JP4233297B2 - 通信システム、移動端末、転送装置及び通信方法 - Google Patents

通信システム、移動端末、転送装置及び通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システム、移動端末、転送装置及び通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動通信システムでは、基地局が、移動端末が基地局と接続する際の接続制御と、パケットのバッファリングや転送等の移動端末のモビリティを確保するためのモビリティ制御の両方を行う。そのため、基地局や移動端末は、接続制御とモビリティ制御が共存して最適になるように設計され、制御されている。
【0003】
又、近年、階層化モバイルIPv6(HMIP:Hierarchical Mobile IPv6)と呼ばれるモビリティ制御方式が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。階層化モバイルIPでは、接続制御を行うアクセスルータと、モビリティ制御を行うモビリティアンカーポイントとが、1箇所ではなく異なる場所に設置される。そのため、移動端末は、モビリティ制御のために利用するモビリティアンカーポイントを把握する必要がある。そこで、アクセスルータには、予めそのアクセスルータの近隣のモビリティアンカーポイントのアドレスが設定される。そして、移動端末は、接続したアクセスルータから、設定されているモビリティアンカーポイントのアドレスを通知してもらうことにより、モビリティアンカーポイントを把握している。
【0004】
【非特許文献1】
“ヒエラルカル モバイルアイピー バージョン6(Hierarchical Mobile IPv6)”、[online]、2002年7月、アイイーティーエフ モバイルアイピー ワーキンググループ(IETF Mobile IP Working Group)、[平成14年9月12日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-mobileip-hmipv6-06.txt>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基地局が、接続制御とモビリティ制御の両方を行う場合には、接続制御サービスとモビリティ制御サービスは、一体として提供されていた。又、接続制御を行うアクセスルータと、モビリティ制御を行うモビリティアンカーポイントとが異なる場所に設置される階層化モバイルIPにおいても、モビリティアンカーポイントのアドレスをアクセスルータに設定する必要があることから、接続制御サービスとモビリティ制御サービスは、一体として提供されていた。
【0006】
その結果、移動端末のユーザは、接続制御サービスとモビリティ制御サービスを必ずセットで利用しなければならないため、サービスを選択する自由度が小さい問題点があった。又、移動端末にサービスを提供する通信事業者も、自社が提供する接続制御サービスを利用するユーザに対してしかモビリティ制御サービスを提供できないため、モビリティ制御サービスのユーザを十分に獲得できない問題点があった。
【0007】
更に、接続制御サービスとモビリティ制御サービスとを別々に提供しようとした場合には、以下のような新たな問題を生じた。接続制御サービスを提供するためのアクセスルータとモビリティ制御サービスを提供するためのモビリティアンカーポイントが別々に設置され、管理されるようになる。そのため、アクセスルータにモビリティアンカーポイントのアドレスを予め設定しておくことができなくなる。その結果、移動端末は、アクセスルータからモビリティアンカーポイントのアドレスを通知してもらうことができなくなる。よって、移動端末は、自らモビリティアンカーポイント等の転送装置を把握できるようにしなけれならない。又、モビリティアンカーポイントも、アクセスルータからモビリティアンカーポイントのアドレスを移動端末に通知してもらうことができなくなる。よって、モビリティアンカーポイント等の転送装置は、自ら移動端末にモビリティアンカーポイントの存在を知らせることができるようにしなけれならない。
【0008】
又、モビリティ制御を行うモビリティアンカーポイント等の転送装置は、モビリティ制御サービスの加入者が使用する移動端末にだけ、パケットの転送等のモビリティ制御サービスを提供できるようにしなければならない。
【0009】
そこで、本発明は、接続制御サービスとモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能な通信システム、移動端末、転送装置及び通信方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通信システムは、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムである。更に、移動端末が、接続制御装置と接続して、転送装置を検出する検出手段と、接続制御装置と接続して、検出手段が検出した転送装置とパケットを送受信する通信手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、検出手段が転送装置を検出する。そして、通信手段が、接続制御装置と接続して、検出手段が検出した転送装置とパケットを送受信する。そのため、移動端末は、自ら転送装置を検出して把握することができる。そして、移動端末は、接続した接続制御装置を介して、検出した転送装置とパケットを送受信することができる。よって、このような移動端末を用いることにより、移動端末に対して、接続制御装置を用いて行う接続制御サービスと、転送装置を用いて行うモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能となる。
【0012】
更に、移動端末は、パケットの転送に利用する転送装置を選択する選択基準を記憶する選択基準記憶手段と、その選択基準記憶手段に記憶された選択基準に基づいて、検出手段が検出した転送装置の中から、利用する転送装置を選択する選択手段とを備え、通信手段は、選択手段が選択した転送装置とパケットを送受信することが好ましい。これによれば、移動端末は、検出した転送装置の中から選択基準に合致する最適な転送装置を選択して、その転送装置を利用してパケットを転送してもらうことができる。
【0013】
又、移動端末は、転送装置のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段と、転送装置情報記憶手段に記憶されているアドレスに送信する転送装置を探索するための探索パケットを作成する探索パケット作成手段とを備え、通信手段は、探索パケット作成手段が作成した探索パケットを送信し、その送信した探索パケットに対して、探索パケットを受信した転送装置(以下、「探索パケット受信転送装置」という)又はその探索パケット受信転送装置以外の転送装置(以下、「周辺転送装置」という)の少なくとも1つから返信された転送装置のアドレスを通知する通知パケットを受信し、検出手段は、通信手段が受信した通知パケットに基づいて、転送装置を検出することが好ましい。
【0014】
尚、周辺転送装置は、探索パケット受信転送装置以外の転送装置であるため、通信システムに含まれる探索パケット受信転送装置以外の全ての転送装置が、周辺転送装置に該当する。これによれば、探索パケット作成手段が、転送装置情報記憶手段に記憶されているアドレスに送信する探索パケットを作成する。通信手段は、その探索パケットを送信し、その探索パケットに対する通知パケットを受信する。そして、検出手段が、通知パケットに基づいて転送装置を検出する。
【0015】
そのため、移動端末自らが、転送装置を探索して検出することができる。更に、移動端末は、探索パケット受信転送装置や周辺転送装置から受け取った通知パケットに基づいて転送装置を検出する。よって、移動端末は、通信システムに存在する転送装置を容易に検出することができる。又、移動端末は、探索パケット送信時の状況に応じた通知パケットを受け取ることができる。よって、移動端末は、探索パケット送信時に通信システムに存在する転送装置を検出できる。
【0016】
更に、検出手段が検出した転送装置に送信する転送装置に関する転送装置情報を調査するためのデータを作成するデータ作成手段を備え、通信手段は、データ作成手段が作成したデータを送信し、検出した転送装置から返信されたデータに対する応答データを受信することが好ましい。これによれば、データ作成手段が、検出した転送装置の転送装置情報を調査するためのデータを作成する。通信手段は、そのデータを送信し、そのデータに対する応答データを受信する。そのため、移動端末は、検出した転送装置に関する転送装置情報を把握することができる。又、移動端末は、データ送信時の状況に応じた応答データを受け取ることにより、データ送信時の状況に応じた転送装置情報を把握できる。尚、転送装置情報を調査するためのデータとしては、例えば、ピング(ping: Packet Internet Groper)要求等を用いることができ、応答データとしては、ピング応答等を用いることができる。
【0017】
又、通知パケットに転送装置情報が含まれるようにしてもよい。これによれば、移動端末は、通知パケットに基づいて、転送装置を検出すると共に、その転送装置に関する転送装置情報を把握することができる。又、移動端末は、探索パケット送信時の状況に応じた通知パケットを受け取ることにより、探索パケット送信時の状況に応じた転送装置情報を把握できる。
【0018】
転送装置情報には、転送装置自体に関する転送装置自体情報や転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報がある。以下、転送装置と移動端末との間に関する情報を「移動端末間情報」、転送装置と転送装置との間に関する情報を「転送装置間情報」という。又、転送装置自体情報には、転送装置の処理能力、転送装置のトラフィック量、転送装置を利用している移動端末の数、転送装置の送信電力値、転送装置の信頼性等がある。又、移動端末間情報には、転送装置と移動端末との間のパケット送信における遅延値、転送装置と移動端末との間のホップ数、転送装置と移動端末との間のパケット送信におけるコスト、転送装置と移動端末との間のリンク容量、転送装置と移動端末との間の伝搬路情報等がある。
【0019】
又、通知パケットには、転送装置情報として、探索パケット受信転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間に関する転送装置間情報が含まれており、移動端末は、通知パケットに含まれる探索パケット受信転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間に関する転送装置間情報に基づいて、周辺転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報を決定する決定手段を備えることが好ましい。これによれば、移動端末は、探索パケット受信転送装置と移動端末との間の移動端末間情報と、探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間の転送装置間情報に基づいて、周辺転送装置と移動端末との間の移動端末間情報を容易に把握することができる。更に、移動端末と複数の転送装置との間で同期をとる必要もなくなる。
【0020】
又、本発明に係る他の通信システムは、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムである。更に、転送装置が、複数の転送装置のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段と、その転送装置情報記憶手段に記憶された転送装置のアドレスを取得して、転送装置のアドレスを通知する通知パケットを作成する通知パケット作成手段と、接続制御装置を介して、移動端末とパケットを送受信し、通知パケット作成手段が作成した通知パケットを移動端末に送信する通信手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
これによれば、通知パケット作成手段が、転送装置情報記憶手段に記憶された転送装置のアドレスをもとに、転送装置を通知する通知パケットを作成する。そして、通信手段が、通知パケットを移動端末に送信する。そのため、転送装置自身が、転送装置の存在を移動端末に知らせることができる。よって、転送装置は、自身の存在を通知した移動端末から、移動先の位置を示すアドレスの通知等を受信することができ、移動端末の移動先にパケットを転送することができる。よって、このような転送装置を用いることにより、移動端末に対して、接続制御装置を用いて行う接続制御サービスと、転送装置を用いて行うモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能となる。
【0022】
又、通知パケット作成手段は、例えば、通信手段が、移動端末から転送装置を探索するための探索パケットを受信した場合、通信手段が、他の転送装置から通知パケットを受信した場合、又は、通信手段が、他の転送装置から通知パケットを移動端末に送信するよう依頼する通知依頼パケットを受信した場合のいずれかの場合に、通知パケットを作成する。
【0023】
又、通知パケット作成手段は、移動端末からの探索パケットを受信した探索パケット受信転送装置以外の周辺転送装置を経由する通知パケットを作成することが好ましい。これによれば、通知パケットは、経由する周辺転送装置に関する情報も含むことができる。そのため、転送装置は、周辺転送装置に関する情報も移動端末に提供できる。尚、このときの周辺転送装置は、転送装置情報記憶手段に記憶されているアドレスの転送装置とすることができる。
【0024】
又、転送装置は、通知パケットを移動端末に送信するように、他の転送装置に依頼する通知依頼パケットを作成する依頼パケット作成手段を備えるようにし、通信手段は、依頼パケット作成手段が作成した通知依頼パケットを他の転送装置に送信するようにしてもよい。これによれば、転送装置は、他の転送装置に通知パケットの返信を依頼することにより、移動端末がより多くの転送装置から通知パケットの返信を受けることができるようにして、より多くの転送装置に関する情報を移動端末に提供できる。
【0025】
又、依頼パケット作成手段は、例えば、通信手段が、移動端末から転送装置を探索するための探索パケットを受信した場合、通信手段が、他の転送装置から通知パケットを受信した場合、又は、通信手段が、他の転送装置から通知依頼パケットを受信した場合のいずれかの場合に通知依頼パケットを作成する。
【0026】
又、通知依頼パケット作成手段は、移動端末からの探索パケットを受信した探索パケット受信転送装置以外の周辺転送装置に送信する通知依頼パケットを作成することが好ましい。これによれば、周辺転送装置が、通知パケットを移動端末に送信することになる。そのため、転送装置は、周辺転送装置に関する情報も移動端末に提供できる。尚、このときの周辺転送装置は、転送装置情報記憶手段に記憶されているアドレスの転送装置とすることができる。
【0027】
又、本発明に係る更に他の通信システムは、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムである。更に、転送装置は、接続制御装置を介して、移動端末とパケットを送受信する通信手段と、通信手段が受信したパケットが、転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に基づいて、移動端末の移動先へのパケットの転送を制御する転送制御手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
これによれば、判断手段が、移動端末から受信したパケットが、転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断する。そして、転送制御手段は、その判断結果に基づいて、移動端末の移動先へのパケットの転送を制御する。よって、転送装置は、モビリティ制御サービスの加入者が使用する移動端末等、転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末についてのみ、その移動先へのパケット転送を行うことができる。そのため、このような転送装置を用いることにより、モビリティ制御サービスの加入者にのみモビリティ制御サービスを提供できる。よって、移動端末に対して、接続制御装置を用いて行う接続制御サービスと、転送装置を用いて行うモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能となる。
【0029】
又、転送装置は、パケット転送を利用可能な移動端末毎に固有の端末情報を記憶する端末情報記憶手段を備え、判断手段は、通信手段が受信したパケットに含まれる移動端末に関する情報と、端末情報記憶手段に記憶された端末情報とが一致するか否かに基づいて、判断を行うことが好ましい。これによれば、転送装置は、パケット転送を利用可能な移動端末毎に固有の端末情報を記憶しておき、受信したパケットに含まれる移動端末に関する情報と照らし合わせることにより、容易に、受信したパケットが転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断できる。
【0030】
又、転送装置は、パケット転送を利用可能な移動端末に共通して付与される共通データを記憶するデータ記憶手段を備え、判断手段は、通信手段が受信したパケットに含まれるデータと、データ記憶手段に記憶された共通データとが一致するか否かに基づいて、判断を行うようにしてもよい。これによれば、転送装置は、パケット転送を利用可能な移動端末にだけ共通して付与される共通データを記憶しておき、受信したパケットに含まれるデータと照らし合わせることにより、容易に、受信したパケットが転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断できる。更に、データ記憶手段は、共通データのみを記憶すればよく、パケット転送を利用可能な全ての移動端末に関する情報を記憶する必要がない。よって、転送装置の記憶容量が圧迫されることを防止できる。
【0031】
又、以上説明したような通信システムにおける転送装置は、ネットワークの広さに応じて配置されることが好ましい。例えば、広いネットワークの場合には、転送装置をネットワーク内に分散して配置する。これによれば、広いネットワークであっても、転送装置を移動端末に近づけることができるため、転送装置と移動端末との間のパケット転送における遅延値を小さくすることができる。一方、狭いネットワークの場合には、転送装置をネットワークの外に配置しても構わない。この場合には、ネットワークが狭いため、そのネットワークの外に転送装置を配置しても、転送装置は移動端末の近くに存在することができ、転送装置と移動端末との間のパケット転送における遅延値を十分小さくできる。このように、ネットワークの広さに応じて転送装置を配置することにより、転送装置と移動端末との間のパケット転送における遅延値が大きくならないように、転送装置を適切に配置することができる。
【0032】
又、本発明に係る通信方法は、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる通信方法であって、移動端末が、転送装置を検出するステップと、移動端末が、接続制御装置と接続して、検出した転送装置とパケットを送受信するステップとを有することを特徴とする。
【0033】
又、通信方法は、移動端末が、パケットの転送に利用する転送装置を選択する選択基準に基づいて、検出した転送装置の中から利用する転送装置を選択するステップを有し、パケットを送受信するステップにおいて、移動端末は、選択した転送装置とパケットを送受信することが好ましい。
【0034】
更に、移動端末は、転送装置のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段を備え、通信方法は、移動端末が、転送装置情報記憶手段に記憶されているアドレスに、転送装置を探索するための探索パケットを送信するステップと、移動端末が、探索パケットに対して、その探索パケットを受信した探索パケット受信転送装置又は探索パケット受信転送装置以外の周辺転送装置の少なくとも1つから返信された転送装置のアドレスを通知する通知パケットを受信するステップとを有し、検出するステップにおいて、移動端末は、受信した通知パケットに基づいて転送装置を検出することが好ましい。
【0035】
又、通信方法は、移動端末が、検出した転送装置に、転送装置に関する転送装置情報を調査するためのデータを送信するステップと、移動端末が、検出した転送装置から返信されたデータに対する応答データを受信するステップとを有することが好ましい。又、通知パケットは、転送装置に関する転送装置情報が含まれるようにしてもよい。
【0036】
通知パケットには、転送装置情報として、探索パケット受信転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間に関する転送装置間情報が含まれており、通信方法は、移動端末が、通知パケットに含まれる探索パケット受信転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間に関する転送装置間情報に基づいて、周辺転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報を決定するステップを有することが好ましい。
【0037】
又、本発明に係る他の通信方法は、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる通信方法であって、転送装置は、複数の転送装置のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段を備え、転送装置が、転送装置情報記憶手段に記憶された転送装置のアドレスを取得して、転送装置のアドレスを通知する通知パケットを作成するステップと、転送装置が、接続制御装置を介して、通知パケット作成手段が作成した通知パケットを移動端末に送信するステップとを有することを特徴とする。
