、シーケンスナンバ、強制登録生存時間の初期値0を、MAP(k)の近隣MAPテーブルに格納する。このようにして、新たに検出されたMAP(k)の近隣MAPであるMAP(i)は、近隣MAPテーブル116kに登録される。
【0234】
次に、MAP(j)がMAP通知パケット105jを送信した場合を説明する。MAP(j)は受信したカプセル化MAP通知パケット104jをデカプセル化し(IPv6ヘッダ141jをとる)、図27に示すMAP通知パケット105jを、MAP(k)に宛てて送信する。
【0235】
このとき、MAP(j)1jとMAP(k)1kとの間のホップ数が15であるとする。図27に示すMAP通知パケット105jは、IPv6ヘッダ151jのHLの値が、「13」である。そのため、MAP通知パケット105jが、MAP(j)からMAP(k)に到着する前に、MAP通知パケット105jのHLの値が、転送の度に1減じられて、0になってしまう。即ち、MAP通知パケット105jは、HLの値が小さすぎて、MAP(j)からMAP(k)の経路上で、HLの値が0になり、消滅してしまう。そのため、MAP通知パケット105jは、MAP(k)まで到達しない。その結果、MAP(k)において、MAP通知パケット105jに基づく、近隣MAPテーブル116kの更新は行われない。
【0236】
このように、MAP通知パケット105jのIPv6ヘッダ151jに設定されるHLの初期値は、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値を設定することが好ましい。即ち、IPv6ヘッダ151jに設定されるHLの初期値となる第2テーブル117kの初期HLに、図20に示したように、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値を設定しておくことが好ましい。これによれば、近隣MAPテーブル116kに登録され得ない程遠くにあるMAP(j)1j(周辺ノード)からのMAP通知パケット105jを、そのMAPとMAP(k)1k(探索ノード)との間の経路上で消滅させてしまうことができる。即ち、現在の近隣MAPテーブル116kの各近隣MAPのホップ数よりも大きいホップ数を持つMAP(j)は、近隣MAPテーブル116kに登録されない。そのようなMAP(j)からのMAP通知パケットを、MAP(k)に受信させずに、消滅させてしまうことができる。そのため、探索ノードであるMAP(k)の制御負荷を軽減でき、又、余計なパケットの転送を防止することもできる。
【0237】
尚、第2の実施の形態に係るノード探索方法においても、MAP通知パケットの返信がない場合等における近隣MAPの消去、MAPによる他のMAPの近隣MAPテーブルへの登録の要請、新たなMAPの配置については、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
【0238】
(MNによるMAPの探索)
次に、図28、図21を用いて、MNによるMAPの探索について説明する。通信システムを構成する複数のMAP(a)101a〜MAP(o)101oと、MN(a)102a,MN(b)102bを示す。又、図28では、MN(a)102a、MN(b)102bが備えている近隣MAPテーブル126a,126bを、各MN(a)102a、MN(b)102bとともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、MN(a)102a、MN(b)102bと各近隣MAPとの間のホップ数のみを記載している。
【0239】
1.MAPの探索
まず、MN(b)102bが、図28中矢印Dで示す移動経路上を移動しながら、MAPを探索する様子を説明する。MN(b)102bは、MAPによるMAP探索の場合と同様にして、MAPを探索する。MN(b)102bが、図28中矢印Aで示す位置にいるときに、MN(b)102bの近隣MAPテーブル126bのいずれかのMAPに関する情報についての生存時間が探索生存時間に到達すると、MN(b)102bは、MAP探索を開始する。MN(b)102bのNMDP部25は、そのMAPに対して、MAP探索パケットを送信する。次に、MN(b)102bのNMDP部25は、探索パケット受信ノードとなったMAPから、周辺ノードとなったMAPを経由して返信されたMAP探索パケットに対するMAP通知パケットを受信する。次に、MN(b)102bのNMDP部25は、受信したMAP通知パケットに基づいて、新たなMAPを検出し、既存の近隣MAPに関する最新の情報を取得して、近隣MAPテーブル126bを更新する。
【0240】
その結果、図28に示すように、図28中矢印Aで示す位置にいるMN(b)102bとの間の遅延値が小さい近隣MAP、MAP(o)101o、MAP(g)101g、MAP(i)101i、MAP(k)101k、MAP(h)101hに関する情報が、近隣MAPテーブル126bに登録される。
【0241】
同様に、MN(b)102bが、図28中矢印Aで示す位置から矢印Bで示す位置を経由して、矢印Cで示す位置まで、矢印Dで示す移動経路上を進む間、近隣MAPテーブル126bの各MAPに関する情報についての生存時間が、次々に探索生存時間に到達し、MN(b)102bは、MAP探索を繰り返し行う。
【0242】
その結果、図28に示すように、図28中矢印Bで示す位置では、矢印Bで示す位置にいるMN(b)102bとの間のホップ数が小さい近隣MAP、MAP(k)101k、MAP(i)101i、MAP(o)101o、MAP(n)101n、MAP(h)101hに関する情報が、近隣MAPテーブル126bに登録される。又、図28中矢印Cで示す位置では、矢印Cで示す位置にいるMN(b)102bとの間のホップ数が小さい近隣MAP、MAP(n)101n、MAP(k)101k、MAP(i)101i、MAP(l)101l、MAP(e)101eに関する情報が、近隣MAPテーブル126bに登録される。
