JP2004044530A - エンジン補機の配設構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と上下方向に対向すべくエアクリーナを配設することで、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、またエンジンルーム内のレイアウト性確保のためにラジエータファンを傾斜配設することにより、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができるエンジン補機の配設構造の提供を目的とする。
【解決手段】エンジンルーム3内の前部に設けられたラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファン25の送風面に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向に重なる位置に、エンジンの吸気ポートから車両前後方向前側に延設する吸気通路に設けられたエアクリーナ5を配設したことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】エンジンルーム3内の前部に設けられたラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファン25の送風面に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向に重なる位置に、エンジンの吸気ポートから車両前後方向前側に延設する吸気通路に設けられたエアクリーナ5を配設したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラジエータの背部に設けられるラジエータファンや、吸気を浄化するエアクリーナなどのエンジン補機の配設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のエンジン補機の配設構造としては、例えば特開平6−219171号公報に記載の構造がある。
すなわち、エンジンルーム内の前部にラジエータを鉛直方向に向けて配設すると共に、このラジエータの後方で、かつ斜め上方部に吸入空気を浄化するエアクリーナが配置された構造である。
【0003】
この構造の場合、車両のショートノーズ化を図ることができる利点がある反面、上述のラジエータおよびエアクリーナ等のエンジン補機のレイアウトの関係上、車両のデザイン要求に対応してボンネットの高さを低くすることが困難な問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と上下方向に対向すべくエアクリーナを配設することで、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、またエンジンルーム内のレイアウト性確保のためにラジエータファンを傾斜配設することにより、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができるエンジン補機の配設構造の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によるエンジン補機の配設構造は、エンジンルーム内の前部に設けられたラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファンの送風面に対向する位置で該ラジエータファンと鉛直方向に重なる位置に、エンジンの吸気ポートから車両前後方向前側に延設する吸気通路に設けられたエアクリーナを配設したものである。
【0006】
上記構造のエンジンは、2ロータ構造のロータリピストンエンジンに設定してもよい。
上記構成によれば、ラジエータファン(クーリングファンと同意)を前高後低状に傾斜配設して、このラジエータファンの送風面と鉛直方向(上下方向)に対向するようにエアクリーナを配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、特にスポーツカーに有効となる。
【0007】
またエンジンルーム内のレイアウト性確保のために上述の如くラジエータファンを傾斜配設したので、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる。
【0008】
この発明の一実施態様においては、上記ラジエータファンはエアクリーナの配設位置に対応して設けられた第1ファンと、上記第1ファンに対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナとの鉛直方向に重なる面積が第1ファンよりも小さい第2ファンとを備え、上記第1ファンの使用頻度が第2ファンより小さくなるように第1および第2の各ファンを制御する制御手段を備えたものである。
【0009】
上記構成の制御手段は、ECU(エンジンコントロールユニット)やCPU(中央情報処理装置)で構成してもよい。
上記構成によれば、制御手段の制御により、エアクリーナと対向する側の第1ファンの使用頻度が、エアクリーナとの鉛直方向に重なる面積(オーバラップ面積)が小さい側の第2ファンよりも小さくなるようにコントロールするので、ラジエータファンによるエンジン冷却水の冷却効果を維持しつつ、熱交換後の熱風がエアクリーナに吹き付けられる割合の低減を量ることができ、この結果、エアクリーナ内の吸気の昇温を抑制することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記エアクリーナの下部または下方部の複数底構造に形成され、少なくとも一組の底壁間に所定幅以上の空気の断熱層が設けられたものである。
上記構成の空気の断熱層は、1層または複数層に形成することができる。
【0011】
上記構成によれば、ラジエータファンの駆動より熱交換後の熱風がエアクリーナに吹き付けられるのを、上述の空気の断熱層にて断熱、しゃ熱することができる。
このため、エアクリーナ内部の吸気の温度上昇を抑止することができ、旧機構率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0012】
