JP2004044715A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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JP2004044715A JP2002204073A JP2002204073A JP2004044715A JP 2004044715 A JP2004044715 A JP 2004044715A JP 2002204073 A JP2002204073 A JP 2002204073A JP 2002204073 A JP2002204073 A JP 2002204073A JP 2004044715 A JP2004044715 A JP 2004044715A
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Atsushi Nanba
難波 篤史
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Abstract

【課題】変速時のトルク相における解放側油圧のフィードバック制御および学習制御によって、摩擦係合要素のバラツキを補正し、インターロックの発生を抑えて常に適正な変速品質を得る。
【解決手段】摩擦係合要素であるクラッチとブレーキにより、遊星歯車ユニットのギヤを連結、解放および固定状態に設定して入力軸から出力軸への動力伝達経路を切り換える自動変速機であり、アップシフト変速を行う際の目標車両加速度Racと実車両加速度Acgとを算出し、これらの偏差に基づいて、解放側の摩擦係合要素に加えられる解放側油圧Pcを算出する。これにより、インターロックや吹き上がりの影響を直接的に受ける実車両加速度Acgに基づいて、摩擦係合要素を作動制御することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊星歯車式の自動変速機におけるクラッチやブレーキなどの摩擦係合要素のバラツキを補正制御するようにした自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車式の自動変速機は、同軸上で回転するサンギヤとリングギヤとこれらに噛み合うピニオンギヤとを備えた遊星歯車ユニットを有し、ピニオンギヤはサンギヤと同軸上のキャリアに回転自在に取り付けられる。遊星歯車列を構成するリングギヤなどの各要素を、クラッチ、ブレーキなどの摩擦係合要素を用いて解放状態または連結状態もしくは固定状態とすると、遊星歯車列を構成する入力、出力および反力の各要素により動力伝達経路が切り換えられることで変速が行われる。たとえば、特定の変速段から他の変速段に変速操作を行うときには、係合状態となっている特定の摩擦係合要素を解放させる一方、解放状態となっている他のいずれかの摩擦係合要素を係合させると、動力伝達経路が切り換えられることになる。
【0003】
このように、摩擦係合要素を選択的に係合または解放するアップシフト変速は、変速前半のトルク相から変速後半のイナーシャ相の過程を経て終了する。ここでトルク相とは、係合状態に作動する係合側の摩擦係合要素によってトルクが伝達され始めているが、解放状態に作動する解放側の摩擦係合要素は係合が解除されていない状態であり、このトルク相では各要素の速度変化は起こらず慣性トルクは発生しない。また、イナーシャ相とは、係合側の摩擦係合要素は係合に向けて、解放側の摩擦係合要素は解放に向けてそれぞれ滑っている状態であり、このイナーシャ相では各要素の速度変化が起こり慣性トルクが発生する。
【0004】
たとえば、リングギヤとミッションケースとを固定と解放とに切り換えるブレーキと、入力軸とリングギヤとを連結と解放とに切り換えるクラッチとを有し、入力軸をサンギヤに設け、出力軸をキャリアに設けた自動変速機についてのアップシフト変速について考える。この自動変速機によれば、クラッチを解放しブレーキを係合すると、入力軸の回転は遊星歯車ユニットを介して減速されて出力軸に伝達される一方、クラッチを係合しブレーキを解放すると、入力軸の回転はそのまま出力軸に伝達される。つまり、係合側の摩擦係合要素であるクラッチを係合し、解放側の摩擦係合要素であるブレーキを解放することでアップシフト変速が行われる自動変速機である。
【0005】
アップシフト変速におけるトルク相においては、クラッチトルクの上昇に伴い反力要素であるブレーキトルクが減少し、出力軸の出力トルクは徐々に低下される。このトルク相では、解放側のクラッチが解放されていないため各要素の速度変化は起こらず慣性トルクは発生しない。出力トルクがさらに低下されると、動力伝達経路はサンギヤとキャリアが一体となって回転する高速側への移行を開始する。この移行によりアップシフトの変速過程はトルク相からイナーシャ相に移される。このイナーシャ相においては、ブレーキが解放されてブレーキ反力がゼロとなり、各要素の回転速度の変化に伴い慣性トルクが発生する。イナーシャ相の前半では、クラッチトルクの増加と各要素の慣性トルクにより出力トルクが増加する。クラッチトルクが最大値に達した後のイナーシャ相の後半では出力トルクは増加しなくなるが、クラッチが滑り続けるため慣性トルクは残り、クラッチ係合が完了することでアップシフト変速が終了すると、係合したクラッチの入力側と出力側の回転数が等しくなる。
【0006】
このようにアップシフト変速を行うには、複数の摩擦係合要素の解放動作と係合動作とを所定の油圧で行う必要がある。この油圧にずれが発生して複数の摩擦係合要素が同時に係合状態となると、入力軸と出力軸とが回転不能となるインターロック状態が発生する。また、複数の摩擦係合要素が同時に解放状態となると、出力軸が切り離されることによりエンジン負荷が低下してエンジンの吹き上げが発生することになる。自動変速機を構成する各要素には加工誤差や組立誤差などがあるので、同じ油圧で各要素の作動を制御しても、量産される各々の自動変速機における変速動作はずれることがあり、この油圧に対する変速動作は経年変化によってもずれることがある。
【0007】
そのため、各要素の加工誤差などに起因する摩擦係合要素の作動油圧のバラツキを補正して適正な変速品質を得るためには、自動変速機の入力軸回転数情報に基づき、解放側の摩擦係合要素の解放側油圧を学習制御することが必要となっている。特に、クラッチツークラッチ、つまりいずれかの摩擦係合要素の解放と他のいずれかの摩擦係合要素の係合とを行ってアップシフト変速を行う場合のトルク相において、解放側の摩擦係合要素の作動油圧を補正するためには学習制御が必要である。そこで、たとえば、特開平11−270665号公報には、クラッチツークラッチによるアップシフト変速において、入力軸回転加速度と基準回転加速度との差に基づいた解放側油圧のフィードバック制御により、摩擦係合要素のバラツキおよび経年変化を補正する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術は入力軸回転数の変化を検出して解放側油圧を補正する技術である。