【0038】
又、通信方法は、転送装置が、通知パケットを移動端末に送信するように、他の転送装置に依頼する通知依頼パケットを作成するステップと、転送装置が、作成した通知依頼パケットを他の転送装置に送信するステップとを有するようにしてもよい。
【0039】
尚、転送装置は、例えば、移動端末から転送装置を探索するための探索パケットを受信した場合、他の転送装置から通知パケットを受信した場合又は他の転送装置から通知パケットを移動端末に送信するよう依頼する通知依頼パケットを受信した場合のいずれかの場合に、通知パケットや通知依頼パケットを作成する。
【0040】
又、本発明に係る更に他の通信方法は、移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、移動端末と接続する複数の接続制御装置と、接続制御装置と接続し、接続制御装置を介して転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる通信方法であって、転送装置が、接続制御装置を介して移動端末から受信したパケットが、転送装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断するステップと、転送装置が、判断結果に基づいて、移動端末の移動先へのパケットの転送を制御するステップとを有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0042】
[第1の実施の形態]
〔通信システム〕
図1に示すように、通信システム1は、複数のモビリティアンカーポイント(Mobility Anchor Point、以下「MAP」という)10と、複数の移動ノード(Mobile Node、以下「MN」という)20と、複数のアクセスルータ(Access Router、以下「AR」という)(A)30aと、複数のAR(B)30bと、複数のAR(C)30cと、アクセスネットワーク(Access Network)(A)40aと、アクセスネットワーク(B)40bと、アクセスネットワーク(C)40cと、バックボーンネットワーク(Backbone Network)50とを備える。通信システム1は、階層化モバイルIPv6(HMIP:Hierarchical Mobile IPv6)と呼ばれるモビリティ制御方式を利用している。
【0043】
この通信システム1は、通信事業者A社(以下、「A社」という)と、通信事業者B社(以下、「B社」という)と、通信事業者C社(以下、「C社」という)によって構築され、管理されている。バックボーンネットワーク50は、全国に張り巡らされた基幹IPネットワークである。又、アクセスネットワーク(A)40aと、アクセスネットワーク(B)40bと、アクセスネットワーク(C)40cは、一部の地域に張られた地域IPネットワークである。バックボーンネットワーク50及びアクセスネットワーク(A)40aは、A社によって構築され、管理されている。又、アクセスネットワーク(B)40bは、B社によって構築され、管理されている。又、アクセスネットワーク(C)は、C社によって構築され、管理されている。尚、アクセスネットワーク(A)40a及びアクセスネットワーク(B)40bは、広いネットワークである。又、アクセスネットワーク(C)40cは、狭いネットワークである。
【0044】
又、A社は、MN20がネットワーク(A)40aに接続するための接続制御サービスを行う。又、A社は、MN20の移動先へのパケットの転送やパケットのバッファリング等、MN20が移動してもパケットを受信できるようにするためのモビリティ制御サービスを行う。又、B社は、MN20がネットワーク(B)40bに接続するための接続制御サービスを行う。又、C社は、MN20がネットワーク(C)40cに接続するための接続制御サービスを行う。よって、A社は、接続制御サービスを行うために、複数のAR(A)30aを、アクセスネットワーク(A)40a内に配置する。又、A社は、モビリティ制御サービスを行うために、複数のMAP10を、アクセスネットワーク(A)40a内及びアクセスネットワーク(B)40b内、アクセスネットワーク(C)40cとバックボーンネットワーク50との境界に配置する。このとき、A社は、B社に配置料を支払って、アクセスネットワーク(B)40b内にMAP10を配置するための許可をもらう。又、B社は、接続制御サービスを行うために、複数のAR(B)30bを、アクセスネットワーク(B)40b内に配置する。又、C社は、接続制御サービスを行うために、複数のAR(C)30cを、アクセスネットワーク(C)40c内に配置する。
【0045】
本実施形態では、MN20のユーザは、A社とモビリティ制御サービスの利用契約を行っている。又、MN20のユーザは、A社、B社、C社とアクセス制御サービスの利用契約を行っている。そのため、MN20は、アクセスネットワーク(A)40a内においては、AR(A)30aに接続して、アクセス制御サービスを受けることができる。又、MN20は、アクセスネットワーク(A)40a内に配置されたA社のMAP10を利用して、モビリティ制御サービスを受けることができる。又、MN20は、アクセスネットワーク(B)40b内においては、AR(B)30bに接続して、アクセス制御サービスを受けることができる。又、MN20は、アクセスネットワーク(B)40b内に配置されたA社のMAP10を利用して、モビリティ制御サービスを受けることができる。又、MN20は、アクセスネットワーク(C)40c内においては、AR(C)30cに接続して、アクセス制御サービスを受けることができる。又、MN20は、アクセスネットワーク(C)40c内においては、アクセスネットワーク(C)40cとバックボーンネットワーク50との境界に配置されたA社のMAP10を利用して、モビリティ制御を受けることができる。
【0046】
MAP10は、MN20の移動先にパケットを転送するモビリティ制御を行う転送装置である。又、MAP10は、MN20がハンドオフを行う際に、MN20宛のパケットを受信して一時的にバッファリング(Buffering)し、ハンドオフ後の移動先に転送する処理も行う。MAP10は、バッファリングを行うことにより、モビリティ制御サービスの品質を向上させることができる。尚、MAP10は、バッファリングを必ずしも行う必要はない。
【0047】
このようなMN20へのパケットの転送を行うために、MAP10は、バインディング情報を記憶している。具体的には、MAP10は、MN20から、少なくともMN20の移動先の位置を示す端末気付アドレスを通知するパケット(以下、「バインディングアップデート(Binding Update)パケット」という)を受信する。例えば、MAP10は、MN20からMN20に割り当てられている固有のIPアドレスであるホームアドレス及びMN20の移動先の位置を示す端末気付アドレスを通知するバインディングアップデートパケットを受信する。ここで、MN20の移動先の位置を示す端末気付アドレスには、リンクケアオブアドレス(Link care of Address、以下「LCoA」という)等がある。LCoAは、MN20が接続しているARのIPアドレスのネットワークアドレス(Network Prefix)と、MN20に割り当てられているIPアドレスのホストアドレスとから作成される。この場合、MAP10は、MN20のホームアドレスとLCoAとを対応付け、その対応付けをバインディング情報として記憶する。
【0048】
あるいは、MAP10は、MN20から、MN20がパケットの転送に利用するMAP10の存在するネットワークを特定するデータを含むネットワーク気付アドレス及び端末気付アドレスを通知するバインディングアップデートパケットを受信してもよい。ここで、ネットワーク気付アドレスには、リージョナルケアオブアドレス(Regional care of Address、以下「RCoA」という)等がある。RCoAは、MN20がパケットの転送に利用するMAP10のIPアドレスのネットワークアドレス(Network Prefix)と、MN20に割り当てられているIPアドレスのホストアドレスとから作成される。この場合、MAP10は、MN20のRCoAとLCoAとを対応付け、その対応付けをバインディング情報として記憶する。又、MAP10は、MN20より、パケットのバッファリングを要求するバッファリング要求パケットやバッファリングを解除するバッファリング解除パケットも受信する。
【0049】
又、MAP10は、他のMAPを探索して検出することにより、自身の近隣のMAP(以下「近隣MAP」という)を把握している。又、MAP10は、MN20にMAP10のアドレスを通知して、MAP10の存在をMN20に知らせる。更に、MAP10は、MN20から受信したパケットが、MAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断して、認証処理を行う。即ち、A社とモビリティ制御サービスの利用契約を行った加入者が使用するMN20からのパケットであるか否かを判断する。そして、MAP10は、パケット転送を利用可能なMN20からのパケットである場合にのみ、そのパケットを送信したMN20の移動先へのパケットの転送を行う。
【0050】
尚、MAP10は、アクセスネットワークの広さに応じて配置される。アクセスネットワーク(A)40aやアクセスネットワーク(B)40bのように広いネットワークの場合には、MAP10は、図1に示すように、アクセスネットワーク(A)40a内やアクセスネットワーク(B)40b内に分散して配置される。これによれば、広いネットワークであっても、MAP10をMN20に近づけることができるため、MAP10とMN20との間のパケット転送における遅延値を小さくすることができる。
【0051】
一方、アクセスネットワーク(C)40cのように狭いネットワークの場合には、図1に示すように、MAP10は、アクセスネットワーク(C)40cの外であるアクセスネットワーク(C)40cとバックボーンネットワーク50との境界に配置される。このアクセスネットワーク(C)40cの場合には、ネットワークが狭いため、アクセスネットワーク(C)40cの外にMAP10を配置しても、MAP10はMN20の近くに存在することができ、MAP10とMN20との間のパケット転送における遅延値を十分小さくできる。この場合には、A社は、C社に配置料を支払って、アクセスネットワーク(C)40c内にMAP10を配置するための許可をもらう必要がないため配置コストを低減できる。このように、MAP10は、ネットワークの広さに応じて配置することにより、MAP10とMN20との間のパケット転送における遅延値が大きくならないように適切に配置することができ、モビリティ制御の性能を向上させることができる。
【0052】
AR(A)30a〜AR(C)30cは、MN20と接続する接続制御装置である。AR(A)30a〜AR(C)30cは、MN20と無線リンクを確立して接続する。AR(A)30a〜AR(C)30cは、MN20が移動して、接続先のARを切り替えるハンドオフを制御する。AR(A)30a〜AR(C)30cは、自身と無線リンクを確立して接続しているMN20から送信されたパケットを受信し、MN20が利用するMAP10に転送する。又、AR(A)30a〜AR(C)30cは、自身と無線リンクを確立して接続しているMN20宛のパケットをMN20が利用するMAP10から受信し、MN20に送信する。尚、AR(A)30a〜AR(C)30cは、それぞれA社〜C社とアクセス制御サービスの利用契約を行った加入者が使用するMN20のみと接続する。又、図1に示すように、AR(A)30a〜AR(C)30cはそれぞれ、アクセスネットワーク(A)40a〜アクセスネットワーク(C)40c内に分散して配置される。
【0053】
MN20は、AR(A)30a〜AR(C)30cと接続し、図1に示すように接続したAR(A)30a〜AR(C)30cを介して、MAP10とパケットを送受信する移動端末である(図1中点線)。MN20は、AR(A)30a〜AR(C)30cと無線リンクを確立して接続する。尚、MN20は、アクセス制御サービスの利用契約を行ったA社〜C社のAR(A)30a〜AR(C)30cと接続する。又、MN20は、MAP10を探索して検出することにより、近隣MAPを把握している。その中から、MN20は、パケットの転送に利用するMAP10を選択し、選択したMAP10にバインディングアップデートパケットを送信する。具体的には、MN20は、MAP10にMN20のホームアドレス及びMN20のLCoAを通知するバインディングアップデートパケットや、MAP10にMN20のRCoA及びMN20のLCoAを通知するバインディングアップデートパケットを送信する。又、MN20は、選択したMAP10にバッファリング要求パケットやバッファリング解除パケットも送信する。尚、MN20は、モビリティ制御サービスの利用契約を行ったA社のMAP10に、バインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット等を通知する。
【0054】
ここで、MAP10とMN20との間や、MAP10とMAP10との間等のノード間の遠近を判断する判断基準には、様々なものがある。よって、近隣MAPとは、近隣のMAPをいうが、判断基準によって異なる。例えば、ノード間の遠近の判断基準には、ノード間のパケット送信における遅延値が小さい方が近い、ノード間のホップ数が小さい方が近い、ノード間のパケット送信におけるコストが小さい方が近い、ノード間のリンク容量が大きい方が近い、ノード間の伝搬路状況が良好な方が近い、ノードの処理能力が大きい方が近い、ノードのトラフィック量が小さい方が近い、利用しているノード数が少ない方が近い、ノードの送信電力値が小さい方が近い等、様々なものがある。又、判断条件は、これらの条件のパラメータを複数組み合わせることもできる。尚、遠近を判断する判断基準は、ノードにとって、適切なものを用いることができる。又、遠近の判断基準は、通信システム1が採用しているルーティングプロトコルによっては、様々なものを用いることができる。
【0055】
又、ノード間の遠近の判断基準に様々なものがある結果、ノード間の遠近の判断に必要な情報(以下「遠近判断情報」という)にも、様々なものがある。例えば、遠近判断情報には、ノード間のパケット送信における遅延値、ノード間のホップ数、ノード間のパケット送信におけるコスト、ノード間のリンク容量、ノード間の伝搬路情報、ノードの処理能力、トラフィック量、利用しているノード数、送信電力値、信頼性等がある。本実施形態では、ノード間の遠近を判断する判断基準として、ノード間のパケット送信における遅延値が小さい方が近いという判断基準を用いる。又、遠近判断情報として、ノード間のパケット送信における遅延値を用いる。
【0056】
(MAP)
次に、MAP10について図2を用いて説明する。図2に示すように、MAP10は、アプリケーション部11と、TCP/UDP(Transmission Control Protocol/User Data gram Protocol)部12と、IPレイヤ部13と、モビリティ制御部14と、バインディング情報記憶部14aと、バッファ14bと、NMDP(Neighbor MAP Discovery Protocol)部15と、第2テーブル15aと、近隣MAPテーブル16と、判断部17と、加入者データベース17aと、リンクレイヤ部18と、インターフェース19とから構成される。
【0057】
アプリケーション部11は、様々なアプリケーションを搭載する。アプリケーション部11は、TCP/UDP部12にデータを提供したり、TCP/UDP部12からデータを取得したりする。TCP/UDP部12は、TCP/UDPレベルの制御を行う。TCP/UDP部12は、アプリケーション部11から取得したデータに、TCP/UDPヘッダを付加してIPレイヤ部13に提供する。又、TCP/UDP部12は、IPレイヤ部13から取得したデータのTCP/UDPヘッダを外し、データの内容に応じてアプリケーション部11の適切なアプリケーションに提供する。
【0058】
IPレイヤ部13は、IPレベルの制御を行う。IPレイヤ部13は、TCP/UDP部12から取得したTCP/UDPヘッダが付加されたデータに、IPヘッダを付加してリンクレイヤ部18に提供する。又、IPレイヤ部13は、リンクレイヤ部18から取得したデータのIPヘッダを外して、TCP/UDP部12に提供する。
【0059】
又、IPレイヤ部13は、MN20からMAP10へのバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット、バッファリング解除パケット等のモビリティ制御のためのパケットや、MN20のホームアドレス宛のパケットやMN20のRCoA宛のパケットを、リンクレイヤ部18から取得し、それらをモビリティ制御部14に提供する。又、IPレイヤ部13は、モビリティ制御部14から、MAP10からMN20へのバインディングアップデートパケットに対する応答パケット(以下「バインディングアップデートACKパケット」という)や、あて先アドレスがLCoAのヘッダでカプセル化されたパケットを取得し、リンクレイヤ部18に提供する。
【0060】
又、IPレイヤ部13は、MAP10のアドレスを通知するためのMAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットをリンクレイヤ部18から取得し、NMDP部15に提供する。又、IPレイヤ部13は、NMDP部15から、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットを取得し、リンクレイヤ部18に提供する。ここで、MAP通知パケットは、転送装置のアドレスを通知する通知パケットであり、転送装置としてMAP10のアドレスを通知するパケットである。又、MAP通知依頼パケットは、通知パケットを送信するように他の転送装置に依頼する通知依頼パケットであり、転送装置としてMAP10にMAP通知パケットの送信を依頼するパケットである。又、MAP探索パケットは、転送装置を探索するためのパケットであり、転送装置としてMAP10を探索するためのパケットである。
【0061】
モビリティ制御部14は、MN20の移動先へのパケットの転送を制御する転送制御手段である。又、バインディング情報記憶部14aは、モビリティ制御部14がパケットの転送を制御する際に必要なバインディング情報等を記憶する。
又、バッファ14bは、MN20宛のパケットを一時的に保持する。
【0062】
具体的には、まず、モビリティ制御部14は、MN20から送信されたバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット等のモビリティ制御に関するパケットをIPレイヤ部13から取得する。モビリティ制御部14は、取得したモビリティ制御に関するパケットを判断部17に一旦提供して、MAP10が受信したパケットが、MAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断してもらう。モビリティ制御部14は、判断結果がパケット転送を利用可能なMN20からのパケットである場合にのみ、そのパケットを判断部17から返される。
【0063】
まず、モビリティ制御部14が、バインディングアップデートパケットを取得した場合について説明する。モビリティ制御部14は、バインディングアップデートパケットに基づいてアドレスの対応付け(Binding)を行う。モビリティ制御部14は、MN20からMN20のホームアドレス及びMN20のLCoAを通知するバインディングアップデートパケットを取得した場合には、バインディングアップデートパケットに含まれるMN20のホームアドレスとLCoAとを対応付ける。モビリティ制御部14は、MN20のホームアドレスとLCoAとの対応付けを、バインディング情報としてバインディング情報記憶部14aに記録する。
【0064】
又、モビリティ制御部14は、MN20からMN20のRCoA及びMN20のLCoAを通知するバインディングアップデートパケットを取得した場合には、バインディングアップデートパケットに含まれるMN20のRCoAとLCoAとを対応付ける。モビリティ制御部14は、MN20のRCoAとLCoAとの対応付けを、バインディング情報としてバインディング情報記憶部14aに記録する。最後に、モビリティ制御部14は、バインディングアップデートパケットに対する応答のバインディングアップデートACKパケットを作成して、IPレイヤ部13に提供する。
【0065】
このようなアドレスの対応付け以降に、モビリティ制御部14は、IPレイヤ部13からMN20のホームアドレス宛のパケットやMN20のRCoA宛のパケットを取得すると、バインディング情報記憶部14aからホームアドレスやRCoAに対応付けられたLCoAを取得する。そして、モビリティ制御部14は、MN20のホームアドレス宛のパケットやMN20のRCoA宛のパケットを、あて先アドレスがLCoAのヘッダでカプセル化して、IPレイヤ部13に提供する。このようにして、モビリティ制御部14は、判断部17の判断結果に基づいて、MN20の移動先へのパケットの転送を制御する転送制御手段として機能する。
【0066】
次に、モビリティ制御部14が、バッファリング要求パケットを取得した場合について説明する。モビリティ制御部14は、バッファリング要求を受けたMN20のホームアドレスやRCoA宛のパケットをIPレイヤ部13から取得すると、バッファ14bに格納して一時的にバッファリングする。その後、モビリティ制御部14は、ハンドオフが完了したMN20からのバッファリング解除パケットを、IPレイヤ部13から取得する。そして、モビリティ制御部14は、バッファリングを終了し、バッファ14bに格納しておいたパケットをハンドオフ後のMN20の移動先に転送する。具体的には、モビリティ制御部14は、バッファ14bに格納しておいたパケットを、あて先アドレスがMN20のハンドオフ後の移動先を示すLCoAのヘッダでカプセル化して、リンクレイヤ部18に提供する。このようにして、モビリティ制御部14は、バッファリング制御も行う。