つまり、ラジエータおよびラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と対向する位置で該ラジエータファンと上下方向にオーバラップすべくエアクリーナを設けると、ラジエータ内のエンジン冷却水と熱交換された後の熱風がラジエータファンの回転によりエアクリーナに向けて送出されるが、この熱風を上記空気の断熱層にて遮蔽して、吸気に対する熱害を防止することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記エアクリーナの下方部に所定幅以上の空気の断熱層を介して少なくとも1つの遮熱板が設けられたものである。
上記構成によれば、エアクリーナの構造を何等変更することなく、該エアクリーナの下方部に少なくとも1つの遮熱板を設けると、上記所定幅以上の空気の断熱層を形成することができるので、既存のエアクリーナをそのまま用いて上記遮熱板にてエアクリーナ内の吸気を抑制することができる。
【0014】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はエンジン補機の配設構造を示すが、まず図1を参照して車両の前部車体構造について説明する。
【0015】
車両の前後方向に延びる左右一対の剛性部材としてのフロントサイドフレーム1,1を設け、これらフロントサイドフレーム1,1の後部にはフロアフレーム2,2を一体的に連結している。
【0016】
一方、エンジンルーム3と車室とを仕切るダッシュパネル4を設け、このダッシュパネル4の左右両側上部から車両前方に向けて斜め内方に延びるエプロンレインフォースメント5,5を設け、左右のエプロンレインフォースメント5,5の前端部相互間には、車幅方向に延びるシュラウドメンバとしてのシュラウドアッパパネル6を張架している。
【0017】
上述のエンジンルーム3内において左側のホイールハウス7のサスタワー部8と、シュラウドアッパパネル6の左側部6aとの間には、ヒューズボックスを覆うヒューズボックスカバー9を配設している。
【0018】
同様にエンジンルーム3内において右側のホイールハウス10のサスタワー部11と、シュラウドアッパパネル6の右側部6bとの間には、コントロールボックスを覆うコントロールボックスカバー12を配設している。
【0019】
また上述のシュラウドアッパパネル6の右側の近傍後部に設けられたラジエータサブタンク13の後部で、左右一対のフロントサイドフレーム1,1間の右側部には、バッテリを覆うバッテリカバー14を配設している。
【0020】
同様に、シュラウドアッパパネル6の左側の近傍後部で、左右一対のフロントサイドフレーム1,1間の左側部には、エアクリーナ15を配設している。
さらに上述の各要素1,14,15,1,4間にはエンジンの上方部を覆うエンジンカバー16を配設して、これらの各カバー9,12,14,16およびエアクリーナ15の上面が略面一状となるように構成すると共に、左側に位置するエアクリーナ15、ヒューズボックスカバー9とエンジンカバー16の左半部とが、右側に位置するコントロールボックスカバー12、バッテリカバー14とエンジンカバー16の右半部とに対して左右略対称になるように構成して、エンジンルーム3内の見映えの向上を図っている。
【0021】
なお、図1において17,18は左右のフロントフェンダパネルである。
図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図2の要部の平面図であって、エンジンルーム3の上方部を開閉可能に覆うボンネット19を設け、ボンネット19の前端部下部には略車幅方向に延びるフロントバンパ20を配設している。
【0022】
上述のエンジンルーム3の前部には、アッパタンク21、ラジエータコア22、ロアタンク23を備えたラジエータ24を前高後低状に傾斜して配設し、ラジエータ24の背部には該ラジエータ24に沿うようにラジエータファン25を一体的に取付けている。したがって、該ラジエータファン25はエンジンルーム3内において、前高後低状に傾斜して配設される。
【0023】
ここで、上述のエアクリーナ15はラジエータファン25の送風面に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向つまり上下方向に重なる位置に配設したものである。
【0024】
また上述のラジエータファン25は図4に示すように、エアクリーナ15の配設位置に対応して設けられた第1ファンとしてのサブファン26と、このサブファン26に対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積がサブファン26よりも小さい第2ファンとしてのメインファン27とを備え、サブファン26とメインファン27とをラジエータカウリング28にて一体ユニット化している。なお、メインファン27およびサブファン27には電動ファンを用いている。
【0025】
ところで、上述のエアクリーナ15はアッパケース15aとロアケース15bとでエレメント29を挟持固定した吸気浄化手段であって、このエアクリーナ15の入口部には平面から見てL字状に屈曲した吸気通路長の長い第1フレッシュエアダクト30と、この第1フレッシュエアダクト30の基端部に連通して前方に直線的に延びる吸気通路の短い第2フレッシュエアダクト31とを連通接続し、エアクリーナ15の浄化空気出口部にはエアフローセンサ32を取付けると共に、この浄化空気出口部の外周にはエアインテークホース33を連通接続している。
【0026】
また上述の第2フレッシュエアダクト31内にはエンジンの低回転領域で閉、約6500rpm以上の高回転領域で開となる開閉弁34を設けると共に、この開閉弁34を開閉制御する電磁ソレノイド35を設けている。
【0027】
上述の第1フレッシュエアダクト30はシュラウドアッパパネル6の開口部6aを介して車両前方部に導出され、シュラウドアッパパネル6の前部にはウレタンシール等のシール部材36を取付けて、空気漏れを防止すべく構成している。
【0028】
上述のエアクリーナ15の下部または下方部は複数底構造に形成して、少なくとも一組の底壁間に所定幅以上の空気の断熱層37を受けるが、この実施例では図2に示すようにエアクリーナ15のロアケース15bの下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して遮熱板38を設け、底壁間としてのロアケース15b下面と遮熱板38内面との間に上述の断熱層37を形成している。
【0029】
上述の遮熱板38はロアケース15bの過半部を離間囲繞する有底箱形に形成されていると共に、箱状部が開口した形状に構成されて、エアクリーナ15と一体ユニット化されている。
