筒内噴射システムとポート噴射システムとを併用する燃料供給システムにおいても、上述したようにフィード圧は基本的に低い方が望ましい。
ここで、上記各種従来の技術を組み合わせれば、例えば、この種の燃料供給システムにおいてフィード圧を低下させておき、ポート噴射システム(低圧側のシステム)における燃圧が低下した場合等にフィード圧を上昇させるといった技術思想に辿り着くのは困難ではない。
ところが、従来、この種の燃料供給システムにおいて、低フィード圧の可及的な維持を図ろうとする技術は存在しない。このため、上記組み合わせとして例示したものを含め、従来の技術思想の範疇では、一時的に低フィード圧を実現できるにせよ、低くない頻度でフィード圧を上昇させざるを得ない状況が訪れる。
補足すれば、通常、吸気ポート噴射では、燃料の噴射期間がある程度の範囲(°CA)で決められている。従って、要求噴射量と噴射期間とから、必要なフィード圧は本来的に可変である必要がある。
このように、筒内噴射システムとポート噴射システムとを併用する燃料供給システムにおいては、筒内噴射システムと較べて調量精度が低く、一方で噴射量がフィード圧にダイレクトに反映され易いポート噴射システムを併用する関係上、低圧ポンプの駆動負荷を低圧に維持することが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は上述した技術的問題点に鑑みてなされたものであり、この種の燃料供給システムにおいても低圧ポンプのフィード圧を可及的に低圧に維持し、燃費の向上を実現し得る燃料供給システムの制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料供給システムの制御装置は、燃料を貯留する貯留手段と、前記貯留される燃料を、所定のフィード圧を有する低圧燃料として供給するフィードポンプと、前記供給される低圧燃料を昇圧して高圧燃料として供給する高圧ポンプと、内燃機関の吸気ポートに前記低圧燃料を噴射する第1噴射手段と、前記内燃機関のシリンダ内部に前記高圧燃料を噴射する第2噴射手段とを備えた燃料供給システムを制御する、燃料供給システムの制御装置であって、少なくとも前記第2噴射手段が使用される場合に、最小フィード圧制御として、前記フィード圧を前記高圧燃料の燃圧が異常値とならない範囲の最小値である最小フィード圧に制御するフィード圧制御手段と、前記第1噴射手段と前記第2噴射手段とが併用される併用期間において前記最小フィード圧制御が実行される場合に、前記第1噴射手段による前記低圧燃料の噴射期間を前記最小フィード圧制御が実行されない場合と較べて長くする噴射期間補正手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る燃料供給システムの制御装置によれば、吸気ポートインジェクタ等の第一噴射手段と直噴インジェクタ等の第2噴射手段を備えた燃料供給システムにおいて、少なくとも第2噴射手段が燃料供給デバイスとして使用される場合に、フィード圧制御手段により最小フィード圧制御が実行される。本発明に係る最小フィード圧制御とは、上述の低圧ポンプに相当するフィードポンプのフィード圧を高圧燃料の燃圧が異常値にならない範囲の最小値とする制御を意味する。
ここで、「燃圧が異常値にならない範囲」とは、例えば、上述した高圧ポンプにおけるベーパの発生が生じない範囲、ベーパによるキャビテーションが生じない範囲、或いはベーパによるキャビテーションが許容値以下となる範囲等、ベーパ発生による高圧ポンプ側の問題点が考慮される限りにおいて多義的である。概念的に言えば、「可及的にフィード圧を下げる」旨の要求と、「フィード圧を下げることによる他の問題を顕在化させない」旨の要求とを如何に折り合わせるかについては、各種の判断が介在し得る。
最小フィード圧制御に係る「最小フィード圧」とは、ある一の制御基準が存在する状況下においても必ずしも一義的ではなく、典型的には可変である。最小フィード圧とは、少なくともベーパの振る舞いに対応付けられた圧力であり、ベーパは元来、燃圧と飽和蒸気圧との関係性から生じるものであるから、最小フィード圧は、高圧ポンプ側でのベーパの発生を直接的に或いは間接的に検知することにより、予め実験的に、経験的に又は理論的に策定された各種の導出則に従って決定することができる。
一方、最小フィード圧制御により運用される最小フィード圧には、第1噴射手段の動作が考慮されていない。通常、第1噴射手段による燃料の噴射期間は、フィード圧が可変であることを前提として決定される。例えば、所望の噴射期間又は噴射量を実現するためにフィード圧を上昇させる必要があればフィード圧は予め許容された範囲で上昇させられるのが自然である。
従って、第1噴射手段と第2噴射手段とを併用する燃料供給システムにおいては、第1噴射手段の動作と最小フィード圧制御との関係性及びこれらの運用指針を明確に規定しておかないと、最小フィード圧制御は必ずしも有効に機能しなくなる。