【0067】
NMDP部15は、MN20にMAP10のアドレスやMAP10に関する情報を通知して、MAP10の存在をMN20に知らせるための制御や、MAP10に関する情報をMN20に提供するための制御を行う。又、NMDP部15は、他のMAPの探索、検出を制御する。具体的には、NMDP部15は、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットの作成や処理を行う。例えば、NMDP部15は、近隣MAPテーブル16や第2テーブル15a、取得したMAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケット等に基づいて、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットを作成して、IPレイヤ部13に提供する。即ち、NMDP部15は、MAP探索パケットを作成する探索パケット作成手段、MAP通知パケットを作成する通知パケット作成手段、MAP通知依頼パケットを作成する依頼パケット作成手段等として機能する。
【0068】
又、NMDP部15は、近隣MAPテーブル16や第2テーブル15a、取得したMAP通知パケット等に基づいて、MAPの検出、MAP間に関する転送装置間情報の決定、近隣MAPテーブル16や第2テーブル15aの更新等を行う。即ち、NMDP部15は、MAP10を検出する検出手段や、転送装置間情報の決定を行う決定手段、近隣MAPテーブル16や第2テーブル15aの更新を行う更新手段として機能する。
【0069】
第2テーブル15aは、MAP10の探索や近隣MAPテーブル16の更新を行うために必要な情報や、MAP10自身の情報を記憶する。近隣MAPテーブル16は、複数のMAP10のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段である。近隣MAPテーブル16は、複数の近隣MAPに関する情報を記憶する。
【0070】
判断部17は、インターフェース19が受信したパケットが、MAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断して、ユーザ認証を行う判断手段である。加入者データベース17aは、パケット転送を利用可能なMN20毎に固有の端末情報を記憶する端末情報記憶手段である。例えば、MN20のユーザは、A社とモビリティ制御サービスの利用契約を行う際に、ユーザIDを付与されたり、パスワードの登録を行ったりする。加入者データベース17aは、例えば、パケット転送を利用可能なMN20毎に固有の端末情報として、各MN20のユーザに付与されたユーザIDや、各MN20のユーザが登録したパスワード等を記憶する。
【0071】
判断部17は、モビリティ制御部14から、MN20から送信され、インターフェース19が受信したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット等のモビリティ制御に関するパケットを取得する。判断部17は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットに含まれるMN20に関するユーザIDやパスワード等の情報と、加入者データベース17aに記憶されたパケット転送を利用可能なMN20毎に固有のユーザIDやパスワード等の端末情報とが一致するか否かに基づいて、受信したパケットがMAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断する。
【0072】
判断部17は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットに含まれるMN20に関するユーザIDやパスワード等の情報と、加入者データベース17aに記憶されたパケット転送を利用可能なMN20毎に固有のユーザIDやパスワード等の端末情報とを照らし合わせた結果、両者が一致する場合には、受信したパケットがMAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであると判断する。この場合、判断部17は、モビリティ制御部14に、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを返す。一方、判断部17は、照らし合わせた結果、両者が一致しない場合には、受信したパケットがMAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットではないと判断する。この場合には、判断部17は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを破棄する。これにより、MAP10は、パケット転送を利用可能なMN20からのパケットである場合にのみ、そのパケットを送信したMN20の移動先へのパケットの転送を行うことができる。
【0073】
リンクレイヤ部18は、データリンクレベルの制御を行う。リンクレイヤ部18は、IPレイヤ部13から取得したIPヘッダが付加されたデータに、データリンクレベルのヘッダを付加して、インターフェース19に提供する。又、リンクレイヤ部18は、インターフェース19から取得したデータのデータリンクレベルのヘッダを外して、IPレイヤ部13に提供する。
【0074】
インターフェース19は、AR(A)30a〜AR(C)30cを介して、MN20とパケットを送受信する通信手段である。インターフェース19は、AR(A)30a〜AR(C)30cと無線リンクを確立して接続する。インターフェース19は、リンクレイヤ部18から取得したバインディングアップデートACKパケットや、あて先アドレスがLCoAのヘッダでカプセル化されたパケット、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケット等を、他のMAP10やMN20に送信する。又、インターフェース19は、他のMAP10やMN20から受信したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット、バッファリング解除パケット、MN20のホームアドレス宛のパケットやMN20のRCoA宛のパケット、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケット等を、リンクレイヤ部18に提供する。
【0075】
(MN)
次に、MN20について図3を用いて説明する。図3に示すように、MN20は、アプリケーション部21と、TCP/UDP部22と、IPレイヤ部23と、モビリティ制御部24と、バインディング情報記憶部24aと、NMDP部25と、第2テーブル25aと、MAP選択ポリシー記憶部25bと、近隣MAPテーブル26と、リンクレイヤ部28と、インターフェース29とから構成される。
【0076】
アプリケーション部21は、MAP10のアプリケーション部11とほぼ同様である。但し、アプリケーション部21は、MAP選択ポリシーの設定を行う。MAP選択ポリシーとは、MN20がパケットの転送に利用するMAP10を選択する選択基準である。MAP選択ポリシーは、例えば、MAP10の信頼性、処理能力、トラフィック量、MAP10を利用しているMN20の数、送信電力値、遠近の程度、MAP10とMN20とのパケット送信における遅延値、MAP10とMN20との間のホップ数、MAP10とMN20とのパケット送信におけるコスト、MAP10とMN20との間のリンク容量、MAP10とMN20との間の伝搬路情報等のパラメータについて定めることができる。又、MAP選択ポリシーは、単独のパラメータについて定めてもよく、複数のパラメータを組み合わせて定めてもよい。
【0077】
アプリケーション部21は、定めたMAP選択ポリシーを、MAP選択ポリシー記憶部25bに記録して、設定する。又、アプリケーション部21は、新たにMAP選択ポリシーを定めた場合には、MAP選択ポリシー記憶部25bが記憶するMAP選択ポリシーを更新して、再設定する。尚、MAP選択ポリシーは、MN20のユーザや通信システム1のシステム設計者等が設定してもよい。
【0078】
MAP選択ポリシー記憶部25bは、パケットの転送に利用するMAP10を選択する選択基準を記憶する選択基準記憶手段である。MAP選択ポリシー記憶部25bは、アプリケーション部21により設定されたMAP選択ポリシーを記憶する。尚、MAP選択ポリシー記憶部25bは、MN20のユーザや通信システム1のシステム設計者等により設定されたMAP選択ポリシーを記憶してもよい。本実施形態では、MAP選択ポリシー記憶部25bは、『処理能力が、「高い」以上のMAPのうち、最も近隣にあるMAP(MAPとMNとの間のパケット送信における遅延値が最も小さいMAP)』というMAP選択ポリシーを記憶する。
【0079】
又、TCP/UDP部22は、MAP10のTCP/UDP部12と実質的に同様である。又、IPレイヤ部23も、MAP10のIPレイヤ部13とほぼ同様である。但し、IPレイヤ部23は、リンクレイヤ部28から、MAP10からMN20へのバインディングアップデートACKパケットを取得し、モビリティ制御部24に提供する。又、IPレイヤ部23は、モビリティ制御部24から、MN20からMAP10へのバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット、バッファリング解除パケット等のモビリティ制御のためのパケットを取得し、リンクレイヤ部28に提供する。又、IPレイヤ部23は、MAP10のアドレスを通知するためのMAP通知パケットをリンクレイヤ部28から取得し、NMDP部25に提供する。又、IPレイヤ部23は、NMDP部25から、MAP探索パケットを取得し、リンクレイヤ部28に提供する。
【0080】
NMDP部25は、MAPの探索、検出を制御する。具体的には、NMDP部25は、MAP探索パケットの作成や取得したMAP通知パケットの処理等を行う。例えば、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26や第2テーブル25a等に基づいてMAP探索パケットを作成し、IPレイヤ部23に提供する。即ち、NMDP部25は、MAP探索パケットを作成する探索パケット作成手段として機能する。又、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26や第2テーブル25a、取得したMAP通知パケット等に基づいて、MAPの検出、MAP10とMN20との間に関する移動端末間情報の決定、近隣MAPテーブル26や第2テーブル25aの更新等を行う。即ち、NMDP部25は、MAP10を検出する検出手段や、移動端末間情報の決定を行う決定手段、近隣MAPテーブル26や第2テーブル25aの更新を行う更新手段として機能する。
【0081】
更に、NMDP部25は、パケットの転送に利用するMAP10を選択する選択手段としても機能する。NMDP部25は、MAP選択ポリシー記憶部25bに記憶されたMAP選択ポリシーに基づいて、NMDP部25が検出したMAP10の中から、利用するMAP10を選択する。即ち、NMDP部25は、検出したMAP10と、MAP選択ポリシー記憶部25bが記憶するMAP選択ポリシーを照らし合わせて、MAP選択ポリシーに合致する最適なMAP10を選択する。NMDP部25は、選択したMAP10のアドレスをモビリティ制御部24に通知する。
【0082】
モビリティ制御部24は、MN20が移動してもパケットを送受信できるようにするためのモビリティ制御を行う。モビリティ制御部24は、NMDP部25が検出し、選択したMAP10を用いてパケットの転送を受けるように制御する。制御情報記憶部24aは、NMDP部25が選択したMAP10のアドレスや、LCoA、RCoA等、モビリティ制御に関する情報を記憶する。又、制御情報記憶部24aは、MN20のユーザがA社とモビリティ制御サービスの利用契約を行う際に付与されたユーザIDや、登録したパスワード等、ユーザ認証に必要なMN20に関する情報を記憶する。
【0083】
具体的には、まず、モビリティ制御部24は、NMDP部25から、NMDP部25が選択したMAP10のアドレスの通知を受ける。モビリティ制御部24は、NMDP部25から通知されたMAP10のアドレスを、制御情報記憶部24aに記録する。次に、モビリティ制御部24は、LCoAやRCoAを取得する。モビリティ制御部24は自ら、MN20が無線リンクを確立して接続しているARのIPアドレスのネットワークアドレス(Network Prefix)と、MN20に割り当てられているIPアドレスのホストアドレスとからLCoAを作成して、LCoAを取得する。又、モビリティ制御部24は自ら、MN20がパケットの転送に利用するMAP10のIPアドレスのネットワークアドレス(Network Prefix)と、MN20に割り当てられているIPアドレスのホストアドレスとからRCoAを作成して、RCoAを取得する。モビリティ制御部24は、取得したLCoAやRCoAを制御情報記憶部24aに記録する。
【0084】
次に、モビリティ制御部24は、NMDP部25が検出し、選択したMAP10に送信するバインディングアップデートパケットを作成する。モビリティ制御部24は、制御情報記憶部24aからMN20のLCoA、ユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なMN20に関する情報を取得する。そして、モビリティ制御部24は、MN20のホームアドレス及びMN20のLCoA、ユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なMN20に関する情報を含み、NMDP部25が検出し、選択したMAP10に宛てたバインディングアップデートパケットを作成する。あるいは、モビリティ制御部24は、制御情報記憶部24aからMN20のRCoA及びLCoAを取得して、MN20のRCoA及びMN20のLCoA、ユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なMN20に関する情報を含み、NMDP部25が検出し、選択したMAP10に宛てたバインディングアップデートパケットを作成してもよい。モビリティ制御部24は、作成したバインディングアップデートパケットをIPレイヤ部23に提供して、インターフェース29にMAP10に送信させる。最後に、モビリティ制御部24は、MAP10から送信されるバインディングアップデートパケットに対する応答のバインディングアップデートACKパケットを、IPレイヤ部23から取得することにより、アドレスの通知が完了したことを把握できる。
【0085】
このようなバインディングアップデートパケットをMAP10に送信することにより、MAP10からMN20にパケットが転送されるようになる。モビリティ制御部24は、このようにバインディングアップデートパケットを作成して、インターフェース29に送信させることにより、NMDP部25が検出し、選択したMAP10を用いてパケットの転送を受けるように制御する。
【0086】
又、モビリティ制御部24は、ハンドオフの際に、NMDP部25が検出し、選択したMAP10に宛てたバッファリング要求パケットを作成する。尚、モビリティ制御部24は、制御情報記憶部24aから、ユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なMN20に関する情報を取得し、取得した情報を含むバッファリング要求パケットを作成する。モビリティ制御部24は、作成したバッファリング要求パケットをIPレイヤ部23に提供して、インターフェース29にMAP10に送信させる。インターフェース29が新たなARに接続し、ハンドオフが完了すると、モビリティ制御部24は、新たに接続したARのIPアドレスのネットワークアドレス(Network Prefix)と、MN20に割り当てられているIPアドレスのホストアドレスとから、新たなLCoAを作成する。そして、モビリティ制御部24は、バッファリングされたパケットを転送する転送先となるMN20の移動先を示す新たなLCoAを含み、NMDP部25が検出し、選択したMAP10に宛てたバッファリング解除パケットを作成する。モビリティ制御部24は、作成したバッファリング解除パケットをIPレイヤ部23に提供して、インターフェース29にMAP10に送信させる。このようにして、モビリティ制御部24は、バッファリングに関する制御も行う。
【0087】
第2テーブル25aは、MAP10の探索や近隣MAPテーブル26の更新を行うために必要な情報を記憶する。近隣MAPテーブル26は、MAP10のアドレスを記憶する転送装置情報記憶手段である。近隣MAPテーブル26は、複数の近隣MAPに関する情報を記憶する。
【0088】
〔通信方法〕
(MAPの探索、検出)
次に、MN20やMAP10によるMAP10の探索、検出と、MAP10によるMAP10のアドレスやMAP10に関する情報の通知について説明する。図1に示した通信システム1において、アクセスネットワーク(A)40a内、アクセスネットワーク(B)40b内、バックボーンネットワーク50とアクセスネットワーク(C)40cとの境界に配置された複数のMAP10と、1つのMN20だけを取り出すと、図4に示すようになる。図4に示された複数のMAP(a)10a〜MAP(n)10nを用いて、説明を行う。括弧内のアルファベットは、複数のMAP10を区別するためのMAP記号である。
【0089】
まず、MN20やMAP10によるMAP10の探索、検出と、MAP10によるMAP10のアドレスやMAP10に関する情報の通知において利用する近隣MAPテーブル16,26と、第2テーブル15a,25aについて詳細に説明する。MAP10が備える近隣MAPテーブル16について、図5に示すMAP(k)10kが備える近隣MAPテーブル16kを例にとって説明する。
【0090】
図5に示すように、近隣MAPテーブル16kは、最大MAP登録数の近隣MAPに関する情報を記憶する。近隣MAPテーブル16では、最大ノード登録数は、「5」に設定されている。このように、最大ノード登録数を設定することにより、MAP10の記憶容量の圧迫を防止できる。又、近隣MAPテーブル16kでは、近隣MAPとしてMAP(k)10k自身も含んでいる。これによれば、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)10k自身を、近隣MAPテーブル16kから外すという例外処理を行う必要がなく、簡便である。但し、MAP10の記憶容量の圧迫を防止するために、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)10k自身は、近隣MAPテーブル16kに登録しないように設定してもよい。
【0091】
近隣MAPテーブル16kは、各近隣MAPについて、IPアドレス、遅延値(単位はmsec)、処理能力、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶する。図5においては、説明を簡単にするためにIPアドレスとしてMAP記号を用いている。以下、MAP10のIPアドレスは、MAP記号を用いて表す。又、MN20のIPアドレスは、「MN」と表す。
【0092】
遅延値は、近隣MAPテーブル16kを備えるMAP(k)10k自身と各近隣MAPとの間の片道伝送遅延値である。このように、近隣MAPテーブル16kは、転送装置間情報であり、遠近判断情報として利用できる遅延値を記憶している。近隣MAPテーブル16kは、「遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶する」という基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶する。そのため、MAP10は、記憶している情報の管理や更新作業を容易にすることができる。
【0093】
処理能力は、各近隣MAPの処理能力である。又、処理能力は、MAP10自体の特性を表す転送装置自体情報である。処理能力は、4段階に分けられた処理能力の高さ、最高(「00」と表す)、高い(「01」と表す)、中程度(「10」と表す)、低い(「11」と表す)によって示される。MAP10の処理能力の高さは、MAP10の処理速度、MAP10を利用しているMN20の数、MAP10の記憶容量やCPU速度等のハードウェアスペック等を基準に判断する。
【0094】
生存時間は、各近隣MAPに関する情報の近隣MAPテーブル16k内の生存時間である。生存時間は、NMDP部15によって毎秒減少される。生存時間が0に達すると、その近隣MAPに関する情報は、NMDP部15によって近隣MAPテーブル16kから消去される。シーケンスナンバ1は、各近隣MAPに関する遅延値、処理能力、生存時間を更新する基準となったMAP通知パケットのシーケンスナンバである。
【0095】
次に、MAP10が備える第2テーブル15aについて、図5に示すMAP(k)10kが備える第2テーブル15aを例にとって説明する。図5に示すように、第2テーブル15aは、シーケンスナンバ2、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、処理能力、タイマの時間(単位はsec)、平滑化係数αを記憶する。
【0096】
シーケンスナンバ2は、MAP(k)10kが最後に送信したMAP探索パケットのシーケンスナンバである。シーケンスナンバ2は、NMDP部15によって、MAP探索パケットを作成する際に「1」加算される。初期生存時間は、近隣MAPテーブル16kの生存時間を更新する際に設定する生存時間である。探索生存時間は、MAPの探索を開始する時間である。そのため、近隣MAPテーブル16kの生存時間が、第2テーブル15aの探索生存時間に達すると、NMDP部15によってその近隣MAPに対するMAP探索が開始される。
【0097】