【0030】
また遮熱板39の必要部にはその強度の向上を図る目的で複数のリブ39が一体に形成されると共に、フレッシュエアダクト30,31とエアクリーナ15の入口部とを配設するための開口38aが形成されている。
上述の遮熱板38および空気の断熱層37はラジエータファン25からエアクリーナ15に吹き付けられる熱交換後の熱風を遮断するためのものである。
【0031】
ところで、図3においてエアクリーナ15の下流に設けられたエアインテークホース33の下流側にはスロットルボディ40を介してエクステンションマニホルド41を取付け、このエクステンションマニホルド41にはインテークマニホルド42を接続している。
【0032】
このインテークマニホルド42は図5に示すように2ロータ構造のロータリピストンエンジン43の吸気ポート44,44に連通するものである。換言すれば、上述のエアクリーナ15はロータリピストンエンジン43の吸気ポート44,44から車両前後方向の前側に延設する吸気通路45に設けられたものである。
【0033】
なお、図5において、46はスロットル弁、47はフロントサイドハウジング、48はインタミディエイトハウジング(中間サイドハウジング)、49はインジェクタ、50は排気ポート、51は排気管、52はキャタリスト、53はサイレンサ、54は空燃比センサとしてのO2センサ、55は電動式の2次エアポンプ、56は逆止弁、57の2次エア供給通路である。
【0034】
図6は制御回路ブロック図を示し、CPU60はディストリビュータ61からのエンジン回転数Ne、エンジン水温センサ62からの現行のエンジン水温tw、空気調和装置を駆動するエアコンスイッチ63からのON、OFF信号などの信号入力に基づいて、ROM64に格納されたプログラムに従って、電磁ソレノイド35、メインファン27、サブファン26を駆動制御し、またRAM65は約6500rpmに相当するエンジン回転数データやエンジン水温の所定値に相当するデータ等の必要なデータを記憶する。
【0035】
ここで、上述のCPU60は第1ファンとしてのサブファン26の使用頻度が第2ファンとしてのメインファン27のそれよりも小さくなるように、これらの各ファン26,27を制御する制御手段である。
【0036】
上述の各ファン26,27の制御はエンジン水温に対応して図7に示すようにコントロールしてもよく、またはエアコンスイッチ63のON、OFFに対応して図8に示すようにコントロールしてもよい。
【0037】
まず図7のフローチャートを参照して各ファン26,27の制御について説明する。
ステップS1で、CPU60はエンジン水温センサ62からの出力読込みを実行し、次のステップS2で、CPU60は読込んだ現行のエンジン水温twが所定値以下か否かを判定し、YES判定時(水温が所定値よりも低い時)にはステップS3に移行し、NO判定時(水温が所定値よりも高い時)には別のステップS4に移行する。
【0038】
上述のステップS3で、CPU60は水温が所定値よりも低いことに対応して、メインファン27のみを駆動し、上述のステップS4では、CPU60は水温が所定値よりも高いことに対応して、メインファン27およびサブファン26の双方を駆動する。
このようにして、サブファン26の使用頻度をメインファン27の使用頻度よりも小さくなるように制御することができる。
【0039】
次に図8のフローチャートを参照して各ファン26,27の制御について説明する。
ステップQ1で、CPU60はエアコンスイッチ63からの信号読込みを実行し、次のステップQ2で、CPU60はエアコンスイッチ63がOFFか否かを判定し、YES判定時にはステップQ3に移行し、NO判定時には別のステップQ4に移行する。
【0040】
次のステップQ3で、CPU60はエアコンスイッチ63がOFFであることに対応して、メインファン27のみを駆動し、上述のステップQ4では、CPU60はエアコンスイッチ63がONで、エンジン負荷が高いことに対応して、メインファン27およびサブファン26の双方を駆動する。
【0041】
このようにして、サブファン26の使用頻度をメインファン27の使用頻度よりも小さくなるように制御することができる。
なお、既存の吸気温センサや他の温度センサを用いて吸気温または断熱層37の温度の高低に対して各ファン26,27を制御するように構成してもよい。
【0042】
一方、ディストリビュータ61からのエンジン回転数Neに対応して、CPU60はNe<65000rpmの時には電磁ソレノイド35を非励磁とし、開閉弁34の閉弁を保持して、第1フレッシュエアダクト30からの吸気を実行し、Ne≧65000rpmの時には電磁ソレノイド35を励磁して、開閉弁34を開弁して、第1および第2の各フレッシュエアダクト30,31からの吸気を実行する。
【0043】
すなわち、エンジンの高回転領域においては通気抵抗が小さい第2フレッシュエアダクト31と、取り回しにより通気抵抗が大きい第1フレッシュエアダクト30との双方から、充分な吸気量を確保するように吸気を実行するものである。
【0044】
このように図1〜図8で示した実施例のエンジン補機の配設構造は、エンジンルーム3内の前部に設けられたラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファン25の送風面(傾斜上面部参照)に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向に重なる位置に、エンジン(ロータリピストンエンジン43参照)の吸気ポート44から車両前後方向前側に延設する吸気通路45に設けられたエアクリーナ15を配設したものである。
【0045】
この構成によれば、ラジエータファン25(クーリングファンと同意)を図2に示すように、前高後低状に傾斜配設して、このラジエータファン25の送風面と鉛直方向(上下方向)に対向するようにエアクリーナ15を配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、特にスポーツカーに有効となる。
【0046】
またエンジンルーム3内のレイアウト性確保のために上述の如くラジエータファン25を傾斜配設したので、エンジンルーム3の前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる。
【0047】