【0243】
2.MAPの選択
次に、MAPの選択について説明する。MN(a)102aが、利用するために最も適するMAPを選択する場合を例にとって説明する。上記したように、MN(a)102aは、図21に示す近隣MAPテーブル126aを備えている。又、MN(a)102aが備えるMAP選択ポリシー保持部30には、最も近隣にあるもの(ノード間のホップ数が最も小さいもの)というMAP選択ポリシーが保持されている。
【0244】
そのため、MN(a)102aのNMDP部25は、図21示す近隣MAPテーブル126aが記憶している近隣MAPに関する情報に、MAP選択ポリシー保持部30に保持されている上記MAP選択ポリシーを照らし合わせて、最適な近隣MAPを選択する。その結果、MN(a)102aのNMDP部25は、MAP(f)を、実際に利用する近隣MAPとして選択する。そして、MN(a)102aのNMDP部25は、選択した近隣MAP、MAP(f)のアドレスを、モビリティ制御部24に通知する。
【0245】
そして、MN(a)102aは、MAP(f)101fに、ホームアドレスと現在使用中の気付アドレスの登録を行う。又、MN(a)102aは、HAに、ホームアドレスとMAP(f)のアドレスの登録を行う。このようにして、MN(a)2aは、HA、MAP(b)1bによるMN(a)2aのホームアドレス宛に送信されたパケットの転送サービスを享受することができる。
【0246】
〔効果〕
このような第2の実施の形態に係る通信システム、MAP、MN、ノード探索方法によれば、第1の実施の形態に係る通信システム、MAP、MN、ノード探索方法によって得られる効果に加えて、次のような効果が得られる。近隣MAPテーブルは、ホップ数の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶している。そして、探索ノードとなるMAP(a)101a〜MAP(o)101oやMN(a)102a,MN(b)102bは、自身の近隣MAPテーブルに登録されている近隣MAPにノード探索パケットを送信する。そのノード探索パケットを受信し、探索パケット受信ノードとなったMAPは、自身の近隣MAPテーブルに記憶されている近隣MAPを経由して、MAP通知パケットを、探索ノードであるMAPに返信する。そのため、MAP通知パケットは、経由したMAPに関するホップ数等のノード情報を含んだものとなる。
【0247】
よって、探索パケット受信ノードとなったMAPは、自身の近隣MAPテーブルに記憶されている近隣MAPに関するホップ数等の情報を、探索ノードとなったMAPに提供することができる。そのため、探索ノードとなったMAP(a)101a〜MAP(o)101oやMN(a)102a,MN(b)102bは、MAPに関するより多くの情報を把握することができる。しかも、探索ノードとなったMAP(a)101a〜MAP(o)101oやMN(a)102a,MN(b)102bは、比較的近隣に存在するMAPに関する情報を得ることができ、ホップ数の小さい近隣MAPを、効率よく検出することができる。
【0248】
[変更例]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0249】
〔変更例1〕
本発明に係るノードは、通常のパケット処理を行うルータ等のノードだけでなく、プリンタサーバ、FTP(File Transfer Protocol)サーバ、電化製品等の固定ノードや、移動端末、PDA(携帯情報端末)、自動車等の移動ノードを含む。そのため、移動ノードの場合には、送信先である移動ノードに対して、パケットを中継するノードとして働き、アドホック技術又はマルチホップ接続技術が適応可能である。
【0250】
又、例えば、複数のノードとして、複数のFTPサーバがグループを形成しており、クライアントのノードが、いずれかのFTPサーバから、ファイルをダウンロードする場合や、いずれかのFTPサーバへファイルをアップロードする場合に、本発明に係るノードやノード探索方法を適用することが可能である。これにより、クライアントのノードは、検出したFTPサーバの中から、最適なサーバを選択して利用することができる。具体的には、利用ノードを選択する選択基準として、FTPサーバの処理能力やトラフィック量等のノード自体情報や、FTPサーバとの間のパケット送信における遅延値やホップ数等のノード間情報について規定すれば、これらを考慮して適切なFTPサーバを選択することができる。例えば、最も遅延値の小さいFTPサーバを選択するという選択基準に基づいて、FTPサーバを選択すれば、クライアントのノードは、ダウンロードやアップロードに係る時間を短縮でき、伝送路を有効利用することができる。このように、本発明に係るノードやノード探索方法は、他のノードを把握する必要がある様々な技術に適用可能である。
【0251】
又、上記実施形態では、MAPがグループを形成しているだけであるが、複数のグループから構成される通信システムとすることもできる。即ち、同じ機能を持つノードが集合して形成したグループ(例えば、FTPサーバのグループ、プリンタサーバのグループ、移動ノードのグループ)が、複数集合して通信システムを構成できる。尚、この場合、遠近を判断する判断基準として、各グループにとって、適切なものをそれぞれ採用することができる。又、1つのノードが複数のグループに属してもよい。
【0252】
〔変更例2〕
上記実施形態では、遅延値やホップ数、処理能力等のノード情報を含むMAP通知パケットを用いているが、探索パケット受信ノードや、周辺ノードとなったMAPは、自身の近隣MAPテーブルに記憶されている近隣MAPのIPアドレスを含むMAP通知パケットを作成し、探索ノードであるMAPやMNに返信するようにしてもよい。これによっても、探索ノードであるMAPやMNは、他のMAPのIPアドレスを把握でき、MAPを検出して、近隣MAPテーブルに登録することができる。更に、MAP通知パケットに含まれる情報を少なくでき、パケットの伝送や、パケットの処理を効率化できる。
