JP2004044506A - 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料噴射制御装置は、機関始動時に主燃料噴射弁に加え補助燃料噴射弁からも燃料噴射を行うようにした筒内噴射式内燃機関に適用され、機関始動時、主燃料噴射弁に供給される燃料圧力PFが目標燃料圧力PFt以上になったことを条件に、主燃料噴射弁の燃料噴射を開始する(タイミングt3)。また、同制御装置は、燃料圧力に関係するパラメータに基づき補助燃料噴射弁の噴射燃料がシリンダ内(筒内)に到達する到達時期と主燃料噴射弁の燃料噴射開始時期(タイミングt3)とが同期するよう補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期をタイミングt2に設定する。そして、このように設定された燃料噴射開始時期に基づき補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する主燃料噴射弁と、吸気通路に燃料を噴射する補助燃料噴射弁とを備え、機関始動時には主燃料噴射弁に加え補助燃料噴射弁からも燃料噴射を行うようにした筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機関燃焼室内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関の一形態として、筒内噴射用の主燃料噴射弁に加え、吸気通路内に燃料を噴射する補助燃料噴射弁を備え、機関始動時には主燃料噴射弁に加えて補助燃料噴射弁からも燃料を噴射するものが知られている(例えば特開平10−18884号公報参照)。この内燃機関では、機関始動に必要な燃料の一部が、予め定められた時期、通常はスタータがオンされること、もしくはスタータオンから所定時間が経過することを条件に、補助燃料噴射弁から噴射される。この噴射燃料は、吸気通路内を流れる吸入空気と十分に混合し、気化した後に機関燃焼室に導入される。そのため、こうした補助燃料噴射弁による燃料噴射を行うことにより、筒内噴射式内燃機関であっても良好な機関始動性を確保することが可能となる。
【0003】
ところで、前述した筒内噴射式内燃機関では、筒内圧に抗して主燃料噴射弁から燃料を噴射させるために、燃料を機関駆動式の高圧燃料ポンプを用いて高圧に加圧して主燃料噴射弁に供給するようにしている。
【0004】
しかし、機関始動時、特に始動開始直後は、高圧燃料ポンプによる燃料の加圧が十分になされないことから、主燃料噴射弁に供給される燃料圧力が低く、主燃料噴射弁からの噴射燃料の微粒化が不十分となる。加えて、前記燃料圧力の低下にともない主燃料噴射弁による単位時間当たりの噴射量が少なくなることから、圧力低下のない場合と同量の燃料を噴射しようとすると燃料噴射時間を長くすることになる。このために燃料噴射開始時期を吸気上死点又はその近くに早めると、ピストンが主燃料噴射弁に接近したときに燃料が噴射され、ピストン頂面に燃料が付着する。機関始動時にはピストン頂面の温度が低いことが多く、付着した燃料の気化が促進されにくいため、ピストン頂面に付着する燃料の量は徐々に増大して液状のまま蓄積される。そして、ピストン頂面に付着した燃料の不完全燃焼にともない黒煙が排出され、始動時の排気エミッションが悪くなる。
【0005】
これに対しては、例えば特開平11−270385号公報に示されるように、燃料圧力が所定値以上になったことを条件に、主燃料噴射弁からの燃料噴射を開始することが考えられる。この技術によると、燃料の微粒化の悪化を抑制するとともに、ピストン頂面への燃料付着を少なくして黒煙の排出を抑制することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の機関始動時に主燃料噴射弁に加えて補助燃料噴射弁からも燃料噴射を行うようにした筒内噴射式内燃機関において、上記条件に基づき主燃料噴射弁の燃料噴射を開始するようにした場合、主燃料噴射弁の燃料噴射の開始時期がばらつく。これに対し、補助燃料噴射弁からの燃料噴射は、前述したようにスタータオンにともなう一定の時期に開始される。この噴射燃料は、概ね一定の期間吸気通路を飛行した後筒内に到達する。そのため、補助燃料噴射弁から噴射された燃料が筒内に到達したにもかかわらず、主燃料噴射弁の燃料噴射が開始されないという現象が起こり得る。そして、補助燃料噴射弁の噴射燃料はあくまでも主燃料噴射弁の噴射燃料を補うものであるため、前記のように補助燃料のみが筒内に流入しただけではエンジンを作動させることができない。結果として、この筒内に流入した分の補助燃料がエンジンを作動させるに際して無駄になり、余分な燃料消費を招くという問題があった。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、補助燃料噴射弁からの噴射燃料が無駄に消費されるのを防止することのできる筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、高圧燃料ポンプから供給された加圧燃料を筒内に直接噴射する主燃料噴射弁と、吸気通路に燃料を噴射する補助燃料噴射弁とを備え、機関始動時に前記主燃料噴射弁に加え前記補助燃料噴射弁からも燃料噴射を行うようにした筒内噴射式内燃機関に適用され、機関始動時、前記主燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所定値以上になったことを条件に、前記主燃料噴射弁の燃料噴射を開始する筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記燃料圧力に関係するパラメータに基づき前記補助燃料噴射弁の噴射燃料が筒内に到達する到達時期と前記主燃料噴射弁の燃料噴射開始時期とが同期するよう前記補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を設定する噴射開始時期設定手段と、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に基づき前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始する噴射開始手段とを備えている。
【0009】
上記の構成によれば、筒内噴射式内燃機関の始動時において、燃料圧力に関する条件が満たされると、主燃料噴射弁から筒内に燃料(以下、この項において「主燃料」という)が噴射される。この条件は、高圧燃料ポンプから主燃料噴射弁に供給された加圧燃料の燃料圧力が所定値以上になることである。また、機関始動時には補助燃料噴射弁から吸気通路に燃料(以下、この項において「補助燃料」という)が噴射される。この補助燃料は空気と混ざり合って混合気となり、吸気通路を通過した後、筒内に流入する。
【0010】
ところで、機関始動時、特に始動開始直後には高圧燃料ポンプによる燃料の加圧が十分になされない。これに対し、請求項1に記載の発明では、前述したように、加圧燃料の燃料圧力が所定値以上になったことを条件に主燃料の噴射が開始される。このため、燃料圧力の低い燃料が主燃料噴射弁から噴射されることにともなう不具合、すなわち、ピストンへの付着燃料の不完全燃焼により排気エミッションが悪化することが抑制される。
【0011】
ここで、主燃料噴射弁の燃料噴射の開始条件は、前述したように燃料圧力が所定値以上になることである。そのため、この条件が満たされるタイミングが変動すると、主燃料噴射弁による主燃料の噴射開始時期がばらつく。従って、仮に、常に一定の時期に補助燃料が噴射されるものとすると、補助燃料が筒内に到達したにもかかわらず主燃料の噴射が開始されないという現象が生じ得る。
【0012】
これに対し、請求項1に記載の発明では、噴射開始時期設定手段により、補助燃料が筒内に到達する到達時期と主燃料の噴射開始時期とが同期するように、補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期が設定される。この設定は燃料圧力に関係するパラメータに基づいて行われる。そして、噴射開始手段により、この設定された燃料噴射開始時期に補助燃料の噴射が開始される。従って、噴射された補助燃料は、主燃料の噴射が開始されるときに筒内に到達する。このため、筒内で主・補助の両燃料を燃焼させることにより、補助燃料が無駄に消費されるのを防止することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、さらに、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始できないときには、前記補助燃料噴射弁から噴射された燃料が筒内に到達すると推定されるまでの期間にわたり前記主燃料噴射弁の燃料噴射量を増量補正する増量補正手段を備えるものとする。
【0014】
ここで、上記のように設定された燃料噴射開始時期に補助燃料噴射弁から燃料噴射を開始できない場合、主燃料噴射弁から燃料が噴射される時期(燃料圧力が所定値以上になったとき)に、補助燃料が筒内に到達していない現象が生ずる。これに対し、請求項2に記載の発明では、補助燃料噴射弁から噴射された燃料が筒内に到達すると推定されるまでの期間にわたり、増量補正手段により主燃料量が増量補正される。従って、補助燃料噴射弁からの噴射燃料の未到達分をこの増量補正で補うことにより、機関始動時に要求される量の燃料を筒内に供給することができる。このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、補助燃料が筒内に到達していないのに、到達時と同じ量の主燃料が噴射されることによる不具合、すなわち筒内の混合気が過渡に希薄になるのを防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、さらに、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始できないときには、前記到達時期と前記主燃料噴射弁の燃料噴射開始時期とが同期するよう同燃料噴射開始時期を遅延する噴射開始時期遅延手段を備えるものとする。
【0016】
上記の構成によれば、補助燃料の到達時期と主燃料の噴射開始時期とが同期するように、同主燃料の噴射開始時期が噴射開始時期遅延手段によって遅延される。そのため、この場合にも前述した請求項2に記載の発明と同様の効果、すなわち、請求項1に記載の発明の効果に加え、筒内の混合気が過渡に希薄になるのを防止することができる。
【0017】
また、補助燃料が筒内に到達するまでの期間には補助燃料による燃料供給についての補助がないため、主燃料噴射弁に多くの燃料噴射が要求される。そして、この要求された多くの燃料が主燃料噴射弁から噴射された場合、燃料圧力が大きく低下するおそれがある。しかし、請求項3に記載の発明では、補助燃料が筒内に到達するまでは主燃料噴射弁から燃料が噴射されない。このため、主燃料噴射弁に供給される燃料圧力が低下してしまうのを防止することもでき、排気エミッションを抑制する効果を十分得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について図面に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、車両には、原動機として、筒内に直接燃料噴射を行う筒内噴射式内燃機関である筒内噴射ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。このエンジン11は複数の気筒(シリンダ)12を有しており、各シリンダ12内にピストン13が往復動可能に収容されている。各ピストン13は、コネクティングロッド14を介し、エンジン11の出力軸であるクランク軸15に連結されている。各ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド14によって回転運動に変換された後、クランク軸15に伝達される。
【0020】
各シリンダ12には、エンジン11の外部の空気を燃焼室16に導くための吸気通路17が接続されている。また、各シリンダ12には、燃焼室16で生じた排気ガスをエンジン11の外部へ導出するための排気通路18が接続されている。エンジン11には、吸気弁19及び排気弁20がそれぞれ往復動可能に設けられている。そして、これらの吸・排気弁19,20の往復動により、吸気通路17及び燃焼室16間、排気通路18及び燃焼室16間がそれぞれ開閉される。
【0021】
吸気通路17の途中にはスロットル弁21が回動可能に設けられている。スロットル弁21にはステップモータ等のアクチュエータ22が駆動連結されている。アクチュエータ22は後述するECU51によって制御され、スロットル弁21を回動させる。吸気通路17を流れる空気の量は、スロットル弁21の回動角度に応じて変化する。
【0022】
エンジン11には、電磁式の主燃料噴射弁23が各シリンダ12に対応して取付けられている。シリンダ12毎の主燃料噴射弁23は共通のデリバリパイプ24に接続されており、このデリバリパイプ24内の高圧燃料が各主燃料噴射弁23に分配供給される。また、吸気通路17においてスロットル弁21よりも下流のサージタンク25には、電磁式の補助燃料噴射弁26が取付けられている。
【0023】
車両には、前記主燃料噴射弁23及び補助燃料噴射弁26に燃料を供給するための燃料供給装置27が設けられている。燃料供給装置27は、低圧燃料ポンプ28及び高圧燃料ポンプ29を備えている。低圧燃料ポンプ28は、電動モータ(図示略)によって駆動され、燃料タンク31内の燃料30をフィルタ33を通じて吸引し吐出する。この吐出された燃料の一部は、低圧燃料通路32を通じて高圧燃料ポンプ29へ圧送される。低圧燃料通路32は、途中で分岐して補助燃料噴射弁26に接続されており、低圧燃料ポンプ28から吐出された燃料30の一部が分岐通路32aを通じて補助燃料噴射弁26に圧送される。
【0024】
高圧燃料ポンプ29はエンジン11のカム軸(図示略)に駆動連結されている。この高圧燃料ポンプ29では、プランジャがカム軸に取付けられたカムの回転により1回転する毎に2回往復動され、燃料が吸入及び加圧(圧送)される。換言すると、高圧燃料ポンプ29では、各シリンダ12に対応して取付けられた主燃料噴射弁23から2回燃料噴射がなされる毎に燃料が1回加圧(圧送)される。また、高圧燃料ポンプ29では、電磁弁が加圧(圧送)行程中の最適なタイミングで閉じられることにより、必要な燃料が吐出される。この吐出された燃料は、高圧燃料通路34を通じてデリバリパイプ24へ圧送される。なお、低圧燃料通路32は、リリーフ通路35により燃料タンク31に接続されている。リリーフ通路35に設けられた圧力調節弁36は、低圧燃料通路32内の燃料圧力が一定の値以上となった場合に開弁し、リリーフ通路35を通じて燃料を燃料タンク31に戻す。
【0025】
各主燃料噴射弁23は開閉制御されることにより、デリバリパイプ24を通じて供給された高圧の燃料を、対応するシリンダ12内へ直接噴射する。主燃料噴射弁23は、特にエンジン始動時には、主燃料噴射弁23に供給される燃料圧力PFが所定値以上になることを条件に燃料噴射を開始する。本実施形態では、この所定値として目標燃料圧力PFtが用いられている。目標燃料圧力PFtは、主燃料噴射弁23に供給される燃料圧力の目標値であり、エンジン11の始動に適した燃料圧力、すなわち、燃料の噴射にともなう圧力低下にもかかわらず始動に必要な燃料の微粒化を確保できる燃料圧力である。そして、噴射された燃料は、シリンダ12内の空気と混ざり合って混合気となる。
【0026】
一方、補助燃料噴射弁26は、主燃料噴射弁23だけでは確保しきれない低温始動時における要求燃料量を良好に確保するために設けられた噴射弁である。すなわち、低温時、特に極低温時においては、燃料の霧化が悪くなるため始動性が悪化する。これに加え、潤滑油の粘度が高いためフリクションが大きくなってクランキング回転速度が低くなる。このため、機械駆動式の高圧燃料ポンプ29では燃料圧力を十分に上げることが困難となる。その結果、主燃料噴射弁23だけでは、その開弁時間を如何に長くしても、要求燃料量の燃料をシリンダ12に供給しきれず、一層始動性が悪化してしまうおそれがある。
【0027】
上記不具合を解消するために、エンジン始動時には、主燃料噴射弁23に加え前記補助燃料噴射弁26からも燃料噴射が行われる。すなわち、運転者によるスタータスイッチ38の操作に応じてスタータ37が作動(オン)され、これにともないエンジン11が始動時であると判定されたときに補助燃料噴射弁26に通電が行われる。なお、前記通電は機関温度に応じた時間行われる。そして、補助燃料噴射弁26からサージタンク25内に噴射された燃料は、サージタンク25内等で空気と混ざり合って混合気となる。この混合気は、各シリンダ12で吸気行程が行われる毎に吸気通路17の下流側へ移動してシリンダ12内に流入し、前記補助燃料噴射弁26の噴射燃料が前記主燃料噴射弁23の噴射燃料に加わる。なお、これらの噴射燃料を区別するために、主燃料噴射弁23からの噴射燃料を「主燃料」といい、補助燃料噴射弁26からの噴射燃料を「補助燃料」というものとする。
【0028】
エンジン11には、点火プラグ39が各シリンダ12に対応して取付けられている。点火プラグ39には、点火コイル41を介してイグナイタ42が接続されている。イグナイタ42は点火信号に基づき点火コイル41の1次電流を断続する。この断続により点火コイル41の2次コイルに高電圧が発生し、点火プラグ39に点火する。そして、前記混合気は点火プラグ39の点火にともなう火花放電によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン13が往復動され、クランク軸15が回転されてエンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
【0029】
車両には、エンジン11の運転状態を検出するために、各種センサが設けられている。例えば、クランク軸15の近傍には、そのクランク軸15が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ45が設けられている。クランク角センサ45の信号は、クランク軸15の回転角度であるクランク角、単位時間当たりのクランク軸15の回転速度であるエンジン回転速度NEの算出等に用いられる。また、エンジン11には、冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ46が取付けられている。さらに、デリバリパイプ24には、その内部の燃料の圧力を、主燃料噴射弁23に供給される燃料の圧力(燃料圧力PF)として検出する燃圧センサ47が取付けられている。そのほかにも多くのセンサがエンジン11等に取付けられているが、ここでは説明を省略する。
【0030】
エンジン11の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit :ECU)51が設けられている。ECU51では、中央処理装置(CPU)が各種信号に基づき、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。この演算処理に用いられる各種信号としては、前記クランク角センサ45、水温センサ46、燃圧センサ47を含む各種センサの検出値のほか、スタータスイッチ38の信号等が挙げられる。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
【0031】
上記のようにしてエンジン11の燃料噴射制御装置が構成されている。次に、この燃料噴射制御装置によって行われる制御について説明する。図2は、エンジン11の始動時に補助燃料噴射弁26による燃料噴射を制御するための「補助燃料噴射制御ルーチン」を示している。また、図3は、エンジン11の始動時に主燃料噴射弁23による燃料噴射を制御するための「主燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャートであって、一定間隔毎、例えば各気筒の主燃料噴射毎に実行される。
【0032】
図2の補助燃料噴射制御ルーチンでは、ECU51はまずステップ110において、エンジン11の始動時であるかどうかを判定する。例えば、スタータスイッチ38の信号に基づき、スタータ37がオンされているかどうかを判定する。この判定条件が満たされているとステップ120へ移行し、満たされていないと補助燃料噴射制御ルーチンを一旦終了する。
【0033】
ステップ120では、そのときの機関温度に応じた目標燃料圧力PFtを算出する。機関温度としては、例えば水温センサ46によって検出される冷却水温THWを用いることができる。ここで、冷却水温THWを考慮して目標燃料圧力PFtを算出するのは、始動時に要求される燃料噴射量が機関温度に応じて異なるからである。すなわち、機関温度が低下した状態でのエンジン始動時(冷間始動時)には噴射燃料の気化割合が低下することから、一般に、機関温度の上昇した状態での始動時(常温始動時)よりも多くの燃料噴射量が要求される。しかも、この要求燃料噴射量は機関温度が低くなるほど多くなる。多量の燃料が噴射されればそれにともなう燃料圧力の低下幅も大きくなることから、その分、目標燃料圧力PFtも高くすることが重要である。この点を考慮し、ステップ120では、燃料噴射量の増量と相関関係のある機関温度に基づき目標燃料圧力PFtを算出する。この算出には、機関温度が低くなるに従い目標燃料圧力PFtが高くなるようそれらの機関温度及び目標燃料圧力PFtの関係が規定されたマップを参照することができる。これに代えて、機関温度及び目標燃料圧力PFtについての所定の演算式に従って目標燃料圧力PFtを算出してもよい。
【0034】
次に、ステップ130において、燃圧センサ47によって検出されたそのときの燃料圧力PFが、前記ステップ120で求めた目標燃料圧力PFtに一致するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の圧送回数(以下、第2の圧送回数N2という)を算出する。この算出に際しては、例えば目標燃料圧力PFtと燃料圧力PFとの差圧ΔPFを求める(図4(a)参照)。そして、この差圧ΔPFを、高圧燃料ポンプ29が1回圧送する毎に見られる燃料圧力PFの上昇分で除算する。
【0035】
続いて、ステップ140において、前記ステップ130で求めた第2の圧送回数N2から現時点までに行われた高圧燃料ポンプ29の圧送回数Nを減算した回数が第1の圧送回数N1以下であるかどうかを判定する。第1の圧送回数N1は、補助燃料噴射弁26から噴射された補助燃料がシリンダ12内に到達するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の圧送回数である。この第1の圧送回数N1は、例えば、吸気通路17において補助燃料噴射弁26からシリンダ12までの空間の容積を、1吸気行程当たりの行程容積で除算することによって求めることができる。
【0036】
前記ステップ140の判定条件が満たされていない場合(N2−N>N1)に補助燃料の噴射が開始されると、その補助燃料がシリンダ12内に到達する時期は、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致する時期よりも早い時期、すなわち、主燃料の噴射開始時期よりも早い時期になる。そのため、この場合には補助燃料噴射制御ルーチンを一旦終了する。これに対し、前記ステップ140の判定条件が満たされている(N2−N≦N1)場合にはステップ150に移行する。
【0037】
ステップ150では、補助燃料噴射弁26を開弁することにより補助燃料の噴射を開始させる。すなわち、第2の圧送回数N2が第1の圧送回数N1以上(N2≧N1)である場合、前記ステップ140の判定条件が満たされれば、換言すると、それら両圧送回数の偏差N2−N1分、高圧燃料ポンプ29の圧送が行われれば、この時点で補助燃料の噴射を開始する。この開始により、補助燃料がシリンダ12内に到達する時期は、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致する時期になる。その結果、前記補助燃料のシリンダ12内への到達時期と主燃料の噴射開始時期とを同期させることが可能になる。なお、第2の圧送回数N2が第1の圧送回数N1よりも小さい(N2<N1)場合、補助燃料の噴射開始時期を如何に早い時期に設定しようとも、その補助燃料のシリンダ12内への到達時期を主燃料の噴射開始時期に同期させることができない。すなわち、前記補助燃料がシリンダ12内に到達する時期は、主燃料の噴射開始時期よりも遅れた時期になる。しかし、この場合には前記ステップ140の判定条件が満たされることになり、できるだけ早い時期(本実施形態ではスタータオンと同時又は直後)から補助燃料の噴射が開始される。そして、ステップ150の処理を経た後、補助燃料噴射制御ルーチンの一連の処理を終了する。
【0038】
上述した補助燃料噴射制御ルーチンでは、ECU51によって実行されるステップ130〜150の処理が噴射開始時期設定手段及び噴射開始手段に相当する。
【0039】
一方、図3の主燃料噴射制御ルーチンでは、ECU51はまずステップ210において、前述したステップ110と同様にして、エンジン11の始動時であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされているとステップ220へ移行し、満たされていないと主燃料噴射制御ルーチンを一旦終了する。ステップ220では、前述したステップ120と同様にして、そのときの機関温度に応じた目標燃料圧力PFtを算出する。
【0040】
次に、ステップ230において、主燃料噴射弁23による主燃料の噴射開始条件が成立しているかどうかを判定する。前述したように、主燃料噴射弁23に供給される燃料圧力PFが所定値(目標燃料圧力PFt)以上になることを主燃料の噴射開始条件としている。ただし、主燃料の噴射が開始されると、主燃料噴射にともない燃料圧力PFが低下する。そこで、ステップ230では、こうした燃料圧力PFの低下にともない主燃料噴射が中断されるのを回避するため、クランキング開始後、燃圧センサ47によって検出された燃料圧力PFが前記ステップ220で算出した目標燃料圧力PFt以上である旨が、一旦成立したかどうかを判定する。この判定条件が満たされていると次のステップ240へ移行し、満たされていないと主燃料噴射制御ルーチンを一旦終了する。
【0041】
ステップ240では、補助燃料がシリンダ12内に到達したかどうかを判定する。例えば、高圧燃料ポンプ29で圧送が行われる毎にカウントアップするカウンタを用いて、補助燃料噴射弁26の開弁後の圧送回数をカウントし、そのカウント値と第1の圧送回数N1とを比較する。第1の圧送回数N1は、前記補助燃料噴射制御ルーチンで説明したものと同様に、補助燃料噴射弁26から噴射された補助燃料がシリンダ12内に到達するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の圧送回数である。そして、カウント値が第1の圧送回数N1に一致していれば補助燃料がシリンダ12内に到達したと判定する。
【0042】
ステップ240の判定条件が満たされていない(補助燃料到達)と、ステップ260において、主燃料噴射弁23を所定の期間T1開弁させて、通常の量の燃料を噴射させる。通常の量は、機関始動時の要求燃料量から補助燃料分を減算した量である。従って、この通常の量の主燃料に補助燃料が加わって、トータルで前記要求燃料量の燃料がシリンダ12内に供給されることとなる。
【0043】
これに対し、ステップ240の判定条件が満たされている(補助燃料未到達)と、ステップ250において、主燃料噴射弁23を前記期間T1よりも長い期間T2開弁させて、前記通常の量を増量補正した量の燃料を噴射させる。増量補正後の量は、前記通常の量に補助燃料量を加算した量である。従って、この場合には、補助燃料が加わらないが、主燃料噴射弁23のみによって機関始動時の要求燃料量の燃料が供給されることとなる。
【0044】
そして、前記ステップ250,260の処理を経た後、主燃料噴射制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。
上述した主燃料噴射制御ルーチンでは、ECU51によって実行されるステップ240,250の処理が増量補正手段に相当する。
【0045】
次に、前述した一連の処理が行われた場合の燃料噴射制御装置の作用を、図4(a)〜(e)及び図5(a)〜(e1)に示すタイミングチャートに基づき、(i)N2≧N1の場合と、(ii)N2<N1の場合とに分けて説明する。なお、図4(b)及び図5(b)は、高圧燃料ポンプ29で圧送が行われる毎にステップ状に増加するポンプ圧送回数が、概念的に直線で示されている。同様に、図4(a)及び図5(a)は、高圧燃料ポンプ29で圧送が行われる毎にステップ状に増加する燃料圧力PFが、概念的に直線で示されている。
【0046】
(i)N2≧N1の場合
この場合は、前述したように補助燃料がシリンダ12内に到達する時期を、主燃料の噴射開始時期、すなわち燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致する時期に同期させることが可能である。
【0047】
図4のタイミングt1でスタータ37がオンされると、そのスタータ37によるクランク軸15の回転にともない高圧燃料ポンプ29が駆動され、圧送が開始される。図4(a),(b)に示すように、圧送回数の増加に従い燃料圧力PFが上昇する。このとき、燃料圧力PFは目標燃料圧力PFtよりも低い。このため、主燃料噴射制御ルーチンでは、ステップ210→220→230→リターンの順に処理が行われ、主燃料噴射弁23が閉弁され続ける。
【0048】
一方、補助燃料噴射制御ルーチンでは、N2−N>N1の場合(タイミングt1〜t2)、ステップ110→120→130→140→リターンの順に処理が行われる。そのため、図4(c)に示すように、補助燃料噴射弁26が閉弁され続ける。そして、高圧燃料ポンプ29の圧送回数の増加にともない、N2−N=N1の関係が満足されると(タイミングt2)、補助燃料噴射制御ルーチンでは、処理がステップ140からステップ150に移行し、このタイミングt2で補助燃料噴射弁26が開弁される。この開弁にともない補助燃料噴射弁26から噴射された補助燃料はサージタンク25内等の空気と混ざり合って混合気となり、図4(d)に示すように吸気通路17内を飛行する。なお、図示はしないが、補助燃料噴射弁26の開弁は、タイミングt2の後、機関温度に応じた補助燃料噴射弁26の開弁時間が経過するまで行われる。
【0049】
そして、タイミングt2以後、高圧燃料ポンプ29により第1の圧送回数N1分圧送が行われたタイミングt3で、図4(d)に示すように補助燃料がシリンダ12内に到達することとなる。このタイミングt3は、図4(a)に示すように燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致するタイミングでもある。
【0050】