さらに、上記ラジエータファン25は図4に示す如くエアクリーナ15の配設位置に対応して設けられた第1ファン(サブファン26参照)と、上記第1ファン(サブファン26参照)に対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積が第1ファン(サブファン26参照)よりも小さい第2ファン(メインファン27参照)とを備え、上記第1ファン(サブファン26参照)の使用頻度が第2ファン(メインファン27参照)より小さくなるように第1および第2の各ファン26,27を制御する制御手段(CPU60参照)を備えたものである。
【0048】
この構成によれば、制御手段(CPU60参照)の制御により、エアクリーナ15と対向する側の第1ファン(サブファン26参照)の使用頻度が、エアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積(オーバラップ面積)が小さい側の第2ファン(メインファン27参照)よりも小さくなるようにコントロールするので、ラジエータファン25によるエンジン冷却水の冷却効果を維持しつつ、熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられる割合の低減を量ることができ、この結果、エアクリーナ15内の吸気の昇温を抑制することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0049】
しかも、上記エアクリーナ15の下部または下方部の複数底構造に形成され、少なくとも一組の底壁(各要素15b,38参照)間に所定幅以上の空気の断熱層37が設けられたものである。
この構成によれば、ラジエータファン25の駆動より熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられるのを、上述の空気の断熱層37にて断熱、しゃ熱することができる。
このため、エアクリーナ15内部の吸気の温度上昇を抑止することができ、旧機構率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0050】
つまり、ラジエータ24およびラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファン25の送風面と対向する位置で該ラジエータファン25と上下方向にオーバラップすべくエアクリーナ15を設けると、ラジエータ24内のエンジン冷却水と熱交換された後の熱風がラジエータファン25の回転によりエアクリーナ15に向けて送出されるが、この熱風を上記空気の断熱層37にて遮蔽して、吸気に対する熱害を防止することができる。
【0051】
また、上記エアクリーナ15の下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して少なくとも1つの遮熱板38が設けられたものである。
この構成によれば、エアクリーナ15の構造を何等変更することなく、該エアクリーナ15の下方部に少なくとも1つの遮熱板38を設けると、上記所定幅以上の空気の断熱層37を形成することができるので、既存のエアクリーナ15をそのまま用いて上記遮熱板38にてエアクリーナ15内の吸気を抑制することができる。
【0052】
図9はエンジン補機の配設構造の他の実施例を示し、エアクリーナ15の下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して遮熱板38を設けると共に、この遮熱板38の下方部にさらに所定幅以上の空気の断熱層67を介して遮熱板68を設け、空気の断熱層37,67を二層構造と成したものである。
また上下の各遮熱板38,68は補強用のリブ39にて上下一体に形成したものである。
【0053】
このように構成すると、ラジエータファン25の駆動により熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられるのを上記二層構造の断熱層37,67にて、より一層良好かつ確実に断熱、しゃ熱することができて、エアクリーナ15内部の吸気の温度上昇をさらに抑止することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0054】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のエンジンは、実施例の2ロータ構造のロータリピストンエンジン43に対応し、
以下同様に、
吸気ポートは、サイド吸気タイプの吸気ポート44に対応し、
第1ファンは、サブファン26に対応し、
第2ファンは、メインファン27に対応し、
制御手段は、CPU60に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0055】
例えば上記実施例においてはエアクリーナ15の下部外方に1つの遮熱板38または複数の遮熱板38,68を設けて、断熱層37,67を形成したが、これはロアケース15bを複数底構造と成して、エアクリーナ15の下部内方に形成してもよく、これら両構成を組合わせてもよい。さらに上記構成をレシプロエンジンの補機配設構造に採用してもよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、ラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と上下方向に対向すべくエアクリーナを配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、またエンジンルーム内のレイアウト性確保のためにラジエータファンを傾斜配設することにより、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン補機の配設構造を示すエンジンルーム内の平面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2の要部の平面図。
【図4】ラジエータファンの平面図。
【図5】ロータリピストンエンジンの吸排気系を示す系統図。
【図6】制御回路ブロック図。
【図7】ファン制御を示すフローチャート。
【図8】ファン制御の他の実施例を示すフローチャート。
【図9】エンジン補機の配設構造の他の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
3…エンジンルーム
15…エアクリーナ
25…ラジエータファン
26…サブファン(第1ファン)
27…メインファン(第2ファン)