【0253】
この場合、探索ノードであるMAPやMNは、MAP通知パケットに基づいて検出したMAPのIPアドレスに、遅延値やホップ数を調べるping要求を送信する。ping要求を受信した検出されたMAPは、ping要求に対するping応答を返信する。そして、探索ノードであるMAPやMNは、受信したping応答に基づいて、近隣MAPテーブルを更新する。この場合、MAPのNMDP部15やMNのNMDP部25が、ping要求を作成するデータ作成手段として機能する。
【0254】
このようにping要求、ping応答を用いても、探索ノードであるMAPやMNは、検出したMAPに関するノード情報を把握することができる。又、探索ノードであるMAPやMNは、ping要求送信時の状況に応じたping応答を受け取ることにより、その時の状況に応じたノード情報を把握でき、動的に保持することができる。
【0255】
又、MAPやMNは、近隣MAPテーブルに近隣MAPとして登録した後に、随時、ping要求とping応答等のノード情報を調査するデータとその応答データを用いて、既に検出している近隣MAPとの間の遅延値やホップ数等のノード情報を、調査することができる。そして、それらのノード情報に基づいて、近隣MAPテーブルを更新して、最新情報を保持しておくことができる。
【0256】
〔変更例3〕
上記実施形態では、IPv6を利用しているが、IPv4を利用することもできる。IPv4を利用する場合、MAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケット、近隣MAP登録要請パケット、近隣MAP登録確認パケットの終点オプションヘッダに格納されていた情報を、IPv4のパケットのデータ部に格納したパケットを用いる。又、終点オプションヘッダのタイプが示していたパケットの種類は、UDPヘッダのポート番号を用いて示す。
【0257】
図29に、IPv4を利用する場合のMAP301の構成を示す。MAP301は、アプリケーション部311と、TCP/UDP部312と、IPレイヤ部313と、モビリティ制御部314と、NMDP部315と、近隣MAPテーブル316と、第2テーブル317と、リンクレイヤ部318と、インターフェース319とから構成される。アプリケーション部311、モビリティ制御部314、リンクレイヤ部318、インターフェース319は、図2に示すMAP1のアプリケーション部11、モビリティ制御部14、リンクレイヤ部18、インターフェース19と実質的に同様である。
【0258】
TCP/UDP部312は、NMDP部315と接続している。TCP/UDP部312は、近隣MAPの探索に関わるパケットを、IPレイヤ部313から取得した場合には、それらをMNDP部315に提供する。又、TCP/UDP部312は、MNDP部315から、近隣MAPの探索に関わるパケットを取得し、IPレイヤ部313に提供する。尚、TCP/UDP部312は、TCPヘッダのポート番号により、MAPの探索に関わるパケットの種類を判断する。TCP/UDP部312は、これらの点以外は、図2に示すMAP1のTCP/UDP部12と同様である。
【0259】
又、NMDP部315は、TCP/UDP部312と接続する。NMDP部315は、TCP/UDP部312から取得したMAP探索に関するパケットを処理する。又、NMDP部315は、近隣MAPテーブル316や第2テーブル317を参照し、MAP探索に関するパケットを作成して、TCP/UDP部312に提供する。このように、NMDP部315、近隣MAPテーブル316、第2テーブル317は、TCP/UDPレベルで処理を行う以外は、図2に示すMAP1のNMDP部15、近隣MAPテーブル16、第2テーブル17と、実質的に同様である。又、IPレイヤ部313は、NMDP部315と接続せずに、MAPの探索に関わるパケットの処理を行わない以外は、図2に示すIPレイヤ部13と、実質的に同様である。
【0260】
図30に、IPv4を利用する場合のMN302の構成を示す。MN302は、アプリケーション部321と、TCP/UDP部322と、IPレイヤ部323と、モビリティ制御部324と、NMDP部325と、近隣MAPテーブル326と、第2テーブル327と、リンクレイヤ部328と、インターフェース329と、MAP選択ポリシー保持部330とから構成される。
【0261】
アプリケーション部321、モビリティ制御部324、リンクレイヤ部328、インターフェース329は、図4に示すMN2のアプリケーション21、モビリティ制御部24、リンクレイヤ部28、インターフェース29と、実質的に同様である。
【0262】
TCP/UDP部322は、NMDP部325と接続している。TCP/UDP部322は、MAPの探索に関わるパケットを、IPレイヤ部323から取得した場合には、それらをMNDP部325に提供する。又、TCP/UDP部322は、MNDP部325から、MAPの探索に関わるパケットを取得し、IPレイヤ部323に提供する。尚、TCP/UDP部322は、TCPヘッダのポート番号により、MAPの探索に関わるパケットの種類を判断する。TCP/UDP部322は、これらの点以外は、図4に示すMN2のTCP/UDP部12と同様である。
【0263】
又、NMDP部325は、TCP/UDP部322と接続する。NMDP部325は、TCP/UDP部322から取得したMAP探索に関するパケットを処理する。又、NMDP部325は、近隣MAPテーブル326や第2テーブル327を参照し、MAP探索に関するパケットを作成して、TCP/UDP部322に提供する。このように、NMDP部325、近隣MAPテーブル326、第2テーブル327、MAP選択ポリシー保持部330は、TCP/UDPレベルで処理を行う以外は、図4に示すMN2のNMDP部25、近隣MAPテーブル26、第2テーブル27、MAP選択ポリシー保持部30と、実質的に同様である。又、IPレイヤ部323は、NMDP部325に接続せず、MAPの探索に関わるパケットの処理を行わない以外は、図4に示すIPレイヤ部23と、実質的に同様である。
