JP2004044239A - 塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 - Google Patents
塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004044239A JP2004044239A JP2002203371A JP2002203371A JP2004044239A JP 2004044239 A JP2004044239 A JP 2004044239A JP 2002203371 A JP2002203371 A JP 2002203371A JP 2002203371 A JP2002203371 A JP 2002203371A JP 2004044239 A JP2004044239 A JP 2004044239A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- floor
- pvc
- pvc tile
- tile
- double
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Landscapes
- Floor Finish (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
【課題】施工が簡単で、しかもリサイクルが可能であり、環境汚損の惧れを低減できるようにする。
【解決手段】床下地等からなる床面(2)の上に両面接着テープ(3)を貼り付け、その上に塩ビタイル(1)を敷き詰める。使用期間が終了すると床面(2)からこの塩ビタイル(1)を取外す。そして塩ビタイル(1)の裏面から両面接着テープ(3)の残骸を除去し洗浄する。その後、この回収した塩ビタイル(1)を再生原料として成形装置へ投入し、新たな塩ビタイル(1)を製造する。
【選択図】 図2
【解決手段】床下地等からなる床面(2)の上に両面接着テープ(3)を貼り付け、その上に塩ビタイル(1)を敷き詰める。使用期間が終了すると床面(2)からこの塩ビタイル(1)を取外す。そして塩ビタイル(1)の裏面から両面接着テープ(3)の残骸を除去し洗浄する。その後、この回収した塩ビタイル(1)を再生原料として成形装置へ投入し、新たな塩ビタイル(1)を製造する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法に関し、さらに詳しくは、施工が簡単でしかもリサイクルが可能であり、環境汚染の惧れを低減できる塩ビタイル床等に関する。
【0002】
【従来の技術】
工事現場の事務所や仮設校舎、臨時のイベント会場などの各種の仮設建物は、数ヶ月間から数年間、例えば2年程度以内の短期間で使用を終了したのち、解体し撤去される。
従来、上記の仮設建物の床には、塩ビ樹脂からなるシートを敷設した塩ビ床がある。この塩ビ床に用いられる塩ビシートは、例えば厚さが1〜2mm、幅1.8m、長さ15mの長尺体でロール状に捲かれている。この塩ビシートは、通常、床下地の上にベニヤ板を配置したのち、このベニヤ板の上面に接着剤を塗布し、その塗付面上にこの塩ビシートを広げて上記の接着剤で固定することにより敷設される。上記の塩ビ床は、塩ビ樹脂が安価である上、清掃が容易であり、建物内を清浄に保ち易い利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の塩ビ床は、床下地の上にベニヤ板を配置してこのベニヤ板の上面に接着剤を塗布する必要があるため、施工コストがかかる。しかも、接着剤を均一で平滑に塗布するには熟練した技術を要するうえ、接着剤の固化に時間がかかるため施工期間が長くなる問題がある。
【0004】
また、塩ビシートは接着剤を介して上記のベニヤ板に確りと固定されるため、上記の仮設建物を解体する際に回収される塩ビシートは、裏面全体に接着材が付着しているうえ、この接着剤を介して上記のベニヤ板の木片が付着していることが多い。さらに、使用中や回収の際に、上記の接着剤に泥土や砂、小石、金属片などの異物が付着することもあり、これらは塩ビシートを洗浄しても容易に除去することができない。