このため、入力軸回転数の変化率が小さいトルク相において、たとえばインターロック状態の発生を検出することが困難となり、上記技術を解放側油圧のフィードバック制御に適用することが困難となるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、変速時のトルク相における解放側油圧のフィードバック制御および学習制御によって、摩擦係合要素のバラツキを補正し、インターロック状態の発生を抑えて、常に適正な変速品質を得るようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動変速機の制御装置は、サンギヤとこれに同軸上のリングギヤとこれらに噛み合うピニオンギヤとを備えた遊星歯車ユニットと、それぞれの前記ギヤを連結、解放および固定状態に設定して入力軸から出力軸への動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素とを有する自動変速機の制御装置であって、前記摩擦係合要素の解放と係合とを切り換えてアップシフト変速を行う際の目標車両加速度を算出する目標車両加速度算出手段と、前記変速を行う際の実車両加速度を算出する実車両加速度算出手段と、前記目標車両加速度と前記実車両加速度との偏差に基づいて、解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧を算出する解放側油圧算出手段と、前記解放側油圧に基づいて前記解放側の摩擦係合要素を解放する油圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記目標車両加速度は、前記入力軸に加えられる入力トルクと、変速前後の動力伝達経路により定められるギヤ比と、前記摩擦係合要素による変速動作の経過時間とに基づいて算出されることを特徴とする。
【0012】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記目標車両加速度は、変速前の前記実車両加速度の平均値を用いて補正されることを特徴とする。
【0013】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記実車両加速度に基づいてトルク相からイナーシャ相に切り換えることを特徴とする。
【0014】
本発明の自動変速機の制御装置は、トルク相における前記車両加速度の下限値を定め、前記実車両加速度が前記下限値を下回るとイナーシャ相に切り換えることを特徴とする。
【0015】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記解放側油圧を補正するための油圧学習値を算出する油圧学習値算出手段を有し、前記偏差が所定量を越えないように前記油圧学習値を算出することを特徴とする。
【0016】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記解放側油圧を補正するための油圧学習値を算出する油圧学習値算出手段を有し、前記偏差の積分値が所定量を越えないように前記油圧学習値を算出することを特徴とする。
【0017】
本発明の自動変速機の制御装置は、実ギヤ比を算出する実ギヤ比算出手段を有し、前記実ギヤ比に基づいて前記油圧学習値を算出することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【0018】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記油圧学習値を更新する学習更新値を、前記入力トルクが小さいときには小さくし、大きいときには大きくすることを特徴とする。
【0019】
本発明の自動変速機の制御装置は、前記油圧学習値を前記入力トルクまたは前記入力トルクと前記入力軸の回転数とにより設定される運転領域毎に設定することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、遊星歯車式の自動変速機における変速時に、係合状態から解放状態に設定される解放側の摩擦係合要素を作動させる解放側油圧を、実車両加速度と目標車両加速度の偏差に応じて算出することにより、インターロックの発生による影響を直接受ける実車両加速度に基づいて、摩擦係合要素を作動制御することができ、摩擦係合要素にバラツキや経年変化があっても、変速時におけるインターロックの発生を確実に防止することができる。よって常に変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0021】
変速過程におけるトルク相からイナーシャ相への切り換えについては、実車両加速度に基づいて切り換えを行うため、不要な加速度の変動を防止することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。また、変速時における実車両加速度の下限値を定め、この下限値を下回ることでイナーシャ相に切り換えを行うことにより、不要な加速度の減退を確実に防止することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0022】
実車両加速度と目標車両加速度の偏差に応じて解放側油圧を補正する油圧学習値を更新することにより、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。また、実ギヤ比の状態を監視して油圧学習値を算出することにより、吹け上がりによる影響を受けることなく変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は遊星歯車式の自動変速機10の一例を示すスケルトン図であり、自動変速機10の上半分が示されている。図1に示すように、この自動変速機10は、エンジン11から動力が伝達される入力軸12と、入力軸12と同軸上に設けられ図示しない駆動輪に連結される出力軸13とを有しており、これらは車両の進行方向を向いて図示しないミッションケース内に組み込まれている。
【0024】
エンジン11の出力軸であるクランク軸14と自動変速機10の入力軸12との間にはトルクコンバータ15が設けられ、エンジン11からの動力はトルクコンバータ15を介して入力軸12に伝達される。入力軸12と出力軸13との間には、フロント側の遊星歯車ユニット16とリア側の遊星歯車ユニット17とからなる変速歯車列が設けられ、入力軸12の駆動力は、変速歯車列を介して所望の駆動力に変換されて出力軸13に伝達される。
【0025】
変速歯車列を構成する遊星歯車ユニット16,17は、サンギヤ16a,17aと、これと同軸上で回転するリングギヤ16b,17bと、サンギヤ16a,17aおよびリングギヤ16b,17bに噛み合うピニオンギヤ16c,17cとを有し、それぞれのピニオンギヤ16c,17cは、サンギヤ16a,17aと同軸上で回転するキャリア16d,17dに回転自在に取り付けられている。キャリア16dはハイクラッチ21に連結され、サンギヤ16aはリバースクラッチ22と2&4ブレーキ23に連結され、リングギヤ17bはロークラッチ24に連結されている。そして、キャリア16dはロークラッチ24とローリバースブレーキ25に連結されるとともにローワンウエイクラッチ26に連結されている。
【0026】
図1に示されるように、摩擦係合要素であるそれぞれのクラッチとブレーキとを係合状態と解放状態とに切り換えることによって、遊星歯車ユニット16,17のそれぞれのギヤからなる入力要素、出力要素および反力要素が連結状態、解放状態および固定状態のいずれかに設定される。これにより、入力軸12から出力軸13に対する動力伝達経路が切り換えられて所定の変速段が設定される。