【0264】
〔変更例4〕
上記実施形態において、周辺ノードには、探索パケット受信ノードであるMAPに直接的に近隣するMAPと、探索パケット受信ノードであるMAPに間接的に近隣するMAPがある。例えば、探索パケット受信ノードであるMAPに直接的に近隣するノードを第1近隣MAPとすると、第1近隣MAPに直接的に近隣する第2近隣MAPや第2近隣MAPに直接的に近隣する第3近隣MAPが、探索パケット受信ノードに間接的に近隣するMAPとなる。
【0265】
上記実施形態では、探索パケット受信ノードであるMAPに直接的に近隣する周辺ノードであるMAPが、MAP通知依頼パケットを受信した場合、MAPパケット通知を送信するだけであった。しかし、探索パケット受信ノードに直接的に近隣する周辺ノードであるMAPが、更に、MAP通知依頼パケットを、自身の近隣MAPテーブルに登録されているMAPに送信するようにしてもよい。これによれば、探索ノードであるMAPは、探索パケット受信ノードに間接的に近隣する周辺ノードであるMAPからも、MAP通知パケットを受信することができる。同様にして、MAP通知依頼パケットを受信したMAPが、次々に、そのMAPが備える近隣MAPテーブルに登録されているMAPに、MAP通知依頼パケットを送信するようにしてもよい。
【0266】
又、MAP通知パケットが経由する経路上にあるMAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身が備える近隣MAPテーブルに登録されているMAPに関する情報を含むMAP通知パケットを作成し、探索ノードであるMAPに送信するようにしてもよい。又、MAP通知パケットが経由する経路上にあるMAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身が備える近隣MAPテーブルに登録されているMAPに関する情報を、受信したMAP通知パケットに格納していくようにしてもよい。又、近隣MAP登録要請パケットを受信したMAPが、更に、他のMAPに近隣MAP登録要請パケットを送信するようにしてもよい。
【0267】
このように、各MAPが、MAP探索に関するパケットを、自身に近隣するMAPに、次々に送信していくことにより、周囲に伝搬させていくようにしてもよい。これによれば、各MAPは、より多くのMAPに関する情報を把握することができる。
【0268】
〔変更例5〕
MAP間の遅延値やホップ数の決定方法は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、探索ノードとなったMAPやMNは、自身と探索パケット受信ノードとなったMAPとの間の遅延値や、探索パケット受信ノードとなったMAPと周辺ノードとなったMAPとの間の遅延値から、探索ノードとなったMAPやMN自身と周辺ノードとなったMAPとの間のノード間情報を決定していた。しかし、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、探索ノードとなったMAPやMN自身と、周辺ノードとなったMAPとの間の遅延値自体を直接計測できる。例えば、周辺ノードとなったMAPが、MAP通知パケットを送信する際に、その送信時刻を、MAP通知パケットに格納するだけでよい。又、MAP探索パケットやMAP通知依頼パケット、MAP通知パケットに、探索開始時刻を格納する必要もない。
【0269】
更に、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、MAP通知パケットが経由する経路上にある各MAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身のIPアドレスと、MAP通知パケットの送信時刻を、MAP通知パケットに格納していくようにしてもよい。即ち、各MAPが、MAP通知パケットに、送信時刻のタイムスタンプを押していってもよい。これによれば、探索ノードであるMAPは、一度により多くのMAPに関する情報を把握することができる。
【0270】
又、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、探索ノードであるMAPやMNは、MAP探索パケットのシーケンスナンバと、その探索開始時刻とを対応付けたテーブルを保持するようにしてもよい。そして、返信されてきたMAP通知パケットのシーケンスナンバに基づいて、そのテーブルを参照することにより、その探索開始時刻を把握することができる。これによれば、MAP探索パケットやMAP通知依頼パケット、MAP通知パケットに、探索開始時刻を格納する必要がない。
【0271】
又、ホップ数についても、探索ノードとなったMAPやMN自身と周辺ノードとなったMAPとの間のホップ数自体を直接計測してもよく、各MAP間のホップ数から、探索ノードとなったMAPやMN自身と、周辺ノードとなったMAPとの間のホップ数を計算するようにしてもよい。
【0272】
〔変更例6〕