【0005】
上記の回収した塩ビシートを、接着剤や異物が付着した状態で成形装置に投入すると、成形品に異物が混入したりピンホールなどの孔が明いたりして不良品となり、歩留りが大幅に低下する問題がある。また、接着剤がこびりついたり異物が挟まったりするなどして成形装置を損傷する惧れもある。
このため、上記の回収された塩ビシートは再生原料として利用することができず、廃棄処分されていた。しかしながら、塩ビ樹脂は焼却すると塩素系の有害ガスを発生し易いため、環境を汚染する惧れがある。
【0006】
本発明は上記の問題点を解消し、施工が簡単で、しかもリサイクルが可能であり、環境汚染の惧れを低減できる塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図4に基づいて説明すると、塩ビタイル床の施工方法を次のように構成したものである。
すなわち、床下地等からなる床面(2)の上に、塩化ビニル樹脂で所定形状に成形した塩ビタイル(1)を敷き詰める塩ビタイル床の施工方法であって、上記の床面(2)と塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の塩ビタイル床は、次のように構成したものである。
床下地等からなる床面(2)とこの床面(2)の上に敷き詰める塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定したことを特徴とする。
【0009】
さらに本発明の塩ビタイルのリサイクル方法は、次のように構成したものである。
床下地等からなる床面(2)に両面接着テープ(3)を介して塩ビタイル(1)を敷設し、この塩ビタイル(1)の使用期間終了後に上記の床面(2)からこの塩ビタイル(1)を取外し、この塩ビタイル(1)の裏面(1a)から両面接着テープ(3)の残骸を除去するとともにこの塩ビタイル(1)を洗浄した後、この回収した塩ビタイル(1)を再生原料として成形装置へ投入して新たな塩化ビニル樹脂製品を製造することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示し、図1は塩ビタイルのリサイクル方法を説明するフロー図であり、図2は塩ビタイルを敷設する施工途中の、塩ビタイル床の部分平面図である。
【0011】
最初に、図1に基づいて塩ビタイルのリサイクル方法を説明する。
ここで用いる塩ビタイルは、通常、使用済み塩ビ製品から回収した再生原料に、必要に応じてバージンの塩化ビニル樹脂や充填材、その他の添加剤を加えて、既知の成形装置を用いて製造される(S1)。もちろん、最初は塩化ビニル樹脂のバージン原料のみを用いて成形した塩ビタイルを用いてもよい。
【0012】
上記の塩ビタイルは、仮設建物などの床材として用いられ、床面に敷き詰められて両面接着テープにより固定される(S2)。上記の両面接着テープは、矩形の塩ビタイルの幅と長さに略等しいかこれよりも狭い間隔で上記の床面上へ格子状に貼り付けておき、この両面接着テープ上に塩ビタイルの周縁部を位置させる状態で、この塩ビタイルを上記の床面の上に敷き詰めてもよい。或いは、上記の両面接着テープを塩ビタイルの裏面の周縁部に予め貼着しておき、この塩ビタイルを上記の床面の上に敷き詰めてもよい。なお、上記の床面は、両面接着テープとの接着性と塩ビタイルを敷設できるような平坦さとがあればよく、例えば、床下地の上面自体や、この床下地の上に配置したベニヤ板等の上面等をいう。
なお、上記の塩ビタイル床は、後述の回収の際の洗浄を容易にする等の理由から、モップ等により清掃して上記の塩ビタイルを清浄に保つのが好ましい。
【0013】
上記の建物の使用が終了し解体する場合や、塩ビタイル床を張り替える場合など、上記の塩ビタイルの使用期間が終了すると、この塩ビタイルが床面から取外される(S3)。このとき、塩ビタイルは、従来の接着剤による固定と異なって、両面接着テープで固定してあるので床面から簡単に取り剥がすことができる。なお、上記の両面接着テープは、塩ビタイルへの接着力を床面への接着力よりも弱めておくと、上記の取り剥がしの際に両面テープが塩ビタイルから剥がれ易いので好ましい。この接着力を弱める具体的な方法としては、両面接着テープ自体の接着力を工夫するほか、例えば塩ビタイルの裏面に樹脂コーティングなどの表面処理を施したり、細かな凹凸模様(シボ模様)を付して両面接着テープとの接着面積を少なくすること等が考えられる。