【0027】
この遊星歯車式の自動変速機10にあっては、ロークラッチ24を係合させることにより第1速の変速段に設定され、このときには、ワンウエイクラッチ26は係合状態を保持する。この状態から第2速に設定するには、2&4ブレーキ23を係合させることになる。このときには、ワンウエイクラッチ26は解放状態に設定され、ロークラッチ24のクラッチドラムは回転可能となる。さらに、第2速から第3速に設定するには、2&4ブレーキ23を解放する一方、ハイクラッチ21を係合させることになる。
【0028】
図2は本発明の一実施の形態である自動変速機の制御装置30の制御回路を示すブロック図である。クラッチおよびブレーキ21〜25にそれぞれ設けられたプランジャには、電磁弁21a〜25aにより制御された作動油が供給されるようになっている。作動油は、オイルポンプ27から調圧弁28を介してそれぞれの電磁弁21a〜25aに供給されるようになっており、オイルポンプ27は、図1に示されるようにトルクコンバータ15のポンプアウターシェルを介してエンジン11により駆動される。それぞれの電磁弁21a〜25aには、油圧制御手段である油圧制御回路29から制御信号が送られ、油圧制御回路29には変速機制御ユニット(TCU)31からの制御信号が送られるようになっている。
【0029】
変速機制御ユニット31には、クランク軸14の回転数を検出するエンジン回転数センサ32、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ33、入力軸12の回転数を検出する入力軸回転数センサ34、出力軸13の回転数を検出する出力軸回転数センサ35、および車両加速度を検出する車両加速度センサ36などの各種センサが接続されており、変速機制御ユニット31は、センサなどからの信号に基づいて電磁弁21a〜25aに対する制御信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMとを備えている。
【0030】
変速機制御ユニット31は、機能構成として捉えると、図2に示すように、入力トルク算出部41および基本油圧算出部42を有している。この入力トルク算出部41は、入力軸12に伝達される入力トルクTtを算出し、基本油圧算出部42は、入力トルクTtに基づいてアップシフト変速のトルク相における解放側の摩擦係合要素に対する解放作動用の解放側基本油圧Pcbを算出する。
【0031】
また、変速機制御ユニット31は、実車両加速度算出部43、目標車両加速度算出部44、偏差算出部45、油圧補正値算出部46および実ギヤ比算出部47を有している。この実車両加速度算出部43は、変速開始前の実車両加速度Acgを算出することにより実車両加速度算出手段として機能し、目標車両加速度算出部44は、トルク相制御過程における目標車両加速度Racを算出することにより目標車両加速度算出手段として機能する。そして、偏差算出部45は実車両加速度Acgと目標車両加速度Racとの偏差Eacを算出し、油圧補正値算出部46は偏差Eacに基づき解放側油圧補正値Pfbを算出する。なお、実ギヤ比算出手段である実ギヤ比算出部47は、入力軸12の回転数と出力軸13の回転数とから実ギヤ比Grを算出する。
【0032】
さらに、変速機制御ユニット31は解放側油圧算出手段としての解放側油圧算出部48を有している。この解放側油圧算出部48は、基本油圧算出部42からの解放側基本油圧Pcbと、油圧補正値算出部46からの解放側油圧補正値Pfbとに基づき、実際の解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcを算出する。そして、摩擦係合要素を解放側油圧Pcに制御する制御信号が、油圧制御手段である油圧制御回路29より電磁弁21a〜25aに出力される。
【0033】
図3はクラッチツークラッチのアップシフト変速が行われる際における実ギヤ比Grの変化、実車両加速度Acgの変化、および解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcの変化を示す特性線図である。たとえば、第2速から第3速に切り換えられるアップシフト変速であるとすると、図1に示す遊星歯車式の自動変速機10においては、第2速の走行時に係合状態であった2&4ブレーキ23が解放状態とされ、解放状態であったハイクラッチ21が係合状態に切り換えられる。従って、図3に示すギヤ比griは変速前の第2速のギヤ比を示し、ギヤ比graは変速後の第3速のギヤ比を示すとともに、解放側油圧Pcは2&4ブレーキ23に対する解放側の作動油圧となる。
【0034】
図3に示すように、まず、所定の時間tmiは変速開始制御がなされており、解放側油圧Pcは低下しているが、まだ、解放側の摩擦係合要素である2&4ブレーキ23の係合は解かれていない状態である。次いで、変速開始制御からトルク相制御の過程に移行する。このトルク相制御の段階では、係合側の摩擦係合要素であるハイクラッチ21が係合動作を開始することでトルクを伝達し始めているが、まだ2&4ブレーキ23は係合されており、出力軸13の回転数が変化する変速動作は行われていない状態である。つまりギヤ比griが保持されている段階である。そして、トルク相制御を経た後にイナーシャ相制御に移行する。このイナーシャ相制御の段階では、解放側油圧Pcが低下することで2&4ブレーキ23は完全に解放される一方、ハイクラッチ21が滑り、変速後のギヤ比graに向けて出力軸13の回転数が変化する状態となる。イナーシャ相制御の最終段階では、ハイクラッチ21は係合側油圧が上昇することで完全に係合された状態となってアップシフト変速が終了する。
【0035】
図3において、符号Acgは実際に車両に影響している車両加速度を示し、実線で示される実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回るまでがトルク相制御となる。この変速過程にあっては、係合状態から解放状態に切り換えられる方の摩擦係合要素、たとえば、2&4ブレーキ23に対する解放側油圧Pcは、図3に示すように、変速開始制御ではトルク相制御が行われるまでに低下し、トルク相制御の過程では、実車両加速度Acgに基づきインターロック状態の発生を監視しながら解放側油圧Pcの設定を制御し、イナーシャ相制御の開始時においてさらに低下させることで摩擦係合要素を解放するように制御される。一方、解放状態から係合状態に切り換えられるハイクラッチ21に供給される係合側油圧についても、所定のタイミングで制御される。
【0036】
図4は本発明の一実施の形態である自動変速機の制御装置30によりアップシフト変速がなされる際の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは所定の周期で繰り返し実行されるものである。アップシフト変速が指示されると、まず、ステップS1ではアップシフト制御開始からの時間Tの計測を開始し、ステップS2では変速過程がイナーシャ相制御であるか否かを判定する。ステップS2においてNOと判定されたとき、つまり変速過程がイナーシャ相制御に移行していないと判定されると、ステップS3に進み、変速開始時制御が行われる所定時間tmiと、ステップS1で計測が開始された時間Tとの比較がなされる。ステップS3においてYESと判定されたとき、つまり所定時間tmiが経過しておらず、アップシフト変速開始前の変速開始制御過程であると判定されたときにはステップS4に進む。