本発明に係る燃料供給システムでは、そのような関係性及び運用指針が、噴射期間補正手段により与えられる構成となっている。
即ち、噴射期間補正手段は、第1噴射手段と第2噴射手段とが併用される併用期間において最小フィード圧制御が実行される場合に、第1噴射手段による低圧燃料の噴射期間を、最小フィード圧制御が実行されない場合と較べて長くする。
即ち、本発明においては、併用期間において最小フィード圧制御が実行されている場合、最小フィード圧制御が優先され、最小フィード圧制御により制御運用される最小フィード圧は可及的に維持される。最小フィード圧が維持されることによる吸気ポートの燃料噴射量の自由度の低下は、噴射期間の長大化によって補償される。
このように、本発明に係る燃料供給システムの制御装置では、吸気ポート噴射と筒内噴射とが並存する期間において、最小フィード圧制御が優先される旨が明確に規定されている。即ち、吸気ポートの要求噴射量及びそれに応じた第1噴射手段の動作が最小フィード圧制御を阻害する方向に作用することがない。従って、フィードポンプの駆動負荷低減による燃費向上効果を可及的に維持することができる。
本発明に係る燃料供給システムの制御装置の一の態様では、少なくとも前記高圧燃料の燃圧と目標燃圧との偏差に基づいた積分項を含む制御量に従って前記高圧ポンプの駆動負荷を制御する駆動負荷制御手段を更に具備し、前記フィード圧制御手段は、前記最小フィード圧制御の実行過程において、前記積分項の増減変化が夫々前記フィード圧の高低変化に対応するように前記フィード圧を制御する(請求項2)。
この態様によれば、駆動負荷制御手段により、高圧ポンプの駆動負荷(例えば、内燃機関の機関動作に連動する機械式ポンプに燃料を吐出する電磁調量弁の開度や開弁期間等を意味する)が制御される。この際、この駆動負荷の制御に供される制御量(一種の駆動デューティ)は、高圧燃料の燃圧と目標燃圧との偏差に応じたフィードバック制御量を含んで規定される。
この種のフィードバック制御量は、例えば、この偏差に比例する比例項(P項)、この偏差の一部を時間微分した時間微分値に比例する微分項(D項)或いはこの偏差の一部を時間積分した時間積分値に比例する積分項(I項)等を含み得るが、本態様では少なくとも積分項を含むものとして規定される。尚、駆動負荷の制御量には、この種のフィードバック制御量のみならず、要求噴射量に応じたフィードフォワード制御量が含まれていてもよい。
ここで、出願人の知見によれば、この高圧ポンプの駆動負荷に係る積分項の変化方向は、高圧ポンプにおけるベーパの振る舞いに関連性がある。即ち、積分項が増加する場合、ベーパが増加していると判断することができ、積分項が減少する場合、ベーパは減少していると判断することができる。本態様では、この関係性が、フィード圧制御手段に係る最小フィード圧制御の運用に利用される。
即ち、フィード圧制御手段は、最小フィード圧制御の実行過程において、上記積分項の増減変化が夫々フィード圧の高低変化に対応するようにフィード圧を制御する。端的には、積分項が増加すればフィード圧は上昇し、積分項が減少すればフィード圧は減少する。
こうすれば、フィード圧を高圧ポンプでのベーパの振る舞いに対応付けて良好に最小フィード圧に維持することが可能となる。特に、積分項の変化は、実際にベーパによるキャビテーション等が顕在化する時点よりも前に生じる現象であることから、この態様によれば、ベーパが高圧ポンプの動作を大小なり阻害する以前の段階で、フィード圧を的確に制御することができ、実践上際立って有益である。
本発明に係る燃料供給システムの制御装置の他の態様では、前記フィード圧制御手段は、前記内燃機関の運転条件に応じて決定される、前記低圧燃料の噴射期間及び前記フィード圧のうち少なくとも一方の要求値が限界値を超える場合に、前記最小フィード圧制御を終了する(請求項3)。
最小フィード圧制御は、フィードポンプの駆動負荷低減による燃費向上効果が大であるが、吸気ポート噴射と筒内噴射とを併用する燃料供給システムの実践的運用面においては、吸気ポート噴射を内燃機関の燃焼性向上に利用する必要性が生じることがある。そのような必要性が生じた場合、要求されるフィード圧は必ずしも最フィード圧を満たさない。
そこで、本態様では、低圧燃料の噴射期間及びフィード圧のうち少なくとも一方の要求値が、内燃機関の各種運転条件に応じて決定される限界値を超える場合には、フィード圧制御手段が最小フィード圧制御を終了する構成となっている。
ここで、「限界値」とは、フィード圧に関して言えば、最小フィード圧制御により制御される最小フィード圧に対応する値を意味する。尚、「対応する値」としたのは、実制御上、例えば制御ハンチングを防止する目的等から、最小フィード圧を含むある程度の範囲は許容され得ると考えられるためである。
フィード圧の要求値が最小フィード圧の限界値を超える事態は、多義的に発生し得る。