37,67…空気の断熱層
38,68…遮熱板
43…ロータリピストンエンジン(エンジン)
44…吸気ポート
45…吸気通路
60…CPU(制御手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラジエータの背部に設けられるラジエータファンや、吸気を浄化するエアクリーナなどのエンジン補機の配設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のエンジン補機の配設構造としては、例えば特開平6−219171号公報に記載の構造がある。
すなわち、エンジンルーム内の前部にラジエータを鉛直方向に向けて配設すると共に、このラジエータの後方で、かつ斜め上方部に吸入空気を浄化するエアクリーナが配置された構造である。
【0003】
この構造の場合、車両のショートノーズ化を図ることができる利点がある反面、上述のラジエータおよびエアクリーナ等のエンジン補機のレイアウトの関係上、車両のデザイン要求に対応してボンネットの高さを低くすることが困難な問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と上下方向に対向すべくエアクリーナを配設することで、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、またエンジンルーム内のレイアウト性確保のためにラジエータファンを傾斜配設することにより、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができるエンジン補機の配設構造の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によるエンジン補機の配設構造は、エンジンルーム内の前部に設けられたラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファンの送風面に対向する位置で該ラジエータファンと鉛直方向に重なる位置に、エンジンの吸気ポートから車両前後方向前側に延設する吸気通路に設けられたエアクリーナを配設したものである。
【0006】
上記構造のエンジンは、2ロータ構造のロータリピストンエンジンに設定してもよい。
上記構成によれば、ラジエータファン(クーリングファンと同意)を前高後低状に傾斜配設して、このラジエータファンの送風面と鉛直方向(上下方向)に対向するようにエアクリーナを配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、特にスポーツカーに有効となる。
【0007】
またエンジンルーム内のレイアウト性確保のために上述の如くラジエータファンを傾斜配設したので、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる。
【0008】
この発明の一実施態様においては、上記ラジエータファンはエアクリーナの配設位置に対応して設けられた第1ファンと、上記第1ファンに対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナとの鉛直方向に重なる面積が第1ファンよりも小さい第2ファンとを備え、上記第1ファンの使用頻度が第2ファンより小さくなるように第1および第2の各ファンを制御する制御手段を備えたものである。
【0009】
上記構成の制御手段は、ECU(エンジンコントロールユニット)やCPU(中央情報処理装置)で構成してもよい。
上記構成によれば、制御手段の制御により、エアクリーナと対向する側の第1ファンの使用頻度が、エアクリーナとの鉛直方向に重なる面積(オーバラップ面積)が小さい側の第2ファンよりも小さくなるようにコントロールするので、ラジエータファンによるエンジン冷却水の冷却効果を維持しつつ、熱交換後の熱風がエアクリーナに吹き付けられる割合の低減を量ることができ、この結果、エアクリーナ内の吸気の昇温を抑制することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記エアクリーナの下部または下方部の複数底構造に形成され、少なくとも一組の底壁間に所定幅以上の空気の断熱層が設けられたものである。
上記構成の空気の断熱層は、1層または複数層に形成することができる。
【0011】
上記構成によれば、ラジエータファンの駆動より熱交換後の熱風がエアクリーナに吹き付けられるのを、上述の空気の断熱層にて断熱、しゃ熱することができる。
このため、エアクリーナ内部の吸気の温度上昇を抑止することができ、旧機構率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0012】
つまり、ラジエータおよびラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と対向する位置で該ラジエータファンと上下方向にオーバラップすべくエアクリーナを設けると、ラジエータ内のエンジン冷却水と熱交換された後の熱風がラジエータファンの回転によりエアクリーナに向けて送出されるが、この熱風を上記空気の断熱層にて遮蔽して、吸気に対する熱害を防止することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記エアクリーナの下方部に所定幅以上の空気の断熱層を介して少なくとも1つの遮熱板が設けられたものである。
上記構成によれば、エアクリーナの構造を何等変更することなく、該エアクリーナの下方部に少なくとも1つの遮熱板を設けると、上記所定幅以上の空気の断熱層を形成することができるので、既存のエアクリーナをそのまま用いて上記遮熱板にてエアクリーナ内の吸気を抑制することができる。
【0014】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はエンジン補機の配設構造を示すが、まず図1を参照して車両の前部車体構造について説明する。
【0015】
車両の前後方向に延びる左右一対の剛性部材としてのフロントサイドフレーム1,1を設け、これらフロントサイドフレーム1,1の後部にはフロアフレーム2,2を一体的に連結している。
【0016】
一方、エンジンルーム3と車室とを仕切るダッシュパネル4を設け、このダッシュパネル4の左右両側上部から車両前方に向けて斜め内方に延びるエプロンレインフォースメント5,5を設け、左右のエプロンレインフォースメント5,5の前端部相互間には、車幅方向に延びるシュラウドメンバとしてのシュラウドアッパパネル6を張架している。