【0037】
ステップS4では、アップシフト変速開始前の実車両加速度Acgの平均値である車両加速度平均値Acmが算出される。この平均値Acmは、以下の式(1)に示されるように、車両加速度センサ36からの出力値に基づき算出される実車両加速度Acg、所定時間tmi、および計算周期であるΔtを用いて算出される。
【0038】
車両加速度平均値 Acm=(Σ(Acg))/(tmi/Δt)  ・・・(1)
続くステップS5では、解放側油圧Pcが設定され変速開始制御を保持しながらルーチンを抜ける。図2に示す油圧制御回路29は、設定された解放側油圧Pc基づき電磁弁に制御信号を出力する。摩擦係合要素の解放側の作動油圧が低下することにより、摩擦係合要素が解放に向けて係合力を下げ始める。なお、このときの解放側油圧Pcの低下率は、所定時間tmiが経過したときに、後述する解放側基本油圧Pcbまで低下するよう設定しても良い。
【0039】
また、ステップS3においてNOと判定されたとき、つまり所定時間tmiが経過しておりトルク相制御に移行したと判定されると、ステップS6に進み、解放側の摩擦係合要素の必要トルクTcが算出される。ステップS6では、まず、入力軸12の入力トルクTtが算出される。入力トルクTtは、エンジンのスロットル開度、吸入管圧力および吸入空気量などとエンジン回転数とによりエンジントルクを算出し、この算出値にトルクコンバータ15の特性が考慮されて算出される。この入力トルクTtに変速の種類によって決定される定数maを乗算することにより、以下の式(2)によって必要トルクTcが算出される。
【0040】
必要トルク Tc=ma×Tt  ・・・(2)
次いで、ステップS7では、以下の式(3)に示す必要トルクTcの一次式により解放側基本油圧Pcbを算出する。なお、式(3)においてkc とpsfは解放側の摩擦係合要素によって決定される定数であり、puは予め設定されトルク相経過時間ttqによって変化する定数である。
【0041】
解放側基本油圧 Pcb=kc×Tc+psf−pu  ・・・(3)
続いて、ステップS8では、変速開始後における車両加速度の増減量を示す車両加速度補正値Hacが算出される。この車両加速度補正値Hacは、以下の式(4)に示されるように、入力トルクTt、変速前のギヤ比gri、出力軸13のトルクを車両加速度に換算する定数kac、ステップS4で算出された車両加速度平均値Acmに基づき算出される。
【0042】
車両加速度補正値 Hac=gri×kac×Tt−Acm    ・・・(4)
ステップS9では、アップシフト変速の際に運転者に対して違和感を与えることのない目標車両加速度Racが算出される。この目標車両加速度Racは、以下の式(5)に示されるように、入力トルクTt、変速前のギヤ比gri、変速後のギヤ比gra、トルク相目標時間rttq、トルク相経過時間ttq、出力軸13のトルクを車両加速度に換算する定数kac、ステップS8で算出された車両加速度補正値Hacに基づいて算出される。なお、式(5)に記載されるgrfとはギヤ比graに設定値kgrを乗算した算出値である。この設定値kgrは、たとえば0.98に設定される。
【0043】
目標車両加速度
Rac=(((rttq−ttq)/rttq)×(gri−grf)+grf)×kac×Tt−Hac ・・(5)
算出値 grf=gra×kgr
ステップS10では、以下の式(6)に示されるように、目標車両加速度Racと実車両加速度Acgとの偏差Eacが算出される。この偏差Eacが0未満(Eac<0)、または実ギヤ比Grが設定値gru以上(Gr≧gru)となるとき、つまり実車両加速度Acgの落ち込みが小さくインターロック状態の発生するおそれが低いときや、実ギヤ比Grが上昇してエンジン吹き上げのおそれがあるときには、偏差Eacは0に設定される。なお、設定値gruはギヤ比griより所定の値だけ大きい値に設定されている。
【0044】
偏差 Eac=Rac−Acg  ・・・(6)
ステップS11では、以下の式(7)に示されるように、偏差Eacの累積和(積分値)Itgが算出される。続くステップS12では、以下の式(8)に示されるように累積和Itg、偏差Eac、比例定数Kp、積分定数Kiに基づき解放側油圧補正値Pfbが算出される。なお、解放側油圧補正値Pfbの算出は、この比例積分制御つまりPI制御に限定されずに、偏差Eacに所定の比例ゲインを乗算して求める比例制御つまりP制御によっても良い。
【0045】
偏差の累積和   Itg=Eac+Itg    ・・・(7)
解放側油圧補正値 Pfb=(Kp×Eac)+(Ki×Itg)  ・・・(8)
ステップS13では、以下の式(9)に示されるように、ステップS12で算出された解放側油圧補正値Pfbを用いて、ステップS7で算出された解放側基本油圧Pcbにフィードバック補正を加えることにより、解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcが算出される。この解放側油圧Pcに基づき、図2に示す油圧制御回路29から電磁弁に制御信号が出力され、図3に示す目標車両加速度Racに実車両加速度Acgが近づくように解放側の摩擦係合要素が作動制御される。
【0046】
解放側油圧 Pc=Pcb−Pfb    ・・・(9)
次いで、ステップS14では、イナーシャ相制御に移行する際の判定基準となるイナーシャ相切換判定値Arcが算出される。このイナーシャ相切換判定値Arcは、以下の式(10)に示されるように、入力トルクTt、出力軸トルクを車両加速度に換算する定数kac、変速後のギヤ比gra、設定値kgr、車両加速度補正値Hacを用いて算出される。
【0047】
イナーシャ相切換判定値 Arc=gra×kgr×kac×Tt−Hac    ・・・(10)
続くステップS15では、実車両加速度Acgとイナーシャ相切換判定値Arcとに基づきイナーシャ相制御への移行が判定される。実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回り(Acg<Arc)かつ実ギヤ比Grが設定値gruを下回る(Gr<gru)とステップS16に進み、トルク相制御からイナーシャ相制御に切り換えられる。また、このようにトルク相制御を終了するときには、偏差Eacの累積和(積分値)Itgはリセットされる。そして、ステップS2においてイナーシャ相制御と判定されることによりステップS17で解放側油圧Pcが設定され、図2に示す油圧制御回路29より電磁弁に制御信号が出力され、解放側の摩擦係合要素が完全に解放されることになる。一方、ステップS15においてNOと判定された際には、トルク相制御を保持しながらルーチンを抜ける。
【0048】
このように、インターロック状態の発生により直接的に変動する実車両加速度Acgの目標車両加速度Racに対する偏差Eacに基づき、摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcをフィードバック制御することによって、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの影響を受けることなくインターロック状態を回避することができ、高精度の変速制御を行うことができる。