例えば、内燃機関の始動時(常温、冷間、高温問わず)には、燃焼安定性の確保が重要であるから、流量と共に噴霧の微粒化が望まれる傾向にある。噴霧の微粒化には高いフィード圧の方が有利であり、このような状況下では最小フィード圧を超えた要求フィード圧が生じ得る。尚、噴霧の微粒化は、始動時に限らず要求されるから、噴霧の微粒化が要求される状況では、要求フィード圧が最小フィード圧を超える可能性がある。例えば、冷間始動時において始動後且つ暖機完了前にはエミッションを低減する目的からやはり噴霧の微粒化が望まれる傾向にある。
或いは、例えば、内燃機関の燃焼温度が高い状況(例えば、極高温再始動後の一定期間等)においては、フィード圧が低過ぎると、第1噴射手段で気泡が発生して噴霧の調量精度が低下する懸念がある。このような状況においては、気泡の発生を防止する目的から最小フィード圧以上のフィード圧が要求され得る。
更に、低中速且つ高負荷運転時においては、可及的に多くの新気を気筒内部に導入する必要から、気筒内部の体積効率を高める必要性が生じ得る。そのような要求に対しては、噴霧の微粒化に伴う気化潜熱による冷却が効果的であり、要求フィード圧が最小フィード圧を超える可能性がある。
これら内燃機関の他の要請に基づいた、最小フィード圧相当値を超えたフィード圧要求は、多くの場合、フィードポンプの駆動負荷低減による燃費向上に優先されるべきである。従って、このような場合については、最小フィード圧制御を終了又は一時的に中断して、然るべき措置を講じるのが望ましい。尚、各場合についての最適なフィード圧(燃圧)或いはフィード圧を規定する燃料吐出量又は吐出速度等は、予め各場合について望ましい効果が得られるように実験的に、経験的に又は理論的に決定されているのが望ましい。この場合、決定されたフィード圧や燃料吐出量又は吐出速度等は、制御マップとして然るべき記憶手段に格納されていてもよい。
一方、噴射期間の限界値とは、内燃機関の構成上定まる限界値であって、例えば、4サイクルエンジン等720°CAで一燃焼サイクルが完了する内燃機関においては、一気筒における燃料噴射期間は最大で720°CAである。最小フィード圧を維持した場合に吸気ポートの要求噴射量を満たす噴射期間(即ち、本態様における要求値の一種)が720°CAを超える場合、フィード圧を上昇させる以外に要求噴射量を満たす手立てはないのである。また、最小フィード圧を維持する目的から要求噴射量未満の燃料噴射量とすることに実践上の意義は殆ど存在しない。
尚、本発明に係る燃料供給システムの制御装置は、好適な一形態として、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ等を備えた、単体或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)やコンピュータシステム等の形態を採り得る。また、これらには適宜ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等が付帯し得る。尚、本発明に係る燃料供給システムの制御装置は、内燃機関の各部(動弁系、点火系或いは冷却系等)を制御するコンピュータ装置の一部として構成されていてもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100、エンジン200及び燃料供給システム300を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、エンジンシステム10の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「燃料供給システムの制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する燃料供給制御処理を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「フィード圧制御手段」、「噴射期間補正手段」及び「駆動負荷制御手段」の夫々一例として機能し得る一体の電子制御ユニットであるが、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、これら各手段は、例えば複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。ここで、図2を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の概略断面図である。