このことから、タイミングt3では、主燃料噴射制御ルーチンにおけるステップ230の判定条件が満たされ、かつステップ240の判定条件が満たされないこととなる。そのため、同ルーチンでは、ステップ210→220→230→240→260→リターンの順に処理が行われ、図4(e)に示すように主燃料噴射弁23が期間T1にわたり開弁されて、通常の量の主燃料が噴射される。
【0051】
なお、タイミングt3以降には複数の気筒について主燃料の噴射が行われるが、図4(e)では、説明の便宜上主燃料噴射が1回のみ図示されている。
(ii)N2<N1の場合
この場合は、前述したように補助燃料の噴射開始時期を如何に早い時期に設定しても、補助燃料のシリンダ12内への到達時期を主燃料の噴射開始時期、すなわち燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致する時期に同期させることができない。
【0052】
図5のタイミングt11でスタータ37がオンされると、前述したタイミングt1と同様に、図5(b)に示すように高圧燃料ポンプ29の圧送が開始される。図5(a)に示すように、この段階では燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtよりも低いため、主燃料噴射制御ルーチンでは、ステップ210→220→230→リターンの順に処理が行われ、主燃料噴射弁23が閉弁され続ける。この燃料圧力PFは高圧燃料ポンプ29の圧送回数の増加に従って上昇し、タイミングt12で目標燃料圧力PFtに一致する。
【0053】
一方、補助燃料噴射制御ルーチンでは、ステップ140の判定条件が満たされることからステップ110→120→130→140→150→リターンの順に処理が行われる。そして、ステップ150の処理により図5(c)に示すように、タイミングt11で補助燃料噴射弁26が開弁されて補助燃料の噴射が開始される。しかし、タイミングt11で補助燃料の噴射が開始されても、この補助燃料は、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致するタイミングt12にはシリンダ12内に到達しない。
【0054】
そのため、タイミングt12では、主燃料噴射制御ルーチンにおけるステップ230及び240の判定条件がともに満たされる。このことから、ステップ210→220→230→240→250→リターンの順に処理が行われ、図5(e1)に示すように主燃料噴射弁23が期間T2にわたり開弁されて、増量補正がされて通常よりも多い量の燃料が噴射される。
【0055】
その後、タイミングt13で図5(d)で示すように補助燃料がシリンダ12内に到達すると、主燃料噴射制御ルーチンではステップ240の判定条件が満たされなくなり、ステップ250に代えてステップ260の処理が行われる。この処理により、図5(e1)に示すように主燃料噴射弁23が期間T1(<T2)にわたり開弁され、通常(増量補正なし)の量の主燃料が噴射される。
【0056】
なお、タイミングt12〜t13の期間、及びt13以降には複数の気筒にわたって主燃料の噴射が行われる場合もあるが、図5(e1)では、説明の便宜上主燃料噴射がそれぞれ1回のみ図示されている。
【0057】
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)主燃料噴射弁23の燃料噴射の開始条件は、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFt以上になることである。そのため、この条件が満たされるタイミングが変動すると、主燃料の噴射開始時期がばらつく。従って、仮に、常に一定の時期に補助燃料の噴射が開始されると、その補助燃料がシリンダ12内に到達しているにもかかわらず主燃料の噴射が開始されないという現象が生じ得る。
【0058】
これに対し、本実施形態では、補助燃料がシリンダ12内に到達する到達時期と、主燃料の噴射開始時期とが同期(タイミングt3)するように、補助燃料の噴射開始時期をタイミングt2に設定している。そして、設定した噴射開始時期(タイミングt2)に補助燃料の噴射を開始している。従って、補助燃料がシリンダ12内に到達したときに主燃料の噴射が開始されることとなる。このため、シリンダ12内で主・補助の両燃料がともに燃焼されることとなり、補助燃料がシリンダ12内に到達しているのに主燃料の噴射が開始されないという現象を回避し、そのシリンダ12内の補助燃料が無駄に消費されるのを防止することができる。
【0059】
(2)上記のように設定された補助燃料の噴射開始時期に補助燃料の噴射を開始できない場合、主燃料の噴射開始時期に補助燃料がシリンダ12内に到達していない現象が生ずる。これに対し、本実施形態では、主燃料の噴射開始時期よりも遅れて補助燃料がシリンダ12内に到達すると推定されるまでの期間ΔT(t12〜t13)にわたり、主燃料の噴射量を増量補正している。従って、補助燃料の未到達分をこの増量補正分で補うことにより、機関始動時に要求される量の燃料をシリンダ12内に供給することができる。このため、補助燃料がシリンダ12内に到達していないのに、到達時と同じ量の主燃料が噴射されることによる不具合、すなわちシリンダ12内の混合気が過渡に希薄になる現象(空燃比が理論空燃比を大きく上回る現象、いわゆるオーバリーン)を防止することができる。
【0060】
(3)補助燃料の噴射開始後、シリンダ12内に到達するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の第1の圧送回数N1と、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の第2の圧送回数N2とを、燃料圧力に関係するパラメータとして用いている。そして、両圧送回数N1,N2に基づき補助燃料の噴射開始時期を算出するようにしている。
【0061】
このように、燃料圧力に関係する共通のパラメータである高圧燃料ポンプ29の圧送回数(第1の圧送回数N1及び第2の圧送回数N2)を用いることで、補助燃料がシリンダ12内に到達する到達時期と、主燃料の噴射開始時期とを把握することが可能となり、補助燃料の噴射開始時期を確実に設定することができる。
【0062】
(4)第2の圧送回数N2の算出に当たり、機関始動時の燃料圧力PF及び目標燃料圧力PFtの差圧ΔPFを、高圧燃料ポンプ29の1圧送当たりの燃料圧力の上昇分で除算している。このため、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致するまでに行われる高圧燃料ポンプ29の圧送回数(第2の圧送回数N2)を確実に求めることができる。
【0063】
(5)第2の圧送回数N2が第1の圧送回数N1以上であると、それら両圧送回数N2,N1の偏差分、高圧燃料ポンプ29の圧送が行われたときを補助燃料の噴射開始時期として設定するようにしている。
【0064】
ここで、上記のように第2の圧送回数N2が第1の圧送回数N1以上である場合には、補助燃料の噴射開始からシリンダ12内に到達するまでの期間の方が、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致するまでの期間よりも短い。そのため、高圧燃料ポンプ29において、両圧送回数N2,N1の偏差分圧送が行われたときに補助燃料の噴射を開始すれば、その補助燃料を、燃料圧力PFが目標燃料圧力PFtに一致して主燃料の噴射が開始されるときにシリンダ12内に到達させることが可能となる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。第2実施形態では、補助燃料のシリンダ12内への到達時期を主燃料の噴射開始時期に同期させるための補助燃料の噴射開始時期に補助燃料の噴射を開始できないときの処理が、第1実施形態と異なっている。
【0066】
具体的には、補助燃料噴射弁26の燃料噴射制御については、第1実施形態と同様に図2の「補助燃料噴射制御ルーチン」に従って処理が行われる。また、主燃料噴射弁23の燃料噴射制御については、前述した図3の「主燃料噴射制御ルーチン」の処理のうち、ステップ250の処理が行われない。すなわち、ステップ240の判定が満たされている場合には、そのまま主燃料噴射制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。この場合、主燃料噴射弁23からは、補助燃料がシリンダ12内に到達するまで主燃料が噴射されない。このことは、主燃料の噴射開始時期が遅延されることと同義である。このように、第2実施形態では、補助燃料がシリンダ12内に到達する時期と主燃料の噴射開始時期とが同期するよう主燃料の噴射開始時期が遅延される。なお、主燃料噴射制御ルーチンにおいて、ECU51によって実行されるステップ240→リターンの処理が噴射開始時期遅延手段に相当する。
【0067】
従って、図5(e2)において二点鎖線で示すように、タイミングt12で燃料圧力PFが目標燃料圧力PFt以上になっても、補助燃料がシリンダ12内に到達すると推定されるタイミングt13までは、主燃料が噴射されない。そして、タイミングt13で補助燃料がシリンダ12内に到達してステップ240の判定条件が満たされなくなると、ステップ260の処理により期間T1にわたり通常の量の主燃料が噴射される。
【0068】
上記第2実施形態によれば、前述した(1)、(3)〜(5)に加え、次の効果が得られる。
(6)補助燃料のシリンダ12内への到達時期を主燃料の噴射開始時期に同期させるための補助燃料の噴射開始時期に補助燃料の噴射を開始できない場合、補助燃料のシリンダ12内への到達時期と主燃料の噴射開始時期とが同期するように後者の噴射開始時期を遅延している。このため、前述した(2)とは異なる手法であるが、この(2)と同様の効果、すなわち、混合気が過度に希薄になる現象(オーバリーン)を防止することができる。
【0069】
また、主燃料噴射弁23に加え補助燃料噴射弁26を備えた筒内噴射エンジンでは、補助燃料がシリンダ12内に到達するまでの期間に補助燃料噴射弁26による燃料供給についての補助がないため、主燃料噴射弁23に多くの燃料噴射が要求される。そして、補助燃料がシリンダ12内に到達するまでの期間にこのような多くの燃料が噴射された場合、燃料圧力が大きく低下するおそれがある。これに対し、第2実施形態では、補助燃料がシリンダ12内に到達するまでの期間に主燃料噴射弁23から燃料が噴射されない。このため、主燃料噴射弁23に供給される燃料圧力が低下してしまうのを防止することもでき、排気エミッションを抑制する効果を十分得ることができる。
【0070】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・補助燃料噴射弁26による補助燃料の噴射終了条件を前記実施形態とは異なるものに変更してもよい。例えば、スタータ37がオンされてから所定時間が経過することを噴射終了条件としてもよい。
【0071】
・本発明は、単一の補助燃料噴射弁26に限らず、複数の補助燃料噴射弁26から補助燃料を噴射するようにした筒内噴射式内燃機関に適用することもできる。なお、単一とした場合には、補助燃料を供給する手段の構成の簡略化、燃料供給制御の簡略化、コスト低減等の点で有利である。
【0072】
・本発明は、補助燃料噴射弁26を吸気通路17のサージタンク25とは異なる箇所に配置した筒内噴射式内燃機関にも適用可能である。ただし、補助燃料噴射弁26がシリンダ12から離れるほど本発明により得られる効果が大となる。
【0073】
・エンジン11の始動時の判定を、スタータスイッチ38の信号に加えエンジン回転速度NEに基づいて行うようにしてもよい。この場合、例えばスタータスイッチ38の信号が出力されてからエンジン回転速度NEがある値以上になるまでを始動時とする。
【0074】
・前記両実施形態では、燃料圧力PFとして、燃圧センサ47による検出値を用いたが、高圧燃料ポンプ29の回転速度、圧送ストローク等の高圧燃料ポンプ29の運転状態等に基づいて推定した値を用いてもよい。
【0075】
・本発明は、筒内噴射式内燃機関であれば火花点火方式とは異なる方式の内燃機関にも適用可能である。
・目標燃料圧力PFtを一定値としてもよく、また機関温度に代えて又は加えて機関温度に相当する機関情報に基づき可変設定してもよい。この場合の機関情報としては、例えば、外気温、吸気温、油温等が挙げられる。
【0076】
・燃料圧力に関係するパラメータとして、高圧燃料ポンプ29の圧送回数以外の要素を用いてもよい。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
【0077】
(A) 請求項1〜3のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記噴射開始時期設定手段は、前記補助燃料噴射弁の燃料噴射開始後、その噴射燃料が筒内に到達するまでに行われる前記高圧燃料ポンプの第1の圧送回数と、前記燃料圧力が前記所定値に一致するまでに行われる前記高圧燃料ポンプの第2の圧送回数とを、前記燃料圧力に関係するパラメータとして用い、両圧送回数に基づき前記補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を算出する。
【0078】
上記の構成によれば、燃料圧力に関係する共通のパラメータである高圧燃料ポンプの圧送回数(第1の圧送回数及び第2の圧送回数)を用いることで、補助燃料噴射弁の噴射燃料が筒内に到達する到達時期と主燃料噴射弁の燃料の噴射開始時期とを把握できる。これにともない、補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を確実に設定することが可能となる。
【0079】
(B) 上記(A)に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記第2の圧送回数は、機関始動時の燃料圧力及び前記所定値の差圧と、高圧燃料ポンプの1圧送当たりの燃料圧力の上昇分とに基づき求められる。
【0080】
上記の構成によれば、上記差圧及び圧力上昇分を用いることにより、例えば差圧を圧力上昇分で除算することにより、燃料圧力が所定値に一致するまでに行われる高圧燃料ポンプの圧送回数(第2の圧送回数)を確実に求めることができる。
【0081】
(C) 上記(A)又は(B)に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記噴射開始時期設定手段は、前記第2の圧送回数が前記第1の圧送回数以上であると、それら両圧送回数の偏差分、前記高圧燃料ポンプの圧送が行われたときを前記補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期として設定する。
【0082】
上記の構成によれば、第2の圧送回数が第1の圧送回数以上である場合には、補助燃料噴射弁の燃料噴射開始から噴射燃料が筒内に到達するまでの期間の方が、燃料圧力が所定値に一致するまでの期間よりも短い。そのため、高圧燃料ポンプにおいて、第2の圧送回数と第1の圧送回数との偏差分圧送が行われたときを補助燃料噴射弁の噴射開始時期とし、その時期に燃料を噴射させれば、その噴射燃料は、燃料圧力が所定値に一致して主燃料噴射弁から燃料の噴射が開始されるときに筒内に到達することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態についてその構成を示す略図。
【図2】補助燃料噴射弁の燃料噴射を制御する手順を示すフローチャート。
【図3】主燃料噴射弁の燃料噴射を制御する手順を示すフローチャート。
【図4】(a)〜(e)は燃料噴射制御装置の作用を説明するタイミングチャート。
【図5】(a)〜(e2)は第1実施形態及び第2実施形態の燃料噴射制御装置の作用を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
11…筒内噴射ガソリンエンジン(筒内噴射式内燃機関)、12…シリンダ(気筒)、17…吸気通路、23…主燃料噴射弁、26…補助燃料噴射弁、29…高圧燃料ポンプ、30…燃料、51…ECU(噴射開始時期設定手段、噴射開始手段、増量補正手段、噴射開始時期遅延手段)、N1…第1の圧送回数(燃料圧力に関係するパラメータ)、N2…第2の圧送回数(燃料圧力に関係するパラメータ)、PF…燃料圧力、PFt…目標燃料圧力(所定値)、ΔT…期間。
Claims (3)
- 高圧燃料ポンプから供給された加圧燃料を筒内に直接噴射する主燃料噴射弁と、吸気通路に燃料を噴射する補助燃料噴射弁とを備え、機関始動時に前記主燃料噴射弁に加え前記補助燃料噴射弁からも燃料噴射を行うようにした筒内噴射式内燃機関に適用され、機関始動時、前記主燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所定値以上になったことを条件に、前記主燃料噴射弁の燃料噴射を開始する筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料圧力に関係するパラメータに基づき前記補助燃料噴射弁の噴射燃料が筒内に到達する到達時期と前記主燃料噴射弁の燃料噴射開始時期とが同期するよう前記補助燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を設定する噴射開始時期設定手段と、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に基づき前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始する噴射開始手段と
を備えることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。 - さらに、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始できないときには、前記補助燃料噴射弁から噴射された燃料が筒内に到達すると推定されるまでの期間にわたり前記主燃料噴射弁の燃料噴射量を増量補正する増量補正手段を備える請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
- さらに、前記噴射開始時期設定手段により設定された燃料噴射開始時期に前記補助燃料噴射弁の燃料噴射を開始できないときには、前記到達時期と前記主燃料噴射弁の燃料噴射開始時期とが同期するよう同燃料噴射開始時期を遅延する噴射開始時期遅延手段を備える請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
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