MAP通知パケットに含まれる情報や、近隣MAPテーブルが記憶する情報は、上記実施形態に限定されない。MAP通知パケットに含まれる情報や、近隣MAPテーブルが記憶する情報は、通信システムやノードが使用する遠近の判断基準や、MAP選択ポリシーに応じて異なってくる。遠近の判断基準のパラメータとして、遅延値やホップ数以外に、例えば、ノード間のパケット送信におけるコスト、リンク容量等のノード間情報やトラフィック量等のノード自体情報を用いる場合には、MAP通知パケットは、これらのノード間情報やノード自体情報を含み、近隣MAPテーブルは、これらのノード間情報やノード自体情報を記憶する。又、MAP選択ポリシーのパラメータとして、処理能力以外に、ノード間の伝搬路状況等のノード間情報や、信頼性(ミラー化されているか等)、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値等のノード自体情報を用いる場合には、MAP通知パケットは、これらのノード間情報やノード自体情報を含み、近隣MAPテーブルは、これらのノード間情報やノード自体情報を記憶する。
【0273】
又、近隣MAPテーブルは、複数のノード自体情報やノード間情報を記憶しておくようにし、NMDP部は、状況に応じて採用する遠近の判断基準を変更したり、使用するMAP選択ポリシーを変更したりしてもよい。又、近隣MAPテーブルが情報を記憶する基準も、上記実施形態に限定されない。例えば、最大ノード登録数を設定せずに、遅延値やホップ数が一定値以下のMAPに関する情報を記憶するようにしてもよい。又、生存時間順や他のノード情報やノード間情報により定められた順番に従って、MAPに関する情報を記憶するようにしてもよい。尚、近隣MAPテーブルが情報を記憶する基準は、MAP選択ポリシーに基づいて設定することが好ましい。MAP選択ポリシーにあうMAPを、近隣MAPテーブルに登録しておくことにより、効率よく利用ノードを選択することができる。
【0274】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ノードが、自律的に、状況に応じてノードを容易に探索することができるノード探索方法、ノード、通信システム及びノード探索プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るMAPの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るMNの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るMN(a)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るMAPによるMAP探索を説明する説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るMAP探索パケットを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るMAP通知依頼パケットを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るMAP通知パケットを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(i)からのMAP通知パケット受信時のMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(j)からのMAP通知パケット受信時のMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る近隣MAP登録要請パケットを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(f)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る近隣MAP登録確認パケットを示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(o)を新たに配置した時の通信システムを示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(o)がより近隣のMAPを探索する様子を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(o)による登録要請以後の様子を示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係るMAP(o)配置後の通信システムを示す図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係るMNによるMAP探索を説明する説明図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係るMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係るMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係るMAPによるMAP探索を説明する説明図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係るMAP探索パケットを示す図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係るカプセル化MAP通知パケットを示す図である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係るMAP(i)が送信するMAP通知パケットを示す図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係るMAP(i)からのMAP通知パケット受信時のMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係るMAP(j)が送信するMAP通知パケットを示す図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係るMNによるMAP探索を説明する説明図である。