エンジン200は、シリンダブロック201Aに収容されたシリンダ201B内において、燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して燃料たるガソリンと空気との混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼に伴う爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換可能に構成された機関である。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。このクランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたエンジン200のクランク角は、一定又は不定の周期でECU100に参照される構成となっている。
尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に複数のシリンダ201Bが配列した多気筒エンジンであるが、個々のシリンダ201Bの構成は相互いに等しいため、図2においては一のシリンダ201Bについてのみ説明を行うこととする。また、このような構成は、本発明に係る「内燃機関」が採り得る一例に過ぎない。
エンジン200において、外部から吸入された空気は、吸気管207に導かれる。吸気管207における、吸気ポート209の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続された、不図示のスロットルバルブモータによってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、ECU100は、基本的には不図示のアクセルポジションセンサにより検出されるアクセル開度Taに応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータを駆動制御するが、スロットルバルブモータの動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することもまた可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
スロットルバルブ208を通過した空気は、吸気ポート209に導かれ、吸気ポート209において、PFI(Port Fuel Injector:ポート噴射装置)342から噴射されたポート噴射燃料Fpiと混合される。シリンダ201Bと吸気ポート209とは、吸気バルブ210の開閉によってその連通状態が制御されており、この混合気は、吸気バルブ210の開弁時にシリンダ201B内に吸入される。尚、この吸気バルブ210は、クランクシャフト205に不図示のスプロケット等を介して連結された吸気カムシャフトICS(不図示)に取り付けられた、断面視楕円形状を有する吸気カム211のカムプロフィールに従って、開閉駆動される。
一方、シリンダ201B内には、DFI(Direct Fuel Injector:筒内噴射装置)362の燃料噴射弁が露出しており、DFI362から噴射された筒内噴射燃料Fdiは、このシリンダ201B内において吸気ポート209から吸入された気体と混合され上述した混合気となる。尚、PFI342及びDFI362を含む燃料供給システム300の構成については後述する。
シリンダ201Bで燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ210の開閉に連動して開閉する排気バルブ212の開弁時に排気ポート213を介して排気管214に導かれる。
排気管214には、エンジン200の排気空燃比AFを検出可能に構成された空燃比センサ215が設置されている。また、シリンダ201Bを収容するシリンダブロック201Aを取り囲むように張り巡らされたウォータジャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温Twを検出するための冷却水温センサ216が配設されている。
次に、図3を参照し、燃料供給システム300の構成について説明する。ここに、図3は、燃料供給システム300を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、既出の各図と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、燃料供給システム300は、燃料タンク310、フィード管320、フィードポンプ330、ポート噴射システム340、高圧ポンプ350及び筒内噴射システム360を備えた、本発明に係る「燃料供給システム」の一例である。
燃料タンク310は、燃料(本実施形態ではガソリン)を貯留するタンクである。
フィード管320は、一端部が燃料タンク310に連結され、他端部がポート噴射システム340及び筒内噴射システム360に連結された金属製の管状部材である。フィードポンプ330は、このフィード管320における燃料タンク310近傍に設けられている。
フィードポンプ330は、燃料タンク310から燃料を汲み上げ、フィード管320に所望の燃料吐出速度(時間当たりの吐出量)で燃料を供給可能に構成された、本発明に係る「フィードポンプ」の一例たる電動ポンプ装置である。フィードポンプ330から吐出される燃料は、所定のフィード圧Pfdを有する本発明に係る「低圧燃料」の一例である。フィードポンプ330の燃料吐出速度は、ECU100と電気的に接続された不図示の駆動装置により制御される。尚、フィードポンプ330は、この燃料吐出速度の制御を介して、フィード管320内の燃圧であるフィード圧Pfdを可変に制御することが出来る。
ポート噴射システム340は、低圧デリバリ341と複数のPFI342とフィード圧センサ343とを含んで構成される。
低圧デリバリ341は、フィード圧Pfdを有する燃料(以下、適宜「低圧燃料」と表現する)を一定量蓄積可能に構成されたバッファである。
PFI342は、低圧デリバリ341に連結された燃料噴射装置である。PFI342の燃料噴射弁は、先述したように各シリンダの吸気ポート209に露出しており、燃料噴射弁の開弁期間及びフィード圧Pfdにより定まる量のポート噴射燃料Fpiを吸気ポート209に噴霧として噴射可能に構成されている。
フィード圧センサ343は、上述した低圧燃料のフィード圧Pfdを検出可能に構成されたセンサである。フィード圧センサ343は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたフィード圧Pfdは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
高圧ポンプ350は、フィードポンプ330と筒内噴射システム360との間に介装された、本発明に係る「高圧ポンプ」の一例たる機械式ポンプ装置である。
ここで、図4を参照し、高圧ポンプ350の構成について説明する。ここに、図4は、高圧ポンプ350の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、既出の各図と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、高圧ポンプ350は、電磁調量弁351、吸入弁352、シリンダ353、プランジャ354、加圧室355、カム356、吐出弁357及び高圧管358を備える。
電磁調量弁351は、フィードポンプ330へ繋がるフィード管320上に設けられ、フィードポンプ320により送出された低圧燃料の流量を調節する電磁開閉弁である。フィードポンプ320により燃料タンク310から汲み上げられた低圧燃料は、この電磁調量弁351によりその流量が調節され、フィード管320の一端部が接続された加圧室355へ供給される。電磁調量弁351は、ECU100と電気的に接続されており、その開弁期間を規定する駆動デューティが、ECU100により制御される構成となっている。
プランジャ354は、シリンダ353内に設置された加圧部材であり、下端部に接続されたロッド状部材が、エンジン200の吸気カムシャフトICSに固定され且つ吸気カムシャフトICSの回転に連動して回転する、楕円形状を有するカム356のカムプロフィールに従って図中上下方向に往復運動するのに伴い、その上端部が図示TDC(Top Death Center:上死点)と図示BDC(Bottom Death Center:下死点)との間で往復運動する構成となっている。
加圧室355は、シリンダ353の内壁部分と、プランジャ354の上端部分とによって規定される空間であり、プランジャ354の前述した往復運動に伴って、その容積が変化する空間である。
電磁調量弁351により調量された燃料は、プランジャ354がシリンダ353内をTDCからBDCへ向かって移動する際(即ち、減圧期)に、吸入弁352を押し開いて加圧室に吸入される。その後、プランジャ354がシリンダ353内をBDCからTDCへ向かって移動する際(即ち、加圧期)に、プランジャ354によって加圧室355内部の燃料が圧縮(即ち、加圧)される。加圧された燃料は、吐出弁357を押し開いて高圧管358に供給され、高圧管358に接続された高圧デリバリ361へと圧送される構成となっている。
ここで、このようにエンジン200の機関運動に連動して加圧動作が行われる機械式ポンプ装置においては、駆動負荷が電磁調量弁351の開弁状態と一義的関係となる。即ち、電磁調量弁351の開弁期間が長ければ、その分多くの燃料が加圧室355に導入されることとなり、高圧ポンプ350の駆動負荷はその分上昇する。
尚、ここに例示する高圧ポンプ350は、シリンダ内に直接燃料噴射する筒内噴射システムにおける高圧ポンプ装置の一例であり、無論公知の他の態様を採り得る。
図3に戻り、筒内噴射システム360は、高圧デリバリ361と複数のDFI362と高圧センサ363とを含んで構成される。
高圧デリバリ361は、燃圧Ph(Ph>Pfd)を有する燃料(以下、適宜「高圧燃料」と表現する)を一定量蓄積可能に構成されたバッファである。