【0014】
次いで、上記の塩ビタイルに付着している両面接着テープの残骸を除去(S4)したのち、この塩ビタイルを洗浄装置等で洗浄して泥土や砂、金属片、木片などの異物を取り除く(S5)。なお、両面接着テープの残骸は、洗浄装置で泥土等とともに除去してもよく、或いは洗浄後に残っている残骸を除去してもよい。
【0015】
次に、塩ビタイルから両面接着テープの残骸やその他の異物が除去されたことを確認(S6)したのち、再使用の可否が判別される(S7)。即ち、回収塩ビタイルが無傷で殆ど損傷がない場合は、そのまま塩ビタイルの再使用品として、いわゆる使い回しされる。
【0016】
これに対し、回収塩ビタイルが損傷している場合など再使用しない場合は、再生原料としての使用の可否が判別される(S8)。塩ビタイルを構成している塩化ビニル樹脂の劣化が少ない場合は再生原料に用いられ、劣化が激しい場合は、再生原料として利用できないので廃棄される(S9)。上記の再生原料は、塩ビタイルの形状のまま、或いは適当な大きさに粉砕されて成形装置に投入され、塩ビタイルなどの塩化ビニル樹脂製品が成形される。
【0017】
なお、塩化ビニル樹脂は繰り返しリサイクルすることで徐々に劣化するので、耐用限度に達する前に、養生シートや遮音材など、リサイクルしない他の塩化ビニル樹脂製品の成形に用いるのが好ましい。従って、塩化ビニル樹脂の劣化が少ない場合は本発明に用いる塩ビタイルを製造(S1)して繰り返しリサイクルされるが、樹脂の劣化が進むと他の塩ビ製品用の再生原料(S10)に用いられる。
【0018】
次に、図2に基づいて、上記の塩ビタイルを床面に敷設した塩ビタイル床の具体例について説明する。
図2に示すように、上記の塩ビタイル(1)は仮設建物の床面(2)に敷き詰められ、両面接着テープ(3)によりこの床面(2)に固定されている。
上記の塩ビタイル(1)は、例えば一辺が91cmの正方形で、厚さが2〜6mmに形成されている。ただし本発明に用いる塩ビタイルは、床面への敷設が可能な範囲で、任意の形状や大きさ、厚さに設定できることはいうまでもない。
【0019】
上記の塩ビタイル床は次の手順で施工される。
最初に、上記の床面(2)は予めできるだけ平坦にされ清掃される。なお、この床面(2)は床下地の表面であってもよいが、その表面に凹凸がある場合などは、この床下地の上に例えばベニヤ板等を配置して、その上面で上記の床面(2)が構成される。
【0020】
次に、上記の床面(2)に、塩ビタイル(1)の幅に略等しい間隔、即ち91cm間隔で縦横に前記の両面接着テープ(3)が貼り付けられる。そして、上記の塩ビタイル(1)が、その裏面の周縁部が上記の両面接着テープ(3)上に位置する状態で床面(2)上に敷詰められ、この両面接着テープ(3)により塩ビタイル(1)が床面(2)に固定される。なお、上記の両面接着テープ(3)の間隔は塩ビタイル(1)の幅より狭くても良いが、両面接着テープ(3)の使用量を少なく抑えるため、この実施例のように塩ビタイル(1)の幅と同じにするのが好ましい。
【0021】
図3は第2実施形態を示す、塩ビタイルの裏面側からみた斜視図である。
この実施形態では、塩ビタイル(1)の裏面(1a)の周縁部に両面接着テープ(3)が予め貼着してあり、剥離紙(4)により両面接着テープ(3)を保護してある。この塩ビタイル(1)は前記の第1実施形態と同様の床面(2)に敷き詰められるが、第1実施形態と異なり、床面(2)に両面接着テープを予め貼りつける作業が省略される。即ち、上記の塩ビタイル(1)は、上記の剥離紙(4)が除去されたのち、そのまま床面(2)上に配置され、上記の両面接着テープ(3)により床面(2)に固定される。従って、塩ビタイルの敷設作業を一層簡単に行うことができる。
【0022】
上記の実施形態ではいずれも矩形の塩ビタイルを用いたが、本発明では他の形状の塩ビタイルを用いることができ、例えば図4に示す変形例のように、六角形状の塩ビタイル(1)を用いることも可能である。
【0023】