処理能力は、MAP(k)10k自身の処理能力である。処理能力は、近隣MAPテーブル16kと同様に、4段階に分けられた処理能力の高さによって示される。タイマは、MAP(k)10kが遅延値を計測するための時間を示す。遅延値計測の精度を向上させるために、タイマの時間は、NMDP部15によって、ミリ秒単位で更新されることが好ましい。平滑化係数αは、遅延値を決定する際に、計測した遅延値と以前の遅延値との平滑化を図るために用いる。平滑化係数は、0以上1以下の任意の値を設定することができる。本実施形態では、平滑化係数αは「0.5」に設定されている。
【0098】
次に、MN20が備える近隣MAPテーブル26を説明する。図6に示すように、近隣MAPテーブル26は、最大ノード登録数の近隣MAPに関する情報を保持する。近隣MAPテーブル26では、最大ノード登録数は「5」に設定されている。このように、最大ノード登録数を設定することにより、MN20の記憶容量の圧迫を防止できる。
【0099】
近隣MAPテーブル26は、各近隣MAPについて、IPアドレス、遅延値(単位はmsec)、処理能力、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶している。遅延値は、各近隣MAPとMN20との間の片道伝送遅延値である。近隣MAPテーブル26は、「遅延値の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶する」という基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶する。そのため、MN20は、記憶している情報の管理や更新作業を容易にすることができる。処理能力、生存時間、シーケンスナンバ1は、MAP(k)10kの近隣MAPテーブル16kとほぼ同様である。
【0100】
次に、MN20が備える第2テーブル25aを説明する。図6に示すように、第2テーブル25aは、シーケンスナンバ2、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、タイマの時間(単位はsec)、平滑化係数βを記憶する。これらは、MAP(k)10kの第2テーブル15aとほぼ同様である。但し、第2テーブル25aにおいては、第2テーブル15aに比べて、初期生存時間は短く設定され、それに伴い探索生存時間も短く設定されることが好ましい。これによれば、MN20は、高頻度にMAP10の探索を行うことができる。そのため、MN20は、移動に伴い変化する近隣MAPに関する情報を、高頻度にアップデートすることができ、移動に応じたMAP10に関する情報を、適切に把握することができる。更に、第2テーブル25aの平滑化係数βは、第2テーブル15aの平滑化係数αに比べて、小さく設定されることが好ましい。これによれば、MN20は、移動に伴い変化する近隣MAPとMN20との間の遅延値を、適切に把握することができる。本実施形態では、平滑化係数βは「0」に設定されている。
【0101】
1.MAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケットの送受信
MN20によるMAP10の探索、検出を例にとって説明する。又、MN20が備える近隣MAPテーブル26が、図6に示す状態の場合を例にとって説明する。近隣MAPテーブル26に近隣MAPとして記憶されているMAP(k)10kの生存時間は、現在16(sec)であり、毎秒減少される。そして、1秒後に、近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kの生存時間が、第2テーブル25aの探索生存時間15(sec)に達し、生存時間と探索生存時間が一致すると、MN20は、MAP(k)10kに対してMAPの探索を開始する。
【0102】
MAPの探索が開始されると、図7に示すように、MN20は、MAP(k)10kにMAP探索パケットを送信し、それをMAP(k)10kが受信する(図7中実線の矢印で示す)。よって、ここでは、MAP(k)10kが探索パケット受信転送装置となる。図7では、MAP(a)10a〜MAP(n)10n、MN20が備える近隣MAPテーブル16a〜16n、近隣MAPテーブル26を、各MAP(a)10a〜MAP(n)10n、MN20とともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、各MAP(a)10a〜MAP(n)10nやMN20とその近隣MAPとの遅延値(小数点以下の記載を省略)のみを記載している。
【0103】
具体的には、MN20のNMDP部25が、図8に示すMAP探索パケット3を作成し、インターフェース29が送信する。MAP探索パケット3は、IPv6ヘッダ31と、終点オプションヘッダ32とから構成される。IPv6ヘッダ31には、IPのバージョンを示すバージョン、MAP探索パケット3の送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納されている。尚、ここでは、本発明に関連するものだけを説明するが、IPv6ヘッダには、他にも様々な情報が格納されている。終点オプションヘッダ32は、IPv6のオプションの拡張ヘッダの1つである。終点オプションヘッダ32は、パケットの種類を示すタイプ、MAP探索パケット3を管理するシーケンスナンバ、MAP探索を開始する時刻(MAP探索パケット3を送信する時刻)を示す探索開始時刻、探索パケット受信転送装置とMN20との間のパケット送信における遅延値が格納される。
【0104】
NMDP部25は、IPv6ヘッダ31の始点アドレスにMN20の「MN」を、終点アドレスにMAP(k)のIPアドレス「k」を設定する。又、NMDP部25は、終点オプションヘッダ32のタイプに、MAP探索パケット3を示す「31」を設定する。又、NMDP部25は、終点オプションヘッダ32のシーケンスナンバに、図6に示す第2テーブル25aのシーケンスナンバ2の値「667」に1を加算した「668」を設定する。このとき、NMDP部25は、第2テーブル25aのシーケンスナンバ2の値も「668」に更新する。
【0105】
更に、NMDP部25は、終点オプションヘッダ32の探索開始時刻に、第2テーブル25aのタイマのMAP探索パケット3作成時の時間「53.0121」(図6に示す「52.0121」の状態から1秒後にMAP探索は開始されている)をコピーして、設定する。又、NMDP部25は、終点オプションヘッダ32の遅延値に、MN20と探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kとの間の遅延値として、図6に示す近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kとの遅延値「8.1」をコピーして、設定する。このようにして、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26に記憶されている近隣MAPのアドレスに送信するMAP探索パケット3を作成し、探索パケット作成手段として機能する。
【0106】
MAP探索パケット3を受信したMAP(k)10kが、図7に示すように、MAP(k)10kの近隣MAPテーブル16kに記憶されている全ての近隣MAP、即ち、MAP(k)10k、MAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gに対して、MAP通知依頼パケットを送信する(図7中一点鎖線の矢印で示す)。このように、探索パケット受信転送装置となったMAP(k)10kは、MAP(k)10k自身以外のMAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gにMAP通知依頼パケットを送信する。よって、ここでは、MAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gが周辺転送装置となる。
【0107】
尚、MAP(k)10kは、上記したように、近隣MAPテーブル16kに記憶されている全ての近隣MAPに対して、一律にMAP通知依頼パケットを送信する。これによれば、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kの動作を簡単にできる。しかし、この場合には、MAP(k)10k自身に対してもMAP通知依頼パケットを送信してしまう。そのため、MAP(k)10kは、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10k自身を、MAP通知依頼パケットの送信先から例外的に外すようにしてもよい。
これによれば、余計なパケットの送信を防止することができる。
【0108】
具体的には、MAP(k)10kのNMDP部15が、MAP通知依頼パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)10iと、MAP(f)1fへのMAP通知依頼パケットの送信を例にとって説明する。図9(a)は、MAP(i)10iに送信するMAP通知依頼パケット4iを示し、図9(b)は、MAP(f)10fに送信するMAP通知依頼パケット4fを示す。
【0109】
MAP通知依頼パケット4i,4fは、IPv6ヘッダ41i,41fと、終点オプションヘッダ42i,42fとから構成される。IPv6ヘッダ41i,41fには、IPのバージョンを示すバージョン、MAP通知依頼パケット4i,4fの送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納される。終点オプションヘッダ42i,42fには、タイプ、MAP探索パケットを送信したMN20やMAP10を示す探索元アドレス、MAP通知依頼パケット4i,4fを管理するシーケンスナンバ、探索開始時刻、MAP探索パケットを送信したMN20やMAP10と探索パケット受信転送装置との間のパケット送信における遅延値1、探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間のパケット送信における遅延値2が格納されている。
【0110】
MAP(k)10kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ41iの始点アドレスに、MAP(k)10kのIPアドレス「k」を、終点アドレスに、MAP(i)10iのIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(k)10kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iのタイプに、MAP通知依頼パケットを示す「32」を設定する。又、MAP(k)10kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの探索元アドレスに、受信した図8に示すMAP探索パケット3の始点アドレスであるMN20のIPアドレス「MN」をコピーして、設定する。
【0111】
又、MAP(k)10kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iのシーケンスナンバ、探索開始時刻に、受信した図8に示すMAP探索パケット3のシーケンスナンバの値「668」、探索開始時刻の値「53.0121」をコピーして設定する。又、MAP(k)10kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの遅延値1に、MAP探索パケットを送信したMN20と、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kとの間の遅延値として、図8に示すMAP探索パケット3の遅延値「8.1」をコピーして設定する。又、MAP(k)のNMDP部15は、終点オプションヘッダ42iの遅延値2に、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kと、周辺転送装置であるMAP(i)10iとの間の遅延値として、図5に示す近隣MAPテーブル16kのMAP(i)10iとの遅延値「6.8」をコピーして設定する。このようにして、MAP(k)10kのNMDP部15は、MAP通知依頼パケット4iを作成し、依頼パケット作成手段として機能する。
【0112】
同様にして、MAP(k)10kのNMDP部15は、MAP(f)10fへのMAP通知依頼パケット4fを作成する。但し、MAP(k)10kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ41fの終点アドレスに、MAP(f)10fのIPアドレス「f」を設定する。又、MAP(k)10kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ42fの遅延値2に、図5に示す近隣MAPテーブル16kのMAP(f)10fとの遅延値「6.5」をコピーして、設定する。
【0113】
MAP通知依頼パケットを受信したMAP(k)10k、MAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gは、図7に示すように、MN20に対して、MAP通知パケットを送信する(図7中点線の矢印で示す)。このように、周辺転送装置となったMAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gは、MAP10探索パケットを送信したMN20にMAP通知パケットを返信する。尚、上記したように、MAP(k)10kが、近隣MAPテーブル16kに記憶されている全ての近隣MAPに対して、一律にMAP通知依頼パケットを送信したため、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kも、MAP通知依頼パケットを受信し、MAP通知パケットの送信を行う。
【0114】
具体的には、MAP(k)10k、MAP(f)10f、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(g)10gのNMDP部15が、MAP通知パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)10iと、MAP(f)10fからのMAP通知パケットの返信を例にとって説明する。図10(a)は、MAP(i)10iから返信されるMAP通知パケット5iを示し、図10(b)は、MAP(f)10fから返信されるMAP通知パケット5fを示す。
【0115】
MAP通知パケット5i,5fは、IPv6ヘッダ51i,51fと、終点オプションヘッダ52i,52fとから構成される。IPv6ヘッダ51i,51fには、IPのバージョンを示すバージョン、MAP通知パケット5i,5fの送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ52i,52fには、タイプ、MAP通知パケット5i,5fを管理するシーケンスナンバ、探索開始時刻、MAP探索パケットを送信したMN20やMAP10と探索パケット受信転送装置との間のパケット送信における遅延値1、探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間のパケット送信における遅延値2と、周辺転送装置の処理能力が格納されている。
【0116】
MAP(i)10iのNMDP部15は、IPv6ヘッダ51iの始点アドレスに、MAP(i)10iのIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(i)10iのNMDP部15は、IPv6ヘッダ51iの終点アドレスに、受信した図(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの探索元アドレスであるMN20のIPアドレス「MN」をコピーして、設定する。又、MAP(i)10iのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iのタイプに、MAP通知パケットを示す「33」を設定する。
【0117】
又、MAP(i)10iのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iのシーケンスナンバ、探索開始時刻に、受信した図9(a)に示すMAP通知依頼パケット4iのシーケンスナンバの値「668」、探索開始時刻の値「53.0121」をコピーして設定する。又、MAP(i)10iのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの遅延値1に、MAP探索パケットを送信したMN20と探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kとの間の遅延値を、図9(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの遅延値1「8.1」をコピーして設定する。又、MAP(i)10iのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの遅延値2に、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kと、周辺転送装置であるMAP(i)10iとの間の遅延値を、図9(a)に示すMAP通知依頼パケット4iの遅延値2「6.8」をコピーして、設定する。
【0118】
又、MAP(i)10iのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52iの処理能力に、周辺転送装置であるMAP(i)10i自身の処理能力を、MAP(i)10iが備える第2テーブル15aの処理能力をコピーして設定する。ここでは、MAP(i)10iの処理能力は、「01」(高い)であるとする。このようにして、MAP(i)10iのNMDP部15は、MAP通知パケット5iを作成し、通知パケット作成手段として機能する。
【0119】
同様にして、MAP(f)10fのNMDP部15は、MAP(f)10fからのMAP通知パケット5fを作成する。但し、MAP(f)10fのNMDP部15は、IPv6ヘッダ51fの終点アドレスに、MAP(f)10fのIPアドレス「f」を設定する。又、MAP(f)10fのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52fの遅延値2に、図9(b)に示すMAP通知依頼パケット4fの遅延値2「6.5」をコピーして、設定する。又、MAP(f)10fのNMDP部15は、終点オプションヘッダ52fの処理能力に、MAP(f)10fが備える第2テーブルの処理能力をコピーして設定する。ここでは、MAP(f)10fの処理能力は、「11」(低い)であるとする。
【0120】
2.移動端末間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新
次に、MAP通知パケットを受信したMN20は、返信されたMAP通知パケットに基づいて、移動端末間情報の決定、MAP10の検出、近隣MAPテーブル26の更新を行う。以下、MAP(i)10iと、MAP(f)10fから返信されたMAP通知パケット5i,5fを例にとって説明する。図11は、MN20が、MAP(i)10iから返信されたMAP通知パケット5iを受信した時の近隣MAPテーブル26、第2テーブル25aの状態を示す。又、図12は、MN20が、MAP(f)10fから返信されたMAP通知パケット5fを受信した時の近隣MAPテーブル26、第2テーブル25aの状態を示す。尚、図11、図12に示す近隣MAPテーブル26、第2テーブル25aでは、図6に示したMAP探索を開始する直前の状態から、既に更新されている箇所もある。
【0121】
まず、MN20が、MAP(i)10iから返信されたMAP通知パケット5iを受信した場合を説明する。MN20は、MAP通知パケット5iを受信すると、まず、MN20と周辺転送装置であるMAP(i)10iとの間の遅延値を計測する。具体的には、MN20のNMDP部25は、MAP通知パケット5i受信時の第2テーブル25a(図11)のタイマの時間を参照し、MAP通知パケット5iの到着時刻「53.0330」を取得する。次に、NMDP部25は、受信したMAP通知パケット5i(図10(a))から、探索開始時刻「53.0121」、MN20と探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kとの間の遅延値1「8.1」、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kと周辺転送装置であるMAP(i)10iとの間の遅延値2「6.8」を取得する。
【0122】
そして、NMDP部25は、到着時刻から、探索開始時刻、遅延値1、遅延値2を減じる計算を行い、MN20と、MAP(i)10iとの間の遅延値を求める。計算結果は、53.0330―(53.0121+0.0081+0.0068)=0.0060となった。このように、MN20において計測されたMAP(i)10iとの間の遅延値は、0.0060(sec)、即ち、6.0(msec)となった。
【0123】
次に、NMDP部25は、MAP通知パケット5i(図10(a))の始点アドレス「i」が、近隣MAPテーブル26(図11)のIPアドレスにあるか否かを検索する。NMDP部25は、新たに受信したMAP通知パケット5iの始点アドレス「i」が、近隣MAPテーブル26に存在すれば、MAP通知パケット5iの送信元であるMAP(i)10iは、既に検出しているMAPであると判断する。そのため、この場合、NMDP部25は、MAP通知パケット5iを、既に近隣MAPとして記憶しているMAP(i)10iに関する情報の更新に利用すると判断する。図11の場合、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26のIPアドレスに、始点アドレス「i」があるため、MAP通知パケット5iを、MAP(i)10iに関する情報の更新に利用すると判断する。
【0124】