【0017】
上述のエンジンルーム3内において左側のホイールハウス7のサスタワー部8と、シュラウドアッパパネル6の左側部6aとの間には、ヒューズボックスを覆うヒューズボックスカバー9を配設している。
【0018】
同様にエンジンルーム3内において右側のホイールハウス10のサスタワー部11と、シュラウドアッパパネル6の右側部6bとの間には、コントロールボックスを覆うコントロールボックスカバー12を配設している。
【0019】
また上述のシュラウドアッパパネル6の右側の近傍後部に設けられたラジエータサブタンク13の後部で、左右一対のフロントサイドフレーム1,1間の右側部には、バッテリを覆うバッテリカバー14を配設している。
【0020】
同様に、シュラウドアッパパネル6の左側の近傍後部で、左右一対のフロントサイドフレーム1,1間の左側部には、エアクリーナ15を配設している。
さらに上述の各要素1,14,15,1,4間にはエンジンの上方部を覆うエンジンカバー16を配設して、これらの各カバー9,12,14,16およびエアクリーナ15の上面が略面一状となるように構成すると共に、左側に位置するエアクリーナ15、ヒューズボックスカバー9とエンジンカバー16の左半部とが、右側に位置するコントロールボックスカバー12、バッテリカバー14とエンジンカバー16の右半部とに対して左右略対称になるように構成して、エンジンルーム3内の見映えの向上を図っている。
【0021】
なお、図1において17,18は左右のフロントフェンダパネルである。
図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図2の要部の平面図であって、エンジンルーム3の上方部を開閉可能に覆うボンネット19を設け、ボンネット19の前端部下部には略車幅方向に延びるフロントバンパ20を配設している。
【0022】
上述のエンジンルーム3の前部には、アッパタンク21、ラジエータコア22、ロアタンク23を備えたラジエータ24を前高後低状に傾斜して配設し、ラジエータ24の背部には該ラジエータ24に沿うようにラジエータファン25を一体的に取付けている。したがって、該ラジエータファン25はエンジンルーム3内において、前高後低状に傾斜して配設される。
【0023】
ここで、上述のエアクリーナ15はラジエータファン25の送風面に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向つまり上下方向に重なる位置に配設したものである。
【0024】
また上述のラジエータファン25は図4に示すように、エアクリーナ15の配設位置に対応して設けられた第1ファンとしてのサブファン26と、このサブファン26に対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積がサブファン26よりも小さい第2ファンとしてのメインファン27とを備え、サブファン26とメインファン27とをラジエータカウリング28にて一体ユニット化している。なお、メインファン27およびサブファン27には電動ファンを用いている。
【0025】
ところで、上述のエアクリーナ15はアッパケース15aとロアケース15bとでエレメント29を挟持固定した吸気浄化手段であって、このエアクリーナ15の入口部には平面から見てL字状に屈曲した吸気通路長の長い第1フレッシュエアダクト30と、この第1フレッシュエアダクト30の基端部に連通して前方に直線的に延びる吸気通路の短い第2フレッシュエアダクト31とを連通接続し、エアクリーナ15の浄化空気出口部にはエアフローセンサ32を取付けると共に、この浄化空気出口部の外周にはエアインテークホース33を連通接続している。
【0026】
また上述の第2フレッシュエアダクト31内にはエンジンの低回転領域で閉、約6500rpm以上の高回転領域で開となる開閉弁34を設けると共に、この開閉弁34を開閉制御する電磁ソレノイド35を設けている。
【0027】
上述の第1フレッシュエアダクト30はシュラウドアッパパネル6の開口部6aを介して車両前方部に導出され、シュラウドアッパパネル6の前部にはウレタンシール等のシール部材36を取付けて、空気漏れを防止すべく構成している。
【0028】
上述のエアクリーナ15の下部または下方部は複数底構造に形成して、少なくとも一組の底壁間に所定幅以上の空気の断熱層37を受けるが、この実施例では図2に示すようにエアクリーナ15のロアケース15bの下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して遮熱板38を設け、底壁間としてのロアケース15b下面と遮熱板38内面との間に上述の断熱層37を形成している。
【0029】
上述の遮熱板38はロアケース15bの過半部を離間囲繞する有底箱形に形成されていると共に、箱状部が開口した形状に構成されて、エアクリーナ15と一体ユニット化されている。
【0030】
また遮熱板39の必要部にはその強度の向上を図る目的で複数のリブ39が一体に形成されると共に、フレッシュエアダクト30,31とエアクリーナ15の入口部とを配設するための開口38aが形成されている。
上述の遮熱板38および空気の断熱層37はラジエータファン25からエアクリーナ15に吹き付けられる熱交換後の熱風を遮断するためのものである。
【0031】
ところで、図3においてエアクリーナ15の下流に設けられたエアインテークホース33の下流側にはスロットルボディ40を介してエクステンションマニホルド41を取付け、このエクステンションマニホルド41にはインテークマニホルド42を接続している。
【0032】
このインテークマニホルド42は図5に示すように2ロータ構造のロータリピストンエンジン43の吸気ポート44,44に連通するものである。換言すれば、上述のエアクリーナ15はロータリピストンエンジン43の吸気ポート44,44から車両前後方向の前側に延設する吸気通路45に設けられたものである。
【0033】
なお、図5において、46はスロットル弁、47はフロントサイドハウジング、48はインタミディエイトハウジング(中間サイドハウジング)、49はインジェクタ、50は排気ポート、51は排気管、52はキャタリスト、53はサイレンサ、54は空燃比センサとしてのO2センサ、55は電動式の2次エアポンプ、56は逆止弁、57の2次エア供給通路である。
【0034】