また、上記の各実施形態では、いずれも塩ビタイルの裏面の周縁部を、全周に亘って両面接着テープにより床面に固定したので、塩ビタイルを床面に確りと固定できる。しかし、本発明の塩ビタイル床は、敷設後に塩ビタイルの周縁部が床面から浮き上がる惧れがない場合には、周縁部の一部、例えば矩形の塩ビタイルの互いに対向する2辺のみを固定してもよく、或いは、塩ビタイルの裏面のうちの、例えば中央部分など、任意の他の部分を床面に固定することができる。
【0024】
なお、上記の実施形態は本発明を仮設建物の床面に適用する場合について説明した。しかし、本発明の塩ビタイル床は恒久的な建物の床面に適用することも可能である。ただし、短期間に解体され撤収される仮設建物等に適用すると、塩ビタイルを効率良くリサイクルできるのでより好ましい。これらの仮設建物としては、例えば、工事現場事務所、仮設校舎、仮設庁舎、仮設住宅、イベント会場、季節的に使用されるスケートリンクなどを挙げることができるが、これらのものに限定はされない。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0026】
(1) 床下地の上にベニヤ板などを必ずしも配置する必要がないうえ、接着剤を用いないことから安価に実施でき、しかも、床面への塩ビタイルの固定は両面接着テープを用いるだけでよく、熟練を要する接着剤塗付作業が不要であるので施工が簡単であり、また、接着剤の硬化時間が不要となるため工期を短縮することができる。
【0027】
(2) 両面接着テープは、前記従来技術の接着剤と異なり、塩ビタイルから比較的簡単に剥がせることから、回収した塩ビタイルから接着剤やその他の異物を容易に除去することができる。この結果、回収した塩ビタイルを再生原料として利用することができ、廃棄物量を削減できるので、これらの廃棄物を処理する際の環境汚染の惧れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、塩ビタイルのリサイクル方法を説明するフロー図である。
【図2】第1実施形態の、塩ビタイルを敷設する施工途中の、塩ビタイル床の部分平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す、塩ビタイルの裏面側からみた一部破断斜視図である。
【図4】第2実施形態の変形例を示す、図3相当図である。
【符号の説明】
1…塩ビタイル
1a…裏面
2…床面
3…両面接着テープ
4…剥離紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法に関し、さらに詳しくは、施工が簡単でしかもリサイクルが可能であり、環境汚染の惧れを低減できる塩ビタイル床等に関する。
【0002】
【従来の技術】
工事現場の事務所や仮設校舎、臨時のイベント会場などの各種の仮設建物は、数ヶ月間から数年間、例えば2年程度以内の短期間で使用を終了したのち、解体し撤去される。
従来、上記の仮設建物の床には、塩ビ樹脂からなるシートを敷設した塩ビ床がある。この塩ビ床に用いられる塩ビシートは、例えば厚さが1〜2mm、幅1.8m、長さ15mの長尺体でロール状に捲かれている。この塩ビシートは、通常、床下地の上にベニヤ板を配置したのち、このベニヤ板の上面に接着剤を塗布し、その塗付面上にこの塩ビシートを広げて上記の接着剤で固定することにより敷設される。上記の塩ビ床は、塩ビ樹脂が安価である上、清掃が容易であり、建物内を清浄に保ち易い利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の塩ビ床は、床下地の上にベニヤ板を配置してこのベニヤ板の上面に接着剤を塗布する必要があるため、施工コストがかかる。しかも、接着剤を均一で平滑に塗布するには熟練した技術を要するうえ、接着剤の固化に時間がかかるため施工期間が長くなる問題がある。
【0004】
また、塩ビシートは接着剤を介して上記のベニヤ板に確りと固定されるため、上記の仮設建物を解体する際に回収される塩ビシートは、裏面全体に接着材が付着しているうえ、この接着剤を介して上記のベニヤ板の木片が付着していることが多い。さらに、使用中や回収の際に、上記の接着剤に泥土や砂、小石、金属片などの異物が付着することもあり、これらは塩ビシートを洗浄しても容易に除去することができない。