【0049】
また、変動が運転者に対し不快感を与える実車両加速度Acgの下限値としてイナーシャ相切換判定値Arcを定め、実車両加速度Acgに基づいてトルク相制御からイナーシャ相制御への切り換えを行うことにより、不必要な実車両加速度Acgの落ち込みを防止することができる。従って、常に変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0050】
さらに、実ギヤ比Grの上昇、つまりエンジン11の吹き上げを監視して解放側油圧Pcの算出に反映させるため、吹け上がりによる影響を受けることなく変速品質を適正な状態に保持することもできる。
【0051】
以下、本発明の他の実施の形態である自動変速機の制御装置50について説明する。図5は本発明の他の実施の形態である自動変速機の制御装置50の制御回路を示すブロック図である。なお、この制御装置50についても図1に示す自動変速機10に適用するものとして説明を行う。また、図5の自動変速機の制御装置50は、図2の自動変速機の制御装置30と比較して、変速機制御ユニットの構成が一部異なるため変速機制御ユニット51について説明をおこなう。
【0052】
図5に示すように、変速機制御ユニット51は、機能構成として捉えると、入力トルク算出部41および基本油圧算出部42を有している。この入力トルク算出部41は、入力軸12に伝達される入力トルクTtを算出し、基本油圧算出部42は、入力トルクTtに基づき、アップシフト変速のトルク相における解放側の摩擦係合要素に対する解放動作用の解放側基本油圧Pcbを算出する。
【0053】
また、変速機制御ユニット51は、実車両加速度算出部43、目標車両加速度算出部44、偏差最大値算出部52、油圧学習値算出部53および実ギヤ比算出部47を有している。この実車両加速度算出部43は、変速開始前の実車両加速度Acgを算出することにより実車両加速度算出手段として機能し、目標車両加速度算出部44は、トルク相制御過程における目標車両加速度Racを算出することにより目標車両加速度算出手段として機能する。そして、偏差最大値算出部52は、トルク相制御過程における実車両加速度Acgと目標車両加速度Racとの偏差Eacのうち最も大きな偏差最大値Emaxを算出し、油圧学習値算出部53は、偏差最大値Emaxに基づき、解放側基本油圧Pcbに対する補正値つまり解放側油圧学習値Plrnを算出する。このように、油圧学習値算出部53は油圧学習値算出手段として機能する。なお、実ギヤ比算出手段である実ギヤ比算出部47は、入力軸12の回転数と出力軸13の回転数とから実ギヤ比Grを算出する。
【0054】
さらに、変速機制御ユニット51は解放側油圧算出手段としての解放側油圧算出部48を有している。この解放側油圧算出部48は、基本油圧算出部42からの解放側基本油圧Pcbと、油圧学習値算出部53からの解放側油圧学習値Plrnとに基づき、実際の解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcを算出する。そして、摩擦係合要素を解放側油圧Pcに制御する制御信号が、油圧制御手段である油圧制御回路29より電磁弁に出力される。また、解放側油圧学習値Plrn はRAMなどのメモリーに格納される。この解放側油圧学習値Plrnは、該当する解放側の摩擦係合要素が解放動作するごとにメモリーに格納するようにしても良く、前回の解放側油圧学習値Plrnに対して所定値以上の差がある場合にのみ格納するようにして良く、差が所定値以内であればもとの解放側油圧学習値Plrnをそのまま利用するようにしても良い。
【0055】
図6は、図3に示す特性線図と同様に、自動変速機の制御装置によりクラッチツークラッチのアップシフト変速が行われる場合の実ギヤ比Grの変化、実車両加速度Acgの変化、および解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧Pcの変化を示す特性線図である。
【0056】
図6に示すように、まず、所定の時間tmiは変速開始制御がなされ、その後、実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回るまで行われるトルク相制御の過程を経た後に、イナーシャ相制御が行われてアップシフト変速が終了する。この変速過程にあっては、係合状態から解放状態に切り換えられる方の摩擦係合要素、たとえば、第2速から第3速へのアップシフト変速の場合、2&4ブレーキ23に対する解放側油圧Pcは、図6に示すように、変速開始制御ではトルク相制御が行われるまでに低下し、トルク相制御の過程ではほぼ一定に制御され、イナーシャ相制御においてさらに低下して摩擦係合要素を解放するように制御される。一方、解放状態から係合状態に切り換えられる係合側の摩擦係合要素、たとえば、ハイクラッチ21に供給される油圧についても、所定のタイミングで制御される。
【0057】
図7は本発明の他の実施の形態である自動変速機の制御装置によりアップシフト変速がなされる際のメインルーチンにおける手順を示すフローチャートであり、図8は図7の学習制御のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。このフローチャートは所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、図7においては図4と共通するステップには同一の符号が付されている。
【0058】
以下、トルク相制御過程における解放側基本油圧Pcbが算出された後の手順について、図7に沿ってステップS21から説明する。ステップS21では、ステップS7において算出された解放側基本油圧Pcbに、前回の同一変速で算出された解放側油圧学習値Plrnを加算することで、以下の式(11)に示されるように解放側油圧Pcを算出する。
【0059】
解放側油圧 Pc=Pcb+Plrn  ・・・(11)
続いて、ステップS8では車両加速度補正値Hacを算出し、ステップS9では目標車両加速度Racを算出し、ステップS10では目標車両加速度Racと実車両加速度Acgとの偏差Eacを算出する。次いで、ステップS22では、トルク相制御過程における偏差Eacの大きさを所定量に収める偏差最大値Emaxを設定する。これにより、偏差Eacが偏差最大値Emax以上(Eac≧Emax)となるときには、偏差Eacは偏差最大値Emaxと等しく設定される。
【0060】
ステップS14ではイナーシャ相切換判定値Arcが算出され、続くステップS15ではトルク相制御の終了が判定される。ステップS15においてNOと判定されるとトルク相制御を保持しながらルーチンを抜ける。
【0061】
一方、ステップS15において実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回り(Acg<Arc)かつ実ギヤ比Grが設定値gruを下回る(Gr<gru)と判定されたときには、ステップS23の学習制御のサブルーチンが実行される。
【0062】