図6は制御回路ブロック図を示し、CPU60はディストリビュータ61からのエンジン回転数Ne、エンジン水温センサ62からの現行のエンジン水温tw、空気調和装置を駆動するエアコンスイッチ63からのON、OFF信号などの信号入力に基づいて、ROM64に格納されたプログラムに従って、電磁ソレノイド35、メインファン27、サブファン26を駆動制御し、またRAM65は約6500rpmに相当するエンジン回転数データやエンジン水温の所定値に相当するデータ等の必要なデータを記憶する。
【0035】
ここで、上述のCPU60は第1ファンとしてのサブファン26の使用頻度が第2ファンとしてのメインファン27のそれよりも小さくなるように、これらの各ファン26,27を制御する制御手段である。
【0036】
上述の各ファン26,27の制御はエンジン水温に対応して図7に示すようにコントロールしてもよく、またはエアコンスイッチ63のON、OFFに対応して図8に示すようにコントロールしてもよい。
【0037】
まず図7のフローチャートを参照して各ファン26,27の制御について説明する。
ステップS1で、CPU60はエンジン水温センサ62からの出力読込みを実行し、次のステップS2で、CPU60は読込んだ現行のエンジン水温twが所定値以下か否かを判定し、YES判定時(水温が所定値よりも低い時)にはステップS3に移行し、NO判定時(水温が所定値よりも高い時)には別のステップS4に移行する。
【0038】
上述のステップS3で、CPU60は水温が所定値よりも低いことに対応して、メインファン27のみを駆動し、上述のステップS4では、CPU60は水温が所定値よりも高いことに対応して、メインファン27およびサブファン26の双方を駆動する。
このようにして、サブファン26の使用頻度をメインファン27の使用頻度よりも小さくなるように制御することができる。
【0039】
次に図8のフローチャートを参照して各ファン26,27の制御について説明する。
ステップQ1で、CPU60はエアコンスイッチ63からの信号読込みを実行し、次のステップQ2で、CPU60はエアコンスイッチ63がOFFか否かを判定し、YES判定時にはステップQ3に移行し、NO判定時には別のステップQ4に移行する。
【0040】
次のステップQ3で、CPU60はエアコンスイッチ63がOFFであることに対応して、メインファン27のみを駆動し、上述のステップQ4では、CPU60はエアコンスイッチ63がONで、エンジン負荷が高いことに対応して、メインファン27およびサブファン26の双方を駆動する。
【0041】
このようにして、サブファン26の使用頻度をメインファン27の使用頻度よりも小さくなるように制御することができる。
なお、既存の吸気温センサや他の温度センサを用いて吸気温または断熱層37の温度の高低に対して各ファン26,27を制御するように構成してもよい。
【0042】
一方、ディストリビュータ61からのエンジン回転数Neに対応して、CPU60はNe<65000rpmの時には電磁ソレノイド35を非励磁とし、開閉弁34の閉弁を保持して、第1フレッシュエアダクト30からの吸気を実行し、Ne≧65000rpmの時には電磁ソレノイド35を励磁して、開閉弁34を開弁して、第1および第2の各フレッシュエアダクト30,31からの吸気を実行する。
【0043】
すなわち、エンジンの高回転領域においては通気抵抗が小さい第2フレッシュエアダクト31と、取り回しにより通気抵抗が大きい第1フレッシュエアダクト30との双方から、充分な吸気量を確保するように吸気を実行するものである。
【0044】
このように図1〜図8で示した実施例のエンジン補機の配設構造は、エンジンルーム3内の前部に設けられたラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、上記ラジエータファン25の送風面(傾斜上面部参照)に対向する位置で該ラジエータファン25と鉛直方向に重なる位置に、エンジン(ロータリピストンエンジン43参照)の吸気ポート44から車両前後方向前側に延設する吸気通路45に設けられたエアクリーナ15を配設したものである。
【0045】
この構成によれば、ラジエータファン25(クーリングファンと同意)を図2に示すように、前高後低状に傾斜配設して、このラジエータファン25の送風面と鉛直方向(上下方向)に対向するようにエアクリーナ15を配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、特にスポーツカーに有効となる。
【0046】
またエンジンルーム3内のレイアウト性確保のために上述の如くラジエータファン25を傾斜配設したので、エンジンルーム3の前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる。
【0047】
さらに、上記ラジエータファン25は図4に示す如くエアクリーナ15の配設位置に対応して設けられた第1ファン(サブファン26参照)と、上記第1ファン(サブファン26参照)に対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積が第1ファン(サブファン26参照)よりも小さい第2ファン(メインファン27参照)とを備え、上記第1ファン(サブファン26参照)の使用頻度が第2ファン(メインファン27参照)より小さくなるように第1および第2の各ファン26,27を制御する制御手段(CPU60参照)を備えたものである。
【0048】
この構成によれば、制御手段(CPU60参照)の制御により、エアクリーナ15と対向する側の第1ファン(サブファン26参照)の使用頻度が、エアクリーナ15との鉛直方向に重なる面積(オーバラップ面積)が小さい側の第2ファン(メインファン27参照)よりも小さくなるようにコントロールするので、ラジエータファン25によるエンジン冷却水の冷却効果を維持しつつ、熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられる割合の低減を量ることができ、この結果、エアクリーナ15内の吸気の昇温を抑制することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0049】
しかも、上記エアクリーナ15の下部または下方部の複数底構造に形成され、少なくとも一組の底壁(各要素15b,38参照)間に所定幅以上の空気の断熱層37が設けられたものである。