【0005】
上記の回収した塩ビシートを、接着剤や異物が付着した状態で成形装置に投入すると、成形品に異物が混入したりピンホールなどの孔が明いたりして不良品となり、歩留りが大幅に低下する問題がある。また、接着剤がこびりついたり異物が挟まったりするなどして成形装置を損傷する惧れもある。
このため、上記の回収された塩ビシートは再生原料として利用することができず、廃棄処分されていた。しかしながら、塩ビ樹脂は焼却すると塩素系の有害ガスを発生し易いため、環境を汚染する惧れがある。
【0006】
本発明は上記の問題点を解消し、施工が簡単で、しかもリサイクルが可能であり、環境汚染の惧れを低減できる塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図4に基づいて説明すると、塩ビタイル床の施工方法を次のように構成したものである。
すなわち、床下地等からなる床面(2)の上に、塩化ビニル樹脂で所定形状に成形した塩ビタイル(1)を敷き詰める塩ビタイル床の施工方法であって、上記の床面(2)と塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の塩ビタイル床は、次のように構成したものである。
床下地等からなる床面(2)とこの床面(2)の上に敷き詰める塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定したことを特徴とする。
【0009】
さらに本発明の塩ビタイルのリサイクル方法は、次のように構成したものである。
床下地等からなる床面(2)に両面接着テープ(3)を介して塩ビタイル(1)を敷設し、この塩ビタイル(1)の使用期間終了後に上記の床面(2)からこの塩ビタイル(1)を取外し、この塩ビタイル(1)の裏面(1a)から両面接着テープ(3)の残骸を除去するとともにこの塩ビタイル(1)を洗浄した後、この回収した塩ビタイル(1)を再生原料として成形装置へ投入して新たな塩化ビニル樹脂製品を製造することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示し、図1は塩ビタイルのリサイクル方法を説明するフロー図であり、図2は塩ビタイルを敷設する施工途中の、塩ビタイル床の部分平面図である。
【0011】
最初に、図1に基づいて塩ビタイルのリサイクル方法を説明する。
ここで用いる塩ビタイルは、通常、使用済み塩ビ製品から回収した再生原料に、必要に応じてバージンの塩化ビニル樹脂や充填材、その他の添加剤を加えて、既知の成形装置を用いて製造される(S1)。もちろん、最初は塩化ビニル樹脂のバージン原料のみを用いて成形した塩ビタイルを用いてもよい。
【0012】
上記の塩ビタイルは、仮設建物などの床材として用いられ、床面に敷き詰められて両面接着テープにより固定される(S2)。上記の両面接着テープは、矩形の塩ビタイルの幅と長さに略等しいかこれよりも狭い間隔で上記の床面上へ格子状に貼り付けておき、この両面接着テープ上に塩ビタイルの周縁部を位置させる状態で、この塩ビタイルを上記の床面の上に敷き詰めてもよい。或いは、上記の両面接着テープを塩ビタイルの裏面の周縁部に予め貼着しておき、この塩ビタイルを上記の床面の上に敷き詰めてもよい。なお、上記の床面は、両面接着テープとの接着性と塩ビタイルを敷設できるような平坦さとがあればよく、例えば、床下地の上面自体や、この床下地の上に配置したベニヤ板等の上面等をいう。
なお、上記の塩ビタイル床は、後述の回収の際の洗浄を容易にする等の理由から、モップ等により清掃して上記の塩ビタイルを清浄に保つのが好ましい。
【0013】
上記の建物の使用が終了し解体する場合や、塩ビタイル床を張り替える場合など、上記の塩ビタイルの使用期間が終了すると、この塩ビタイルが床面から取外される(S3)。このとき、塩ビタイルは、従来の接着剤による固定と異なって、両面接着テープで固定してあるので床面から簡単に取り剥がすことができる。なお、上記の両面接着テープは、塩ビタイルへの接着力を床面への接着力よりも弱めておくと、上記の取り剥がしの際に両面テープが塩ビタイルから剥がれ易いので好ましい。この接着力を弱める具体的な方法としては、両面接着テープ自体の接着力を工夫するほか、例えば塩ビタイルの裏面に樹脂コーティングなどの表面処理を施したり、細かな凹凸模様(シボ模様)を付して両面接着テープとの接着面積を少なくすること等が考えられる。