【図29】本発明の変更例に係るMAPの構成を示すブロック図である。
【図30】本発明の変更例に係るMNの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,301 MAP
1a〜1o MAP(a)〜MAP(o)
2 MN
2a,102a MN(a)
2b,102b MN(b)
3,103 MAP探索パケット
4i,4j MAP通知依頼パケット
5i,5j,105i,105j MAP通知パケット
6 近隣MAP登録要請パケット
7 近隣MAP登録確認パケット
11,21,311,321 アプリケーション部
12,22,312,322 TCP/UDP部
13,23,313,323 IPレイヤ部
14,24,314,324 モビリティ制御部
15,25,315,325 NMDP部
16,16a〜16o,26,26a,26b,116a〜116o,126a,126b,316,326 近隣MAPテーブル
17,17k,17f,27,27a,117k,127k,317,327第2テーブル
18,28,318,328 リンクレイヤ部
19,29,319,329 インターフェース
30,330 MAP選択ポリシー保持部
101a〜101o MAP(a)〜MAP(o)
104i,104j カプセル化MAP通知パケット

Claims (42)

  1. ノードのアドレスを記憶するノード記憶手段を備える複数のノードを含む通信システムにおいて、前記ノードを探索するノード探索方法であって、
    前記ノードの探索を行う探索ノードが、該探索ノードが備える前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスに、前記ノードを探索するためのノード探索パケットを送信するステップと、
    該ノード探索パケットを受信した探索パケット受信ノード又は該探索パケット受信ノード以外の周辺ノードの少なくとも1つが、前記探索ノードに、前記ノード探索パケットに対するノード通知パケットを返信するステップと、
    前記探索ノードが、前記返信されたノード通知パケットに基づいて、前記ノードを検出するステップと、
    前記探索ノードが、前記検出したノードに基づいて、該探索ノードが備える前記ノード記憶手段を更新するステップと
    を有することを特徴とするノード探索方法。
  2. 前記ノード記憶手段は、前記ノードに関するノード情報を記憶しており、
    前記探索ノードが、前記検出したノードに、前記ノード情報を調査するためのデータを送信するステップと、
    前記検出されたノードが、前記データに対する応答データを返信するステップと、
    前記探索ノードが、前記返信された応答データに基づいて、前記ノード記憶手段を更新するステップと
    を有することを特徴とする請求項1に記載のノード探索方法。
  3. 前記データは、前記探索ノードと前記検出したノードとの間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つを調査するデータであることを特徴とする請求項2に記載のノード探索方法。
  4. 前記ノード記憶手段は、前記ノードに関するノード情報を記憶しており、
    前記ノード通知パケットには、前記ノード情報が含まれており、
    前記ノード記憶手段を更新するステップにおいて、前記返信されたノード通知パケットに基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項1に記載のノード探索方法。
  5. 前記ノード情報は、前記ノード自体に関するノード自体情報又は他のノードとの間に関するノード間情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  6. 前記ノード自体情報は、前記ノードの処理能力、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値、信頼性の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載のノード探索方法。
  7. 前記ノード間情報は、他のノードとの間のパケット送信における遅延値、ホップ数、パケット送信におけるコスト、リンク容量、伝搬路情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5又は6に記載のノード探索方法。
  8. 前記ノード通知パケットを返信するステップにおいて、前記探索パケット受信ノード又は前記周辺ノードの少なくとも1つが、前記周辺ノードを経由する前記ノード通知パケットを返信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  9. 前記経由する周辺ノードは、前記探索パケット受信ノードが備える前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノード又は前記周辺ノードが備える前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードの少なくとも1つであることを特徴とする請求項8に記載のノード探索方法。
  10. 前記ノード通知パケットを返信するステップは、
    前記探索パケット受信ノード又は前記周辺ノードの少なくとも1つが、前記ノード通知パケットの返信を依頼するノード通知依頼パケットを前記周辺ノードに送信するステップと、
    該ノード通知依頼パケットを受信した前記周辺ノードが、前記ノード通知パケットを前記探索ノードに返信するステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  11. 前記ノード通知依頼パケットの送信先となる前記周辺ノードは、前記探索パケット受信ノードが備える前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノード又は前記周辺ノードが備える前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードの少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載のノード探索方法。
  12. 前記ノード通知パケットに基づいて、前記探索ノードと前記探索パケット受信ノードとの間のノード間情報及び前記探索パケット受信ノードと前記周辺ノードとの間のノード間情報により、前記探索ノードと前記周辺ノードとの間のノード間情報を決定するステップを有し、
    前記ノード記憶手段を更新するステップにおいて、前記決定した前記探索ノードと前記周辺ノードとの間のノード間情報に基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  13. 前記ノード間情報は、前記ノード間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載のノード探索方法。
  14. 前記ノード情報は、前記ノード通知パケットの終点オプションヘッダに格納されていることを特徴とする請求項4乃至13のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  15. 前記ノード記憶手段は、前記ノードのアドレスと前記ノード情報とを、所定の基準に従って記憶していることを特徴とする請求項2乃至14のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  16. 前記ノードが、他のノードが備える前記ノード記憶手段への登録を要請する近隣ノード登録要請パケットを送信するステップと、
    前記近隣ノード登録要請パケットを受信したノードが、該登録要請パケットに基づいて、前記ノード記憶手段を更新するステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  17. 前記ノード記憶手段に、予め他のノードのアドレスを少なくとも1つ設定しておくことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  18. 前記ノードが、利用する前記ノードを選択する選択基準に基づいて、前記ノード記憶手段を参照し、前記利用するノードを選択するステップを有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のノード探索方法。
  19. ノードのアドレスを記憶するノード記憶手段と、
    該ノード記憶手段に記憶されているアドレスに送信する前記ノードを探索するためのノード探索パケットを作成する探索パケット作成手段と、
    他のノードと通信を行い、前記探索パケット作成手段が作成したノード探索パケットを送信し、該送信したノード探索パケットに対して、該ノード探索パケットを受信した探索パケット受信ノード又は該探索パケット受信ノード以外の周辺ノードの少なくとも1つから返信されたノード通知パケットを受信する通信手段と、
    該通信手段が受信した前記ノード通知パケットに基づいて、前記ノードを検出する検出手段と、
    該検出手段が検出したノードに基づいて、前記ノード記憶手段を更新する更新手段と
    を備えることを特徴とするノード。
  20. 前記検出手段が検出したノードに送信する前記ノードに関するノード情報を調査するためのデータを作成するデータ作成手段を備え、
    前記ノード記憶手段は、前記ノード情報を記憶しており、
    前記通信手段は、前記データ作成手段が作成したデータを送信し、前記検出したノードから返信された前記データに対する応答データを受信し、
    前記更新手段は、前記返信された応答データに基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項19に記載のノード。
  21. 前記データは、前記検出したノードとの間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つを調査するデータであることを特徴とする請求項20に記載のノード。
  22. 前記ノード通知パケットには、前記ノードに関するノード情報が含まれており、
    前記ノード記憶手段は、前記ノード情報を記憶しており、
    前記更新手段は、前記返信されたノード通知パケットに基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項19に記載のノード。
  23. 前記ノード情報は、前記ノード自体に関するノード自体情報又は他のノードとの間に関するノード間情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか1項に記載のノード。
  24. 前記ノード自体情報は、前記ノードの処理能力、トラフィック量、接続しているノード数、送信電力値、信頼性の少なくとも1つであることを特徴とする請求項23に記載のノード。
  25. 前記ノード間情報は、他のノードとの間のパケット送信における遅延値、ホップ数、パケット送信におけるコスト、リンク容量、伝搬路情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項23又は24に記載のノード。
  26. 前記ノード記憶手段を参照して、前記ノード通知パケットを作成する通知パケット作成手段を備え、
    前記通信手段は、前記通知パケット作成手段が作成したノード通知パケットを送信することを特徴とする請求項19乃至25のいずれか1項に記載のノード。
  27. 前記通知パケット作成手段は、前記周辺ノードを経由する前記ノード通知パケットを作成することを特徴とする請求項26に記載のノード。
  28. 前記経由する周辺ノードは、前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードであることを特徴とする請求項27に記載のノード。
  29. 前記通知パケット作成手段は、前記通信手段が、前記ノード探索パケット、前記ノード通知パケット又は該ノード通知パケットの返信を依頼するノード通知依頼パケットの少なくとも1つを受信した際に、前記ノード通知パケットを作成することを特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項に記載のノード。
  30. 前記ノード通知パケットの返信を、前記周辺ノードに依頼するノード通知依頼パケットを作成する依頼パケット作成手段を備え、
    前記通信手段は、前記依頼パケット作成手段が作成したノード通知依頼パケットを送信することを特徴とする請求項19乃至29のいずれか1項に記載のノード。
  31. 前記ノード通知依頼パケットの送信先となる前記周辺ノードは、前記ノード記憶手段に記憶されているアドレスのノードであることを特徴とする請求項30に記載のノード。
  32. 前記依頼パケット作成手段は、前記通信手段が、前記ノード探索パケット、前記ノード通知パケット又は前記ノード通知依頼パケットの少なくとも1つを受信した際に、前記ノード通知依頼パケットを作成することを特徴とする請求項30又は31に記載のノード。
  33. 前記ノード通知パケットに基づいて、前記探索パケット受信ノードとの間のノード間情報及び前記探索パケット受信ノードと前記周辺ノードとの間のノード間情報により、前記周辺ノードとの間のノード間情報を決定する決定手段を備え、
    前記更新手段は、前記決定手段が決定した前記周辺ノードとの間のノード間情報に基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項22乃至32のいずれか1項に記載のノード。
  34. 前記ノード間情報は、前記ノード間のパケット送信における遅延値又はホップ数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項33に記載のノード。
  35. 前記ノード情報は、前記ノード通知パケットの終点オプションヘッダに格納されていることを特徴とする請求項22乃至34のいずれか1項に記載のノード。
  36. 前記ノード記憶手段は、前記ノードのアドレスと前記ノード情報とを、所定の基準に従って記憶していることを特徴とする請求項20乃至35のいずれか1項に記載のノード。
  37. 他のノードが備える前記ノード記憶手段への登録を要請するノード登録要請パケットを作成する要請パケット作成手段を備え、
    前記通信手段は、前記要請パケット作成手段が作成したノード登録要請パケットを送信することを特徴とする請求項19乃至36のいずれか1項に記載のノード。
  38. 前記更新手段は、前記通信手段が、他のノードが備える前記ノード記憶手段への登録を要請するノード登録要請パケットを受信した際に、該ノード登録要請パケットに基づいて、前記ノード記憶手段を更新することを特徴とする請求項19乃至37のいずれか1項に記載のノード。
  39. 前記ノード記憶手段は、予め他のノードのアドレスを少なくとも1つ記憶していることを特徴とする請求項19乃至38のいずれか1項に記載のノード。
  40. 利用する前記ノードを選択する選択基準を保持する選択基準保持手段と、
    該選択基準保持手段に保持された選択基準に基づいて、前記ノード記憶手段を参照し、前記利用するノードを選択する選択手段と
    を備えることを特徴とする請求項19乃至39のいずれか1項に記載のノード。
  41. ノードを探索するためのノード探索パケットを送信して、前記ノードを探索する探索ノードと、
    該探索ノードから送信された前記ノード探索パケットを受信する探索パケット受信ノードと、
    該探索パケット受信ノード以外の周辺ノードと
    を備える通信システムであって、
    前記探索ノードは、
    ノードのアドレスを記憶するノード記憶手段と、
    該ノード記憶手段に記憶されているアドレスに送信する前記ノード探索パケットを作成する探索パケット作成手段と、
    他のノードと通信を行い、前記探索パケット作成手段が作成したノード探索パケットを送信し、該送信したノード探索パケットに対して、前記パケット受信ノード又は前記周辺ノードの少なくとも1つから返信されたノード通知パケットを受信する通信手段と、
    該通信手段が受信した前記ノード通知パケットに基づいて、前記ノードを検出する検出手段と、
    該検出手段が検出したノードに基づいて、前記ノード記憶手段を更新する更新手段と
    を備えることを特徴とする通信システム。
  42. ノードを探索するためのノード探索プログラムであって、
    コンピュータに、
    ノードのアドレスを記憶する近隣ノード記憶手段と、
    該ノード記憶手段に記憶されているアドレスに送信する前記ノードを探索するためのノード探索パケットを作成する探索パケット作成手段と、
    他のノードと通信を行い、前記探索パケット作成手段が作成したノード探索パケットを送信し、該送信したノード探索パケットに対して、該ノード探索パケットを受信した探索パケット受信ノード又は該探索パケット受信ノード以外の周辺ノードの少なくとも1つから返信されたノード通知パケットを受信する通信手段と、
    該通信手段が受信した前記ノード通知パケットに基づいて、前記ノードを検出する検出手段と、
    該検出手段が検出したノードに基づいて、前記ノード記憶手段を更新する更新手段として機能させるためのノード探索プログラム。
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