この構成によれば、ラジエータファン25の駆動より熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられるのを、上述の空気の断熱層37にて断熱、しゃ熱することができる。
このため、エアクリーナ15内部の吸気の温度上昇を抑止することができ、旧機構率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0050】
つまり、ラジエータ24およびラジエータファン25を前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファン25の送風面と対向する位置で該ラジエータファン25と上下方向にオーバラップすべくエアクリーナ15を設けると、ラジエータ24内のエンジン冷却水と熱交換された後の熱風がラジエータファン25の回転によりエアクリーナ15に向けて送出されるが、この熱風を上記空気の断熱層37にて遮蔽して、吸気に対する熱害を防止することができる。
【0051】
また、上記エアクリーナ15の下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して少なくとも1つの遮熱板38が設けられたものである。
この構成によれば、エアクリーナ15の構造を何等変更することなく、該エアクリーナ15の下方部に少なくとも1つの遮熱板38を設けると、上記所定幅以上の空気の断熱層37を形成することができるので、既存のエアクリーナ15をそのまま用いて上記遮熱板38にてエアクリーナ15内の吸気を抑制することができる。
【0052】
図9はエンジン補機の配設構造の他の実施例を示し、エアクリーナ15の下方部に所定幅以上の空気の断熱層37を介して遮熱板38を設けると共に、この遮熱板38の下方部にさらに所定幅以上の空気の断熱層67を介して遮熱板68を設け、空気の断熱層37,67を二層構造と成したものである。
また上下の各遮熱板38,68は補強用のリブ39にて上下一体に形成したものである。
【0053】
このように構成すると、ラジエータファン25の駆動により熱交換後の熱風がエアクリーナ15に吹き付けられるのを上記二層構造の断熱層37,67にて、より一層良好かつ確実に断熱、しゃ熱することができて、エアクリーナ15内部の吸気の温度上昇をさらに抑止することができ、吸気効率の低下防止を図って、燃費および出力の向上を図ることができる。
【0054】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のエンジンは、実施例の2ロータ構造のロータリピストンエンジン43に対応し、
以下同様に、
吸気ポートは、サイド吸気タイプの吸気ポート44に対応し、
第1ファンは、サブファン26に対応し、
第2ファンは、メインファン27に対応し、
制御手段は、CPU60に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0055】
例えば上記実施例においてはエアクリーナ15の下部外方に1つの遮熱板38または複数の遮熱板38,68を設けて、断熱層37,67を形成したが、これはロアケース15bを複数底構造と成して、エアクリーナ15の下部内方に形成してもよく、これら両構成を組合わせてもよい。さらに上記構成をレシプロエンジンの補機配設構造に採用してもよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、ラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、このラジエータファンの送風面と上下方向に対向すべくエアクリーナを配設したので、車両のデザイン要求に対応して低ボンネット化を図ることができ、またエンジンルーム内のレイアウト性確保のためにラジエータファンを傾斜配設することにより、エンジンルームの前後方向および上下方向のコンパクト化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン補機の配設構造を示すエンジンルーム内の平面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2の要部の平面図。
【図4】ラジエータファンの平面図。
【図5】ロータリピストンエンジンの吸排気系を示す系統図。
【図6】制御回路ブロック図。
【図7】ファン制御を示すフローチャート。
【図8】ファン制御の他の実施例を示すフローチャート。
【図9】エンジン補機の配設構造の他の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
3…エンジンルーム
15…エアクリーナ
25…ラジエータファン
26…サブファン(第1ファン)
27…メインファン(第2ファン)
37,67…空気の断熱層
38,68…遮熱板
43…ロータリピストンエンジン(エンジン)
44…吸気ポート
45…吸気通路
60…CPU(制御手段)
Claims (4)
- エンジンルーム内の前部に設けられたラジエータファンを前高後低状に傾斜配設し、
上記ラジエータファンの送風面に対向する位置で該ラジエータファンと鉛直方向に重なる位置に、エンジンの吸気ポートから車両前後方向前側に延設する吸気通路に設けられたエアクリーナを配設した
エンジン補機の配設構造。 - 上記ラジエータファンはエアクリーナの配設位置に対応して設けられた第1ファンと、
上記第1ファンに対して車幅方向に隣接して設けられ、かつエアクリーナとの鉛直方向に重なる面積が第1ファンよりも小さい第2ファンとを備え、
上記第1ファンの使用頻度が第2ファンより小さくなるように第1および第2の各ファンを制御する制御手段を備えた
請求項1記載のエンジン補機の配設構造。 - 上記エアクリーナの下部または下方部の複数底構造に形成され、少なくとも一組の底壁間に所定幅以上の空気の断熱層が設けられた
請求項1または2記載のエンジン補機の配設構造。 - 上記エアクリーナの下方部に所定幅以上の空気の断熱層を介して少なくとも1つの遮熱板が設けられた
請求項3記載のエンジン補機の配設構造。
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- 2002-07-15 JP JP2002205217A patent/JP2004044530A/ja active Pending
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