JP2004045523A - アゾ顔料およびその製造方法、ならびにトナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】純度が90%以上であることを特徴とするトナー用アゾ顔料および着色剤として有機顔料を含有するトナーにおいて、有機顔料が純度が90%以上のアゾ顔料であることを特徴とするトナーならびに、これらの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、電子印刷、静電記録等の画像記録における記録剤の製造に好適なアゾ顔料およびその製造方法、ならびにこのアゾ顔料を用いたトナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルカラーまたはモノカラーの電子写真、静電写真、静電記録等に使用される画像記録用着色剤としては、油溶性染料、分散性染料、チオインジコ系顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン顔料等の縮合多環系顔料が知られている。しかしながら、上記顔料は製造コストが高く、着色力も劣り、また、上記染料では耐光性が劣る等の問題があり、トナー用着色剤として十分に満足できるものではなかった。
【0003】
これらの問題を解決すべくアゾ系顔料が着目され、開発が進められてきた。例えば、特開昭62−296167号公報にはモノアゾ系顔料をトナー用途に使用する技術が、特開昭59−165069号公報や特開平5−19536号公報にはナフトール系アゾ顔料をトナー用途に使用する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、近年画像記録の高解像度化など高性能化が進むにつれてトナーに使用する着色剤は顔料構造による選別から、高度に粒子設計、顔料設計された顔料へと開発が移りつつある。
例えば、特開平11−272014号公報にはナフトール系アゾ顔料のピグメントレッド238、同147について顔料の累積体積分布による平均粒度を規定した顔料の使用についての記載がある。しかし、粒度のみを規定しても顔料の凝集が強く、凝集を抑制するためには特定構造の活性剤の使用が必要であり、このような活性剤の使用はトナーの製造範囲を著しく制限し、トナーにおいて必要な特性である透明性や着色力をも低下させてしまう。さらに、特開平10−239904号公報には、有機顔料粒子の形状と粒子径をソルトミリング工程により改良した有機顔料の使用が記載されている。しかし、これらの顔料を重合法トナーに用いた場合には、着色剤分散液や重合後に着色剤が凝集し、トナーにおいて必要な透明性や着色力が不十分であった。さらには水溶性無機塩を使用したソルトミリング工程によるコストアップや環境負荷も生じ、工業的にも著しく不利となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、トナーの製造において良好な分散性及び分散安定性を有し、トナーが透明で着色力が有り、その他トナーに要求される性能をバランス良く満たし、且つ工業的にも有利なトナー用着色剤およびこれを用いたトナーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定純度のアゾ顔料を用いることで従来からの問題点が解決され、解像性ならびに着色力等に優れた性能を有するトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、純度が90%以上のトナー用アゾ顔料およびその製造方法、ならびに着色剤として有機顔料を含有するトナーにおいて、有機顔料の純度が90%以上のアゾ顔料であることを特徴とするトナーおよびその製造方法である。
【0007】
上記の顔料純度を有するアゾ顔料は、従来慣用のアゾ顔料と比べ、トナーの製造において良好な分散性及び分散安定性を有し、トナーが透明で着色力が有り、その他トナーに要求される条件をバランス良く満たすトナー用着色剤として有用である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に発明の実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のトナー用アゾ顔料は、純度が90%以上であることが特徴である。アゾ顔料としては公知の化学構造を有するアゾ顔料が全て含まれるが、特に下記の一般式(1)で示されるアゾ顔料が好ましい。式中のR1〜R6は置換基である。
【0009】
【0010】
アゾ顔料として上記一般式(1)おいて、R1、R3、R4がメトキシ基、R2が塩素原子、R5が水素原子、R6がフェニルアミノカルボニル基である化合物、即ちピグメントレッド146、また、R1がメチル基、R4がメトキシ基、R3が塩素原子、R2、R5が水素原子、R6がフェニルアミノカルボニル基である化合物、即ちピグメントレッド147、また、R1、R4がメトキシ基、R3が塩素原子、R2、R5が水素原子、R6がフェニルアミノカルボニル基である化合物、即ちピグメントレッド269が、色相、着色力、その他トナーに要求される性能を満たす点でより好ましい。
【0011】
本発明のトナー用アゾ顔料は、顔料純度が90%以上である。一方、従来の各種用途で使用されているアゾ顔料は、顔料中に残留ジアゾ成分、残留カップラー成分、合成途中に発生する副反応物、分解物等を多量に含んでいる。これら有機不純物が、トナーの製造において様々な問題を引き起こす要因となっていることを本発明者らは突き止めた。
【0012】
例えば、粉砕法トナーでは、顔料をバインダー樹脂へ分散する際に、顔料中に含まれている残留ジアゾ成分や顔料合成途中に生じたジアゾ成分の副反応物が、バインダー樹脂を変性させ、顔料の分散性や樹脂の持つ結着性等のトナー物性を損なわせていた。
【0013】
また、重合法トナーおよび凝集法トナーでは、顔料中に含まれている残留カップラー成分が、着色剤分散液や着色剤を含んだ重合後のポリマーが凝集を引き起こすため、トナー中の顔料濃度を低下させていた。また、顔料合成途中に発生する分解物が、重合法では必要なエマルジョンを破壊し、均一な重合を妨げ、凝集法では凝集工程を阻害して粒度分布を広げたり、トナーの帯電安定性等を悪化させるなど、トナー特性を損なわせていた。従って、アゾ顔料を含むトナーが良好なトナー特性を発現するためには、アゾ顔料が含有する上記の各種有機不純物を減少させる必要性がある。
【0014】
本発明者らは、アゾ顔料が、その製造工程中に、非水溶性溶剤または水溶性溶剤を一部添加する工程、または、前記溶剤にてアゾ顔料を洗浄する工程を含むと、製造されたアゾ顔料中に含まれている残留ジアゾ成分、残留カップラー成分、合成途中に発生する副反応物、分解物、重合物等の顔料以外の多くの有機不純物が、水相から、より溶解度の高い溶剤相に移行し、アゾ顔料中の有機不純物の総量が減少し、結果としてアゾ顔料が高い顔料純度を有し、該顔料を含むトナーが高い透明性、着色力等のトナー特性に優れていることを見出した。
これらの効果が得られるには、顔料純度は90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上である。
【0015】
顔料純度は、一般的な方法として、該顔料に含まれる各種有機不純物を有機溶剤で抽出し、有機不純物が除去された顔料の重量を計量することで測定できる。有機溶剤としては、顔料を溶解せず、残留ジアゾ成分、残留カップラー成分、合成途中に発生する副反応物、分解物、重合物等を選択的に溶解できる非水溶性溶剤または水溶性溶剤が使用される。
【0016】
本発明で使用する非水溶性溶剤または水溶性溶剤は、置換されていても良く、炭化水素類、アミン類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド類、酸類、可塑剤類等が挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン、スチレン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、牛脂アミン、トリエチルアミン、メタノール、プロピルアルコール、ブタノール、フェノール、ナフトール、テトラヒドロフラン、ジエチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ギ酸、酢酸、オレイン酸、ヒマシ油等が挙げられる。これらのなかではエーテル類、アルコール類が好ましく、より好ましくはメタノールである。
【0017】
アゾ顔料を非水溶性溶剤または水溶性溶剤にて洗浄したり、アゾ顔料に前記溶剤を一部添加するには、例えば、顔料プレスケーキ、乾燥後の塊状顔料、あるいは粉砕後の顔料粉末を上記溶剤または上記溶剤を含む水溶液中に分散させる方法がある。さらに、カップリング後の顔料スラリーやカップリング前のジアゾ成分またはカップリング成分または必要ならば別に備えた水溶液中に上記溶剤または上記溶剤を含む水溶液やエマルジョンを予め添加してカップリング反応を行い、顔料スラリーをろ過する方法等もある。尚、上記洗浄方法、添加方法はすべてのアゾ顔料に適用でき、公知のアゾ顔料の製造方法すべてに適用できる。
【0018】
尚、本発明で使用する非水溶性溶剤または水溶性溶剤は単独で使用しても、2つ以上の溶剤を組み合わせて使用しても良く、必要により、適当な界面活性剤と共にエマルジョンとして使用しても良い。さらに、使用する非水溶性溶剤または水溶性溶剤の種類および使用量ならびに界面活性剤等の助剤の併用は、トナーの諸物性が損なわれない範囲であれば、特に制限はない。
【0019】
本発明のトナーは、粉砕法、重合法および凝集法のいずれでも製造することができる。これらの方法は公知の方法が使用でき、特に制限されない。その際、着色剤としての本発明の純度が90%以上のアゾ顔料は、色相等を調整するために他の着色剤と任意に混合することもできる。
【0020】
粉砕法としては、公知の粉砕法がいずれも使用でき、特に制限されない。具体的には、本発明のアゾ顔料を含む着色剤を、バインダー樹脂中に予め高濃度で分散させてマスターバッチを作り、それを混練時にバインダー樹脂に添加し希望する濃度まで希釈しても良いし、バインダー樹脂に直接添加して混練しても良い。本発明の純度を制御したアゾ顔料は、バインダー樹脂に分散が容易で、透明性と着色力の高いトナーが得られる。
【0021】
懸濁重合法にて本発明のトナーを得るには、重合性単量体中に、本発明のアゾ顔料を含む着色剤、重合開始剤、必要ならば、さらに帯電制御剤、ワックス、分散剤等を均一に分散混合し、得られた混合物を懸濁安定剤を含む水中に分散させ、加熱して懸濁重合することでトナーが得られる。本発明の純度を制御したアゾ顔料は、主に非水系である重合単量体への分散が容易で、透明性と着色力の高いトナーが得られる。
【0022】
凝集法により本発明のトナーを得るには、バインダー樹脂等の乳化液に、本発明のアゾ顔料を含む着色剤、必要ならば、さらに帯電制御剤、ワックス、分散剤等と混合し、水を主体とした分散媒で分散後、これを添加し、温度、pH等を制御または凝集剤を添加することによりこれらとバインダー樹脂とを凝集させる工程を経てトナーを製造する。本発明の純度を制御した顔料は、主に水を主体とした分散媒への分散が容易で分散安定性があり、透明性と着色力の高いトナーが得られる。
【0023】
本発明のトナーに適したバインダー樹脂(結着樹脂)としては、公知のバインダー樹脂がいずれも使用でき、特に制限されない。重合法および凝集法トナーの製造におけるバインダー樹脂を構成する重合性単量体も同様である。バインダー樹脂の製造に使用される重合性単量体としては、例えば、スチレンあるいはスチレン誘導体、メタアクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、オレフィン類、ハロゲン系ビニル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル化合物類、アクリル酸、メタクリル酸等があり、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。これらの重合性単量体は、ラジカル重合開始剤、例えば、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、過硫酸塩系重合開始剤、過酸化水素等を用いて重合することができる。
粉砕法用の樹脂として使用されるものは、例えば、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・メタアクリル系樹脂等の共重合体、必要ならば架橋成分を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等があり、これらを単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0024】
トナーの帯電制御は、バインダー樹脂、着色剤自体で行っても良いが、必要に応じて帯電制御剤を併用しても良い。本発明のトナーに適した帯電制御も同様に公知のものが全て使用できる。例えば正帯電制御剤として第4アンモニウム塩等が、負帯電制御剤としてサリチル酸系金属錯体等を用いることができる。
【0025】
本発明に使用されるワックス類としては、オレフィン系ワックスがあり、好ましくは低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコン等がある。これら以外の成分として上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される内添剤または外添加剤を添加したものであってもよい。
【0026】
本発明のトナーとしては、例えば、磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が挙げられるが、いずれのトナーにおいても高純度アゾ顔料使用による前記の効果が奏される。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド100g(0. 41モル)を水1500gに分散させ、氷を加えて0〜5℃に設定し、35%塩酸水溶液120g (1. 15モル)を加えて10分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム29g(0. 42モル)を水に溶解後添加し、60分間攪拌した後、スルファミン酸4g(0. 04モル)を加えて亜硝酸を消去した。さらに、酢酸ソーダ100g(0. 74モル)、90%酢酸150g(2. 24モル)を添加し、ジアゾニウム塩溶液とした。
【0029】
これとは別に、N−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキシアミド153g(0. 43モル)を水1500g、苛性ソーダ50g(1. 25モル)と共に90℃で溶解した後、水を追加して20℃としてカップラー溶液とした。
【0030】
このカップラー溶液を20℃以下に設定した上記ジアゾニウム塩溶液に添加し、カップリング反応を行い、1時間攪拌した。得られた顔料スラリーを90℃で加熱処理をした後、ろ過、水洗を行い、顔料純分20%の顔料ペースト1220g(0. 40モル)を得た。
この顔料ペースト1220gを2000gのメタノール中に分散させ、2時間攪拌した後、ろ過、水洗を行い100℃で乾燥し、アゾ顔料(ピグメントレッド(PR)146)240gを得た。
乾燥した顔料2.00gをメタノール400mlに分散させ、顔料以外の有機不純物を室温にて2時間抽出した。抽出後の顔料をメタノール100mlにて洗浄後、残った顔料を100℃にて乾燥し、抽出前後の重量差にて顔料純度を求めた(他の実施例および比較例においても同様)。結果を表1に示す。
比較例1
メタノール洗浄を行わない以外は実施例1と同様にしてアゾ顔料(PR146)を製造した。顔料の純度を表1に示す。
【0031】
実施例2
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド100g(0. 41モル)を水1500gに分散させ、氷を加えて0〜5℃に設定し、35%塩酸水溶液120g(1. 15モル)を加えて10分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム29g(0. 42モル)を水に溶解後添加し、60分間攪拌した後、スルファミン酸4g(0. 04モル)を加えて亜硝酸を消去した。さらに、酢酸ソーダ100g(0. 74モル)、90%酢酸150g(2. 24モル)を添加し、ジクロルベンゼン24gと界面活性剤(花王社製エマルゲン911)2gを混合し、これに水を注入攪拌してエマルジョンとした後添加し、ジアゾニウム塩溶液とした。
【0032】
これとは別に、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキシアミド139g(0. 42モル)を水1500g、苛性ソーダ50g(1. 25モル)と共に90℃で溶解後、水を追加して20℃とし、カップラー溶液とした。
【0033】
このカップラー溶液を20℃以下に設定した上記ジアゾニウム塩溶液に添加し、カップリング反応を行い、1時間攪拌した。得られた顔料スラリーを90℃で加熱処理をした後、ろ過、水洗を行い、100℃で乾燥し、アゾ顔料(PR269)232g(0. 40モル)を得た。このアゾ顔料の純度を表1に示す。
【0034】
比較例2
ジクロルベンゼンと界面活性剤を使用しない以外は実施例2と同様にしてアゾ顔料(PR269)を製造した。得られたアゾ顔料の純度を表1に示す。
【0035】
実施例3
2−メトキシ−4−ニトロアニリン69g(0. 41モル)を、水1500g、35%塩酸水溶液109g (1. 05モル)に加え攪拌し、氷を加えて0℃に冷却した。その後、亜硝酸ナトリウム29g(0.42モル)を水に溶解後添加し、60分間攪拌した後、スルファミン酸4g(0. 04モル)を加えて亜硝酸を消去し、ジアゾニウム塩溶液とした。
【0036】
また、2−メトキシアセトセトアニライド89g(0. 43モル)を水1500g、苛性ソーダ16. 9g(0. 42モル)と共に溶解し、水温を20℃とし、カップラー溶液とした。
【0037】
これとは別に、水5000gに酢酸ソーダ100g(0. 74モル)、90%酢酸150g(2. 25モル)を添加し、水温を20℃とした水溶液を準備した。
【0038】
上記ジアゾニウム塩溶液及びカップラー溶液を上記の20℃の水溶液中に同時に添加し、カップリング反応を行い、1時間攪拌した。さらに、ジメチルホルムアミド20gを添加し、得られた顔料を加熱処理をした後、ろ過、水洗を行い、100℃で乾燥し、アゾ顔料(ピグメントイエロー(PY)74)154g(0. 40モル)を得た。この顔料の純度を表1に示す。
【0039】
比較例3
ジメチルホルムアミドを添加しない以外は実施例と同様にしてアゾ顔料(PY74)を製造した。得られた顔料の純度を表1に示す。
【0040】
【0041】
実施例4〜6、比較例4〜6(粉砕法トナー)
実施例1〜3、比較例1〜3の各アゾ顔料を用い、ポリエステル樹脂100g、顔料5gをボールミルにて攪拌混合後、溶融混練、冷却し、粉砕分級して粉砕法トナーを得た。
【0042】
実施例7〜9、比較例7〜9(凝集法トナー)
実施例1〜3、比較例1〜3の各アゾ顔料を用い、下記の方法による凝集法トナー作製した。
(1)着色剤分散液の製造
各アゾ顔料20gのそれぞれにイオン交換水80g、アルキルベンゼンスルホン酸塩3gを添加し、機械式分散機にて分散処理して各顔料の着色分散液を得た。
【0043】
(2)ポリマー乳化液の製造
反応器にエステルワックスエマルジョン330g(固形分として)、イオン交換水13Kgを入れ90℃に昇温し、アルキルベンゼンスルホン酸塩3g、スチレン2. 5Kg、n−ブチルアクリレート650g、メタクリル酸170g、8%過酸化水素水溶液330g、8%アスコルビン酸水溶液330gを添加した。90℃で7時間反応を継続してポリマー乳化液を得た。
【0044】
(3)トナーの製造
ポリマー乳化液150gに着色剤分散液9. 5gを注入し混合攪拌した。この中に0. 5%の硫酸アルミ溶液40gを攪拌しながら注入する。60℃に昇温し、2時間攪拌を継続し、ろ過、洗浄、乾燥し凝集法トナーを得た。
【0045】
実施例10〜12、比較例10〜12(懸濁重合法トナー)
実施例1〜3、比較例1〜3の各アゾ顔料を使用し、下記の方法による懸濁重合法トナーを作製した。
(1)水系分散媒体の製造
反応器にイオン交換水710gと0. 1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液450gを加えて65℃に加温し、1. 0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液68gを徐々に加え、コロイド状燐酸カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。
【0046】
(2)トナーの製造
スチレンモノマー165g、n−ブチルアクリレート35gに顔料14gを加えてサンドグラインダーで分散させた分散液にエステルワックス30gを加え、80℃で溶解させた。ついでn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを2g、重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11gを加えたものを前記水系分散媒体中に攪拌しながら徐々に加え、水中にモノマーを含む溶液を分散させた。ついで65℃、10時間重合反応を行った。pH調整、ろ過、洗浄、乾燥してトナーを得た。
【0047】
〔トナーの評価〕
上記各実施例、比較例で得られたトナーのそれぞれ50gに疎水性シリカ0. 3gを外添し、電子写真プリンターで以下の方法で評価を行った。また、重合トナー法においては着色剤の分散性と分散液の安定性も併せて評価した。評価結果を表2〜4に示す。
【0048】
評価方法
(1)透明性
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の透明性を観察した。
(2)着色力
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の着色力を観察した。
【0049】
(3)分散性
分散媒への顔料の分散性を観察した。
(4)分散液安定性
顔料の凝集や沈降が無く、経時で安定した分散状態を有するか否かを観察した。
【0050】
表2に示す通り、顔料純度が低い比較例では粉砕法トナー製造において分散性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0051】
表3に示す通り、顔料純度が低い比較例では凝集法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0052】
表4に示す通り、顔料純度が低い比較例では懸濁重合法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0053】
【発明の効果】
本発明のアゾ顔料を使用することにより、トナーの製造において良好な分散性及び分散安定性を有し、トナーが透明で着色力が有り、その他トナーに要求される性能をバランス良く満たし、且つ工業的にも有利なトナー用着色剤を提供することができる。
Claims (10)
- 純度が90%以上であることを特徴とするトナー用アゾ顔料。
- 前記の一般式(1)におけるR1、R4がメトキシ基、R2、R5が水素原子、R3 が塩素原子、R6がフェニルアミノカルボニル基である請求項1に記載のトナー用アゾ顔料。
- 前記一般式(1)におけるR1がメチル基、R2、R5が水素原子、R3が塩素原子、R4がメトキシ基、R6がフェニルアミノカルボニル基である請求項1に記載のトナー用アゾ顔料。
- 製造工程中に非水溶性溶剤または水溶性溶剤を一部添加する工程、または前記溶剤にて顔料を洗浄する工程を含むことを特徴とするトナー用アゾ顔料の製造方法。
- アゾ顔料が請求項1乃至4のいずれか1項に記載の顔料である請求項5に記載のトナー用アゾ顔料の製造方法。
- 着色剤として有機顔料を含有するトナーにおいて、有機顔料の純度が90%以上のアゾ顔料であることを特徴とするトナー。
- トナーが、粉砕法、重合法または凝集法で製造される請求項7に記載のトナー。
- 凝集法が、少なくとも乳化されたバインダー樹脂粒子と、水を主体とする分散媒に分散された前記アゾ顔料の分散体との混合物を凝集させる工程を経て製造されたトナーである請求項7または8に記載のトナー。
- 有機顔料とバインダー樹脂を含むトナーを、粉砕法、重合法または凝集法で製造するに際し、有機顔料として純度が90%以上のアゾ顔料を使用することを特徴とするトナーの製造方法。
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