次に、NMDP部25は、受信したMAP通知パケット5iに基づく、近隣MAPテーブル26の既存のMAP(i)10iに関する情報の更新を実行すべきか否かを判断する。具体的には、NMDP部25は、受信したMAP通知パケット5iのシーケンスナンバ「668」と、MAP通知パケット5i受信時の近隣MAPテーブル26(図11)のMAP(i)10iについてのシーケンスナンバ1「667」とを比較する。そして、NMDP部25は、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバの方が大きい場合には、そのMAP通知パケット5iに基づく情報は最新の情報であり、情報の更新を実行すると判断する。図11の場合、NMDP部25は、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバの方が大きいため、情報の更新を実行すると判断する。
【0125】
一方、MN20が、前回近隣MAPテーブル26を更新した時に用いたMAP通知パケットに対応するMAP探索パケットよりも、以前に送信したMAP探索パケットに対するMAP通知パケットが、何らかの理由で遅れてMN20に到着する場合がある。そのため、MAP通知パケット5iのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル26のMAP(i)10iについてのシーケンスナンバ1よりも小さい場合には、そのMAP通知パケット5iに含まれる情報は、最新の情報や適切な情報ではない可能性がある。よって、この場合には、NMDP部25は、情報の更新を実行しないと判断する。
【0126】
次に、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26のMAP(i)10iに関する情報の更新を実行する。まず、NMDP部25は、計測した遅延値の平滑化を行う。具体的には、NMDP部15は、図11に示すMAP通知パケット5i受信時の近隣MAPテーブル26、第2テーブル25aを参照し、MAP(i)10iについての既存の遅延値「6.3」、平滑化係数β「0」を取得する。そして、NMDP部25は、以下に示す(1)式に、上記の計測した遅延値、既存の遅延値、平滑化係数βを代入して、遅延値の平滑化を行う。代入結果は(2)式に示すようになった。
【0127】
既存の遅延値×β+計測した遅延値×(1−β) (1)
6.3×0+6.0×(1−0)=6.0 (2)
このように平滑化された遅延値は、6.0(sec)となった。NMDP部25は、このように、周辺転送装置であるMAP(i)10iとMN20との間の遅延値を計測したり、平滑化したりすることによって遅延値を決定し、周辺転送装置とMN20との間の移動端末間情報を決定する決定手段として機能する。尚、遅延値の平滑化は、必ずしも行う必要はない。
【0128】
次に、NMDP部25は、MAP通知パケット5i(図10(a))から、処理能力「01」(高い)、シーケンスナンバ「668」を取得する。又、NMDP部25は、第2テーブル25a(図11)から初期生存時間「30」を取得する。そして、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26(図11)のMAP(i)10iに関する既存の遅延値「6.3」を、決定した遅延値「6.0」に、既存の処理能力「01」(高い)を、取得した処理能力「01」(高い)に、既存の生存時間「21」を、取得した初期生存時間「30」に、既存のシーケンスナンバ1「667」を、取得したシーケンスナンバ「668」にそれぞれ更新して、最新の情報とする。
【0129】
このような更新を行った結果、近隣MAPテーブル26のMAP(i)10iに関する情報は、図12に示す近隣MAPテーブル26のMAP(i)10iに関する情報のようになり、最新の情報となる。このようにして、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26を更新し、更新手段として機能する。
【0130】
次に、MN20が、MAP(f)10fから返信されたMAP通知パケット5fを受信した場合を説明する。MN20は、MAP通知パケット5fを受信すると、まず、MN20と、周辺転送装置であるMAP(f)10fとの間の遅延値を計測する。具体的には、NMDP部25は、MAP通知パケット5f受信時の第2テーブル25a(図12)のタイマの時間を参照し、MAP通知パケット5fの到着時刻「53.0419」を取得する。次に、NMDP部25は、受信したMAP通知パケット5f(図10(b))から、探索開始時刻「53.0121」、MN20と探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kとの間の遅延値1「8.1」、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kと周辺転送装置であるMAP(f)10fとの間の遅延値2「6.5」を取得する。
【0131】
そして、NMDP部25は、MAP通知パケット5の場合と同様の計算を行い、MN20とMAP(f)10fとの間の遅延値を求める。計算結果は、53.0419―(53.0121+0.0081+0.0065)=0.0152となった。このように、MN20において新たに計測されたMAP(f)10fとMN20との間の遅延値は、0.0152(sec)、即ち、15.2(msec)となった。
【0132】
次に、NMDP部25は、MAP通知パケット5f(図10(b))の始点アドレス「f」が、近隣MAPテーブル26(図12)のIPアドレスにあるか否かを検索する。NMDP部25は、新たに受信したMAP通知パケット5fの始点アドレス「f」が、近隣MAPテーブル26に存在しなければ、MAP通知パケット5fの送信元であるMAP(f)10fは、新たに検出したMAPであると判断する。即ち、MAP(f)10fは、近隣MAPテーブル26に、MN20の近隣MAPとして新規に登録される可能性があると判断する。図12の場合、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26のIPアドレスに、始点アドレス「f」がないため、MAP(f)10fは、新たに検出したMAPであると判断する。
【0133】
次に、NMDP部25は、検出したMAP(f)10fを、MN20の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル26に新規に記録するか否かを判断する。まず、NMDP部25は、MAP通知パケット5fに基づいて計測したMAP(f)10fの遅延値が、MAP通知パケット5f受信時の近隣MAPテーブル26(図12)に記憶さている近隣MAPの遅延値の最大値よりも小さいか否かを比較する。
【0134】
MAP(f)10fの遅延値が、近隣MAPテーブル26(図12)の遅延値の最大値以上の場合には、NMDP部25は、MAP(f)10fを、MN20の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル26に新規に記録することはしないと判断する。図12の場合、NMDP部25は、計測したMAP(f)10fの遅延値「15.2」が、近隣MAPテーブル26の遅延値の最大値以上であるため、MAP(f)10fを、近隣MAPテーブル26に新規に記録することはしないと判断する。この場合、NMDP部25は、MAP通知パケット5fに基づく、近隣MAPテーブル26の更新を行わない。
【0135】
一方、MAP(f)10fの遅延値が、MAP通知パケット5f受信時の近隣MAPテーブル26の遅延値の最大値よりも小さい場合には、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26の遅延値の最大値を持つ近隣MAPに関する情報を消去する。そして、NMDP部25は、MAP通知パケット5fに基づいて、近隣MAPテーブル26を更新する。これにより、NMDP部25は、MAP(f)10fを、新たなMN20の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル26に記録する。
【0136】
具体的には、NMDP部25は、MAP(f)10fは新規に登録されるMAPであるため、計測した遅延値をそのまま、近隣MAPテーブル26に格納する遅延値と決定する。又、NMDP部25は、MAP通知パケット5fから、始点アドレス、処理能力、シーケンスナンバを取得し、第2テーブル25aから初期生存時間を取得する。そして、NMDP部25は、近隣MAPテーブル26が遅延値の小さい順番に近隣MAPに関する情報を記憶するという基準に従う位置に、取得したMAP(f)10fに関する情報を格納する。
【0137】
このようにして、MN20は、新たに検出したMAP(f)10fを、MN20の近隣MAPとして近隣MAPテーブル26に登録することができる。又、近隣MAPテーブル26は、遅延値の小さい順に上位一定数の近隣MAPを記憶することができる。NMDP部25は、このようにして、MAP通知パケットfに基づいて、新たなMAPを検出し、検出手段として機能する。又、NMDP部25は、決定した遅延値や、新たに検出したMAPに基づいて、近隣MAPテーブル26を更新し、更新手段として機能する。
【0138】
3.近隣MAPの消去
図7では、MN20が送信したMAP探索パケットに対して、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)10kから、MAP通知パケットが返信されている。しかし、MAP(k)10kが、故障により機能不全に陥った場合や、撤去された場合には、MN20が送信したMAP探索パケットに対して、MAP(k)10kから、MAP通知パケットの返信がされてくることはない。
【0139】
ここで、上述した通り、MAP探索は、図6に示した近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kについての生存時間のように、近隣MAPに関する情報の生存時間が短くなってきたときに開始される。又、生存時間は、毎秒減少される。そして、MAP(k)10kからのMAP通知パケットの返信がない場合には、近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kについての情報は更新されず、生存時間も更新されない。その結果、近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kの情報の生存時間は、0に到達してしまう。この場合、MN20のNMDP部25は、MAP(k)10kに関する情報を、近隣MAPテーブル26から消去する。
【0140】
又、上記したように、MAP(k)10kから返信されたMAP通知パケットのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kのシーケンスナンバ1よりも小さい場合にも、MAP通知パケットに基づく情報の更新がされず、生存時間も更新されない。よって、この場合も同様に、近隣MAPテーブル26のMAP(k)10kの情報の生存時間が0に到達し、NMDP部25は、MAP(k)10kに関する情報を近隣MAPテーブル26から消去する。
【0141】
以上、MN20によるMAP10の探索、検出を例にとって説明したが、MAP10も、MN20によるMAP10の探索、検出の場合と同様にして、MAP10の探索、検出を行うことができる。即ち、MAP10のNMDP部15が、MAP探索パケットを作成する探索パケット作成手段として機能する。又、NMDP部15が、MAP通知パケットに基づいてMAPの検出を行う検出手段として機能する。又、NMDP部15が、MAP通知パケットに基づいて遅延値(転送装置間情報)の決定を行う決定手段として機能する。更に、NMDP部15が、MAP通知パケットに基づいて近隣MAPテーブル16の更新を行う更新手段として機能する。そして、MAP10も、上記したようにMAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケットの送受信、転送装置間情報の決定、MAP10の検出、近隣MAPテーブル16の更新、近隣MAPの消去等を行う。
【0142】
4.MN20の移動
次に、MN20が、図13中矢印Dで示す移動経路上を移動しながら、MAP10を探索、検出する様子を説明する。最初、MN20は、図13中矢印Aで示す位置にいる。尚、図13中矢印Aで示す位置は、図1に示した通信システム1におけるアクセスネットワーク(A)40a内であり、アクセスネットワーク(B)40bに近い。
【0143】
MN20の近隣MAPテーブル26のいずれかのMAPに関する情報についての生存時間が探索生存時間に到達すると、MN20は、MAP探索を開始する。
MN20のNMDP部25は、そのMAPに対して、MAP探索パケットを送信する。次に、NMDP部25は、周辺転送装置となったMAPから返信されたMAP探索パケットに対するMAP通知パケットを受信する。そして、NMDP部25は、受信したMAP通知パケットに基づいて新たなMAPを検出し、近隣MAPテーブル26を更新する。
【0144】
その結果、図13中矢印Aで示す位置にいるMN20との間の遅延値が小さい近隣MAPに関する情報が、遅延値の小さいMAP(g)10g、MAP(i)10i、MAP(k)10k、MAP(h)10h、MAP(n)10nの順で近隣MAPテーブル26に記録される。この場合、MN20が存在する図13中矢印Aで示す位置は、図1に示した通信システム1におけるアクセスネットワーク(A)40a内であり、アクセスネットワーク(B)40bに近いため、MN20は、アクセスネットワーク(A)40a内に配置されているMAP10とアクセスネットワーク(B)40b内に配置されているMAP10の両方を検出し、近隣MAPテーブル26に記録することができる。
【0145】
図6に示したとおり、MN20が備える第2テーブル25aに記憶された初期生存時間、探索生存時間は短く設定されている。そのため、MN20が、図13中矢印Aで示す位置から矢印Bで示す位置を経由して、矢印Cで示す位置まで、矢印Dで示す移動経路上を進む間、近隣MAPテーブル26の各近隣MAPに関する情報についての生存時間が、次々に探索生存時間に到達し、MN20は、MAP探索を繰り返し行う。
【0146】
その結果、図13中矢印Bで示す位置では、図13中矢印Bで示す位置にいるMN20との間の遅延値が小さい近隣MAPに関する情報が、遅延値の小さいMAP(k)10k、MAP(i)10i、MAP(n)10n、MAP(h)10h、MAP(g)10gの順で近隣MAPテーブル26に記録される。尚、図13中矢印Bで示す位置は、図1に示した通信システム1におけるアクセスネットワーク(B)40b内であり、アクセスネットワーク(A)40aに近い。そのため、MN20は、アクセスネットワーク(A)40a内に配置されているMAP10とアクセスネットワーク(B)40b内に配置されているMAP10の両方を検出し、近隣MAPテーブル26に記録することができる。
【0147】
又、図13中矢印Cで示す位置では、図13中矢印Cで示す位置にいるMN20との間の遅延値が小さい近隣MAPに関する情報が、遅延値の小さいMAP(n)10n、MAP(k)10k、MAP(i)10i、MAP(l)10l、MAP(e)10eの順で近隣MAPテーブル26に記録される。尚、図13中矢印Cで示す位置は、図1に示した通信システム1におけるアクセスネットワーク(C)40c内であり、アクセスネットワーク(B)40bに近い。そのため、MN20は、アクセスネットワーク(B)40b内に配置されているMAPとバックボーンネットワーク50とアクセスネットワーク(C)40cとの境界に配置されているMAPの両方を検出し、近隣MAPテーブル26に記録することができる。
【0148】
尚、MN20が備える近隣MAPテーブル26に、初期設定として、予め、通信システム1が備えるMAP10のアドレスと、遅延値を少なくとも1つ設定しておくことが好ましい。これによれば、MN20は、少なくとも1つのMAP10にMAP探索パケットを送信して、MAP探索を開始することができる。尚、設定するMAP10のアドレスは、任意のMAP10のものでよいが、MN20のユーザが通信システム1を利用する地域等を考慮して、ユーザが利用する地域に配置されたMAP10のアドレス等を設定することが好ましい。
【0149】
(MAPの選択)
次に、MAP10の選択について、MN20が、図6に示す近隣MAPテーブル26を備えている場合を例にとって説明する。MN20のNMDP部25は、まず、MAP選択ポリシー記憶部25bから、『処理能力が、「高い」以上のMAPのうち、最も近隣にあるMAP(MAPとMNとの間のパケット送信における遅延値が最も小さいMAP)』というMAP選択ポリシーを取得する。
【0150】
次に、NMDP部25は、図6に示す近隣MAPテーブル26が記憶している近隣MAPに関する情報と、MAP選択ポリシー記憶部25bから取得したMAP選択ポリシーを照らし合わせて、MAP選択ポリシーに合致する最適なMAP10を選択する。その結果、NMDP部25は、MAP(g)10gを、パケットの転送に利用するMAPとして選択する。このようにして、NMDP部25は、選択手段として機能する。NMDP部25は、選択したMAP(g)10gのアドレスを、モビリティ制御部24に通知する。そして、モビリティ制御部24は、NMDP部25から通知されたMAP(g)10gに送信するバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを作成する。最後に、インターフェース29が、バインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを、MAP(g)10gに送信する。
【0151】
〔効果〕
このような通信システム1、MN20、MAP10及び通信方法によれば、以下のような効果を得ることができる。MN20のNMDP部25がMAP10を検出する。そして、インターフェース29が、AR(A)30a〜AR(C)30cと接続して、NMDP部25が検出したMAP10とパケットを送受信する。そのため、MN20は、自らMAP10を検出して把握することができる。そして、MN20は、接続したAR(A)30a〜AR(C)30cを介して、検出したMAP10とパケットを送受信することができる。
【0152】
更に、MN20は、MAP選択ポリシー記憶部25bを備え、NMDP部25は、MAP選択ポリシー記憶部25bに記憶されたMAP選択ポリシーに基づいて、検出したMAP10の中からパケットの転送に利用するMAPを選択する。そのため、MN20は、検出したMAP10の中からMAP選択ポリシーに合致する最適なMAP10を選択して、そのMAP10を利用してパケットを転送してもらうことができる。
【0153】
又、本実施形態では、遅延値を、MAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いている。遅延値は、MN20とMAP10との間のリンク容量やホップ数、MAP10自身の処理能力やトラフィック量等の様々なパラメータの影響を受けて決まるものである。そのため、MN20は、遅延値をMAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いることにより、より最適なMAPを選択することができる。又、本実施形態では、遠近判断情報以外の情報である処理能力を、MAP選択ポリシーのパラメータの1つに用いている。そのため、MN10は、遠近だけでなく、MAP10自体の状態をも考慮して、より最適なMAP10を選択することができる。
【0154】
又、NMDP部25が、近隣MAPテーブル26に記憶されているアドレスに送信するMAP探索パケットを作成し、インターフェース29が、MAP探索パケットを送信して、MAP探索パケットに対するMAP通知パケットを受信する。そして、NMDP部25が、MAP通知パケットに基づいてMAP10を検出する。そのため、MN20自らが、MAPを探索して検出することができる。更に、MN20は、探索パケット受信転送装置や周辺転送装置となったMAP10から受け取った通知パケットに基づいてMAP10を検出する。よって、MN20は、通信システム1に存在するMAP10を容易に検出することができる。又、MN20は、MAP探索パケット送信時の状況に応じたMAP通知パケットを受け取ることができる。よって、MN20は、MAP探索パケット送信時に通信システム1に存在するMAPを検出できる。
【0155】
又、MAP通知パケットには、MAP10に関する転送装置情報が含まれるため、MN20は、MAP通知パケットに基づいて、MAP10を検出すると共に、そのMAP10に関する転送装置情報を把握することができる。又、MN20は、MAP探索パケット送信時の状況に応じたMAP通知パケットを受け取ることにより、MAP探索パケット送信時の状況に応じた転送装置情報を把握できる。
【0156】
又、MAP通知パケットには、転送装置情報として、探索パケット受信転送装置となったMAP10とMN20との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置となったMAP10と周辺転送装置となったMAP10との間に関する転送装置間情報が含まれており、NMDP部25は、通知パケットに含まれる探索パケット受信転送装置とMN20との間に関する移動端末間情報及び探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間に関する転送装置間情報に基づいて、周辺転送装置となったMAP10とMN20との間に関する移動端末間情報を決定する。そのため、MN20は、探索パケット受信転送装置とMN20との間の移動端末間情報と、探索パケット受信転送装置と周辺転送装置との間の転送装置間情報に基づいて、周辺転送装置とMN20との間の移動端末間情報を容易に把握することができる。更に、MN20と複数のMAP10との間で同期をとる必要もなくなる。
【0157】