このように、ステップS15においてトルク相制御の終了が判定されると、図8に示す学習制御のサブルーチンが実行される。まず、トルク相制御過程でのギヤ比最大値Gmaxが、ギヤ比griよりも若干大きく設定される設定値gru以下となる場合には、ステップS24において、偏差最大値Emaxが判定値ethよりも大きいか否かが判定される。ここで、偏差最大値Emaxが判定値ethよりも小さいと判定されたときには、すでに学習されている解放側油圧学習値Plrnをそのまま保持しながらサブルーチンを抜ける一方、偏差最大値Emaxが判定値ethよりも大きいと判定されたときには、ステップS25に進み、以下の式(12)に示すように、前回の解放側油圧学習値Plrnから学習更新値Phdを減算して解放側油圧学習値Plrnを更新する。なお、学習更新値Phdは予め試験等により設定されマップデータとしてROMに記録されるものである。
【0063】
解放側油圧学習値 Plrn=Plrn−Phd    ・・・(12)
図9は学習更新値Phdの一例を示す特性線図である。図9に示すように、学習更新値Phdは、入力トルクTtが小さい場合には小さい値となり、入力トルクTtが大きい場合には大きな値となるように、入力トルクTtの関数として設定しても良い。
【0064】
図7に示すステップS23の学習制御が終了すると、続くステップS16では、トルク相制御からイナーシャ相制御に切り換えられる。また、トルク相制御を終了するときには、偏差最大値Emaxとギヤ比最大値Gmaxとはリセットされる。そして、ステップS2においてイナーシャ相制御と判定されることにより、ステップS17で解放側油圧Pcが設定され、図5に示す油圧制御回路29より電磁弁に制御信号が出力され、解放側の摩擦係合要素が完全に解放されることになる。
【0065】
このように、偏差Eacに基づいて解放側油圧Pcをフィードバック制御することによって、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの影響を受けることなく、インターロック状態を回避するとともに、解放側油圧Pcを設定する際には、偏差Eacに応じて解放側油圧Pcに加算される解放側油圧学習値Plrnを更新するため、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定することができ、変速制御の精度を向上させることができる。これにより、常に変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0066】
また、図10は解放側油圧学習値Plrnを入力トルクTtと入力軸回転数Ntとにより設定した運転領域のマップを示す学習値のマップデータである。図10に示すように、運転領域毎に設定される解放側油圧学習値Plrnを用いて、ステップS21における解放側油圧学習値Plrnの読み込みや、ステップS23の学習制御における解放側油圧学習値Plrnの更新を行うことにより、摩擦係合要素の解放側油圧Pcの設定を行うようにしても良い。これにより、全運転領域において変速制御の精度を高めることができ、最適な変速品質を得ることができる。なお、入力トルクTtのみをパラメータとして解放側油圧学習値Plrnのマップデータを作成し、入力トルクTtのみに応じて解放側油圧学習値Plrnの読み込みや更新を行っても良い。
【0067】
続いて、本発明のさらに他の実施の形態である自動変速機の制御装置について説明する。この制御装置の制御回路の構成は、図5に示すブロック図と同様となっている。また、図11はこの制御装置によるアップシフト変速の手順を示すフローチャートであり、図12は図11のサブルーチンである学習制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは所定の周期で繰り返し実行されるものであり、図11において図4および図7と共通するステップには同一の符号が付されている。
【0068】
以下、トルク相制御過程において偏差Eacが算出された後の手順について、図11に沿ってステップS11から説明する。なお、図11のステップS11より前の手順は図7のフローチャートと同様である。
【0069】
ステップS11では、ステップS10において算出された目標車両加速度Racと実車両加速度Acgとの偏差Eacを用いて、トルク相制御過程における偏差Eacの累積和(積分値)Itgを算出する。次いで、ステップS14では、イナーシャ相切換判定値Arcを算出し、続くステップS31では、イナーシャ相切換判定値Arcと実車両加速度Acgとを比較することによりトルク相制御の終了が判定される。ステップS31において、実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arc以上であると判定されたときには、トルク相制御を保持しながらルーチンを抜ける一方、ステップS31において、実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回る(Acg<Arc)と判定されたときには、ステップS32の学習制御のサブルーチンが実行される。
【0070】
このように、ステップS31においてトルク相制御の終了が判定されると、ステップS32、つまり図12に示す学習制御のサブルーチンが実行される。まず、トルク相制御過程でのギヤ比最大値Gmaxが、ギヤ比griよりも若干大きく設定される設定値gru以下となる場合には、ステップS33において、偏差Eacの累積和(積分値)Itgが判定値Ithよりも大きいか否かが判定される。ここで、累積和(積分値)Itgが判定値Ith以下と判定されたときには、すでに学習されている解放側油圧学習値Plrnをそのまま保持しながら、ステップS34に進み、累積和(積分値)Itgがリセットされサブルーチンを抜ける。一方、累積和(積分値)Itgが判定値Ithよりも大きいと判定されたときには、ステップS35に進み、以下の式(13)に示すように、前回の解放側油圧学習値Plrnから学習更新値Phdを減算して解放側油圧学習値Plrnを更新し、ステップS34において累積和(積分値)Itgがリセットされた後にサブルーチンを抜ける。なお、学習更新値Phdは予め試験等により設定されマップデータとしてROMに記録される。
【0071】
解放側油圧学習値Plrn=Plrn−Phd    ・・・(13)
また、学習更新値Phdは、前述の図9に示す学習更新値Phdと同様に、入力トルクTtが小さい場合には小さい値となり、入力トルクTtが大きい場合には大きな値となるように、入力トルクTtの関数として設定しても良い。
【0072】
図11に示すステップS32の学習制御が終了すると、続くステップS16では、トルク相制御からイナーシャ相制御に切り換えられる。また、トルク相制御を終了するときにギヤ比最大値Gmaxはリセットされる。そして、ステップS2においてイナーシャ相制御と判定されることにより、ステップS17で解放側油圧Pcが設定され、図5に示す油圧制御回路29より電磁弁に制御信号が出力され、解放側の摩擦係合要素が完全に解放されることになる。
【0073】
図13は目標車両加速度Racと実車両加速度Acgとの偏差Eacに応じた積分値Itgの変化例を示すタイムチャートである。図13(a)は実車両加速度Acgと目標車両加速度Racとが離れることにより、偏差Eacが次第に大きくなる場合における積分値Itgの変化の一例を示し、図13(b)は実車両加速度Acgが目標車両加速度Racに収束することにより、偏差Eacが次第に小さくなる場合における積分値Itgの変化の一例を示している。