【0014】
次いで、上記の塩ビタイルに付着している両面接着テープの残骸を除去(S4)したのち、この塩ビタイルを洗浄装置等で洗浄して泥土や砂、金属片、木片などの異物を取り除く(S5)。なお、両面接着テープの残骸は、洗浄装置で泥土等とともに除去してもよく、或いは洗浄後に残っている残骸を除去してもよい。
【0015】
次に、塩ビタイルから両面接着テープの残骸やその他の異物が除去されたことを確認(S6)したのち、再使用の可否が判別される(S7)。即ち、回収塩ビタイルが無傷で殆ど損傷がない場合は、そのまま塩ビタイルの再使用品として、いわゆる使い回しされる。
【0016】
これに対し、回収塩ビタイルが損傷している場合など再使用しない場合は、再生原料としての使用の可否が判別される(S8)。塩ビタイルを構成している塩化ビニル樹脂の劣化が少ない場合は再生原料に用いられ、劣化が激しい場合は、再生原料として利用できないので廃棄される(S9)。上記の再生原料は、塩ビタイルの形状のまま、或いは適当な大きさに粉砕されて成形装置に投入され、塩ビタイルなどの塩化ビニル樹脂製品が成形される。
【0017】
なお、塩化ビニル樹脂は繰り返しリサイクルすることで徐々に劣化するので、耐用限度に達する前に、養生シートや遮音材など、リサイクルしない他の塩化ビニル樹脂製品の成形に用いるのが好ましい。従って、塩化ビニル樹脂の劣化が少ない場合は本発明に用いる塩ビタイルを製造(S1)して繰り返しリサイクルされるが、樹脂の劣化が進むと他の塩ビ製品用の再生原料(S10)に用いられる。
【0018】
次に、図2に基づいて、上記の塩ビタイルを床面に敷設した塩ビタイル床の具体例について説明する。
図2に示すように、上記の塩ビタイル(1)は仮設建物の床面(2)に敷き詰められ、両面接着テープ(3)によりこの床面(2)に固定されている。
上記の塩ビタイル(1)は、例えば一辺が91cmの正方形で、厚さが2〜6mmに形成されている。ただし本発明に用いる塩ビタイルは、床面への敷設が可能な範囲で、任意の形状や大きさ、厚さに設定できることはいうまでもない。
【0019】
上記の塩ビタイル床は次の手順で施工される。
最初に、上記の床面(2)は予めできるだけ平坦にされ清掃される。なお、この床面(2)は床下地の表面であってもよいが、その表面に凹凸がある場合などは、この床下地の上に例えばベニヤ板等を配置して、その上面で上記の床面(2)が構成される。
【0020】
次に、上記の床面(2)に、塩ビタイル(1)の幅に略等しい間隔、即ち91cm間隔で縦横に前記の両面接着テープ(3)が貼り付けられる。そして、上記の塩ビタイル(1)が、その裏面の周縁部が上記の両面接着テープ(3)上に位置する状態で床面(2)上に敷詰められ、この両面接着テープ(3)により塩ビタイル(1)が床面(2)に固定される。なお、上記の両面接着テープ(3)の間隔は塩ビタイル(1)の幅より狭くても良いが、両面接着テープ(3)の使用量を少なく抑えるため、この実施例のように塩ビタイル(1)の幅と同じにするのが好ましい。
【0021】
図3は第2実施形態を示す、塩ビタイルの裏面側からみた斜視図である。
この実施形態では、塩ビタイル(1)の裏面(1a)の周縁部に両面接着テープ(3)が予め貼着してあり、剥離紙(4)により両面接着テープ(3)を保護してある。この塩ビタイル(1)は前記の第1実施形態と同様の床面(2)に敷き詰められるが、第1実施形態と異なり、床面(2)に両面接着テープを予め貼りつける作業が省略される。即ち、上記の塩ビタイル(1)は、上記の剥離紙(4)が除去されたのち、そのまま床面(2)上に配置され、上記の両面接着テープ(3)により床面(2)に固定される。従って、塩ビタイルの敷設作業を一層簡単に行うことができる。
【0022】
上記の実施形態ではいずれも矩形の塩ビタイルを用いたが、本発明では他の形状の塩ビタイルを用いることができ、例えば図4に示す変形例のように、六角形状の塩ビタイル(1)を用いることも可能である。
