JP3648470B2 - 移動端末、ルータ装置、ノード装置、移動エージェント、パケット転送方法及び移動エージェント処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末、ルータ装置、移動端末と通信を行うノード装置、パケットを転送する移動エージェント、パケット転送方法及び移動エージェント処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、無線装置を備えたあるいは接続可能な携帯型端末や、インターネット接続機能を持つ携帯電話等が普及してきている。このような移動端末は、無線基地局等を介してルータに接続することになるが、移動によって無線区間が変わると、接続先のルータが変わってIPアドレスが変化することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
TCPのようなend−to−endのモデルを採用するものは、アドレスが変更されるとセッションを保持できないので、このような移動端末においては、インターネットに接続して例えばサーバ等の通信相手ノードと通信している途中で、無線区間を移動してアドレスが変わってしまうと、通信相手ノードから移動端末へのパケットが消失してしまい、通信を続けることができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、移動端末が通信相手ノードとの通信中に移動しても該移動端末と該通信相手ノードとの通信が継続可能な移動端末、ルータ装置、ノード装置、移動エージェント、パケット転送方法及び移動エージェント処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末であって、ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、通信相手ノードに対して、自端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段と、前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットであって自端末を宛先とするものを受信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、パケットを中継するルータ装置であって、複数のネットワークインタフェースを有するインタフェース手段と、パケットを転送すべきアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報、及び該指定のアドレス範囲にパケットを転送すべきことを指示する動作指示情報若しくは通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含む拡張パケット、又は通常パケットを受信するための手段と、前記非動作指示情報を含む拡張パケット又は通常パケットを受信した場合に、通常のルーティング処理によって転送するための手段と、前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信した場合に、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数の前記ネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送するための手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末に対する通信相手となるノード装置であって、ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、前記移動端末から、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信するための拡張パケット受信処理手段と、前記移動端末に対して、該移動端末から指定された前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含むプローブパケットを該他のコンピュータから送信し、該プローブパケットに応答して該要求元となるコンピュータから返された該要求元となるコンピュータの現在アドレスを含む応答パケットを該他のコンピュータにて受信し、受信された該応答パケットに含まれる該要求元となるコンピュータの現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0010】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。また、個別装置の装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明はネットワークシステム全体の装置カテゴリや方法カテゴリに係る発明としても成立し、ネットワークシステム全体の装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明は個別装置の装置カテゴリや方法カテゴリに係る発明としても成立する(装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する)。
【0011】
本発明では、移動端末から通信相手へ、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲(すなわち、通信相手が自端末にパケットを送信する際にパケットを転送すべきアドレスの範囲)を指定するアドレス範囲指定情報を与え、通信相手から移動端末へ、該アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信し、ルータは、拡張パケットを該アドレス範囲指定情報に基づいて(必要に応じて複製して)該当するアドレスへ転送するようにすることによって、移動端末が移動して現在アドレス自体が変わったとしても、end−to−endのセッションを保持して通信を継続することができる。また、限られた範囲でのブロードキャストあるいはマルチキャストを行うことで、不要な割り込みの発生等、ノードへ与える影響を少なく抑えることができる。また、オーバーヘッドや管理する情報は小さく、実装するコードの量も少なく抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1に、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す。
【0014】
図1に示されるように、インターネット6に、複数のイントラネット(例えば、図中の組織Aや組織X)や、複数のサーバ7が接続されている(なお、本実施形態の機能を持たないイントラネットやサーバが接続されていても構わない)。
【0015】
各イントラネットでは、インターネット6との境界部分に、境界ルータ1(図中のR2やR1)が存在する。境界ルータ1の内側には、他のルータ(以下、内部ルータとも呼ぶ)1が接続されている。イントラネット内のルータ1の接続関係は、どのような構造になっていてもよい。境界ルータ1と、それ以外の内部ルータ1とは、基本的には、同様の構成である(境界ルータ1にはそれ境界ルータ固有の機能あるいはデバイスが備わっていてもよいし、内部ルータ1には内部ルータ固有の機能あるいはデバイスが備わっていてもよい)。
【0016】
以下では、図1に示したイントラネット(組織A)を例にとって説明する。
【0017】
イントラネット(組織A)は、境界ルータR2を持ち、イントラネット内構造の一例として、境界ルータR2の内側(インターネット6の反対側)に、複数のルータR3〜Rnが接続されている。
【0018】
イントラネット(組織A)の内側には、移動端末3が存在する。図1では、1台の無線端末(MN1)のみ示しているが、実際には複数の移動端末3が存在し得る。
【0019】
移動端末3は、無線装置を備え、無線リンクを介して、ルータ1間を移動できる能力を持っているものとする。なお、この場合、ルータ1が、移動端末3と無線通信するための1又は複数の無線基地局又は無線装置(図示せず)を持っているか、またはルータ1が、移動端末3と無線通信するための1又は複数の無線基地局又は無線装置(図示せず)に接続されているものとする。
【0020】
移動端末3は、例えば、携帯型計算機等の計算機であって無線通信機能を内蔵したものもしくは無線通信機能を外付け可能なもの、インターネット接続機能等を有する携帯電話端末など、どのようなものであってもよい。
【0021】
なお、図1において、サーバ7は、移動端末3のインターネット6上の通信相手(ノード)の例であるが、移動端末3のインターネット6上の通信相手は、サーバ以外のノードであってもよい。また、移動端末3の通信相手は、同一イントラネット内の他の移動端末3の場合や、異なるイントラネット内の移動端末3の場合もあり得る。
【0022】
ここで、本実施形態で用いるIPv6アドレスに関して説明する。
【0023】
本実施形態の移動端末3は、IPv6アドレスを持つものとしている。
【0024】
図2に示すように、IPv6アドレスは、
を含むアドレスである(例えば、rfc2928.txt参照)(なお、FP(format prefix)は省略して説明する)。
【0025】
移動端末MN1を例にとると、移動端末MN1のIPv6アドレスMN1_addrは、実際には、イントラネット(組織A)の内部のルータR3〜Rnを移動する際にアドレスを付け変えるので、接続したルータ1に応じて、そのプレフィックス(Interface_IDより上位)が変わる(Interface_IDは変わらない)。
【0026】
なお、Interface_IDは、EUI−64(IEEE,“Guidelines for 64bit Global Identifier Registration Authority”)で定義されるものであり、その一意性(グローバル・ユニークであること)は保証されている。
【0027】
ここで、移動端末MN1がルータRiのもとにあるときの移動端末MN1のIPv6アドレスMN1_addrを「MN1_addr@Ri」と記述するものとすると、
図1の例において、移動端末MN1がルータR3のもとにあるときのアドレスMN1_addr@R3は、
であり、
移動端末MN1が移動してルータRnのもとに来るときのアドレスMN1_addr@Rnは、
となる。
このとき、MN1_addr@R3とMN1_addr@Rnとは異なるアドレスである(SLA IDが(少なくとも1ビット)異なる)。
【0028】
さて、例えば、図1においてルータR3のもとにいる移動端末MN1が、サーバ7と通信中において、サーバ7へ(通常のヘッダを持つパケットにて)要求メッセージを送信し(図15の▲1▼参照)、サーバ7からの応答メッセージを受信する前に、ルータR3のもとからルータR4へ移動した場合(図15の▲2▼参照)、その移動した時点において、該サーバ7は、移動端末MN1の現在のアドレスがMN1_addr@R4になったことを知ることができない。この場合、サーバ7が、ルータR3を経由してきた要求メッセージに対する返答メッセージについて、そのルータR3に係る移動端末MN1のアドレス、すなわちMN1_addr@R3を宛先として(通常のパケットにて)送出しても、このアドレスMN1_addr@R3宛のパケットがアドレスMN1_addr@R4にいる移動端末MN1に到達することはなく、通信を続けることができない。
【0029】
そこで、本実施形態では、例えば、移動端末3が、(例えば移動可能性(あるいはアドレス変更可能性)が発生した場合など所定の条件が成立する場合に)、通信相手(例えば、サーバ7)に、自端末の移動可能性のあるアドレス範囲を含むパケットを送信し(例えば、図15の▲1▼の要求メッセージに該アドレス範囲を記述して通知する)、通信相手は、この通知されたアドレス範囲内でのみブロードキャストされるデータパケットを送信することによって(図16の▲3▼参照)、該パケットを移動端末3に到達させ、通信が継続できるようにしたり、あるいは、通信相手(例えば、サーバ7)が、この通知されたアドレス範囲内でのみブロードキャストされるプローブパケット(現在のアドレスを問い合わせるパケット)を送信し(図16の▲3▼参照)、移動端末3が現在のアドレスを通信相手に応答することによって、(通常のパケットにて)通信可能にしたりする(図17の▲4▼、▲5▼参照)。
【0030】
本実施形態では、上記の移動可能性のあるアドレス範囲の通知や、局所的にブロードキャストすべき旨及び局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定のために、拡張ヘッダを利用するものとしている。
【0031】
ここで、本実施形態で用いる拡張ヘッダを持つパケット(拡張パケット)に関して説明する。
【0032】
図3に、本実施形態で用いる拡張ヘッダのフォーマット例を示す。図3に示されるように、拡張ヘッダは、通常ヘッダ部分に拡張ヘッダ部分を付加したものであり、通常ヘッダ部分の各部の内容は、次の通りであり、
・バージョン(version)(図中のVER):IPのバージョンを示す。4ビット。これが「6」ならばIPv6を示し、「4」ならばIPv4を示す。
・プライオリティ(priority)(図中のTclass):パケットの優先度を示す。4ビット。
・フローラベル(flow label):VODなどのリアルタイム情報を送信者が要求する場合に付加するラベル付けの機能である。24ビット。
・ペイロード長(payload length):IPv6ヘッダを除くパケット(ユーザ・データ)の長さを示す。16ビット。
・ネクスト・ヘッダ(next header):IPv6ヘッダに続くヘッダ・タイプを示す。8ビット。
・ホップ・リミット(hop limit):パケットのルータの中継回数の限界を示す。8ビット。
・ソース・アドレス(source address):送信元アドレスを示す。128ビット。
・デスティネーション・アドレス(destination address):宛先アドレスを示す。128ビット。
拡張ヘッダ部分の各部の内容は、次の通りである。
・ネクスト・ヘッダ(next header):拡張ヘッダに続くヘッダ・タイプを示す。8ビット。
・ヘッダ長(header length):オプション(option)の長さを示す。8ビット。
・オプション(option):オプション・データ。
【0033】
ここで、拡張ヘッダを用いた、移動可能性のあるアドレス範囲の通知や、局所的にブロードキャストすべき旨及び局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定のためのフォーマット例について説明する。
【0034】
なお、詳しくは後述するように、本実施形態の移動端末3は、移動する毎に取得したアドレスを全てネットワークインタフェースに付与することができるものとしている。
【0035】
移動端末MN1を例にとると、まず、移動端末MN1から通信相手(例えば、図1のサーバ7)へ拡張パケットを転送する場合に、移動端末MN1は、通常ヘッダ部分の宛先アドレスには通信相手のアドレスを記述し、送信元アドレスには自端末が持つIPv6アドレス(例えば、MN1_addr@R3とMN1_addr@R4)のうちのいずれか(例えば、通信相手が認識している自端末のアドレス)(例えば、サーバ7との通信開始時に使用したMN1_addr@R3)を記述する。
【0036】
また、通信相手(例えば、図1のサーバ7)から移動端末MN1へ拡張パケットを転送する場合に、通信相手は、通常ヘッダ部分の宛先アドレスには自ノードが認識している移動端末MN1のアドレス(例えば、通信開始時に使用したMN1_addr@R3)を記述し、送信元アドレスには自ノードのアドレスを記述する。
【0037】
すなわち、通信相手は、移動端末3が実際にどのアドレスにいるかにはかかわらずに、移動端末3が通常ヘッダ部分に記述されているアドレスにいるものとして扱えば足りる。
【0038】
次に、本実施形態の拡張ヘッダ部分について説明する。
【0039】
移動端末3が移動する可能性のあるアドレス範囲すなわち局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定は、拡張ヘッダであるホップ・バイ・ホップ(Hop−by−Hop)のオプションのフィールドを使う(オプション・フィールド内にアドレス範囲指定情報を記述する)。
【0040】
アドレス範囲の指定としては、パケットを転送すべきIPv6アドレスが持つSLA IDを記述する。SLA IDの記述方法としては、種々の方法がある。例えば、指定するSLA IDを列挙してもよい。また、アドレス指定に要するビット数を減らすために、例えば、SLA ID部分(16ビットのビット列)の範囲のoffsetとそこからのbit数との組を記述する(この組が複数になるときはoffsetとbit数の組を列挙する)方法がある。
【0041】
拡張ヘッダのオプション・フィールドには、上記のアドレス範囲指定情報の他に、拡張ヘッダを識別するパケットタイプを記述する(この場合、当該(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための)拡張ヘッダを示すパケットタイプを記述する)。この(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための)拡張ヘッダを示すパケットタイプは、NOPまたはACTIONのいずれかを示す指示子を持つ。指示子がACTIONを示す場合には、該拡張ヘッダを処理できるルータに、当該パケットの複製を作成して、指定された範囲の各アドレスに転送することを指示することになり、指示子がNOPを示す場合には、何もしない(通常のルーティング処理を行う)ことを指示することになる。なお、指示子がNOPである拡張パケットは、通信相手にアドレス範囲指定情報を通知する機能を持ち、また通信相手に指示子がACTIONである拡張パケットの送出を促す機能を持つ。
【0042】
例えば、移動端末MN1からサーバ7へ要求メッセージを送信する場合には、指示子をNOPに設定した拡張パケットで要求メッセージを送信する(図15の▲1▼参照)。この場合、要求メッセージは、通常パケットと同様、サーバ7へ到達する。一方、サーバ7から移動端末MN1へ該要求メッセージに対する応答メッセージを送信する場合には、要求メッセージの拡張ヘッダ部分に記述されたていたアドレス範囲指定情報と同じアドレス範囲指定情報を持ち且つ指示子をACTIONに設定した拡張パケット(アドレス範囲指定は要求メッセージ)で応答メッセージを返送する(図16の▲3▼参照)。この場合、応答メッセージは、アドレス範囲指定情報に記述された全アドレスに転送される(移動端末MN1がそれらアドレスのいずれかにいれば、該応答メッセージは該移動端末MN1に到達する)。
【0043】
なお、拡張ヘッダ部分のオプション・フィールドには、他にも種々の制御情報等を記述するようにしてもよい。例えば、このパケットタイプの拡張ヘッダを解釈できないルータが該パケットを破棄することの可否を示す情報や、途中経路でルータがこのパケットタイプの拡張ヘッダの内容(例えば、アドレス範囲指定情報及び又は指示子)を変更することの可否を示す情報などがある。
【0044】
なお、以下において、拡張ヘッダとは、本実施形態の局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを指し、拡張パケットとは、この局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを持つパケットを指すものとする。
【0045】
以下では、本実施形態の各ノードの基本的な構成・動作について説明する。
【0046】
図4に、本実施形態のルータ1の構成例を示す。図4に示されるように、本ルータ1は、複数のネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部11、パケット転送のための処理を行うためのパケット処理部12、パケット転送の際に参照する経路テーブルやその他の制御情報等を必要に応じて記憶するための制御情報記憶部13を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0047】
図5に、本ルータ1のパケット転送時の処理手順の一例を示す。ルータ1は、拡張パケットを受信すると(ステップS1)、パケット処理部12において、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行うか否か判断し(ステップS2)、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行うと判断された場合には(ステップS3)、パケットをフォワーディングすべきインタフェースを決定し(ステップS4)、(必要に応じてパケットの複製を行って)決定したインタフェースにパケットをフォワーディングする(ステップS5)。一方、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行わないと判断された場合には(ステップS3)、通常のルーティング処理を行う(ステップS6)。