【0074】
図13(a)に示すように、偏差Eacが大きくなり積分値Itgが判定値Ithを越えた場合には、解放側の摩擦係合要素に対する油圧が高く設定されておりインターロック状態が発生する傾向となっているため、次回の変速のために、学習制御におけるステップS35では解放側油圧学習値Plrnから学習更新値Phdを減算することになる。これにより、次回の変速に際しては前回よりも解放側油圧Pcが低下され、インターロック状態の発生を回避するとともに実車両加速度Acgを目標車両加速度Racに近づけることができる。一方、偏差Eacが小さく積分値Itgが判定値Ithの範囲内に収まっている場合には、インターロック状態が発生することなく変速が行われているため、解放側油圧学習値Plrnは更新されることなく保持される。これにより、次回の変速に際しても適正な変速動作が保持されることになる。
【0075】
このように、偏差Eacに基づいて解放側油圧Pcをフィードバック制御することによって、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの影響を受けることなく、インターロック状態を回避する。そして、解放側油圧Pcを設定する際には、偏差Eacに応じて解放側油圧Pcに加算される解放側油圧学習値Plrnを更新するため、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定することができ、積分値Itgに基づいて学習制御を行うことにより、誤学習を回避でき変速制御の精度を向上させることができる。また、実ギヤ比Grの上昇、つまりエンジン11の吹き上げを監視して解放側油圧学習値Plrnの算出に反映させるため、吹け上がりによる影響を受けることなく変速品質を適正な状態に保持することもできる。これにより、変速時におけるインターロック状態の発生などを確実に防止し、常に変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0076】
図14は本発明のさらに他の実施の形態である自動変速機の制御装置における変速制御のメインルーチンを示すフローチャートであり、図9においては図4および図7と共通するステップには同一の符号が付されている。この場合、ステップS12で解放側基本油圧Pcbを算出し、続くステップS41では、以下の式(14)に示すように、解放側基本油圧Pcb、解放側油圧補正値Pfb、前回の同一変速で算出された解放側油圧学習値Plrnを用いて解放側油圧Pcを算出する。
【0077】
解放側油圧 Pc=Pcb−Pfb+Plrn  ・・・(14)
次いで、ステップS22では、トルク相制御過程における偏差Eacの大きさを所定量に収める偏差最大値Emaxが設定され、ステップS14ではイナーシャ相切換判定値Arcが算出され、続くステップS15ではトルク相制御の終了が判定される。ステップS15においてNOと判定されるとトルク相制御を保持しながらルーチンを抜ける。
【0078】
一方、ステップS15において実車両加速度Acgがイナーシャ相切換判定値Arcを下回り(Acg<Arc)かつ実ギヤ比Grが設定値gruを下回る(Gr<gru)と判定されたときには、ステップS23の学習制御のサブルーチンが実行され、解放側油圧学習値Plrnが保持または更新される。続くステップS16では、トルク相制御からイナーシャ相制御に切り換えられる。また、トルク相制御を終了するときには、累積和(積分値)Itg、偏差最大値Emaxおよびギヤ比最大値Gmaxはリセットされる。そして、ステップS2においてイナーシャ相制御と判定されることにより、ステップS17で解放側油圧Pcが設定され、解放側の摩擦係合要素が完全に解放されることになる。
【0079】
このように、偏差Eacに基づいて解放側油圧Pcをフィードバック制御することによって、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの影響を受けることなく、インターロック状態を回避する。また、解放側油圧Pcを設定する際には、偏差Eacに応じて解放側油圧Pcに加算される解放側油圧学習値Plrnを更新するため、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定することができる。さらに、積分値Itgに基づいて学習制御を行うことにより、誤学習を回避でき変速制御の精度を向上させることができる。
【0080】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。たとえば、前記した実施の形態にあっては、第2速から第3速にアップシフト変速を行う場合について説明したが、他の変速段へのアップシフト変速に際しても同様に制御することができる。また、自動変速機は図1に示される場合に限られず、サンギヤなどのギヤを有する遊星歯車ユニットと、これにより形成される動力伝達経路の切り換えを行うクラッチおよびブレーキつまり摩擦係合要素を有するタイプの自動変速機であれば、どのようなタイプの変速機にも本発明を適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、遊星歯車式の自動変速機における変速時に、係合状態から解放状態に設定される解放側の摩擦係合要素を作動させる解放側油圧を、実車両加速度と目標車両加速度の偏差に応じて算出することにより、インターロックの発生による影響を直接受ける実車両加速度に基づいて、摩擦係合要素を作動制御することができ、摩擦係合要素にバラツキや経年変化があっても、変速時におけるインターロックの発生を確実に防止することができる。よって常に変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0082】
変速過程におけるトルク相からイナーシャ相への切り換えについては、実車両加速度に基づいて切り換えを行うため、不要な加速度の変動を防止することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。また、変速時における実車両加速度の下限値を定め、この下限値を下回ることでイナーシャ相に切り換えを行うことにより、不要な加速度の減退を確実に防止することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0083】
実車両加速度と目標車両加速度の偏差に応じて解放側油圧を補正する油圧学習値を更新することにより、摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定することができ、変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0084】
実車両加速度と目標車両加速度との偏差の積分値つまり累積和により摩擦係合要素の経年変化やバラツキの定常的な誤差を推定でき、その積分値をもとに摩擦係合要素の解放側油圧を学習制御することにより、誤学習を回避でき変速制御の精度を向上させることができる。よって、変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0085】