又、MAP10のNMDP部15が、近隣MAPテーブル16に記憶されたMAPのアドレスをもとに、MAP10のアドレスや転送装置情報を通知するMAP通知パケットを作成する。そして、インターフェース19が、MAP通知パケットをMN20に送信する。そのため、MAP10自身が、MAP10の存在をMN20に知らせることができる。よって、MAP10は、自身の存在を通知したMN20から、端末気付アドレスの通知等を受信することができ、MN20の移動先にパケットを転送することができる。
【0158】
又、NMDP部15がMAP通知依頼パケットを作成し、インターフェース19が他のMAP10に送信する。そのため、MAP10は、他のMAP10にMAP通知パケットの返信を依頼することにより、MN20がより多くのMAP10からMAP通知パケットの返信を受けることができるようにして、より多くのMAP10に関する情報をMN20に提供できる。
【0159】
又、NMDP部15は、探索パケット受信転送装置以外の周辺転送装置に送信するMAP通知依頼パケットを作成する。そのため、周辺転送装置であるMAP10が、通知パケットを移動端末に送信することになる。そのため、MAP10は、周辺転送装置となったMAP10に関する情報もMN20に提供できる。
【0160】
更に、MAP10の判断部17が、MN20から受信したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットが、MAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断する。そして、モビリティ制御部14は、その判断結果に基づいて、MN20の移動先へのパケットの転送を制御する。よって、MAP10は、モビリティ制御サービスの加入者が使用するMN20等、MAP10によるパケット転送を利用可能なMN20についてのみ、その移動先へのパケット転送を行うことができる。そのため、このようなMAP10を用いることにより、モビリティ制御サービスの加入者にのみモビリティ制御サービスを提供できる。
【0161】
又、MAP10は、パケット転送を利用可能なMN20毎に固有の端末情報を記憶する加入者データベース17aを備え、判断部17は、インターフェース19が受信したパケットに含まれるMN20に関する情報と、加入者データベース17aに記憶された端末情報とが一致するか否かに基づいて、判断を行う。そのため、MAP10は、容易に、受信したパケットがMAP10によるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットであるか否かを判断できる。
【0162】
以上説明したような通信システム1、MN20、MAP10を用いることにより、MN20に対して、AR(A)30a〜AR(C)30cを用いて行う接続制御サービスと、MAP10を用いて行うモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能となる。その結果、MN20のユーザは、接続制御サービスとモビリティ制御サービスを別々に利用することができるため、サービスを選択する自由度が大きくなる。又、MN20にサービスを提供する通信事業者も、自社が提供する接続制御サービスを利用しないユーザに対してもモビリティ制御サービスを提供できるようになり、又、自社が提供するモビリティ制御サービスを利用しないユーザに対しても接続制御サービスを提供できるようになる。そのため、MN20にサービスを提供する通信事業者が各サービスのユーザを十分に獲得できる可能性も広がる。
【0163】
[第2の実施の形態]
本実施形態では、ノード間の遠近を判断する判断基準として、ノード間のホップ数が小さい方が近いという判断基準を用いる。又、遠近判断情報として、ノード間のホップ数を用いる。本実施形態に係るMAPやMNは、図2、図3に示したMAP10やMN20とほぼ同様であるが、NMDP部15やNMDP25のMAP探索、移動端末間情報や転送装置間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新等に関する動作と、備えている近隣MAPテーブル及び第2テーブルが異なっている。又、MAP選択ポリシー記憶部25bは、「最も近隣にあるMAP(MAPとMNとのホップ数が最も小さいMAP)」というMAP選択ポリシーを記憶している。尚、本実施形態に係る通信システムのMAPやMN以外の構成は、図1に示した通信システム1と実質的に同様である。
【0164】
図14に、通信システムにおける複数のMAP(a)110a〜MAP(n)110nと、1つのMN120だけを取り出して示す。又、MAP(a)110a〜MAP(n)110n、MN120が備える近隣MAPテーブル116a〜116n、近隣MAPテーブル126を、各MAP(a)110a〜MAP(n)110n、MN120とともに示している。但し、説明を簡単にするために、近隣MAPのIPアドレスと、各MAP(a)110a〜MAP(n)110nやMN120と近隣MAPとの間のホップ数のみを記載している。
【0165】
又、図15に、図14に示すMAP(k)110kが備える近隣MAPテーブル116kと、第2テーブル115aを示す。本実施形態に係るMAPが備える近隣MAP、第2テーブルを、図15に示す近隣MAPテーブル116kと、第2テーブル115aを例にとって説明する。近隣MAPテーブル116kは、各近隣MAPについて、IPアドレス、ホップ数、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶している。又、近隣MAPテーブル116kの最大ノード登録数は、5に設定されている。
【0166】
ホップ数は、近隣MAPテーブル116kを備えるMAP(k)110k自身と各近隣MAPとの間のホップ数である。近隣MAPテーブル116kは、「ホップ数の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶する」という基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶する。生存時間、シーケンスナンバ1は、図5に示した近隣MAPテーブル16kと同様である。
【0167】
第2テーブル115aは、シーケンスナンバ2、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)初期HL(Hop Limit)を記憶する。シーケンスナンバ2、初期生存時間、探索生存時間は、図5に示した第2テーブル15aと同様である。初期HLの値は、MAP(k)11k自身と他のMAPとの間のホップ数を決定するための基準値となるホップ数である。初期HLは、MAP通知パケットのHLの初期値に設定される。MAPの初期HLは、近隣MAPテーブル116kに記憶されている近隣MAPのホップ数の最大値が設定される。そのため、第2テーブル115aは、MAP(k)11kとMAP(g)11gとの間のホップ数「13」を、初期HLとして記憶する。尚、初期HLは、近隣MAPテーブル116kに記憶されている各近隣MAPのホップ数の最大値ではなく、予め第2テーブル115aに一定値を設定しておいてもよい。又、初期HLは、近隣MAPテーブル116kに記憶されている近隣MAPのホップ数の最大値に、予め設定されている一定値を加算した値を設定するようにしてもよい。
【0168】
又、図1に、図14に示すMN120が備える近隣MAPテーブル126と、第2テーブル125aを示す。近隣MAPテーブル126は、各近隣MAPについて、IPアドレス、ホップ数、生存時間(単位はsec)、シーケンスナンバ1を記憶している。又、近隣MAPテーブル126の最大ノード登録数は、5に設定されている。ホップ数は、MN120と各近隣MAPとの間のホップ数である。近隣MAPテーブル126は、「ホップ数の最も小さい近隣MAPから順番に上位5つの近隣MAPを記憶する」という基準に従って、各近隣MAPに関する情報を記憶している。生存時間、シーケンスナンバ1は、図6に示す近隣MAPテーブル26と同様である。
【0169】
第2テーブル125aは、シーケンスナンバ2、初期生存時間(単位はsec)、探索生存時間(単位はsec)、初期HLを記憶する。シーケンスナンバ2、初期生存時間、探索生存時間は、図6に示す第2テーブル25aと同様である。又、初期HLは、MN120とMAPとの間のホップ数を決定するための基準値となるホップ数である。初期HLは、MAP通知パケットのHLの初期値に設定される。MN20の初期HLは、MAPの初期HLに比べて十分に大きな値で一定に設定されている。これによれば、MN20は、近隣MAPテーブル126が記憶していた近隣MAPとの間のホップ数が、移動に伴い大きく変動した場合に、MAP通知パケットがMN120に全く到着しないという事態を防止することができる。
【0170】
(MAPの探索、検出)
1.MAP探索パケット、MAP通知パケットの送受信
MN120によるMAPの探索、検出を例にとって説明する。MN120が備える近隣MAPテーブル126が、図16に示す状態になっている場合を例にとって説明する。近隣MAPテーブル126に近隣MAPとして登録されているMAP(k)110kの生存時間は現在16(sec)であり、毎秒減少される。そして、1秒後に、近隣MAPテーブル126のMAP(k)110kの生存時間が探索生存時間である15(sec)に達すると、MN120は、MAP(k)110kに対して、MAPの探索を開始する。
【0171】
MAPの探索が開始されると、図14に示すように、MN120は、まず、MAP(k)110kに、MAP探索パケットを送信し、それをMAP(k)110kが受信する(図14中実線の矢印で示す)。よって、ここでは、MAP(k)110kが探索パケット受信転送装置となる。具体的には、MN120のNMDP部25が、図17に示すMAP探索パケット103を作成し、インターフェース29が送信する。
【0172】
MAP探索パケット103は、IPv6ヘッダ131と、終点オプションヘッダ132とから構成される。IPv6ヘッダ131には、IPのバージョンを示すバージョン、MAP探索パケット103の送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ132には、タイプ、MAP探索パケット103を管理するシーケンスナンバ、初期HLが格納されている。
【0173】
MN120のNMDP部25は、IPv6ヘッダ131の始点アドレスにMN120のIPアドレス「MN」を、終点アドレスにMAP(k)11kのIPアドレス「k」を設定する。又、MN120のNMDP部25は、終点オプションヘッダ132のタイプに、MAP探索パケット103を示す「41」を設定する。又、MN120のNMDP部25は、終点オプションヘッダ132のシーケンスナンバに、図16に示す第2テーブル125aのシーケンスナンバ2の値「677」に1を加算した「668」を設定する。このとき、MN120のNMDP部25は、第2テーブル125aのシーケンスナンバ2の値も「668」に更新する。又、MN120のNMDP部25は、終点オプションヘッダ132の初期HLに、第2テーブル125aの初期HL「255」をコピーして設定する。
【0174】
MAP探索パケット103を受信したMAP(k)110kは、図14に示すように、MAP(k)110kの近隣MAPテーブル116kが記憶している全ての近隣MAP、即ち、MAP(k)110k、MAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110gに対して、カプセル化MAP通知パケットを送信する(図14中一点鎖線の矢印で示す)。カプセル化MAP通知パケットとは、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)110kから、MAP探索パケットを送信したMN120に返信するMAP通知パケットをカプセル化したパケットをいう。即ち、探索パケット受信転送装置となったMAP(k)110kは、MAP(k)110k自身に近隣するMAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110g及びMAP(k)110k自身を宛先としたヘッダで、MAP通知パケットをカプセル化して送信する。よって、ここでは、MAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110gが周辺転送装置となる。
【0175】
具体的には、MAP(k)110kのNMDP部15が、カプセル化MAP通知パケットを作成し、インターフェース19が送信する。以下、MAP(i)110iと、MAP(f)110fへのカプセル化MAP通知パケットの送信を例にとって説明する。図18(a)は、MAP(i)110iに送信するカプセル化MAP通知パケット104iを示し、図18(b)は、MAP(f)110fに送信するMAP通知パケット104fを示す。
【0176】
カプセル化MAP通知パケット104i,104fは、IPv6ヘッダ141i,141fと、MAP通知パケット105i,105fとから構成される。IPv6ヘッダ141i,141fは、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)110kから、MAP探索パケットを送信したMN120に返信するMAP通知パケット105i,105fをカプセル化するヘッダである。IPv6ヘッダ141i,141fには、IPのバージョンを示すバージョン、カプセル化MAP通知パケット104i,104fの送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納されている。
【0177】
MAP通知パケット105i,105fは、IPv6ヘッダ151i,151fと、終点オプションヘッダ152i,152fとから構成される。IPv6ヘッダ151i,151fには、IPのバージョンを示すバージョン、HL、MAP通知パケット105i,105fの送信元を示す始点アドレス、宛先を示す終点アドレス等が格納されている。終点オプションヘッダ152i,152fには、タイプ、経由MAPアドレス、MAP通知パケット105i,105fを管理するシーケンスナンバ、初期HLが格納されている。ここで、経由MAPアドレスとは、MAP通知パケット105i,105fが経由する周辺転送装置のアドレスである。
【0178】
MAP(k)の110kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ141iの始点アドレスにMAP(k)110kのIPアドレス「k」を、終点アドレスにMAP(i)110iのIPアドレス「i」を設定する。又、MAP(k)110kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ151iのHLに、受信した図17に示すMAP探索パケット103の初期HL「255」コピーして設定する。又、MAP(k)110kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ151iの始点アドレスにMAP(k)110kのIPアドレス「k」を、終点アドレスにMN120のIPアドレス「MN」を設定する。
【0179】
又、MAP(k)110kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iのタイプに、MAP通知パケットを示す「42」を設定する。又、MAP(k)110kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iの経由MAPアドレスに、MAP通知パケット105iをカプセル化して送信する宛先であるIPv6ヘッダ141iの終点アドレス「i」をコピーして設定する。又、MAP(k)110kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ152iのシーケンスナンバ、初期HLに、受信した図17に示すMAP探索パケット103のシーケンスナンバの値「668」、初期HLの値「255」をコピーして設定する。
【0180】
同様にして、MAP(k)110kのNMDP部15は、MAP(f)110fへのカプセル化MAP通知パケット104fを作成する。但し、MAP(k)110kのNMDP部15は、IPv6ヘッダ141fの終点アドレスに、MAP(f)のIPアドレス「f」を設定する。又、MAP(k)110kのNMDP部15は、終点オプションヘッダ152fの経由MAPアドレスに、MAP通知パケット105fをカプセル化して送信する宛先であるIPv6ヘッダ141fの終点アドレス「f」をコピーして、設定する。
【0181】
カプセル化MAP通知パケット104i,104fを受信したMAP(i)110i、MAP(f)110fは、最外部のIPv6ヘッダ141i,141fを外すデカプセル化を行い、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)110kから、MAP探索パケットを送信したMN120に返信するMAP通知パケット105i,105fを取り出す。そして、MAP(i)110i、MAP(f)110fは、MN120に対して、取り出したMAP通知パケット105i,105fを送信する。MAP(k)110k、MAP(n)110n、MAP(g)110gも同様の処理を行う(図14中点線の矢印で示す)。このようにして、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)110kは、周辺転送装置であるMAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110gを経由して、MAP探索パケットを送信したMN120に、MAP通知パケットを返信する。具体的には、MAP(k)110k、MAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110gのIPレイヤ部13が、カプセル化MAP通知パケットをデカプセル化し、インターフェース19が取り出したMAP通知パケットを送信するだけである。
【0182】
このように、探索パケット受信転送装置であるMAP(k)110kが、近隣MAPテーブル116kに記憶されている周辺転送装置となる近隣MAPのアドレスを宛先とするIPv6ヘッダで、MAP通知パケットをカプセル化し、トンネル転送を行うことにより、周辺転送装置であるMAP(f)110f、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(g)110gを経由して、MAP通知パケットを、MAP探索パケットを送信したMN120に返信することができる。尚、このようなトンネル転送以外に、IPv6のオプションの拡張ヘッダである経路制御ヘッダを用いることによっても、探索パケット受信転送装置となったMAPは、周辺転送装置であるMAPを経由して、MAP通知パケットを、MAP探索パケットを送信したMN120に返信することができる。
【0183】
2.移動端末間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新
MAP通知パケットを受信したMN120は、返信されたMAP通知パケットに基づいて、移動端末間情報の決定、MAPの検出、近隣MAPテーブルの更新を行う。以下、MAP(i)110iと、MAP(f)110fから返信されたMAP通知パケット105i,105fを例にとって説明する。
【0184】
まず、MAP(i)110iがMAP通知パケット105iを送信した場合について説明する。MN120は、図19()に示すMAP通知パケット105iを受信する。MN120は、MAP通知パケット105iが経由した周辺転送装置であるMAP(i)110i(MAP通知パケット105iの経由MAPアドレスにアドレスが格納されているMAP)とMN120との間のホップ数を決定する。具体的には、MN120のNMDP部25は、受信したMAP通知パケット105iから、IPv6ヘッダ151iに含まれるHLの値「249」、終点オプションヘッダ152iに含まれる初期HLの値「255」を取得する。
【0185】
ここで、図18(a)に示すように、MAP(i)110iが受信するカプセル化MAP通知パケット104iに含まれるMAP通知パケット105iのHLの値は「255」である。これに対し、MN120が受信した図19(a)に示すMAP通知パケット105iのHLの値は「249」となっている(図19(a)中、丸で囲んだ部分)。これは、MAP通知パケット105iが、MAP(i)110iからMN120まで到達するまでの間に、MAP通知パケット105iのHLの値が、転送の度に「1」減じられたためである。
【0186】
MN120のNMDP部25は、取得した初期HLの値「255」から、HLの値「249」を減じる計算を行い、MAP(i)110iとMN120との間のホップ数を求める。計算結果は、255−249=6となった。このように、MN120において決定されたMAP(i)110iとMN120との間のホップ数は「6」となった。
【0187】
次に、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105iの経由MAPアドレス「i」が、図20に示す近隣MAPテーブル126のIPアドレスにあるか否かを検索する。図20は、MN120が、図19に示すMAP通知パケット105i,105fを受信した時のMN120の近隣MAPテーブル126、第2テーブル125aの状態を示す。尚、図20に示す近隣MAPテーブル126、第2テーブル125aでは、図16に示したMAP探索を開始する直前の状態から、既に更新されている箇所もある。
【0188】
MN120のNMDP部25は、新たに受信したMAP通知パケット105iの経由MAPアドレス「i」が、近隣MAPテーブル126に存在すれば、MAP通知パケット105iが経由したMAP(i)110iは、既に検出しているMAPであると判断する。そのため、この場合、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105iを、既に近隣MAPとして記憶しているMAP(i)110iに関する情報の更新に利用すると判断する。図20の場合、MN120のNMDP部25は、近隣MAPテーブル126のIPアドレスに、経由MAPアドレス「i」があるため、MAP通知パケット105iを、MAP(i)110iに関する情報の更新に利用すると判断する。
【0189】
次に、MN120のNMDP部25は、受信したMAP通知パケット105iに基づく、近隣MAPテーブル126の既存のMAP(i)110iに関する情報の更新を実行すべきか否かを判断する。具体的には、MN120のNMDP部25は、受信したMAP通知パケット105iのシーケンスナンバ「668」と、MAP通知パケット105i受信時の近隣MAPテーブル126(図20)のMAP(i)110iについてのシーケンスナンバ1「667」とを比較する。そして、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバの方が大きい場合には、そのMAP通知パケット105iに基づく情報は最新の情報であり、情報の更新を実行すると判断する。図20の場合、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバの方が大きいため、情報の更新を実行すると判断する。一方、MAP通知パケット105iのシーケンスナンバが、近隣MAPテーブル126のMAP(i)110iについてのシーケンスナンバ1よりも小さい場合には、MN120のNMDP部25は、そのMAP通知パケット105iに基づく情報の更新を実行しないと判断する。
【0190】
次に、MN120のNMDP部25は、近隣MAPテーブル126のMAP(i)110iに関する情報の更新を実行する。MN120のNMDP部25、MAP通知パケット105i(図19)から、シーケンスナンバ「668」を取得する。又、MN120のNMDP部25は、第2テーブル125a(図20)から初期生存時間「30」を取得する。そして、MN120のNMDP部25は、近隣MAPテーブル126(図20)のMAP(i)110iに関する既存のホップ数「6」を決定したホップ数「6」に、既存の生存時間「21」を取得した初期生存時間「30」に、既存のシーケンスナンバ1「667」を取得したシーケンスナンバ「668」にそれぞれ更新して、最新の情報とする。
【0191】
次に、MAP(f)110fがMAP通知パケット105fを送信した場合について説明する。MN120は、図19(b)に示すMAP通知パケット105fを受信する。MN120は、MAP通知パケット105fが経由した周辺転送装置であるMAP(f)110f(MAP通知パケット105fの経由MAPアドレスにアドレスが格納されているMAP)とMN120との間のホップ数を決定する。具体的には、MN120のNMDP部25は、受信したMAP通知パケット105fから、IPv6ヘッダ151fに含まれるHLの値「244」、終点オプションヘッダ152fに含まれる初期HLの値「255」を取得する。
【0192】
MN120のNMDP部25は、取得した初期HLの値「255」から、HLの値「244」を減じる計算を行い、MAP(f)110fとMN120との間のホップ数を求める。計算結果は、255−244=11となった。このように、MN120において決定されたMAP(f)110fとMN120との間のホップ数は「11」となった。
【0193】
次に、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105fの経由MAPアドレス「f」が、図20に示す近隣MAPテーブル126のIPアドレスにあるか否かを検索する。MN120のNMDP部25は、新たに受信したMAP通知パケット105fの経由MAPアドレス「f」が、近隣MAPテーブル126に存在しなければ、MAP通知パケット105fが経由したMAP(f)110fは、新たに検出したMAPであると判断する。即ち、MAP(f)110fは、近隣MAPテーブル126に、MN120の近隣MAPとして新規に登録される可能性があると判断する。図20の場合、NMDP部25は、近隣MAPテーブル126のIPアドレスに、新たに受信したMAP通知パケット105fの経由MAPアドレス「f」がないため、MAP(f)110fは、新たに検出したMAPであると判断する。
【0194】
次に、NMDP部25は、検出したMAP(f)110fを、MN120の近隣MAPとして、近隣MAPテーブル126に新規に記録するか否かを判断する。まず、NMDP部25は、MAP通知パケット105fに基づいて決定したMAP(f)110fとMN120との間のホップ数が、MAP通知パケット105f受信時のMN120の近隣MAPテーブル126に記憶さている近隣MAPのホップ数の最大値よりも小さいか否かを比較する。そして、MAP(f)110fとMN120との間のホップ数が、近隣MAPテーブル126のホップ数の最大値以上の場合には、NMDP部25は、MAP(f)110fを、MN120の近隣MAPとして近隣MAPテーブル126に新規に登録することはしないと判断する。図20の場合、NMDP部25は、決定したMAP(f)110fのホップ数「11」が、近隣MAPテーブル126のホップ数の最大値以上であるため、MAP(f)110fを、近隣MAPテーブル126に新規に記録することはしないと判断する。この場合、NMDP部25は、MAP通知パケット105fに基づく、近隣MAPテーブル126の更新を行わない。
【0195】
一方、MAP(f)110fとMN120との間のホップ数が、MAP通知パケット105f受信時のMN120の近隣MAPテーブル126のホップ数の最大値よりも小さい場合には、MN120のNMDP部25は、MAP(f)110fをMN120の近隣MAPとして近隣MAPテーブル126に新規に記録すると判断する。MN120のNMDP部25は、近隣MAPテーブル126のホップ数の最大値を持つ近隣MAPに関する情報を消去する。そして、NMDP部25は、MAP通知パケット105if基づいて、近隣MAPテーブル126を更新する。
【0196】
具体的には、MN120のNMDP部25は、MAP通知パケット105fから、経由MAPアドレス、シーケンスナンバを取得し、第2テーブルから初期生存時間を取得する。そして、NMDP部25は、MAP(f)110fに関する情報として、決定したホップ数、取得した経由MAPアドレス、初期生存時間、シーケンスナンバを近隣MAPテーブル126に格納する。このようにして、新たに検出されたMN120の近隣MAPであるMAP(f)110fは、近隣MAPテーブル126に登録される。
【0197】
以上MN120によるMAPの探索、検出を例にとって説明したが、MAP(a)110〜MAP(n)110nも、MN120によるMAPの探索、検出の場合と同様にして、MAPの探索、検出を行うことができる。尚、第2テーブル115aの初期HLには、図15に示したように、近隣MAPテーブル116kに記憶されている近隣MAPのホップ数の最大値が設定されている。即ち、MAP(a)110〜MAP(n)110nの場合、初期HLとして近隣MAPテーブル116a〜116nに記憶されている近隣MAPのホップ数の最大値が設定されている。そのため、MAP通知パケットがMAP探索パケットを送信したMAPに到着する前に、MAP通知パケットのHLの値が転送の度に1減じられて、0になってしまうことがある。即ち、MAP通知パケットが、周辺転送装置であるMAPからMAP探索パケットを送信したMAPまでの経路上で消滅してしまい、MAP探索パケットを送信したMAPまで到達しないことがある。この場合、探索パケットを送信したMAPにおいて、MAP通知パケットに基づく、近隣MAPテーブル116a〜116kの更新は行われない。
【0198】
そのため、近隣MAPテーブル116a〜116kに登録され得ない程遠くにある周辺転送装置であるMAPからのMAP通知パケットを、その周辺転送装置であるMAPとMAP探索パケットを送信したMAPとの間の経路上で消滅させてしまうことができる。即ち、現在の近隣MAPテーブル116a〜116kの各近隣MAPのホップ数よりも大きいホップ数を持つMAPは、近隣MAPテーブル116a〜116kに登録されない。そのようなMAPからのMAP通知パケットを、探索パケットを送信したMAPに受信させずに、消滅させてしまうことができる。そのため、MAP探索パケットを送信したMAPの制御負荷を軽減でき、又、余計なパケットの転送を防止することもできる。
【0199】
3.MNの移動
次に、MN120が、図21中矢印Dで示す移動経路上を移動しながら、MAPを探索、検出する様子を説明する。最初、MN120は、図21中矢印Aで示す位置にいる。MN120の近隣MAPテーブル126のいずれかのMAPに関する情報についての生存時間が探索生存時間に到達すると、MN120は、MAP探索を開始する。MN120のNMDP部25は、そのMAPに対して、MAP探索パケットを送信する。次に、NMDP部25は、周辺転送装置となったMAPを経由して返信されたMAP探索パケットに対するMAP通知パケットを受信する。そして、NMDP部25は、受信したMAP通知パケットに基づいて新たなMAPを検出し、近隣MAPテーブル126を更新する。その結果、図21中矢印Aで示す位置にいるMN120との間のホップ数が小さい近隣MAPに関する情報が、ホップの小さいMAP(g)110g、MAP(i)110i、MAP(k)110k、MAP(h)110h、MAP(n)110nの順で近隣MAPテーブル126に記録される。
【0200】
図16に示したとおり、MN120が備える第2テーブル125aに記憶された初期生存時間、探索生存時間は短く設定されている。そのため、MN120が、図21中矢印Aで示す位置から矢印Bで示す位置を経由して、矢印Cで示す位置まで、矢印Dで示す移動経路上を進む間、近隣MAPテーブル126の各近隣MAPに関する情報についての生存時間が、次々に探索生存時間に到達し、MN120は、MAP探索を繰り返し行う。
【0201】
その結果、図21中矢印Bで示す位置では、図21中矢印Bで示す位置にいるMN120との間のホップ数が小さい近隣MAPに関する情報が、ホップ数の小さいMAP(k)110k、MAP(i)110i、MAP(n)110n、MAP(h)110h、MAP(g)110gの順で近隣MAPテーブル126に記録される。又、図21中矢印Cで示す位置では、図21中矢印Cで示す位置にいるMN120との間のホップ数が小さい近隣MAPに関する情報が、ホップ数の小さいMAP(n)110n、MAP(k)110k、MAP(i)110i、MAP(l)110l、MAP(e)110eの順で近隣MAPテーブル126に記録される。(MAPの選択)
次に、MAPの選択について、MN120が、図16に示す近隣MAPテーブル126を備えている場合を例にとって説明する。MN120のNMDP部25は、まず、MAP選択ポリシー記憶部25bから、「最も近隣にあるMAP(MAPとMNとのホップ数が最も小さいMAP)」というMAP選択ポリシーを取得する。
【0202】
次に、NMDP部25は、図16に示す近隣MAPテーブル126が記憶している近隣MAPに関する情報と、MAP選択ポリシー記憶部25bから取得したMAP選択ポリシーを照らし合わせて、MAP選択ポリシーに合致する最適なMAPを選択する。その結果、NMDP部25は、MAP(g)110gを、パケットの転送に利用するMAPとして選択する。NMDP部25は、選択したMAP(g)110gのアドレスを、モビリティ制御部24に通知する。そして、モビリティ制御部24は、NMDP部25から通知されたMAP(g)110gに送信するバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを作成する。最後に、インターフェース29が、バインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを、MAP(g)110gに送信する。
【0203】
〔効果〕
このような第2の実施の形態に係る通信システム、MAP(a)110a〜MAP(n)110n、MN120、通信方法によれば、第1の実施の形態に係る通信システム1、MAP10、MN20及び通信方法によって得られる効果に加えて、次のような効果が得られる。
【0204】
又、MAP(a)110a〜MAP(n)110nのNMDP部15は、MN120からのMAP探索パケットを受信した探索パケット受信転送装置以外の周辺転送装置となったMAPを経由するMAP通知パケットを作成するため、MAP通知パケットは、経由する周辺転送装置のMAPに関する情報も含むことができる。そのため、MAP(a)110a〜MAP(n)110nは、周辺転送装置となったMAPに関する情報もMN120に提供できる。
【0205】
[変更例]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0206】
〔変更例1〕
上記実施形態では、遅延値やホップ数、処理能力等のMAPに関する転送装置情報を含むMAP通知パケットを用いているが、探索パケット受信転送装置や、周辺転送装置となったMAPは、自身の近隣MAPテーブルに記憶されている近隣MAPのIPアドレスを含むMAP通知パケットを作成し、探索パケットを送信したMAPやMNに返信するようにしてもよい。これによっても、探索パケットを送信したMAPやMNは、他のMAPのIPアドレスを把握でき、MAPを検出して、近隣MAPテーブルに登録することができる。更に、MAP通知パケットに含まれる情報を少なくでき、パケットの伝送や、パケットの処理を効率化できる。
【0207】
この場合、探索パケットを送信したMAPやMNは、MAP通知パケットに基づいて検出したMAPのIPアドレスに、遅延値やホップ数を調べるping要求を送信する。ping要求を受信した検出されたMAPは、ping要求に対するping応答を返信する。そして、探索パケットを送信したMAPやMNは、受信したping応答に基づいて、近隣MAPテーブルを更新する。この場合、MAPのNMDP部15やMNのNMDP部25が、ping要求を作成するデータ作成手段として機能する。
【0208】
このようにping要求、ping応答を用いても、探索パケットを送信したMAPやMNは、検出したMAPに関する転送装置情報を把握することができる。又、MAPやMNは、ping要求送信時の状況に応じたping応答を受け取ることにより、その時の状況に応じた転送装置情報を把握できる。
【0209】
又、MAPやMNは、近隣MAPテーブルに近隣MAPとして登録した後に、随時、ping要求とping応答等の転送装置情報を調査するデータとその応答データを用いて、既に検出している近隣MAPとの間の遅延値やホップ数等のノード情報を、調査することができる。そして、それらのノード情報に基づいて、近隣MAPテーブルを更新して、最新情報を保持しておくことができる。
【0210】
〔変更例2〕
上記実施形態では、IPv6を利用しているが、IPv4を利用することもできる。IPv4を利用する場合、MAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケットの終点オプションヘッダに格納されていた情報を、IPv4のパケットのデータ部に格納したパケットを用いる。又、終点オプションヘッダのタイプが示していたパケットの種類は、UDPヘッダのポート番号を用いて示す。
【0211】
図22に、IPv4を利用する場合のMAP310の構成を示す。MAP310は、アプリケーション部11と、TCP/UDP部312と、IPレイヤ部313と、モビリティ制御部14と、バインディング情報記憶部14aと、バッファ14bと、NMDP部315と、近隣MAPテーブル316と、第2テーブル315aと、判断部317と、キー記憶部317aと、リンクレイヤ部18と、インターフェース19とを備える。図2に示すMAP10と実質的に同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0212】
キー記憶部317aは、パケット転送を利用可能なMNに共通して付与される共通データを記憶するデータ記憶手段である。MNのユーザは、A社とモビリティ制御サービスの利用契約を行う際に、パケット転送を利用可能なMNにだけ共通して付与される鍵等の共通データを取得する。キー記憶部317aは、パケット転送を利用可能なMNにだけ共通して付与される共通データとして、例えば、鍵等を記憶する。
【0213】
判断部317は、モビリティ制御部14から、MNから送信され、インターフェース19が受信したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケット等のモビリティ制御に関するパケットを取得する。判断部317は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットに含まれる鍵等のデータと、キー記憶部317aに記憶された鍵等の共通デーとが一致するか否かに基づいて、受信したパケットがMAPによるパケット転送を利用可能なMNからのパケットであるか否かを判断する。
【0214】
このとき、インターフェース19が受信するバインディングアップデートパケットやバッファリンパケットには、鍵等の共通データがそのまま含まれている場合や、MNのホームアドレスやLCoA、RCoA等のアドレスと鍵等の共通データとを用いた計算を行った結果が含まれている場合がある。そのため、判断部317は、バインディングアップデートパケットやバッファリンパケットに計算結果が含まれていた場合には、計算結果から鍵等の共通データを取り出す演算処理を行う。そして、判断部317は演算処理により得られた鍵等の共通データと、キー記憶部317aに記憶された鍵等の共通デーとの比較を行う。
【0215】
判断部317は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットに含まれるデータと、キー記憶部317aに記憶された共通データとを照らし合わせた結果、両者が一致する場合には、受信したパケットがMAPによるパケット転送を利用可能なMNからのパケットであると判断する。この場合、判断部317は、モビリティ制御部14に、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを返す。一方、判断部317は、照らし合わせた結果、両者が一致しない場合には、受信したパケットがMAPによるパケット転送を利用可能なMN20からのパケットではないと判断する。この場合には、判断部317は、モビリティ制御部14から取得したバインディングアップデートパケットやバッファリング要求パケットを破棄する。
【0216】
これによれば、MAP310は、パケット転送を利用可能なMNにだけ共通して付与される共通データを記憶しておき、受信したパケットに含まれるデータと照らし合わせることにより、容易に、受信したパケットがMAPによるパケット転送を利用可能なMNからのパケットであるか否かを判断できる。更に、キー記憶部317aは、共通データのみを記憶すればよく、パケット転送を利用可能な全てのMNに関する情報を記憶する必要がない。よって、MAPの記憶容量が圧迫されることを防止できる。
【0217】
TCP/UDP部312は、MAP10のアドレスを通知するためのMAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットをIPレイヤ部313から取得し、NMDP部315に提供する。又、TCP/UDP部312は、NMDP部315から、MAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットを取得し、IPレイヤ部313に提供する。尚、TCP/UDP部312は、TCPヘッダのポート番号によりパケットの種類を判断する。TCP/UDP部312は、これらの点以外は、図2に示すMAP10のTCP/UDP部12と同様である。
【0218】
又、NMDP部315は、MAPのアドレスを通知するためのMAP通知パケットやMAP通知依頼パケット、MAP探索パケットを、TCP/UDP部312に提供したり、TCP/UDP部312から取得したりする。又、NMDP部315は、近隣MAPテーブル316、第2テーブル315aから情報を取得したり、MAPテーブル316や第2テーブル315aの情報を更新したりする。
このように、NMDP部315は、TCP/UDPレベルで処理を行う以外は、図2に示すMAP10のNMDP部15と実質的に同様である。又、近隣MAPテーブル316、第2テーブル315aは、TCP/UDPレベルで行う処理に利用される点以外は、図2に示すMAP10の近隣MAPテーブル16、第2テーブル15aと実質的に同様である。又、IPレイヤ部313は、NMDP部315とパケットの授受を行わない以外は、図2に示すIPレイヤ部13と、実質的に同様である。
【0219】
図23に、IPv4を利用する場合のMN320の構成を示す。MN320は、アプリケーション部21と、TCP/UDP部322と、IPレイヤ部323と、モビリティ制御部24と、制御情報記憶部24aと、NMDP部325と、近隣MAPテーブル326と、第2テーブル325aと、MAP選択ポリシー記憶部325bと、リンクレイヤ部28と、インターフェース29とを備える。図3に示すMN20と実質的に同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0220】
TCP/UDP部322は、MAP通知パケットをIPレイヤ部323から取得し、NMDP部325に提供する。又、TCP/UDP部322は、NMDP部325から、MAP探索パケットを取得し、IPレイヤ部323に提供する。尚、TCP/UDP部322は、TCPヘッダのポート番号によりパケットの種類を判断する。TCP/UDP部322は、これらの点以外は、図3に示すMN20のTCP/UDP部22と同様である。
【0221】