【0048】
例えば、ルータ1(図1のイントラネット(組織A)内の境界ルータR2及び内部R3〜Rn)は、次のような機能を持つ。
・宛先アドレスのSLA ID(サイト階層集約子)が自ルータの持っているSLA IDと異なる場合でも、拡張ヘッダを含むIPv6パケットを処理する。
・受信したIPv6パケットの拡張ヘッダ部分を読み込み、パケットタイプが本拡張ヘッダ(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダ)を示し且つ指示子がACTIONを示している場合には、アドレス範囲指定情報(例えば、SLA ID部分の指定範囲)と自ルータの持っているSLA IDとの比較を行い、自ルータの持っているSLA IDがアドレス範囲指定情報により指定されたアドレスの範囲内に属するものであれば、該当する全インタフェースに対して、パケットをフォワードする(該当するインタフェースが複数の場合には、パケットの複製が行われる)。
・宛先アドレスが自ルータの属するイントラネットの外部の場合または指示子がNOPを示している場合には、通常のルーティング処理を行う。あるいは、指示子がNOPを示している場合には、通常のルーティング処理を行うとともに、指示子がACTIONを示していても、その拡張パケットが、宛先アドレスの属するイントラネットの境界ルータに到達するまでの経路上のルータは、通常のルーティング処理を行うようにしてもよい。
【0049】
なお、指示子がACTIONで、自ルータの持っているSLA IDがアドレス範囲指定情報により指定されたアドレスの範囲内に属するものであっても、該当するインタフェースに繋がる経路上(他のルータが介在する場合を含む)に、対象となる無線端末MN1が接続されていないことが判明している場合に、そのインタフェースには該パケットをフォワードしないように構成してもよい。
【0050】
なお、本実施形態では、ルータ1は、本拡張ヘッダの内容(例えば、アドレス範囲指定情報及び又は指示子)を変更したり、通常パケットに本拡張ヘッダを付加したりしない場合を例にとって説明しているが、ルータ1は、必要に応じて、本拡張ヘッダの内容の変更(例えば、アドレス範囲指定情報の変更、及び又は指示子のNOPからACTIONへの書き換え、及び又は指示子のACTIONからNOPへの書き換えなど)をしたり、通常パケットに本拡張ヘッダを付加したりする機能を持っていてもよい。
【0051】
図6に、本実施形態の移動端末3の構成例を示す。図6に示されるように、本移動端末3は、ネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部31、パケット通信のための処理を行うためのパケット処理部32、アドレス管理を行うためのアドレス管理部33、所定の上位レイヤ処理を行うための上位レイヤ処理部34を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0052】
本移動端末3は、ネットワークインタフェースには、これまで経由してきたルータ1のもとで使っていた複数のアドレスを同時に付けることが可能であるものとしている。
【0053】
図7に、本移動端末3の移動先でのアドレス取得・設定の処理手順の一例を示す。移動端末3が、あるルータ1のリンク内に移動する(ステップS11)。アドレス管理部33は、そのルータ1のもとでのアドレスを(未取得であれば)取得する(ステップS12)。アドレス管理部33は、取得したアドレスを、ネットワークインタフェースに付加する(ステップS13)。
【0054】
移動端末3は、受信パケットの宛先アドレスのInterface_IDと、自端末の持つInterface_IDとが一致しているか否かを調べ、一致している場合に、該パケットが自端末宛であると判断して、該パケットを、上位レイヤ処理部34に渡すことができる。なお、移動端末3は、受信したパケットの宛先アドレスが、アドレス管理部33によってネットワークインタフェースに付加されたアドレスのいずれか一つと一致するならば(それが自端末が現在所属しているプリフィックスのものとは異なっても)、該パケットが自端末宛であると判断して、該パケットを、上位レイヤ処理部34に渡すようにしてもよい。
【0055】
なお、移動端末3は、ネットワークインタフェースに付加したアドレスを、例えばユーザからの指示あるいは所定の削除条件が成立したことなどによって、適宜、削除することが可能であるものとしてもよい。
【0056】
図8に、本移動端末3の送信パケット発生時の処理手順の一例を示す。
【0057】
無線端末3は、通信相手から受信したパケットに対応して送信するパケットの発生以外の契機によって(例えば、ユーザからの要求入力によって)、通信相手に送信すべきパケット(例えば、サーバ7に対する要求パケット等)が発生すると(ステップS21)、拡張パケットを用いた通信を行うか、通常パケットを用いた通信を行うかを判断する(ステップS22)。
【0058】
例えば、自端末に移動可能性がある場合、あるいは移動可能性があり且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合(移動後に移動前のアドレスによる通信を行いたい場合)などには、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、移動先でも継続した通信を行いたい場合には、移動可能性の有無を判断することなく、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにしてもよい。
【0059】
また、例えば、自端末に移動可能性がない場合、あるいは移動可能性があり且つ移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合(移動先で取得したアドレスによる通信を行えばよい場合)などには、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合には、移動可能性の有無を判断することなく、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにしてもよい。
【0060】
なお、この判断は、予め定められた手順に従って移動端末3が自動的に行ってもよいし、移動端末3がユーザに問い合わせてユーザから入力された判断に基づいて行ってもよい。
【0061】
また、例えば、移動可能性については、ユーザからの明示的な指示によって移動可能性を認識する方法、基地局あるいは無線装置から得られる情報に基づいて移動可能性を認識する方法(例えば、基地局毎にアドレスが変わる場合に各基地局に対する電波強度の比較によってハンドオフの可能性を検出し、これによってアドレスが変わる可能性を検出する方法(ただし、複数の基地局群毎にアドレスが変わる場合には、さらに、例えば基地局から受信するメッセージに含まれる所定の識別情報に基づいてハンドオフしたときにアドレスも変わることをも検出する必要がある)等)、タイマーから得られる情報に基づいて移動可能性を認識する方法(例えば、電車等の走行物体が軌道上を走行する場合や、高速道路等を自動車等が走行する場合などにおいて、該軌道等の所定の起点をスタートした時刻を基準時刻とし、該基準時刻からの経過時刻と、予め定められた経過時刻とアドレスとの対応を登録した対応テーブル(タイムスケジュール情報)とを参照して、アドレスが変わる時刻を推定する方法)、GPSから得られる位置情報(または位置情報の変化パターン)と、予め定められた位置情報とアドレスとの対応を登録した対応テーブルとを参照して、アドレスが変わる可能性を推定する方法など、種々の方法が考えられる。
【0062】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合には(ステップS23)、自端末の持つアドレスのうち所定のプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、拡張パケットを送信する(ステップS24)。拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報には、自端末が移動する可能性のあるものとして指定するアドレス範囲を記述する(イントラネット内の一部のアドレスを指定範囲としてもよいし、イントラネット内の全部のアドレスを指定範囲としてもよい)。また、ネットワークインタフェースに複数のアドレスを持つ場合には、それらのうちいずれか1つ(例えば、自端末が存在すると通信相手に認識してもらいたいアドレス)(例えば、現在所属しているプリフィックスのアドレス、あるいは移動前に所属していたプリフィックスのアドレス)を選択して、送信元アドレスとすればよい。また、指示子はNOPとする。
【0063】
なお、移動端末3におけるアドレス範囲指定情報の決定には、種々の方法が考えられる。例えば、ユーザからの明示的な指示によって決定する方法、上記の移動可能性を求める際に併せて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法(例えば、基地局あるいは無線装置から得られる情報に基づいて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法、タイマーから得られる情報に基づいて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法、GPSから得られる位置情報移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法など)、あらかじめアドレス範囲指定情報をイントラネット内の全体に設定しておく方法など、種々の方法が考えられる。
【0064】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS23)、自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットを送信する(ステップS25)。
【0065】
なお、無線端末3は、現在通常パケットで通信している通信相手に対して、例えば上記のような方法によって移動可能性を認識したことなどを契機として、(その時点で通信相手に送信すべきメッセージ等がなかったとしても)移動可能性が発生した旨およびアドレス範囲指定情報を通知するために拡張パケットを送信するようにしてもよい(例えば、本拡張パケットの指示子を、ACTIONおよびNOP以外の特定の値にし、パケットデータはnullにする)。
【0066】
図9に、本移動端末3のパケット受信時の処理手順の一例を示す。
【0067】
無線端末3は、自端末宛てのパケットを受信し、必要に応じて受信パケットに搭載されたデータの処理等を行った場合に(ステップS31)、パケットを返信する必要が発生すれば(例えば、所定の問い合わせパケットに対する応答パケットが発生したケース、所定の応答パケットに対する再送要求ケットが発生したケースなど)(ステップS32)、拡張パケットを用いた通信を行うか、通常パケットを用いた通信を行うかを判断する(ステップS33)。例えば、ACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットを送信する場合、ACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合、あるいは通常パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合などには、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、例えば、通常パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性がないもしくは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合、あるいはACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットの送信であり且つ現在拡張パケットで使用しているアドレスに位置し且つ以降は移動しないもしくは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合などには、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。なお、この判断は、予め定められた手順に従って移動端末3が自動的に行ってもよいし、移動端末3がユーザに問い合わせてユーザから入力された判断に基づいて行ってもよい。
【0068】
移動可能性の判断方法については、前述した通りである。
【0069】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合(ステップS34)、自端末の持つアドレスのうち、受信パケットの宛先アドレスと同じプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、拡張パケットを送信する(ステップS35)。拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報は、受信パケットと同様で構わないが、適宜変更してもよい。また、指示子はNOPとする。
【0070】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS34)、現在所属しているサブネットに最も適したアドレス、すなわち自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットを送信する(ステップS36)。
【0071】
このようにすることにより、移動端末3は、イントラネット(例えば図1の組織A)内のいずれのリンクに移動したとしても、通信相手からのパケットを取りこぼすことなく、受信することができ(図16の▲3▼参照)、通信相手に対して同じ送信元アドレスを使用した通信を行うことができる。
【0072】
図10に、本実施形態の無線端末3の通信相手の一例としてのサーバ7の構成例を示す。図10に示されるように、本サーバ7は、ネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部71、パケット通信のための処理を行うためのパケット処理部72、要求元のノードから与えられた所定の要求を処理するための要求処理部73を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0073】
図11に、本サーバ7の要求受信時の処理手順の一例を示す。サーバ7は、移動端末3から要求メッセージを受信すると、該要求メッセージを処理し(ステップS41)、応答メッセージのために、拡張パケットを用いるか、通常パケットを用いるかを判断する(ステップS42)。ここでは、拡張パケットで要求メッセージを受信した場合には、拡張パケットで応答メッセージを返送すると判断し、通常パケットで要求メッセージを受信した場合には、通常パケットで応答メッセージを返送すると判断するものとする。
【0074】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合(ステップS43)、受信パケットの宛先アドレスを応答パケットの送信元アドレス、送信元アドレスを宛先アドレスとし、アドレス範囲指示情報を受信パケットの拡張ヘッダのオプション・フィールドに記述されていたものと同じにし、指示子をACTIONにした拡張パケットを送信する(ステップS35)。
【0075】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS34)、応答メッセージとして、通常パケットを送信する(ステップS36)。
【0076】
次に、移動端末3の通信相手(サーバ7でもよいし、他の移動端末3でもよいし、ルータ1でもよいし、他の何らかのノードでもよい)から該移動端末3に応答メッセージではない所定のメッセージ(例えば、所定の要求メッセージあるいは通知メッセージ等)を送信する場合について説明する。
【0077】
図12に、ある通信相手が、ある移動端末3についてのアドレス範囲指定情報を知っている場合(例えば、サーバ7が、移動端末3から拡張パケットによる要求メッセージを受信している場合)に、該通信相手が、該移動端末3に拡張パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示す。すなわち、該通信相手は、該移動端末3に対して送信すべきパケットが発生した場合には(ステップS51)、自装置が移動端末3について認識しているアドレスを宛先アドレスとし、自装置のアドレスを送信元アドレスとし、アドレス範囲指示情報を該移動端末3から通知されているもの(例えば、該移動端末3から最後に受信した拡張パケットに記述されていたもの)とし、指示子をACTIONとした拡張パケットにて所定のメッセージを送信する(ステップS52)。
【0078】
上記では、拡張パケットによって所定のメッセージを送信したが、プローブパケット(現在のアドレスを問い合わせるパケット)によって移動端末3の現在のアドレスを取得した後に、該アドレスに通常パケットで所定のメッセージを送信する方法もある。
【0079】
図13に、この場合の処理手順の一例を示す。すなわち、該通信相手は、該移動端末3に対して送信すべきパケットが発生した場合には(ステップS61)、自装置が移動端末3について認識しているアドレスを宛先アドレスとし、自装置のアドレスを送信元アドレスとし、アドレス範囲指示情報を該移動端末3から通知されているもの(例えば、該移動端末3から最後に受信した拡張パケットに記述されていたもの)とした拡張パケットにてプローブパケットを送信する(ステップS62)。
【0080】
なお、プローブパケットについては、パケットタイプを、当該局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダと同じにし、指示子をprobeとする方法、プローブパケット用のパケットタイプを別途定義する方法など、種々の方法がある。
【0081】
ここで、図14に、プローブパケットを受信した移動端末の処理手順の一例を示す。すなわち、移動端末3は、通信相手から、プローブパケットを受信した場合には(ステップS71)、自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットにて応答パケットを送信する(ステップS72)。
【0082】
さて、通信相手は、プローブパケットに対する応答パケットを受信すると(ステップS63)、該応答パケットによって取得した該移動端末3の現在所属しているプリフィックスのアドレスを宛先アドレスとした通常パケットにて所定のメッセージを送信する(ステップS64)。
【0083】
ここで、図15〜図17を参照しながら、移動端末MN1とサーバS1が通信する場合を例にとって説明する。
【0084】
まず、ルータR3のもとにいる移動端末MN1は、移動可能性があるなどの場合には、送信元アドレスをMN1_addr@R3、宛先アドレスをS1_addr、拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報を当該(ルータR2を境界ルータとする)イントラネット内の全アドレス、指示子をNOPとする拡張パケットで、要求メッセージをサーバS1へ送信する(図15の▲1▼)。
【0085】
次いで、移動端末MN1は、ルータR4のもとに移動し、MN1_addr@R4を取得して、自端末のネットワークインタフェースに付加する(図15の▲2▼)。
【0086】
拡張パケットによる要求メッセージを受信したサーバS1は、当該要求を処理した後に、送信元アドレスをS1_addr、宛先アドレスをMN1_addr@R3、アドレス範囲指定情報を上記の要求メッセージの拡張ヘッダ内に記述されていたものと同一のもの、指示子をACTIONとする拡張パケットで、応答メッセージを無線端末MN1へ送信する(図16の▲3▼)。
【0087】
この拡張パケットを受信したルータR2は、拡張ヘッダを読み込み、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。この場合、下位のルータR3,…,Rnすべてにパケットを転送すると判断され、各ルータR3,…,RnにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0088】
境界ルータR2から該拡張パケットを受信した各内部ルータR3〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。この場合、すべてのリーフにパケットを転送すると判断され、各リーフにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0089】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR4の経路で転送されてきた該拡張パケットを受信し、例えば該パケットの宛先アドレスのInterface_IDが自端末の持つInterface_IDに一致するので、該応答メッセージが自端末宛であることを認識し、該メッセージを処理する(図16の▲3▼)。
【0090】
なお、ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR4のものでのアドレスMN1_addr@R4を用いて新しくコネクションを確立する場合には、MN1_addr@R4を用いた通常パケットにより、サーバS1と通信することができる(図16の▲4▼,▲5▼)。
【0091】
次に、サーバS1がプローブパケットを用いる場合について説明する。
【0092】
上記と同様、移動端末MN1は、拡張パケットで、要求メッセージをサーバS1へ送信し(図15の▲1▼)、ルータR4のもとに移動する(図15の▲2▼)。
【0093】
拡張パケットによる要求メッセージを受信したサーバS1は、当該要求を処理した後に、応答メッセージの送信に先立って、送信元アドレスをS1_addr、宛先アドレスをMN1_addr@R3、アドレス範囲指定情報を上記の要求メッセージの拡張ヘッダ内に記述されていたものと同一のものとするプローブパケットを送信する(図16の▲3▼)。
【0094】
この拡張パケットを受信した各ルータR2〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。
【0095】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR4の経路で転送されてきた該プローブパケットを受信する(図16の▲3▼)。
【0096】
移動端末MN1は、該プローブパケットに対して、自端末が現在いるアドレスMN1_addr@R4を送信元アドレスとし、S1_addrを宛先アドレスとする通常パケットで、応答メッセージを送信する(図17の▲4▼)。
【0097】
この応答メッセージを受信したサーバS1は、送信元アドレスS1_addrを、宛先アドレスをMN1_addr@R3とする通常パケットで、先の要求メッセージに対する応答メッセージを送信する(図17の▲5▼)。
【0098】
以降は、移動端末MN1は、サーバS1と通常パケットで通信してもよいし、さらに移動する可能性があるなどの場合には、あらためて拡張パケットで通信を行ってもよい。
【0099】
次に、本発明を適用した移動エージェントを例にとって説明する。
【0100】
移動エージェントとは、プランに従って複数の計算機間を移動あるいは巡回して要求内容(例えば要求元計算機のユーザから指定された検索条件を満たす情報を検索・収集する作業)を実行するプログラムである。例えば、要求元の端末からあるサーバ(例えば、データ管理サーバ)Aへ移動して、該サーバAで検索を行い、その検索結果Aを持って、次のサーバBへ移動して、該サーバBで検索を行い、検索結果A,Bを持って、最後のサーバCへ移動して、該サーバCで検索を行い、全検索結果A〜Cを持って、要求元の端末へ戻るというものである。
【0101】
図18に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。
【0102】
ここでは、移動エージェント4(図中のMa1)が、移動端末3(図中のMN1)から幾つかのサーバ7(S1,…,Si,…,Sm)を巡回して移動端末3(図中のMN1)へ戻るとともに、その間に移動端末3(図中のMN1)がルータ2(図中のR3,R5)間を移動する場合を例にとって説明する。
【0103】
なお、移動エージェント4を実行する装置(例えば、移動端末3、サーバ7)は、ソフトウェアである移動エージェント4を実行するための機能(例えば、一種の仮想マシンである移動エージェントプラットフォーム)を搭載するものとする。
【0104】
また、ここでのサーバ7自体は、これまで説明した機能を持ってもよいし、持たなくてもよい(後者の場合には、移動エージェント4がこれまで説明した機能を含んでいるものとする)。
【0105】
ここで、図19に、本実施形態の移動エージェント4の構成例を示す。図19に示されるように、本移動エージェント4は、要求を処理するための要求処理モジュール41、要求の処理に使用するデータや要求の処理結果のデータなどを記憶するためのデータ部42、自身の移動のための処理を行うための移動処理モジュール43を含む。拡張パケットに関する処理は、の移動処理モジュール43で行われる。なお、その他のモジュール等を必要に応じて含んでも構わない。
【0106】
図20に、本移動エージェント4の処理手順の一例を示す。
【0107】
ここで、移動端末MN1は、ルータR3のもとにあるので、少なくとも、アドレスMN1_addr@R3を持っていることになる。
【0108】
要求元の移動端末MN1上で起動されると、移動エージェントMa1は、ネットワークを巡回する(ステップS81)。
【0109】
例えば、図21〜図23のように、移動端末MN1からエージェントMa1を起動し、サーバS1へ送信し、サーバS1へ移動したエージェントMa1は、該サーバS1にて要求処理(例えば、情報検索)を行い、次いで、サーバS2へ移動して要求処理を行い、…、次いで、サーバSiへ移動して要求処理を行い、…、これを次々と繰り返し行い、最後に、サーバSmへ移動して要求処理を行う。なお、ここでの移動には、移動エージェント4の移動元(例えば、移動端末MN1)からその移動先(例えば、サーバS1)へ、当該移動エージェント4(ソフトウェア)を含む通常パケットを転送すればよい(ただし、指示子をNOPとする拡張パケットを用いることも可能である)。
【0110】
なお、ここでは、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1に戻るために、該要求元の移動端末MN1のIPv6アドレス、および拡張ヘッダのオプションに記述すべきアドレス範囲指定情報を保持して移動するものとする。この要求元の移動端末3のIPv6アドレスは、移動端末MN1の現在所属しているプリフィックスのアドレスMN1_addr@R3とすればよい(なお、それ移動端末3が現在持っている他のプリフィックスのアドレスあるいは移動先で取得するであろうアドレス(例えば、MN1_addr@R5)とすることも可能である)。この例では、MN1_addr@R3が保持されているものとする。
【0111】
一方、エージェントMa1がネットワークを巡回している間に、要求元の移動端末MN1がイントラネット(組織A)内で移動する。例えば、図21〜図23のように、移動端末MN1は、ルータR3のもとからR5のもとへ移動したものとする。ここで、移動端末MN1は、ルータR5のもとでのアドレスMN1_addr@R5を取得する。移動端末MN1は、少なくとも、MN1_addr@R3とMN1_addr@R5を持っていることになる。
【0112】
さて、移動エージェントMa1は、最後のサーバSm上での要求処理が完了すると、要求元の移動端末MN1へ戻る手続きに入る(ステップS82)。
【0113】
まず、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1への帰還に先立って、(サーバSmを通じて、)該移動エージェントMa1の内部に保持されている要求元の移動端末MN1のアドレスMN1_addr@R3を宛先アドレスとし、当該サーバSmのアドレスSm_addrを送信元アドレスとし、アドレス範囲指定情報を該移動エージェントMa1の内部に保持されているものと同じにしたプローブパケットを送信する(ステップS83)。
【0114】
この拡張パケットを受信したルータR2は、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。この場合、図24に例示されるように、下位のルータR3,…,Rnすべてにパケットを転送すると判断され、各ルータR3,…,RnにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0115】
境界ルータR2から該拡張パケットを受信した各内部ルータR3〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。この場合、図24に例示されるように、すべてのリーフにパケットを転送すると判断され、各リーフにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0116】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR5の経路で転送されてきた該プローブパケットを受信する(例えば該パケットの宛先アドレスのInterface_IDが自端末の持つInterface_IDに一致するので、該パケットが自端末宛であることを認識する)。
【0117】
移動端末MN1は、図25のように、該プローブパケットに対して、自端末が現在いるアドレスMN1_addr@R5を送信元アドレスとし、Sm_addrを宛先アドレスとする通常パケットで、応答メッセージを送信する。
【0118】
移動エージェントMa1は、この応答メッセージを(サーバSmを通じて)受けると(ステップS84)、移動端末MN1が現在いるアドレスMN1_addr@R5が分かるので、図26のように、(サーバSmを通じて、)送信元アドレスをSm_addrとし、宛先アドレスをMN1_addr@R5とする通常パケットによって、移動端末MN1に帰還することができる。
【0119】
次に、図27に、本移動エージェント4の処理手順の他の例を示す。
【0120】
移動エージェントMa1が要求元の移動端末MN1上で起動されて、最後のサーバSm上での要求処理が完了して移動端末MN1へ戻る手続きに入るまでの流れ(図20のステップS91,S92、図21〜図23)は、上記の例と同様である。
【0121】
ここでは、移動エージェントMa1は、(サーバSmを通じて、)該移動エージェントMa1の内部に保持されている要求元の移動端末MN1のアドレスMN1_addr@R3を宛先アドレスとし、当該サーバSmのアドレスSm_addrを送信元アドレスとし、アドレス範囲指定情報を該移動エージェントMa1の内部に保持されているものと同じにした拡張パケットで、移動端末MN1に帰還する(移動エージェントMa1(ソフトウェア)を含む拡張パケットを送信する)(S93)。
【0122】
この移動エージェントMa1を含む拡張パケットを受信した各ルータR2〜Rnは、図24に例示されるように、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。
【0123】
これらパケットのうち、ルータR2−ルータR5の経路で転送されてきたパケットが、ルータR5のもとにいる移動端末MN1により受信され、これによって、移動エージェントMa1は(移動端末MN1のアドレスのプローブを行わずに)移動端末MN1に直接戻ることができる。
【0124】
このように、エージェントMa1がネットワークを巡回している間に、要求元の移動端末MN1が移動しても、エージェントMa1は該移動端末MN1へ戻ることが可能になる。
【0125】
なお、上記では、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1に戻るために、拡張ヘッダに記述すべきアドレス範囲指定情報を保持して移動するものとしたが、該アドレス範囲指定情報を保持して移動するのではなく、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報は、イントラネット(組織A)のSLAの内部で有効であることを示すように設定してもよい。
【0126】
また、移動エージェントが移動端末へプローブパケットを送信するときまたは移動エージェントが移動端末へ帰還するときにのみ拡張パケットを使用する構成を採用する場合には、指示子は設けなくても構わない(指示子を常にACTIONにした場合と同じになる)。
【0127】
次に、移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する場合を例にとって説明する。
【0128】
図28に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。図28に示されるように、このイントラネットの境界に境界ルータR2があり、境界ルータR2の下位には、ルータR3〜R5があり、ルータR3〜R5のそれぞれの下位には、ルータR6,7、ルータR8,9、ルータR10,11がある。
【0129】
ルータR6には、移動端末(A)3が接続されており、そのアドレスはA_addr@R6である。また、ルータR11には、通信相手ノード(B)5が接続されており、そのアドレスはB_addr@R11である。
【0130】
まず、図28に示されるように、移動端末Aがマルチキャストアドレス/ユニキャストアドレスBへパケットを送信するにあたって、返信する際に拡張パケットを使わせるために、送信元アドレスをA_addr@R6とし、宛先アドレスをB_addr@R11とし、拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報を移動端末Aの属している組織(イントラネット)全体とし、指示子をNOPとする拡張パケットを送信する。
【0131】
この拡張パケットを中継するルータR6,R3,R2,R5,R11は、該拡張パケットに対して通常のルーティング処理を行う。
【0132】
そして、図29に示されるように、移動端末Aは、ルータR8のもとへ移動する。ここで、移動端末Aは、少なくとも、アドレスA_addr@R6,A_addr@R8を持っていることになる。
【0133】
次に、図30に示されるように、通信相手Bは、拡張パケットの拡張ヘッダ内の指示子NOPをACTIONに書き換え、移動端末Aへの返信を行う。このときの宛先アドレスは、ルータR6のもとでのアドレスA_addr@R6である。各ルータは、拡張ヘッダを読み込み、それぞれのルータについてのSLAと、拡張ヘッダ内のアドレス範囲指定情報の示すSLAの値とに基づいて、それぞれの下位のルータにパケットを転送するかどうかを判断し、転送すると判断されたものについて転送を行う。この場合、図30に示されるように、該パケットは、当該イントラネット内の全体にわたって転送される。そして、ルータR2,R4,R8経由で転送されてきた該通信相手Bからの返信パケットを、ルータR8のもとに移動した移動端末Aが受信することができる。
【0134】
なお、図31に示すように、通信相手Bとの継続した接続が必要な場合は、通信相手Bへの通信にはルータR6のもとで使っていたアドレスA_addr@R6を送信元アドレスとする拡張ヘッダを用いて通信をするが、新しく通信を開始する場合は、ルータR8のもとのアドレスA_addr@R8を送信元アドレスとする通常ヘッダを用いて通信をする。
【0135】
なお、以上では、移動端末は、通信相手に対して(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを送信したことがあっても、それ以降、指示子をNOPとする拡張パケットを送信する場合には、アドレス範囲指定情報を付加して送信したが、このように既に通信相手がアドレス範囲指定情報を知っている場合には、アドレス範囲指定情報を省略して指示子をNOPとする拡張パケットを送信する方法もある。あるいは、指示子をNOPとする(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを送信する代わりに、通信相手に対して、当該パケットに対する応答パケットとして、指示子をACTIONとする(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを使用すべきことを指示する他のパケットタイプを持つ拡張ヘッダを含む拡張パケットを送信する方法もある。これらの場合、通信相手は、例えば、移動端末から最後に通知されたアドレス範囲指定情報を用いて、指示子をACTIONとする拡張パケットを応答に使用すればよい。
【0136】
ところで、以上では、移動端末の通信相手は移動しないものとして説明したが、通信する両方のノードが移動する場合も考えられる。以下では、このような場合について説明する。
【0137】
図32に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。
【0138】
図32に示されるように、インターネット6に、第1のイントラネット(組織A)と、第2のイントラネット(組織B)が接続されており、各イントラネットのインターネット6との境界部分に、境界ルータR2,R’2が存在する。各境界ルータR2,R’2の内側には、他のルータR3…Rn,R’3…R’nが接続されている。
【0139】
イントラネット(組織A)の内側には、移動端末MN1が存在し、イントラネット(組織B)の内側には、移動端末MN’1が存在する。ここでは、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1と、イントラネット(組織B)内側の移動端末MN’1が通信する場合を考える。
【0140】
図33に示されるように、イントラネット(組織A)内で移動端末MN1が移動するが、イントラネット(組織B)内の移動端末MN’1には移動可能性がない間(あるいは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合)は、これまでと同様にイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1からイントラネット(組織A)内の移動端末MN1へ、指示子をACTIONとする拡張パケットを送信すれば、通信可能になる。
【0141】
ここで、図34に示されるように、イントラネット(組織B)内で移動端末MN’1が移動すると、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1へは、パケットが到達しなくなる。
【0142】
そこで、イントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に移動可能性が発生した場合(あるいは移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合)には、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に対しても、指示子をACTIONとする拡張パケットを送信すればよい。
【0143】
この場合、例えば、拡張ヘッダとして、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダと、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダとの2つの拡張ヘッダを付加すればよい。拡張ヘッダのオプション・フィールドには、それが、通常ヘッダの宛先アドレス側の端末に関係するものか、通常ヘッダの送信元アドレス側の端末に関係するものかを示すフラグを記述すればよい。
【0144】
例えば、移動可能性の発生したイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1からイントラネット(組織A)内の移動端末MN1に対して、拡張パケットを送信する際には、通常ヘッダでは、宛先アドレスをMN1_addr@R3、送信元アドレスをMN’1_addr@R’3とし、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はACTIONにして、通信相手の移動端末MN1に関するアドレス範囲指示情報を記述し、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はNOPにして、自端末(移動端末MN’1)に関するアドレス範囲指示情報を記述する(なお、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダについては、かりにその指示子がACTIONになっていてもルータをこれを無視して局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストを行わないようにする)。
【0145】
また、例えば、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に対して、拡張パケットを送信する際には、通常ヘッダでは、宛先アドレスをMN’1_addr@R’3、送信元アドレスをMN1_addr@R3とし、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はACTIONにして、通信相手の移動端末MN’1に関するアドレス範囲指示情報を記述し、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はNOPにして、自端末(移動端末MN1)に関するアドレス範囲指示情報を記述する(なお、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダについては、かりにその指示子がACTIONになっていてもルータをこれを無視して局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストを行わないようにする)。
【0146】
なお、上記において、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、既に通信相手がアドレス範囲指定情報を知っている場合には、該アドレス範囲指定情報を省略する方法もある。
【0147】
また、他の方法としては、例えば、移動端末MN1と移動端末MN’1との間で相互にパケットが到着する間に(例えば、移動端末MN1と移動端末MN’1の両方が移動していないケース、または移動端末MN1と移動端末MN’1の一方のみが移動したケース)、移動可能性がある旨および使用すべきアドレス範囲指示情報を交換しておき、移動端末MN1から移動端末MN’1への送信では移動端末MN1を固定端末とみなしてこれまでの実施の形態と同様の拡張パケット(図3参照)で送信し、移動端末MN’1から移動端末MN1への送信では移動端末MN’1を固定端末とみなしてこれまでの実施の形態と同様の拡張パケット(図3参照)で送信するようにしてもよい。また、この場合に、通信相手に通知したアドレス範囲指示情報を越えて移動する可能性が発生したときには、移動する前に、その旨および新たなアドレス範囲指示情報を通信相手に通知すればよい。
【0148】
このイントラネット(組織A)内の移動端末MN1と、イントラネット(組織B)内側の移動端末MN’1との通信では、図35および図36に示すように、いずれから送信する場合も、通信相手のイントラネット内で局所的なマルチキャストあるいはマルチキャストが行われる。このようにして、両方が移動端末である場合でも、通信が可能になる。
【0149】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムとして実施することもでき、該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0150】
なお、この発明の実施の形態で例示した構成は一例であって、それ以外の構成を排除する趣旨のものではなく、例示した構成の一部を他のもので置き換えたり、例示した構成の一部を省いたり、例示した構成に別の機能あるいは要素を付加したり、それらを組み合わせたりすることなどによって得られる別の構成も可能である。また、例示した構成と論理的に等価な別の構成、例示した構成と論理的に等価な部分を含む別の構成、例示した構成の要部と論理的に等価な別の構成なども可能である。また、例示した構成と同一もしくは類似の目的を達成する別の構成、例示した構成と同一もしくは類似の効果を奏する別の構成なども可能である。
また、この発明の実施の形態で例示した各種構成部分についての各種バリエーションは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、この発明の実施の形態は、個別装置としての発明、関連を持つ2以上の装置についての発明、システム全体としての発明、個別装置内部の構成部分についての発明、またはそれらに対応する方法の発明等、種々の観点、段階、概念またはカテゴリに係る発明を包含・内在するものである。
従って、この発明の実施の形態に開示した内容からは、例示した構成に限定されることなく発明を抽出することができるものである。
【0151】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0152】
【発明の効果】
本発明によれば、移動端末が通信相手との通信中に移動しても該移動端末と該通信相手との通信が継続可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図
【図2】IPv6アドレスについて説明するための図
【図3】同実施形態に係る拡張ヘッダのフォーマット例を示す図
【図4】同実施形態に係るルータの構成例を示す図
【図5】同実施形態に係るルータのパケット転送時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図6】同実施形態に係る移動端末の構成例を示す図
【図7】同実施形態に係る移動端末の移動先でのアドレス取得・設定の処理手順の一例を示すフローチャート
【図8】同実施形態に係る移動端末の送信パケット発生時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】同実施形態に係る移動端末のパケット受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】同実施形態に係るサーバの構成例を示す図
【図11】同実施形態に係るサーバの要求受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図12】同実施形態に係る移動端末の通信相手が移動端末に拡張パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示すフローチャート
【図13】同実施形態に係る移動端末の通信相手が移動端末にプローブパケットを送信した後に通常パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示すフローチャート
【図14】同実施形態に係る移動端末のプローブパケット受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図15】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図16】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図17】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図18】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図19】同実施形態に係る移動エージェントの構成例を示す図
【図20】同実施形態に係る移動エージェントの処理手順の一例を示すフローチャート
【図21】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図22】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図23】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図24】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図25】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図26】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図27】同実施形態に係る移動エージェントの処理手順の他の例を示すフローチャート
【図28】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図29】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図30】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図31】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図32】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図33】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図34】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図35】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図36】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【符号の説明】
1…ルータ
3…移動端末
4…移動エージェント
5…通信相手ノード
6…インターネット
7…サーバ
11…ネットワークインタフェース部
12…パケット処理部
13…制御情報記憶部
31…ネットワークインタフェース部
32…パケット処理部
34…上位レイヤ処理部
41…要求処理モジュール
42…データ部
43…移動処理モジュール
71…ネットワークインタフェース部
72…パケット処理部
73…要求処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末、ルータ装置、移動端末と通信を行うノード装置、パケットを転送する移動エージェント、パケット転送方法及び移動エージェント処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、無線装置を備えたあるいは接続可能な携帯型端末や、インターネット接続機能を持つ携帯電話等が普及してきている。このような移動端末は、無線基地局等を介してルータに接続することになるが、移動によって無線区間が変わると、接続先のルータが変わってIPアドレスが変化することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
TCPのようなend−to−endのモデルを採用するものは、アドレスが変更されるとセッションを保持できないので、このような移動端末においては、インターネットに接続して例えばサーバ等の通信相手ノードと通信している途中で、無線区間を移動してアドレスが変わってしまうと、通信相手ノードから移動端末へのパケットが消失してしまい、通信を続けることができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、移動端末が通信相手ノードとの通信中に移動しても該移動端末と該通信相手ノードとの通信が継続可能な移動端末、ルータ装置、ノード装置、移動エージェント、パケット転送方法及び移動エージェント処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末であって、ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、通信相手ノードに対して、自端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段と、前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットであって自端末を宛先とするものを受信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、パケットを中継するルータ装置であって、複数のネットワークインタフェースを有するインタフェース手段と、パケットを転送すべきアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報、及び該指定のアドレス範囲にパケットを転送すべきことを指示する動作指示情報若しくは通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含む拡張パケット、又は通常パケットを受信するための手段と、前記非動作指示情報を含む拡張パケット又は通常パケットを受信した場合に、通常のルーティング処理によって転送するための手段と、前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信した場合に、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数の前記ネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送するための手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末に対する通信相手となるノード装置であって、ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、前記移動端末から、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信するための拡張パケット受信処理手段と、前記移動端末に対して、該移動端末から指定された前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明は、移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含むプローブパケットを該他のコンピュータから送信し、該プローブパケットに応答して該要求元となるコンピュータから返された該要求元となるコンピュータの現在アドレスを含む応答パケットを該他のコンピュータにて受信し、受信された該応答パケットに含まれる該要求元となるコンピュータの現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0010】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。また、個別装置の装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明はネットワークシステム全体の装置カテゴリや方法カテゴリに係る発明としても成立し、ネットワークシステム全体の装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明は個別装置の装置カテゴリや方法カテゴリに係る発明としても成立する(装置カテゴリや方法カテゴリに係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する)。
【0011】
本発明では、移動端末から通信相手へ、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲(すなわち、通信相手が自端末にパケットを送信する際にパケットを転送すべきアドレスの範囲)を指定するアドレス範囲指定情報を与え、通信相手から移動端末へ、該アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信し、ルータは、拡張パケットを該アドレス範囲指定情報に基づいて(必要に応じて複製して)該当するアドレスへ転送するようにすることによって、移動端末が移動して現在アドレス自体が変わったとしても、end−to−endのセッションを保持して通信を継続することができる。また、限られた範囲でのブロードキャストあるいはマルチキャストを行うことで、不要な割り込みの発生等、ノードへ与える影響を少なく抑えることができる。また、オーバーヘッドや管理する情報は小さく、実装するコードの量も少なく抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1に、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す。
【0014】
図1に示されるように、インターネット6に、複数のイントラネット(例えば、図中の組織Aや組織X)や、複数のサーバ7が接続されている(なお、本実施形態の機能を持たないイントラネットやサーバが接続されていても構わない)。
【0015】
各イントラネットでは、インターネット6との境界部分に、境界ルータ1(図中のR2やR1)が存在する。境界ルータ1の内側には、他のルータ(以下、内部ルータとも呼ぶ)1が接続されている。イントラネット内のルータ1の接続関係は、どのような構造になっていてもよい。境界ルータ1と、それ以外の内部ルータ1とは、基本的には、同様の構成である(境界ルータ1にはそれ境界ルータ固有の機能あるいはデバイスが備わっていてもよいし、内部ルータ1には内部ルータ固有の機能あるいはデバイスが備わっていてもよい)。
【0016】
以下では、図1に示したイントラネット(組織A)を例にとって説明する。
【0017】
イントラネット(組織A)は、境界ルータR2を持ち、イントラネット内構造の一例として、境界ルータR2の内側(インターネット6の反対側)に、複数のルータR3〜Rnが接続されている。
【0018】
イントラネット(組織A)の内側には、移動端末3が存在する。図1では、1台の無線端末(MN1)のみ示しているが、実際には複数の移動端末3が存在し得る。
【0019】
移動端末3は、無線装置を備え、無線リンクを介して、ルータ1間を移動できる能力を持っているものとする。なお、この場合、ルータ1が、移動端末3と無線通信するための1又は複数の無線基地局又は無線装置(図示せず)を持っているか、またはルータ1が、移動端末3と無線通信するための1又は複数の無線基地局又は無線装置(図示せず)に接続されているものとする。
【0020】
移動端末3は、例えば、携帯型計算機等の計算機であって無線通信機能を内蔵したものもしくは無線通信機能を外付け可能なもの、インターネット接続機能等を有する携帯電話端末など、どのようなものであってもよい。
【0021】
なお、図1において、サーバ7は、移動端末3のインターネット6上の通信相手(ノード)の例であるが、移動端末3のインターネット6上の通信相手は、サーバ以外のノードであってもよい。また、移動端末3の通信相手は、同一イントラネット内の他の移動端末3の場合や、異なるイントラネット内の移動端末3の場合もあり得る。
【0022】
ここで、本実施形態で用いるIPv6アドレスに関して説明する。
【0023】
本実施形態の移動端末3は、IPv6アドレスを持つものとしている。
【0024】
図2に示すように、IPv6アドレスは、
を含むアドレスである(例えば、rfc2928.txt参照)(なお、FP(format prefix)は省略して説明する)。
【0025】
移動端末MN1を例にとると、移動端末MN1のIPv6アドレスMN1_addrは、実際には、イントラネット(組織A)の内部のルータR3〜Rnを移動する際にアドレスを付け変えるので、接続したルータ1に応じて、そのプレフィックス(Interface_IDより上位)が変わる(Interface_IDは変わらない)。
【0026】
なお、Interface_IDは、EUI−64(IEEE,“Guidelines for 64bit Global Identifier Registration Authority”)で定義されるものであり、その一意性(グローバル・ユニークであること)は保証されている。
【0027】
ここで、移動端末MN1がルータRiのもとにあるときの移動端末MN1のIPv6アドレスMN1_addrを「MN1_addr@Ri」と記述するものとすると、
図1の例において、移動端末MN1がルータR3のもとにあるときのアドレスMN1_addr@R3は、
であり、
移動端末MN1が移動してルータRnのもとに来るときのアドレスMN1_addr@Rnは、
となる。
このとき、MN1_addr@R3とMN1_addr@Rnとは異なるアドレスである(SLA IDが(少なくとも1ビット)異なる)。
【0028】
さて、例えば、図1においてルータR3のもとにいる移動端末MN1が、サーバ7と通信中において、サーバ7へ(通常のヘッダを持つパケットにて)要求メッセージを送信し(図15の▲1▼参照)、サーバ7からの応答メッセージを受信する前に、ルータR3のもとからルータR4へ移動した場合(図15の▲2▼参照)、その移動した時点において、該サーバ7は、移動端末MN1の現在のアドレスがMN1_addr@R4になったことを知ることができない。この場合、サーバ7が、ルータR3を経由してきた要求メッセージに対する返答メッセージについて、そのルータR3に係る移動端末MN1のアドレス、すなわちMN1_addr@R3を宛先として(通常のパケットにて)送出しても、このアドレスMN1_addr@R3宛のパケットがアドレスMN1_addr@R4にいる移動端末MN1に到達することはなく、通信を続けることができない。
【0029】
そこで、本実施形態では、例えば、移動端末3が、(例えば移動可能性(あるいはアドレス変更可能性)が発生した場合など所定の条件が成立する場合に)、通信相手(例えば、サーバ7)に、自端末の移動可能性のあるアドレス範囲を含むパケットを送信し(例えば、図15の▲1▼の要求メッセージに該アドレス範囲を記述して通知する)、通信相手は、この通知されたアドレス範囲内でのみブロードキャストされるデータパケットを送信することによって(図16の▲3▼参照)、該パケットを移動端末3に到達させ、通信が継続できるようにしたり、あるいは、通信相手(例えば、サーバ7)が、この通知されたアドレス範囲内でのみブロードキャストされるプローブパケット(現在のアドレスを問い合わせるパケット)を送信し(図16の▲3▼参照)、移動端末3が現在のアドレスを通信相手に応答することによって、(通常のパケットにて)通信可能にしたりする(図17の▲4▼、▲5▼参照)。
【0030】
本実施形態では、上記の移動可能性のあるアドレス範囲の通知や、局所的にブロードキャストすべき旨及び局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定のために、拡張ヘッダを利用するものとしている。
【0031】
ここで、本実施形態で用いる拡張ヘッダを持つパケット(拡張パケット)に関して説明する。
【0032】
図3に、本実施形態で用いる拡張ヘッダのフォーマット例を示す。図3に示されるように、拡張ヘッダは、通常ヘッダ部分に拡張ヘッダ部分を付加したものであり、通常ヘッダ部分の各部の内容は、次の通りであり、
・バージョン(version)(図中のVER):IPのバージョンを示す。4ビット。これが「6」ならばIPv6を示し、「4」ならばIPv4を示す。
・プライオリティ(priority)(図中のTclass):パケットの優先度を示す。4ビット。
・フローラベル(flow label):VODなどのリアルタイム情報を送信者が要求する場合に付加するラベル付けの機能である。24ビット。
・ペイロード長(payload length):IPv6ヘッダを除くパケット(ユーザ・データ)の長さを示す。16ビット。
・ネクスト・ヘッダ(next header):IPv6ヘッダに続くヘッダ・タイプを示す。8ビット。
・ホップ・リミット(hop limit):パケットのルータの中継回数の限界を示す。8ビット。
・ソース・アドレス(source address):送信元アドレスを示す。128ビット。
・デスティネーション・アドレス(destination address):宛先アドレスを示す。128ビット。
拡張ヘッダ部分の各部の内容は、次の通りである。
・ネクスト・ヘッダ(next header):拡張ヘッダに続くヘッダ・タイプを示す。8ビット。
・ヘッダ長(header length):オプション(option)の長さを示す。8ビット。
・オプション(option):オプション・データ。
【0033】
ここで、拡張ヘッダを用いた、移動可能性のあるアドレス範囲の通知や、局所的にブロードキャストすべき旨及び局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定のためのフォーマット例について説明する。
【0034】
なお、詳しくは後述するように、本実施形態の移動端末3は、移動する毎に取得したアドレスを全てネットワークインタフェースに付与することができるものとしている。
【0035】
移動端末MN1を例にとると、まず、移動端末MN1から通信相手(例えば、図1のサーバ7)へ拡張パケットを転送する場合に、移動端末MN1は、通常ヘッダ部分の宛先アドレスには通信相手のアドレスを記述し、送信元アドレスには自端末が持つIPv6アドレス(例えば、MN1_addr@R3とMN1_addr@R4)のうちのいずれか(例えば、通信相手が認識している自端末のアドレス)(例えば、サーバ7との通信開始時に使用したMN1_addr@R3)を記述する。
【0036】
また、通信相手(例えば、図1のサーバ7)から移動端末MN1へ拡張パケットを転送する場合に、通信相手は、通常ヘッダ部分の宛先アドレスには自ノードが認識している移動端末MN1のアドレス(例えば、通信開始時に使用したMN1_addr@R3)を記述し、送信元アドレスには自ノードのアドレスを記述する。
【0037】
すなわち、通信相手は、移動端末3が実際にどのアドレスにいるかにはかかわらずに、移動端末3が通常ヘッダ部分に記述されているアドレスにいるものとして扱えば足りる。
【0038】
次に、本実施形態の拡張ヘッダ部分について説明する。
【0039】
移動端末3が移動する可能性のあるアドレス範囲すなわち局所的にブロードキャストすべきアドレス範囲の指定は、拡張ヘッダであるホップ・バイ・ホップ(Hop−by−Hop)のオプションのフィールドを使う(オプション・フィールド内にアドレス範囲指定情報を記述する)。
【0040】
アドレス範囲の指定としては、パケットを転送すべきIPv6アドレスが持つSLA IDを記述する。SLA IDの記述方法としては、種々の方法がある。例えば、指定するSLA IDを列挙してもよい。また、アドレス指定に要するビット数を減らすために、例えば、SLA ID部分(16ビットのビット列)の範囲のoffsetとそこからのbit数との組を記述する(この組が複数になるときはoffsetとbit数の組を列挙する)方法がある。
【0041】
拡張ヘッダのオプション・フィールドには、上記のアドレス範囲指定情報の他に、拡張ヘッダを識別するパケットタイプを記述する(この場合、当該(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための)拡張ヘッダを示すパケットタイプを記述する)。この(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための)拡張ヘッダを示すパケットタイプは、NOPまたはACTIONのいずれかを示す指示子を持つ。指示子がACTIONを示す場合には、該拡張ヘッダを処理できるルータに、当該パケットの複製を作成して、指定された範囲の各アドレスに転送することを指示することになり、指示子がNOPを示す場合には、何もしない(通常のルーティング処理を行う)ことを指示することになる。なお、指示子がNOPである拡張パケットは、通信相手にアドレス範囲指定情報を通知する機能を持ち、また通信相手に指示子がACTIONである拡張パケットの送出を促す機能を持つ。
【0042】
例えば、移動端末MN1からサーバ7へ要求メッセージを送信する場合には、指示子をNOPに設定した拡張パケットで要求メッセージを送信する(図15の▲1▼参照)。この場合、要求メッセージは、通常パケットと同様、サーバ7へ到達する。一方、サーバ7から移動端末MN1へ該要求メッセージに対する応答メッセージを送信する場合には、要求メッセージの拡張ヘッダ部分に記述されたていたアドレス範囲指定情報と同じアドレス範囲指定情報を持ち且つ指示子をACTIONに設定した拡張パケット(アドレス範囲指定は要求メッセージ)で応答メッセージを返送する(図16の▲3▼参照)。この場合、応答メッセージは、アドレス範囲指定情報に記述された全アドレスに転送される(移動端末MN1がそれらアドレスのいずれかにいれば、該応答メッセージは該移動端末MN1に到達する)。
【0043】
なお、拡張ヘッダ部分のオプション・フィールドには、他にも種々の制御情報等を記述するようにしてもよい。例えば、このパケットタイプの拡張ヘッダを解釈できないルータが該パケットを破棄することの可否を示す情報や、途中経路でルータがこのパケットタイプの拡張ヘッダの内容(例えば、アドレス範囲指定情報及び又は指示子)を変更することの可否を示す情報などがある。
【0044】
なお、以下において、拡張ヘッダとは、本実施形態の局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを指し、拡張パケットとは、この局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを持つパケットを指すものとする。
【0045】
以下では、本実施形態の各ノードの基本的な構成・動作について説明する。
【0046】
図4に、本実施形態のルータ1の構成例を示す。図4に示されるように、本ルータ1は、複数のネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部11、パケット転送のための処理を行うためのパケット処理部12、パケット転送の際に参照する経路テーブルやその他の制御情報等を必要に応じて記憶するための制御情報記憶部13を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0047】
図5に、本ルータ1のパケット転送時の処理手順の一例を示す。ルータ1は、拡張パケットを受信すると(ステップS1)、パケット処理部12において、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行うか否か判断し(ステップS2)、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行うと判断された場合には(ステップS3)、パケットをフォワーディングすべきインタフェースを決定し(ステップS4)、(必要に応じてパケットの複製を行って)決定したインタフェースにパケットをフォワーディングする(ステップS5)。一方、拡張ヘッダ部分に従ったパケット・フォワーディングを行わないと判断された場合には(ステップS3)、通常のルーティング処理を行う(ステップS6)。
【0048】
例えば、ルータ1(図1のイントラネット(組織A)内の境界ルータR2及び内部R3〜Rn)は、次のような機能を持つ。
・宛先アドレスのSLA ID(サイト階層集約子)が自ルータの持っているSLA IDと異なる場合でも、拡張ヘッダを含むIPv6パケットを処理する。
・受信したIPv6パケットの拡張ヘッダ部分を読み込み、パケットタイプが本拡張ヘッダ(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダ)を示し且つ指示子がACTIONを示している場合には、アドレス範囲指定情報(例えば、SLA ID部分の指定範囲)と自ルータの持っているSLA IDとの比較を行い、自ルータの持っているSLA IDがアドレス範囲指定情報により指定されたアドレスの範囲内に属するものであれば、該当する全インタフェースに対して、パケットをフォワードする(該当するインタフェースが複数の場合には、パケットの複製が行われる)。
・宛先アドレスが自ルータの属するイントラネットの外部の場合または指示子がNOPを示している場合には、通常のルーティング処理を行う。あるいは、指示子がNOPを示している場合には、通常のルーティング処理を行うとともに、指示子がACTIONを示していても、その拡張パケットが、宛先アドレスの属するイントラネットの境界ルータに到達するまでの経路上のルータは、通常のルーティング処理を行うようにしてもよい。
【0049】
なお、指示子がACTIONで、自ルータの持っているSLA IDがアドレス範囲指定情報により指定されたアドレスの範囲内に属するものであっても、該当するインタフェースに繋がる経路上(他のルータが介在する場合を含む)に、対象となる無線端末MN1が接続されていないことが判明している場合に、そのインタフェースには該パケットをフォワードしないように構成してもよい。
【0050】
なお、本実施形態では、ルータ1は、本拡張ヘッダの内容(例えば、アドレス範囲指定情報及び又は指示子)を変更したり、通常パケットに本拡張ヘッダを付加したりしない場合を例にとって説明しているが、ルータ1は、必要に応じて、本拡張ヘッダの内容の変更(例えば、アドレス範囲指定情報の変更、及び又は指示子のNOPからACTIONへの書き換え、及び又は指示子のACTIONからNOPへの書き換えなど)をしたり、通常パケットに本拡張ヘッダを付加したりする機能を持っていてもよい。
【0051】
図6に、本実施形態の移動端末3の構成例を示す。図6に示されるように、本移動端末3は、ネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部31、パケット通信のための処理を行うためのパケット処理部32、アドレス管理を行うためのアドレス管理部33、所定の上位レイヤ処理を行うための上位レイヤ処理部34を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0052】
本移動端末3は、ネットワークインタフェースには、これまで経由してきたルータ1のもとで使っていた複数のアドレスを同時に付けることが可能であるものとしている。
【0053】
図7に、本移動端末3の移動先でのアドレス取得・設定の処理手順の一例を示す。移動端末3が、あるルータ1のリンク内に移動する(ステップS11)。アドレス管理部33は、そのルータ1のもとでのアドレスを(未取得であれば)取得する(ステップS12)。アドレス管理部33は、取得したアドレスを、ネットワークインタフェースに付加する(ステップS13)。
【0054】
移動端末3は、受信パケットの宛先アドレスのInterface_IDと、自端末の持つInterface_IDとが一致しているか否かを調べ、一致している場合に、該パケットが自端末宛であると判断して、該パケットを、上位レイヤ処理部34に渡すことができる。なお、移動端末3は、受信したパケットの宛先アドレスが、アドレス管理部33によってネットワークインタフェースに付加されたアドレスのいずれか一つと一致するならば(それが自端末が現在所属しているプリフィックスのものとは異なっても)、該パケットが自端末宛であると判断して、該パケットを、上位レイヤ処理部34に渡すようにしてもよい。
【0055】
なお、移動端末3は、ネットワークインタフェースに付加したアドレスを、例えばユーザからの指示あるいは所定の削除条件が成立したことなどによって、適宜、削除することが可能であるものとしてもよい。
【0056】
図8に、本移動端末3の送信パケット発生時の処理手順の一例を示す。
【0057】
無線端末3は、通信相手から受信したパケットに対応して送信するパケットの発生以外の契機によって(例えば、ユーザからの要求入力によって)、通信相手に送信すべきパケット(例えば、サーバ7に対する要求パケット等)が発生すると(ステップS21)、拡張パケットを用いた通信を行うか、通常パケットを用いた通信を行うかを判断する(ステップS22)。
【0058】
例えば、自端末に移動可能性がある場合、あるいは移動可能性があり且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合(移動後に移動前のアドレスによる通信を行いたい場合)などには、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、移動先でも継続した通信を行いたい場合には、移動可能性の有無を判断することなく、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにしてもよい。
【0059】
また、例えば、自端末に移動可能性がない場合、あるいは移動可能性があり且つ移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合(移動先で取得したアドレスによる通信を行えばよい場合)などには、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合には、移動可能性の有無を判断することなく、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにしてもよい。
【0060】
なお、この判断は、予め定められた手順に従って移動端末3が自動的に行ってもよいし、移動端末3がユーザに問い合わせてユーザから入力された判断に基づいて行ってもよい。
【0061】
また、例えば、移動可能性については、ユーザからの明示的な指示によって移動可能性を認識する方法、基地局あるいは無線装置から得られる情報に基づいて移動可能性を認識する方法(例えば、基地局毎にアドレスが変わる場合に各基地局に対する電波強度の比較によってハンドオフの可能性を検出し、これによってアドレスが変わる可能性を検出する方法(ただし、複数の基地局群毎にアドレスが変わる場合には、さらに、例えば基地局から受信するメッセージに含まれる所定の識別情報に基づいてハンドオフしたときにアドレスも変わることをも検出する必要がある)等)、タイマーから得られる情報に基づいて移動可能性を認識する方法(例えば、電車等の走行物体が軌道上を走行する場合や、高速道路等を自動車等が走行する場合などにおいて、該軌道等の所定の起点をスタートした時刻を基準時刻とし、該基準時刻からの経過時刻と、予め定められた経過時刻とアドレスとの対応を登録した対応テーブル(タイムスケジュール情報)とを参照して、アドレスが変わる時刻を推定する方法)、GPSから得られる位置情報(または位置情報の変化パターン)と、予め定められた位置情報とアドレスとの対応を登録した対応テーブルとを参照して、アドレスが変わる可能性を推定する方法など、種々の方法が考えられる。
【0062】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合には(ステップS23)、自端末の持つアドレスのうち所定のプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、拡張パケットを送信する(ステップS24)。拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報には、自端末が移動する可能性のあるものとして指定するアドレス範囲を記述する(イントラネット内の一部のアドレスを指定範囲としてもよいし、イントラネット内の全部のアドレスを指定範囲としてもよい)。また、ネットワークインタフェースに複数のアドレスを持つ場合には、それらのうちいずれか1つ(例えば、自端末が存在すると通信相手に認識してもらいたいアドレス)(例えば、現在所属しているプリフィックスのアドレス、あるいは移動前に所属していたプリフィックスのアドレス)を選択して、送信元アドレスとすればよい。また、指示子はNOPとする。
【0063】
なお、移動端末3におけるアドレス範囲指定情報の決定には、種々の方法が考えられる。例えば、ユーザからの明示的な指示によって決定する方法、上記の移動可能性を求める際に併せて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法(例えば、基地局あるいは無線装置から得られる情報に基づいて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法、タイマーから得られる情報に基づいて移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法、GPSから得られる位置情報移動可能性のあるアドレス範囲を推定する方法など)、あらかじめアドレス範囲指定情報をイントラネット内の全体に設定しておく方法など、種々の方法が考えられる。
【0064】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS23)、自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットを送信する(ステップS25)。
【0065】
なお、無線端末3は、現在通常パケットで通信している通信相手に対して、例えば上記のような方法によって移動可能性を認識したことなどを契機として、(その時点で通信相手に送信すべきメッセージ等がなかったとしても)移動可能性が発生した旨およびアドレス範囲指定情報を通知するために拡張パケットを送信するようにしてもよい(例えば、本拡張パケットの指示子を、ACTIONおよびNOP以外の特定の値にし、パケットデータはnullにする)。
【0066】
図9に、本移動端末3のパケット受信時の処理手順の一例を示す。
【0067】
無線端末3は、自端末宛てのパケットを受信し、必要に応じて受信パケットに搭載されたデータの処理等を行った場合に(ステップS31)、パケットを返信する必要が発生すれば(例えば、所定の問い合わせパケットに対する応答パケットが発生したケース、所定の応答パケットに対する再送要求ケットが発生したケースなど)(ステップS32)、拡張パケットを用いた通信を行うか、通常パケットを用いた通信を行うかを判断する(ステップS33)。例えば、ACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットを送信する場合、ACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合、あるいは通常パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合などには、拡張パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。また、例えば、通常パケットに応答するパケットの送信であり且つ移動可能性がないもしくは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合、あるいはACTIONの指示子を持つ拡張パケットに応答するパケットの送信であり且つ現在拡張パケットで使用しているアドレスに位置し且つ以降は移動しないもしくは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合などには、通常パケットを用いた通信を行うと判断するようにする。なお、この判断は、予め定められた手順に従って移動端末3が自動的に行ってもよいし、移動端末3がユーザに問い合わせてユーザから入力された判断に基づいて行ってもよい。
【0068】
移動可能性の判断方法については、前述した通りである。
【0069】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合(ステップS34)、自端末の持つアドレスのうち、受信パケットの宛先アドレスと同じプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、拡張パケットを送信する(ステップS35)。拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報は、受信パケットと同様で構わないが、適宜変更してもよい。また、指示子はNOPとする。
【0070】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS34)、現在所属しているサブネットに最も適したアドレス、すなわち自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットを送信する(ステップS36)。
【0071】
このようにすることにより、移動端末3は、イントラネット(例えば図1の組織A)内のいずれのリンクに移動したとしても、通信相手からのパケットを取りこぼすことなく、受信することができ(図16の▲3▼参照)、通信相手に対して同じ送信元アドレスを使用した通信を行うことができる。
【0072】
図10に、本実施形態の無線端末3の通信相手の一例としてのサーバ7の構成例を示す。図10に示されるように、本サーバ7は、ネットワークインタフェースを持つネットワークインタフェース部71、パケット通信のための処理を行うためのパケット処理部72、要求元のノードから与えられた所定の要求を処理するための要求処理部73を備えている。なお、その他の機能やデバイスを必要に応じて備えて構わない。
【0073】
図11に、本サーバ7の要求受信時の処理手順の一例を示す。サーバ7は、移動端末3から要求メッセージを受信すると、該要求メッセージを処理し(ステップS41)、応答メッセージのために、拡張パケットを用いるか、通常パケットを用いるかを判断する(ステップS42)。ここでは、拡張パケットで要求メッセージを受信した場合には、拡張パケットで応答メッセージを返送すると判断し、通常パケットで要求メッセージを受信した場合には、通常パケットで応答メッセージを返送すると判断するものとする。
【0074】
拡張パケットを用いた通信を行うと判断された場合(ステップS43)、受信パケットの宛先アドレスを応答パケットの送信元アドレス、送信元アドレスを宛先アドレスとし、アドレス範囲指示情報を受信パケットの拡張ヘッダのオプション・フィールドに記述されていたものと同じにし、指示子をACTIONにした拡張パケットを送信する(ステップS35)。
【0075】
拡張パケットを用いた通信を行わないと判断された場合には(ステップS34)、応答メッセージとして、通常パケットを送信する(ステップS36)。
【0076】
次に、移動端末3の通信相手(サーバ7でもよいし、他の移動端末3でもよいし、ルータ1でもよいし、他の何らかのノードでもよい)から該移動端末3に応答メッセージではない所定のメッセージ(例えば、所定の要求メッセージあるいは通知メッセージ等)を送信する場合について説明する。
【0077】
図12に、ある通信相手が、ある移動端末3についてのアドレス範囲指定情報を知っている場合(例えば、サーバ7が、移動端末3から拡張パケットによる要求メッセージを受信している場合)に、該通信相手が、該移動端末3に拡張パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示す。すなわち、該通信相手は、該移動端末3に対して送信すべきパケットが発生した場合には(ステップS51)、自装置が移動端末3について認識しているアドレスを宛先アドレスとし、自装置のアドレスを送信元アドレスとし、アドレス範囲指示情報を該移動端末3から通知されているもの(例えば、該移動端末3から最後に受信した拡張パケットに記述されていたもの)とし、指示子をACTIONとした拡張パケットにて所定のメッセージを送信する(ステップS52)。
【0078】
上記では、拡張パケットによって所定のメッセージを送信したが、プローブパケット(現在のアドレスを問い合わせるパケット)によって移動端末3の現在のアドレスを取得した後に、該アドレスに通常パケットで所定のメッセージを送信する方法もある。
【0079】
図13に、この場合の処理手順の一例を示す。すなわち、該通信相手は、該移動端末3に対して送信すべきパケットが発生した場合には(ステップS61)、自装置が移動端末3について認識しているアドレスを宛先アドレスとし、自装置のアドレスを送信元アドレスとし、アドレス範囲指示情報を該移動端末3から通知されているもの(例えば、該移動端末3から最後に受信した拡張パケットに記述されていたもの)とした拡張パケットにてプローブパケットを送信する(ステップS62)。
【0080】
なお、プローブパケットについては、パケットタイプを、当該局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダと同じにし、指示子をprobeとする方法、プローブパケット用のパケットタイプを別途定義する方法など、種々の方法がある。
【0081】
ここで、図14に、プローブパケットを受信した移動端末の処理手順の一例を示す。すなわち、移動端末3は、通信相手から、プローブパケットを受信した場合には(ステップS71)、自端末が現在所属しているプリフィックスのアドレスを送信元アドレスとして、通常パケットにて応答パケットを送信する(ステップS72)。
【0082】
さて、通信相手は、プローブパケットに対する応答パケットを受信すると(ステップS63)、該応答パケットによって取得した該移動端末3の現在所属しているプリフィックスのアドレスを宛先アドレスとした通常パケットにて所定のメッセージを送信する(ステップS64)。
【0083】
ここで、図15〜図17を参照しながら、移動端末MN1とサーバS1が通信する場合を例にとって説明する。
【0084】
まず、ルータR3のもとにいる移動端末MN1は、移動可能性があるなどの場合には、送信元アドレスをMN1_addr@R3、宛先アドレスをS1_addr、拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報を当該(ルータR2を境界ルータとする)イントラネット内の全アドレス、指示子をNOPとする拡張パケットで、要求メッセージをサーバS1へ送信する(図15の▲1▼)。
【0085】
次いで、移動端末MN1は、ルータR4のもとに移動し、MN1_addr@R4を取得して、自端末のネットワークインタフェースに付加する(図15の▲2▼)。
【0086】
拡張パケットによる要求メッセージを受信したサーバS1は、当該要求を処理した後に、送信元アドレスをS1_addr、宛先アドレスをMN1_addr@R3、アドレス範囲指定情報を上記の要求メッセージの拡張ヘッダ内に記述されていたものと同一のもの、指示子をACTIONとする拡張パケットで、応答メッセージを無線端末MN1へ送信する(図16の▲3▼)。
【0087】
この拡張パケットを受信したルータR2は、拡張ヘッダを読み込み、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。この場合、下位のルータR3,…,Rnすべてにパケットを転送すると判断され、各ルータR3,…,RnにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0088】
境界ルータR2から該拡張パケットを受信した各内部ルータR3〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。この場合、すべてのリーフにパケットを転送すると判断され、各リーフにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0089】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR4の経路で転送されてきた該拡張パケットを受信し、例えば該パケットの宛先アドレスのInterface_IDが自端末の持つInterface_IDに一致するので、該応答メッセージが自端末宛であることを認識し、該メッセージを処理する(図16の▲3▼)。
【0090】
なお、ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR4のものでのアドレスMN1_addr@R4を用いて新しくコネクションを確立する場合には、MN1_addr@R4を用いた通常パケットにより、サーバS1と通信することができる(図16の▲4▼,▲5▼)。
【0091】
次に、サーバS1がプローブパケットを用いる場合について説明する。
【0092】
上記と同様、移動端末MN1は、拡張パケットで、要求メッセージをサーバS1へ送信し(図15の▲1▼)、ルータR4のもとに移動する(図15の▲2▼)。
【0093】
拡張パケットによる要求メッセージを受信したサーバS1は、当該要求を処理した後に、応答メッセージの送信に先立って、送信元アドレスをS1_addr、宛先アドレスをMN1_addr@R3、アドレス範囲指定情報を上記の要求メッセージの拡張ヘッダ内に記述されていたものと同一のものとするプローブパケットを送信する(図16の▲3▼)。
【0094】
この拡張パケットを受信した各ルータR2〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする(図16の▲3▼)。
【0095】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR4の経路で転送されてきた該プローブパケットを受信する(図16の▲3▼)。
【0096】
移動端末MN1は、該プローブパケットに対して、自端末が現在いるアドレスMN1_addr@R4を送信元アドレスとし、S1_addrを宛先アドレスとする通常パケットで、応答メッセージを送信する(図17の▲4▼)。
【0097】
この応答メッセージを受信したサーバS1は、送信元アドレスS1_addrを、宛先アドレスをMN1_addr@R3とする通常パケットで、先の要求メッセージに対する応答メッセージを送信する(図17の▲5▼)。
【0098】
以降は、移動端末MN1は、サーバS1と通常パケットで通信してもよいし、さらに移動する可能性があるなどの場合には、あらためて拡張パケットで通信を行ってもよい。
【0099】
次に、本発明を適用した移動エージェントを例にとって説明する。
【0100】
移動エージェントとは、プランに従って複数の計算機間を移動あるいは巡回して要求内容(例えば要求元計算機のユーザから指定された検索条件を満たす情報を検索・収集する作業)を実行するプログラムである。例えば、要求元の端末からあるサーバ(例えば、データ管理サーバ)Aへ移動して、該サーバAで検索を行い、その検索結果Aを持って、次のサーバBへ移動して、該サーバBで検索を行い、検索結果A,Bを持って、最後のサーバCへ移動して、該サーバCで検索を行い、全検索結果A〜Cを持って、要求元の端末へ戻るというものである。
【0101】
図18に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。
【0102】
ここでは、移動エージェント4(図中のMa1)が、移動端末3(図中のMN1)から幾つかのサーバ7(S1,…,Si,…,Sm)を巡回して移動端末3(図中のMN1)へ戻るとともに、その間に移動端末3(図中のMN1)がルータ2(図中のR3,R5)間を移動する場合を例にとって説明する。
【0103】
なお、移動エージェント4を実行する装置(例えば、移動端末3、サーバ7)は、ソフトウェアである移動エージェント4を実行するための機能(例えば、一種の仮想マシンである移動エージェントプラットフォーム)を搭載するものとする。
【0104】
また、ここでのサーバ7自体は、これまで説明した機能を持ってもよいし、持たなくてもよい(後者の場合には、移動エージェント4がこれまで説明した機能を含んでいるものとする)。
【0105】
ここで、図19に、本実施形態の移動エージェント4の構成例を示す。図19に示されるように、本移動エージェント4は、要求を処理するための要求処理モジュール41、要求の処理に使用するデータや要求の処理結果のデータなどを記憶するためのデータ部42、自身の移動のための処理を行うための移動処理モジュール43を含む。拡張パケットに関する処理は、の移動処理モジュール43で行われる。なお、その他のモジュール等を必要に応じて含んでも構わない。
【0106】
図20に、本移動エージェント4の処理手順の一例を示す。
【0107】
ここで、移動端末MN1は、ルータR3のもとにあるので、少なくとも、アドレスMN1_addr@R3を持っていることになる。
【0108】
要求元の移動端末MN1上で起動されると、移動エージェントMa1は、ネットワークを巡回する(ステップS81)。
【0109】
例えば、図21〜図23のように、移動端末MN1からエージェントMa1を起動し、サーバS1へ送信し、サーバS1へ移動したエージェントMa1は、該サーバS1にて要求処理(例えば、情報検索)を行い、次いで、サーバS2へ移動して要求処理を行い、…、次いで、サーバSiへ移動して要求処理を行い、…、これを次々と繰り返し行い、最後に、サーバSmへ移動して要求処理を行う。なお、ここでの移動には、移動エージェント4の移動元(例えば、移動端末MN1)からその移動先(例えば、サーバS1)へ、当該移動エージェント4(ソフトウェア)を含む通常パケットを転送すればよい(ただし、指示子をNOPとする拡張パケットを用いることも可能である)。
【0110】
なお、ここでは、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1に戻るために、該要求元の移動端末MN1のIPv6アドレス、および拡張ヘッダのオプションに記述すべきアドレス範囲指定情報を保持して移動するものとする。この要求元の移動端末3のIPv6アドレスは、移動端末MN1の現在所属しているプリフィックスのアドレスMN1_addr@R3とすればよい(なお、それ移動端末3が現在持っている他のプリフィックスのアドレスあるいは移動先で取得するであろうアドレス(例えば、MN1_addr@R5)とすることも可能である)。この例では、MN1_addr@R3が保持されているものとする。
【0111】
一方、エージェントMa1がネットワークを巡回している間に、要求元の移動端末MN1がイントラネット(組織A)内で移動する。例えば、図21〜図23のように、移動端末MN1は、ルータR3のもとからR5のもとへ移動したものとする。ここで、移動端末MN1は、ルータR5のもとでのアドレスMN1_addr@R5を取得する。移動端末MN1は、少なくとも、MN1_addr@R3とMN1_addr@R5を持っていることになる。
【0112】
さて、移動エージェントMa1は、最後のサーバSm上での要求処理が完了すると、要求元の移動端末MN1へ戻る手続きに入る(ステップS82)。
【0113】
まず、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1への帰還に先立って、(サーバSmを通じて、)該移動エージェントMa1の内部に保持されている要求元の移動端末MN1のアドレスMN1_addr@R3を宛先アドレスとし、当該サーバSmのアドレスSm_addrを送信元アドレスとし、アドレス範囲指定情報を該移動エージェントMa1の内部に保持されているものと同じにしたプローブパケットを送信する(ステップS83)。
【0114】
この拡張パケットを受信したルータR2は、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。この場合、図24に例示されるように、下位のルータR3,…,Rnすべてにパケットを転送すると判断され、各ルータR3,…,RnにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0115】
境界ルータR2から該拡張パケットを受信した各内部ルータR3〜Rnは、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。この場合、図24に例示されるように、すべてのリーフにパケットを転送すると判断され、各リーフにそれぞれMN1_addr@R1宛てのパケットを投げる。
【0116】
ルータR4のもとにいる移動端末MN1は、ルータR2−ルータR5の経路で転送されてきた該プローブパケットを受信する(例えば該パケットの宛先アドレスのInterface_IDが自端末の持つInterface_IDに一致するので、該パケットが自端末宛であることを認識する)。
【0117】
移動端末MN1は、図25のように、該プローブパケットに対して、自端末が現在いるアドレスMN1_addr@R5を送信元アドレスとし、Sm_addrを宛先アドレスとする通常パケットで、応答メッセージを送信する。
【0118】
移動エージェントMa1は、この応答メッセージを(サーバSmを通じて)受けると(ステップS84)、移動端末MN1が現在いるアドレスMN1_addr@R5が分かるので、図26のように、(サーバSmを通じて、)送信元アドレスをSm_addrとし、宛先アドレスをMN1_addr@R5とする通常パケットによって、移動端末MN1に帰還することができる。
【0119】
次に、図27に、本移動エージェント4の処理手順の他の例を示す。
【0120】
移動エージェントMa1が要求元の移動端末MN1上で起動されて、最後のサーバSm上での要求処理が完了して移動端末MN1へ戻る手続きに入るまでの流れ(図20のステップS91,S92、図21〜図23)は、上記の例と同様である。
【0121】
ここでは、移動エージェントMa1は、(サーバSmを通じて、)該移動エージェントMa1の内部に保持されている要求元の移動端末MN1のアドレスMN1_addr@R3を宛先アドレスとし、当該サーバSmのアドレスSm_addrを送信元アドレスとし、アドレス範囲指定情報を該移動エージェントMa1の内部に保持されているものと同じにした拡張パケットで、移動端末MN1に帰還する(移動エージェントMa1(ソフトウェア)を含む拡張パケットを送信する)(S93)。
【0122】
この移動エージェントMa1を含む拡張パケットを受信した各ルータR2〜Rnは、図24に例示されるように、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報に基づいて、自ルータの持つ該当するネットワークインタフェースへ(必要に応じて複製して)該パケットをフォワーディングする。
【0123】
これらパケットのうち、ルータR2−ルータR5の経路で転送されてきたパケットが、ルータR5のもとにいる移動端末MN1により受信され、これによって、移動エージェントMa1は(移動端末MN1のアドレスのプローブを行わずに)移動端末MN1に直接戻ることができる。
【0124】
このように、エージェントMa1がネットワークを巡回している間に、要求元の移動端末MN1が移動しても、エージェントMa1は該移動端末MN1へ戻ることが可能になる。
【0125】
なお、上記では、移動エージェントMa1は、要求元の移動端末MN1に戻るために、拡張ヘッダに記述すべきアドレス範囲指定情報を保持して移動するものとしたが、該アドレス範囲指定情報を保持して移動するのではなく、拡張ヘッダのアドレス範囲指定情報は、イントラネット(組織A)のSLAの内部で有効であることを示すように設定してもよい。
【0126】
また、移動エージェントが移動端末へプローブパケットを送信するときまたは移動エージェントが移動端末へ帰還するときにのみ拡張パケットを使用する構成を採用する場合には、指示子は設けなくても構わない(指示子を常にACTIONにした場合と同じになる)。
【0127】
次に、移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する場合を例にとって説明する。
【0128】
図28に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。図28に示されるように、このイントラネットの境界に境界ルータR2があり、境界ルータR2の下位には、ルータR3〜R5があり、ルータR3〜R5のそれぞれの下位には、ルータR6,7、ルータR8,9、ルータR10,11がある。
【0129】
ルータR6には、移動端末(A)3が接続されており、そのアドレスはA_addr@R6である。また、ルータR11には、通信相手ノード(B)5が接続されており、そのアドレスはB_addr@R11である。
【0130】
まず、図28に示されるように、移動端末Aがマルチキャストアドレス/ユニキャストアドレスBへパケットを送信するにあたって、返信する際に拡張パケットを使わせるために、送信元アドレスをA_addr@R6とし、宛先アドレスをB_addr@R11とし、拡張ヘッダのオプション内のアドレス範囲指定情報を移動端末Aの属している組織(イントラネット)全体とし、指示子をNOPとする拡張パケットを送信する。
【0131】
この拡張パケットを中継するルータR6,R3,R2,R5,R11は、該拡張パケットに対して通常のルーティング処理を行う。
【0132】
そして、図29に示されるように、移動端末Aは、ルータR8のもとへ移動する。ここで、移動端末Aは、少なくとも、アドレスA_addr@R6,A_addr@R8を持っていることになる。
【0133】
次に、図30に示されるように、通信相手Bは、拡張パケットの拡張ヘッダ内の指示子NOPをACTIONに書き換え、移動端末Aへの返信を行う。このときの宛先アドレスは、ルータR6のもとでのアドレスA_addr@R6である。各ルータは、拡張ヘッダを読み込み、それぞれのルータについてのSLAと、拡張ヘッダ内のアドレス範囲指定情報の示すSLAの値とに基づいて、それぞれの下位のルータにパケットを転送するかどうかを判断し、転送すると判断されたものについて転送を行う。この場合、図30に示されるように、該パケットは、当該イントラネット内の全体にわたって転送される。そして、ルータR2,R4,R8経由で転送されてきた該通信相手Bからの返信パケットを、ルータR8のもとに移動した移動端末Aが受信することができる。
【0134】
なお、図31に示すように、通信相手Bとの継続した接続が必要な場合は、通信相手Bへの通信にはルータR6のもとで使っていたアドレスA_addr@R6を送信元アドレスとする拡張ヘッダを用いて通信をするが、新しく通信を開始する場合は、ルータR8のもとのアドレスA_addr@R8を送信元アドレスとする通常ヘッダを用いて通信をする。
【0135】
なお、以上では、移動端末は、通信相手に対して(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを送信したことがあっても、それ以降、指示子をNOPとする拡張パケットを送信する場合には、アドレス範囲指定情報を付加して送信したが、このように既に通信相手がアドレス範囲指定情報を知っている場合には、アドレス範囲指定情報を省略して指示子をNOPとする拡張パケットを送信する方法もある。あるいは、指示子をNOPとする(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを送信する代わりに、通信相手に対して、当該パケットに対する応答パケットとして、指示子をACTIONとする(局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストのための拡張ヘッダを示すパケットタイプを持つ)拡張パケットを使用すべきことを指示する他のパケットタイプを持つ拡張ヘッダを含む拡張パケットを送信する方法もある。これらの場合、通信相手は、例えば、移動端末から最後に通知されたアドレス範囲指定情報を用いて、指示子をACTIONとする拡張パケットを応答に使用すればよい。
【0136】
ところで、以上では、移動端末の通信相手は移動しないものとして説明したが、通信する両方のノードが移動する場合も考えられる。以下では、このような場合について説明する。
【0137】
図32に、この場合のネットワークシステム構成例を示す。
【0138】
図32に示されるように、インターネット6に、第1のイントラネット(組織A)と、第2のイントラネット(組織B)が接続されており、各イントラネットのインターネット6との境界部分に、境界ルータR2,R’2が存在する。各境界ルータR2,R’2の内側には、他のルータR3…Rn,R’3…R’nが接続されている。
【0139】
イントラネット(組織A)の内側には、移動端末MN1が存在し、イントラネット(組織B)の内側には、移動端末MN’1が存在する。ここでは、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1と、イントラネット(組織B)内側の移動端末MN’1が通信する場合を考える。
【0140】
図33に示されるように、イントラネット(組織A)内で移動端末MN1が移動するが、イントラネット(組織B)内の移動端末MN’1には移動可能性がない間(あるいは移動したとしても移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合)は、これまでと同様にイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1からイントラネット(組織A)内の移動端末MN1へ、指示子をACTIONとする拡張パケットを送信すれば、通信可能になる。
【0141】
ここで、図34に示されるように、イントラネット(組織B)内で移動端末MN’1が移動すると、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1へは、パケットが到達しなくなる。
【0142】
そこで、イントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に移動可能性が発生した場合(あるいは移動可能性が発生し且つ移動先でも継続した通信を行いたい場合)には、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に対しても、指示子をACTIONとする拡張パケットを送信すればよい。
【0143】
この場合、例えば、拡張ヘッダとして、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダと、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダとの2つの拡張ヘッダを付加すればよい。拡張ヘッダのオプション・フィールドには、それが、通常ヘッダの宛先アドレス側の端末に関係するものか、通常ヘッダの送信元アドレス側の端末に関係するものかを示すフラグを記述すればよい。
【0144】
例えば、移動可能性の発生したイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1からイントラネット(組織A)内の移動端末MN1に対して、拡張パケットを送信する際には、通常ヘッダでは、宛先アドレスをMN1_addr@R3、送信元アドレスをMN’1_addr@R’3とし、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はACTIONにして、通信相手の移動端末MN1に関するアドレス範囲指示情報を記述し、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はNOPにして、自端末(移動端末MN’1)に関するアドレス範囲指示情報を記述する(なお、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダについては、かりにその指示子がACTIONになっていてもルータをこれを無視して局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストを行わないようにする)。
【0145】
また、例えば、イントラネット(組織A)内の移動端末MN1からイントラネット(組織B)内の移動端末MN’1に対して、拡張パケットを送信する際には、通常ヘッダでは、宛先アドレスをMN’1_addr@R’3、送信元アドレスをMN1_addr@R3とし、宛先アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はACTIONにして、通信相手の移動端末MN’1に関するアドレス範囲指示情報を記述し、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、指示子はNOPにして、自端末(移動端末MN1)に関するアドレス範囲指示情報を記述する(なお、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダについては、かりにその指示子がACTIONになっていてもルータをこれを無視して局所的なブロードキャストあるいはマルチキャストを行わないようにする)。
【0146】
なお、上記において、送信元アドレス側の端末に関係する拡張ヘッダでは、既に通信相手がアドレス範囲指定情報を知っている場合には、該アドレス範囲指定情報を省略する方法もある。
【0147】
また、他の方法としては、例えば、移動端末MN1と移動端末MN’1との間で相互にパケットが到着する間に(例えば、移動端末MN1と移動端末MN’1の両方が移動していないケース、または移動端末MN1と移動端末MN’1の一方のみが移動したケース)、移動可能性がある旨および使用すべきアドレス範囲指示情報を交換しておき、移動端末MN1から移動端末MN’1への送信では移動端末MN1を固定端末とみなしてこれまでの実施の形態と同様の拡張パケット(図3参照)で送信し、移動端末MN’1から移動端末MN1への送信では移動端末MN’1を固定端末とみなしてこれまでの実施の形態と同様の拡張パケット(図3参照)で送信するようにしてもよい。また、この場合に、通信相手に通知したアドレス範囲指示情報を越えて移動する可能性が発生したときには、移動する前に、その旨および新たなアドレス範囲指示情報を通信相手に通知すればよい。
【0148】
このイントラネット(組織A)内の移動端末MN1と、イントラネット(組織B)内側の移動端末MN’1との通信では、図35および図36に示すように、いずれから送信する場合も、通信相手のイントラネット内で局所的なマルチキャストあるいはマルチキャストが行われる。このようにして、両方が移動端末である場合でも、通信が可能になる。
【0149】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムとして実施することもでき、該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0150】
なお、この発明の実施の形態で例示した構成は一例であって、それ以外の構成を排除する趣旨のものではなく、例示した構成の一部を他のもので置き換えたり、例示した構成の一部を省いたり、例示した構成に別の機能あるいは要素を付加したり、それらを組み合わせたりすることなどによって得られる別の構成も可能である。また、例示した構成と論理的に等価な別の構成、例示した構成と論理的に等価な部分を含む別の構成、例示した構成の要部と論理的に等価な別の構成なども可能である。また、例示した構成と同一もしくは類似の目的を達成する別の構成、例示した構成と同一もしくは類似の効果を奏する別の構成なども可能である。
また、この発明の実施の形態で例示した各種構成部分についての各種バリエーションは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、この発明の実施の形態は、個別装置としての発明、関連を持つ2以上の装置についての発明、システム全体としての発明、個別装置内部の構成部分についての発明、またはそれらに対応する方法の発明等、種々の観点、段階、概念またはカテゴリに係る発明を包含・内在するものである。
従って、この発明の実施の形態に開示した内容からは、例示した構成に限定されることなく発明を抽出することができるものである。
【0151】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0152】
【発明の効果】
本発明によれば、移動端末が通信相手との通信中に移動しても該移動端末と該通信相手との通信が継続可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図
【図2】IPv6アドレスについて説明するための図
【図3】同実施形態に係る拡張ヘッダのフォーマット例を示す図
【図4】同実施形態に係るルータの構成例を示す図
【図5】同実施形態に係るルータのパケット転送時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図6】同実施形態に係る移動端末の構成例を示す図
【図7】同実施形態に係る移動端末の移動先でのアドレス取得・設定の処理手順の一例を示すフローチャート
【図8】同実施形態に係る移動端末の送信パケット発生時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】同実施形態に係る移動端末のパケット受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】同実施形態に係るサーバの構成例を示す図
【図11】同実施形態に係るサーバの要求受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図12】同実施形態に係る移動端末の通信相手が移動端末に拡張パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示すフローチャート
【図13】同実施形態に係る移動端末の通信相手が移動端末にプローブパケットを送信した後に通常パケットでメッセージを送信する処理手順の一例を示すフローチャート
【図14】同実施形態に係る移動端末のプローブパケット受信時の処理手順の一例を示すフローチャート
【図15】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図16】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図17】同実施形態に係る移動端末とサーバが通信する例について説明するための図
【図18】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図19】同実施形態に係る移動エージェントの構成例を示す図
【図20】同実施形態に係る移動エージェントの処理手順の一例を示すフローチャート
【図21】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図22】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図23】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図24】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図25】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図26】同実施形態に係る移動エージェントの一例について説明するための図
【図27】同実施形態に係る移動エージェントの処理手順の他の例を示すフローチャート
【図28】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図29】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図30】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図31】同実施形態に係る移動端末が同一イントラネット内にマルチキャストパケット/ユニキャストパケットを投げた後に移動する例について説明するための図
【図32】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図33】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図34】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図35】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【図36】同実施形態に係る移動端末同士が通信する例について説明するための図
【符号の説明】
1…ルータ
3…移動端末
4…移動エージェント
5…通信相手ノード
6…インターネット
7…サーバ
11…ネットワークインタフェース部
12…パケット処理部
13…制御情報記憶部
31…ネットワークインタフェース部
32…パケット処理部
34…上位レイヤ処理部
41…要求処理モジュール
42…データ部
43…移動処理モジュール
71…ネットワークインタフェース部
72…パケット処理部
73…要求処理部
Claims (44)
- 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末からその通信相手ノードへ、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報及び非動作指示情報を含む拡張パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記非動作指示情報を含む前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該拡張パケットを通常のルーティング処理によって転送し、
前記拡張パケットを受信した前記通信相手ノードは、該拡張パケットを処理し、該拡張パケットに応答してパケットを前記移動端末に送信する場合には、該拡張パケットに含まれる送信元アドレスを宛先アドレスとして含み且つ前記アドレス範囲指定情報及び動作指示情報を含む拡張パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記動作指示情報を含む前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記移動端末は、転送されてきた前記拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、該拡張パケットを処理することを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末の通信相手ノードは、該移動端末に対してパケットを送信する場合に、自ノードが認識している該移動端末のアドレスを宛先アドレスとして含み且つ該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報及び動作指示情報を含む拡張パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記動作指示情報を含む前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づいて、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記移動端末は、転送されてきた前記拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、該拡張パケットを処理するとともに、該拡張パケットに応答してパケットを前記通信相手ノードに送信する場合には、自端末の現在アドレスを送信元アドレスとする通常パケット、又は該拡張パケットに含まれる宛先アドレスを送信元アドレスとして含み且つ前記アドレス範囲指定情報及び非動作指示情報を含む拡張パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記通常パケット又は前記非動作指示情報を含む前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該通常パケット又は該拡張パケットを、通常のルーティング処理によって転送することを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある第1の移動端末からその通信相手となる第2の移動端末へ、該第2の移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記第2の移動端末は、転送されてきた前記拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、該拡張パケットを処理し、該拡張パケットに応答してパケットを前記第1の移動端末に送信する場合には、該第1の移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信し、
前記第1の移動端末の属するイントラネット内で前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記第1の移動端末は、転送されてきた前記拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、該拡張パケットを処理することを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末上で起動された移動エージェントは、所定のサーバ装置へ移動し、当該移動先のサーバ装置で所定の処理を行うことを、複数のサーバ装置にわたって繰り返し行い、
前記移動エージェントは、最後となるサーバ装置での所定の処理が完了した場合には、該サーバ装置から前記移動端末へ、該移動端末に係るものであるアドレスを宛先アドレスとして含み且つ該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含むプローブパケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記プローブパケットを受信したルータは、それぞれ、該プローブパケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づいて、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記移動端末は、転送されてきた前記プローブパケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、自端末の現在アドレスを含む通常パケットにより、該プローブパケットに対する応答パケットを送信し、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記応答パケットを受信したルータは、それぞれ、該応答パケットを、通常のルーティング処理によって転送し、