DFI342は、高圧デリバリ361に連結された燃料噴射装置である。DFI362の燃料噴射弁は、先述したように各シリンダ201Bの内部に露出しており、燃料噴射弁の開弁期間及び燃圧Phにより定まる量の筒内噴射燃料Fdiをシリンダ201Bの内部に噴霧として噴射可能に構成されている。
ここで、DFI362の構成について補足する。DFI362は、ECU100から供給される指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、高圧デリバリ361に蓄積された高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御可能に構成されており、通電時に当該圧力室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該圧力室と低圧通路とを相互に遮断する構成となっている。
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により圧力室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、高圧デリバリ361より供給された高圧燃料が噴孔より噴射される。また、電磁弁への通電停止により圧力室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する。
<実施形態の動作>
次に、図5を参照し、本実施形態の動作として、ECU100により実行される燃料供給制御処理について説明する。ここに、図5は、燃料供給制御処理のフローチャートである。
図5において、ECU100は、最小フィード圧制御を実行する(ステップS110)。最小フィード圧制御は、燃料供給システム300における先述したフィード圧Pfd(低圧燃料の燃圧)を、高圧ポンプ350においてベーパの悪影響が生じない範囲の最小圧に維持する制御を意味する。即ち、ステップS110は、本発明に係る「フィード圧制御手段」の動作の一例である。
ここで、最小フィード圧制御について具体的に説明する前に、高圧ポンプ350の制御態様について説明する。
高圧ポンプ350の駆動負荷(本実施形態では上述したように電磁調量弁351の開弁期間)を制御するための制御量は、フィードフォワード制御項(以下、適宜「FF項」と略称する)とフィードバック制御項(以下、適宜「FB項」と略称する)とにより規定される。
FF項は、予め策定された制御マップに従って、筒内噴射燃料Fdiの噴射量Qfdiの目標値である目標筒内噴射量Qfditgに応じて設定される制御項である。また、FB項は、高圧燃料の燃圧Pdと目標燃圧Pdtgとの偏差ΔPdに比例する比例項と、当該偏差ΔPdの一部を積分処理した積分項とを含む制御項である(即ち、FB制御に関しては所謂PI制御が実行される)。
このようにして各々求められた制御項は合算され、予め設定された演算処理に従って高圧ポンプ350の制御量(ここでは、電磁調量弁351の駆動デューティ)が求められる。ECU100は、最終的に、この求められた駆動デューティに従って電磁調量弁351を制御し、高圧ポンプ350の駆動負荷を制御する構成となっている。尚、高圧ポンプ350の駆動制御の実践的態様はこのようなものに限らず公知の各種の態様を適用可能である。
ステップS110における最小フィード圧制御は、上述した高圧ポンプ350の制御量に係る制御項を利用して行われる。具体的には、フィード圧Pfdは、上述したFB項のうち積分項の変化方向が増加方向であれば増圧され、減少方向であれば減圧される。最小フィード圧とは、このように増圧或いは減圧されるフィード圧Pfdの現在値である。
ここで、補足すると、積分項の増加は、例えば目標燃圧Pdtgに対し燃圧Pdが低い場合において目標燃圧が上昇した場合や、筒内噴射燃料量Qfdiが増加した場合等に加えて、ベーパが発生した場合においても生じる。これは、ベーパの発生が高圧ポンプ350の吸引不良を招来するためである。従って、積分項の増加に応じてフィード圧Pfdを上昇させ、一方で積分項の減少に応じてフィード圧Pfdを低下させれば、定常的には、フィード圧Pfdを高圧ポンプ350でベーパによる吸引不良(キャビテーション)が顕在化しない範囲で最小値に維持することが可能となるのである。
尚、このように積分項に応じてフィード圧Pfdを制御する構成とすれば、ベーパ発生初期段階でのベーパ検知が可能となり、高圧ポンプ350の性能低下を招くことなく、フィード圧Pfdを最適に維持することが可能となる。
最小フィード圧制御が実行された状態において、ECU100は、エンジン200の動作条件が、PFI342の併用条件(DFI362とPFI342とを併用する条件)に該当するか否かを判別する(ステップS120)。
ここで、PFI342の併用には各種の効能があり、併用条件に該当するエンジン200の動作条件は多々あり、例えば下記のものがある。無論、ここに例示される以外にもPFI342は広範にわたってDFI362と併用される。
(1)低回転高負荷時
低回転高負荷時には燃料の均一性が低下する。従って、DFI362による燃料の筒内噴射のみでは、例えばSCV(スワール制御弁)等を使用した均一性向上措置が必要となる。これに対し、PFI342を使用した燃料の吸気ポート噴射が併用される場合、SCV等の機構に頼らずとも混合気の均一性を向上させることができ、SCV等の機械的動作に伴う損失を解消することが出来る。
(2)機関始動時
機関始動時においては、燃焼性向上を図る目的から、PFI342による燃料の吸気ポート噴射が併用される。特に、極低温始動時には、DFI362による燃料の筒内噴射では、ピストンウェットが後燃えしてスモークの排出量が増加し易いが、PFI342による燃料の吸気ポート噴射により、ピストンウェット自体を減少させることが出来、スモーク排出量を低減することが出来る。
(3)未暖機時
未暖機時においては、DFI362から噴射された筒内噴射燃料Fdiが、十分に噴霧化せずにシリンダ201Bの内壁に付着することがある。この付着燃料は、ピストンの摺動過程において潤滑油と混ざり、潤滑油を希釈する。潤滑油が希釈されると潤滑機能が低下するのに加えて、暖機後に潤滑油からベーパが発生し、ブローバイガスに当該ベーパが混入することによって、空燃比制御に影響が及ぶ。PFI342による燃料の吸気ポート噴射を併用することによって、このようなオイル希釈を防止することが出来る。
ステップS120においてPFI併用条件に該当しない場合(ステップS120:NO)、ECU100は、最小フィード圧制御を継続(一時的終了状態にある場合には再開)し(ステップS140)、処理をステップS120に戻す。
ステップS120においてPFI併用条件に該当する場合(ステップS120:YES)、ECU100は、最小フィード圧制御を継続することが可能であるか否かを判別する(ステップS130)。最小フィード圧制御の継続可否に係る判別処理の具体的態様については後述する。
ステップS130において最小フィード圧制御を継続することが不可能であると判別された場合(ステップS130:NO)、ECU100は、最小フィード圧制御を終了する(ステップS170)。尚、ステップS170に係る動作は、本発明に係る「内燃機関の運転条件に応じて決定される、低圧燃料の噴射期間及びフィード圧のうち少なくとも一方の要求値が限界値を超える場合に最小フィード圧制御を終了する」旨のフィード圧制御手段の動作の一例である。
最小フィード圧制御を終了すると、ECU100は、フィード圧Pfdを予めROM二格納された制御マップから選択された値に維持するフィード圧一定制御を実行する(ステップS180)。フィード圧一定制御が終了すると、処理はステップS120に戻され一連の処理が繰り返される。尚、フィード圧一定制御に係るフィード圧は、予め実験的に、経験的に又は理論的に、その時点のエンジン200の運転条件に適するよう決定されている。
ステップS130において最小フィード圧制御を継続することが可能であると判別された場合(ステップS130:YES)、ECU100は、最小フィード圧制御を継続(或いは、一時的に終了している場合には再開)する(ステップS150)。
ここで、DFI362とPFI342との併用期間において最小フィード圧制御が実行される場合において、ECU100は、PFI噴射期間補正処理を実行する(ステップS160)。PFI噴射期間補正処理は、PFI342の燃料噴射弁の開弁期間を、最小フィード圧制御の非実行時と較べて長くする、本発明に係る「噴射期間補正手段」の動作の一例である。
より具体的には、最小フィード圧制御の非実行時においては、フィードポンプ330のフィード圧Pfdは比較的自由度が高い状態にある。一方で、PFI342からのポート噴射燃料Fpiの噴射期間は、クランク角に応じてある程度律束される。例えば、吸気ポート209への燃料噴射は、理論的には吸気バルブ210の開弁前から開弁期間中において有効である(シリンダ内部に吸入される可能性がある)が、通常は、混合気の均一性を一定に維持する等の目的から、より狭角範囲で限定されることが多い。この限定された噴射期間においてポート噴射燃料Fpiの噴射量たるポート噴射量Qfpiの目標値Qfpitgを満たすためのフィード圧Pfdは一義的にその都度可変に決定され得る。
従って、何らの運用指針も策定されていなければ、PFI342がDFI362と併用される段階で、最小フィード圧と、PFI342の動作制御上定まる最小フィード圧とが相互いに干渉し、最小フィード圧制御の継続は実質的に不可能となる。ステップS160におけるPFI噴射期間補正処理は、このような事態における燃費の相対的悪化(即ち、燃費向上に係る措置が実行されないことによる相対的意味での悪化)を防止するための処理である。
噴射期間が最小フィード圧制御の非実行期間に対し長くなる側に補正される(より広角範囲での燃料噴射が許可される)ということは、最小フィード圧を維持したまま実現し得るポート噴射量Qfpiの範囲が拡大することを意味する。即ち、PFI噴射期間補正処理が実行されることにより、最小フィード圧が維持されるべき場合には、最小フィード圧の可及的維持を図ることが可能となる。従って、最小フィード圧制御による燃費向上に係る利益を可及的に享受することが可能となるのである。
ここで、ステップS130における、最小フィード圧制御の実行可否に係る判断条件について説明する。最小フィード圧制御は、先述したように、高圧ポンプ350の正常動作が確保され得る範囲でフィード圧Pfdを最小値に維持する制御であるが、このようなフィードポンプ330の駆動負荷低減による燃費向上効果とは異なる見地から、最小フィード圧以上のフィード圧が要求される場合がある。このような場合には、最小フィード圧制御による燃費向上効果にこれらを優先する必要が生じる。即ち、このような場合が「最小フィード圧制御を継続することができない」場合に相当し、最小フィード圧は、この場合、本発明に係る「限界値」の一例となる。
例えば、エンジン200の始動時(常温、冷間、高温問わず)には、燃焼安定性の確保が重要であるから、噴射量の確保と共に燃料噴霧の微粒化が望まれる傾向にある。燃料噴霧の微粒化には高いフィード圧の方が有利であり、最小フィード圧では不十分な場合が多い。このような状況下では最小フィード圧を超えたフィード圧が要求され得る。このような場合、燃費向上に優先してフィード圧Pfdを上昇させるべき旨の判断が成立する。
尚、燃料噴霧の微粒化は、始動時に限らず要求され得る。燃料噴霧の微粒化が要求される状況では、同様に要求フィード圧が最小フィード圧を超える可能性がある。例えば、冷間始動時における始動後且つ暖機完了前には排気エミッションを低減する目的から噴霧の微粒化が望まれる傾向にある。このような場合も、燃費向上に優先してフィード圧Pfdを上昇させるべき旨の判断が成立する。
また、エンジン200の燃焼温度が高い状況(例えば、極高温再始動後の一定期間等)においては、フィード圧Pfdが低過ぎると、PFI342において気泡が発生して燃料の調量精度が低下する可能性がある。このような状況においては、気泡の発生を防止する目的から最小フィード圧以上のフィード圧が要求され得る。また、このようにして最小フィード圧以上のフィード圧が要求された場合、燃費向上に優先すべき旨の判断が成立し得る。
また、エンジン200を搭載する車両の低中速且つ高負荷運転時においては、可及的に多くの新気をシリンダ内部に導入する必要から、シリンダ内部の体積効率を高める必要性が生じ得る。そのような要求に対しては、燃料噴霧の微粒化に伴う気化潜熱による冷却が効果的であり、要求フィード圧が最小フィード圧を超える可能性がある。また、このようにして最小フィード圧以上のフィード圧が要求された場合、燃費向上に優先すべき旨の判断が成立し得る。
また、目標ポート噴射量Qfpitgと最小フィード圧とによって一義的に規定されるPFI342の噴射期間が、限界(例えば、物理的動作限界としての720°CA或いはより狭角範囲で策定される現実的限界)を超えてしまえば、最小フィード圧を維持したままでは要求された噴射量を確保できないことになる。このよう場合、噴射量確保を燃費向上に優先させるべき旨の判断が成立し得る。
また、最小フィード圧制御においてフィード圧の変動幅が所定以上であり且つその周期が所定未満であるような場合(定性的には、フィード圧が激しく変動する場合)、最小フィード圧制御を継続することによりフィードポンプ330の駆動負荷がかえって増大する可能性がある。そのような場合について最小フィード圧制御を継続しても、結局の所燃費向上に係る利益を十分に確保することが出来ないため、最小フィード圧制御を継続することが不可能である旨の判断は成立し得る。
本実施形態では、このような場合について最小フィード圧制御が一時的に終了される。従って、最小フィード圧制御が、エンジン200の他の問題を招くことがない。
以上説明したように、本実施形態に係る燃料供給制御処理によれば、PFI342とDFI362とが併用される併用期間における最小フィード圧制御の運用指針が明確に規定されるため、最小フィード圧制御を他の問題を生じさせることなく継続出来るにもかかわらずフィード圧が無用に上昇させられる事態や、逆に、最小フィード圧制御の維持を図ろうとする余り、他の目的から発生したフィード圧の上昇要請が無視されるといった事態が生じることがなく、最小フィード圧制御を他の問題を顕在化させない範囲で可及的に維持することが可能となり、最小フィード圧制御を極めて効率的に運用することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃料供給システムの制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。