又、NMDP部325は、MAP探索パケットをTCP/UDP部322に提供したり、MAP通知パケットをTCP/UDP部322から取得したりする。又、NMDP部325は、近隣MAPテーブル326、第2テーブル325a、MAP選択ポリシー記憶部325bから情報を取得したり、MAPテーブル326や第2テーブル325aの情報を更新したりする。このように、NMDP部325は、TCP/UDPレベルで処理を行う以外は、図3に示すMN20のNMDP部25と実質的に同様である。又、近隣MAPテーブル326、第2テーブル325a、MAP選択ポリシー記憶部325は、TCP/UDPレベルで行う処理に利用される点以外は、図に示すMN20の近隣MAPテーブル26、第2テーブル25a、MAP選択ポリシー記憶部25bと実質的に同様である。又、IPレイヤ部323は、NMDP部325とパケットの授受を行わない以外は、図3に示すIPレイヤ部23と、実質的に同様である。
【0222】
〔変更例3〕
周辺転送装置には、探索パケット受信転送装置であるMAPに直接的に近隣するMAPと、探索パケット受信転送装置であるMAPに間接的に近隣するMAPがある。例えば、探索パケット受信転送装置であるMAPに直接的に近隣するMAPを第1近隣MAPとすると、第1近隣MAPに直接的に近隣する第2近隣MAPや第2近隣MAPに直接的に近隣する第3近隣MAPが、探索パケット受信転送装置に間接的に近隣するMAPとなる。
【0223】
上記実施形態では、探索パケット受信転送装置であるMAPに直接的に近隣する周辺転送装置であるMAPが、MAP通知依頼パケットを受信した場合、MAPパケット通知を送信するだけであった。しかし、探索パケット受信転送装置に直接的に近隣する周辺転送装置であるMAPが、更に、MAP通知依頼パケットを、自身の近隣MAPテーブルに記憶されているMAPに送信するようにしてもよい。これによれば、探索パケットを送信したMAPやMNは、探索パケット受信転送装置に間接的に近隣する周辺転送装置であるMAPからも、MAP通知パケットを受信することができる。同様にして、MAP通知依頼パケットを受信したMAPが、次々に、そのMAPが備える近隣MAPテーブルに記憶されているMAPに、MAP通知依頼パケットを送信するようにしてもよい。
【0224】
又、MAP通知パケットが経由する経路上にあるMAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身が備える近隣MAPテーブルに記憶されているMAPに関する情報を含むMAP通知パケットを作成し、探索パケットを送信したMAPやMNに送信するようにしてもよい。又、MAP通知パケットが経由する経路上にあるMAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身が備える近隣MAPテーブルに記憶されているMAPに関する情報を、受信したMAP通知パケットに格納していくようにしてもよい。
【0225】
このように、各MAPが、MAP探索やMAP通知に関するパケットを、自身に近隣するMAPに、次々に送信していくことにより、周囲に伝搬させていくようにしてもよい。これによれば、各MAPは、より多くのMAPに関する情報を把握することができる。
【0226】
〔変更例4〕
MAPとMNとの間や、MAPとMAPとの間の遅延値やホップ数の決定方法は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、探索パケットを送信したMNやMAPは、自身と探索パケット受信転送装置となったMAPとの間の遅延値や、探索パケット受信転送装置となったMAPと周辺転送装置となったMAPとの間の遅延値から、探索パケットを送信したMNやMAP自身と周辺転送装置となったMAPとの間の移動端末間情報や転送装置間情報を決定していた。しかし、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、探索パケットを送信したMNやMAP自身と、周辺転送装置となったMAPとの間の遅延値自体を直接計測できる。例えば、周辺転送装置となったMAPが、MAP通知パケットを送信する際に、その送信時刻を、MAP通知パケットに格納するだけでよい。又、MAP探索パケットやMAP通知依頼パケット、MAP通知パケットに、探索開始時刻を格納する必要もない。
【0227】
更に、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、MAP通知パケットが経由する経路上にある各MAPが、MAP通知パケットを受信した際に、自身のIPアドレスと、MAP通知パケットの送信時刻を、MAP通知パケットに格納していくようにしてもよい。即ち、各MAPが、MAP通知パケットに、送信時刻のタイムスタンプを押していってもよい。これによれば、探索パケットを送信したMNやMAPは、一度により多くのMAPに関する情報を把握することができる。
【0228】
又、MAP同士や、MAPとMNが、同期している場合には、探索パケットを送信したMNやMAPは、MAP探索パケットのシーケンスナンバと、その探索開始時刻とを対応付けたテーブルを保持するようにしてもよい。そして、返信されてきたMAP通知パケットのシーケンスナンバに基づいて、そのテーブルを参照することにより、その探索開始時刻を把握することができる。これによれば、MAP探索パケットやMAP通知依頼パケット、MAP通知パケットに、探索開始時刻を格納する必要がない。
【0229】
又、ホップ数についても、探索パケットを送信したMNやMAP自身と周辺転送装となったMAPとの間のホップ数自体を直接計測してもよく、各MAP間のホップ数から、探索パケットを送信したMNやMAP自身と、周辺転送装置となったMAPとの間のホップ数を計算するようにしてもよい。
【0230】
〔変更例5〕
MAP通知パケットに含まれる情報や、近隣MAPテーブルが記憶する情報は、上記実施形態に限定されない。MAP通知パケットに含まれる情報や、近隣MAPテーブルが記憶する情報は、通信システムやノードが使用する遠近の判断基準や、MAP選択ポリシーに応じて異なってくる。遠近の判断基準のパラメータとして、遅延値やホップ数以外に、例えば、ノード間のパケット送信におけるコスト、リンク容量等の移動端末間情報や転送装置間情報、トラフィック量等の転送装置自体情報を用いる場合には、MAP通知パケットは、これらの移動端末間情報や転送装置間情報、転送装置自体情報を含み、近隣MAPテーブルは、これらの移動端末間情報や転送装置間情報、転送装置自体情報を記憶する。
【0231】
又、MAP選択ポリシーのパラメータとして、処理能力以外に、ノード間の伝搬路状況等の移動端末間情報や転送装置間情報、信頼性(ミラー化されているか等)、トラフィック量、MAPを利用しているMNの数、送信電力値等の転送装置自体情報を用いる場合には、MAP通知パケットは、これらの移動端末間情報や転送装置間情報、転送装置自体情報を含み、近隣MAPテーブルは、これらの移動端末間情報や転送装置間情報、転送装置自体情報を記憶する。
【0232】
又、近隣MAPテーブルは、複数の移動端末間情報や転送装置間情報、転送装置自体情報を記憶しておくようにし、NMDP部は、状況に応じて採用する遠近の判断基準を変更したり、使用するMAP選択ポリシーを変更したりしてもよい。又、近隣MAPテーブルが情報を記憶する基準も、上記実施形態に限定されない。例えば、最大ノード登録数を設定せずに、遅延値やホップ数が一定値以下のMAPに関する情報を記憶するようにしてもよい。又、生存時間順や他のノード情報やノード間情報により定められた順番に従って、MAPに関する情報を記憶するようにしてもよい。尚、MNの近隣MAPテーブルが情報を記憶する基準は、MAP選択ポリシーに基づいて設定することが好ましい。MAP選択ポリシーにあうMAPを、近隣MAPテーブルに登録しておくことにより、効率よく利用ノードを選択することができる。
【0233】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、接続制御サービスとモビリティ制御サービスとを別々に提供することが可能な通信システム、移動端末、転送装置及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係るMAPの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係るMNの構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係るMAPとMNの配置を示す図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態に係るMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP探索パケット、MAP通知依頼パケット、MAP通知パケットの経路を説明する説明図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP探索パケットを示す図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP通知依頼パケットを示す図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP通知パケットを示す図である。
【図11】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP(i)からのMAP通知パケット受信時のMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図12】 本発明の第1の実施の形態に係るMAP(f)からのMAP通知パケット受信時のMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図13】 本発明の第1の実施の形態に係るMNの移動の様子を説明する説明図である。
【図14】 本発明の第2の実施の形態に係るMAP探索パケット、MAP通知パケットの経路を説明する説明図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態に係るMAP(k)の近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図16】 本発明の第2の実施の形態に係るMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図17】 本発明の第2の実施の形態に係るMAP探索パケットを示す図である。
【図18】 本発明の第2の実施の形態に係るカプセル化MAP通知パケットを示す図である。
【図19】 本発明の第2の実施の形態に係るMAP通知パケットを示す図である。
【図20】 本発明の第2の実施の形態に係るMAP通知パケット受信時のMNの近隣MAPテーブル及び第2テーブルを示す図である。
【図21】 本発明の第2の実施の形態に係るMNの移動の様子を説明する説明図である。
【図22】 本発明の変更例に係るMAPの構成を示すブロック図である。
【図23】 本発明の変更例に係るMNの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 通信システム
3,103 MAP探索パケット
4i,4f MAP通知依頼パケット
5i,5f,105i,105f MAP通知パケット
10,310 MAP
10a〜10n,110a〜110n MAP(a)〜MAP(n)
11,21 アプリケーション部
12,22,312,322 TCP/UDP部
13,23,313,323 IPレイヤ部
14,24 モビリティ制御部
14a バインディング情報記憶部
14b バッファ
15,25,315,325 NMDP部
15a,25a,315a,325a 第2テーブル
16,16a〜16n,26,116a〜116n,126,316,326 近隣MAPテーブル
17,317 判断部
17a 加入者データベース
18,28 リンクレイヤ部
19,29 インターフェース
20,320 MN
24a 制御情報記憶部
25b MAP選択ポリシー記憶部
30a〜30c AR(A)〜AR(C)
40a〜40c アクセスネットワーク(A)〜アクセスネットワーク(C)
50 バックボーンネットワーク
317a キー記憶部

Claims (15)

  1. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、
    ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、
    前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムであって、
    前記移動端末は、自端末にとって既知の転送装置のアドレスを管理する移動端末側管理テーブルを参照して、前記移動端末側管理テーブルで管理される既知の転送装置のアドレス宛に、自端末にとって未知の転送装置を探索するための探索パケットを送信し、
    前記探索パケットを受信する転送装置は、自装置にとって既知の転送装置のアドレスを管理する転送装置側管理テーブルを参照して、前記転送装置側管理テーブルで管理される既知の転送装置のアドレス宛に、自装置のアドレスを前記移動端末に通知するよう依頼する通知依頼パケットを送信し、
    前記通知依頼パケットを受信する転送装置は、前記通知依頼パケットに応じて、自装置のアドレスを少なくとも含む通知パケットを前記移動端末宛に送信し、
    前記移動端末は、
    前記通知パケットに基づいて、自端末にとって未知の転送装置を検出する検出手段と、
    前記接続制御装置と接続して、前記検出手段が検出した転送装置とパケットを送受信する通信手段とを備えることを特徴とする通信システム。
  2. 前記転送装置は、前記ネットワークの広さに応じて配置されることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、
    ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、
    前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムであって、
    前記転送装置は、
    前記接続制御装置を介して、前記移動端末とパケットを送受信する通信手段と、
    自装置のアドレスを前記移動端末に通知するよう依頼する通知依頼パケットを他の転送装置から受信する受信手段と、
    前記通知依頼パケットに応じて、自装置のアドレスを少なくとも含む通知パケットを前記移動端末に送信する送信手段と、
    前記通信手段が受信したパケットに含まれるデータに基づいて、前記通信手段が受信したパケットが装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末の移動先へのパケットの転送を制御する転送制御手段とを備えることを特徴とする通信システム。
  4. 前記転送装置は、前記ネットワークの広さに応じて配置されることを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  5. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる移動端末であって、
    自端末にとって既知の転送装置のアドレスを管理する移動端末側管理テーブルを参照して、前記移動端末側管理テーブルで管理される既知の転送装置のアドレス宛に、自端末にとって未知の転送装置を探索するための探索パケットを送信する送信手段と、
    前記探索パケットを受信する転送装置から送信された通知依頼パケットを受信する転送装置から通知パケットを受信する受信手段と、
    前記通知パケットに基づいて、自端末にとって未知の転送装置を検出する検出手段と、
    前記接続制御装置と接続して、前記検出手段が検出した転送装置とパケットを送受信する通信手段とを備え、
    前記通知依頼パケットは、前記探索パケットを受信する転送装置にとって既知の転送装 置のアドレス宛に送信され、
    前記通知パケットは、前記通知依頼パケットを受信する転送装置のアドレスを少なくとも含むことを特徴とする移動端末。
  6. 前記パケットの転送に利用する転送装置を選択する選択基準を記憶する選択基準記憶手段と、
    前記選択基準記憶手段に記憶された選択基準に基づいて、前記検出手段が検出した転送装置の中から、前記利用する転送装置を選択する選択手段とを備え、
    前記通信手段は、前記選択手段が選択した転送装置とパケットを送受信することを特徴とする請求項に記載の移動端末。
  7. 前記検出手段が検出した転送装置に送信する前記転送装置に関する転送装置情報を調査するためのデータを作成するデータ作成手段を備え、
    前記通信手段は、前記データ作成手段が作成したデータを前記検出手段が検出した転送装置に送信し、前記検出手段が検出した転送装置から応答データを受信することを特徴とする請求項に記載の移動端末。
  8. 前記通知パケットには、前記転送装置に関する転送装置情報が含まれており、
    前記転送装置情報は、前記転送装置自体に関する転送装置自体情報又は前記転送装置と移動端末との間に関する移動端末間情報の少なくとも1つであり、
    前記転送装置自体情報は、前記転送装置の処理能力、前記転送装置のトラフィック量、前記転送装置を利用している移動端末の数、前記転送装置の送信電力値、前記転送装置の信頼性の少なくとも1つであり、
    前記移動端末間情報は、前記転送装置と移動端末との間のパケット送信における遅延値、前記転送装置と移動端末との間のホップ数、前記転送装置と移動端末との間のパケット送信におけるコスト、前記転送装置と移動端末との間のリンク容量、前記転送装置と移動端末との間の伝搬路情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項に記載の移動端末。
  9. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる転送装置であって、
    前記転送装置は、
    前記接続制御装置を介して、前記移動端末とパケットを送受信する通信手段と、
    自装置のアドレスを前記移動端末に通知するよう依頼する通知依頼パケットを他の転送装置から受信する受信手段と、
    前記通知依頼パケットに応じて、自装置のアドレスを少なくとも含む通知パケットを前記移動端末に送信する送信手段と、
    前記通信手段が受信したパケットに含まれるデータに基づいて、前記通信手段が受信したパケットが装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に基づいて、前記移動端末の移動先へのパケットの転送を制御する転送制御手段とを備えることを特徴とする転送装置。
  10. 前記通知パケットは、前記移動端末にとって未知の転送装置を探索するための探索パケットを前記移動端末から受信する転送装置以外の転送装置である周辺転送装置を経由して前記移動端末に送信されることを特徴とする請求項9に記載の転送装置。
  11. 前記周辺転送装置は、自装置にとって既知の転送装置であることを特徴とする請求項に記載の転送装置。
  12. 前記パケット転送を利用可能な移動端末毎に固有の端末情報を記憶する端末情報記憶手段を備え、
    前記判断手段は、前記通信手段が受信したパケットに含まれる移動端末に関する情報と、前記端末情報記憶手段に記憶された端末情報とが一致するか否かに基づいて、前記判断を行うことを特徴とする請求項に記載の転送装置。
  13. 前記パケット転送を利用可能な移動端末に共通して付与される共通データを記憶するデータ記憶手段を備え、
    前記判断手段は、前記通信手段が受信したパケットに含まれるデータと、前記データ記憶手段に記憶された共通データとが一致するか否かに基づいて、前記判断を行うことを特徴とする請求項に記載の転送装置。
  14. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる通信方法であって、
    前記移動端末が、自端末にとって既知の転送装置のアドレスを管理する移動端末側管理テーブルを参照して、前記移動端末側管理テーブルで管理される既知の転送装置のアドレス宛に、自端末にとって未知の転送装置を探索するための探索パケットを送信するステップAと、
    前記探索パケットを受信する転送装置が、自装置にとって既知の転送装置のアドレスを管理する転送装置側管理テーブルを参照して、前記転送装置側管理テーブルで管理される既知の転送装置のアドレス宛に、自装置のアドレスを前記移動端末に通知するよう依頼する通知依頼パケットを送信するステップBと、
    前記通知依頼パケットを受信する転送装置が、自装置のアドレスを少なくとも含む通知パケットを前記移動端末宛に送信するステップCと、
    前記移動端末が、前記通知パケットに基づいて、自端末にとって未知の転送装置を検出するステップと、
    前記移動端末が、前記接続制御装置と接続して、前記ステップDで検出した転送装置とパケットを送受信するステップ
    を有することを特徴とする通信方法。
  15. 移動端末の移動先にパケットを転送する複数の転送装置と、ネットワーク内に配置され、前記移動端末と接続する複数の接続制御装置と、前記接続制御装置と接続し、前記接続制御装置を介して前記転送装置とパケットを送受信する移動端末とを備える通信システムにおいて用いられる通信方法であって、
    前記転送装置が、前記接続制御装置を介して、前記移動端末とパケットを送受信するステップAと、
    前記転送装置が、自装置のアドレスを前記移動端末に通知するよう依頼する通知依頼パケットを他の転送装置から受信するステップBと、
    前記転送装置が、前記通知依頼パケットに応じて、自装置のアドレスを少なくとも含む通知パケットを前記移動端末に送信するステップCと、
    前記転送装置が、前記ステップAで受信したパケットに含まれるデータに基づいて、前記通信手段が受信したパケットが自装置によるパケット転送を利用可能な移動端末からのパケットであるか否かを判断するステップDと、
    前記転送装置が、前記ステップDの判断結果に基づいて、前記移動端末の移動先へのパケットの転送を制御するステップEとを有することを特徴とする通信方法。
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