実ギヤ比の状態を監視して油圧学習値を算出することにより、吹け上がりによる影響を受けることなく変速品質を適正な状態に保持することができる。
【0086】
油圧学習値を入力トルクまたは入力トルクと入力軸回転数による運転領域ごとに設定することにより、車両の全運転領域において変速品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊星歯車式の自動変速機の一例を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施の形態である自動変速機の制御装置の制御回路を示すブロック図である。
【図3】図2の自動変速機の制御装置によりアップシフト変速が行われる際のギヤ比と車両加速度と解放側油圧との変化を示す特性線図である。
【図4】図2の自動変速機の制御装置によりアップシフト変速がなされる際の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態である自動変速機の制御装置の制御回路を示すブロック図である。
【図6】図5の自動変速機の制御装置によりアップシフト変速が行われる際のギヤ比と車両加速度と解放側油圧との変化を示す特性線図である。
【図7】図5の自動変速機の制御装置によりアップシフト変速がなされる際の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7の学習制御の手順を示すフローチャートである。
【図9】学習更新値の一例を示す特性線図である。
【図10】油圧学習値を入力トルクと入力軸回転数とにより設定した運転領域のマップを示す学習値のマップデータである。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態である自動変速機の制御装置によりアップシフト変速がなされる際の手順を示すフローチャートである。
【図12】図11の学習制御の手順を示すフローチャートである。
【図13】目標車両加速度と車両加速度との偏差に応じた積分値の変化例を示すタイムチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態である自動変速機の制御装置によりアップシフト変速がなされる際の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10   自動変速機
12   入力軸
13   出力軸
16,17   遊星歯車ユニット
16a,17a   サンギヤ
16b,17b   リングギヤ
16c,17c   ピニオンギヤ
16d,17d   キャリア
21   ハイクラッチ(摩擦係合要素)
22   リバースクラッチ(摩擦係合要素)
23   2&4ブレーキ(摩擦係合要素)
24   ロークラッチ(摩擦係合要素)
25   ローリバースブレーキ(摩擦係合要素)
29   油圧制御回路(油圧制御手段)
30   制御装置
43   実車両加速度算出部(実車両加速度算出手段)
44   目標車両加速度算出部(目標車両加速度算出手段)
47   実ギヤ比算出部(実ギヤ比算出手段)
48   解放側油圧算出部(解放側油圧算出手段)
50   制御装置
53   油圧学習値算出部(油圧学習値算出手段)
Rac  目標車両加速度
Acg  実車両加速度
Eac  偏差
Pc   解放側油圧
Tt   入力トルク
gri  変速前のギヤ比
gra  変速後のギヤ比
ttq  トルク相経過時間
Acm  車両加速度平均値
Arc  イナーシャ相切換判定値(下限値)
Gr   実ギヤ比
Plrn 解放側油圧学習値(油圧学習値)
Phd  学習更新値
Itg  累積和(積分値)
Emax 偏差最大値(所定量)

Claims (10)

  1. サンギヤとこれに同軸上のリングギヤとこれらに噛み合うピニオンギヤとを備えた遊星歯車ユニットと、それぞれの前記ギヤを連結、解放および固定状態に設定して入力軸から出力軸への動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素とを有する自動変速機の制御装置であって、
    前記摩擦係合要素の解放と係合とを切り換えてアップシフト変速を行う際の目標車両加速度を算出する目標車両加速度算出手段と、
    前記変速を行う際の実車両加速度を算出する実車両加速度算出手段と、
    前記目標車両加速度と前記実車両加速度との偏差に基づいて、解放側の摩擦係合要素に対する解放側油圧を算出する解放側油圧算出手段と、
    前記解放側油圧に基づいて前記解放側の摩擦係合要素を解放する油圧制御手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、前記目標車両加速度は、前記入力軸に加えられる入力トルクと、変速前後の動力伝達経路により定められるギヤ比と、前記摩擦係合要素による変速動作の経過時間とに基づいて算出されることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の自動変速機の制御装置において、前記目標車両加速度は、変速前の前記実車両加速度の平均値を用いて補正されることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記実車両加速度に基づいてトルク相からイナーシャ相に切り換えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項4記載の自動変速機の制御装置において、トルク相における前記車両加速度の下限値を定め、前記実車両加速度が前記下限値を下回るとイナーシャ相に切り換えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記解放側油圧を補正するための油圧学習値を算出する油圧学習値算出手段を有し、前記偏差が所定量を越えないように前記油圧学習値を算出することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記解放側油圧を補正するための油圧学習値を算出する油圧学習値算出手段を有し、前記偏差の積分値が所定量を越えないように前記油圧学習値を算出することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  8. 請求項6または7記載の自動変速機の制御装置において、実ギヤ比を算出する実ギヤ比算出手段を有し、前記実ギヤ比に基づいて前記油圧学習値を算出することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記油圧学習値を更新する学習更新値を、前記入力トルクが小さいときには小さくし、大きいときには大きくすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、前記油圧学習値を前記入力トルクまたは前記入力トルクと前記入力軸の回転数とにより設定される運転領域毎に設定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
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