【0023】
また、上記の各実施形態では、いずれも塩ビタイルの裏面の周縁部を、全周に亘って両面接着テープにより床面に固定したので、塩ビタイルを床面に確りと固定できる。しかし、本発明の塩ビタイル床は、敷設後に塩ビタイルの周縁部が床面から浮き上がる惧れがない場合には、周縁部の一部、例えば矩形の塩ビタイルの互いに対向する2辺のみを固定してもよく、或いは、塩ビタイルの裏面のうちの、例えば中央部分など、任意の他の部分を床面に固定することができる。
【0024】
なお、上記の実施形態は本発明を仮設建物の床面に適用する場合について説明した。しかし、本発明の塩ビタイル床は恒久的な建物の床面に適用することも可能である。ただし、短期間に解体され撤収される仮設建物等に適用すると、塩ビタイルを効率良くリサイクルできるのでより好ましい。これらの仮設建物としては、例えば、工事現場事務所、仮設校舎、仮設庁舎、仮設住宅、イベント会場、季節的に使用されるスケートリンクなどを挙げることができるが、これらのものに限定はされない。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0026】
(1) 床下地の上にベニヤ板などを必ずしも配置する必要がないうえ、接着剤を用いないことから安価に実施でき、しかも、床面への塩ビタイルの固定は両面接着テープを用いるだけでよく、熟練を要する接着剤塗付作業が不要であるので施工が簡単であり、また、接着剤の硬化時間が不要となるため工期を短縮することができる。
【0027】
(2) 両面接着テープは、前記従来技術の接着剤と異なり、塩ビタイルから比較的簡単に剥がせることから、回収した塩ビタイルから接着剤やその他の異物を容易に除去することができる。この結果、回収した塩ビタイルを再生原料として利用することができ、廃棄物量を削減できるので、これらの廃棄物を処理する際の環境汚染の惧れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、塩ビタイルのリサイクル方法を説明するフロー図である。
【図2】第1実施形態の、塩ビタイルを敷設する施工途中の、塩ビタイル床の部分平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す、塩ビタイルの裏面側からみた一部破断斜視図である。
【図4】第2実施形態の変形例を示す、図3相当図である。
【符号の説明】
1…塩ビタイル
1a…裏面
2…床面
3…両面接着テープ
4…剥離紙
Claims (6)
- 床下地等からなる床面(2)の上に、塩化ビニル樹脂で所定形状に成形した塩ビタイル(1)を敷き詰める塩ビタイル床の施工方法であって、
上記の床面(2)と塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定することを特徴とする、塩ビタイル床の施工方法。 - 上記の両面接着テープ(3)を、矩形の塩ビタイル(1)の幅又は長さに略等しいかこれよりも狭い間隔で上記の床面(2)上へ格子状に貼り付け、この両面接着テープ(3)上に上記の塩ビタイル(1)を敷き詰める、請求項1に記載の塩ビタイル床の施工方法。
- 塩ビタイル(1)の裏面(1a)に両面接着テープ(3)を予め貼着しておき、この塩ビタイル(1)を上記の床面(2)の上に敷き詰める、請求項1に記載の塩ビタイル床の施工方法。
- 上記の両面接着テープ(3)は、塩ビタイル(1)への接着力を床面(2)への接着力よりも弱めた、請求項1から3のいずれか1項に記載の塩ビタイル床の施工方法。
- 床下地等からなる床面(2)とこの床面(2)の上に敷き詰める塩ビタイル(1)との間に両面接着テープ(3)を配置し、この両面接着テープ(3)を介して上記の塩ビタイル(1)を上記の床面(2)に固定したことを特徴とする塩ビタイル床。