前記応答パケットを受信した前記サーバ装置上の前記移動エージェントは、該応答パケットに含まれる前記移動端末の現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットにより、該サーバ装置から該移動端末へ帰還することを特徴とする移動エージェント処理方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末上で起動された移動エージェントは、所定のサーバ装置へ移動し、当該移動先のサーバ装置で所定の処理を行うことを、複数のサーバ装置にわたって繰り返し行い、
前記移動エージェントは、最後となるサーバ装置での所定の処理が完了した場合には、前記移動端末に係るものであるアドレスを宛先アドレスとして含み且つ該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットにより、自身を該サーバ装置から送出させ、
前記移動端末の属するイントラネット内で前記拡張パケットを受信したルータは、それぞれ、該プローブパケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づいて、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
前記移動端末は、転送されてきた前記拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるならば、該拡張パケットに含まれる前記移動エージェントを取り込むことを特徴とする移動エージェント処理方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末であって、
ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、
通信相手ノードに対して、自端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段と、
前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットであって自端末を宛先とするものを受信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とする移動端末。 - 通信相手ノードに対して、自端末の現在アドレスを送信元アドレスとする通常パケットを送信するための通常パケット送信処理手段と、
自端末の現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを受信するための通常パケット受信処理手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の移動端末。 - 前記通信相手ノードに対してパケットを送信するにあたって、前記拡張パケット送信処理手段により拡張パケットを送信するか、前記通常パケット送信処理手段により通常パケットを送信するかを判断するための判断手段を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
- 前記判断手段は、所定の情報に基づいて、自端末に移動可能性があるか否か判断し、移動可能性があると判断された場合及び又は移動後も継続した通信を行うべき場合に、前記拡張パケット送信処理手段により拡張パケットを送信すると決定することを特徴とする請求項8に記載の移動端末。
- 前記判断手段は、所定の情報に基づいて、自端末に移動可能性があるか否か判断し、移動可能性がないと判断された場合及び又は移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合には、前記通常パケット送信処理手段により通常パケットを送信すると決定することを特徴とする請求項8に記載の移動端末。
- 前記所定の情報は、ユーザからの入力情報、自端末が通信する無線基地局から得られる情報、GPSにより得られる情報、又は予め定められた起点をスタートしてからの経過時間情報を含むものであることを特徴とする請求項9または10に記載の移動端末。
- 前記判断手段は、移動後も継続した通信を行うべき場合には、自端末の移動可能性の有無にかかわらずに、前記通常パケット送信処理手段により通常パケットを送信すると決定することを特徴とする請求項8に記載の移動端末。
- 前記判断手段は、移動先で新しくコネクションを確立すれば足りる場合には、自端末の移動可能性の有無にかかわらずに、前記通常パケット送信処理手段により通常パケットを送信すると決定することを特徴とする請求項8に記載の移動端末。
- 各移動先で取得したアドレスの全部又は一部を保持するためのアドレス保持手段をさらに備え、
前記拡張パケット送信処理手段は、前記拡張パケットの宛先アドレスが、前記アドレス保持手段により保持されているいずれかのアドレスと一致した場合に、該パケットが自端末を宛先とするものであると判断することを特徴とする請求項6ないし13のいずれか1項に記載の移動端末。 - 前記アドレスは、自端末に割り当てられたグローバル・ユニークな装置識別情報を構成部分として持つものであり、
前記拡張パケット送信処理手段は、前記拡張パケットの宛先アドレスの装置識別情報が、自端末に割り当てられた前記装置識別情報と一致した場合に、該パケットが自端末を宛先とするものであると判断することを特徴とする請求項6ないし13のいずれか1項に記載の移動端末。 - 前記拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報は、該拡張パケットを転送すべき複数のアドレスを列挙したものであることを特徴とする請求項6ないし15のいずれか1項に記載の移動端末。
- 前記拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報は、該拡張パケットを転送すべきアドレスの範囲を、アドレスの開始ビットを示す情報とその開始ビットからのビット長を示す情報によって示したものであることを特徴とする請求項6ないし15のいずれか1項に記載の移動端末。
- 前記拡張パケットは、該拡張パケットを受信したルータに、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される当該ルータの持つ1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送すべきことを指示する動作指示情報、又は通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含むものであることを特徴とする請求項16または17に記載の移動端末。
- 前記拡張パケット送信処理手段は、前記通信相手ノードに対して、前記非動作指示情報を含む拡張パケットを送信することを特徴とする請求項18に記載の移動端末。
- 前記拡張パケット受信処理手段は、前記通信相手ノードから、前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信することを特徴とする請求項18または19に記載の移動端末。
- 前記拡張パケット受信処理手段により自端末の現在アドレスを問い合わせる前記通信相手ノードからのプローブパケットを受信した場合には、前記拡張パケット送信処理手段により自端末の現在アドレスを含む該通信相手ノードへの応答パケットを送信することを特徴とする請求項6ないし20のいずれか1項に記載の移動端末。
- パケットを中継するルータ装置であって、
複数のネットワークインタフェースを有するインタフェース手段と、
パケットを転送すべきアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報、及び該指定のアドレス範囲にパケットを転送すべきことを指示する動作指示情報若しくは通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含む拡張パケット、又は通常パケットを受信するための手段と、
前記非動作指示情報を含む拡張パケット又は通常パケットを受信した場合に、通常のルーティング処理によって転送するための手段と、
前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信した場合に、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数の前記ネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送するための手段とを備えたことを特徴とするルータ装置。 - 前記拡張パケットに含まれる、前記アドレス範囲指定情報の更新、前記動作指示情報から前記非動作指示情報への書き換え、又は前記非動作指示情報から前記動作指示情報への書き換えの少なくとも一つを行うための手段をさらに備えたことを特徴とする請求項22に記載の記載のルータ装置。
- 前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信した場合に、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づいて指定のアドレス範囲に該当すると判断された前記ネットワークインタフェースからの経路上に、該拡張パケットの宛先となるノードが存在しないことが判明しているならば、該ネットワークインタフェースについては、該拡張パケットを転送しないものとすることを特徴とする請求項22に記載のルータ装置。
- 自ルータが属するイントラネットの外部を宛先アドレスとする前記拡張パケットについては、通常のルーティング処理によって転送するものとすることを特徴とする請求項22に記載のルータ装置。
- 自ルータが、前記拡張パケットの送信元ノードと、前記拡張パケットの宛先アドレスの属するイントラネットの境界ルータとの間に位置するものである場合には、該拡張パケットを通常のルーティング処理によって転送するものとすることを特徴とする請求項22に記載のルータ装置。
- 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末に対する通信相手となるノード装置であって、
ネットワークに接続するためのインタフェース手段と、
前記移動端末から、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信するための拡張パケット受信処理手段と、
前記移動端末に対して、該移動端末から指定された前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための拡張パケット送信処理手段とを備えたことを特徴とするノード装置。 - 前記移動端末から、自端末の現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを受信するための通常パケット受信処理手段と、
前記移動端末に対して、自端末の現在アドレスを送信元アドレスとする通常パケットを送信するための通常パケット送信処理手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項27に記載のノード装置。 - 前記移動端末から受信した前記拡張パケットに応答して該移動端末へパケットを送信する場合に、前記拡張パケット送信処理手段により前記拡張パケットを送信し、前記移動端末から受信した通常パケットに応答して該移動端末へパケットを送信する場合に、前記通常パケット送信処理手段により前記通常パケットを送信することを特徴とする請求項28に記載のノード装置。
- 前記拡張パケットは、該拡張パケットを受信したルータに、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される当該ルータの持つ1又は複数のネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送すべきことを指示する動作指示情報、又は通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含むものであることを特徴とする請求項27ないし29のいずれか1項に記載のノード装置。
- 前記拡張パケット送信処理手段は、前記移動端末から受信した前記非動作指示情報を含む前記拡張パケットに応答して該移動端末へパケットを送信する場合に、前記動作指示情報を含む拡張パケットを送信することを特徴とする請求項30に記載のノード装置。
- 前記移動端末の現在アドレスを取得すべき場合には、前記拡張パケット送信処理手段により、該移動端末の現在アドレスを問い合わせるプローブパケットを送信することを特徴とする請求項27ないし31のいずれか1項に記載のノード装置。
- 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
通信相手ノードに対して、自端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための機能と、
前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットであって自端末を宛先とするものを受信するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - パケットを中継するルータ装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
パケットを転送すべきアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報、及び該指定のアドレス範囲にパケットを転送すべきことを指示する動作指示情報若しくは通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含む拡張パケット、又は通常パケットを受信する機能と、
前記非動作指示情報を含む拡張パケット又は通常パケットを受信した場合に、通常のルーティング処理によって転送する機能と、
前記動作指示情報を含む拡張パケットを受信した場合に、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数の前記ネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末に対する通信相手となるノード装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記移動端末から、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信するための機能と、
前記移動端末に対して、該移動端末から指定された前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、
前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、
移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、
移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのプログラムであって、
前記他のコンピュータ間をネットワークを介して移動するための機能と、
移動先の前記他のコンピュータ上で所定の処理を行うための機能と、
移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含むプローブパケットを該他のコンピュータから送信し、該プローブパケットに応答して該要求元となるコンピュータから返された該要求元となるコンピュータの現在アドレスを含む応答パケットを該他のコンピュータにて受信し、受信された該応答パケットに含まれる該要求元となるコンピュータの現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを用いて該他のコンピュータから自プログラムを転送することによって、該要求元となるコンピュータに帰還するための機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 前記移動エージェントのプログラムは、前記コンピュータに搭載された移動エージェントプラットフォーム上で実行されるものであることを特徴とする請求項36または37に記載のプログラム。
- 前記移動エージェントのプログラムは、前記アドレス範囲指定情報を持って、前記要求元となるコンピュータから前記他のコンピュータへ移動することを特徴とする請求項36または37に記載のプログラム。
- 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末のパケット転送方法であって、
自端末の通信相手ノードへパケットを送信するにあたって、自端末に移動可能性がある場合及び又は移動後も継続した通信を行うべき場合、自端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信し、
移動後に前記通信相手ノードから前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信した場合、該拡張パケットの宛先アドレスが自端末に係るものであるときに、該拡張パケットを処理することを特徴とするパケット転送方法。 - パケットを中継するルータ装置のパケット転送方法であって、
パケットを転送すべきアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報、及び該指定のアドレス範囲にパケットを転送すべきことを指示する動作指示情報若しくは通常のルーティング処理をすべきことを示す非動作指示情報を含む拡張パケット、又は通常パケットを受信し、
受信されたパケットが前記動作指示情報を含む拡張パケットである場合には、該拡張パケットに含まれる前記アドレス範囲指定情報に基づき、指定のアドレス範囲に該当すると判断される1又は複数の前記ネットワークインタフェースの各々を介して、該拡張パケットを転送し、
受信されたパケットが前記非動作指示情報を含む拡張パケット又は通常パケットである場合には、通常のルーティング処理によって転送を行うことを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のある移動端末に対する通信相手となるノード装置のパケット転送方法であって、
前記移動端末から、該移動端末が移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを受信し、
前記移動端末に対して、該移動端末から指定された前記アドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを送信することを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのためのパケット転送方法であって、
前記移動エージェントが移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、
前記他のコンピュータは、前記要求元となるコンピュータへ、該要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含む拡張パケットを用いて、前記移動エージェントを転送することを特徴とするパケット転送方法。 - 移動により現在アドレスが変更する可能性のあるコンピュータを要求元としてネットワークを介して複数の他のコンピュータを移動しながら各移動先の他のコンピュータにおいて所定の処理を実行した後に該要求元となるコンピュータに帰還する移動エージェントのためのパケット転送方法であって、
前記移動エージェントが移動先の前記他のコンピュータからネットワークを介して前記要求元となるコンピュータに帰還するあたって、前記他のコンピュータは、
前記要求元となるコンピュータへ、前記要求元となるコンピュータが移動する可能性のあるアドレスの範囲を指定するアドレス範囲指定情報を含むプローブパケットを送信し、
前記要求元となるコンピュータから、前記プローブパケットに応答して、該要求元となるコンピュータの現在アドレスを含む応答パケットを受信し、
受信された前記応答パケットに含まれる前記要求元となるコンピュータの現在アドレスを宛先アドレスとする通常パケットを用いて、前記移動エージェントを転送することを特徴とするパケット転送方法。
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