- 床下地等からなる床面(2)に両面接着テープ(3)を介して塩ビタイル(1)を敷設し、この塩ビタイル(1)の使用期間終了後に上記の床面(2)からこの塩ビタイル(1)を取外し、この塩ビタイル(1)の裏面(1a)から両面接着テープ(3)の残骸を除去するとともにこの塩ビタイル(1)を洗浄した後、この回収した塩ビタイル(1)を再生原料として成形装置へ投入して新たな塩化ビニル樹脂製品を製造することを特徴とする、塩ビタイルのリサイクル方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203371A JP2004044239A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203371A JP2004044239A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044239A true JP2004044239A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31709247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002203371A Withdrawn JP2004044239A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044239A (ja) |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203371A patent/JP2004044239A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5753524B2 (ja) | コンクリート構造物養生用フィルム | |
JP2004044239A (ja) | 塩ビタイル床とその施工方法および塩ビタイルのリサイクル方法 | |
JP4482887B2 (ja) | 置き敷きタイルの施工方法 | |
JP2007009614A (ja) | コンクリート表面の脱泡型枠材 | |
JP2003278390A (ja) | 内装材の補修キット | |
JPH06287526A (ja) | タイルユニツト用感圧性接着シ―トとこれを用いたタイルユニツトおよびタイルプレキヤストコンクリ―ト板の製造法 | |
JP5674229B1 (ja) | 充填剤研磨具の充填剤屑の除去方法 | |
JP4482886B2 (ja) | 置き敷きタイルの施工方法 | |
JP2010255186A (ja) | 二重床構造 | |
KR200182881Y1 (ko) | 콘크리트용 거푸집의 재생장치 | |
JP2004100379A (ja) | 床タイルの施工方法 | |
JP4395126B2 (ja) | 舗装方法 | |
JP2010516921A (ja) | 床に床材を貼付するための方法 | |
WO2004007867A1 (ja) | タイル及びタイル敷き床のメインテナンス方法 | |
JP4117172B2 (ja) | ループ状カーペット面を有する再生タイルとその施工方法 | |
JP2871552B2 (ja) | 装飾骨材搭載シートを利用した装飾コンクリートの製造方法 | |
WO2007123393A1 (en) | Floor or wall covering removably fixed to an elastic intermediate layer by an adhesive | |
JPH06269346A (ja) | タイルカーペット固定具 | |
JP2587950Y2 (ja) | 複合床面材 | |
JP2003003649A (ja) | 床材の施工構造 | |
TWM616123U (zh) | 室內裝潢保護裝置 | |
JP2006037566A (ja) | 床材の取付構造 | |
JPH0626194A (ja) | Pc板成型型枠 | |
AU1544802A (en) | Floor covering installation system | |
JP2003201759A (ja) | プラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法及び交換用プラスチックタイル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |